JPH1025808A - 鉄骨柱脚の定着構造 - Google Patents
鉄骨柱脚の定着構造Info
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- JPH1025808A JPH1025808A JP18019296A JP18019296A JPH1025808A JP H1025808 A JPH1025808 A JP H1025808A JP 18019296 A JP18019296 A JP 18019296A JP 18019296 A JP18019296 A JP 18019296A JP H1025808 A JPH1025808 A JP H1025808A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 アンカーボルトの基礎コンクリートへの付着
力を増大させると共に、コンパクトな鉄骨柱脚の定着構
造を提供する。 【解決手段】 鉄骨柱の下端部に柱脚金物を一体に接合
してなる鉄骨柱脚を、基礎コンクリート中に埋設された
アンカーボルトとこのアンカーボルトの上端部に螺合さ
れるナットとを介して基礎コンクリート上に定着する鉄
骨柱脚の定着構造において、鉄骨柱の下端部端面の輪郭
と対応する平面輪郭を有する突出部と平板状に形成され
た底板部とを備えた柱脚金物を、鋳造手段若しくは鍛造
手段によって形成すると共に、突出部の基部の水平方向
の厚さ寸法を先端部の水平方向の厚さ寸法より大に、か
つ突出部の高さ寸法を接合される鉄骨柱の肉厚寸法の0.
5 倍以上２５mm以下に形成する。
力を増大させると共に、コンパクトな鉄骨柱脚の定着構
造を提供する。 【解決手段】 鉄骨柱の下端部に柱脚金物を一体に接合
してなる鉄骨柱脚を、基礎コンクリート中に埋設された
アンカーボルトとこのアンカーボルトの上端部に螺合さ
れるナットとを介して基礎コンクリート上に定着する鉄
骨柱脚の定着構造において、鉄骨柱の下端部端面の輪郭
と対応する平面輪郭を有する突出部と平板状に形成され
た底板部とを備えた柱脚金物を、鋳造手段若しくは鍛造
手段によって形成すると共に、突出部の基部の水平方向
の厚さ寸法を先端部の水平方向の厚さ寸法より大に、か
つ突出部の高さ寸法を接合される鉄骨柱の肉厚寸法の0.
5 倍以上２５mm以下に形成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物を構成する
鉄骨柱脚を基礎コンクリート上に定着する鉄骨柱脚の定
着構造に関するものである。
鉄骨柱脚を基礎コンクリート上に定着する鉄骨柱脚の定
着構造に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図６は従来の鉄骨柱脚の定着構造の例を
示す要部縦断面図である。図６において、１は支柱であ
り、割栗２上に設けられた捨てコンクリート３上に適宜
の間隔で立設されており、この支柱１の上端部に支持部
材４が水平に固着されている。次に５はアンカーボルト
であり、棒鋼により形成され、上下端部におねじ（図示
せず）が設けられている。
示す要部縦断面図である。図６において、１は支柱であ
り、割栗２上に設けられた捨てコンクリート３上に適宜
の間隔で立設されており、この支柱１の上端部に支持部
材４が水平に固着されている。次に５はアンカーボルト
であり、棒鋼により形成され、上下端部におねじ（図示
せず）が設けられている。
【０００３】上記アンカーボルト５はナット６および定
着板７を係合させて、支持部材４に位置決め固着され、
中空筒状のスリーブ８を嵌挿した状態で基礎コンクリー
ト９が打設される。基礎コンクリート９が養生固化した
後、中心部モルタル１０を介して、柱脚金物１１を鉄骨
柱１２の下端部に接合してなる鉄骨柱脚１３を載置し、
位置決めした後、柱脚金物１１と基礎コンクリート９と
の間に無収縮モルタル１４を充填する。
着板７を係合させて、支持部材４に位置決め固着され、
中空筒状のスリーブ８を嵌挿した状態で基礎コンクリー
ト９が打設される。基礎コンクリート９が養生固化した
後、中心部モルタル１０を介して、柱脚金物１１を鉄骨
柱１２の下端部に接合してなる鉄骨柱脚１３を載置し、
位置決めした後、柱脚金物１１と基礎コンクリート９と
の間に無収縮モルタル１４を充填する。
【０００４】そしてアンカーボルト５の上端部に座金１
５およびナット１６を装着し、ナット１６の締付により
鉄骨柱脚１３を基礎コンクリート９上に定着するのであ
る。なお基礎コンクリート９中には、補強用の鉄筋が設
けられるのが通常であるが、図６においては図示を省略
