JPH10248557A - 細胞培養法 - Google Patents

細胞培養法

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JPH10248557A
JPH10248557A JP9054388A JP5438897A JPH10248557A JP H10248557 A JPH10248557 A JP H10248557A JP 9054388 A JP9054388 A JP 9054388A JP 5438897 A JP5438897 A JP 5438897A JP H10248557 A JPH10248557 A JP H10248557A
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JP
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cells
gel
bead
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alginate
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JP9054388A
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Naoki Matsuda
尚樹 松田
Naoko Morita
直子 森田
Tetsushi Takeshita
哲史 竹下
Kanehisa Yokoyama
兼久 横山
Masami Watanabe
正己 渡邉
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Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
Original Assignee
Kagaku Gijutsu Shinko Jigyodan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】培養細胞の輸送や培養細胞を用いた薬効・安全
性評価キット開発に有用な細胞培養法を提供することを
目的とする。 【解決手段】アルギン酸ビーズ状ゲル中に培養細胞を包
埋し、しかる後該アルギン酸ビーズ状ゲルを溶解し再培
養を行なうことを特徴とする細胞培養法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、培養細胞の輸送や
培養細胞を用いた薬効・安全性評価キット開発に有用な
細胞培養法に関する。
【0002】
【従来技術】培養細胞を用いた実験には、複雑な生命現
象を個体から切り離したレベルで単純化して科学的に解
析できること、ヒト細胞を用いることによりヒトにおけ
る生命現象を直接解析できること、比較的短時間で種々
の細胞機能を観察できることなど、動物実験では成しえ
ない多くの利点がある。そのため細胞培養技術は、薬剤
開発、遺伝子治療法開発、さらには安全性試験の動物実
験代替として幅広く用いられている。しかしながら、あ
る特定の培養細胞および機能評価法を用いた試験法とし
て、産業的に標準化されているものは未だ限られてい
る。その理由としては、同一の培養細胞を安定して輸
送、供給することが困難であること、また培養細胞とそ
の細胞機能評価法に必要な材料を組みあわせキット化し
て供給する方法が開発されていないことが挙げられる。
【0003】たとえば、これまで培養細胞の輸送法とし
ては、液体窒素中にアンプルに凍結保存した細胞を低温
輸送する方法、もしくは培養フラスコに培養液を充満さ
せて常温で輸送する方法が用いられてきた。しかし、前
者の方法は輸送コストが高い上、凍結しても生存率や活
性が低下しない細胞に限られるため、肝細胞など特徴的
な機能を保持した初代培養細胞の輸送には適さない。後
者の方法では、フラスコのサイズに依存して運べる細胞
数に限度があるため輸送効率が悪く、また破損の危険性
もあるため取り扱いに注意を要する。またそのようにし
て輸送された細胞を実験に用いるには、凍結細胞の場合
にはまず通常の培養条件である37℃で回復培養を行な
い、その後、必要とする実験に応じた条件で再度培養す
る必要がある。常温輸送の場合にも、実験に必要な細胞
数を得るために継代培養を行ない、その後実験に供する
のが常である。そのため受領後ただちに同一条件の細胞
