JPH10249807A - 遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防カビ性、防ダニ性を有する木材およびその加工方法 - Google Patents

遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防カビ性、防ダニ性を有する木材およびその加工方法

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JPH10249807A
JPH10249807A JP8183597A JP8183597A JPH10249807A JP H10249807 A JPH10249807 A JP H10249807A JP 8183597 A JP8183597 A JP 8183597A JP 8183597 A JP8183597 A JP 8183597A JP H10249807 A JPH10249807 A JP H10249807A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木材に遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性およ
び防カビ性、防ダニ性を付与する。 【解決手段】粒径5μm以下のマグネシアと蛇紋石を混
合した複合セラミックス、またはマグネシア、酸化亜
鉛、硅石およびチタンを混合した複合セラミックス、あ
るいはマグネシア、硅石および酸化カルシウムを混合し
た複合セラミックスのうちのいずれかと水および分散剤
とを混合攪拌して得られたセラミックス溶液を、木材を
装入した加圧加工機に導入し、且つ該加圧加工機内の圧
力を2.5〜5.0kg/cm2 にして、前記セラミッ
クス溶液を前記木材の表層部の壁孔細胞内に圧入浸透さ
せ、然る後前記加圧加工機を大気圧に戻して木材を取出
し、乾燥機により乾燥させることにより、前記複合セラ
ミックスを壁孔細胞内に封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠赤外線放射特性
を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防カビ性、防ダ
ニ性を有する木材およびその加工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、遠赤外線放射特性を有すると共
に、抗菌性、脱臭性および防カビ性、防ダニ性を有する
木材およびその加工方法は知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、遠赤外線放射特
性を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防カビ性、防
ダニ性を有する木材およびその加工方法は知られていな
かったため、遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌
性、脱臭性および防カビ性、防ダニ性を有する木材が一
般の使用に供されておらず、従って現今の建築技術では
各室内の密閉度が高いため、家屋内はダニやノミ等の衛
生害虫に対して最適な湿度を有し、該衛生害虫の生息の
温床となると共に、大腸菌、ブドウ状球菌等の一般生菌
が多く発生するという課題があった。
【0004】更に、人体または動物から発する臭気、あ
るいは台所等から発する生活臭気等が、壁、床面および
天井面等に浸み込んでしまい、その臭気が取れないとい
う課題があった。
【0005】本発明は前記従来の課題を解決すべくなし
たもので、木材に遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性お
よび防カビ性、防ダニ性を有するように加工して、一般
生菌による病気の発生や、衛生害虫から受ける被害を防
止すると共に、家屋内の不快な臭いをも除去することが
できる遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭
性および防カビ性、防ダニ性を有する木材およびその加
工方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒径5μm以
下のマグネシアと蛇紋石を混合した複合セラミックス、
またはマグネシア、酸化亜鉛、硅石およびチタンを混合
した複合セラミックス、あるいはマグネシア、硅石およ
び酸化カルシウムを混合した複合セラミックスのうちの
いずれかと水および分散剤、または水と混合攪拌して得
られたセラミックス溶液を、木材を装入した加圧加工機
内に導入し、該加圧加工機内を加圧して、前記複合セラ
ミックスを木材の表層部の壁孔細胞内に封止させるとい
う構成、または粒径5μm以下のマグネシア40〜60
重量%と蛇紋石40〜60重量%を混合した複合セラミ
ックス、またはマグネシア20〜40重量%、酸化亜鉛
20〜40重量%、硅石20〜40重量%およびチタン
20〜40重量%を混合した複合セラミックス、あるい
はマグネシア20〜30重量%、硅石20〜30重量%
および酸化カルシウム40〜60重量%を混合した複合
セラミックスのうちのいずれかと、水および分散剤とを
混合攪拌して得られたセラミックス溶液を、木材を装入
した加圧加工機に導入し、且つ該加圧加工機内の圧力を
2.5〜5.0kg/cm2 にして、前記木材の表層部
の壁孔細胞を崩し、前記セラミックス溶液を前記崩され
た壁孔細胞内に圧入浸透させ、然る後前記加圧加工機を
大気圧に戻して前記木材を取出し、乾燥機により乾燥し
て、前記壁孔細胞の崩れを復元せしめて木材の表層部の
壁孔細胞内に前記複合セラミックスを封止させるという
方法、あるいは粒径5μm以下のマグネシア40〜60
重量%と蛇紋石40〜60重量%を混合した複合セラミ
ックス、またはマグネシア20〜40重量%、酸化亜鉛
20〜40重量%、硅石20〜40重量%およびチタン
20〜40重量%を混合した複合セラミックス、あるい
はマグネシア20〜30重量%、硅石20〜30重量%
および酸化カルシウム40〜60重量%を混合した複合
セラミックスのうちのいずれかと、水とを混合攪拌して
得られたセラミックス溶液を、木材を装入した加圧加工
機に導入し、且つ該加圧加工機内の圧力を2.5〜5.
