JPH10242912A - 光無線通信用光射出装置、光無線通信用光射出方式、光束制御用光学部材、及び光束規制用光学部材、及び光無線通信装置 - Google Patents

光無線通信用光射出装置、光無線通信用光射出方式、光束制御用光学部材、及び光束規制用光学部材、及び光無線通信装置

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JPH10242912A
JPH10242912A JP9062053A JP6205397A JPH10242912A JP H10242912 A JPH10242912 A JP H10242912A JP 9062053 A JP9062053 A JP 9062053A JP 6205397 A JP6205397 A JP 6205397A JP H10242912 A JPH10242912 A JP H10242912A
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optical
light emitting
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JP9062053A
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Masashi Kinoshita
正士 木下
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Eruteru Kk
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Eruteru Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 価格が低廉で、小型・軽量であり、位置決め
が容易で、外部環境の影響を受け難い光無線通信用光射
出装置や光無線通信用光射出方式を提供する。 【解決手段】 複数のLED15が並設されたLEDア
レイ部11と、各LED15からの射出光を光無線通信
に適した略平行光束となるようにレンズ作用により制御
する単位レンズ部33Aが並設されたレンズアレイ部1
2Aを備えた。また、射出光が受光素子5へ到達しない
ように光の吸収作用により規制する格子板材21Aが設
けられた光束規制部12AをLEDアレイ部11とレン
ズアレイ部12Aとの間に配設した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光無線通信用光射
出装置、光無線通信用光射出方式、光束制御用光学部
材、及び光束規制用光学部材、及び光無線通信装置に関
し、特に、発光素子を複数並設して構成された光源から
の光を伝送媒体とし、この光に情報を重畳し、空間を伝
送路として行われ、ビルディング間に構築されたLAN
等に好適な光無線通信に用いられる光無線通信用光射出
装置、光無線通信用光射出方式、光束制御用光学部材、
及び光束規制用光学部材、及び光無線通信装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パーソナル・コンピュータ(以
下、「パソコン」という。)を単体で使用する「スタン
ド・アローン方式」のほかに、「LAN(Local Area N
etwork)」と呼ばれる使用方式が普及しつつある。LA
Nとは、1つの室内や1つの建物内にあるパソコンと、
プリンタ等のパソコン周辺機器とを相互に接続して構築
したコンピュータ・ネットワークをいう。
【0003】このようなネットワークが形成されると、 (1) プリンタ等の周辺機器を複数のパソコンで供用でき
ること (2) サイズの大きなデータをディスク等を介さずにパソ
コン間で直接やりとりできること (3) 電子メールをパソコン間で相互にやりとりできるこ
と (4) 社内の各部門からデータを集め共通データベースを
作成しネットワーク内の全パソコンから検索利用できる
こと (5) 「電子掲示板」、「電子会議」等の「グループウェ
ア」をネットワーク内の全パソコンで利用できること 等のメリットを享受することができる。
【0004】このLANの構築方式としては、「ピアツ
ーピア方式」や「クライアント/サーバ方式」などがあ
る。ピアツーピア方式では、パソコンどうしが互いに対
等な関係となるように接続されるため、安価で簡易に小
規模ネットワークを構築できるという利点がある。しか
し、他のパソコンが自己のパソコンのハードディスク等
を使用しているときには処理速度が遅くなる、という問
題があった。また、クライアント/サーバ方式では、L
ANを管理するためのパソコン(以下、「サーバ」とい
う。)を設け、このサーバに複数のパソコン(以下、
「クライアント」という。)が接続され、各パソコン間
のデータのやりとりはサーバを介して行われるため、ピ
アツーピア方式のように自己のパソコンの処理速度が遅
くなることがない、という利点がある。
【0005】上記したLANを構築するためには、パソ
コンとパソコンとを接続する必要がある。この接続方式
としては、「有線方式」と「無線方式」とがある。有線
方式のLAN(以下、「有線通信LAN」という。)と
は、パソコンどうしを撚り対線や光ファイバ等からなる
ケーブル、あるいはイーサネット(Ethernet)のLAN
ボード等によって接続する方式のものである。また、無
線方式のLAN(以下、「無線通信LAN」という。)
とは、パソコンどうしを無線で接続する方式のものであ
る。無線通信LANにおいても、イーサネットのLAN
ボードを用いることは可能である。
【0006】有線通信LANは、LANの初期から利用
されている伝統的な方式である。しかし、有線通信LA
Nにおいては、ネットワークを拡張していくにつれてケ
ーブルの量が増えていくため、ケーブル量が膨大なもの
となり、ケーブルを配線するスペースがもはや確保でき
ない、という状態に至ることもまれではない。また、拡
張によりケーブル配線が複雑になりすぎた結果、あるケ
ーブルが現在使用されているのか否かの確認が非常に困
難となる、といった問題も起こってきている。そして、
ケーブルどうしが複雑に絡み合ってしまったため、ある
ケーブルが不要となっても、撤去がほぼ不可能となるケ
ースもある。さらに、企業等においては、組織の改変等
に伴い、オフィスのレイアウト変更を頻繁に行うことも
多いが、これに伴うLANケーブル配線工事の費用は、
近年無視できない金額となってきている。
【0007】上記のような事情から、最近では、無線通
信LANの需要が高まってきている。無線通信LANに
は、大きく分けて「電波通信方式」と「光通信方式」と
がある。電波通信方式では、例えば2.45GHzや1
9GHz帯のマイクロ波を利用し、部屋等の天井に共有
アンテナ(図示せず)を設け、机上等の各パソコン(図
示せず)に送受信機(図示せず)と個別アンテナ(図示
せず)とを接続して相互に通信を行うものなどが知られ
ている。
【0008】しかし、このような電波通信方式の無線通
信LANの場合には、 i)使用する機器の製品価格が非常に高価であること ii)電波法上、送受信機は無線局の扱いを受けるため、
設置,変更等を行う場合には煩雑な各種の手続が必要と
なり、システム構築時や拡張時の障害となること iii)マイクロ波は、電波の中では波長が非常に短く直
進性が大きいものであるとはいえ、拡散性も有している
ため、多数のパソコン、例えば30台以上のパソコンで
LANを構築しこれらを同時に使用すると、電波が互い
に干渉等を起こし、ネットワークとしての安定な利用が
できなくなること iv)マイクロ波は、電子レンジ等に用いられるものと同
様のものであり、人体に向けて発射されると危険である
こと 等の問題があった。
【0009】このため、今後は、無線通信LANの中で
も、上記のような問題がない光通信方式の無線通信LA
N(以下、「光無線通信LAN」という。)が有力視さ
れている。この光無線通信LANにおいては、送受信機
として光無線通信モデム(図示せず)等が使用される。
この光無線通信モデムには、送信部(図示せず)と受信
部(図示せず)が設けられる。
【0010】送信部には、光源(図示せず)と射出用光
学系(図示せず)等が設けられる。光源としては、例え
ば発光ダイオード(Light Emitting Diode:以下、「L
ED」という。図示せず。)や半導体レーザ(以下、
「レーザ・ダイオード」という。図示せず。)などが用
いられる。これらのLEDやレーザ・ダイオードは、入
力された電気信号を光に変換して外部へ射出する半導体
素子である。これらの光源において利用される光は、例
えば赤外線領域(例えば、波長0.75〜1000μm
程度)の光や可視光領域(例えば、波長400〜700
nm程度)の光である。この光は伝送媒体に相当してい
る。射出用光学系としては、例えば単体レンズ(図示せ
ず)や組合わせレンズ(図示せず)等が用いられる。こ
の射出用光学系は、光源が発射した略拡散光を略ビーム
状の光束にする。
【0011】送信部の前段側には、通常、変調部(図示
せず)と増幅部(図示せず)と駆動部(図示せず)等が
接続されており、変調部は情報を重畳できるような状態
にするため等の目的で電気信号に変調をかけ、増幅部は
変調された電気信号を所定レベルまで増幅し、駆動部は
光源を駆動し電気信号を光に変換させる。そして、送信
部では、光源において電気信号が光に変換される際に光
に情報が重畳される。この情報を含んだ光は、射出用光
学系により略ビーム状の光束に変換され、相手の光無線
通信モデム(図示せず)に向け空間中に射出される。し
たがって、光無線通信モデム相互間の通信は、空間が伝
送路となる「空間光通信」である。
【0012】一方、受信部には、受光用光学系(図示せ
ず)と光検出手段(図示せず)等が設けられる。受光用
光学系としては、例えば単体レンズ(図示せず)や組合
わせレンズ(図示せず)等が用いられる。この受光用光
学系は、相手の光無線通信モデムの送信部から送られて
きた略ビーム状光束を焦点位置に集光する。光検出手段
としては、例えばPNフォトダイオード(図示せず),
PINフォトダイオード(図示せず),アバランシェ・
フォトダイオード(図示せず),あるいはフォトトラン
ジスタ(図示せず)などが用いられる。これらのフォト
ダイオードやフォトトランジスタは、受光面(図示せ
ず)等を有しており、受光面等に入射した光を電気信号
に変換して出力する半導体素子である。
【0013】受信部では、相手の光無線通信モデムの送
信部から送られてきた光を受光用光学系によって受け入
れ、受け入れた光を電気信号に変換して出力する。ま
た、受信部の出力側には、通常、増幅部(図示せず)と
復調部(図示せず)等が接続されており、増幅部は電気
信号を所定レベルまで増幅し、復調部は電気信号中から
情報を抽出する。
【0014】さらに最近、上記したような室内や建物内
でのLANにとどまらず、LANが構築されたビルディ
ングどうしを光無線で結んでさらに規模の大きな光無線
通信LAN(以下、「広域光無線通信LAN」とい
う。)を構築しようとする提案や開発がなされている。
このように、複数の建物のLANどうしを接続して町や
市などの広い地域内にあるコンピュータや周辺機器等を
接続して構築されたコンピュータ・ネットワークは、
「WAN(Wide Area Network )」と呼ばれることもあ
る。
【0015】したがって、上記の経緯を考慮すると、将
来的には、広域光無線通信LANがコンピュータ・ネッ
トワークの主流となり、人類社会の各種・各層のシステ
ムのすみずみにまで普及し、人類社会に飛躍的かつ革命
的な進歩をもたらすものと期待されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の広域光無線通信LANを構築する場合には、光
無線通信モデムどうしの間隔(光無線の伝送距離)は、
数十mから数百m、さらには数kmにも達すると考えら
れている。このような長距離空間光通信を実現するため
には、 a) 送信部から射出される光の強度を非常に高くする b) 送信部から射出される光束の指向性を絞り非常に細
い光ビームにする という対策が考えられる。
【0017】上記した a)の点が必要である理由は、光
は空気中を通過する間に減衰するため、送信部から射出
される光の強度を非常に高くしておかないと、相手の光
無線通信モデムの受信部へ到達した光の強度レベルが低
くなりすぎ、光検出手段において光を電気信号に変換で
きなくなるおそれがあるからである。また、 b)の点が
必要である理由は、光ビーム径を小さくしておかない
と、相手の光無線通信モデムの受信部へ光が到達したと
きにビームが拡大しすぎ、単位面積あたりの光強度が大
きく低下し、 a)の場合と同様に、光検出手段において
光を電気信号に変換できなくなるおそれがあるからであ
る。
【0018】しかし、送信部から射出される光の強度を
非常に高くし、かつ送信部から射出される光束を非常に
細い光ビームにすると、以下のような問題が生じてく
る。 まず、送信部から射出される光の強度を非常に高くす
るためには、非常に高出力の光源を使用すれば可能とな
るが、その場合には、光源の部品又は製品の調達コスト
が非常に高くなり、光無線通信モデムの価格が非常に高
価なものとなる、という問題がある。
【0019】また、高出力の光源は、一般に大型であ
るため、それを用いた光無線通信モデムが大型化すると
ともに重くなる。広域光無線通信LANでは、光無線通
信モデムをビルディングの外壁面等に取り付けることが
予想されるが、光無線通信モデムがあまり重いとビルデ
ィングでの設置箇所が制限されてしまう、という問題が
ある。
【0020】次に、対になる光無線通信モデムの各送
信部の光軸が、相手側の光無線通信モデムの受信部を正
確に通るように位置決めを行う必要があるが、光無線通
信モデムどうしの間隔(光無線の伝送距離)が数百mか
ら数kmにも達する場合には、その位置決め作業自体が
