JPH10239254A - 粒子散乱分析方法及び装置,並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

粒子散乱分析方法及び装置,並びに半導体装置の製造方法

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JPH10239254A
JPH10239254A JP9041839A JP4183997A JPH10239254A JP H10239254 A JPH10239254 A JP H10239254A JP 9041839 A JP9041839 A JP 9041839A JP 4183997 A JP4183997 A JP 4183997A JP H10239254 A JPH10239254 A JP H10239254A
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particles
sample
particle
thin film
analysis
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JP9041839A
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English (en)
Inventor
Miyako Matsui
都 松井
Fumihiko Uchida
史彦 内田
Yoshio Kawamura
喜雄 河村
Takafumi Tokunaga
尚文 徳永
Kiyomi Katsuyama
清美 勝山
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】イオン散乱法を用いた表面分析法における試料
表面のチャージアップの問題を防ぎ、特に、半導体装置
等の微細な表面構造をもった試料や誘電体等の絶縁物試
料の表面を高分解能で分析可能にすること。 【解決手段】試料8表面のチャージアップを防止するた
めに、入射イオンビーム20を薄膜6中を通過させるこ
とによって中性化し、得られた中性粒子のみを試料8表
面に入射させる。試料8表面からの後方散乱粒子23の
検出器10までの飛行時間を測定を測定して、後方散乱
粒子23のエネルギーを測定し、該エネルギー値から試
料表面原子の質量を求める。 【効果】試料入射粒子を中性粒子としたことにより、試
料表面のチャージアップの問題を解消でき、複雑な表面
パターンをもった試料でも高分解能で表面分析できる。
また、半導体装置の製造過程におけるウエハ表面のダメ
ージを常に分析把握可能となり、不良素子の製造を最小
限に抑えて、高性能な半導体装置を高い歩留まりで生産
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体装置等の微
細な表面構造を持った試料の表面分析技術に関するもの
で、特に、半導体装置表面に設けられたコンタクトホー
ル等の深穴の穴底の組成分析,結晶構造解析に有効な分
析方法、およびその方法を実施するための分析装置、並
びにこれらの分析方法および分析装置による表面分析技
術を用いた半導体装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、Si半導体装置の益々の高集積
化,高微細化に伴って、その製造工程中でのウエハ表面
の汚染やダメージが、装置性能を低下させる重大な要因
となってきており、これら汚染やダメージについて適確
に分析評価することのできる表面分析技術の開発が要請
されている。しかし、Si半導体装置製造工程中におけ
るウエハは、その表面の微細なパターンや凹凸構造のた
め、表面状態を適確に分析評価することは難しい。特
に、ドライエッチング工程等で導入されるコンタクトホ
ールの穴底の汚染やダメージの状態を詳しく観察するこ
とは、これまで至難とされてきた。
【0003】従来より、試料表面分析の一手法としてイ
オン散乱法が用いられてきた。このイオン散乱法には、
試料表面の組成分析及び結晶構造解析を同時に行なうこ
とができると云う特徴がある。この方法では、入射イオ
ンとして数keVのイオンを用いることにより、試料
(結晶)表面を原子層レベルで分析することができる。
特に、試料表面で180度後方散乱された粒子を検出す
ることにより、結晶成長やエッチングの進行に伴い変化
しつつある表面組成や表面結晶構造をその場観察するた
めの有用な分析方法として、近年、その研究開発が進め
られている。この方法は、試料表面からの180度後方
散乱粒子を検出しているので、半導体装置基板(ウエ
ハ)表面の凹凸や深穴の分析にも有用視されている。
【0004】従来の低エネルギーイオン散乱分析装置の
概略構成を図2および図3に示す。図2の装置では、青
野らによる文献: ニュークリア インスツルメント ア
ンドメソード イン フィジックス リサーチ;1992
年,巻B64,頁29〜37(Nuclear Instrument and
methods in Physics Reserch; vol.B64 (1992) pp.29-3
7)に開示されているように、イオン源1からのイオンビ
ームを、チョッピングプレート15によってパルス化
し、イオンビーム収束機構2を介して試料8表面に入射
させ、入射方向に対して180度後方に散乱された粒子
の飛行時間および粒子数を検出器10により測定してい
る。ここでは、試料8表面からの180度後方散乱粒子
のうちのイオン粒子が、加速管38により加速されて検
出器10に入射し検出される。
【0005】また、図3の装置では、特開平3−285
243号公報に開示されているように、イオン源1から
放出されてチョッピングプレート15によりパルス化さ
れたイオン粒子を磁場プリズム16で偏向して試料8表
面に入射させ、180度後方に散乱された粒子のうちの
中性粒子の飛行時間および粒子数を検出器10で測定し
ている。また、試料8表面からの後方散乱粒子のうちの
イオン粒子は磁場プリズム16によって偏向されて位置
分解能を有する検出器17に入射し、該検出器によって
検出位置毎に検出粒子数が測定される。なお、同図中、
12は後方散乱された中性粒子の飛行時間を測定するた
めの時間計数器、18は後方散乱粒子のエネルギー測定
のためのタイミング調整機構、19は後方散乱イオン粒
子のエネルギー測定のための波高分析器、37は後方散
乱粒子のエネルギー測定のための制御用コンピュータ、
46は後方散乱イオン粒子のエネルギー測定のための時
間計数器である。
【0006】図4に、従来の中性ビーム表面分析装置の
概略構成を示す。図4の装置では、左右田らによる文
献: ニュークリア インスツルメント アンド メソード
