JPH10253897A - 光学拡大装置 - Google Patents

光学拡大装置

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JPH10253897A
JPH10253897A JP5607397A JP5607397A JPH10253897A JP H10253897 A JPH10253897 A JP H10253897A JP 5607397 A JP5607397 A JP 5607397A JP 5607397 A JP5607397 A JP 5607397A JP H10253897 A JPH10253897 A JP H10253897A
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Takaharu Otsuka
隆治 大塚
Kimio Komata
公夫 小俣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両眼で立体的に物体を観察することができる
光学拡大装置において、拡大率を大きくしても、作動距
離を大きくとることができ、接眼レンズから眼までの距
離が大きくとれ、かつ、楽な姿勢で作業が容易に行える
光学拡大装置を提供する。 【解決手段】 1つの被観察物体1に対して左右に配置
される一対の対物レンズ2L,2Rと、各々の対物レン
ズ2L,2Rの射出光束にて形成される倒立像をそれぞ
れ正立像にして共通の結像面Aに合成する2系統の正立
反射光学系5L,5Rと、2系統の正立反射光学系5
L,5Rを経たそれぞれの光束を立体視するとともに前
記正立像を虚像として拡大して観察するための視野レン
ズ7及び接眼レンズ8を有する接眼光学系9とを備えて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学拡大装置に関
し、より詳細には、両眼により立体的に物体を観察する
ことができる作業用の光学拡大装置に関する。
【0002】
【従来の技術】作業用の光学拡大装置は、両眼で覗き込
める程度の大きさの凸レンズを数枚組み合わせて構成さ
れており、例えば、電子回路基板の部品の実装状態を目
視により検査を行う作業や、小さな機械加工部品の検
査、加工作業などに使用されるもので、両眼視にて観察
する構造であるため、被観察物体を立体感をもって観察
できるようにしている。
【0003】また、このような光学拡大装置と同様に、
物体を観察することを目的とする双眼実体顕微鏡という
ものがある。これは、作動距離を大きくするために、低
倍率の対物レンズを用いて物体の実像を作り、その実像
を、高倍率の接眼レンズを用いて、虚像として観察する
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の作業用の光学拡
大装置は、凸レンズからなる光学系を用いて物体の虚像
を観察する方式であるから、拡大率を大きくしようとす
ると、凸レンズの焦点距離を短くしなければならず、対
物レンズから被観察物体までの距離、即ち作動距離が短
くなる。しかも、この光学拡大装置は、被観察物体を両
眼で観察するものであるため、レンズ口径が100mm
以上になり、同程度の拡大率を持つ、単眼で観察する形
式のルーペに比べ、レンズ構成枚数が多くなる傾向があ
り、このことから、作動距離がさらに短くなってしま
う。
【0005】このように、従来の作業用の光学拡大装置
は、拡大率が大きくなると、被観察物体と対物レンズと
の距離が接近して、作動距離が極端に短くなり、被観察
物体と対物レンズとの間に手が入らなくなってしまい、
作業性を損なうことになることは勿論、被観察物体を照
明することも困難になり、被観察物体が見ずらくなっ
て、作業そのものが困難になり、また、時には対物レン
ズが被観察物体に当たって、対物レンズに傷を付けてし
まう虞があった。
【0006】一方、上述の双眼実体顕微鏡は、作動距離
を大きくすることができるものの、被観察物体を立体的
に観察するためには、それぞれの接眼レンズを両眼で覗
くので、接眼レンズに眼を近づけなければならない。こ
のため、頭の位置が固定されてしまうので、上述の構成
の作業用の光学拡大装置のように、自由な姿勢で物体を
観察することができず、長時間の観察作業には不向きで
あった。
【0007】そこで、本発明の目的は、接眼レンズから
眼までの距離を大きくとれ、かつ、両眼で立体的に物体
を観察することができる光学拡大装置において、拡大率
を大きくしても、作動距離を大きくとることができ、楽
な姿勢で作業が容易に行える光学拡大装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光学拡大装置
は、1つの被観察物体に対して左右に配置される一対の
対物レンズと、各々の対物レンズの射出光束にて形成さ
れる倒立像をそれぞれ正立像にして共通の結像面に合成
する2系統の正立反射光学系と、2系統の正立反射光学
系を経たそれぞれの光束を立体視するとともに前記正立
像を虚像として拡大して観察するための視野レンズ及び
接眼レンズを有する接眼光学系とを備えている。
【0009】尚、本発明における「立体視」の用語の定
義は、JIS Z8120 F14(1)の「両眼で見
て、それぞれの網膜に結像された像を、奥行きのあるも
のとして感知すること。」である。