非常に困難な作業となる、という問題がある。
【0021】さらに、広域光無線通信LANでは、上
記したように光無線通信モデムをビルディングの外壁面
等に取り付けることが予想されるが、気温の変化等によ
る外壁材の伸縮等に伴って外壁が変形し、これに伴って
外壁面がいずれかの方向に傾斜する場合があり、その場
合にはわずかな傾斜であっても設置後の光無線通信モデ
ム相互間の光軸がずれ、相手の光無線通信モデムの受信
部へ光が到達しなくなってしまう、という問題もある。
このような光無線通信モデムどうしの設置後の光軸のズ
レという問題は、道路交通や鉄道運行又は建設工事若し
くは工場操業等に伴う振動によっても瞬間的に起こる可
能性がある。このような瞬間的な光軸ズレが発生すると
受信部への光は瞬断され、これに伴い送信中のデータに
エラーが生じるほか、通信そのものが成立しなくなる事
態も考えられる。
【0022】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、価
格が低廉で、小型・軽量であり、位置決めが容易で、外
部環境の影響を受け難い光無線通信用光射出装置や光無
線通信用光射出方式を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る光無線通信用光射出装置は、情報を含
有する電気信号を光に変換するとともに前記変換された
光内に前記情報を重畳させて射出する発光素子をn個
(n:自然数)有し、前記n個の発光素子から射出され
る射出光の射出方向がそろうように前記n個の発光素子
が並設されて構成された光射出手段と、前記n個の発光
素子の各々に対応して前記n個の発光素子の各々の前記
射出方向の光軸上に配置されるとともに前記n個の発光
素子の各々からの前記射出光を光無線通信に適した所定
の光学性能を有する光束となるように所定の光学作用に
より制御し空間伝送路に射出する光束制御素子が前記n
個並設された光束制御用光学部材を備えたことを特徴と
する。
【0024】上記した光無線通信用光射出装置におい
て、好ましくは、前記所定の光学性能を有する光束は、
略平行光束である。
【0025】また、上記した光無線通信用光射出装置に
おいて、好ましくは、前記所定の光学作用は、光の通過
及び屈折及び反射及び回折のうちのいずれか又はこれら
の適宜の組合わせを含む。
【0026】また、上記した光無線通信用光射出装置に
おいて、好ましくは、前記光無線通信用光射出装置は、
送信手段と受信手段を有する光無線通信装置であって2
個互いに対向配置されることにより双方向光無線通信を
行うように構成された光無線通信装置の送信手段に含ま
れ、かつ、前記n個の発光素子の各々に対応して前記n
個の発光素子の各々の前記射出方向の光軸上に配置され
るとともに前記n個の発光素子の各々からの前記射出光
が、前記受信手段へ到達しないように、特定の光学作用
により規制する光束規制素子が前記n個並設された光束
規制用光学部材が前記光射出手段と前記光束制御用光学
部材との間に配設される。
【0027】また、上記した光無線通信用光射出装置に
おいて、好ましくは、前記光束規制素子は、前記n個の
発光素子の各々から対応する前記光束規制素子の各々に
入射する前記射出光が他の射出光内に混入しないよう
に、前記特定の光学作用のうちのいずれか又は適宜の組
合わせを利用して規制する。
【0028】また、上記した光無線通信用光射出装置に
おいて、好ましくは、前記特定の光学作用は、光の通過
及び反射及び屈折及び吸収及び偏光及び回折のうちのい
ずれか又はこれらの適宜の組合わせを含む。
【0029】また、本発明に係る光無線通信用光射出方
式は、情報を含有する電気信号を光に変換するとともに
前記変換された光内に前記情報を重畳させて射出する発
光素子をn個(n:自然数)使用し、前記n個の発光素
子から射出される射出光の射出方向がそろうように前記
n個の発光素子を並設し、前記n個の発光素子の各々か
ら入射する前記射出光を光無線通信に適した所定の光学
性能を有する光束となるように所定の光学作用により制
御し射出する光束制御素子を前記n個使用し、前記n個
の発光素子の各々に対応させて前記n個の発光素子の各
々の前記射出方向の光軸上に前記光束制御素子を配置
し、前記光束制御素子の各々からの光を空間伝送路に射
出することを特徴とする。
【0030】上記した光無線通信用光射出方式におい
て、好ましくは、前記n個の発光素子は、送信手段と受
信手段を有する光無線通信装置であって2個互いに対向
配置されることにより双方向光無線通信を行うように構
成された光無線通信装置の送信手段に含まれ、かつ、前
記n個の発光素子の各々からの前記射出光が前記受信手
段へ到達しないように特定の光学作用により規制する光
束規制素子を前記n個使用し、前記n個の発光素子の各
々に対応させて前記n個の発光素子の各々の前記射出方
向の光軸上でかつ前記発光素子と前記光束制御素子との
間に前記光束規制素子を配置する。
【0031】また、本発明に係る光束制御用光学部材
は、情報を含有する電気信号を光に変換するとともに前
記変換された光内に前記情報を重畳させて射出する発光
素子をn個(n:自然数)有し、前記n個の発光素子か
ら射出される射出光の射出方向がそろうように前記n個
の発光素子が並設されて構成された光射出手段に装着さ
れる光束制御用光学部材であって、前記n個の発光素子
の各々に対応して前記n個の発光素子の各々の前記射出
方向の光軸上に配置されるとともに前記n個の発光素子
の各々からの前記射出光を光無線通信に適した所定の光
学性能を有する光束となるように所定の光学作用により
制御し空間伝送路に射出する光束制御素子が前記n個並
設されることを特徴とする。
【0032】また、本発明に係る光束規制用光学部材
は、情報を含有する電気信号を光に変換するとともに前
記変換された光内に前記情報を重畳させて射出する発光
素子をn個(n:自然数)有し、前記n個の発光素子か
ら射出される射出光の射出方向がそろうように前記n個
の発光素子が並設されて構成された光射出手段と、前記
n個の発光素子の各々に対応して前記n個の発光素子の
各々の前記射出方向の光軸上に配置されるとともに前記
n個の発光素子の各々からの前記射出光を光無線通信に
適した所定の光学性能を有する光束となるように所定の
光学作用により制御し空間伝送路に射出する光束制御素
子が前記n個並設された光束制御用光学部材を備えた光
無線通信用光射出装置に装着される光束規制用光学部材
であって、前記光射出手段は、送信手段と受信手段を有
する光無線通信装置であって2個互いに対向配置される
ことにより双方向光無線通信を行うように構成された光
無線通信装置の送信手段に含まれ、かつ、前記光束規制
用光学部材は、前記n個の発光素子の各々に対応して前
記n個の発光素子の各々の前記射出方向の光軸上に配置
されるとともに前記n個の発光素子の各々からの前記射
出光が、前記受信手段へ到達しないように、特定の光学
作用により規制する光束規制素子が前記n個並設され、
かつ前記光射出手段と前記光束制御用光学部材との間に
配設されることを特徴とする。
【0033】また、本発明に係る光無線通信装置は、情
報を含有する電気信号を光に変換するとともに前記変換
された光内に前記情報を重畳させて射出する発光素子を
n個(n:自然数)有し、前記n個の発光素子から射出
される射出光の射出方向がそろうように前記n個の発光
素子が並設されて構成された光射出手段と、前記n個の
発光素子の各々に対応して前記n個の発光素子の各々の
前記射出方向の光軸上に配置されるとともに前記n個の
発光素子の各々からの前記射出光を光無線通信に適した
所定の光学性能を有する光束となるように所定の光学作
用により制御し空間伝送路に射出する光束制御素子が前
記n個並設された光束制御用光学部材を有する送信手段
と、光束を受け入れるとともに前記受け入れた光束を電
気信号に変換するとともに前記変換された電気信号から
前記情報を抽出する受信手段を備えた光無線通信装置で
あって、この光無線通信装置を2個互いに対向配置さ
せ、一方の光無線通信装置の送信手段から送られた光束
を他方の光無線通信装置の受信手段で受けることにより
双方向の光無線通信を行うように構成されたことを特徴
とする。
【0034】上記した光無線通信装置において、好まし
くは、前記n個の発光素子の各々に対応して前記n個の
発光素子の各々の前記射出方向の光軸上に配置されると
ともに前記n個の発光素子の各々からの前記射出光が、
前記受信手段へ到達しないように、特定の光学作用によ
り規制する光束規制素子が前記n個並設された光束規制
用光学部材が前記光射出手段と前記光束制御用光学部材
との間に配設される。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図を参照しつつ詳細に説明する。
【0036】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態である光射出装置の全体
構成を示す分解斜視図である。また、図2は、図1に示
す光射出装置のさらに詳細な構成を示す光射出方向に沿
う方向から見た断面図である。
【0037】図1及び図2に示すように、この光射出装
置1Aは、LEDアレイ部11と、光束規制部12A
と、レンズアレイ部13Aを備えて構成されている。
【0038】上記したLEDアレイ部11は、LED装
着基板14と、LED装着基板14上に装着された複数
(本実施形態の場合は20個)のLED15と、配線1
6(図2参照)を有して構成されている。
【0039】上記したLED装着基板14は、紙フェノ
ールやガラス布エポキシ又はポリイミドフィルム等の電
気的不導体又は絶縁材料からなり、略平板状に形成され
ている。LED装着基板14のLED配置位置には、L
ED装着用貫通孔14a,14bが20組開設されてい
る。また、LED装着基板14の周縁部には、組立て用
ネジ22が螺合可能なネジ孔14cが適宜位置に適宜個
数開設されている。LED15の構成と作用については
後述する。配線16は、Cu(銅)箔等の電気的良導体
からなり、エッチング等によりLED装着基板14の裏
面等に形成されるプリント配線などを含み、LED15
を駆動部63(図5(B)参照。後述する。)などに電
気的に接続する。
【0040】このような構成により、まず、LED15
のリードフレーム15a,15b(図2,3参照。後述
する。)の脚状部分をLED装着基板14のLED装着
用貫通孔14a,14bに挿通する。次に、LED装着
基板14の裏面から突出したLED15のリードフレー
ム15a,15bの先端付近をハンダ付け等により配線
16に電気的に接続する。このようにして、複数のLE
Dを、射出光の射出方向がほぼ同一方向を向くように並
設することにより、LEDアレイ部11が構成される。
【0041】また、光束規制部12Aは、保持枠20A
と、複数段設けられた格子板材21A1 ,21A2 ,2
1A3 ,…,21An を有して構成されている。上記し
た保持枠20Aは、金属材料又は合成樹脂材料若しくは
セラミックス材料等からなり、側壁部200Aと格子枠
部204Aを有している。側壁部200Aは、箱状部材
の図における上部及び下部が開放されることにより形成
された略「ロ」字状断面を有する部材である。この側壁
部200Aは、冷間押出加工や射出成型等により略
「ロ」字状断面部材を一体製作してもよいし、4枚の略
平板状部材を製作した後にビスや接着剤等により接合し
てもよく、あるいは冷間押出加工や射出成型等により略
「コ」字状断面部材を製作するとともに略平板状部材を
1枚製作し、その後にビスや接着剤等によりこれらを接
合するようにしてもよい。
【0042】また、側壁部200Aの図における下部に
は、格子枠部204A(図2参照)が設けられている。
この格子枠部204Aは、側壁部200Aと別体で製作
した後に側壁部200Aの下面に取り付けてもよいし、
冷間押出加工や射出成型等により側壁部200Aと一体
的に製作してもよい。また、この格子枠部204AのL
ED側の内壁面には、ツヤ消し塗料、例えばツヤ無し黒
色塗料等が塗布されている。
【0043】また、上記した側壁部200Aの内壁面に
は、後述する格子板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,
…,21An の周縁部を収容かつ係止可能な取付溝20
2A(図2参照)が設けられている。そして、側壁部2
00Aには、組立て用ネジ22が螺合可能なネジ孔20
6Aが、上記したネジ孔14cに対応する平面投影位置
に、図における上下方向に貫通形成されている。さら
に、側壁部200Aの図における底面には、LEDアレ
イ部11の周縁部を収容かつ係止し、組立て用ネジ22
によってLEDアレイ部11を取り付け可能な取付凹部
201A(図2参照)が形成されている。同様に、側壁
部200Aの図における上面には、レンズアレイ部13
Aの周縁部を収容かつ係止し、組立て用ネジ22によっ
てレンズアレイ部13Aを取り付け可能な取付凹部20
3Aが形成されている。
【0044】格子板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,
…,21An は、金属材料又は合成樹脂材料若しくはセ
ラミックス材料等からなり、略平板状部材の一部を略
「碁盤目」状に打抜き加工等によって除去し、開口O1
を開設することにより形成される。また、格子状の部分
には、ツヤ消し塗料、例えばツヤ無し黒色塗料等が塗布
されているので、入射した光が反射されにくいようにな
っている。この格子板材21A1 ,21A2 ,21A3
,…,21An の周縁部には、上記した組立て用ネジ
22が螺合可能なネジ孔(図示せず)が、上記したネジ
孔14c及び206Aに対応する平面投影位置に開設さ
れている。
【0045】上記の格子板材21A1 ,21A2 ,21
A3 ,…,21An の周縁部は、光束規制部12Aの保