インフィジックス リサーチ; 1986年,巻B1
5,頁114〜121 (NuclearInstrument and method
s in Physics Reserch; vol.B15 (1986) pp.114-121)
に開示されているように、Heガス41を導入してある
衝突室39中にイオン源1からのHeイオンを入射させ
ることにより中性He粒子ビームを生成させ、この中性
He粒子ビームを分析室40内の試料8表面に入射させ
て、試料表面からの散乱イオン粒子を静電型エネルギー
分析器42でエネルギー分析して検出している。衝突室
39中で中性化されなかった残存Heイオンは、偏向電
極43によって中性He粒子ビーム中から分離除去され
る。なお、イオン源1室および分析室40は、それぞれ
衝突室39から差動排気されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図2,図3
に示した従来技術には、次のような問題点がある。すな
わち、これら従来技術ではイオンを用いて(試料表面に
イオンを照射して)分析を行なっているため、試料表面
が絶縁物である場合には、該絶縁物表面がチャージアッ
プしてしまうため正確な分析が困難である。特に、半導
体装置の表面を分析する場合には、その表面に微細な絶
縁膜パターンが形成されているため、絶縁膜表面部分へ
の局所的なチャージアップによって入射イオンが複雑な
影響を受けるため正確な分析結果を得ることができな
い。例えば、図5の(a)に示すように、試料(半導体装
置)8表面に形成されたコンタクトホール45の内部(底
部)を分析する場合には、絶縁膜(レジスト膜,酸化膜
等)22の表面が入射イオン20からの電荷でチャージ
アップし、等電位線21で示すような電界が形成され、
該電界によって入射イオン20の軌道が曲げられてしま
うため、コンタクトホール45の内部の分析は困難であ
る。また、入射イオンとしてHe等の希ガスイオンを用
いる分析装置では、直径が 0.1ミクロン以下のビーム
を形成することが困難であるので、それよりもさらに微
細な表面パターンを有する半導体装置の表面分析は困難
である。さらにまた、図5の(b)に示すように、コンタ
クトホール45等の深穴の底部を分析する場合には、図
2の従来装置構成では、検出器10の中央部に入射イオ
ン20を通過させるための開口が設けられているので、
深穴の穴底で散乱されて穴外に放出された粒子23のう
ちの大部分は、この中央開口を通り過ぎてしまって実際
には検出されないので、検出感度および検出精度が低下
すると云う問題がある。
【0008】また、図4の装置では、入射Heイオンを
中性化するために衝突室39にHeガス41を導入して
いる。しかし、この装置では、高速で差動排気を行なう
ことによってイオン源1および試料8の周囲空間を高真
空に保つ必要があるために、装置全体が大規模なものに
なるという問題がある。ここで、差動排気負荷を軽減す
るために衝突室39内のHeガス圧を低くすると、入射
HeイオンとHeガス41との衝突確率が低くなり微量
の中性He粒子ビームしか得られなくなって、分析効率
が上がらないと云う問題が生じる。
【0009】さらに、イオン散乱法では、散乱強度が入
射イオンの入射角度によって大きく変化するので、試料
の角度調整を高精度に行なわなければならない。このた
め、従来のイオン散乱法では、試料の角度調整に時間が
かかると云う問題がある。
【0010】また、現在の半導体装置製造プロセスで
は、予め決められた所定条件下で各種の処理が行なわれ
ているが、例えば、ドライエッチングプロセスでは、製
造装置の経時変化等の時間依存要因が大きく、またプラ
ズマを用いたドライエッチングプロセスでは、エッチン
グガスの状態が、把握および制御の難しいプラズマ状態
に大きく依存するので、上記したような所定条件下での
処理を行なったのでは、製造された半導体装置の性能が
ばらついたり、不良となることがあると云う問題があ
る。また、半導体装置の製造途中に製造装置等に異常が
発生した場合でも、完成品の検査工程でしかその異常を
発見できないため、それまでに多量の不良品を製造して
しまうと云う問題点がある。
【0011】従って、本発明の目的は、半導体装置等の
微細な表面構造を持った試料の表面分析に適した分析技
術を提供することであり、特に半導体装置表面に設けら
れたコンタクトホール等の深穴の底部の組成分析,結晶
構造解析に有効な分析方法、およびその方法を実施する
ための分析装置を提供することである。本発明の他の目
的は、これらの分析方法および分析装置による表面分析
技術を用いた歩留まりの高い半導体装置の製造方法提供
することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明によれば、イオン源からイオン粒子を放出さ
せる段階,上記イオン源から放出された上記イオン粒子
を中性化することによって中性粒子を生成させる段階,
上記中性粒子生成段階により生成された上記中性粒子を
試料表面に入射させる段階,および、上記試料表面への
上記中性粒子の入射により上記試料表面から散乱された
粒子のうち、上記試料表面への上記中性粒子の入射方向
とは180度反対方向に後方散乱された粒子を検出する
段階とを含んでなる粒子散乱分析方法が提供される。す
なわち、本発明では、前述した試料表面のチャージアッ
プの影響をなくして分析を行なうために、試料への入射
イオンを中性化して中性粒子としてからこの中性粒子を
試料表面に入射させるようにして、上記のチャージアッ
プを防止している。なお、上記中性粒子生成段階では、
上記イオン源からの上記イオン粒子を薄膜中に入射させ
て該薄膜中を通過させることによって上記イオン粒子を
中性化して上記中性粒子を生成させるものとすることが
できる。また、上記薄膜は結晶性の薄膜であることが望
ましく、その場合、該結晶性薄膜中への上記イオン粒子
の入射方向が、上記結晶性薄膜の結晶軸方向と平行に設
定されるのがより望ましい。さらに、上記中性粒子を試
料表面に入射させる段階では、上記イオン中性化用薄膜
中を通過して得られた中性粒子中から残留イオン粒子を
分離除去してから試料表面に入射させるようにするのが
望ましい。
【0013】また、本発明によれば、イオン粒子を放出
するイオン源,上記イオン源からの上記イオン粒子を中
性化して中性粒子を生成する中性粒子生成手段,上記中
性粒子生成手段により生成された上記中性粒子を被分析
試料の表面に入射させる中性粒子入射手段,および、上
記中性粒子入射手段による上記試料表面への上記中性粒
子の入射によって上記試料表面から散乱された粒子のう
ち、上記試料表面への上記中性粒子の入射方向とは18
0度反対方向に後方散乱された粒子を検出する散乱粒子