を機能評価実験に用いることのできる細胞キットの開発
は困難であった。
【0004】大量の細胞を小さなスケールで効率的に培
養し、そのままの形態で機能を保ちながら輸送すること
ができれば、同一の培養細胞を安定して輸送、供給する
こと、またそのまま細胞機能評価に充分な細胞のキット
化が可能である。このような手段に既知の技術を応用す
るとするならば、細胞を付着させるマイクロビーズを用
いて有効付着面積を増加させる方法や、ゲル中に3次元
的に密集して培養するという方法が考えられる。しかし
ながらビーズを用いる場合、ビーズ上に細胞を付着させ
るには特殊な装置を用いて長時間の培養が必要である
が、細胞が付着しやすいようなビーズ表面の加工が容易
でないこと、また細胞の輸送中にビーズ同士が接触して
損傷しやすいという欠点がある。ゲルを用いる場合、生
体親和性が高いゲルであるコラーゲンゲルは高価であ
り、また細胞種によりコラーゲンの種類を変える必要が
あり、かつ輸送中の振動によりゲルが破損する可能性も
ある。温度感受性ゲルの細胞培養への応用も考えられる
が、温度変化によるゲル物性の変化を最低限にくいとど
めなくてはならない。以上のような理由のため、いずれ
の方法とも現実的ではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
かかる事情に鑑み、細胞の機能をよく保持したまま大量
の細胞を特別な機器等を必要とせず容易にかつ安価に培
養する手法について種々検討した結果、意外にも藻類に
多く含まれる多糖であるアルギン酸により形成されるビ
ーズ状ゲルが、細胞培養担体として有用であることを見
出し、本発明を完成したもので、本発明は細胞の機能を
保持したままで特別な機器等を必要とせず容易にかつ安
価に大量の細胞を培養し、且つ、培養細胞の輸送や培養
細胞を用いた薬効・安全性評価キット開発に有用な細胞
培養法する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願請求項1の発明の要
旨は、アルギン酸ビーズ状ゲル中に培養細胞を包埋する
ことを特徴とする細胞培養法であり、更に、培養細胞を
包埋したアルギン酸ビーズ状ゲルを溶解することを特徴
とする細胞培養法である。また、培養細胞を包埋したア
ルギン酸ビーズ状ゲルを溶解するに当り、カルシウムイ
オンの除去またはアルギン酸分解のうち少なくとも1つ
手段によって行う。カルシウムイオンの除去手段として
はカルシウムのキレート剤を、あるいはアルギン酸分解
にはアルギン酸分解酵素を使用することが好ましく、キ
レート剤としてはEDTA、EGTAのうち少なくとも
1つを用い、また、アルギン酸分解酵素としてはポリ
(β−D−マンヌロネート)リアーゼを使用することに
よって行なう。アルギン酸ビーズ状ゲルを溶解して回収
した培養細胞は、必要に応じ更に再培養しても良い。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明について詳細に述べる。本
発明においてアルギン酸水溶液はカルシウム溶液に滴下
すると、アルギン酸を構成するグルロン酸のエッグボッ
クス構造にカルシウムイオンが取り込まれることにより
ブロック共重合し、アルギン酸はゲル化して溶液中でビ
ーズを形成する。ここで細胞浮遊液とアルギン酸をあら
かじめ均等に混和した後、カルシウム溶液に滴下する
と、細胞を内部に含んだアルギン酸ビーズ状ゲルを作成
することができる。このようなアルギン酸ビーズ状ゲル
の内部に細胞が取り込まれた状態を包理という。このア
ルギン酸ビーズ状ゲルを少量の培養液中、37℃で培養
すると、足場非依存性コロニー形成能を有する形質転換
細胞の場合にはビーズ状ゲル内で増殖し、また正常細胞
の場合にもその機能が安定に保たれる。培養フラスコの
まま細胞を輸送した場合、輸送中の期間(24〜48時
間)は細胞が室温に晒される。ビーズ状ゲル内で48時
間室温で放置された細胞の生存率は、培養フラスコで同
様の条件で放置された細胞の生存率よりも高い。さらに
肝細胞などの機能性細胞では、生体内環境に近い凝集体
として三次元培養することにより、生体外でも長期にわ
たり機能発現を続けることが知られているが、本発明に
よる培養法を用いれば、ビーズ状ゲル内で三次元的に培
養された機能細胞をそのまま輸送し、目的の研究室に到
着して温度回復後ただちに実験に使用することが可能で
ある。一方、二次元的に増殖する付着性細胞の場合に