持枠20Aの側壁部200Aの内壁面に設けられた取付
溝202Aに収容・係止可能な構成となっている。この
際、保持枠20Aの側壁部200Aが略「ロ」字状断面
部材の一体製作品の場合には、格子板材例えば21A1
をたわめて弾性変形させつつその周縁部を側壁部200
Aの取付溝202Aに挿入させることにより保持枠20
Aに嵌め付けることができる。また、保持枠20Aの側
壁部200Aが、4枚の略平板状部材の組合わせ、又は
略「コ」字状部材と略平板状部材の組合わせの場合に
は、図における水平方向から側壁部200Aの取付溝2
02Aにその周縁部を挿入させることにより保持枠20
Aに嵌め付けることができる。
【0046】なお、保持枠20Aへの格子板材21A1
,21A2 ,21A3 ,…,21An の取付は、上記
のような保持枠20Aの側壁部200Aに設けた取付溝
202Aへの挿入以外の手段によっても十分可能であ
る。例えば、保持枠20Aの側壁部200Aの内壁面に
棚状部分を設けておき、この棚状部分に格子板材20A
の周縁部付近をビスや接着剤等により取り付けるように
してもよい。あるいは、格子板材21A1 ,21A2 ,
21A3 ,…,21An の周縁に垂下部を設けておき、
この垂下部をビスや接着剤等により側壁部200Aの内
壁上に取り付けるようにしてもよい。さらに、保持枠2
0A及び格子板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,…,
21An とは別体の略「L」字状断面部材を用意し、こ
の略「L」字状断面部材を用いて格子板材21A1 ,2
1A2 ,21A3 ,…,21An の周縁部をビスや接着
剤等により側壁部200Aの内壁上に取り付けるように
してもよい。
【0047】このようにして、格子板材21A1 ,21
A2 ,21A3 ,…,21An は、保持枠20A内にお
いてLED15の光軸方向に所定間隔で複数段配設され
る。また、各段の格子板材21A1 ,21A2 ,21A
3 ,…,21An の各開口O1 は、すべて各LED15
の光軸上に位置するように設定されている。この場合、
ある光軸上で格子板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,
…,21An の開口O1 の縁を形成する底面及び内壁面
の一部分の集合と、その光軸の基部の周囲の格子枠部2
04Aは、その光軸についての「単位光束規制部35
A」を構成している。したがって、光束規制部12A
は、単位光束規制部35Aが、アレイ状に複数(本実施
形態の場合は4行5列又は5行4列で合計20個)形成
された構成となっている。
【0048】レンズアレイ部13Aは、基板30Aと、
凸部31A及び32Aを有している。基板30Aは、ガ
ラスやプラスチック等の透明な光学材料からなり、略平
板状に形成されている。凸部31Aは、円柱の一部をな
す形状あるいは略「カマボコ」形状に形成され、基板3
0Aの図における上面に複数個(本実施形態の場合は4
個)が互いに密接する状態で長手方向に平行に並設され
ている。また、凸部32Aは、円柱の一部をなす形状あ
るいは略「カマボコ」形状に形成され、基板30Aの図
における下面に複数個(本実施形態の場合は5個)が互
いに密接する状態で、上記した凸部31Aの長手方向と
は直角な方向に並設されている。これらの凸部31A,
32Aは、雄型と雌型等によるプレス成型法などによっ
て形成される。また、基板30Aの周縁部には、上記し
た組立て用ネジ22が螺合可能なネジ孔34Aが、上記
したネジ孔14c及び206Aに対応する平面投影位置
に開設されている。
【0049】このような構成により、レンズアレイ部1
3Aは、軸方向が互いに直角となるようなシリンドリカ
ル・レンズを2枚組合わせた組合わせレンズ(図2参
照。以下、「単位レンズ部33A」という。)が、アレ
イ状に複数(本実施形態の場合は4行5列又は5行4列
で合計20個)形成された構成となる。これらの単位レ
ンズ部33Aの平面投影形状は略正方形状となる。ま
た、各々の単位レンズ部33Aは、すべて各LED15
の光軸上で、格子板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,
…,21An の開口O1 の直上位置となるように設定さ
れている。また、各LED15の発光源であるLEDチ
ップ(後述)の光軸上の位置は、例えば単位レンズ部3
3Aのほぼ焦点位置となるように設定されている。以下
において、1つのLED15と、そのLED15の光軸
の周囲を取り巻くような状態となっている単位光束規制
部35Aと、そのLED15に対応する単位レンズ部3
3Aの組合わせを「光学ユニット」という。
【0050】上記したような光射出装置1Aの各部の構
成により、LEDアレイ部11の上に光束規制部12A
を被せ、LEDアレイ部11の周縁部を光束規制部12
Aの側壁部200Aの底面の取付凹部201A内に収容
し、下方から組立て用ネジ22をネジ孔14c,206
A,図示しない格子板材21A 1 ,21A2 ,21A3
,…,21An の周縁部のネジ孔にねじ込み、LED
アレイ部11と光束規制部12Aとを接合する。この
際、同時に、格子板材21Aも光束規制部12Aの保持
枠20Aに固定される。次に、光束規制部12Aの上に
レンズアレイ部13Aを被せ、レンズアレイ部13Aの
周縁部を光束規制部12Aの側壁部200Aの上面の取
付凹部203A内に収容し、組立て用ネジ22をさらに
ネジ孔34Aにねじ込み、光束規制部12Aとレンズア
レイ部13Aとを接合する。このようにして、光射出装
置1Aが構成される。
【0051】次に、上記した光射出装置1Aに用いるL
ED15のさらに詳細な構成及び作用について、以下、
図を参照しつつ詳細な説明を行う。図3は、図1に示す
光射出装置1Aに使用するLED15のさらに詳細な構
成及び作用を説明するための図であり、図3(A)はL
ED15の全体構成を表す光軸方向に沿う方向から見た
断面図を、図3(B)は図3(A)に示すLED15に
おけるチップ付近のさらに詳細な構成を表す拡大断面図
を、図3(C)は図3(A)及び図3(B)に図示した
LEDの発光光度の指向特性の例を、それぞれ示してい
る。
【0052】図に示すように、このLED15は、リー
ドフレーム15a及び15bと、LEDチップ15d
と、ボンディングワイヤ15eと、樹脂被覆部15fを
有して構成されている。上記したリードフレーム15
a,15bは、それぞれ金属材料等の電気的良導体から
なり、略棒状に形成された部材である。リードフレーム
15aの図における頂部には、略すり鉢状の凹部15c
(図3(B)参照)が形成されている。また、ボンディ
ングワイヤ15eは、Au(金)等からなる細線状部材
である。
【0053】ここで、図3(B)を参照しつつ、LED
チップ15dの構成と発光原理の概要を説明する。LE
Dチップ15dは、電気を光に変換する素子であり、P
型半導体で形成されたP層151(図3(B)参照)
と、P−N接合152(図3(B)参照)と、N型半導
体で形成されたN層153(図3(B)参照)を有して
いる。また、P層151にはP側電極154(図3
(B)参照)が接続しており、N層153にはN側電極
155(図3(B)参照)が接続している。また、P側
電極154には、ボンディングワイヤ15eの一端がボ
ンディングされており、ボンディングワイヤ15eの他
端はリードフレーム15bにボンディングされている。
また、N側電極155は、リードフレーム15aに電気
的に接続されている。
【0054】このLEDチップ15dにおいて、P側電
極154を正極としN側電極155を負極としてP側電
極154からN側電極155へ向けて電流を流すと、P
側電極154からは正孔(ホール:電子の抜けた孔。図
示せず。)がN側電極155に向けて注入され、N側電
極155からは電子(図示せず)がP側電極154に向
けて注入される。上記の正孔は、P層151を通過して
P−N接合152に到達する。一方、電子は、N層15
3を通過してP−N接合152に到達する。ここで、正
孔のエネルギ状態が所定の条件の場合には、正孔はP−
N接合152を乗り越えてN層153側へこぼれ出し、
N層153内に多数存在する電子と結合し、その際に光
子が放出される。一方、電子のエネルギ状態が所定の条
件の場合には、電子はP−N接合152を乗り越えてP
層151側へこぼれ出し、P層151内に多数存在する
正孔と結合し、その際に光子が放出される。このように
して放出された光子により「発光」が起こる。発光され
る光の波長や、P層とN層の発光の割合等は、半導体の
材料、構造、不純物等によって決定される。LEDを構
成する半導体の例としては、GaAs(ガリウム・ヒ
素)、GaP、GaAsP、GaAlAs等が挙げられ
る。また、発光される光としては、赤外線領域の光から
現在は青色の可視光(波長:約400nm程度)まで可
能となっている。
【0055】LEDチップ15dをリードフレーム15
aに取り付けるには、まずリードフレーム15aの凹部
15c内にAg(銀)ペーストを塗布した後、LEDチ
ップ15dを凹部15cの底部中央に載置し、加熱下で
チップ上から加圧する。このような工程を行うことによ
り、LEDチップ15dは溶着により凹部15c内に固
定される。
【0056】次に、LEDチップ15d上のP側電極1
54にボンディングワイヤ15eの一端をボンディング
するとともに、ボンディングワイヤ15eの他端をリー
ドフレーム15bの頂部にボンディングする。このボン
ディングは、加熱による圧着、又は超音波照射による溶
着等により行われる。
【0057】最後に樹脂被覆部15fが形成される。こ
の樹脂被覆部15fは、上記のようにして形成されたリ
ードフレーム15a及び15bとLEDチップ15dと
の接合体のチップ側をエポキシ樹脂等の合成樹脂材料で
満たされた略円柱状のモールド・ケースの中へ浸漬し、
次いで加熱して合成樹脂材料を硬化させることにより、
略円柱状の樹脂被覆部15fが形成される。この樹脂被
覆部15fは、LEDチップ15dを周囲の環境から保
護する機能を果たす一方、一種のレンズとしての機能も
発揮し発光した光を効率よく空気中へ射出させる。
【0058】次に、上記したLED15の発光光度の指
向特性について、図3(C)を参照しつつ詳細に説明す
る。図に示すように、この場合には、指向特性は、三次
元的には、非常に細長い略「球根」状、あるいは非常に
細長い略「ラグビーボール」状となっており、LEDの
正面中央方向への光度が最も高く、横方向になるにつれ
て光度が急激に低くなるようなビーム状特性となってい
る例を挙げた。このLEDの指向特性は、上記した樹脂
被覆部15fの形状や方向によって変化する。
【0059】次に、上記した光射出装置1Aの作用につ
いて、主として図2及び図3(C)を参照しつつ詳細に
説明する。上記したように、LED15のリードフレー
ム15bを正極とし、リードフレーム15aを負極とし
て、P側電極154からN側電極155に向けて電流を
流すと、LED15からは例えば図3(C)に示すよう
な指向特性を持った光が、例えば図2に示すL。,
L。′,L。”,Lのように射出される。これらの射出
光のうち、中央の光束Lは、遮蔽物等がないため直進
し、レンズアレイ部13Aに到達する。
【0060】レンズアレイ部13Aには、各LED15
の光軸の投影位置上に、2つの直交するシリンドリカル
・レンズからなる単位レンズ部33Aが並設されてお
り、各LED15は単位レンズ部33Aのほぼ焦点位置
となるように配置されている。シリンドリカルレンズ
は、一般に、入射した長方形状の平行光束を焦点上に線
分状の光として集光することができ、逆の場合には、焦
点上の線分状の光源から入射した拡散光を長方形状の平
行光束に変換することができる。したがって、LED1
5からいずれかの単位レンズ部33Aに到達した光束L
は、単位レンズ部33Aの通過前は拡散光束であるが、
単位レンズ部33Aを通過した後には、ほぼ平行光束と
なって外部空間に射出される。
【0061】この作用がLEDアレイ部11上に並設さ
れたすべてのLED15について行われる。したがっ
て、レンズアレイ部13Aの面からは、光波の波面がほ
ぼ平面状となった光が外部空間へ射出される。このた
め、個々のLED15に同じ情報が重畳された電気信号
を入力すれば、この光射出装置1Aからの射出光は、同
じ情報が重畳された平面波状の光となる。
【0062】このことは、個々のLED15の発光光度
が低くても、光射出装置1A全体としては、大きなパワ
ーを持った平面波状の光を送出できることを意味する。
このような平面波状の光であれば、受光側に大きな受光
面積を持つ大型レンズ等を配置しておけば、光を十分集
光でき、かつ光強度も増幅可能である。したがって、長
距離空間伝送時において光強度の距離減衰が大きくて
も、LEDの並設個数を増大させればよく、他の点にお
いて技術的に困難な対策を講じる必要はない。すなわ
ち、従来のように、光源の発光光度を高めるために特別
に設計・製造された高価なカスタムLEDなどを用いる
必要はなくなり、発光光度がそれほど高くないが安価な
市販のLEDを使用できる。伝送距離等に応じたパワー
の増強は、LEDアレイにおけるLEDの並設個数を増
やすだけでよい。したがって、従来のようなカスタム高
光度LEDを用いた光無線通信用光源に比べ、本実施形
態の光射出装置1Aは、設計の手間、チップの歩留り等
を考慮すると、トータル・コストは非常に低廉なものと
なる。また、大出力の光源が不要となるため、電源等も
小さい出力に見合うものでよく、装置の大きさや重量
は、パワー増強のために射出面積が増大したとしても、
結局は小型かつ軽量なものとなる、という利点もある。
【0063】また、上記したように、本実施形態の光射
出装置1Aにおいては、射出される光は、全体として平
面波状の光となる。そして、光のパワーを高くする場合