検出手段とを含んでなる分析装置が提供される。つま
り、本発明では、前述した試料表面のチャージアップの
影響をなくして分析を行なうために、入射イオン偏向用
の偏向プリズムと試料との間に入射イオンを中性化して
中性粒子を生成するための中性粒子生成手段を設け、該
中性粒子生成手段により生成された中性粒子を試料表面
に入射させるようにすることによって、上記した試料表
面のチャージアップを防止している。ここで、上記中性
粒子生成手段は、上記イオン源からの上記イオン粒子を
薄膜中に入射させて該薄膜中を通過させることにより上
記イオン粒子を中性化して上記中性粒子を生成するもの
とすることができる。また、上記薄膜は結晶性の薄膜で
あることが望ましく、その場合、該結晶性薄膜中への上
記イオン粒子の入射方向は、上記結晶性薄膜の結晶軸方
向と平行に設定されることがより望ましい。より具体的
には、この中性粒子生成手段は、イオン中性化用結晶性
薄膜と、該結晶性薄膜により得られた中性粒子中から残
留イオン粒子を分離除去するためのフィルタとで構成す
ることができる。上記のイオン中性化用薄膜は、該薄膜
中に入射したイオン粒子が薄膜中を通過する間に該イオ
ン粒子を中性化して、中性粒子として出射させる機能を
有するものである。また、エネルギー分解能を上げるた
めには、入射イオンが上記結晶性薄膜中を通過する際に
放出される二次電子を検出する手段と、この二次電子検
出手段によって二次電子が検出された時点から、上記散
乱粒子検出手段によって試料表面からの後方散乱粒子が
検出される時点までの時間を計測することによって上記
後方散乱粒子のエネルギー分析を行なうエネルギー分析
手段とがさらに付設されてなるのが望ましい。また、半
導体ウエハ表面上のコンタクトホール等の、特に微細な
穴パターンの底面を分析するために、微細パターン状に
穴の開いたマスクをウエハ表面上に重ねて配置し、それ
によって入射粒子が穴底のみに入射するように配慮する
のがより望ましい。さらに、試料の角度調整を簡便に行
なうためには、レーザ光を用いて試料の角度計測を行な
って該試料の角度調整を行なう機構を設けるのが望まし
い。
【0014】また、本発明によれば、半導体装置製造過
程におけるドライエッチング工程後のウエハの表面状態
を観察・検査するために、上記した分析方法および/ま
たは分析装置を用いて上記ウエハの表面分析を行なう表
面分析工程と、その分析結果に基づいて上記ウエハの表
面のダメージ層を除去処理する工程とを付加してなる半
導体装置の製造方法が提供される。また、上記した表面
分析工程と、その分析結果に基づいて上記のドライエッ
チング工程におけるエッチング条件を微調整を行なうエ
ッチング条件調整工程とを付加して半導体装置の製造方
法とすることもできる。このように、半導体装置製造過
程におけるウエハの表面状態を精度良く分析して、該分
析結果に基づいて、即座にウエハ表面のダメージ層の除
去処理を行なったり、エッチング条件の微調整を行なう
ことによって、極めて歩留まりの高い半導体装置製造を
実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、図面を参照して詳細に説明する。
【0016】図1に、本発明の一実施例になる粒子散乱
分析装置の概略構成を示す。イオン源1から射出された
He,Ne,Ar等のイオンビーム20は、ビーム収束
機構2,デフレクタ3,スリット4を介して収束および
軸調整された上で、プリズム5により偏向されてイオン
中性化用の薄膜6中に入射する。入射イオン粒子は、薄
膜6中を通過することによりその殆どが中性化されて中
性粒子となる。薄膜6を通過する際中性化されずに残っ
た少量のイオン粒子は、電磁場を用いたフィルタ7によ
って中性粒子流中から分離され、エネルギー分析器14
によってエネルギー分析された上で、検出器14によっ
て検出される。一方、中性粒子は、フィルタ7を通過し
て、試料台9上に載置された試料8の表面に入射する。
この入射中性粒子は、試料8表面層の原子によって散乱
される。散乱粒子23のうち、入射中性粒子の入射方向
と反対方向(180度後方)に散乱された粒子(180
度後方散乱粒子)が、検出器14によって検出される。
すなわち、散乱粒子23中の中性粒子は、フィルタ7お
よびプリズム5を通過して検出器10に入射し検出され
る。また、散乱粒子23中のイオン粒子は、フィルタ7
により偏向されて、中性散乱粒子流中から分離除去され
る。また、試料6への入射中性粒子が薄膜6を通過して
から試料6からの散乱中性粒子が検出器10に到達し検
出されるまでの時間(中性粒子の飛行時間)が、時間計
数器12により測定される。この飛行時間の測定方法に
ついては、後程詳しく述べる。
【0017】He等の希ガスイオンが薄膜中に入射する
と、入射イオン粒子のほぼ100%が中性化されること
が先の左右田ら文献に報告されている。入射イオン粒子
は、薄膜6中を通過する際に、中性化されると同時に、
薄膜6中の原子あるいは電子との相互作用によってその
エネルギーを失う。例えば、入射イオンのエネルギーを
E0,薄膜の厚さをd,イオンが微少距離dxを通過す
る間に失うエネルギーをdEとすると、薄膜通過後の中
性化粒子のエネルギーE1は、 −dE/dx=(E0−E1)/d ・・・・・ (1) となる。つまり、薄膜通過後の中性化粒子のエネルギー
E1は、薄膜の厚さdの増大に従って小さくなる。ま
た、薄膜が厚くなるに従って通過後のエネルギーのばら
つきも大きくなるので、薄膜厚dは薄く、均一にする必
要がある。従って、薄膜6としては結晶性(多結晶や単
結晶)の薄膜を用いることが望ましく、それによって高
品質のイオン中性化用薄膜を容易に製造できる。特に、
炭素(C)系の薄膜を用いると、低密度で平坦な膜が容易
に製造できると云う特長がある。この薄膜が結晶性薄膜
の場合には、薄膜内でのエネルギー損失をより小さくす
るために、エネルギー損失のより小さい結晶軸の方向に
入射イオンを入射させることがより望ましい。また、薄
膜材料として原子番号の大きい物質を用いる程薄膜中で
失われるエネルギーが大きくなるので、炭素(C)やベリ
リウム(Be)等の軽元素系の物質を用いることが望まし
い。Ziegler等によって導出された物質中でのイ
オンのエネルギー損失を表わす式を用いて、入射イオン
としてHeイオンを用いた時の、C膜およびBe膜中で
の厚さ1nm当りに失われるエネルギーを計算した結果
を図15の(a)に示す。また、同図の(b)には、薄膜中
で失われるエネルギーΔEが入射エネルギーE0に対し
て10%,50%になる薄膜厚さを計算した結果を示
す。この図より、例えば、入射エネルギーE0が100
keVのHeイオンを用いて、ΔE/E0を10%以下
にするためには、厚さ30nm以下のC膜を用いれば良
