JPH1025838A - 筋交い補強金具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 木造住宅において、土台と桁及び柱とで形成
する空間部に同空間部の四隅に設けたコーナー金具と同
金具を水平方向並びに垂直方向に緊結するつなぎ金具及
び対角線上に位置するコーナー金具を緊結する筋交い平
鉄板とで一体的に枠組みし、これを筋交いが少ない所や
強度的にバランスの悪い所の上記空間部に嵌込むように
した筋交い補強金具を提供する。 【解決手段】 土台と桁とそれらの間に立設した一対の
柱とで形成する四隅内側に取付げたコーナー金具、上記
柱と柱との間に位置する上記土台の上面及び桁の下面並
びに上記柱の内側に取付けられ上記四隅のコーナー金具
を互いに水平方向並びに垂直方向に緊結するつなぎ金
具、上記四隅の対角線上に交叉して配設され上記コーナ
ー金具を互いに緊結する２枚の筋交い平鉄板及び同平鉄
板それぞれの下端部と上記コーナー金具との間に取付け
られた長さ調整部材とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は本造住宅の筋交いを
補強するための筋交い補強金具の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来この種補強金具はいろいろ提案され
ており、例えば実開昭６４−４１５０３号公報には土台
と桁及び柱とで形成する四隅に固定金具を取付け、対角
線上に位置する固定金具を２種類の金属パイプをネジで
結合し長さを調整しうる筋交いで緊結するようにした筋
交い金具が提案されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した筋交い金具は
ネジを設けたパイプと雌ネジを切ったパイプとそれらの
自由端に溶接付けされた取付け板とから構成されている
ため長さ調整時上記取付け板の何れか一方を外さなけれ
ば長さの調整は出来ず、そのため筋交い金具の装着に手
間取るおそれがあり、又ネジ付き棒をいわゆるターンバ
ックルで連結するようにした筋交い金具にあっては構造
が複雑で、操作が困難な上、四隅に位置すする固定金具
は土台と柱及び柱と軒桁とに固定されているのみでそれ
らが互いに水平方向及び垂直方向に連結されていないた
め土台や軒桁及び柱のいずれかが収縮したような場合上
記ターンバックルにに無理な應力が加わり、強度的には
必ずしも十分とは言えず問題がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、土台と桁との
間に所定間隔隔てゝ立設した一対の柱と上記土台及び桁
とが直角に交わる内側の各四隅に取付けたコーナー金
具、上記柱と柱の間に位置する上記土台上面と上記柱と
柱の間に位置する上記桁下面及び上記一対の柱のそれぞ
れの内側に取付けられ上記四隅に取付けたコーナー金具
を互いに水平方向並びに垂直方向に緊結するつなぎ金
具、上記四隅の対角線上に交叉して配設され上記四隅の
コーナー金具を互いに緊結する２枚の筋交い平鉄板及び
上記平鉄板それぞれの下端部と上記土台と柱とで形成す
る隅に位置するコーナー金具との間に介装され両者のそ
の長手方向の長さを調整する長さ調整部材とからなるこ
とを特徴とし、その目的とするところは、極めてコンパ
クトな構成で従来の不具合点を未然に解消しうる筋交い
補強金具を提供しようとするものである。

【０００５】

【作用】本発明は上記したとおり、土台と桁及び柱とで
形成する四隅の内側にそれぞれ取付けたコーナー金具が
上記つなぎ金具で水平方向並びに垂直方向に強固に緊結
し、上記四隅の対角線上に位置するコーナー金具は筋交
い平鉄板で交叉して緊結し、この筋交い平鉄板のそれぞ
れの下端部と上記土台上に位置するコーナー金具とを長
さ調整部材で連結結合して土台と桁及び柱とをそれらの
内側において強固に固定する。