には、単位面積当りの光強度をかえずに光波面の面積を
拡大する、という方法を採用している。したがって、従
来の長距離空間光通信に用いる光源のように細いビーム
状の光束とする必要がない。このことは、上記した従来
例の問題点のうち、光無線通信モデム等に利用した場合
の送信部光軸と受信部光軸との位置決めがそれほど厳密
でなくてもよく、容易に位置決め作業を行い得るという
利点を有していることを意味している。また、同時に温
度変化や振動による設定光軸のズレについても、多少の
光軸のズレによる通信への悪影響はなく、その程度の光
軸ズレは吸収可能であるという利点を有することも示し
ている。
【0064】さらに、本実施形態の光射出装置1Aで
は、単位光束規制部35Aを構成する格子枠部204A
の内壁面、及び格子板材21A1 ,21A2 ,21A3
,…,21An の底面及び内壁面にツヤ消し塗料、例
えばツヤ無し黒色塗料等が塗布され、入射した光が反射
しにくくなるように構成されている。したがって、図2
に示すように、LED15の指向特性に応じた他の光
束、例えばL。,L。′,L。”等は、格子板材21A
1 ,21A2 ,21A3 ,…,21An に入射するが、
LED側へ反射しにくく、かつ図における上方へは進め
ない。すなわち、見かけ上は格子板材21A1 ,21A
2 ,21A3 ,…,21An よりも内側(開口O1 の内
方)の光束以外は吸収されることになる。
【0065】このような単位光束規制部35Aの作用に
より、第1の利点として、上記の光射出装置1Aが光無
線通信LANの光無線通信モデム等に使用された場合
に、LEDの近くに配置されるであろう自己のモデムの
受信部へ、LEDから射出された光が散乱,反射,屈折
等によって到達することが防止される。一般に、イーサ
ネットの場合には、光無線通信モデム等において、発光
された光が自己の受信部へ到達すると、この到達光も検
出されてしまうが、これが相手の光無線通信モデムから
送られてきたシステム内の正規の信号と衝突し、伝送効
率が著しく低下したり、システムが正常に動作できなく
なることもある。この「衝突現象」を「ジャミング」と
呼び、逆行して衝突を起こす光や信号を「ジャム信号」
という。本実施形態の光射出装置1Aの場合は、単位光
束規制部35Aの配置により、上記のジャミングを防止
しており、光無線通信LANを構築した際のシステムの
信頼性を高めるのに役立っている。
【0066】また、第2の利点として、単位光束規制部
35Aの作用により、発光したLEDに隣接する光学ユ
ニット側へ射出光が漏洩することが防止される。一般
に、光に光路差が生じると光の位相に差ができる。この
ため、このような光をいっしょにしてしまうと、位相差
成分は、情報として抽出できないノイズとなってしま
い、射出光の品質が劣化する。しかし、本実施形態の光
射出装置1Aの場合は、単位光束規制部35Aの配置に
より、上記のノイズ光混入を防止しており、光無線通信
LANを構築した際のシステムの信頼性をさらに向上さ
せている。
【0067】次に、上記した光射出装置1Aの応用例等
について以下に詳細な説明を行う。図4は、図1に示す
光射出装置1Aを備えた光無線通信モデムを用いて構築
された光無線通信LANの全体構成を示す概念図であ
る。
【0068】図に示すように、この光無線通信LAN1
00は、ビルディングB1 及びB2の屋内にあるパソコ
ンや周辺機器の間、及び建物間で構築された広域光無線
通信LANである。また、この光無線通信LAN100
は、サーバ121と、スイッチングハブ111A及び1
11Bと、光無線通信モデム101A,101B,10
2A,102B,102C,102D,103A,10
3B,103C,及び103Dと、ハブ112A,11
2B,113A,及び113Bと、クライアント131
A,131B,131C,131D,131E,131
F,131G,131H,132A,132B,132
C,132D,132E,132F,及び132Gを有
して構成されている。
【0069】上記において、スイッチングハブ111A
には、サーバ121と、光無線通信モデム101A,1
02A,及び102Cが接続されている。また、ハブ1
12Aには、光無線通信モデム102Bと、クライアン
ト131A,131B,131C,及び131Dが接続
されている。そして、ハブ112Bには、光無線通信モ
デム102Dと、クライアント131E,131F,1
31G,及び131Hが接続されている。
【0070】一方、また、スイッチングハブ111Bに
は、光無線通信モデム101B,103A,及び103
Cが接続されている。また、ハブ113Aには、光無線
通信モデム103Bと、クライアント132A,132
B,及び132Cが接続されている。そして、ハブ11
3Bには、光無線通信モデム103Dと、クライアント
132D,132E,132F,及び132Gが接続さ
れている。
【0071】また、光無線通信モデム101Aは、ビル
ディングB1 の外壁又は屋上に取り付けられている。ま
た、光無線通信モデム101Bは、ビルディングB2 の
外壁又は屋上に取り付けられている。そして、光無線通
信モデム101Aと101Bは、互いに対向するように
配置されている。これらの光無線通信モデム101Aと
101Bには、それぞれ光射出装置1Aが搭載されてお
り、略平面波状の光L1 ,L2 により相互に双方向光無
線通信が可能となっている。また、光無線通信モデム1
02A及び102Bと、光無線通信モデム102C及び
102Dは、それぞれビルディングB1 の屋内に配設さ
れている。また、光無線通信モデム102Aと102
B、102Cと102Dは、互いに対向するように配置
されている。これらの光無線通信モデム102A,10
2B,102C,及び102Dには、それぞれ光射出装
置1Aが搭載されており、相互に双方向光無線通信が可
能となっている。また、光無線通信モデム103A及び
103Bと、光無線通信モデム103C及び103D
は、それぞれビルディングB2 の屋内に配設されてい
る。また、光無線通信モデム103Aと103B、10
3Cと103Dは、互いに対向するように配置されてい
る。これらの光無線通信モデム103A,103B,1
03C,及び103Dには、それぞれ光射出装置1Aが
搭載されており、相互に双方向光無線通信が可能となっ
ている。
【0072】上記のような構成により、サーバ121が
配置されているビルディングB1 とは異なるビルディン
グB2 内のクライアント、例えば132Aであっても、
ビルディング間を光無線通信で結ぶ光無線通信モデム1
01A及び101Bの作用により、サーバ121からデ
ータを受け取ったり、サーバ121を介してビルディン
グB1 内のクライアントとデータのやりとりや電子メー
ルの授受を従来の有線通信方式のクライアント/サーバ
方式LANとまったく同様に行うことができる。また、
各ビルディングB1 ,B2 の屋内においては、スイッチ
ングハブ111Aと各ハブ112A又は112Bとの間
についても、光無線通信モデム102A及び102B、
あるいは102C及び102Dの作用により、光無線通
信で結ばれているので、データのやりとり等を従来の有
線通信方式のクライアント/サーバ方式LANとまった
く同様に行うことができるうえ、各クライアントやハブ
間には配線ケーブル類はまったくないため、LANの拡
張、修正、変更を自在かつ容易に行うことができる。
【0073】次に、上記した光無線通信モデムの構成及
び作用について以下に詳細な説明を行う。図5は、図4
に示す光無線通信モデムのさらに詳細な構成を示す図で
あり、図5(A)は斜視図を、図5(B)は概念的ブロ
ック図を、それぞれ示している。
【0074】以下は、光無線通信モデムの例として図4
における101Aをとりあげたものである。他の光無線
通信モデム101B等も同様の構成及び作用を有してい
るので、その説明は省略する。図に示すように、この光
無線通信モデム101Aは、筐体8内に、上記した光射
出装置1Aと、受光レンズ4と、受光素子5と、信号処
理基板6を有している。この光無線通信モデム101A
は、コネクタ7を介してハブ等(図示せず)に接続され
る。。受光素子5としては、例えばPNフォトダイオー
ド(図示せず),PINフォトダイオード(図示せ
ず),アバランシェ・フォトダイオード(図示せず),
あるいはフォトトランジスタ(図示せず)などが用いら
れる。この受光素子5の受光面(図示せず)は、受光レ
ンズ4のほぼ焦点位置に配置されている。また、信号処
理基板6は、図5(B)に示すように、入出力インター
フェイス60と、変調部61と、増幅部62と、駆動部
63と、増幅部64と、復調部65を有している。
【0075】上記のような構成により、ハブ等(図示せ
ず)からコネクタ7を介して信号処理基板6に入力され
た電気信号は、信号処理基板6において入出力インター
フェイス60を経て変調部61へ出力され、情報を重畳
できるような状態にするため等の目的で電気信号に変調
がかけられる。次に、増幅部62において変調された電
気信号は所定レベルまで増幅される。次に、駆動部63
は、増幅された電気信号に基づき、光射出装置1A内の
LED15を駆動し、電気信号を光に変換させる。光射
出装置1Aは、上記したような作用により、内蔵された
複数のLED(図示せず)からの拡散光を略平行光束に
変換し、略平面波状の光L1 として外部空間へ射出す
る。
【0076】一方、相手側の光無線通信モデムから射出
されてきた略平面波状の光L2 は、受光レンズ4によっ
て受け入れられ、受光素子5のほぼ受光面(図示せず)
上に合焦し、電気信号に変換され、信号処理基板6に出
力される。受光素子5から信号処理基板6に入力された
電気信号は、信号処理基板6の増幅部64において、所
定レベルまで増幅され、次に復調部65において電気信
号中から情報が抽出される。抽出された情報は、入出力
インターフェイス60からコネクタ7を介してハブ等
(図示せず)へ送られる。
【0077】(2)第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について、図6を参照しつ
つ詳細に説明する。図6は、本発明の第2実施形態であ
る光射出装置における他のレンズアレイ部の構成を示す
図であり、図6(A)は斜視図を、図6(B)は光軸直
角方向から見た拡大断面図を、それぞれ示している。
【0078】図6に示すように、この第2実施形態の光
射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と同
様のLEDアレイ部11と、光束規制部12Aを有し、
第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる構成と
作用を持つレンズアレイ部13Bを備えて構成されてい
る。したがって、LEDアレイ部11及び光束規制部1
2Aの構成及び作用の説明は省略し、主としてレンズア
レイ部13Bの構成及び作用について説明を行う。
【0079】図に示すように、このレンズアレイ部13
Bは、基板30Bと、凸部31B及び32Bを有してい
る。基板30Bは、ガラスやプラスチック等の透明な光
学材料からなり、略平板状に形成されている。凸部31
Bは、球の一部をなす形状に形成され、基板30Bの図
における上面に複数個(本実施形態の場合は4×5=2
0個)が並設されている。また、凸部32Bは、球の一
部をなす形状に形成され、基板30Bの図における下面
に複数個(本実施形態の場合は4×5=20個)が並設
されている。これらの凸部31B,32Bは、雄型と雌
型等によるプレス成型法などによって形成される。ま
た、基板30Bの周縁部には、上記した組立て用ネジ2
2が螺合可能なネジ孔34Bが、上記したネジ孔14c
及び206Aに対応する平面投影位置に開設されてい
る。
【0080】このような構成により、レンズアレイ部1
3Bは、一面が球面レンズ状で他面が平面の片凸レンズ
を2枚組合わせた組合わせレンズ(図6(B)参照。以
下、「単位レンズ部33B」という。)が、アレイ状に
複数(本実施形態の場合は4×5=20個)形成された
状態となる。これらの単位レンズ部33Bの平面投影形
状は略円形状となる。また、各々の単位レンズ部33B
は、すべて各LED15の光軸上で、格子板材21A1
,21A2 ,21A3 ,…,21An の開口O1 の直
上位置となるように設定されている。また、各LED1
5の発光源であるLEDチップ(後述)の光軸上の位置
は、例えば単位レンズ部33Bのほぼ焦点位置となるよ
うに設定されている。以下において、1つのLED15
と、そのLED15の光軸の周囲を取り巻くような状態
となっている単位光束規制部35Aと、そのLED15
に対応する単位レンズ部33Bの組合わせを「光学ユニ
ット」という。
【0081】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおけるレンズアレイ部
13Aと同様に、LED15からいずれかの単位レンズ
部33Bに到達した光束は、単位レンズ部33Bの通過
前は拡散光束であるが、単位レンズ部33Bを通過した
後には、ほぼ平行光束となって外部空間に射出される。
このため、個々のLED15の発光光度が低くても、光
射出装置全体としては、大きなパワーを持った平面波状
の光を送出できる、という作用を有している。
【0082】(3)第3実施形態 次に、本発明の第3実施形態について、図7を参照しつ
つ詳細に説明する。図7は、本発明の第3実施形態であ
る光射出装置におけるその他のレンズアレイ部の構成を
示す図であり、図7(A)は斜視図を、図7(B)は光
軸直角方向から見た拡大断面図を、それぞれ示してい
る。
【0083】図7に示すように、この第3実施形態の光
射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と同
様のLEDアレイ部11と、光束規制部12Aを有し、