【0010】そして、第1の手段では、前記2系統のう
ち一方の正立反射光学系は、一方の対物レンズの入射光
束又は射出光束を反射して他方の対物レンズの入射光束
又は射出光束と交差させる第1反射部材と、該第1反射
部材で反射した光束を反射する第2反射部材と、該第2
反射部材で反射した光束を反射する第3反射部材と、該
第3反射部材で反射した光束を反射して前記共通の結像
面に導くための第4反射部材とを有し、他方の正立反射
光学系は、他方の対物レンズの入射光束又は射出光束を
前記一方の正立反射光学系の第1反射部材にて反射する
光束方向と相反する方向に反射する第1反射部材と、該
第1反射部材で反射した光束を反射する第2反射部材
と、該第2反射部材で反射した光束を反射する第3反射
部材と、該第3反射部材で反射した光束を反射して前記
共通の結像面に導くための第4反射部材とを有し、他方
の正立反射光学系の第1反射部材は、一方の正立反射光
学系の第1反射部材よりも前記被観察物体との距離が大
なる位置に配設され、他方の正立反射光学系の第4反射
部材は、他方の正立反射光学系の第3反射部材で反射し
た光束の一部が反射するとともに一方の正立反射光学系
の第4反射部材で反射した光束の一部が通過するハーフ
ミラーであることを特徴としている。
【0011】また、第2の手段では、前記2系統の正立
反射光学系は、各対物レンズの入射光束又は射出光束を
それぞれ反射して、反射した互いの光束を略90度の角
度で交差させる第1反射部材と、該第1反射部材で反射
した光束を反射する第2反射部材と、該第2反射部材で
反射した光束を反射する第3反射部材と、該第3反射部
材で反射した光束を反射して前記共通の結像面に導くた
めの第4反射部材とをそれぞれ有していることを特徴と
している。
【0012】作動距離を大きくするために対物レンズの
焦点距離を大きくすると、拡大率が低下するが、これら
の手段では、上述の如く構成することにより、拡大率の
低下は、対物レンズにより作られる結像面上の観察像
を、接眼レンズでさらに拡大することによって補ってい
る。しかも、各々の対物レンズの射出光束にて形成され
る倒立像を、2系統の正立反射光学系でそれぞれ正立像
に補正して共通の結像面に合成し、さらに視野レンズと
接眼レンズにより、被観察物体を左側から見る対物レン
ズの光束を観察者の左眼へ、右側から見る対物レンズの
光束を観察者の右眼へ導き、両眼視により被観察物体を
立体的に観察することができる。
【0013】したがって、拡大率を大きくしても、作動
距離を小さくすることなく、しかも、従来の拡大鏡のよ
うに両眼を接眼レンズから離して観察することができ、
楽な姿勢で作業ができる。
【0014】また、本発明の拡大光学装置は、被観察物
体を両眼で見ながら両手で作業することを主目的として
いるので、装置のサイズに自ら制限があるが、装置のサ
イズをコンパクトにするために、第1の手段では、一方
の正立反射光学系の第1反射部材で反射した光束を他方
の対物レンズの光束と交差させ、他方の正立反射光学系
の第1反射部材で反射した光束を一方の正立反射光学系
の第1反射部材にて反射した光束を遮らない位置で反射
させるとともに、他方の正立反射光学系の第4反射部材
をハーフミラーとし、第2の手段では、それぞれの正立
反射光学系の第1反射部材で反射した光束を略90度の
角度で交差させて、互いの光束を遮らないように各部材
を配設している。
【0015】さらに、第1の手段の拡大光学装置では、
ハーフミラーを用いていることにより、共通の結像面と
は別方向に第2の結像面を形成し、該第2の結像面に沿
って、観察用カメラを移動可能に設けており、第2の手
段の拡大光学装置では、視野レンズの後側にハーフミラ
ーと結像レンズを配設し、該結像レンズの後側に形成さ
れる第2の結像面に沿って、観察用カメラを移動可能に
設けている。この観察用カメラとしては、CCD(電荷
結合素子)カメラやビジコン(光導電形低速度撮像管)
等を用いることができる。
【0016】観察用カメラの映像は、CRTモニター等
での観察用に用いる。このとき、結像面と等価の位置に
観察用カメラの焦点面を一致させることは勿論である。
また、結像面の大きさは通常の観察用カメラの焦点面の
大きさよりも大きいので、観察用カメラを結像面に沿っ
て移動させることにより、モニター上に、被観察物体の
細部が映し出され、裸眼による観察像と、モニターによ
りさらに拡大された観察像とによって、一層正確な観察
作業が可能となる。
【0017】また、本発明の拡大光学装置は、共通の結
像面近傍に目盛りや形状認識用の焦点板を配設すること
により、被観察物体の像と焦点板の目盛りや模様がほぼ
同一位置に見ることができ、より正確な観察が可能とな
る。なお、焦点板が交換可能であることは勿論である。
さらに、本発明の拡大装置は、2つの対物レンズを使用
することから、被観察物体を立体的に観察するので、焦
点板の置く位置を光軸方向に移動又は焦点板を複数置く
ことによって、立体的な高さの計測が可能となる。
【0018】そして、一対の対物レンズの後側にそれぞ
れ配設した明るさ絞りの間隔を拡縮可能とすることによ
り、観察者の両眼の間隔(眼幅)に前記2系統の射出光
束を合わせるように設定することができ、さらに、観察
が楽に行えるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図に示す本発明の形態例を
詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明に係る拡大光学装置の第1
形態例の光学系の概要を示すもので、1つの被観察物体
1に対して略同等の焦点距離を持つ一対の対物レンズ2
L,2Rが左右に配置されている。対物レンズ2Lは左
眼用、対物レンズ2Rは右眼用となるので、対物レンズ
2L,2Rの間隔と作動距離の関係は、左眼用の対物レ
ンズ2Lの入射光束3Lと右眼用の対物レンズ2Rの入
射光束3Rの角度が、両眼で1つの物体を自然に観察す
るのとほぼ同じような角度になるように設定することが
望ましい。
【0021】対物レンズ2L,2Rの後方には、各々の
対物レンズ2L,2Rの射出光束4L,4Rにて形成さ
れる倒立像をそれぞれ正立像にして共通の結像面Aに合
成する左眼用及び右眼用の2系統の正立反射光学系5
L,5Rと、該正立反射光学系5L,5Rを経た左眼用
及び右眼用の光束6L,6Rを立体視するとともに前記
正立像を虚像として拡大して観察するための視野レンズ
7及び接眼レンズ8を有する接眼光学系9とを備えてい
る。
【0022】左眼用の正立反射光学系5Lは、左眼用の
対物レンズ2Lの射出光束4Lを下方から入射して略9
0度の角度で右方へ反射して右眼用の対物レンズ2Rの
射出光束4Rと交差させる第1反射部材51Lと、該第
1反射部材51Lで反射した光束を略90度の角度で後
方へ反射する第2反射部材52Lと、該第2反射部材5
2Lで反射した光束を略90度の角度で左方へ反射する
第3反射部材53Lと、該第3反射部材53Lで反射し
た光束を略90度の角度で上方へ反射して前記共通の結
像面Aに導くための第4反射部材54Lとを有してい
る。
【0023】右眼用の正立反射光学系5Rは、右眼用の
対物レンズ2Rの射出光束4Rを下方から入射して略9
0度の角度で左眼用の正立反射光学系5Lの第1反射部
材51Lにて反射する光束方向と相反する方向、即ち左
方へ反射する第1反射部材51Rと、該第1反射部材5
1Rで反射した光束を略90度の角度で後方へ反射する
第2反射部材52Rと、該第2反射部材52Rで反射し
た光束を略90度の角度で右方へ反射する反射する第3
反射部材53Rと、該第3反射部材53Rで反射した光
束を略90度の角度で上方へ反射して前記共通の結像面
Aに導くための第4反射部材54Rとを有している。
【0024】左眼用の正立反射光学系5Lの第2反射部
材52Lと右眼用の正立反射光学系5Rの第2反射部材
52Rとを対物レンズ2L,2R間に配設すると、対物
レンズ2L,2R間の間隔が狭いため、対物レンズ2
L,2Rの射出光束4L,4Rが第1反射部材51L,
51Rに入射する前に第2反射部材52L,52Rに遮
られる虞があるので、第2反射部材52L,52Rを対
物レンズ2L,2Rの外側、即ち、左眼用の第2反射部
材52Lを右眼用の対物レンズ2Rよりも左側に、右眼
用の第2反射部材52Rを左眼用の対物レンズ2Lより
も右側に配設している。
【0025】また、左眼用の第1反射部材51Lと右眼
用の第1反射部材51Rとを被観察物体1との距離が同
一になる位置にそれぞれ配設すると、第1反射部材51
Lで反射して第2反射部材52Lに向かう光束が第1反
射部材51Rに、第1反射部材51Rで反射して第2反
射部材52Rに向かう光束が第1反射部材51Lにそれ
ぞれ遮られるため、右眼用の第1反射部材51Rを左眼
用の第1反射部材51Lよりも高い位置、即ち被観察物
体1との距離が大なる位置に配設し、第1反射部材51
L,51Rで反射した光束を、それぞれ第1反射部材5
1R,51Lで遮らないようにしている。
【0026】さらに、右眼用の正立反射光学系5Rが左
眼用の正立反射光学系5Lより高い位置に配設されるた
め、右眼用の第4反射部材54Rをハーフミラーで構成
し、右眼用の第3反射部材53Rで反射した光束の一部
を共通の結像面Aに結像するよう上方へ反射させるとと
もに、該光束の残部を右方へ通過させて前記共通の結像
面Aとは別の結像面Bに結像するようにし、かつ、左眼
用の第3反射部材53Lで反射した光束の一部を共通の
結像面Aに結像するよう通過させるとともに、該光束の
残部を右方へ反射させ結像面Bに結像するようにしてい
る。
【0027】尚、本形態例では、右眼用の正立反射光学
系5Rを左眼用の正立反射光学系5Lより高い位置に配
設しているが、左眼用の正立反射光学系5Lを右眼用の
正立反射光学系5Rよりも高い位置に配設しても、各反
射部材の光学的作用に何等の影響を与えないことは勿論
で、この場合には、左眼用の第1反射部材51Lを右眼
用の第1反射部材51Rよりも被観察物体1との距離が
大なる位置に配設するとともに、左眼用の第4反射部材
54Lをハーフミラーで構成する。
【0028】この正立反射光学系5L,5Rは、対物レ
ンズ2L,2Rの結像面の像の向きが倒立像となるた
め、これを正立像に補正するものであるから、各正立反
射光学系5L,5Rはそれぞれ少なくとも4回反射させ
る必要があるが、それ以上反射させて正立像を得るよう
にしても、本発明の範囲を逸脱するものではない。
【0029】また、正立反射光学系5L,5Rは、対物
レンズ2L,2Rにて形成される倒立像を正立像に補正
するように、ミラーやプリズム等の反射部材を適宜組み
合わせることによって構成される。