いことがわかる。なお、図15に示す計算例では、密度
2.26 g/mlの結晶性C膜を用いているので、これ
よりさらに低密度の結晶性C膜を用いれば、上記よりさ
らに厚い膜でも用いることができる。
【0018】以上述べたような性質を持つ薄膜6は、分
析装置の稼働中あるいは調整中に、入射イオン粒子の衝
撃により少しづつ損傷を受けるが、例えば、薄膜6を試
料台9を介して試料冷却手段40により冷却すること
で、この損傷程度をより小さく抑えることができる。ま
た、薄膜6を冷却することで、薄膜6を構成する原子の
熱振動を抑えることができるので、入射イオンあるいは
試料8表面で散乱(反射)された粒子が薄膜6を透過する
確率を増大させることができ、検出効率を高めることが
できる。
【0019】また、フィルタ7により偏向され検出器1
4に向かうイオン粒子のエネルギー分析手段13を設け
て上記イオン粒子のエネルギーを測定することにより、
薄膜6を通過して試料8に入射する中性粒子の入射エネ
ルギーを正確に把握することができ、それにより薄膜6
の入射イオン衝撃による膜厚変化や特性変化をモニタリ
ングすることができる。また、試料8表面からの散乱中
性粒子は再び薄膜6を通過してさらにエネルギーを失っ
てから検出器10により検出される。従って、上記した
薄膜6の膜厚変化や特性変化のモニタリングを可能とす
ることにより、検出器10での検出粒子のエネルギー値
から試料8表面で散乱された直後の散乱粒子のエネルギ
ー値を高精度に求めることができる。さらに、薄膜6の
特性が著しく悪化して所望の計測が困難になった場合に
は、薄膜6の位置を変えることにより薄膜6に対する中
性粒子の入射位置を別の新しい位置に変えるなどの対策
を施すことも可能である。さらにまた、イオン衝撃によ
る薄膜6の特性変化をより小さく抑えるためには、一定
時間毎に薄膜6の位置を移動させて、薄膜6表面上での
イオン粒子入射位置を変化させるのも効果的である。
【0020】検出器10で検出される散乱中性粒子のエ
ネルギー値の測定は、入射イオンが薄膜6中を通過した
時点から試料8表面からの後方散乱粒子が検出器10に
到達し検出される時点までの時間(飛行時間)を測定す
ることによって行なわれる。試料8表面への入射中性粒
子が試料8表面に衝突してから試料8表面からの後方散
乱粒子が検出器10に到達するまでの時間(飛行時間)T
は、試料8表面で散乱された直後の後方散乱粒子のエネ
ルギー値をE’、後方散乱粒子の質量をM0、試料8か
ら検出器10までの距離(飛行距離)をLとすると、 T=L/(2E’/M0)1/2 ・・・・・ (2) で示される。ここで、後方散乱粒子のエネルギーE’
は、入射粒子のエネルギーをE、試料表面原子の質量を
M1とすると、 E’=[(M1−M0)/(M1+M0)]2×E ・・・・・ (3) で示される。従って、後方散乱粒子の飛行時間Tを測定
して、コンピュータ37によって、上記(1),(2),
(3)式の関係に基づいて後方散乱粒子のエネルギー値
E’を計算して求め、さらには、求めたエネルギー値
E’から試料表面原子の質量数M1を求めることができ
る。ここでは、薄膜6への入射イオン粒子が薄膜6を通
過する際に放出される二次電子を検出器11で検出し
て、その検出信号を上記飛行時間測定のためのスタート
信号として用いている。この場合には、二次電子検出器
11で薄膜6からの放出二次電子量をモニタすることが
できるため、薄膜6中への入射イオン粒子量(イオン電
流)を正確に測定することができるようになり、試料8
表面での後方散乱粒子の散乱強度測定の誤差を軽減する
ことができると云う特長がある。また、図6に示すよう
に、試料8の上方に二次電子検出器11’を設置して試
料8表面に中性粒子が衝突した際に放出される二次電子
を検出し、この検出信号を上記の飛行時間測定のための
スタート信号として用いるようにしてもよい。この場合
には、試料8表面の二次電子像を画像表示させることに
より、試料8の表面形状を同時に観察することができる
特長がある。また、これら二次電子検出器11,11’
による二次電子の検出効率を高めるために、薄膜6と検
出器11との間,試料8と検出器11’との間に、電圧
を印加されたグリッドや磁石などを用いた二次電子集束
機構(図示省略)を設けてやることもできる。
【0021】なお、上記の実施例では、試料表面からの
反射粒子(後方散乱粒子)の飛行時間計測に際して、該反
射粒子が検出器10で検出されるまでの時間を計測して
いるが、この他に、試料表面からの反射粒子が薄膜6に
逆方向から入射する際に放出される二次電子を検出し、
該二次電子検出信号を飛行時間計測のためのストップ信
号として用いてもよい。この場合には、入射イオン粒子
が薄膜6中を通過してから試料8上で反射されて再び薄
膜6中に入射するまでの時間(飛行時間)を計測すること
になる。この方法では、反射(散乱)粒子の飛行距離が短
くなるために、その分計測分解能は低下するが、上記の
飛行距離内に試料からの反射(散乱)粒子が薄膜6中を通
過しないですむので、反射(散乱)粒子の検出効率が大き
くなり、また、測定時間が短くなる利点がある。なお、
薄膜6の厚さの均一性が悪い場合には、むしろこの方が
計測分解能を向上できる。
【0022】図2の従来装置では、試料8への入射イオ
ンビームをチョッピングプレートでパルス化し、チョッ
ピングプレート15から試料8表面までの入射イオン粒
子の飛行時間と試料8表面から検出器10までの散乱粒
子の飛行時間とを合わせ測定して散乱粒子のエネルギー
分析を行なっていた。かかる従来の飛行時間計測方法で
は、飛行時間計測の分解能が入射イオンのパルス幅に依
存しているので、入射イオンとしてHe等のガスイオン
を用いた場合には、精々10ns程度の分解能を得るの
が限界であった。しかし、上記した本発明の方法を用い
ることにより、入射イオンをパルス化する必要がなくな
り、さらに、分解能は検出器10の応答速度によって決
定されるので、数ns以下の高い分解能を得ることがで
きる。
【0023】本発明による中性化粒子ビームを用いた表
面評価方法において、入射イオンをパルス化する方法を
用いて、試料からの散乱粒子のエネルギー分析を行なう
場合の一実施例を図7に示す。本実施例では、イオン源
1からの入射イオンビームをチョッピングプレート15
でパルス化し、チョッピングプレート15から検出器1
0までの粒子の飛行時間を測定している。この場合、イ
オン源1からのイオンビームは薄膜6を通過することに
よって中性粒子に変換されてから試料8に入射し、試料
8からの散乱粒子が検出器10によって検出されるが、
上記入射イオンビームが薄膜6に入射した際に、薄膜6
によって180度後方散乱された粒子も検出器10によ