第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる構成と
作用を持つレンズアレイ部13Cを備えて構成されてい
る。したがって、LEDアレイ部11及び光束規制部1
2Aの構成及び作用の説明は省略し、主としてレンズア
レイ部13Cの構成及び作用について説明を行う。
【0084】図に示すように、このレンズアレイ部13
Cは、基板30Cと、被処理部31Cを有している。基
板30Cは、ガラス等の透明な光学材料からなり、略平
板状に形成されている。被処理部31Cは、ほぼ回転楕
円体の一部をなす形状で基板30C内に形成され、基板
30Cの内部に複数個(本実施形態の場合は4×5=2
0個)が並設されている。これらの被処理部31Cは、
例えばガラス基板上に円形開口を持つマスクパターンを
フォトリソグラフ技術で作成し、その開口部を通してイ
オン交換を起こさせ、三次元的な屈折率分布をガラス基
板内に形成することによって実現する方法で形成され
る。あるいは、ガラス基板内にイオン拡散により三次元
的な屈折率分布を形成させてもよい。また、基板30C
の周縁部には、上記した組立て用ネジ22が螺合可能な
ネジ孔34Cが、上記したネジ孔14c及び206Aに
対応する平面投影位置に開設されている。
【0085】このような構成により、レンズアレイ部1
3Cは、基板30Cの内部に、一面が回転楕円面状で他
面が平面の片凸レンズ(図7(B)参照。以下、「単位
レンズ部33C」という。)が、アレイ状に複数(本実
施形態の場合は4×5=20個)形成された状態とな
る。これらの単位レンズ部33Cの平面投影形状は略円
形状となる。また、各々の単位レンズ部33Cは、すべ
て各LED15の光軸上で、格子板材21A1 ,21A
2 ,21A3 ,…,21An の開口O1 の直上位置とな
るように設定されている。また、各LED15の発光源
であるLEDチップ(後述)の光軸上の位置は、例えば
単位レンズ部33Cのほぼ焦点位置となるように設定さ
れている。以下において、1つのLED15と、そのL
ED15の光軸の周囲を取り巻くような状態となってい
る単位光束規制部35Aと、そのLED15に対応する
単位レンズ部33Cの組合わせを「光学ユニット」とい
う。
【0086】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおけるレンズアレイ部
13Aと同様に、LED15からいずれかの単位レンズ
部33Cに到達した光束は、単位レンズ部33Cの通過
前は拡散光束であるが、単位レンズ部33Bを通過した
後には、ほぼ平行光束となって外部空間に射出される。
このため、個々のLED15の発光光度が低くても、光
射出装置全体としては、大きなパワーを持った平面波状
の光を送出できる、という作用を有している。
【0087】(4)第4実施形態 次に、本発明の第4実施形態について、図8を参照しつ
つ詳細に説明する。図8は、本発明の第4実施形態であ
る光射出装置におけるさらにその他のレンズアレイ部の
構成を示す図であり、図8(A)は斜視図を、図8
(B)は光軸直角方向から見た拡大断面図を、図8
(C)は単位レンズ部における集光の原理を説明する概
念図を、それぞれ示している。
【0088】図8に示すように、この第4実施形態の光
射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と同
様のLEDアレイ部11と、光束規制部12Aを有し、
第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる構成と
作用を持つレンズアレイ部13Dを備えて構成されてい
る。したがって、LEDアレイ部11及び光束規制部1
2Aの構成及び作用の説明は省略し、主としてレンズア
レイ部13Dの構成及び作用について説明を行う。
【0089】図に示すように、このレンズアレイ部13
Dは、基板30Dと、ロッドレンズ部31Dを有してい
る。基板30Dは、ガラスやプラスチック等の透明な光
学材料からなり、略平板状に形成されている。ロッドレ
ンズ部31Dは、ほぼ円柱状で基板30D内に形成さ
れ、基板30Dの内部に複数個(本実施形態の場合は4
×5=20個)が並設されている。これらのロッドレン
ズ部31Dは、図8(C)に示すように、中央部の屈折
率nが周辺部の屈折率よりも高くなるように形成されて
いる。このため、図8(C)に示すように、ロッドレン
ズ部31Dに入射した光L3 は、屈折率の高い方へ向っ
て進路を曲げるように進行する。このような作用を利用
すると、拡散光を略平行光束に変換させることが可能で
ある。また、基板30Dの周縁部には、上記した組立て
用ネジ22が螺合可能なネジ孔34Dが、上記したネジ
孔14c及び206Aに対応する平面投影位置に開設さ
れている。
【0090】このような構成により、レンズアレイ部1
3Dは、基板30Dの内部に、ロッドレンズ(図8
(B)参照。以下、「単位レンズ部33D」という。)
が、アレイ状に複数(本実施形態の場合は4×5=20
個)形成された状態となる。これらの単位レンズ部33
Dの平面投影形状は略円形状となる。また、各々の単位
レンズ部33Dは、すべて各LED15の光軸上で、格
子板材21A1 ,21A2,21A3 ,…,21An の
開口O1 の直上位置となるように設定されている。ま
た、各LED15の発光源であるLEDチップ(後述)
の光軸上の位置は、例えば単位レンズ部33Dのほぼ焦
点位置となるように設定されている。以下において、1
つのLED15と、そのLED15の光軸の周囲を取り
巻くような状態となっている単位光束規制部35Aと、
そのLED15に対応する単位レンズ部33Dの組合わ
せを「光学ユニット」という。
【0091】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおけるレンズアレイ部
13Aと同様に、LED15からいずれかの単位レンズ
部33Dに到達した光束は、単位レンズ部33Dの通過
前は拡散光束であるが、単位レンズ部33Dを通過した
後には、ほぼ平行光束となって外部空間に射出される。
このため、個々のLED15の発光光度が低くても、光
射出装置全体としては、大きなパワーを持った平面波状
の光を送出できる、という作用を有している。
【0092】(5)第5実施形態 次に、本発明の第5実施形態について、図9を参照しつ
つ詳細に説明する。図9は、本発明の第5実施形態であ
る光射出装置におけるさらにその他のレンズアレイ部の
構成を示す図であり、図9(A)は斜視図を、図9
(B)は単位レンズ部の構成及び単位レンズ部における
集光の原理を説明するを示す拡大断面図を、それぞれ示
している。
【0093】図9に示すように、この第5実施形態の光
射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と同
様のLEDアレイ部11と、光束規制部12Aを有し、
第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる構成と
作用を持つレンズアレイ部13Eを備えて構成されてい
る。したがって、LEDアレイ部11及び光束規制部1
2Aの構成及び作用の説明は省略し、主としてレンズア
レイ部13Eの構成及び作用について説明を行う。
【0094】図に示すように、このレンズアレイ部13
Eは、基板30Eと、フレネルレンズ部31Eを有して
いる。基板30Eは、アクリル樹脂等の合成樹脂などの
透明な光学材料からなり、略平板状に形成されている。
フレネルレンズ部31Eは、基板30Eの表面にプレス
成形等によって形成され、ほぼ階段状に屈折角が変化す
る同心円状の凸部311Eと凹部312Eにより構成さ
れている。このフレネルレンズ部31Eは、基板30E
の表面に複数個(本実施形態の場合は4×5=20個)
が並設されている。また、基板30Eの周縁部には、上
記した組立て用ネジ22が螺合可能なネジ孔34Eが、
上記したネジ孔14c及び206Aに対応する平面投影
位置に開設されている。
【0095】このような構成により、レンズアレイ部1
3Eは、基板30Eの表面に、フレネルレンズ(図9
(B)参照。以下、「単位レンズ部33E」という。)
が、アレイ状に複数(本実施形態の場合は4×5=20
個)形成された状態となる。これらの単位レンズ部33
Eの平面投影形状は略円形状となる。また、各々の単位
レンズ部33Eは、すべて各LED15の光軸上で、格
子板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,…,21An の
開口O1 の直上位置となるように設定されている。ま
た、各LED15の発光源であるLEDチップ(後述)
の光軸上の位置は、例えば単位レンズ部33Eのほぼ焦
点位置となるように設定されている。以下において、1
つのLED15と、そのLED15の光軸の周囲を取り
巻くような状態となっている単位光束規制部35Aと、
そのLED15に対応する単位レンズ部33Dの組合わ
せを「光学ユニット」という。
【0096】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおけるレンズアレイ部
13Aと同様に、LED15からいずれかの単位レンズ
部33Eに到達した光束は、単位レンズ部33Eの通過
前は拡散光束であるが、単位レンズ部33Eを通過した
後には、ほぼ平行光束となって外部空間に射出される。
このため、個々のLED15の発光光度が低くても、光
射出装置全体としては、大きなパワーを持った平面波状
の光を送出できる、という作用を有している。
【0097】(6)第6実施形態 次に、本発明の第6実施形態について、図10を参照し
つつ詳細に説明する。図10は、本発明の第6実施形態
である光射出装置における回折格子アレイ部の構成を示
す図であり、図10(A)は斜視図を、図10(B)は
光軸直角方向から見た拡大断面図を、図10(C)は光
の回折による集光の原理を説明する概念図を、それぞれ
示している。
【0098】図10に示すように、この第6実施形態の
光射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と
同様のLEDアレイ部11と、光束規制部12Aを有
し、第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる構
成と作用を持つレンズアレイ部13Fを備えて構成され
ている。したがって、LEDアレイ部11及び光束規制
部12Aの構成及び作用の説明は省略し、主としてレン
ズアレイ部13Fの構成及び作用について説明を行う。
【0099】図に示すように、このレンズアレイ部13
Fは、基板30Fと、回折格子部31Fを有している。
基板30Fは、アクリル樹脂等の合成樹脂などの透明な
光学材料からなり、略平板状に形成されている。回折格
子部31Fは、基板30Fの表面にプレス成形等によっ
て形成され、幅αの細い溝状の凹部312Fを微少等間
隔dで並設することにより構成されている。この回折格
子部31Fは、基板30Fの表面に複数個(本実施形態
の場合は4×5=20個)が並設されている。また、基
板30Fの周縁部には、上記した組立て用ネジ22が螺
合可能なネジ孔34Fが、上記したネジ孔14c及び2
06Aに対応する平面投影位置に開設されている。
【0100】このような構成により、レンズアレイ部1
3Fは、基板30Fの表面に、回折格子(図10(B)
参照。以下、「単位回折格子部33F」という。)が、
アレイ状に複数(本実施形態の場合は4×5=20個)
形成された状態となる。これらの単位回折格子部33F
の平面投影形状は略正方形状となる。また、各々の単位
回折格子部33Fは、すべて各LED15の光軸上で、
格子板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,…,21An
の開口O1 の直上位置となるように設定されている。ま
た、各LED15の発光源であるLEDチップ(後述)
の光軸上の位置は、例えば単位回折格子部33Fのほぼ
焦点位置となるように設定されている。以下において、
1つのLED15と、そのLED15の光軸の周囲を取
り巻くような状態となっている単位光束規制部35A
と、そのLED15に対応する単位回折格子部33Fの
組合わせを「光学ユニット」という。
【0101】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおけるレンズアレイ部
13Aと同様に、LED15からいずれかの単位回折格
子部33Fに到達した光束L4 は、単位回折格子部33
Fの通過前は拡散光束であるが、単位回折格子部33F
を通過した光束L5 は、回折作用によりδが光の波長の
整数倍となる角度に強度の高い回折光が発生し、ほぼ平
行光束に変換されて外部空間に射出される。このため、
個々のLED15の発光光度が低くても、光射出装置全
体としては、大きなパワーを持った平面波状の光を送出
できる、という作用を有している。
【0102】(7)第7実施形態 次に、本発明の第7実施形態について、図11を参照し
つつ詳細に説明する。図11は、本発明の第7実施形態
である光射出装置におけるホログラムアレイ部の構成を
示す図であり、図11(A)はホログラムの原理を説明
する概念図を、図11(B)はホログラムレンズを作成
する方法を説明する概念図を、図11(C)はホログラ
ムレンズの一例であるリップマンホログラムの構成を表
す断面図を、図11(D)は図11(C)に示すリップ
マンホログラムの改良例の構成を表す断面図を、それぞ
れ示している。
【0103】図11に示すように、この第7実施形態の
光射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と
同様のLEDアレイ部11と、光束規制部12Aを有
し、第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる構