【0030】さらに、本発明に係る拡大光学装置は、正
立反射光学系5L,5Rにより共通の結像面Aに合成さ
れた正立像を虚像として拡大観察するものであるから、
第4反射部材54L,54Rから共通の結像面Aに入射
する収束光束10L,10Rの角度を、対物レンズ2
L,2Rへ入射する入射光束3L,3Rの角度と略同一
にすることにより、被観察物体1と略同様の立体像を得
ることができる。
【0031】尚、本形態例では、対物レンズ2L,2R
の射出光束を第1反射部材51L,51Rで反射させて
いるが、例えば、第1反射部材51L,51Rと第2反
射部材52L,52Rとの間に対物レンズ2L,2Rを
配設して、対物レンズ2L,2Rへの入射光束を第1反
射部材51L,51Rで第2反射部材52L,52Rに
向けて反射させても、同様の効果を得られることは勿論
である。
【0032】また、正立反射光学系5L,5Rは、第2
反射部材52L,52Rと第3反射部材53L,53R
との間に、略同等の焦点距離を持つ結像レンズ11L,
11Rを配設している。したがって、正立反射光学系5
L,5Rは、対物レンズ2L,2Rと結像レンズ11
L,11Rとの間の光束が略平行光束となるので、無限
光学系となっており、正立反射光学系5L,5Rの光路
長を変えることができるから、装置設計の自由度を増す
ことができる。
【0033】前記共通の結像面Aの近傍には、目盛りや
形状認識用の焦点板12が配設されている。このように
焦点板12を共通の結像面Aと略同位置に配設すること
により、被観察物体1の寸法等が測定できる。尚、焦点
板12は被観察物体1に対応して交換可能であることは
勿論である。また、本形態例は、一対の対物レンズ2
L,2Rを使用していることから、被観察物体を立体的
に観察することが可能となるので、焦点板12を光軸方
向に移動可能又は複数枚設けることによって、立体的な
高さの計測が可能となる。
【0034】該共通の結像面Aにて結像された左眼用及
び右眼用の光束6L,6Rは、接眼光学系9の視野レン
ズ7及び接眼レンズ8を介してそれぞれ観察者の左眼及
び右眼へ達するように導かれる。この際、観察し易い位
置に光束6L,6Rを導くために、視野レンズ7と接眼
レンズ8との間にミラー13,14を配設して、接眼レ
ンズ8を作業及び観察容易な位置に設置できるようにし
ている。この場合、例えば、ミラー13を正立反射光学
系5L,5Rの第4反射部材54L,54Rと共通の結
像面Aとの間に設置しても同様の効果を得られることは
勿論である。
【0035】前記一対の対物レンズ2L,2Rと正立反
射光学系5L,5Rの第1反射部材51L,51Rとの
間には、明るさ絞り15L,15Rがそれぞれ配設され
ている。この明るさ絞り15L,15Rは、正立反射光
学系5L,5R及び接眼光学系9等を介して射出瞳16
L,16Rが接眼レンズ8の後方に結像する。この射出
瞳16L,16Rの結像位置が観察者のアイポイントと
なり、左眼用及び右眼用の射出瞳16L,16Rに観察
者の左眼及び右眼を置くことにより、左眼用対物レンズ
2Lからの光束を左眼に、右眼用対物レンズ2Rからの
光束を右眼にそれぞれ入射することができ、立体的な拡
大像を正立像で、明瞭に観察することができる。
【0036】前記明るさ絞り15L,15Rの間隔を左
右に拡縮可能に設けることによって、射出瞳16L,1
6Rの間隔を観察者の眼幅に合わせるように設定するこ
とができる。また、明るさ絞り15L,15Rを光軸方
向に移動可能に設けることにより、明るさ絞り15L,
15Rの移動に連れて射出瞳16L,16Rが光軸方向
に移動するので、観察者の眼の位置と接眼レンズ8との
間隔、即ちアイポイントを自由に設定することができ、
観察者に楽な姿勢をとらせることができる。明るさ絞り
15L,15Rの拡縮手段及び光軸方向への移動手段と
しては、公知の手段を用いることができる。また、射出
瞳16L,16Rの形状としては、通常円形であるが楕
円形や長方形であってもよい。
【0037】前記右眼用の正立反射光学系5Rの第4反
射部材54Rがハーフミラーで構成されているので、第
4反射部材54Rから射出する光束は2つの方向に分か
れ、左眼用の正立反射光学系5Lの第4反射部材54L
で反射した光束の一部は第4反射部材54Rを通過し、
右眼用の正立反射光学系5Rの第3反射部材53Rで反
射した光束の一部は第4反射部材54Rで反射して収束
光束10L,10Rとしてそれぞれ共通の結像面Aに向
かうが、左眼用の正立反射光学系5Lの第4反射部材5
4Lで反射した光束の残部は第4反射部材54Rで反射
し、右眼用の正立反射光学系5Rの第3反射部材53R
で反射した光束の残部は第4反射部材54Rを通過し、
それぞれの光束17L,17Rが前記共通の結像面Aと
は別の結像面Bに結像する。
【0038】該結像面Bには、観察用カメラ(図示せ
ず)が結像面Bに沿って移動可能に設けられている。こ
のとき、結像面Bと等価の位置に観察用カメラの焦点面
を一致させることは勿論である。観察用カメラの映像
は、CRTモニター等での観察用に用いられる。この結
像面Bの大きさは通常の観察用カメラの焦点面の大きさ
よりも大きいので、観察用カメラを結像面Bに沿って移
動させることにより、モニター上に、被観察物体の細部
が映し出され、裸眼による観察像と、モニターによりさ
らに拡大された観察像とによって一層正確な観察作業が