0kg/cm2 にして、前記木材の表層部の壁孔細胞を
崩し、前記セラミックス溶液を前記崩された壁孔細胞内
に圧入浸透させ、然る後前記加圧加工機を大気圧に戻し
て前記木材を取出し、乾燥機により乾燥して、前記壁孔
細胞の崩れを復元せしめて木材の表層部の壁孔細胞内に
前記複合セラミックスを封止させるという方法、を採用
することにより、上記課題を解決した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明者は、単一成分のセラミッ
クスにつき、夫々抗菌率と脱臭率および遠赤外線放射率
を個々に測定し、抗菌率、脱臭率並びに遠赤外線放射率
において優れたものを抽出すると共に、前記各セラミッ
クスを2種以上一定比率で混合攪拌し、然る後仮焼して
得られた遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性およ
び脱臭性を有し、且つ防カビ性、防ダニ性を有する複合
セラミックスと水および分散剤、または水と混合攪拌し
て得られたセラミックス溶液を、木材を装入した加圧加
工機内に導入し、該加圧加工機内を加圧して、前記複合
セラミックスを木材の表層部の壁孔細胞内に封止させる
ことにより、遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌
性、脱臭性および防カビ性、防ダニ性を有する木材を完
成した。以下本発明につき詳細に説明する。
【0008】本発明に使用される遠赤外線放射特性を有
すると共に、抗菌性および脱臭性を有する複合セラミッ
クスを構成する単一成分のセラミックスの抗菌率と脱臭
率および平均放射率を測定したところ、表1,表2に示
す測定値を得た。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】表1の結果から、マグネシアは大腸菌およ
びブドウ状球菌に対してほぼ100%近い抗菌率を有す
るが、臭気の発生源であるアンモニアや硫化水素に対し
ては脱臭性はほとんどなく、酸化亜鉛は硫化水素に対し
て100%の脱臭率を有するが、アンモニアに対しては
ほとんど脱臭性がなく、抗菌性もほとんどなく、また硅
石は硫化水素に対して100%、アンモニアに対しては
93%の脱臭率を有するが、抗菌性はほとんどなく、酸
化カルシウムはアンモニアや硫化水素に対して80%の
脱臭率を有し、大腸菌に対して85%、ブドウ状球菌に
対して95%の高い抗菌率を有し、そして、蛇紋石が大
腸菌に対して86%、ブドウ状球菌に対して96%の抗
菌率を有すると共に、アンモニアに対しては95%、硫
化水素に対して90%の脱臭率を有することが判った。
なお、チタンは、アンモニアに対しては60%と中程度
の脱臭率しかなく、硫化水素に対してはほとんど脱臭性
がなく、大腸菌およびブドウ状球菌に対してほとんど抗
菌性がないことが判ったが、チタンは他のセラミックス
と混合することにより、該セラミックスの効力を活性化
させる活性材として使用できるので、本発明に採用し
た。更に、表2の結果より、前記各セラミックスとも放
射率が比較的高いことが判った。
【0012】上記の結果より、本発明者は前記各単一成
分のセラミックスを2種以上混合することにより、遠赤
外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防
カビ性、防ダニ性を併せ有する複合セラミックスが得ら
れるのではないかと考え、マグネシア40〜60重量%
と蛇紋石40〜60重量%を混合した複合セラミック
ス、またはマグネシア20〜40重量%、酸化亜鉛20
〜40重量%、硅石20〜40重量%およびチタン20
〜40重量%を混合した複合セラミックス、あるいはマ
グネシア20〜30重量%、硅石20〜30重量%およ
び酸化カルシウム40〜60重量%を混合して得られた