成と作用を持つレンズアレイ部13Gを備えて構成され
ている。したがって、LEDアレイ部11及び光束規制
部12Aの構成及び作用の説明は省略し、主としてレン
ズアレイ部13Gの構成及び作用について説明を行う。
【0104】図に示すように、このレンズアレイ部13
Gは、基板30Gと、ホログラムレンズ部31Gを有し
ている。基板30Gは、ガラス等の透明な光学材料から
なり、略平板状に形成されている。ホログラムレンズ部
31Gは、基板30Gの表面に塗布された感光材料から
なる感光膜408Gの表面に濃度パターンとして記録さ
れたり、あるいは感光膜408G内に屈折率分布パター
ンPとして記録されたもの(以下、「リップマンホログ
ラム」という。)である(図11(C)参照。)。この
ホログラムレンズ部31Gは、基板30Gの表面に複数
個(本実施形態の場合は4×5=20個)が並設されて
いる。また、基板30Gの周縁部には、上記した組立て
用ネジ22が螺合可能なネジ孔(図示せず)が、上記し
たネジ孔14c及び206Aに対応する平面投影位置に
開設されている。
【0105】このような構成により、レンズアレイ部1
3Gは、基板30Gの表面に、ホログラムレンズ(図1
1(A)参照。以下、「単位レンズ部33G」とい
う。)が、アレイ状に複数(本実施形態の場合は4×5
=20個)形成された状態となる。また、各々の単位レ
ンズ部33Gは、すべて各LED15の光軸上で、格子
板材21A1 ,21A2 ,21A3 ,…,21An の開
口O1 の直上位置となるように設定されている。また、
各LED15の発光源であるLEDチップ(後述)の光
軸上の位置は、例えば単位レンズ部33Gのほぼ焦点位
置となるように設定されている。以下において、1つの
LED15と、そのLED15の光軸の周囲を取り巻く
ような状態となっている単位光束規制部35Aと、その
LED15に対応する単位レンズ部33Gの組合わせを
「光学ユニット」という。
【0106】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおけるレンズアレイ部
13Aと同様に、LED15からいずれかの単位レンズ
部33Gに到達した光束L6 は、単位レンズ部33Gの
通過前は拡散光束であるが、単位レンズ部33Gを通過
した光束L7 は、ホログラムの回折・干渉作用によりほ
ぼ平行光束に変換されて外部空間に射出される。このた
め、個々のLED15の発光光度が低くても、光射出装
置全体としては、大きなパワーを持った平面波状の光を
送出できる、という作用を有している。
【0107】図11(B)は、ホログラムレンズを作成
する方法の一例を説明する概念図であり、例えばレーザ
ダイオード等のレーザ光源401から位相のそろった光
L8をビームスプリッタ(半透ミラー)402を通過さ
せた後に第1レンズ404から球面波L11として感光膜
408Gに照射する。一方、ビームスプリッタ402で
反射された光を第2レンズ406で平面波L18として感
光膜408Gを照射すれば、平面波L18が参照波として
機能し、感光膜408Gにホログラムが形成される。
【0108】さらに性能のよいホログラムレンズとする
ためには、図11(D)に示すように、ガラス等の基板
30Gと感光膜408Gとの境界面、及び基板30Gと
空気との境界面に、界面反射を防止する反射防止層31
2Gや313Gなどをコーティングする等の対策を施し
てもよい。
【0109】(8)第8実施形態 次に、本発明の第8実施形態について、図12を参照し
つつ詳細に説明する。図12は、本発明の第8実施形態
である光射出装置における光束規制部の構成を示す図で
あり、図12(A)は斜視図を、図12(B)は光射出
方向に沿う方向から見た断面図を、それぞれ示してい
る。
【0110】図12に示すように、この第8実施形態の
光射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と
同様のLEDアレイ部11と、レンズアレイ部13Aを
有し、第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる
構成と作用を持つ光束規制部12Jを備えて構成されて
いる。したがって、LEDアレイ部11及びレンズアレ
イ部13Aの構成及び作用の説明は省略し、主として光
束規制部12Jの構成及び作用について説明を行う。
【0111】図に示すように、この光束規制部12J
は、保持枠20Jと有孔部材21Jを有して構成されて
いる。保持枠20Jは、金属材料又は合成樹脂材料若し
くはセラミックス材料等からなり、側壁部200Jを有
している。側壁部200Jは、箱状部材の図における上
部及び下部が開放されることにより形成された略「ロ」
字状断面を有する部材である。
【0112】また、上記した側壁部200Jには、組立
て用ネジ22が螺合可能なネジ孔206Jが、上記した
ネジ孔14cに対応する平面投影位置に、図における上
下方向に貫通形成されている。さらに、側壁部200J
の図における底面には、LEDアレイ部11の周縁部を
収容かつ係止し、組立て用ネジ22によってLEDアレ
イ部11を取り付け可能な取付凹部201J(図12
(B)参照)が形成されている。同様に、側壁部200
Jの図における上面には、レンズアレイ部13Aの周縁
部を収容かつ係止し、組立て用ネジ22によってレンズ
アレイ部13Aを取り付け可能な取付凹部203Jが形
成されている。
【0113】有孔部材21Jは、金属材料又は合成樹脂
材料若しくはセラミックス材料等からなり、略直方体状
のブロック状部材に略「碁盤目」状の断面となるように
貫通する開口O2 を複数開設することにより形成され
る。また、開口O2 の内壁には、ツヤ消し塗料、例えば
ツヤ無し黒色塗料等が塗布されているので、入射した光
が反射されにくいようになっている。この有孔部材21
Jは、図示しないビスや接着剤等により、保持枠20J
の内部に保持される。あるいは、ダイキャスト法又はモ
ールド成型若しくは射出成型等により、この有孔部材2
1Jを、保持枠20Jと一体形成してもよい。
【0114】上記のように、有孔部材21Jは、保持枠
20J内においてLED15の光軸方向に延設するよう
に配設される。また、開口O2 は、すべて各LED15
の光軸上に位置するように設定されている。この場合、
ある光軸上で有孔部材21Jの開口O2 の縁を形成する
内壁面は、その光軸についての「単位光束規制部35
J」を構成している。したがって、光束規制部12J
は、単位光束規制部35Jが、アレイ状に複数(本実施
形態の場合は4行5列又は5行4列で合計20個)形成
された構成となっている。
【0115】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおける光束規制部12
Aと同様に、単位光束規制部35Jの作用により、第1
の利点として、この光射出装置が光無線通信LANの光
無線通信モデム等に使用された場合に、LEDから射出
された光が自己のモデムの受信部へ到達することが防止
されるため、イーサネットにおけるジャミングが防止さ
れ、光無線通信LANを構築した際のシステムの信頼性
が向上する。
【0116】また、第2の利点として、単位光束規制部
35Jの作用により、発光したLEDに隣接する光学ユ
ニット側へ射出光が漏洩することが防止されるため、ノ
イズ光混入が防止されており、光無線通信LANを構築
した際のシステムの信頼性がさらに向上する。
【0117】(9)第9実施形態 次に、本発明の第9実施形態について、図13を参照し
つつ詳細に説明する。図13は、本発明の第9実施形態
である光射出装置における他の光束規制部の構成を示す
図であり、図13(A)は斜視図を、図13(B)は光
射出方向に沿う方向から見た断面図を、図13(C)は
導光部材の構成を表す斜視図を、それぞれ示している。
【0118】図13に示すように、この第9実施形態の
光射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合と
同様のLEDアレイ部11と、レンズアレイ部13Aを
有し、第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異なる
構成と作用を持つ光束規制部12Kを備えて構成されて
いる。したがって、LEDアレイ部11及びレンズアレ
イ部13Aの構成及び作用の説明は省略し、主として光
束規制部12Kの構成及び作用について説明を行う。
【0119】図に示すように、この光束規制部12K
は、保持枠20Kと、有孔部材21Kと、導光部材23
を有して構成されている。保持枠20Kは、金属材料又
は合成樹脂材料若しくはセラミックス材料等からなり、
側壁部200Kを有している。側壁部200Kは、箱状
部材の図における上部及び下部が開放されることにより
形成された略「ロ」字状断面を有する部材である。
【0120】また、上記した側壁部200Kには、組立
て用ネジ22が螺合可能なネジ孔206Kが、上記した
ネジ孔14cに対応する平面投影位置に、図における上
下方向に貫通形成されている。さらに、側壁部200K
の図における底面には、LEDアレイ部11の周縁部を
収容かつ係止し、組立て用ネジ22によってLEDアレ
イ部11を取り付け可能な取付凹部201K(図12
(B)参照)が形成されている。同様に、側壁部200
Kの図における上面には、レンズアレイ部13Aの周縁
部を収容かつ係止し、組立て用ネジ22によってレンズ
アレイ部13Aを取り付け可能な取付凹部203Kが形
成されている。
【0121】有孔部材21Kは、金属材料又は合成樹脂
材料若しくはセラミックス材料等からなり、略直方体状
のブロック状部材に略円形断面となるように貫通する開
口O3 を複数開設することにより形成される。また、開
口O3 の内壁には、ツヤ消し塗料、例えばツヤ無し黒色
塗料等が塗布されているので、入射した光が反射されに
くいようになっている。この有孔部材21Kは、図示し
ないビスや接着剤等により、保持枠20Kの内部に保持
される。あるいは、ダイキャスト法又はモールド成型若
しくは射出成型等により、この有孔部材21Kを、保持
枠20Kと一体形成してもよい。
【0122】上記のように、有孔部材21Kは、保持枠
20K内においてLED15の光軸方向に延設するよう
に配設される。また、開口O3 は、各LED15の光軸
上に位置するように設定されている。
【0123】図13(C)に示すように、導光部材23
は、被覆部23aと導光部23bを有している。また、
導光部23bは、多数の光ファイバ23cを束ねて略円
柱状に形成したものである。被覆部23aは金属材料、
合成樹脂材料又はセラミックス材料等からなり、導光部
23bの周囲を被覆している。光ファイバ23cは、ガ
ラスや合成樹脂材料等の光学材料からなり、中心部のコ
ア(図示せず)と、コアを取り巻くクラッド(図示せ
ず)の2層構造で構成され、コアに入射された光がコア
とクラッドの境界面を反射しつつコア中を伝送されるよ
うに構成された光学部材である。
【0124】上記した側壁部200Kの内壁、及び開口
O3 の内壁には、略リング状の係止突起205Kが設け
られており、この係止突起205Kにより導光部材23
は開口O3 内で所定位置に支持される(図13(B)参
照)。このような構成により、LED15から射出され
た光L20は、光軸に平行な光束のみ図の上方に伝送さ
れ、光軸に斜め方向に入射した光は導光部材23内に入
射できないようになっている。この場合、ある光軸上で
有孔部材21Kの開口O3 の図における下方の縁を形成
する内壁面と、図における上方に配置された導光部材2
3は、その光軸についての「単位光束規制部35K」を
構成している。したがって、光束規制部12Kは、単位
光束規制部35Kが、アレイ状に複数(本実施形態の場
合は4行5列又は5行4列で合計20個)形成された構
成となっている。
【0125】このように構成されることによっても、第
1実施形態の光射出装置1Aにおける光束規制部12A
と同様に、単位光束規制部35Kの作用により、第1の
利点として、この光射出装置が光無線通信LANの光無
線通信モデム等に使用された場合に、LEDから射出さ
れた光が自己のモデムの受信部へ到達することが防止さ
れるため、イーサネットにおけるジャミングが防止さ
れ、光無線通信LANを構築した際のシステムの信頼性
が向上する。
【0126】また、第2の利点として、単位光束規制部
35Kの作用により、発光したLEDに隣接する光学ユ
ニット側へ射出光が漏洩することが防止されるため、ノ
イズ光混入が防止されており、光無線通信LANを構築
した際のシステムの信頼性がさらに向上する。
【0127】(10)第10実施形態 次に、本発明の第10実施形態について、図14を参照
しつつ詳細に説明する。図14は、本発明の第10実施
形態である光射出装置の全体構成を示す光射出方向に沿
う方向から見た断面図である。
【0128】図14に示すように、この第10実施形態
の光射出装置は、第1実施形態の光射出装置1Aの場合
と同様のLEDアレイ部11と、レンズアレイ部13A
を有し、第1実施形態の光射出装置1Aの場合とは異な
る構成と作用を持つ光束規制部12Lを備えて構成され
ている。したがって、LEDアレイ部11及びレンズア
レイ部13Aの構成及び作用の説明は省略し、主として
光束規制部12Lの構成及び作用について説明を行う。
【0129】図に示すように、この光束規制部12L
は、保持枠20Lと、複数段設けられた格子板材21L
1 ,21L2 ,…,21Ln を有して構成されている。
保持枠20Lの構成は、上記した第1実施形態の保持枠
20Aと同様である。
【0130】この第10実施形態の光射出装置の光束規
制部12Lが上記した第1実施形態の光射出装置1Aの
光束規制部12Aと異なる点は、格子板材21L1 等の
材質であり、他の構成は光射出装置1Aの光束規制部1