してある。
５およびナット１６を装着し、ナット１６の締付により
鉄骨柱脚１３を基礎コンクリート９上に定着するのであ
る。なお基礎コンクリート９中には、補強用の鉄筋が設
けられるのが通常であるが、図６においては図示を省略
してある。
【０００５】図７は図６における柱脚金物１１を示す要
部縦断面拡大図である。図７において、１１ａは突出部
であり、鉄骨柱１２の下端部端面の輪郭と対応するよう
に形成されており、平板状に形成された底板部１１ｂと
一体になって柱脚金物１１を構成している。そして柱脚
金物１１と鉄骨柱１２とは、鉄骨柱１２の下端部と突出
部１１ａとを溶接手段によって一体に接合して、鉄骨柱
脚１３を構成する。
部縦断面拡大図である。図７において、１１ａは突出部
であり、鉄骨柱１２の下端部端面の輪郭と対応するよう
に形成されており、平板状に形成された底板部１１ｂと
一体になって柱脚金物１１を構成している。そして柱脚
金物１１と鉄骨柱１２とは、鉄骨柱１２の下端部と突出
部１１ａとを溶接手段によって一体に接合して、鉄骨柱
脚１３を構成する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の鉄骨柱脚１
３を基礎コンクリート上に定着させるには、従来２種類
の手段がある。その第１のものは、基礎コンクリート
（図６に示す符号９参照）の上面を平滑に形成し、図７
に示す底板部１１ｂの底面を平滑に形成した柱脚金物１
１を鉄骨柱１２と接合した状態の鉄骨柱脚１３を基礎コ
ンクリート９上に定着させる手段である。そして第２の
ものは、前記図６に示すように、基礎コンクリート９上
に中心部モルタル１０および無収縮モルタル１４を介し
て鉄骨柱脚１３を定着させる手段である。
３を基礎コンクリート上に定着させるには、従来２種類
の手段がある。その第１のものは、基礎コンクリート
（図６に示す符号９参照）の上面を平滑に形成し、図７
に示す底板部１１ｂの底面を平滑に形成した柱脚金物１
１を鉄骨柱１２と接合した状態の鉄骨柱脚１３を基礎コ
ンクリート９上に定着させる手段である。そして第２の
ものは、前記図６に示すように、基礎コンクリート９上
に中心部モルタル１０および無収縮モルタル１４を介し
て鉄骨柱脚１３を定着させる手段である。
【０００７】このうち前者の手段においては、図７に示
す底板部１１ｂの底面の平坦度を高くする必要があるた
め、突出部１１ａと鉄骨柱１２との溶接に起因する溶接
歪が底板部１１ｂに及ばないように、突出部１１ａの高
さ寸法ｈを大に、例えば５０mm以上に形成する必要があ
る。一方後者の手段においては、柱脚金物１１の底板部
１１ｂと基礎コンクリート９との間に、中心部モルタル
１０および無収縮モルタル１４を介在させるため、前記
溶接歪が底板部１１ｂに及んだとしても鉄骨柱脚１３の
定着にはそれほど悪影響はない。従って突出部１１ａの
高さ寸法ｈを小に形成しても溶接歪を吸収できる。
す底板部１１ｂの底面の平坦度を高くする必要があるた
め、突出部１１ａと鉄骨柱１２との溶接に起因する溶接
歪が底板部１１ｂに及ばないように、突出部１１ａの高
さ寸法ｈを大に、例えば５０mm以上に形成する必要があ
る。一方後者の手段においては、柱脚金物１１の底板部
１１ｂと基礎コンクリート９との間に、中心部モルタル
１０および無収縮モルタル１４を介在させるため、前記
溶接歪が底板部１１ｂに及んだとしても鉄骨柱脚１３の
定着にはそれほど悪影響はない。従って突出部１１ａの
高さ寸法ｈを小に形成しても溶接歪を吸収できる。
【０００８】しかしながら、突出部１１ａの高さ寸法ｈ
が異なるのみで、他の部位の仕様が同一であるものを複
数種類準備することは、生産上の煩雑さは当然であるの
みならず、建方現場における部品管理および組立作業が
極めて煩雑になるという問題点がある。このため、柱脚
金物１１としては、突出部１１ａの高さ寸法ｈの大なる
ものを、両者に共用としてきた。
が異なるのみで、他の部位の仕様が同一であるものを複
数種類準備することは、生産上の煩雑さは当然であるの
みならず、建方現場における部品管理および組立作業が
極めて煩雑になるという問題点がある。このため、柱脚
金物１１としては、突出部１１ａの高さ寸法ｈの大なる
ものを、両者に共用としてきた。
【０００９】一方近年においては、次第に後者の手段が
多用されるようになってきたため、突出部１１ａの高さ
寸法ｈの大なる柱脚金物１１の重量が大であるのみなら
ず、取扱いおよび運搬の点においても煩雑さが顕著にな
ってきている。
多用されるようになってきたため、突出部１１ａの高さ
寸法ｈの大なる柱脚金物１１の重量が大であるのみなら