って検出される。そこで、薄膜6からの後方散乱粒子の
検出信号と試料8からの後方散乱粒子の検出信号とが重
ならないように薄膜6と試料8との間の距離y1 を設定
することにより、飛行時間測定の分解能を上げて分析精
度を向上させることができる。
【0024】以上述べたように、本発明によれば、試料
への入射イオンを中性化することによって、表面に絶縁
体層や絶縁体パターンを有する試料表面のチャージアッ
プを防ぎ、分析精度を向上させることができる。また、
入射イオンを中性化するための手段として、入射イオン
を薄膜中を通過させることによって中性化する方法を採
ることにより、入射イオンの中性化効率を上げ、分析効
率を向上させることができ、かつ分析装置の小型化が容
易となると云う利点が得られる。
【0025】以下に、本発明を利用してのSi半導体装
置のコンタクトホール底面等の特に面積の小さい部分の
測定法に関する実施例を示す。第1の実施例は、図8に
示すように、リソグラフィー工程でパターンを転写する
際に用いたマスク24を試料8表面上方に設置して分析
を行なう例である。マスク24の表面に導電性の薄膜2
5を設けることによって、入射イオンを中性化しなくて
も、チャージアップを防いで分析することができる。イ
オン源1からのパルス化されたイオンビームをマスク2
4表面に垂直に照射し、マスク24の開口部を通過した
イオンビームを試料8表面に垂直に入射させると、マス
ク24上で180度後方散乱された粒子および試料8上
で180度後方散乱された粒子が、共に検出器10に到
達する。マスク24表面からの後方散乱粒子の検出信号
と試料8表面からの後方散乱粒子の検出信号とは、パル
ス化イオンビームのパルス化条件とマスク24表面と試
料8表面との間の距離y2 とを適当に設定することによ
り、互いに重ならないように分離して検出することがで
き、エネルギー分析の精度を向上させることが容易とな
る。また、試料8表面(コンタクトホール穴底)の元素と
は質量数が大きく異なる元素からなる薄膜25をマスク
24上に被着させておくことにより、マスク24からの
信号と穴底からの信号とのスペクトル分離が容易にな
り、測定精度が向上する。なお、チャージアップを防ぐ
ため、薄膜25は導電性であることが望ましい。このマ
スク24を用いた分析の場合、試料8とマスク24の位
置合わせおよび角度合わせのために、合わせ用マーク3
0を用いることが望ましい。このマスク24には、例え
ば等倍露光のリソグラィーで用いられるマスクをそのま
ま流用可能である。
【0026】なお、サブミクロン以下のパターンについ
ては、専用マスクを作成することが望ましい。図9に、
この専用マスクの作成手順の一例を示す。まず、100
ミクロン程度の厚さのSi等のマスク本体24の片面側
に金属や半導体の薄膜25を形成する。薄膜25は、分
析評価を行なうべき試料表面元素とは質量数の大きく異
なった元素から構成されている。測定時には、薄膜25
が形成された面が入射イオン源側に向くように設置され
る。図8の装置構成において、例えば、試料8表面のS
iを評価する時には、マスク24上の薄膜25としては
Cr等の比較的重元素材料を用い、GaやAsを評価す
る時には、Al等の比較的軽元素材料を用いることが望
ましい。次いで、図9の薄膜25と反対側の面にレジス
ト26を塗布し、ホトリソグラフィーで露光・現像して
エッチング用のレジストマスクを作成し、その後、この
レジストマスクを介してマスク本体をサブミクロン程度
の厚さを残してエッチングする。さらに、電子線描画リ
ソグラフィー技術を用いて同様にサブミクロン径の微細
ホール27を作成する。この場合、レジストマスク材料
として特にリソグラフィー技術分野で用いられているポ
リメチルメタアクリレートを用いると、微細なパターン
作成が容易となる。
【0027】また、図10には、2枚以上のマスクを重
ねてパターン状のビームを形成する場合の一実施例を示
す。Si等のマスク材料では、結晶方位を適切に選択・
設定することにより平行なラインパターンを形成するこ
とが容易であるので、第1のラインパターンマスク28
と第2のラインパターンマスク29とを別々に作り、両
マスクのラインパターンが互いに直交するように配置す
ることで、2次元配列された複数の角型パターンを作る
ことができる。この場合にも、上記実施例にて述べたよ
うに、2枚のマスク28,29上には、それぞれ導電性
の薄膜をつけることが必要である。寸法の違ういくつか
のマスクを用意すれば、2枚のマスクの組み合わせや交
差角度を適切に設定することにより、試料表面のパター
ンに合わせた対応が可能となる。
【0028】0.5ミクロン程度までのテスト用ライン
パターンの計測には、上述した図8に示した実施例が有
効であるが、0.1ミクロンオーダの微細パターンや形
状の複雑なパターンの計測に際しては、専用マスクと被
測定試料とのアライメントが難しくなる。これを解決す
る方法として、次の2つの手法を示す。
【0029】第1の手法は、スペクトル分離法である。
イオンビーム径は0.1mm程度であるために、そのビ
ーム径内に存在する複数パターンからの複合的な情報が
観察される。既知の表面材質に関して、そのイオン散乱
スペクトルを予めパターンのない試料(ウエハ)で計測す
ることができる。そこで、実際にパターンの存在する試
料について得られた測定スペクトルを、この予め求めた
パターンのない試料についての測定スペクトルと比較演
算処理することにより、パターン穴底等の微細部の散乱
スペクトルを分離して求めることが可能となる。
【0030】第2の手法は、測定に適した専用パターン
のウエハを用いる方法である。パターン表面をメタルで
覆うことによって、図11に示すように、穴底35のS
iや有機物についての信号をメタル表面36についての
信号からスペクトル分離して測定することができる。こ
れは、散乱表面の構成材料が重い元素である程散乱後の
エネルギが大きいと云うイオン散乱法の性質を利用した
ものである。ここで、表面36に用いるメタルの条件
は、試料(Si)による散乱エネルギEsiとメタルによる
散乱エネルギーEmtとのエネルギ差Egが大きく、かつ
メタルのピーク幅Ewが小さいことが望ましい。Egは
メタルの原子量から、Ewはメタルの厚さdとメタル中
でのイオンのエネルギ損失能から算出できる。Siプロ
セスと整合性の良いタングステンW,タンタルTa,モ
リブデンMoについてのEgを計算すると、それぞれ6
10eV,608eV,468eVである。また、例え
ば2KeVに加速されたHeイオンの上記したW,T
a,Mo中での損失能は、それぞれ4.4,5.3,
7.4eV/Åであることから、EwとEgが等しくな
るメタル膜厚d0はそれぞれ69,58,31Åとな
る。従って、メタル膜厚dはこれらのd0値よりも小さ