は、アルギン酸ビーズ状ゲルをカルシウムイオンのキレ
ート剤またはアルギン酸分解酵素によって分解すること
により容易に細胞を回収し、継代培養に供することがで
きる。本発明の実施の形態を模式図として図1に示す。
【0008】アルギン酸は動物細胞には存在しないもの
であり、細胞の生存率や種々の機能にはまったく影響を
及ぼさない。したがっていかなる細胞種に対しても使用
可能である。またアルギン酸は藻類の構成成分として大
量に存在するものであり、工業的にも安価に生産され
る。用いられるアルギン酸溶液濃度は随時決定できるが
最終濃度0.5〜0.75w/v%の範囲であればその
操作性、ビーズ形成性が良好である。溶媒としてはカル
シウムイオンを大量に含んでいないものであれば何れで
も使用できるが、細胞によっては、培養実験一般に用い
られるカルシウム不含リン酸緩衝塩類溶液(PBS
(−))、あるいはイーグルMEMなどの合成培地を使
用することが好ましい。カルシウムイオンは塩化カルシ
ウ溶液などとして準備すれば良く、その濃度は0.5%
〜1.0w/v%の範囲を用いることが好ましい。これ
よりも高い濃度では細胞の存在率が、低い濃度ではビー
ズ形成性が影響を受ける可能性がある。溶媒としては一
般の細胞であれば蒸留水で差し支えないが、培養環境の
変化に敏感な初代培養系細胞の場合には生理食塩水など
等張液を用いることもできる。
【0009】形成するビーズ状ゲルのサイズは、細胞と
アルギン酸混合液を滴下する際に用いる器具先端の形状
により決定される。すなわち小径のビーズ状ゲルを形成
するには、細胞とアルギン酸混液をシリンジに吸引し、
25G〜19G程度の注射針を介して滴下する、あるい
はマイクロピペットを用いて滴下するなどの方法がとら
れる。大径のビーズ状ゲルであれば、シリンジ先端から
直接滴下、もしくはピペットを用いて滴下すれば良い。
ビーズ状ゲル中で培養できる最大細胞数はこのビーズサ
イズに比例する。例えば、先端内径約1mmの1mlシ
リンジから0.5w/v%塩化カルシウム溶液に滴下さ
れた0.5%アルギン酸−細胞混液は直径約2mmのビ
ーズ状ゲルを形成するが、HeLa細胞の場合、いかな
る機能評価実験に対しても十分量と考えられる500万
個までの細胞をこのサイズのビーズ状ゲル中に培養する
ことができる。
【0010】細胞を含むビーズ状ゲルは瞬時に形成され
るが、約30分間程度は37℃で静置することが後々の
細胞生存性にとって好ましい。その後、カルシウム溶液
を吸引等により除去し、通常の培養に用いる培養液と同
一の培養液で洗浄する。この細胞はそのまま直ちに常温
で輸送することも可能であるが、一昼夜37℃で培養し
た後に輸送すれば、細胞の生存率をより高く維持するこ
とができる。なお細胞の生存性のためにはビーズ状ゲル
の表面を常に湿った状態に保っておく必要があるため、
ビーズ状ゲルは滅菌チューブ中で培養液に浸した状態で
輸送する。ビーズ形成直後、あるいは輸送後のビーズ状
ゲル内培養を継続する際には、通常の炭酸ガスインキュ
ベーターなどの湿式インキュベーター内であれば、ビー
ズ状ゲルを培養液に浸すことなく細胞を培養することが
できる。
【0011】本法により培養された細胞は、カルシウム
イオンのキレート剤あるいはアルギン酸分解酵素を用い
てアルギン酸ビーズ状ゲルを分解することにより回収す
ることができる。例えばキレート剤としてはエチレンジ
アミン4酢酸(EDTA)、やエチレングリコールビス
(βアミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−4
酢酸(EGTA)など容易に入手できる試薬が使用可能
であり、これらの水溶液にアルギン酸ビーズ状ゲルを浸
して37℃で10〜20分培養後、軽くピペッティング
することによりアルギン酸ビーズ状ゲルは溶解し、内部
の細胞を遠心操作により回収することができる。キレー
ト剤の濃度は2mM〜10mMが適当である。ピペッテ
ィング操作による損傷が顕著な細胞の場合には、温度を
4℃に保ちキレート剤で最長12時間まで処理すること
もできる。またアルギン酸分解酵素としては海洋細菌、
海産軟体動物より分離精製されるポリ(β−D−マンヌ
ロネート)リアーゼ〔EC4.2.2.3.〕が有用で
ある。回収した細胞は必要に応じて再培養することが出
来る。
【0012】かくして培養したアルギン酸ビーズ状ゲル
内の細胞は、そのままの形状で機能を保ちながら大量に
しかも常温で輸送することができる。例えば100万個