ず、取扱いおよび運搬の点においても煩雑さが顕著にな
ってきている。
【００１０】次に図８は従来の鉄骨柱脚の定着構造に作
用する外力の状態を示す説明図であり、同一部分は前記
図６と同一の参照符号で示す。図８において、鉄骨柱脚
１３に曲げモーメントＭＨが作用すると、一方のアンカ
ーボルト５には引張力ＱＦが作用する。すなわちアンカ
ーボルト５にはスリーブ８が嵌挿されているため、基礎
コンクリート９とは非拘束状態であり、前記引張力ＱＦ
は定着板７を引き剥がすように作用する。
用する外力の状態を示す説明図であり、同一部分は前記
図６と同一の参照符号で示す。図８において、鉄骨柱脚
１３に曲げモーメントＭＨが作用すると、一方のアンカ
ーボルト５には引張力ＱＦが作用する。すなわちアンカ
ーボルト５にはスリーブ８が嵌挿されているため、基礎
コンクリート９とは非拘束状態であり、前記引張力ＱＦ
は定着板７を引き剥がすように作用する。
【００１１】上記の引張力ＱＦは、結果として基礎コン
クリート９を破線で示すようにコーン状の破壊を起こす
ように作用するから、これに対抗するためにアンカーボ
ルト５の埋込み深さＨを大にする必要があり、アンカー
ボルト５の軸部の直径をｄとした場合に、Ｈ≧２０ｄと
するのが通常である。この場合、基礎コンクリート９の
強度が低い程上記埋込み深さＨは更に大となり、アンカ
ーボルト５の長さもまた大となる。
クリート９を破線で示すようにコーン状の破壊を起こす
ように作用するから、これに対抗するためにアンカーボ
ルト５の埋込み深さＨを大にする必要があり、アンカー
ボルト５の軸部の直径をｄとした場合に、Ｈ≧２０ｄと
するのが通常である。この場合、基礎コンクリート９の
強度が低い程上記埋込み深さＨは更に大となり、アンカ
ーボルト５の長さもまた大となる。
【００１２】このためアンカーボルト５の伸びが大とな
り、鉄骨柱脚１３の固定度が低下するという問題点があ
る。なおアンカーボルト５の伸びを抑制するために、ス
リーブ８を省略してアンカーボルト５の基礎コンクリー
ト９に対する付着力を増強しようとしても、アンカーボ
ルト５は通常丸鋼によって形成され、表面が平滑である
ため、付着力が不安定である。また両者の付着がアンカ
ーボルト５の上端部から経時的に破壊されて下方に進行
するため、設計時において上記付着力を設定することが
困難である。このためアンカーボルト５をスリーブ８に
より、基礎コンクリート９と不拘束状態にせざるを得な
いのであり、前記のような問題点を包含するのである。
り、鉄骨柱脚１３の固定度が低下するという問題点があ
る。なおアンカーボルト５の伸びを抑制するために、ス
リーブ８を省略してアンカーボルト５の基礎コンクリー
ト９に対する付着力を増強しようとしても、アンカーボ
ルト５は通常丸鋼によって形成され、表面が平滑である
ため、付着力が不安定である。また両者の付着がアンカ
ーボルト５の上端部から経時的に破壊されて下方に進行
するため、設計時において上記付着力を設定することが
困難である。このためアンカーボルト５をスリーブ８に
より、基礎コンクリート９と不拘束状態にせざるを得な
いのであり、前記のような問題点を包含するのである。
【００１３】上記問題点の他にも、基礎コンクリート９
の立上り部の寸法が大となるため、この部分に配設すべ
き補強筋の数が必然的に多くなり、設計のみならず、基
礎コンクリート９の製作が煩雑となるのみならず、アン
カーボルト５および定着板７の位置決め固定作業もまた
煩雑であり、製作コストが嵩むと共に工期が長くなる等
の問題点がある。
の立上り部の寸法が大となるため、この部分に配設すべ
き補強筋の数が必然的に多くなり、設計のみならず、基
礎コンクリート９の製作が煩雑となるのみならず、アン
カーボルト５および定着板７の位置決め固定作業もまた
煩雑であり、製作コストが嵩むと共に工期が長くなる等
の問題点がある。
【００１４】本発明は、上記従来技術に存在する問題点
を解決し、アンカーボルトの基礎コンクリートへの付着
力を増大すると共に、コンパクトな鉄骨柱脚の定着構造
を提供することを課題とする。
を解決し、アンカーボルトの基礎コンクリートへの付着
力を増大すると共に、コンパクトな鉄骨柱脚の定着構造
を提供することを課題とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明においては、鉄骨柱の下端部に柱脚金物を
一体に接合してなる鉄骨柱脚を、基礎コンクリート中に
埋設されたアンカーボルトとこのアンカーボルトの上端
部に螺合されるナットとを介して基礎コンクリート上に