いことが必要である。しかしながら、現在の実用プロセ
スにおいて作成可能な最小膜厚の実績は、Wでは200
Å程度であり、これは必要とされる上限膜厚d0を大き
く上回っている。一方、Taの最小膜厚実績は50Å程
度とほぼd0と同等の値であり、また、Moでは最小膜
厚実績が10Å程度であり上記のd0値より十分小さい
値である。従って、本実施例では、既存のTa成膜プロ
セスを用いて専用パターンのウエハを作成・使用したプ
ロセスにおいて分析測定することにより、被測定試料
(ウエハ)の表面のTaと穴底のSiとを分離して測定す
ることができる。
【0031】イオン散乱法による分析では、試料表面の
パターンの有無に関わらず散乱粒子の散乱強度はイオン
の入射方向に大きく依存し、イオンの入射方向が試料の
結晶軸方向と一致する場合には散乱強度は小さくなり、
結晶軸方向から外れた場合に大きくなる。従って、イオ
ン散乱評価法では試料の角度調整を厳密に行なうことが
重要となる。次に、試料角度の微調整を容易に行なうた
めの機構手段の具体例を示す。図12に、光ビームを用
いた角度調整機構の一例を示す。試料8表面で180度
後方散乱された中性粒子と同一軌道上を通して試料表面
に光を入射させることにより、試料角度調整と、プリズ
ム5,薄膜6,フィルター7,二次電子検出器11,マ
スク等粒子光学系構成部品の設置位置調整とを合わせ行
なうことができる。試料角度調整時には、検出器10は
検出器移動機構33により、薄膜6は薄膜移動機構34
により、それぞれ光軸上から待避させる。角度調整用光
源31からの光ビームは、光検出器32の穴を通過して
試料8表面に入射し、そこで鏡面反射された後光検出器
32によって検出される。光源31としてはフォトダイ
オード等の小型光源が望ましい。ここで、試料8の表面
が上記の角度調整用光学系の光軸に対して垂直でない場
合には、試料8表面からの反射光が光検出器32によっ
て検出されるが、試料8表面が上記角度調整用光学系の
光軸に対して垂直になった時には、試料8表面からの反
射光は、光検出器32の穴を通過してしまうために、検
出されなくなる。従って、検出器32の検出出力がゼロ
または所定レベル以下となるように、試料角度調節機構
47によって試料8表面の角度を調節することによっ
て、精度の高い試料角度調整ができる。なお、試料8表
面を後方散乱粒子の軌道軸と垂直ではなく他の任意の角
度に調整したい場合には、図13に示すように、試料角
度調整用光源31からの照射光の光軸を後方散乱粒子の
軌道軸から異ならせて設置する。この場合には、試料8
表面に斜めに光を入射させてそこで鏡面反射された光を
光検出器32によって検出することにより、試料8表面
への照射光の方向を任意に設定できるので、任意の設定
試料角度についての角度微調整を行なうことが可能とな
る。
【0032】以上に述べたような本発明の分析方法を用
いることによって、半導体装置製造過程におけるSiウ
エハのような複雑な表面パターンを有する試料の表面分
析を高精度で行なうことができるようになる。すなわ
ち、例えば、ドライエッチング工程後(または、工程
中)にウエハを抜き取り(あるいは、インプロセス
で)、本発明の分析方法によりウエハの表面状態を観察
・評価し、その結果に基づいて所定の修正処理を施すた
めの制御機構を設けることによって、不良品の数を低減
可能となる。以下に、その2つの具体例を示す。
【0033】図14の(a)に、本発明の分析方法を取り
込んだ酸化膜ドライエッチング工程の一例を示す。酸化
膜のドライエッチングによって生じる表面ダメージ層に
は、主としてエッチングガス中に含まれる炭素Cや酸素
Oと化学結合したSiを含む層とドライエッチングガス
の衝撃によって結晶性の乱れた層との2種類がある。例
えば、八木らによる文献:プロシーディングズ オブ シ
ンポジウム オン ドライプロセス;1995年,頁20
1〜205 (Proceedings of Symposium onDry Proces
s; (1995), pp.201-205)には、酸化膜ドライエッチング
工程によって7.7nm厚程度の結晶性の乱れた層が形
成されることが報告されているが、図14の(a)に示し
た酸化膜ドライエッチング工程によればこの結晶性の乱
れた層が後処理によって1.5nm厚程度に低減されて
いることを本発明の分析方法によって確認できた。この
ような測定結果に基づいて後処理の条件を制御するため
の具体例を以下に示す。
【0034】図14の(b)にSi表面のダメージ量とS
iのサーフェスピーク値との関係を示す。Siの最表面
で散乱された成分を示すSiのサーフェスピークの散乱
強度Isは、Si表面の結晶性が乱れたダメージ層の量
を示している。Siによって散乱されたHeイオンのス
ペクトルを図14の(c),(d)に示す。Siの結晶軸に
平行であるチャネリングの方向に粒子を入射した場合に
は、図14の(b)に示すように、ダメージ量が大きい程
サーフェスピーク値Isは大きくなり、完全な結晶に近
づく程サーフェスピーク値Isは小さくなる。ドライエ
ッチングによる表面ダメージ量は、エッチング時間への
依存性が大きく、エッチングガスのプラズマの状態に大
きく依存するので、サーフェスピーク値Isをモニタす
ることによってSi表面の結晶ダメージを受けた層が後
処理によって除去されたかどうかを計測・判定し、さら
に、その結果に基づいて所定の修正処理を施すための制
御手段44を設けた。
【0035】ドライエッチングによるダメージ層が除去
されたか否かの判定は以下のようにして行なう。例え
ば、図14の(c)に示すようにサーフェスピーク値Is
が所定値(最大許容値)I0 以上に大きい場合には、素子
性能を低下させない程度までには表面ダメージ層が除去
されていないものと判定し、また、図14の(d)に示す
ようにサーフェスピーク値Isが所定値I0 よりも小さ
い場合には、表面ダメージ層が素子性能を低下させない
程度以下にまで除去されているものと判定する。そし
て、Siのサーフェスピーク値Isが所定値I0 以上と
判定されたウエハには、再度後処理を施す。さらに、制
御手段44を介して、それ以後に後処理を行なうウエハ
の後処理時間を微調整する処置を行なう。例えば、25
6Mbit級のDRAMの場合には2nm以下のダメー
ジ層厚に対応する散乱強度値を所定値(最大許容値)I0
として設定する。
【0036】しかし、Siのサーフェスピーク値Isが
設定散乱強度値I0 より小さい場合でも、CやOを含む
ダメージ層が残存している場合がある。このようなCや
Oを含むダメージ層が残存しているか否かの判断は以下
のようにして行なう。CやOが残存している場合は、S
iによる散乱ピーク強度が小さくなり、CやOからの散