2Aと同様である。この格子板材21L1 等は、偏光子
(ポラライザ)によって形成されている。偏光子とは、
自然光や楕円偏光から直線偏光を抽出するための光学部
材である。偏光子としては、薄い合成樹脂シート等にヨ
ウ素等を配合させて吸着させるなどして偏光膜を作成
し、偏光膜の両面に保護部材として合成樹脂シートを接
着したものなどが挙げられる。
【0131】また、上記の格子板材21L1 等は、前後
する段の偏光子の直線偏光方向が互いに90°となるよ
うに設定されている。例えば、格子板材21L1 の直線
偏光方向角がθの場合、次の格子板材21L2 の直線偏
光方向角は(θ+90°)に設定され、次の格子板材2
1L3 の直線偏光方向角は(θ+180°)に設定され
ている。また、格子板材21L1 等の段数は偶数となる
ように設定されている。
【0132】したがって、LEDからある格子板材に光
が入射すると直線偏光されて出射する。しかし、次の格
子板材に到達した場合には、その光に対して偏光方向が
90°となっているから、光はそれ以上先へは進行でき
ない。この場合、ある光軸上で格子板材21L1 ,21
L2 ,…,21Ln の開口O4 の縁を形成する底面及び
内壁面の一部分の集合と、その光軸の基部の周囲の格子
枠部204Lは、その光軸についての「単位光束規制部
35L」を構成している。したがって、光束規制部12
Lは、単位光束規制部35Lが、アレイ状に複数(本実
施形態の場合は4行5列又は5行4列で合計20個)形
成された構成となっている。
【0133】上記のように構成されることによっても、
第1実施形態の光射出装置1Aにおける光束規制部12
Aと同様に、単位光束規制部35Lの作用により、第1
の利点として、この光射出装置が光無線通信LANの光
無線通信モデム等に使用された場合に、LEDから射出
された光が自己のモデムの受信部へ到達することが防止
されるため、イーサネットにおけるジャミングが防止さ
れ、光無線通信LANを構築した際のシステムの信頼性
が向上する。
【0134】また、第2の利点として、単位光束規制部
35Lの作用により、発光したLEDに隣接する光学ユ
ニット側へ射出光が漏洩することが防止されるため、ノ
イズ光混入が防止されており、光無線通信LANを構築
した際のシステムの信頼性がさらに向上する。
【0135】(11)その他の実施形態 次に、本発明のその他の実施形態について、図15を参
照しつつ詳細に説明する。図15は、本発明のその他の
実施形態である光無線通信モデムにおける光射出装置と
受光レンズの平面配置の例を示す図である。
【0136】上記した第1実施形態の光射出装置1Aを
利用した光無線通信モデム101A等(図5参照)にお
いては、光射出装置1Aと受光レンズ4とが互いに左右
に隣接する配置形態を例に挙げて説明を行ったが、本発
明では、従来例のように細いビーム光束にする必要はな
いため、光射出装置1Aの射出面の形状や、受光レンズ
との相互配置についても各種の配置が可能である。
【0137】例えば、図15(A)に示すように、受光
レンズ4Aの周囲に不連続的に、略正方形状にまとめて
4個の光射出装置1M1 ,1M2 ,1M3 ,1M4 のよ
うに配置して光無線通信モデム104を構成してもよ
い。あるいは、図15(B)に示すように、受光レンズ
4Aの周囲に連続的に、略角型の環状にまとめて1個の
光射出装置1Nのように配置して光無線通信モデム10
5を構成してもよい。そして、図15(C)に示すよう
に、受光レンズ4Aの周囲に連続的に、1列の略円環状
にまとめて1個の光射出装置1Pのように配置して光無
線通信モデム106を構成してもよい。または、図15
(D)に示すように、受光レンズ4Aの周囲に連続的
に、4列の略円環状にまとめて1個の光射出装置1Qの
ように配置して光無線通信モデム107を構成してもよ
い。さらに、図15(E)に示すように、受光レンズ4
Aの片側に、1列の直線状に1個の光射出装置1Rのよ
うに配置して光無線通信モデム108を構成してもよ
い。そのほか、図15(F)に示すように、受光レンズ
4Aの両側に、各3列の直線状に2個の光射出装置1S
1 ,1S2 のように配置して光無線通信モデム109を
構成してもよい。
【0138】上記において、光射出装置1A,1J〜1
L,1M1 〜1M4 ,1N,1P〜1R,及び1S1 〜
1S2 は、光無線通信用光射出装置に相当している。ま
た、LED15は発光素子に相当している。また、LE
Dアレイ部11は光射出手段に相当している。また、単
位レンズ部33A〜33E,及び単位回折格子部33F
は、光束制御素子に相当している。また、レンズアレイ
部13A〜13E,13G、及び回折格子アレイ部13
Fは、光束制御用光学部材に相当している。また、各L
EDの光軸の周囲を取り巻くような状態となっている単
位光束規制部35A,35J〜35Lは、光束規制素子
に相当している。また、光束規制部12A,及び12J
〜12Lは光束規制用光学部材に相当している。また、
光無線通信モデム101A,101B,102A〜10
2D,103A〜103D,及び104〜109は、光
無線通信装置に相当している。また、光射出装置1A,
1J〜1L,1M1 〜1M4 ,1N,1P〜1R,及び
1S1 〜1S2 は、送信手段に相当している。また、受
光レンズ4又は4Aと受光素子5と信号処理基板6,
は、受信手段に相当している。
【0139】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態及び各実施例は、例
示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的
思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏
するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範
囲に包含される。
【0140】例えば、上記各実施形態においては、発光
素子として、LEDを例に挙げて説明したが、本発明は
これには限定されず、他の構成の発光素子、例えば半導
体レーザ(レーザ・ダイオード)を使用してもよい。
【0141】また、上記各実施形態においては、発光素
子,光束制御素子,光束規制素子の数として20個のも
のを例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定され
ず、この個数は、一般にn個(n:自然数)であればよ
い。
【0142】また、上記各実施形態においては、光束制
御素子が行う光学作用として、レンズ作用(光の通過、
光の屈折)、光の回折を例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、他の光学作用、例えば、境界面
での全反射を含む光の反射を利用してもよい。一般に光
束制御素子が行う光学作用としては、光の通過及び屈折
及び反射及び回折のうちのいずれか又はこれらの適宜の
組合わせを含むものであればよい。上記の反射には散乱
も含まれる。また、上記の屈折には複屈折も含まれる。
【0143】また、上記各実施形態においては、光束規
制素子が行う光学作用として、光の通過、反射、屈折、
吸収、偏光を例に挙げて説明したが、本発明はこれには
限定されず、他の光学作用、例えば、光の回折を利用し
てもよい。一般に光束規制素子が行う光学作用として
は、光の通過及び反射及び屈折及び吸収及び偏光及び回
折のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合わせを含む
ものであればよい。上記の反射には、境界面での全反
射、及び散乱も含まれる。また、上記の屈折には複屈折
も含まれる。
【0144】また、上記各実施形態においては、光射出
手段(例えばLEDアレイ部11)における発光素子
(例えばLED15)の光軸方向の投影形状が略円形
で、各発光素子が均等に略碁盤目状に配置され並設され
た例について説明したが、本発明はこれには限定され
ず、他の投影形状の発光素子であってもよく、例えば、
発光素子の投影形状は、光の射出面をほぼ均等に分割可
能な形状であれば十分であり、正三角形、正方形、正六
角形等の多角形などの投影形状を有する発光素子であっ
てもよい。また、発光素子の配置パターンについても、
他のパターンであってもよく、例えば、「千鳥状」、
「市松状」、「円環状」等であってもよい。
【0145】また、上記各実施形態においては、光束規
制用光学部材(例えば光束規制部12A,12J〜12
L)における光束規制素子(例えば単位光束規制部35
A,35J〜35L)の光軸方向の投影形状として、格
子板材の場合には略正方形状の例、有孔部材単体の場合
には略正方形状の例、有孔部材と導光部材の組合わせの
場合には略円形状の例について説明したが、本発明はこ
れには限定されず、他の投影形状の光束規制素子であっ
てもよく、例えば、光束規制素子の投影形状は、光の射
出面をほぼ均等に分割可能な形状であれば十分であり、
正三角形、正方形、正六角形等の多角形、円形などの投
影形状を有する光束規制素子であってもよい。したがっ
て、例えば円形断面開口を有する格子板材、円形断面開
口を有する有孔部材等も利用可能である。さらに、光束
規制手段の壁面等の三次元的な形状を、図3(C)に示
すような非常に細長い略「球根」状、あるいは非常に細
長い略「ラグビーボール」状になるようにしてもよい。
また、光束規制素子の配置パターンについても、他のパ
ターンであってもよく、例えば、「千鳥状」、「市松
状」、「円環状」等であってもよい。
【0146】また、上記各実施形態においては、光束制
御用光学部材(例えばレンズアレイ部13A〜13E,
13G又は回折格子アレイ部13F)における光束制御
素子(例えば単位レンズ部33A〜33E,単位回折格
子部33F)の光軸方向の投影形状として、略正方形
状、及び略円形状の例について説明したが、本発明はこ
れには限定されず、他の投影形状の光束制御規制素子で
あってもよく、例えば、光束制御素子の投影形状は、光
の射出面をほぼ均等に分割可能な形状であれば十分であ
り、正n角形(n:自然数)などの投影形状を有する光
束規制素子であってもよい。また、光束制御素子の配置
パターンについても、他のパターンであってもよく、例
えば、「千鳥状」、「市松状」、「円環状」等であって
もよい。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
n個の発光素子が並設された光射出手段と、各発光素子
からの射出光を光無線通信に適した所定の光学性能を有
する光束となるように光学作用により制御する光束制御
素子がn個並設された光束制御用光学部材を備えたの
で、射出光は、各発光素子からの光波からなる平面波状
の光となる。したがって、個々の発光素子の光度が低く
ても、全体としては、大きな強度を持つ光を送出でき、
伝送距離等に応じた光強度の増強は、並設される発光素
子の個数を増やせばよい、という利点がある。したがっ
て、光無線通信用光射出装置が非常に低廉となり、小型
かつ軽量なものとすることができる。このため、光束を
細いビーム状にする必要がなく、光無線通信を行う場合
に、送信部光軸と受信部光軸との位置決めが容易であ
る、という利点もある。さらに、外部環境の温度変化や
振動によって設定光軸にズレが生じることがない、とい
う利点もある。また、送信手段と受信手段を有する光無
線通信装置であって2個互いに対向配置されることによ
り双方向光無線通信を行うように構成された光無線通信
装置において、射出光が自己の光無線通信装置の受信手
段へ到達しないように光学作用により規制する光束規制
素子がn個並設された光束規制用光学部材を光射出手段
と光束制御用光学部材との間に配設するようにすれば、
射出光の散乱光や反射光等が受信手段へ到達することが
防止されるので、イーサネットにおいてジャミングを防
止することができ、光無線通信LANを構築した際のシ
ステムの信頼性が向上する。さらに、隣接する光学ユニ
ット側へ射出光が漏洩することが防止されるので、ノイ
ズ光混入が防止され、光無線通信LANを構築した際の
システムの信頼性がさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である光射出装置の全体
構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す光射出装置のさらに詳細な構成を示
す光射出方向に沿う方向から見た断面図である。
【図3】図1に示す光射出装置に使用するLEDのさら
に詳細な構成及び作用を説明するための図であり、図3
(A)はLEDの全体構成を表す光軸方向に沿う方向か
ら見た断面図を、図3(B)は図3(A)に示すLED
におけるチップ付近のさらに詳細な構成を表す拡大断面
図を、図3(C)は図3(A)及び図3(B)に図示し
たLEDの発光光度の指向特性の例を、それぞれ示して
いる。
【図4】図1に示す光射出装置を備えた光無線通信モデ
ムを用いて構築された光無線通信LANの全体構成を示
す概念図である。
【図5】図4に示す光無線通信モデムのさらに詳細な構
成を示す図であり、図5(A)は斜視図を、図5(B)
は概念的ブロック図を、それぞれ示している。
【図6】本発明の第2実施形態である光射出装置におけ
る他のレンズアレイ部の構成を示す図であり、図6
(A)は斜視図を、図6(B)は光軸直角方向から見た
拡大断面図を、それぞれ示している。
【図7】本発明の第3実施形態である光射出装置におけ
るその他のレンズアレイ部の構成を示す図であり、図7
(A)は斜視図を、図7(B)は光軸直角方向から見た
拡大断面図を、それぞれ示している。
【図8】本発明の第4実施形態である光射出装置におけ
るさらにその他のレンズアレイ部の構成を示す図であ
り、図8(A)は斜視図を、図8(B)は光軸直角方向
から見た拡大断面図を、図8(C)は単位レンズ部にお
ける集光の原理を説明する概念図を、それぞれ示してい