定着する鉄骨柱脚の定着構造において、鉄骨柱の下端部
端面の輪郭と対応する平面輪郭を有する突出部と平板状
に形成された底板部とを備えた柱脚金物を、鋳造手段若
しくは鍛造手段によって形成すると共に、突出部の基部
の水平方向の厚さ寸法を先端部の水平方向の厚さ寸法よ
り大に、かつ突出部の高さ寸法を接合される鉄骨柱の肉
厚寸法の0.5 倍以上２５mm以下に形成する、という技術
的手段を採用した。
めに、本発明においては、鉄骨柱の下端部に柱脚金物を
一体に接合してなる鉄骨柱脚を、基礎コンクリート中に
埋設されたアンカーボルトとこのアンカーボルトの上端
部に螺合されるナットとを介して基礎コンクリート上に
定着する鉄骨柱脚の定着構造において、鉄骨柱の下端部
端面の輪郭と対応する平面輪郭を有する突出部と平板状
に形成された底板部とを備えた柱脚金物を、鋳造手段若
しくは鍛造手段によって形成すると共に、突出部の基部
の水平方向の厚さ寸法を先端部の水平方向の厚さ寸法よ
り大に、かつ突出部の高さ寸法を接合される鉄骨柱の肉
厚寸法の0.5 倍以上２５mm以下に形成する、という技術
的手段を採用した。
【００１６】一般に熱容量の差が大である２個の部材を
溶接接合する場合には、熱容量の小さい側（本発明では
鉄骨柱側）の溶け込みが大きく、熱容量の大きい側（本
発明では突出部側）の溶け込みが不足する傾向がある
が、上記のように構成することにより、溶接接合におけ
る熱容量のバランスを良好にすることができ、かつ溶接
作業が容易になるのである。
溶接接合する場合には、熱容量の小さい側（本発明では
鉄骨柱側）の溶け込みが大きく、熱容量の大きい側（本
発明では突出部側）の溶け込みが不足する傾向がある
が、上記のように構成することにより、溶接接合におけ
る熱容量のバランスを良好にすることができ、かつ溶接
作業が容易になるのである。
【００１７】本発明において、アンカーボルトを異形棒
鋼で形成することが好ましい。このような異形棒鋼とし
ては、ねじ節、竹節およびたすき節と称される鉄筋が使
用可能である。このうちねじ節鉄筋を使用することが、
その上端部に直接的にナットを螺合締結させ得ることか
ら好ましい。
鋼で形成することが好ましい。このような異形棒鋼とし
ては、ねじ節、竹節およびたすき節と称される鉄筋が使
用可能である。このうちねじ節鉄筋を使用することが、
その上端部に直接的にナットを螺合締結させ得ることか
ら好ましい。
【００１８】次に上記の発明において、アンカーボルト
の垂直面への投影形状をＵ字形に形成することが好まし
い。このように形成することにより、その直立部におけ
る基礎コンクリートとの付着力に加えて、折り曲げ部の
基礎コンクリートの抵抗力とによって鉄骨柱脚を定着さ
せることができ、従来のものよりアンカーボルトの埋込
み深さを小さくすることができ、鉄骨柱脚の固定度およ
び基礎立上り部の設計が改善されると共に、定着部の施
工も簡素化される。
の垂直面への投影形状をＵ字形に形成することが好まし
い。このように形成することにより、その直立部におけ
る基礎コンクリートとの付着力に加えて、折り曲げ部の
基礎コンクリートの抵抗力とによって鉄骨柱脚を定着さ
せることができ、従来のものよりアンカーボルトの埋込
み深さを小さくすることができ、鉄骨柱脚の固定度およ
び基礎立上り部の設計が改善されると共に、定着部の施
工も簡素化される。
【００１９】更に上記の発明において、アンカーボルト
の底部を平面への投影状態で交差させることが好まし
い。このように形成することにより、鉄骨柱脚に曲げモ
ーメントが作用した場合において、Ｕ字形のアンカーボ
ルトの一方の直立部のみに引張力が作用するようにする
ことができ、他方の直立部には圧縮力を作用させること
により、アンカーボルトを安定化させることができる。
の底部を平面への投影状態で交差させることが好まし
い。このように形成することにより、鉄骨柱脚に曲げモ
ーメントが作用した場合において、Ｕ字形のアンカーボ
ルトの一方の直立部のみに引張力が作用するようにする
ことができ、他方の直立部には圧縮力を作用させること
により、アンカーボルトを安定化させることができる。
【００２０】
【発明の実施の形態】図１は本発明の第１の実施の形態
を示す要部縦断面図であり、同一部分は前記図６と同一
の参照符号で示す。図１において、１７はアンカーボル
トであり、例えばＳＤ４９０異形棒鋼（ねじ節鉄筋）に
よって形成され、基礎コンクリート９内に埋設される。
このアンカーボルト１７は支持部材４にナット６によっ
て位置決め固着される。
を示す要部縦断面図であり、同一部分は前記図６と同一