【０００６】

【実施例】次に本発明の最も好ましい図示実施例につい
て説明する。図１ないし図６において、１は周知の布基
礎上に取付けた土台、２はその上方に配設された桁で、
両者の間には周知の要領で一対の柱３，３が所定間隔隔
てゝ立設されている。４，５，６及び７はコーナー金具
で、所要数のボルト貫通用の長穴を設けた垂直部１４と
これと同様の長穴を設けた水平部１５及びそれらの立上
り片内側に溶着した三角コーナー板１６とから構成さ
れ、上記土台１と桁２及び柱３，３とが直交して形成す
る四隅の内側にアンカーボルトや桁２及び柱３，３を貫
通して設けたボルトにより土台１、桁２及び柱３，３に
強固に固着される。８，９はつなぎ金具で、本体１６と
その両端に溶着され所要数のボルト貫通用の長穴を具え
るつなぎ片１７，１７とからなり、上記つなぎ金具８は
柱３と柱３との間に位置して土台１にボルトその他によ
り固定されその両端は上記水平部１５，１５にボルトな
どで緊結され、上記つなぎ金具９は柱３と柱３との間に
位置して桁２の下面に固定されその両端はコーナー金具
６，７の水平部１５，１５にボルトなどで緊結される。
１０，１１は垂直方向のつなぎ金具で、本体１８とその
両端に溶着され所要数のボルト貫通用の長穴を具えるつ
なぎ片１９とからなり、柱３，３の内側に固着されその
両端はそれぞれ上記コーナー金具の垂直部１４にボルト
等で緊結されている。

【０００７】１２，１３は筋交い平鉄板で、図１に示す
ように交叉して設けられ、上記平鉄板１２の上端は上記
三角コーナー板１６に、上記平鉄板１３の土端は上記三
角コーナー板１６にそれぞれ緊結され、上記平鉄板１２
の下端部は上記コーナー板１６に、上記平鉄板１３の下
端部は上記三角コーナー板１６にそれぞれ緊結されてい
る。２０は長さ調整部材で、筋交い平鉄板１２，１３の
下端部に設けた第１開口部２１に埋込れ上記三角コーナ
ー板１６に固着される固定板２３、これに固着のボルト
２４、上記平鉄板１２，１３に溶着され上記ボルト２４
の中央部を支承するスリーブ２５、同スリーブ２５に隣
接して筋交い平鉄板１２，１３に設けた第２開口部２２
内に位置し上記ボルト２４のねじ部に螺着されたナット
２６とから構成されている。２７は上記平鉄板１２，１
３の下端部に設けた長穴で、上記平鉄板の長手方向に平
行して設けられ、柱３，３などの収縮に対応して上記平
鉄板１２，１３と上記三角コーナー板１６とを緊結する
ボルトを緩めて上記ボルト２６を調整操作して上記平鉄
板１２，１３を三角コーナー板１６に対して調整移動さ
せた後ボルトを締めるようにして筋交い平鉄板を介して
コーナー金具４，７及び又はコーナー金具５，６との間
の長さを調整設定する。２８は横梁でその両端は上記つ
なぎ金具１０，１１の中央部に固着されるとともに上記
平鉄板１２，１３の交叉部にボルトにより固着されてい
る。

【０００８】上記実施例において、つなぎ金具８，９，
１０，１１はそれぞれ本体１６，１８とこれらの両端に
設けたつなぎ片１７，１８とから構成されているが、つ
なぎ片１７，１８の代りに上記本体自体の両端にボルト
貫通用の長穴を設けるようにしてもよい。又、上記筋交
い平鉄板の下端部をコーナー金具を構成する三角コーナ
ー板に緊結しているが、上記下端部をコーナー金具の水
平部及び垂直部の立上り部に直接緊結することもでき、
この場合は上記三角コーナー板はなくしてもよい。さら
に又、上記コーナー金具４，５，６，７は垂直部１４と
水平部１５とが同一長さに構成されているが、柱３と柱
３との間隔が狭いような場所でコーナー金具を使用する
場合は上記水平部を図７に示すように長く延ばしその先
端に上記したつなぎ片と同一なつなぎ片を固着し、これ
を反対側位置するコーナー金具に直接緊結するようにし
てもよく、土台１，桁２及び柱３，３に筋交い平鉄板１
２，１３を締付けるボルトには緩み止めのワッシヤーを
使用した方が両者の緊結をより確実にする。なお、上記
実施例において、コーナー金具やつなぎ金具の大きさ，
釘穴の配置と大きさ及びボルト穴の配置と形状などはこ
れらの金具を使用する場所により取捨選択して決めるこ
とが可能である。