乱ピーク強度が大きくなる。C,Oからの散乱強度の測
定値をそれぞれIc,Ioとする。Ic,Ioがそれぞ
れの所定値Ixc,Ixo以上の大きい値を示したウエ
ハには、CやOを含むダメージ層が残存しているので、
再度後処理を行なう。さらに、それ以後に後処理を行な
うウエハの後処理時間を微調整する処置を施す。以上の
ようにして、プロセスの経時変化に対応した処理を行な
うことができるので、完成品の不良率を低減し歩留まり
を向上させることができるようになる。
【0037】今後さらにデバイスの微細化が進み1Gb
it級のDRAMになると、さらに低ダメージのドライ
エッチングプロセスが必要となる。このようなプロセス
での酸化膜エッチング工程では、もはや後処理を行なわ
なくなることが予想される。そのような後処理段階を有
しないプロセスにおいても、酸化膜エッチング工程後の
ウエハの表面状態を本発明の分析方法を用いてモニタ
し、その結果に基づいてエッチング工程におけるエッチ
ング条件をフィードバック制御することができるように
なる。以下に、その場合の具体的一例を示す。
【0038】図16に、1Gbit級DRAMの製造プ
ロセスに適した本発明による酸化膜ドライエッチング工
程の一具体的を示す。ここでは、ドライエッチング工程
後のウエハの表面状態を本発明の分析方法を用いてモニ
タして、その結果に基づいてドライエッチング工程にお
けるエッチング条件をフィードバック制御するための制
御機構44を設けている。ドライエッチング工程後のウ
エハからダメージ層が除去されているかどうかの判定
は、先の図14に示した後処理段階を有する工程におけ
る場合と同様にして行なわれる。つまり、Siによるサ
ーフェスピーク値Isが、図14の場合の所定散乱強度
値I0 よりもさらに小さく設定された所定散乱強度値I
0'よりも小さい時には、結晶の乱れたダメージ層の厚さ
は素子性能を低下させるレベル未満であると判定する。
また、C,Oからの測定散乱強度値Ic,Ioが、それ
ぞれ先の図14の場合の所定散乱強度値Ixc,Ixo
よりもさらに小さく設定された所定散乱強度値Ix
c',Ixo'よりそれぞれ小さい時には、C,Oを含む
ダメージ層が素子性能を低下するレベルの厚さまでは形
成されていないと判定する。これらの判定は制御機構4
4内において行なわれる。そして、これらのダメージ層
が所定レベル以上の厚さで残存していると判定された場
合には、制御機構44から制御信号を送って、酸化膜ド
ライエッチング工程におけるエッチング条件を適正な条
件変えるための処置を行なう。酸化膜ドライエッチング
によるダメージの発生量は、エッチングガス粒子がウエ
ハに入射する時のエネルギーを小さくすることで抑制で
きる。従って、本発明による分析方法で測定された残存
ダメージ量に基づいて、制御機構44によりエッチング
工程における上記のウエハに入射するエッチングガス粒
子のエネルギーを調節制御することで上記の残存ダメー
ジ量を許容量以下に納めることができる。例えば、ダメ
ージ量が大きい場合には、エッチングガス粒子にウエハ
中への入射エネルギーを与えているプラズマ供給電力
(高周波電力)を小さくする処置を行なって、ドライエッ
チング条件の適正化を行なうことができる。この処置
は、予め測定してある供給高周波電力と残存ダメージ量
との関係に基づいて行なわれ得る。
【0039】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の分析方法に
よれば、被分析試料表面には中性粒子のみを入射させ
て、荷電粒子(イオン)を入射させないので、試料表面の
チャージアップが生じないために、絶縁体試料や、半導
体装置等の複雑な表面パターンを持った試料の表面分析
を高精度かつ容易に行なうことが可能となる。イオン粒
子の中性化方法として薄膜中を透過させる方法を用いる
ことによって、入射ビームの中性化効率が飛躍的に向上
しほぼ100%の中性化ができ、また、中性化手段自体
を小さく構成できるので、高効率で小型な表面分析装置
を実用化できる。また、薄膜または試料からの二次電子
を検出し、この検出信号を試料からの散乱粒子の飛行時
間測定のスタート信号として用いることによって、エネ
ルギー測定の分解能を上げることができ、分析精度を向
上させることができる。さらに、入射イオンが薄膜を透
過する際に発生する二次電子の量を測定することによっ
て入射イオン電流を正確にモニタできるので、入射イオ
ン電流を高精度に制御ができるようになる。さらにはま
た、光ビームを用いた試料角度調整機構を設けることに
よって、試料角度の微調整を簡便に行なうことができる
ので分析精度及び効率を向上できる。また、試料表面上
に所定パターンのマスクを設けることによって、特に微
細な表面パターンを有する試料の表面分析を高精度に行
なうことができるようになる。
【0040】また、半導体装置の製造過程において、本
発明の分析方法によって半導体試料(ウエハ)の表面状態
(ダメージ)をモニタして、その結果に基づいてダメージ
除去処理を行なう工程を付加したり、エッチング条件を
微調整する機構手段を設けることによって、半導体製造
装置の経時変化等による製品性能への影響を常に把握可
能となり、また、製造工程の異常を早期に予知可能とな
るので、不良製品の製造を最小限に抑え、高性能な半導
体装置を高い歩留まりで生産し提供することができるよ
うになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例になる粒子散乱分析装置の概
略構成図。
【図2】従来のイオン散乱分析装置の一構成例の概略構
成図。
【図3】従来のイオン散乱分析装置の他の一構成例の概
略構成図。
【図4】従来の中性ビーム表面分析装置の概略構成図。
【図5】従来のイオン散乱分析装置における問題点を説
明するための模式図。
【図6】本発明の他の一実施例になる粒子散乱分析装置
の概略構成図。
【図7】本発明のさらに他の一実施例になる粒子散乱分
析装置の概略構成図。
【図8】本発明によるマスクを用いた粒子散乱分析装置
の一実施例の概略構成図。
【図9】本発明における分析専用マスクの作成手順を示
す説明図。
【図10】本発明によるパターン状のイオンビームを用
いた粒子散乱分析装置の一実施例の概略構成図。
【図11】本発明による専用パターンウエハを用いた粒
子散乱分析方法の一実施例の説明図。
【図12】本発明による試料角度調整機構を備えた粒子
散乱分析装置の概略構成図。
【図13】本発明による上記とは別の試料角度調整機構
を備えた粒子散乱分析装置の概略構成図。
【図14】本発明による粒子散乱分析方法を利用した半
導体装置の製造方法の一実施例の説明図。
【図15】薄膜中でのHeイオンのエネルギー損失の計
算結果を示す線図。