の参照符号で示す。図１において、１７はアンカーボル
トであり、例えばＳＤ４９０異形棒鋼（ねじ節鉄筋）に
よって形成され、基礎コンクリート９内に埋設される。
このアンカーボルト１７は支持部材４にナット６によっ
て位置決め固着される。
【００２１】次に柱脚金物１１は、例えば平面への投影
輪郭形状を正方形状に形成され、例えば角鋼管からなる
鉄骨柱１２の下端部と溶接により一体に接合され、鉄骨
柱脚１３を形成する。なお柱脚金物１１は鋳鋼若しくは
鍛鋼によって形成することが好ましいが、厚鋼板によっ
て形成してもよい。
輪郭形状を正方形状に形成され、例えば角鋼管からなる
鉄骨柱１２の下端部と溶接により一体に接合され、鉄骨
柱脚１３を形成する。なお柱脚金物１１は鋳鋼若しくは
鍛鋼によって形成することが好ましいが、厚鋼板によっ
て形成してもよい。
【００２２】上記柱脚金物１１の例えば角隅部には夫々
ボルト穴（図示せず）が設けられ、これらのボルト穴に
アンカーボルト１７の上端部を挿通させて、座金１５お
よびナット１６を介して柱脚金物１１を締結固定する。
ボルト穴（図示せず）が設けられ、これらのボルト穴に
アンカーボルト１７の上端部を挿通させて、座金１５お
よびナット１６を介して柱脚金物１１を締結固定する。
【００２３】図２は図１における柱脚金物１１を示す縦
断面拡大図であり、（ａ）は全体を示し、（ｂ）は
（ａ）の溶接部を更に拡大して示し、同一部分は前記図
７と同一の参照符号で示す。図２（ａ）において、突出
部１１ａの高さ寸法ｈは、例えば５〜２５mmに形成する
ことができ、前記図７に示すものと比較して大幅に低減
させることができる。このように突出部１１ａの高さ寸
法ｈを小にすることにより、鉄骨柱１２と溶接接合した
場合において、その溶接歪が底板部１１ｂに及ぶことに
なるが、前記図１に示すように鉄骨柱脚１３と基礎コン
クリート９との間に中心部モルタル１０および無収縮モ
ルタル１４を介在させるため、鉄骨柱脚１３の定着力に
は悪影響はない。
断面拡大図であり、（ａ）は全体を示し、（ｂ）は
（ａ）の溶接部を更に拡大して示し、同一部分は前記図
７と同一の参照符号で示す。図２（ａ）において、突出
部１１ａの高さ寸法ｈは、例えば５〜２５mmに形成する
ことができ、前記図７に示すものと比較して大幅に低減
させることができる。このように突出部１１ａの高さ寸
法ｈを小にすることにより、鉄骨柱１２と溶接接合した
場合において、その溶接歪が底板部１１ｂに及ぶことに
なるが、前記図１に示すように鉄骨柱脚１３と基礎コン
クリート９との間に中心部モルタル１０および無収縮モ
ルタル１４を介在させるため、鉄骨柱脚１３の定着力に
は悪影響はない。
【００２４】図２（ｂ）においてｗは溶接部であり、こ
の近傍における各部位の寸法関係について記述する。ｔ
は接合される鉄骨柱１２の肉厚寸法、ｔ1 ，ｔ2 は各々
突出部１１ａの先端部および基部の水平方向の厚さ寸法
を示す。本発明においてはｔ 2 ＞ｔ1 に形成すると共
に、ｈ≧0.5 t に形成することが好ましく。従ってｈ＝
0.5 t 〜２５mmとするのがよい。
の近傍における各部位の寸法関係について記述する。ｔ
は接合される鉄骨柱１２の肉厚寸法、ｔ1 ，ｔ2 は各々
突出部１１ａの先端部および基部の水平方向の厚さ寸法
を示す。本発明においてはｔ 2 ＞ｔ1 に形成すると共
に、ｈ≧0.5 t に形成することが好ましく。従ってｈ＝
0.5 t 〜２５mmとするのがよい。
【００２５】上記の構成により、鉄骨柱脚１３に例えば
図１に示すように曲げモーメントＭＨが作用した場合に
は、左側のアンカーボルト１７に引張力ＱＦが作用す
る。この場合、アンカーボルト１７はねじ節鉄筋によっ
て形成されているため、基礎コンクリート９との付着力
によって引張力ＱＦに対抗し、鉄骨柱脚１３を定着させ
得るのである。従って図６および図８に示す従来のもの
よりも埋込み深さを小さくすることができ、基礎コンク
リート９の立上り部を低減させ得る。
図１に示すように曲げモーメントＭＨが作用した場合に
は、左側のアンカーボルト１７に引張力ＱＦが作用す
る。この場合、アンカーボルト１７はねじ節鉄筋によっ
て形成されているため、基礎コンクリート９との付着力
によって引張力ＱＦに対抗し、鉄骨柱脚１３を定着させ
得るのである。従って図６および図８に示す従来のもの
よりも埋込み深さを小さくすることができ、基礎コンク
リート９の立上り部を低減させ得る。
【００２６】また本発明のものにおいては、鉄骨柱脚１
３の回転剛性をも大幅に向上させ得る。すなわち、図６
に示す従来のものにおいては、アンカーボルト５がスリ
ーブ８によって基礎コンクリート９とは略全長に亘って