可能となる。尚、結像面Bの結像は正立像ではないの
で、観察用カメラによって正立像になるよう処理されて
モニターに表示される。また、結像面Bの結像は眼視用
に使用しないので、観察用カメラを設けない場合は、光
束17L,17Rが到達する壁面(図示せず)に反射防
止等の処理を施すことが望ましい。
【0039】次に、上述の第1形態例の光学系の作用に
ついて説明すると、1つの被観察物体1に対する対物レ
ンズ2L,2Rは、ほぼ平行な光束を射出するため、作
動距離は該対物レンズ2L,2Rの焦点距離にほぼ一致
する。
【0040】そして、左眼用の対物レンズ2Lからの射
出光束4Lは、左眼用の明るさ絞り15Lを通り、左眼
用の正立反射光学系5Lの第1反射部材51L,第2反
射部材52Lで反射し、左眼用の結像レンズ11Lを通
り、左眼用の正立反射光学系5Lの第3反射部材53
L,第4反射部材54Lで反射し、その一部が右眼用の
正立反射光学系5Rのハーフミラーである第4反射部材
54Rを通過して共通の結像面Aに到達し、残部がハー
フミラーである第4反射部材54Rで反射して結像面B
に到達する。
【0041】一方、右眼用の対物レンズ2Rからの射出
光束4Rは、右眼用の明るさ絞り15Rを通り、右眼用
の正立反射光学系5Rの第1反射部材51Rで反射し、
右眼用の結像レンズ11Rを通り、第2反射部材52
R,第3反射部材53で反射しした後、その一部がハー
フミラーである第4反射部材54Rで反射して共通の結
像面Aに到達し、残部がハーフミラーである第4反射部
材54Rを通過して結像面Bに到達する。
【0042】結像面A,Bでは、左眼用及び右眼用の対
物レンズ2L,2Rからの光束が重なり合い、被観察物
体1の像が略1つの画像となるように見える。共通の結
像面Aに結像した左眼用及び右眼用の対物レンズ2L,
2Rからの光束は、共通の結像面Aと略同位置に配設し
た焦点板12の目盛りや形状認識模様と一緒になった左
眼用及び右眼用の光束6L,6Rが、視野レンズ7を通
過し、ミラー13,14で反射して接眼レンズ8を通過
し、接眼レンズ8の後方のアイポイントに形成される射
出瞳16L,16Rに観察者の両眼を置くことにより、
左眼用の対物レンズ2Lからの光束を左眼に、右眼用の
対物レンズ2Rからの光束をは右眼に入射することがで
き、立体的な拡大された正立像及び焦点板12の目盛り
や形状認識模様を、明瞭に観察することができる。
【0043】また、結像面Bに結像した左眼用及び右眼
用の対物レンズ2L,2Rからの光束17L,17R
は、観察用カメラに入射し、CRTモニター等に出力し
た映像を観察用に用いる。
【0044】尚、対物レンズ2L,2Rの前方及び後方
の適宜位置に複数の遮光絞り等(図示せず)を配置し
て、迷光などをカットすることにより明瞭な観察像を得
るようにすることは勿論である。さらに、明瞭な観察を
行うときには、図示しない各種の照明装置によって、被
観察物体1を照明することが必要である。
【0045】次に、作業効率を良好にするには、より具
体的には作動距離を拡大率約3倍程度で、100mm以
上になるように設定し、対物レンズ2L,2Rの射出光
束を平行光束とし、第2レンズとしての結像レンズ11
L,11Rを介して被観察物体1を結像させる。
【0046】総合拡大率は、共通の結像面Aでの倍率
と、視野レンズ7及び接眼レンズ8による拡大率との積
となる。そこで、結像面Aでの倍率を、総合拡大率より
も小さくなるように設定する。具体的には、結像面Aの
倍率は、総合倍率の0.3倍〜0.7倍に設定する。よ
って、結像面A以後の倍率は、総合倍率を0.3〜0.
7で除した値となる。共通の結像面A以後の光学系は、
虚像となるようにレンズ系のパワーを設定する。
【0047】また、倍率の変更は、一対の対物レンズ2
L,2Rの焦点距離を変更することで可能となることは
勿論であるが、結像レンズ11L,11R、視野レンズ
7、接眼レンズ8を焦点距離の異なるものに交換するこ
とによっても可能である。
【0048】さらに、1つの接眼レンズ8から両眼を離
して観察するには、対物レンズ2L,2Rに対する明る
さ絞り15L,15Rの位置を、接眼レンズ8からでき
るだけ後方に射出瞳16L,16Rとして作る必要があ
り、かつ、明るさ絞り15L,15Rを拡大してアイポ
イントに結像するように、各レンズのパワー配置を適切
に設定する。
【0049】また、従来の光学拡大装置と同様な観察環
境とするには、射出瞳16L,16Rを、接眼レンズ8
の後方約80mm以上離れた位置に設定することが必要
で、さらに、射出瞳16L,16Rの大きさはできるだ
け大きく設定することが必要で、具体的には直径約20
mm以上の大きさとすることが望ましい。
【0050】尚、本形態例では、対物レンズ2L,2
R、結像レンズ11L,11R、視野レンズ7、接眼レ
ンズ8を1枚構成でそれぞれ図示しているが、それぞれ
のレンズは、光軸方向に沿って複数枚のレンズ部材を組
み合わせた構成であってもよいことは勿論である。
【0051】したがって、対物レンズ2L,2Rをそれ
ぞれ複数枚のレンズ部材を組み合わせた構成とすること
により、明るさ絞り15L,15Rをレンズ部材間に設
置するしても差支えないが、本形態例の如く、対物レン
ズ2L,2Rの後方にそれぞれ適当な間隔(例えば10
〜70mm)をとって設置することによって、左眼用及