複合セラミックスの遠赤外線放射率、防カビ抵抗、ダニ
忌避率、抗菌率および脱臭率をそれぞれ測定したとこ
ろ、それぞれよい測定結果が得られた。そして、表3に
示す最も好ましい各セラミックスの混合比率で混合した
複合セラミックスの測定をしたところ、表4に示すよう
な測定値が得られた。表3の各混合比率で得られた複合
セラミックスをそれぞれ複合セラミックスA,B,Cと
し、表4にもこれを適用した。なお、防カビ抵抗は、J
IS Z 2911により測定した。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】すなわち、前記3種の複合セラミックス
A,B,Cのいずれも遠赤外線放射率は92%以上で極
めて高い放射率を有し、且つ抗菌率および脱臭率、防カ
ビ抵抗、ダニ忌避率も極めて高いことが判った。
【0016】次に、本発明に採用する遠赤外線放射特性
を有すると共に、抗菌性、脱臭性を有し、且つ防カビ
性、防ダニ性を有する複合セラミックスの製造方法につ
いて詳細に説明する。前記複合セラミックスを構成する
各単一成分の各セラミックスの粒径は、5μm以下の微
粉末を使用する必要があり、そしてこれら各セラミック
スを混合すると、各セラミックスの比重、水分、湿度等
の物理的特性が夫々異なると共に、これら原材料である
前記各セラミックスは粒径が5μm以下の微粉末である
ため、凝集化が安易に作用して、前記各セラミックスを
均一に混合することは極めて容易ではない。
【0017】そこで本発明者は、表3に示すような好ま
しい混合率により前記2種以上の単一成分のセラミック
スを夫々所定比率で混合機に投入して混合攪拌した後、
その混合物を粉砕機に投入して粉砕し、更に、前記粉砕
したものを再び混合機に投入して混合攪拌し、その後ま
た粉砕機に投入して粉砕するという工程を順次約30分
間繰返すという手段を採用することにより、均一に混合
された複合セラミックスを作ることができた。
【0018】そして、前記均一に混合された複合セラミ
ックスの化学特性の安定化を図るため、複合セラミック
スを200〜500℃の仮焼温度で焼成機により焼成し
て、遠赤外線放射特性を有すると共に抗菌性、脱臭性お
よび防カビ性、防ダニ性を有する複合セラミックスとす
るのである。
【0019】なお、前記複合セラミックスの材料である
各セラミックスの水素イオン濃度は、表5に示すように
アルカリ性状を呈している。また、前記各セラミックス
より成る複合セラミックスも表6に示すようにアルカリ
性状を呈している。
【0020】
【表5】
【0021】
【表6】
【0022】表5記載の水素イオン濃度を有する各セラ
ミックスを複合した本発明に採用される複合セラミック
スの水素イオン濃度は、前記のように200℃〜500
℃で焼成されているので、表6に示すように非常に安定
してアルカリ性状を呈し、水素イオン濃度の経時変化が
ない。更に、これら複合セラミックスは仮焼によって結
晶化されて、電界エネルギー(陽イオン)を発生する機
能を有する複合セラミックスになる。前記複合セラミッ
クスがアルカリ性状を呈するのは、その焼成加工中に不
純物がガス化されるので、単一成分のセラミックスより
もアルカリ性に移行するからである。
【0023】前記表5〜表6から前記製造方法によって
得られた複合セラミックスは、陽イオンを有する複合セ
ラミックスであり、アルカリ域の水素イオンになり、1
年以上という長時間に亘って経時変化がなく安定してい
て、脱臭機構は分解作用であるという特性を有し、その
結果前記製造方法によって得られた複合セラミックス
は、遠赤外線放射特性を有する外に、抗菌性と脱臭性の
両作用を兼ね備えていることが判った。
【0024】すなわち、一般的に生菌の表層(壁)は陰
イオンであって、そのため中性領域(pH7.0〜7.