非拘束状態に形成されているため、引張力ＱＦの作用に
よる伸び量が大である。これに対して本発明のものにお
いては、アンカーボルト１７が基礎コンクリート９によ
って略完全に拘束状態に形成されているため、例えば基
礎コンクリート９の上端面近傍において付着剥離が発生
しても、その領域が僅かであるため、引張力ＱＦの作用
による伸び量が小なる値に留まるのである。
３の回転剛性をも大幅に向上させ得る。すなわち、図６
に示す従来のものにおいては、アンカーボルト５がスリ
ーブ８によって基礎コンクリート９とは略全長に亘って
非拘束状態に形成されているため、引張力ＱＦの作用に
よる伸び量が大である。これに対して本発明のものにお
いては、アンカーボルト１７が基礎コンクリート９によ
って略完全に拘束状態に形成されているため、例えば基
礎コンクリート９の上端面近傍において付着剥離が発生
しても、その領域が僅かであるため、引張力ＱＦの作用
による伸び量が小なる値に留まるのである。
【００２７】図３は図１におけるアンカーボルト１７の
上端部近傍を示す要部縦断面拡大図である。図３におい
て２１はボルト穴であり、柱脚金物１１の例えば四隅に
設けられている。図１に示すように基礎コンクリート９
を打設し、および無収縮モルタル１４を充填した場合に
は、アンカーボルト１７の外周部に形成されているねじ
節により、アンカーボルト１７は軸線方向に拘束状態と
なり、基礎コンクリート９および無収縮モルタル１４と
の間に大なる付着力を具有することとなる。
上端部近傍を示す要部縦断面拡大図である。図３におい
て２１はボルト穴であり、柱脚金物１１の例えば四隅に
設けられている。図１に示すように基礎コンクリート９
を打設し、および無収縮モルタル１４を充填した場合に
は、アンカーボルト１７の外周部に形成されているねじ
節により、アンカーボルト１７は軸線方向に拘束状態と
なり、基礎コンクリート９および無収縮モルタル１４と
の間に大なる付着力を具有することとなる。
【００２８】なお柱脚金物１１にグラウト注入孔（図示
せず）を介して、アンカーボルト１７とボルト穴２１と
の隙間にグラウトを注入充填することにより、アンカー
ボルト１７と柱脚金物１１とを一体化することができ、
柱脚金物１１に作用する水平方向の荷重ＱＨに対抗させ
ることができ、鉄骨柱脚１３（図１参照）の固定度を更
に向上させ得るのである。
せず）を介して、アンカーボルト１７とボルト穴２１と
の隙間にグラウトを注入充填することにより、アンカー
ボルト１７と柱脚金物１１とを一体化することができ、
柱脚金物１１に作用する水平方向の荷重ＱＨに対抗させ
ることができ、鉄骨柱脚１３（図１参照）の固定度を更
に向上させ得るのである。
【００２９】図４および図５は各々本発明の第２の実施
の形態を示す要部縦断面図および一部横断面要部平面図
であり、同一部分は前記図１と同一の参照符号で示す。
図４および図５において、アンカーボルト１７は前記同
様の材料により、垂直面への投影形状をＵ字形に形成さ
れ、基礎コンクリート９内に埋設される。
の形態を示す要部縦断面図および一部横断面要部平面図
であり、同一部分は前記図１と同一の参照符号で示す。
図４および図５において、アンカーボルト１７は前記同
様の材料により、垂直面への投影形状をＵ字形に形成さ
れ、基礎コンクリート９内に埋設される。
【００３０】上記の構成により、鉄骨柱脚１３に例えば
図４に示すように曲げモーメントＭＨが作用した場合に
は、Ｕ字形に形成されたアンカーボルト１７の左側に引
張力ＱＦが作用する。この場合、アンカーボルト１７が
ねじ節鉄筋によってＵ字形に形成されているため、その
直立部における付着力と、底部の折り曲げ部における基
礎コンクリート９の抵抗力とによって引張力ＱＦに対抗
し、鉄骨柱脚１３を定着させ得るのである。従ってアン
カーボルト１７の埋込み深さを更に低減することができ
る。
図４に示すように曲げモーメントＭＨが作用した場合に
は、Ｕ字形に形成されたアンカーボルト１７の左側に引
張力ＱＦが作用する。この場合、アンカーボルト１７が
ねじ節鉄筋によってＵ字形に形成されているため、その
直立部における付着力と、底部の折り曲げ部における基
礎コンクリート９の抵抗力とによって引張力ＱＦに対抗
し、鉄骨柱脚１３を定着させ得るのである。従ってアン
カーボルト１７の埋込み深さを更に低減することができ
る。
【００３１】この場合、アンカーボルト１７は、図５に
示すようにそれらの底部が、平面への投影状態において
交差するように配設することが好ましい。上記の発明の
実施の形態においては、アンカーボルト１７をねじ節鉄