び右眼用の正立反射光学系5L,5Rの各反射部材等を
小さくすることができるとともに、視野レンズ7及び接
眼レンズ8による明るさ絞り15L,15Rの結像倍率
を大きくできる等最適な光学系の配置とすることができ
る。
【0052】また、共通の結像面Aが視野レンズ7の手
前にあると、焦点板12に形成された目盛り等の寸法が
対物レンズ2L,2Rのみの倍率で設定できるので好都
合である。さらに、焦点板12を複数枚で構成されるレ
ンズ部材間に設置して焦点板を組み込んだ視野レンズ7
を構成することにより、焦点距離の異なる視野レンズ7
を交換して倍率変換を行っても、変換した倍率に合致し
た焦点板12の目盛り等により、正確な観察像の測定が
可能となる。
【0053】図2は、本発明に係る拡大光学装置の第2
形態例の光学系の概要を示すものである。本形態例と第
1形態例との主な相違は、左眼用及び右眼用の正立反射
光学系5L,5Rの構成が異なるもので、その他は第1
形態例と同様の作用効果を奏することができる。
【0054】即ち、左眼用の正立反射光学系5Lは、左
眼用の対物レンズ2Lの入射光束3Lを下方から入射し
て略45度の角度で斜め右後方へ反射する第1反射部材
51Lと、該第1反射部材51Lで反射した光束を略9
0度の角度で下方へ反射する第2反射部材52Lと、該
第2反射部材52Lで反射した光束を略90度の角度で
斜め左後方へ反射する第3反射部材53Lと、該第3反
射部材53Lで反射した光束を略90度の角度で上方へ
反射して前記共通の結像面Aに導くための第4反射部材
54Lとを有している。
【0055】右眼用の正立反射光学系5Rは、右眼用の
対物レンズ2Rの入射光束3Rを下方から入射して略4
5度の角度で斜め左後方へ反射する第1反射部材51R
と、該第1反射部材51Rで反射した光束を略90度の
角度で下方へ反射する第2反射部材52Rと、該第2反
射部材52Rで反射した光束を略90度の角度で斜め右
後方へ反射する反射する第3反射部材53Rと、該第3
反射部材53Rで反射した光束を略90度の角度で上方
へ反射して前記共通の結像面Aに導くための第4反射部
材54Rとを有している。
【0056】この結果、第1反射部材51L,51Rで
反射した互いの光束は略90度の角度で交差する。ま
た、第4反射部材54L,54Rで反射して共通の結像
面Aに向かう収束光束10L,10Rは、正立反射光学
系5L,5Rが同高位置にあって、互いの光束を遮らな
いように各部材を配設しているので、第4反射部材にハ
ーフミラーを用いる必要はない。
【0057】さらに、第1反射部材51L,51Rは、
対物レンズ2L,2Rの入射光束3L,3Rを入射する
ものであるから、対物レンズ2L,2R及び明るさ絞り
15L,15Rは、第1反射部材51L,51Rと第2
反射部材52L,52Rとの間に配設されている。ま
た、正立反射光学系5L,5Rには、第1形態例で用い
た結像レンズを配設していないので、有限光学系となっ
ている。
【0058】尚、本形態例では、対物レンズ2L,2R
の入射光束を第1反射部材51L,51Rで反射させて
いるが、対物レンズ2L,2Rの射出光束を第1反射部
材51L,51Rでで第2反射部材52L,52Rに向
けて反射させても、同様の効果を得られることは勿論で
ある。
【0059】次に、上述の第1形態例の光学系の作用に
ついて説明すると、対物レンズ2L,2Rへの入射光束
3L,3Rは、第1反射部材51L,51Rで互いの光
束が略90度の角度で交差するようそれぞれ反射し、対
物レンズ2L,2R及び明るさ絞り15L,15Rをそ
れぞれ通り、第2反射部材52L,52R、第3反射部
材53L,53R,第4反射部材54L,54Rでそれ
ぞれ反射して、共通の結像面Aにそれぞれ到達する。
【0060】共通の結像面Aでは、左眼用及び右眼用の
対物レンズ2L,2Rからの光束が重なり合い、被観察
物体1の像が略1つの画像となるように見える。共通の
結像面Aに結像したこれらの光束は、共通の結像面Aと
略同位置に配設した焦点板12の目盛りや形状認識模様
と一緒になった左眼用及び右眼用の光束6L,6Rが、
視野レンズ7を通過し、ミラー13,14で反射して接
眼レンズ8を通過し、接眼レンズ8の後方のアイポイン
トに形成される射出瞳16L,16Rに観察者の両眼を
置くことにより、左眼用の対物レンズ2Lからの光束を
左眼に、右眼用の対物レンズ2Rからの光束をは右眼に
入射することができ、立体的な拡大された正立像及び焦
点板12の目盛りや形状認識模様を、明瞭に観察するこ
とができる。
【0061】また、視野レンズ7の後側に配設したミラ
ー13をハーフミラーにし、視野レンズ7から出射した
それぞれの光束6L,6Rを分岐して、それぞれの光束
の一部を前記接眼レンズに正立像として導くとともに、
ハーフミラー13の後側に結像レンズ17を配設し、結
像レンズ17の後側に形成されるハーフミラー13を通
過した残部の光束17L,17Rにより形成される結像
面Bに沿って、観察用カメラ(図示せず)を移動可能に
設けることにより、第1形態例と同様に、結像面Bに結
像した左眼用及び右眼用の対物レンズ2L,2Rからの
光束17L,17Rを、観察用カメラに入射し、CRT
モニター等に出力した映像を観察用に用いることができ
る。
【0062】図3及び図4は、第2形態例の正立反射光
学系5L,5Rのユニット構成の一例を説明する側面図