る。
【図9】本発明の第5実施形態である光射出装置におけ
るさらにその他のレンズアレイ部の構成を示す図であ
り、図9(A)は斜視図を、図9(B)は単位レンズ部
の構成及び単位レンズ部における集光の原理を説明する
を示す拡大断面図を、それぞれ示している。
【図10】本発明の第6実施形態である光射出装置にお
ける回折格子アレイ部の構成を示す図であり、図10
(A)は斜視図を、図10(B)は光軸直角方向から見
た拡大断面図を、図10(C)は光の回折による集光の
原理を説明する概念図を、それぞれ示している。
【図11】本発明の第7実施形態である光射出装置にお
けるホログラムアレイ部の構成を示す図であり、図11
(A)はホログラムの原理を説明する概念図を、図11
(B)はホログラムレンズを作成する方法を説明する概
念図を、図11(C)はホログラムレンズの一例である
リップマンホログラムの構成を表す断面図を、図11
(D)は図11(C)に示すリップマンホログラムの改
良例の構成を表す断面図を、それぞれ示している。
【図12】本発明の第8実施形態である光射出装置にお
ける光束規制部の構成を示す図であり、図12(A)は
斜視図を、図12(B)は光射出方向に沿う方向から見
た断面図を、それぞれ示している。
【図13】本発明の第9実施形態である光射出装置にお
ける他の光束規制部の構成を示す図であり、図13
(A)は斜視図を、図13(B)は光射出方向に沿う方
向から見た断面図を、図13(C)は導光部材の構成を
表す斜視図を、それぞれ示している。
【図14】本発明の第10実施形態である光射出装置の
全体構成を示す光射出方向に沿う方向から見た断面図で
ある。
【図15】本発明のその他の実施形態である光無線通信
モデムにおける光射出装置と受光レンズの平面配置の例
を示す図である。
【符号の説明】
1A,1J〜1L,1M1 〜1M4 ,1N,1P〜1
R,1S1 〜1S2 光射出装置 4,4A 受光レンズ 5 受光素子 6 信号処理基板 7 コネクタ 8 筐体 11 LEDアレイ部 12A,12J〜12L 光束規制部 13A〜13E,13G レンズアレイ部 13F 回折格子アレイ部 14 LED装着基板 14a,14b LED装着用貫通孔 14c ネジ孔 15 LED 15a,15b リードフレーム 15c 凹部 15d LEDチップ 15e ボンディングワイヤ 15f 樹脂被覆部 16 配線 20A,20J〜20L 保持枠 21A1 ,21A2 ,21A3 ,…,21An 格子板
材 21L1 ,21L2 ,…,21Ln 格子板材 21J,21K 有孔部材 22 組立て用ネジ 23 導光部材 23a 被覆部 23b 導光部 23c 光ファイバ 30A〜30G 基板 31A,31B 凸部 31C 被処理部 31D ロッドレンズ部 31E フレネルレンズ部 31F 回折格子部 31G ホログラムレンズ部 32A,32B 凸部 33A〜33E 単位レンズ部 33F 単位回折格子部 34A〜34F ネジ孔 35A,35J〜35L 単位光束規制部 60 入出力インターフェイス 61 変調部 62 増幅部 63 駆動部 64 増幅部 65 復調部 100 光無線通信LAN 101A,101B 光無線通信モデム 102A〜102D,103A〜103D,104〜1
09 光無線通信モデム 111A,111B スイッチングハブ 112A,112B,113A,113B ハブ 121 サーバ 131A〜131H,132A〜132G クライアン
ト 151 P層 152 P−N接合 153 N層 154 P側電極 155 N側電極 200A,200J〜200L 側壁部 201A,201J〜201L 取付凹部 202A 取付溝 203A,203J〜203L 取付凹部 204A,204L 格子枠部 205K 係止突起 206A,206J〜206L ネジ孔 211K 係止突起 311E 凸部 311G ホログラム 312E,312F 凹部 312G 反射防止層 313G 反射防止層 401 レーザ光源 402 ビームスプリッタ 403 反射鏡 404 第1レンズ 405 反射鏡 406 第2レンズ 407 コリメータレンズ 408G 感光膜 B1 ,B2 ビルディング d 回折格子間隔 L,L。,L。′,L。”,L1 〜L20 光 n 屈折率 O1 〜O4 開口 P 干渉縞パターン R 再生波面 α スリット幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H04L 12/28

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報を含有する電気信号を光に変換する
    とともに前記変換された光内に前記情報を重畳させて射
    出する発光素子をn個(n:自然数)有し、前記n個の
    発光素子から射出される射出光の射出方向がそろうよう
    に前記n個の発光素子が並設されて構成された光射出手
    段と、 前記n個の発光素子の各々に対応して前記n個の発光素
    子の各々の前記射出方向の光軸上に配置されるとともに
    前記n個の発光素子の各々からの前記射出光を光無線通
    信に適した所定の光学性能を有する光束となるように所
    定の光学作用により制御し空間伝送路に射出する光束制
    御素子が前記n個並設された光束制御用光学部材を備え
    たことを特徴とする光無線通信用光射出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光無線通信用光射出装置
    において、 前記所定の光学性能を有する光束は、略平行光束である
    ことを特徴とする光無線通信用光射出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の光無線通
    信用光射出装置において、 前記所定の光学作用は、光の通過及び屈折及び反射及び
    回折のうちのいずれか又はこれらの適宜の組合わせを含
    むことを特徴とする光無線通信用光射出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の光無線通
    信用光射出装置において、 前記光無線通信用光射出装置は、送信手段と受信手段を
    有する光無線通信装置であって2個互いに対向配置され
    ることにより双方向光無線通信を行うように構成された
    光無線通信装置の送信手段に含まれ、かつ、 前記n個の発光素子の各々に対応して前記n個の発光素
    子の各々の前記射出方向の光軸上に配置されるとともに
    前記n個の発光素子の各々からの前記射出光が、前記受
    信手段へ到達しないように、特定の光学作用により規制
    する光束規制素子が前記n個並設された光束規制用光学
    部材が前記光射出手段と前記光束制御用光学部材との間
    に配設されることを特徴とする光無線通信用光射出装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の光無線通信用光射出装置
    において、 前記光束規制素子は、前記n個の発光素子の各々から対
    応する前記光束規制素子の各々に入射する前記射出光が
    他の射出光内に混入しないように、前記特定の光学作用
    のうちのいずれか又は適宜の組合わせを利用して規制す
    ることを特徴とする光無線通信用光射出装置。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5に記載の光無線通
    信用光射出装置において、 前記特定の光学作用は、光の通過及び反射及び屈折及び
    吸収及び偏光及び回折のうちのいずれか又はこれらの適
    宜の組合わせを含むことを特徴とする光無線通信用光射
    出装置。
  7. 【請求項7】 情報を含有する電気信号を光に変換する
    とともに前記変換された光内に前記情報を重畳させて射
    出する発光素子をn個(n:自然数)使用し、前記n個
    の発光素子から射出される射出光の射出方向がそろうよ
    うに前記n個の発光素子を並設し、 前記n個の発光素子の各々から入射する前記射出光を光
    無線通信に適した所定の光学性能を有する光束となるよ
    うに所定の光学作用により制御し射出する光束制御素子
    を前記n個使用し、前記n個の発光素子の各々に対応さ
    せて前記n個の発光素子の各々の前記射出方向の光軸上
    に前記光束制御素子を配置し、 前記光束制御素子の各々からの光を空間伝送路に射出す
    ることを特徴とする光無線通信用光射出方式。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の光無線通信用光射出方式
    において、 前記n個の発光素子は、送信手段と受信手段を有する光
    無線通信装置であって2個互いに対向配置されることに
    より双方向光無線通信を行うように構成された光無線通
    信装置の送信手段に含まれ、かつ、 前記n個の発光素子の各々からの前記射出光が前記受信
    手段へ到達しないように特定の光学作用により規制する
    光束規制素子を前記n個使用し、前記n個の発光素子の
    各々に対応させて前記n個の発光素子の各々の前記射出
    方向の光軸上でかつ前記発光素子と前記光束制御素子と
    の間に前記光束規制素子を配置することを特徴とする光
    無線通信用光射出方式。
  9. 【請求項9】 情報を含有する電気信号を光に変換する
    とともに前記変換された光内に前記情報を重畳させて射
    出する発光素子をn個(n:自然数)有し、前記n個の
    発光素子から射出される射出光の射出方向がそろうよう
    に前記n個の発光素子が並設されて構成された光射出手
    段に装着される光束制御用光学部材であって、 前記n個の発光素子の各々に対応して前記n個の発光素
    子の各々の前記射出方向の光軸上に配置されるとともに
    前記n個の発光素子の各々からの前記射出光を光無線通
    信に適した所定の光学性能を有する光束となるように所
    定の光学作用により制御し空間伝送路に射出する光束制
    御素子が前記n個並設されることを特徴とする光束制御
    用光学部材。
  10. 【請求項10】 情報を含有する電気信号を光に変換す
    るとともに前記変換された光内に前記情報を重畳させて
    射出する発光素子をn個(n:自然数)有し、前記n個
    の発光素子から射出される射出光の射出方向がそろうよ
    うに前記n個の発光素子が並設されて構成された光射出
    手段と、 前記n個の発光素子の各々に対応して前記n個の発光素
    子の各々の前記射出方向の光軸上に配置されるとともに
    前記n個の発光素子の各々からの前記射出光を光無線通
    信に適した所定の光学性能を有する光束となるように所
    定の光学作用により制御し空間伝送路に射出する光束制
    御素子が前記n個並設された光束制御用光学部材を備え
    た光無線通信用光射出装置に装着される光束規制用光学
    部材であって、 前記光射出手段は、送信手段と受信手段を有する光無線
    通信装置であって2個互いに対向配置されることにより
    双方向光無線通信を行うように構成された光無線通信装
    置の送信手段に含まれ、かつ、 前記光束規制用光学部材は、前記n個の発光素子の各々
    に対応して前記n個の発光素子の各々の前記射出方向の
    光軸上に配置されるとともに前記n個の発光素子の各々
    からの前記射出光が、前記受信手段へ到達しないよう
    に、特定の光学作用により規制する光束規制素子が前記
    n個並設され、かつ前記光射出手段と前記光束制御用光
    学部材との間に配設されることを特徴とする光束規制用
    光学部材。
  11. 【請求項11】 情報を含有する電気信号を光に変換す
    るとともに前記変換された光内に前記情報を重畳させて
    射出する発光素子をn個(n:自然数)有し、前記n個
    の発光素子から射出される射出光の射出方向がそろうよ
    うに前記n個の発光素子が並設されて構成された光射出
    手段と、 前記n個の発光素子の各々に対応して前記n個の発光素
    子の各々の前記射出方向の光軸上に配置されるとともに
    前記n個の発光素子の各々からの前記射出光を光無線通
    信に適した所定の光学性能を有する光束となるように所
    定の光学作用により制御し空間伝送路に射出する光束制
    御素子が前記n個並設された光束制御用光学部材を有す
    る送信手段と、 光束を受け入れるとともに前記受け入れた光束を電気信
    号に変換するとともに前記変換された電気信号から前記
    情報を抽出する受信手段を備えた光無線通信装置であっ
    て、 この光無線通信装置を2個互いに対向配置させ、一方の
    光無線通信装置の送信手段から送られた光束を他方の光
    無線通信装置の受信手段で受けることにより双方向の光
    無線通信を行うように構成されたことを特徴とする光無
    線通信装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の光無線通信装置にお
    いて、 前記n個の発光素子の各々に対応して前記n個の発光素
    子の各々の前記射出方向の光軸上に配置されるとともに
    前記n個の発光素子の各々からの前記射出光が、前記受
    信手段へ到達しないように、特定の光学作用により規制
    する光束規制素子が前記n個並設された光束規制用光学
    部材が前記光射出手段と前記光束制御用光学部材との間
    に配設されることを特徴とする光無線通信装置。
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