5)でしか生息が不可能であるが、前記製造方法によっ
て得られた複合化された複合セラミックスの最大の特性
として陽イオンを発生するので、陰イオンである菌体の
表層(壁)が、前記複合セラミックスの陽イオンによっ
て破壊されると同時に、菌体蛋白質が変成して、呼吸困
難となり死滅するのである。
【0025】更に、硫化水素およびアンモニア等に対す
る脱臭作用は、物理的吸着または化学的吸着等の一般的
作用ではなく、分解作用のため飽和状態にならないの
で、抗菌力と同様に、脱臭力を半恒久的に有すると共
に、毒性をも有していないのである。
【0026】本発明加工方法を、図1の加圧処理装置に
基づいて説明する。先ず前記遠赤外線放射特性を有する
と共に、抗菌性および脱臭性を有する5μm以下の粒径
の複合セラミックスを水および分散剤と共に攪拌槽1に
投入して、これらを充分に混合攪拌する。そして、前記
攪拌槽1で混合攪拌して得られたバルブ(スラリー)状
態のセラミックス溶液を送液パイプ2を介して加圧加工
機3の貯液槽4に注入する。前記送液パイプ2と貯液槽
4間にはストレーナー5が設けられてごみ等を除去す
る。
【0027】次に、前記加圧加工機3の貯液槽4の下面
に配設された注液槽6内に加工する木材を装入して、蓋
体7を密閉する。そして、貯液槽4内のセラミックス溶
液を注入パイプ8を介して注液槽6内に注入しながら、
前記加圧加工機3の貯液槽4および注液槽6内の圧力
を、加圧機9により、好ましくは6.5〜2.5kg/
cm2 、特に好ましくは2.5〜5.0kg/cm2
設定する。前記加圧加工機3の貯液槽4および注液槽6
の圧力が前記好ましい圧力になると、前記注液槽6内に
装入された木材の表層部の壁孔細胞の形状が崩れ、この
状態になった時に、分散剤の添加混入によって活性化さ
れたセラミックス溶液が、前記形状の崩れた壁孔細胞内
に圧入浸透する。前記表層部の壁孔細胞が崩れる現象が
生ずるのは大体外層から0.3〜0.5mm位までの範
囲である。
【0028】その後、注液槽6から排液ポンプ10によ
り排出パイプ11を介してセラミックス溶液を貯液槽4
内に戻してバルブ12を閉止し、注液槽6内を大気圧に
戻すことにより、木材の加圧処理は完了する。そして、
蓋体7を開放して処理済み木材を取出す。
【0029】次に、前記加圧加工機3から取出された木
材は、セラミックス溶液に浸漬されて水分を多く含んだ
状態であるため、前記木材は乾燥機内に装入して乾燥せ
しめる。
【0030】前記加圧加工機3の注液槽6内に装入され
て壁孔細胞の形状が崩れ、セラミックス溶液を加圧浸透
された後の壁孔細胞がこの乾燥工程において、細胞の再
現性により完全に元の状態に復元して木材の表層部の壁
孔細胞内に前記複合セラミックスが封止された状態とな
り、本発明遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性、
脱臭性および防カビ性、防ダニ性を有する木材の加工が
完了する。
【0031】前記複合セラミックスは、好ましくは3〜
5重量%、特に好ましくは4重量%を水と分散剤とで混
合することが推奨され、また前記セラミックス溶液およ
び水に添加混入する分散剤は、特に限定する必要はない
が、好ましくはヘキサメタリン酸ソーダ、Teepol
またはイソオクタン非イオン界面活性剤のいずれかを使
用することが推奨され、そしてその添加量は0.10〜
0.18重量%程度が好ましく、0.15重量%前後と
するのが最も好ましい。
【0032】前記加工方法はセラミックス溶液を分散剤
を用いて木材に圧入浸透させる加工方法であるが、前記
セラミックス溶液に分散剤を添加混入することなく、水
とだけ混合して得られたセラミックス溶液を木材の表層
部の壁孔細胞内に圧入浸透させることも可能である。こ
の場合、木材の表層部の壁孔細胞内への該セラミックス
溶液の圧入浸透時間が分散剤を用いる場合に比して2倍
位かかる。
【0033】本発明加工方法により加工された木材は、
遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌力および脱臭力
を付与される。図2は本発明加工方法により加工された
木材と、汎用木材との遠赤外線放射率を示す分布図であ
り、本発明加工方法による木材の方が、遠赤外線放射率
が高いことが判る。
【0034】更に、表7は本発明加工方法によって加工
された樹種を異にする各木材の抗菌率を測定した結果を
示す表であり、また表8は本発明加工方法によって加工
された樹種を異にする各木材の脱臭率を測定した結果を
示す表である。
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】前記表7〜表8の結果から米松、ラワン、
スプルスが硫化水素に対する脱臭率においてやや難点が
あるものの、その他は抗菌率および脱臭率はかなり高い
ことが判った。
【0038】更にまた、表9は本発明加工方法によって
加工された樹種を異にする各木材と、加工前の各木材の