【０００９】本実施例は上記したとおり、土台１，桁２
及び柱３，３とにより形成する四隅に固定されたコーナ
ー金具４，５，６，７と上記土台１の上面，桁２の下面
及び柱３，３の内側に固定されて上記コーナー金具４，
５，６，７を水平方向並びに垂直方向に緊結するつなぎ
金具８，９，１０，１１と上記四隅の対角線上に交叉し
て配設され上記対角線上に位置するコーナー金具を緊結
する筋交い平鉄板１２，１３及び同平鉄板１２，１３と
土台上に位置するコーナー金具４，５との結合部に設け
られ上記平鉄板の長手方向の長さを調整する長さ調整部
材２０とにより剛構造に枠組み構成されており、本造住
宅の棟上げ時に現場で上記要領で枠組みして所定位置に
取付け、又土台，桁、柱などの加工場にて予め上記要領
で枠組み後建築現場に運んで所定位置に組込み仕上げる
ことができる。又既存の住宅において、補強の必要が生
じた場合は所定箇所の外壁或いは内壁をしかるべく取外
した後上記要領でその所定箇所に組込み仕上げることで
所定の補強工事ができる。

【００１０】

【発明の効果】本発明は、上記実施例の説明から理解さ
れるとおり、土台、桁及びこれらの間に立設された一対
の柱とにより形成された四隅それぞれに固定されたコー
ナー金具と上記土台の上面、桁の下面並びに上記各柱の
内側にそれぞれ固定されて上記四隅のコーナー金具を水
平方向及び垂直方向に緊結するつなぎ金具と上記四隅の
対角線上に交叉して配設され上記対角線上の両端に位置
するコーナー金具を緊結する筋交い平鉄板と同平鉄板と
土台上の両端に位置するコーナー金具との結合部に設け
られ上記平鉄板の長手方向の長さを調整する長さ調整部
材とにより剛構造に枠組み構成されて土台や桁及び柱に
強固に固定されコーナー金具は筋交い平鉄板にてこれま
た強固に緊結されているから上記した各部材の緊結点の
移動がない、そのため常に安定した状態で土台や桁や柱
を支持することができる。従って、圧縮力にも引張り力
にも十分耐えることができて、耐震強度を向上しうる木
造住宅を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す正面概略図である。

【図２】本実施例の主要部を示す部分拡大正面図であ
る。

【図３】本実施例におけるコーナー金具の拡大斜視図で
ある。

【図４】図２のＡ−Ａ線に沿う断面拡大図である。

【図５】本実施例における垂直方向のつなぎ金具の拡大
斜視図である。

【図６】本実施例における水平方向のつなぎ金具の拡大
斜視図である。

【図７】上記したコーナー金具の他の実施例を示す拡大
斜視図である。

【符号の説明】

１ 土台 ２ 桁 ３，３ 柱 ４，５，６，７ コーナー金具 ８，９ 水平方向のつなぎ金具 １０，１１ 垂直方向のつなぎ金具 １２，１３ 筋交い平鉄板 ２０ 長さ調整部材

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 土台と桁との間に所定間隔隔てゝ立設し
   た一対の柱と上記土台及び桁とが直角に交わる内側の各
   四隅に取付けたコーナー金具、上記柱と柱の間に位置す
   る上記土台上面と上記柱と柱の間に位置する上記桁下面
   及び上記一対の柱のぞれぞれの内側に取付けられ上記各
   四隅に取付けたコーナー金具を互いに水平方向並びに垂
   直方向に緊結するつなぎ金具、上記四隅の対角線上に交
   叉して配設され上記四隅のコーナー金具を互いに緊結す
   る２枚の筋交い平鉄板及び上記平鉄板それぞれの下端部
   と上記土台と柱とで形成する隅に位置するコーナー金具
   との間に介装され両者をその長手方向の長さを調整する
   長さ調整部材とからなることを特徴とする筋交い補強金
   具。