の細胞を常温で輸送するには、従来の技術では低面積2
5mm2(容量約60ml)の培養フラスコが10個程
度必要であったが、本培養法を用いれば1個のビーズ状
ゲルで500万個までの細胞を培養でき、その輸送には
容量0.5mlの小形エッペンドルチューブ1本が必要
なだけである。また要する培養液は従来法では総量60
0mlであるが、本培養法では0.5mlに過ぎない。
このように本培養法を用いれば、輸送コスト、培養液費
用とも大幅に削減できるのみならず、同一の細胞を大量
にかつ多くの場所に安定して供給することが可能とな
る。さらに細胞機能評価に必要な試薬類、器具類と必要
量の細胞を含むビーズ状ゲルを複数個組みあわせること
により、解凍や継代を必要とせず、培養場所のいかんを
問わず同一条件で細胞機能評価のできる産業上有用なキ
ットとして供給可能となる。
【0013】
【実施例及び比較例】次に実施例および実験を挙げて本
発明をさらに詳細に説明する。 実施例1 細胞を含むビーズ状ゲルの形成 成分 量 Hela細胞(2×106個/ml) 500μl (培養液;イーグルMEM培地+5%牛胎児血清) 1%アルギン酸/生理食塩水溶液(滅菌) 500μl 上記細胞とアルギン酸/生理食塩水溶液をエッペンドル
フ型チューブ内で無菌的に穏やかに混和し、細胞/アル
ギン酸混和液を得た。この混和液を用量1mlのディス
ポーザブルシリンジ内に吸入し、シリンジ先端から15
ml遠沈管中の0.5%塩化カルシウム溶液10mlに
滴下し、細胞を含むアルギン酸ビーズ状ゲルを形成させ
た。37℃で30分培養後、上清を吸引して取り除き、
培養液を2度交換してビーズ状ゲルを洗浄した後、再度
培養液を加えて一昼夜培養し、ビーズ状ゲルを15ml
遠沈管中、あるいはエッペンドルフ型チューブ中に移し
た後、常温で輸送した。
【0014】実施例2 ビーズ状ゲルからの細胞の回収 実施例1の方法で形成した15ml遠沈管中のアルギン
酸ビーズ状ゲルを一昼夜培養後、培養液を2mM EG
TA溶液1mlに交換し、37℃で15分培養した。E
GTA処理後のビーズ状ゲルを1mlのマイクロピペッ
ターを用いて穏やかにピペッティングした後、培養液1
0mlを加え1200rpmで5分遠心して細胞を集
め、培養液で再度細胞浮遊液とした後、培養用シャーレ
に細胞を植え、二次元培養を行なった。
【0015】本発明の効果を次の実験によって確認し
た。 実験1 24時間室温で放置後の生細胞数 細胞の常温輸送を仮定して、アルギン酸ビーズ状ゲル内
で24時間室温放置された細胞の生存率を調べた。He
La細胞、正常ヒト皮膚線維芽細胞、正常ヒト動脈血管
内皮細胞とアルギン酸の混和液を実施例1の方法で準備
し、その100μlをマイクロピペットで正確にとり、
15ml遠沈管中の0.5%塩化カルシウム溶液10m
lに滴下し、105個の細胞を含むアルギン酸ビーズ状
ゲルを形成させた。このビーズ状ゲルを一昼夜培養後、
さらに室温で24時間放置した。次に実施例2の方法で
EGTA処理により回収した細胞を培養液1mlで懸濁
させ、トリパンブルー染色により生細胞と死細胞を分別
して血球計算盤で細胞数を計測した。対照実験として、
105個の細胞を底面積25mm2の培養フラスコに播種
し、一昼夜培養後、さらに室温で24時間放置した後、
トリプシン・EDTAで細胞を回収し同様に細胞数を計
測した。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1のごとく、細胞の常温輸送を仮定して
アルギン酸ビーズ状ゲルで24時間室温放置された細胞
は、培養フラスコ内で放置された細胞と同等もしくはそ
れ以上の生存率を示す。
【0018】実験2 WST−1法によるアルギン酸ビ
ーズ状ゲル内培養細胞の機能測定 ビーズ状ゲル内培養方法により供給された細胞をキット
としてそのまま機能評価に用いることを仮定して、ビー
ズ状ゲル内細胞の増殖活性がWST−1法により直接測
定可能であるか否かを調べた。種々の細胞数のHeLa
細胞、正常ヒト皮膚線維芽細胞、正常ヒト動脈血管内皮
細胞を用いて、実施例1の方法で形成した15ml遠沈
管中のアルギン酸ビーズ状ゲルを一昼夜培養後、96穴
マルチプレートに1穴あたり1個ずつ播種し、100m
lの培養液を加え、さらに37℃で30分培養した。次
に50mMのWST−1(C1911IN582Na)
と2mMの1−MethoxyPMS(C151625
S)の200mM HEPESバッファー(pH7.