硬度をJIS Z 2117により測定した結果を示す
表である。
【0039】
【表9】
【0040】前記表9の測定結果より、針葉樹、広葉樹
いずれも加工後の方が硬度が上昇して木材が硬くなって
いることが判った。加工木材の方が硬度が硬いというこ
とは、水の浸透率が悪く耐水性において優れていると共
に、強度性においても優れていることになる。
【0041】
【実施例1】前記複合セラミックスAに対して分散剤と
してヘキサメタリン酸ソーダを用いた場合と、分散剤を
全く使用しない場合とに分け、更に加圧度および加工時
間をそれぞれ異にすると共に、セラミックス溶液の濃度
を同一にして加工して得られた杉材におけるセラミック
スの浸透深度および特性について測定した結果を表10
に示す。
【0042】
【表10】
【0043】
【実施例2】前記複合セラミックスBに対して、分散剤
としてTeepolを用いた場合と、分散剤を全く使用
しない場合とに分け、更に加圧度および加工時間をそれ
ぞれ異にすると共に、セラミックス溶液の濃度を同一に
して加工して得られた杉材の浸透深度および特性につい
て測定した結果を表11に示す。
【0044】
【表11】
【0045】
【実施例3】前記複合セラミックスCに対して、分散剤
としてイソオクタン非イオン界面活性剤を用いた場合
と、分散剤を全く使用しない場合とに分け、更に加圧度
および加工時間をそれぞれ異にすると共に、セラミック
ス溶液の濃度を同一にして加工して得られた杉材の浸透
深度および特性について測定した結果を表12に示す。
【0046】
【表12】
【0047】前記表7〜表12における測定結果より、
本発明加工方法により得られた木材は、遠赤外線放射特
性を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防カビ性、防
ダニ性を有する複合セラミックスがその表層部の壁孔細
胞内に封止されており、前記複合セラミックスによって
木材に遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性および防カビ
性、防ダニ性を付与していることが判った。
【0048】すなわち、大腸菌、ブドウ状球菌等の一般
生菌の表層(壁)は陰イオンであって、そのため中性域
(pH7.0〜7.5)でしか生息が不可能であるが、
前記単一成分のセラミックスまたは複合セラミックスは
遠赤外線放射によって陽イオンを発生するので、陰イオ
ンである菌体(壁)が、前記セラミックスの陽イオンに
よって破壊されると同時に、菌体蛋白質が変性して呼吸
困難となり死滅するのである。
【0049】また、ノミやダニ等の衛生害虫も、前記一
般生菌と同様前記セラミックスの陽イオンによって、そ
の発生が阻止される。更に、陽イオンによってカビの増
殖を阻止し、防カビの機能を果たす。
【0050】また更に、硫化水素およびアンモニア等に
対する脱臭作用は、物理的吸着または化学的吸着等の一
般的作用ではなく、遠赤外線放射に基づく分解作用のた
め飽和状態にならないので、抗菌力と同様に脱臭力を半
恒久的に有すると共に、毒性をも有していない。
【0051】また更に、従来一般的に塗装加工すること
によって木材の腐敗防止および防虫作用をなしている
が、本発明加工方法によって得られた木材は硬度が硬い
ため前記従来のような塗装作業が不要であり、特に雨水
に対しては疎水性を有し、耐水性に優れていると同時
に、耐燃性にも優れていると共に、腐敗防止および防虫
の作用を果たすことができる。
【0052】
【発明の効果】本発明は上述のようであるから、本発明
加工方法によって加工された木材は、遠赤外線放射特性
を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防カビ性、防ダ
ニ性を有するマグネシアと蛇紋石を混合した複合セラミ
ックス、またはマグネシア、酸化亜鉛、硅石およびチタ
ンを混合した複合セラミックス、あるいはマグネシア、
硅石および酸化カルシウムを混合した複合セラミックス
のうちのいずれかが、木材の表層部の壁孔細胞内に封止
されているため、木材に遠赤外線放射特性、抗菌性、脱
臭性および防カビ性、防ダニ性が付与される。そして、
本発明加工方法により、遠赤外線放射特性、抗菌性、脱
臭性および防カビ性、防ダニ性が付与された木材を家屋
建築等に使用した場合、家屋内において、大腸菌、ブド
ウ状球菌等の一般生菌の発生が阻止され、且つノミやダ
ニ等の衛生害虫も、その発生が阻止され、更に硫化水素
およびアンモニア等に対する脱臭力を有し、然も耐水性
および耐燃性において優れ、塗装することなく腐敗防止
および防虫の機能を有している。本発明加工方法により
得られた木材の遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性およ
び防カビ性、防ダニ性は、半恒久的に保持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明木材の加工方法に使用する加圧処理装置