筋によって形成した例について記述したが、これ以外に
異形棒鋼として竹節鉄筋またはたすき節鉄筋を使用する
ことができる。但しこれらの異形棒鋼を使用する場合に
は、それらの端部におねじ部材を例えば摩擦圧接等の接
合手段によって一体に接合し、ナットとの螺合が可能の
ように形成する。
示すようにそれらの底部が、平面への投影状態において
交差するように配設することが好ましい。上記の発明の
実施の形態においては、アンカーボルト１７をねじ節鉄
筋によって形成した例について記述したが、これ以外に
異形棒鋼として竹節鉄筋またはたすき節鉄筋を使用する
ことができる。但しこれらの異形棒鋼を使用する場合に
は、それらの端部におねじ部材を例えば摩擦圧接等の接
合手段によって一体に接合し、ナットとの螺合が可能の
ように形成する。
【００３２】また本発明は、鉄骨柱として角鋼管のみな
らず、丸鋼管、多角鋼管、Ｈ形鋼を使用するものにも適
用可能であり、更にＵ字形アンカーボルトを３対以上の
複数対使用するものにも当然適用可能である。
らず、丸鋼管、多角鋼管、Ｈ形鋼を使用するものにも適
用可能であり、更にＵ字形アンカーボルトを３対以上の
複数対使用するものにも当然適用可能である。
【００３３】
【発明の効果】本発明は、以上記述のような構成および
作用であるから、下記の効果を奏し得る。
作用であるから、下記の効果を奏し得る。
【００３４】(1) 柱脚金物の突出部の高さ寸法を小に形
成したことにより、溶接作業時における熱容量バランス
が良好になると共に、軽量化でき、取扱いが容易とな
る。 (2) アンカーボルトの上端部にナットを締付ける場合に
おいて、締付用の工具と突出部との干渉が皆無となり、
定着作業が容易となる。
成したことにより、溶接作業時における熱容量バランス
が良好になると共に、軽量化でき、取扱いが容易とな
る。 (2) アンカーボルトの上端部にナットを締付ける場合に
おいて、締付用の工具と突出部との干渉が皆無となり、
定着作業が容易となる。
【００３５】(3) 異形棒鋼によってアンカーボルトを形
成したことにより、基礎コンクリートとの付着力が増大
すると共に、回転剛性が向上し、より高性能の鉄骨柱脚
の定着構造が得られる。
成したことにより、基礎コンクリートとの付着力が増大
すると共に、回転剛性が向上し、より高性能の鉄骨柱脚
の定着構造が得られる。
【００３６】(4) 従来の丸鋼製のアンカーボルトを使用
するものと比較して、埋込み深さを大幅に低減させ得る
と共に、耐力を向上させ得る。 (5) 鉄骨柱脚の固定度および基礎立上り部の設計を改善
し得ると共に、定着部の施工が大幅に改善され得る。
するものと比較して、埋込み深さを大幅に低減させ得る
と共に、耐力を向上させ得る。 (5) 鉄骨柱脚の固定度および基礎立上り部の設計を改善
し得ると共に、定着部の施工が大幅に改善され得る。
【図１】本発明の第１の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
である。
【図２】図１における柱脚金物１１を示す縦断面拡大図
であり、（ａ）は全体を示し、（ｂ）は（ａ）の溶接部
を更に拡大して示す。
であり、（ａ）は全体を示し、（ｂ）は（ａ）の溶接部
を更に拡大して示す。
【図３】図１におけるアンカーボルト１７の上端部近傍
を示す要部縦断面拡大図である。
を示す要部縦断面拡大図である。
【図４】本発明の第２の実施の形態を示す要部縦断面図
である。
である。
【図５】本発明の第２の実施の形態を示す一部横断面要
部平面図である。
部平面図である。
【図６】従来の鉄骨柱脚の定着構造の例を示す要部縦断
面図である。
面図である。
【図７】図６における柱脚金物１１を示す要部縦断面拡
大図である。
大図である。
【図８】従来の鉄骨柱脚の定着構造に作用する外力の状
態を示す説明図である。
態を示す説明図である。
１１ 柱脚金物 １１ａ 突出部 １１ｂ 底板部 １２ 鉄骨柱 １７ アンカーボルト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平川 茂 福岡県北九州市若松区北浜一丁目９番１号 日立金属株式会社若松工場内 (72)発明者 田中 秀宣 東京都江東区東陽二丁目４番２号 日立機 材株式会社内 (72)発明者 野口 和之 東京都江東区東陽二丁目４番２号 日立機 材株式会社内 (72)発明者 佐藤 邦昭 神奈川県平塚市八重咲町24−21
Claims (4)
- 【請求項１】 鉄骨柱の下端部に柱脚金物を一体に接合
してなる鉄骨柱脚を、基礎コンクリート中に埋設された
アンカーボルトとこのアンカーボルトの上端部に螺合さ