4)混液10μlを各穴に加え、2時間培養後、450
nmの吸光度を測定した。結果を図2に示す。図2のご
とく、ビーズ状ゲル内培養方法により供給された細胞を
キットとしてそのまま機能評価に用いることを仮定し
て、ビーズ状ゲルのまま計測されたWST−1値は、ビ
ーズ状ゲル内の細胞数に依存して増加した。
【0019】実験3 ビーズ状ゲルより回収された細胞
のコロニー形成能 アルギン酸ビーズ状ゲル内から回収された細胞の増殖活
性を、コロニー形成法を用いてさらに詳細に調べた。1
5個のHeLa細胞あるいは正常ヒト皮膚線維芽細胞
を含むアルギン酸ビーズ状ゲルを実施例1の方法で形成
させた。このビーズ状ゲルを一昼夜37℃で培養後、実
施例2の方法でEGTA処理により細胞を回収し、血球
計算盤を用いて生細胞数(トリパンブルー染色による)
を計測した。次に培養液で各細胞を希釈し、6cmシャ
ーレあたりHeLa細胞は100個、線維芽細胞は20
0個を播種した。HeLa細胞の場合は7日間、正常ヒ
ト皮膚線維芽細胞の場合には2週間37℃で培養後、形
成したコロニーをギムザ染色し、その数を計測した。対
照実験として、105個の細胞を底面積25mm2の培養
フラスコに播種し、一昼夜培養後、トリプシン・EDT
Aで細胞を回収し同様にコロニー形成能を調べた。結果
を表2に示す。
【0020】
【表2】
【0021】表2のごとく、アルギン酸ビーズ状ゲルよ
り回収された細胞は、培養フラスコより回収された細胞
に等しいコロニー形成率を示した。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、培養細胞を大量に、安
価に、かつ多くの場所に安定して供給することができ
る。また解凍や継代を必要とせず、培養場所を問わず同
一条件で細胞機能評価のできる培養細胞キットが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の模式図を示す。
【図2】実験2の測定結果を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルギン酸ビーズ状ゲル中に培養細胞を
    包埋することを特徴とする細胞培養法。
  2. 【請求項2】 アルギン酸ビーズ状ゲル中に培養細胞を
    包埋し、しかる後該アルギン酸ビーズ状ゲルを溶解する
    ことを特徴とする細胞培養法。
  3. 【請求項3】 アルギン酸ビーズ状ゲルの溶解をカルシ
    ウムイオンの除去、またはアルギン酸分解のうち少なく
    とも1つの手段により行なうことを特徴とする請求項2
    記載の細胞培養法。
  4. 【請求項4】 カルシウムイオンの除去をカルシウムイ
    オンのキレート剤により行なうことを特徴とする請求項
    3記載の細胞培養法。
  5. 【請求項5】 カルシウムイオンのキレート剤としてE
    DTA、EGTAのうち少なくとも1つを用いることを
    特徴とする請求項4記載の細胞培養法。
  6. 【請求項6】 アルギン酸分解をアルギン酸分解酵素で
    あるポリ(β−D−マンヌロネート)リアーゼにより行
    なうことを特徴とする請求項3記載の細胞培養法。
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