の概略説明図である。
【図2】本発明木材の加工方法による木材と汎用木材と
の遠赤外線放射率を示す分布図である。
【符号の説明】
1 攪拌槽、 2 送液パイプ、 3 加圧加工機 4
貯液槽、 5 ストレーナー、 6 注液槽、 7
蓋体、 8 注入パイプ、 9加圧機、 10 排液ポ
ンプ、 11 排出パイプ、 12 バルブ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径5μm以下のマグネシアと蛇紋石を混
    合した複合セラミックス、またはマグネシア、酸化亜
    鉛、硅石およびチタンを混合した複合セラミックス、あ
    るいはマグネシア、硅石および酸化カルシウムを混合し
    た複合セラミックスのうちのいずれかと水および分散
    剤、または水と混合攪拌して得られたセラミックス溶液
    を、木材を装入した加圧加工機内に導入し、該加圧加工
    機内を加圧して、前記複合セラミックスを木材の表層部
    の壁孔細胞内に封止させたことを特徴とする遠赤外線放
    射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防カビ
    性、防ダニ性を有する木材。
  2. 【請求項2】粒径5μm以下のマグネシア40〜60重
    量%と蛇紋石40〜60重量%を混合した複合セラミッ
    クス、またはマグネシア20〜40重量%、酸化亜鉛2
    0〜40重量%、硅石20〜40重量%およびチタン2
    0〜40重量%を混合した複合セラミックス、あるいは
    マグネシア20〜30重量%、硅石20〜30重量%お
    よび酸化カルシウム40〜60重量%を混合した複合セ
    ラミックスのうちのいずれかと、水および分散剤とを混
    合攪拌して得られたセラミックス溶液を、木材を装入し
    た加圧加工機に導入し、且つ該加圧加工機内の圧力を
    2.5〜5.0kg/cm2 にして、前記木材の表層部
    の壁孔細胞を崩し、前記セラミックス溶液を前記崩され
    た壁孔細胞内に圧入浸透させ、然る後前記加圧加工機を
    大気圧に戻して前記木材を取出し、乾燥機により乾燥し
    て、前記壁孔細胞の崩れを復元せしめて木材の表層部の
    壁孔細胞内に前記複合セラミックスを封止させることを
    特徴とする遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性、
    脱臭性および防カビ性、防ダニ性を有する木材の加工方
    法。
  3. 【請求項3】粒径5μm以下のマグネシア40〜60重
    量%と蛇紋石40〜60重量%を混合した複合セラミッ
    クス、またはマグネシア20〜40重量%、酸化亜鉛2
    0〜40重量%、硅石20〜40重量%およびチタン2
    0〜40重量%を混合した複合セラミックス、あるいは
    マグネシア20〜30重量%、硅石20〜30重量%お
    よび酸化カルシウム40〜60重量%を混合した複合セ
    ラミックスのうちのいずれかと、水とを混合攪拌して得
    られたセラミックス溶液を、木材を装入した加圧加工機
    に導入し、且つ該加圧加工機内の圧力を2.5〜5.0
    kg/cm2 にして、前記木材の表層部の壁孔細胞を崩
    し、前記セラミックス溶液を前記崩された壁孔細胞内に
    圧入浸透させ、然る後前記加圧加工機を大気圧に戻して
    前記木材を取出し、乾燥機により乾燥して、前記壁孔細
    胞の崩れを復元せしめて木材の表層部の壁孔細胞内に前
    記複合セラミックスを封止させることを特徴とする遠赤
    外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性および防
    カビ性、防ダニ性を有する木材の加工方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102152356A (zh) * 2011-03-23 2011-08-17 中国林业科学研究院木材工业研究所 用硅溶胶制备强化木材的方法
KR101523243B1 (ko) * 2013-11-20 2015-05-28 서승완 원적외선 방사체 제조방법
WO2017138671A1 (ko) * 2016-02-12 2017-08-17 서승완 원적외선 방사체 제조방법
KR20180020413A (ko) * 2016-08-18 2018-02-28 서승완 원적외선 방사체 제조장치

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KR20180020413A (ko) * 2016-08-18 2018-02-28 서승완 원적외선 방사체 제조장치

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