れるナットとを介して基礎コンクリート上に定着する鉄
骨柱脚の定着構造において、 鉄骨柱の下端部端面の輪郭と対応する平面輪郭を有する
突出部と平板状に形成された底板部とを備えた柱脚金物
を、鋳造手段若しくは鍛造手段によって形成すると共
に、突出部の基部の水平方向の厚さ寸法を先端部の水平
方向の厚さ寸法より大に、かつ突出部の高さ寸法を接合
される鉄骨柱の肉厚寸法の0.5 倍以上２５mm以下に形成
したことを特徴とする鉄骨柱脚の定着構造。 - 【請求項２】 アンカーボルトを異形棒鋼によって形成
したことを特徴とする請求項１記載の鉄骨柱脚の定着構
造。 - 【請求項３】 アンカーボルトの垂直面への投影形状を
Ｕ字形に形成したことを特徴とする請求項２記載の鉄骨
柱脚の定着構造。 - 【請求項４】 アンカーボルトの底部を平面への投影状
態で交差させたことを特徴とする請求項３記載の鉄骨柱
脚の定着構造。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18019296A JPH1025808A (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 鉄骨柱脚の定着構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18019296A JPH1025808A (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 鉄骨柱脚の定着構造 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1025808A true JPH1025808A (ja) | 1998-01-27 |
Family
ID=16079012
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18019296A Pending JPH1025808A (ja) | 1996-07-10 | 1996-07-10 | 鉄骨柱脚の定着構造 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1025808A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000027194A (ja) * | 1998-07-10 | 2000-01-25 | Nippon Steel Metal Prod Co Ltd | 露出型柱脚のアンボンドタイプのアンカーボルト |
| JP2005307701A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Taisei Corp | 柱鉄骨の支持構造 |
| JP2006037539A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Daiwa House Ind Co Ltd | 柱杭接合構造 |
| JP2012017597A (ja) * | 2010-07-07 | 2012-01-26 | K&E Corp | 建物の建て替え方法及び建物構造 |
-
1996
- 1996-07-10 JP JP18019296A patent/JPH1025808A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2000027194A (ja) * | 1998-07-10 | 2000-01-25 | Nippon Steel Metal Prod Co Ltd | 露出型柱脚のアンボンドタイプのアンカーボルト |
| JP2005307701A (ja) * | 2004-04-26 | 2005-11-04 | Taisei Corp | 柱鉄骨の支持構造 |
| JP4575019B2 (ja) * | 2004-04-26 | 2010-11-04 | 大成建設株式会社 | 柱鉄骨の支持構造及びその施工方法 |
| JP2006037539A (ja) * | 2004-07-28 | 2006-02-09 | Daiwa House Ind Co Ltd | 柱杭接合構造 |
| JP2012017597A (ja) * | 2010-07-07 | 2012-01-26 | K&E Corp | 建物の建て替え方法及び建物構造 |
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