及び平面図を示すもので、正立反射光学系5L,5Rの
第1反射部材51L,51Rをミラーとし、対物レンズ
2L,2Rの入射光束3L,3Rを下方から入射して水
平かつ略45度の角度で斜め後方へ互いの光束21L,
21Rが略90度の角度で交差するよう反射させ、対物
レンズ2L,2Rをそれぞれ通過させる。第2反射部材
52L,53Rもミラーとし、対物レンズ2L,2Rを
それぞれ通過した光束21L,21Rを略90度の角度
で下方へ反射する。第2反射部材52L,53Rの下方
には、第3反射部材53L,53Rに相当する第3反射
面及び第4反射部材54L,54Rに相当する第4反射
面を有する直角プリズム22L,22Rを配設する。こ
の際、第3反射面を第2反射部材52L,53Rの反射
面に、第4反射面を共通の結像面Aにそれぞれ対向する
ように直角プリズム22L,22Rを配設する。したが
って、略90度の角度で下方へ反射した第2反射部材5
2L,53Rからの光束23L,23Rは、直角プリズ
ム22L,22Rの第3反射面で互いに近づくように略
90度の角度で斜め後方へ反射し、第3反射面で反射し
た光束24L,24Rは、第4反射面で略90度の角度
で上方へ反射し、第4反射面で反射した光束10L,1
0Rは共通の結像面Aに到達する。
【0063】このような構成の正立反射光学系5L,5
Rにあっては、第1反射部材51L,51Rの中心間距
離D1と第4反射部材54L,54Rに相当する直角プ
リズム22L,22Rの第4反射面の中心間距離D2の
関係を、略4対3程度に設定すると、各反射部材及び正
立反射光学系5L,5Rの光束が交わらず、分離容易か
つ適切である。
【0064】
【発明の効果】以上の通り、本発明は、1つの被観察物
体に対して左右に配置される一対の対物レンズと、各々
の対物レンズの射出光束にて形成される倒立像をそれぞ
れ正立像にして共通の結像面に合成する2系統の正立反
射光学系と、2系統の正立反射光学系を経たそれぞれの
光束を立体視するとともに前記正立像を虚像として拡大
して観察するための視野レンズ及び接眼レンズを有する
接眼光学系とを備えているので、作動距離を大きくする
ために対物レンズの焦点距離を大きくすると、拡大率が
低下するが、上述の如く構成することにより、拡大率の
低下を、対物レンズにより作られる結像面上の観察像を
接眼レンズでさらに拡大することによって補っている。
しかも、各々の対物レンズの射出光束にて形成される倒
立像を、2系統の正立反射光学系でそれぞれ正立像に補
正して共通の結像面に合成し、さらに視野レンズと接眼
レンズにより、被観察物体を左側から見る対物レンズの
光束を観察者の左眼へ、右側から見る対物レンズの光束
を観察者の右眼へ導き、両眼視により被観察物体を立体
的に観察することができる。したがって、拡大率を大き
くしても、作動距離を小さくすることなく、しかも、従
来の拡大鏡のように両眼を接眼レンズから離して観察す
ることができ、楽な姿勢で作業ができる。
【0065】また、本発明の第1の手段では、一方の正
立反射光学系の第1反射部材で反射した光束を他方の対
物レンズの光束と交差させ、他方の正立反射光学系の第
1反射部材で反射した光束を一方の正立反射光学系の第
1反射部材にて反射した光束を遮らない位置で反射させ
るとともに、他方の正立反射光学系の第4反射部材をハ
ーフミラーとし、第2の手段では、それぞれの正立反射
光学系の第1反射部材で反射した光束を略90度の角度
で交差させて、互いの光束を遮らないように各部材を配
設し、対物レンズ、正立反射光学系、視野レンズ及び接
眼レンズにより光路を長くして、焦点距離の大きな対物
レンズを用いて作動距離を大きくしながら、装置全体の
サイズをコンパクトにし、作業スペースの節約にも貢献
することができる。
【0066】さらに、第1の手段の拡大光学装置では、
ハーフミラーを用いていることにより、共通の結像面と
は別方向に第2の結像面を形成し、該第2の結像面に沿
って、観察用カメラを移動可能に設けており、第2の手
段の拡大光学装置では、視野レンズの後側にハーフミラ
ーと結像レンズを配設し、該結像レンズの後側に形成さ
れる第2の結像面に沿って、観察用カメラを移動可能に
設け、観察用カメラの映像を、CRTモニター等での観
察用に用いるようにしており、結像面の大きさは通常の
観察用カメラの焦点面の大きさよりも大きいので、観察
用カメラを結像面に沿って移動させることにより、モニ
ター上に、被観察物体の細部が映し出され、裸眼による
観察像と、モニターによりさらに拡大された観察像とに
よって、一層正確な観察作業が可能となる。
【0067】また、共通の結像面近傍に目盛りや形状認
識用の焦点板を配設することにより、従来の拡大鏡では
困難であった被観察物体の大きさを測定できるととも
に、目盛りを施した焦点板を配設することができ、測定
拡大光学装置とすることもできる。
【0068】さらに、一対の対物レンズの後側にそれぞ
れ配設した明るさ絞りの間隔を拡縮可能とすることによ
り、射出瞳の間隔を観察者の両眼の間隔(眼幅)に合わ
せるように設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る拡大光学装置の第1形態例の光
学系の概要を示す図
【図2】 本発明に係る拡大光学装置の第2形態例の光
学系の概要を示す図
【図3】 第2形態例の正立反射光学系のユニット構成
の一例を説明する側面図
【図4】 同じく平面図
【符号の説明】 1…被観察物体、2L,2R…対物レンズ、5L,5R
…正立反射光学系、7…視野レンズ、8…接眼レンズ、
9…接眼光学系、11L,11R…結像レンズ、12…
焦点板、13,14…ミラー、15L,15R…明るさ
絞り、16L,16R…射出瞳、17…結像レンズ、5
1L…正立反射光学系5Lの第1反射部材、52L…正
立反射光学系5Lの第2反射部材、53L…正立反射光
学系5Lの第3反射部材、54L…正立反射光学系5L
の第4反射部材、51R…正立反射光学系5Rの第1反
射部材、52R…正立反射光学系5Rの第2反射部材、
53R…正立反射光学系5Rの第3反射部材、54R…
正立反射光学系5Rの第4反射部材、A…共通の結像
面、B…結像面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つの被観察物体に対して左右に配置さ
    れる一対の対物レンズと、 各々の対物レンズの射出光束にて形成される倒立像をそ
    れぞれ正立像にして共通の結像面に合成する2系統の正
    立反射光学系と、 2系統の正立反射光学系を経たそれぞれの光束を立体視
    するとともに前記正立像を虚像として拡大して観察する
    ための視野レンズ及び接眼レンズを有する接眼光学系と
    を備え、 前記2系統のうち一方の正立反射光学系は、一方の対物
    レンズの入射光束又は射出光束を反射して他方の対物レ
    ンズの入射光束又は射出光束と交差させる第1反射部材
    と、該第1反射部材で反射した光束を反射する第2反射
    部材と、該第2反射部材で反射した光束を反射する第3
    反射部材と、該第3反射部材で反射した光束を反射して
    前記共通の結像面に導くための第4反射部材とを有し、 他方の正立反射光学系は、他方の対物レンズの入射光束
    又は射出光束を前記一方の正立反射光学系の第1反射部
    材にて反射する光束方向と相反する方向に反射する第1
    反射部材と、該第1反射部材で反射した光束を反射する
    第2反射部材と、該第2反射部材で反射した光束を反射
    する第3反射部材と、該第3反射部材で反射した光束を
    反射して前記共通の結像面に導くための第4反射部材と
    を有し、 他方の正立反射光学系の第1反射部材は、一方の正立反
    射光学系の第1反射部材よりも前記被観察物体との距離
    が大なる位置に配設され、 他方の正立反射光学系の第4反射部材は、他方の正立反
    射光学系の第3反射部材で反射した光束の一部が反射す
    るとともに一方の正立反射光学系の第4反射部材で反射
    した光束の一部が通過するハーフミラーであることを特
    徴とする光学拡大装置。
  2. 【請求項2】 一方の正立反射光学系の第4反射部材で
    反射した光束の残部が前記ハーフミラーで反射するとと
    もに他方の正立反射光学系の第3反射部材で反射した光
    束の残部が前記ハーフミラーを通過することにより形成
    される、前記共通の結像面とは別の結像面に沿って、観
    察用カメラを移動可能に設けたことを特徴とする請求項
    1記載の光学拡大装置。
  3. 【請求項3】 1つの被観察物体に対して左右に配置さ
    れる一対の対物レンズと、 各々の対物レンズの射出光束(透過光束)にて形成され
    る倒立像をそれぞれ正立像にして共通の結像面に合成す
    る2系統の正立反射光学系と、 2系統の正立反射光学系を経たそれぞれの光束を立体視
    するとともに前記正立像を虚像として拡大して観察する
    ための視野レンズ及び接眼レンズを有する接眼光学系と
    を備え、 前記2系統の正立反射光学系は、各対物レンズの入射光
    束又は射出光束をそれぞれ反射して、反射した互いの光
    束を略90度の角度で交差させる第1反射部材と、該第
    1反射部材で反射した光束を反射する第2反射部材と、
    該第2反射部材で反射した光束を反射する第3反射部材
    と、該第3反射部材で反射した光束を反射して前記共通
    の結像面に導くための第4反射部材とをそれぞれ有して
    いることを特徴とする光学拡大装置。
  4. 【請求項4】 前記視野レンズの後側にハーフミラーを
    配設し、該視野レンズから出射したそれぞれの光束の一
    部を前記接眼レンズに正立像として導くとともに、前記
    ハーフミラーの後側に結像レンズを配設し、該結像レン
    ズの後側に形成される前記ハーフミラーを通過した残部
    の光束により形成される結像面に沿って、観察用カメラ
    を移動可能に設けたことを特徴とする請求項3記載の光
    学拡大装置。
  5. 【請求項5】 前記共通の結像面近傍に目盛りや形状認
    識用の焦点板を配設したことを特徴とする請求項1乃至
    4のいずれかに記載の光学拡大装置。
  6. 【請求項6】 前記一対の対物レンズの後側にそれぞれ
    配設した明るさ絞りの間隔を拡縮可能としたことを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光学拡大装
    置。
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