【図16】本発明による粒子散乱分析方法を利用した半
導体装置の製造方法の他の一実施例の説明図。
【符号の説明】
1…イオン源, 2…ビーム集束
機構,3…デフレクタ, 4…スリ
ット,5…磁場プリズム, 6…中性
化用薄膜,7…フィルター, 8…
試料,9…試料台, 10…散乱
粒子検出器,11…二次電子検出器, 1
2…時間計数器,13…エネルギー分析器,
14…イオン粒子検出器,15…チョッピングプレー
ト, 16…磁場プリズム,17…イオン粒子検
出器, 18…タイミング調整機構,19…
波高分析器, 20…入射イオン,2
1…等電位線, 22…絶縁膜,2
3…散乱粒子, 24…マスク本
体,25…薄膜, 26…レジ
スト,27…微細ホール, 28…第
1のマスク,29…第2のマスク, 3
0…マーク,31…角度調整用光源, 3
2…光検出器,33…光検出器移動機構,
34…薄膜移動機構,35…穴底,
36…メタル表面,37…制御用コンピュータ,
38…イオン粒子加速管,39…衝突室,
40…分析室,41…Heガス,
42…静電型エネルギー分析器,
43…偏向電極, 44…ドライエ
ッチング制御機構,45…コンタクトホール,
46…イオン粒子用時間計数器 47…試料角度調節機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/66 H05H 3/00 H01L 21/302 N H05H 3/00 Z (72)発明者 徳永 尚文 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内 (72)発明者 勝山 清美 東京都青梅市今井2326番地 株式会社日立 製作所デバイス開発センタ内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン源からイオン粒子を放出させる段
    階,上記イオン源から放出された上記イオン粒子を中性
    化することによって中性粒子を生成させる段階,上記中
    性粒子生成段階により生成された上記中性粒子を試料表
    面に入射させる段階,上記試料表面への上記中性粒子の
    入射により上記試料表面から散乱された粒子のうち上記
    試料表面への上記中性粒子の入射方向と180度反対方
    向に後方散乱された粒子を検出する段階とを含んでなる
    ことを特徴とする粒子散乱分析方法。
  2. 【請求項2】上記中性粒子生成段階は、上記イオン源か
    らの上記イオン粒子を薄膜中に入射させて該薄膜中を通
    過させることによって、上記イオン粒子を中性化して上
    記中性粒子を生成させる段階であることを特徴とする請
    求項1に記載の粒子散乱分析方法。
  3. 【請求項3】上記薄膜は、結晶性の薄膜であり、該結晶
    性薄膜中への上記イオン粒子の入射方向が、上記結晶性
    薄膜の結晶軸方向と平行に設定されていることを特徴と
    する請求項2に記載の粒子散乱分析方法。
  4. 【請求項4】上記イオン粒子が上記薄膜中を通過する際
    に発生する二次電子を検出し、該二次電子が検出された
    時点から上記試料表面からの後方散乱粒子が検出される
    時点までの時間を計測することにより、上記試料表面か
    らの後方散乱粒子のエネルギー分析を行なう段階がさら
    に含まれてなることを特徴とする請求項2または3に記
    載の粒子散乱分析方法。
  5. 【請求項5】上記中性粒子が上記試料表面に入射した際
    発生する二次電子を検出し、該二次電子が検出された時
    点から上記試料表面からの後方散乱粒子が検出される時
    点までの時間を計測することにより、上記試料表面から
    の後方散乱粒子のエネルギー分析を行なう段階がさらに
    含まれてなることを特徴とする請求項1から3のいずれ
    かに記載の粒子散乱分析方法。
  6. 【請求項6】イオン粒子を放出するイオン源,上記イオ
    ン源からの上記イオン粒子を中性化して中性粒子を生成
    する中性粒子生成手段,上記中性粒子生成手段により生
    成された上記中性粒子を被分析試料の表面に入射させる
    中性粒子入射手段,上記中性粒子入射手段による上記試
    料表面への上記中性粒子の入射によって上記試料表面か
    ら散乱された粒子のうち、上記試料表面への上記中性粒
    子の入射方向と180度反対方向に後方散乱された粒子
    を検出する散乱粒子検出手段,とを含んでなることを特
    徴とする粒子散乱分析装置。
  7. 【請求項7】上記中性粒子生成手段は、上記イオン源か
    らの上記イオン粒子を薄膜中に入射させて該薄膜中を通
    過させることによって、上記イオン粒子を中性化して上
    記中性粒子を生成するものであることを特徴とする請求
    項6に記載の粒子散乱分析装置。
  8. 【請求項8】上記薄膜は、結晶性の薄膜であり、該結晶
    性薄膜中への上記イオン粒子の入射方向が、上記結晶性
    薄膜の結晶軸方向と平行に設定されていることを特徴と
    する請求項7に記載の粒子散乱分析装置。
  9. 【請求項9】上記イオン粒子が上記結晶性薄膜中を通過
    する際発生する二次電子を検出して検出信号を出力する
    二次電子検出手段、上記検出信号が出力された時点から
    上記試料表面からの後方散乱粒子が上記散乱粒子検出手
    段により検出される時点までの時間を計測することによ
    り上記試料表面からの後方散乱粒子のエネルギー分析を
    行なうエネルギー分析手段とがさらに付設されてなるこ
    とを特徴とする請求項7または8に記載の粒子散乱分析
    装置。
  10. 【請求項10】上記中性粒子が上記試料表面に入射した
    際に発生する二次電子を検出して検出信号を出力する二
    次電子検出手段、上記検出信号が出力された時点から上
    記試料表面からの後方散乱粒子が上記散乱粒子検出手段
    によって検出される時点までの時間を計測することによ
    り上記試料表面からの後方散乱粒子のエネルギー分析を
    行なうエネルギー分析手段とがさらに付設されてなるこ
    とを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の粒子
    散乱分析装置。
  11. 【請求項11】上記薄膜中で中性化されずに該薄膜中を
    通過した後のイオン粒子のエネルギーを計測するエネル
    ギー計測手段がさらに付設されてなることを特徴とする
    請求項7から9のいずれかに記載の粒子散乱分析装置。
  12. 【請求項12】被分析試料の表面にイオン粒子を入射さ
    せるイオン粒子入射手段と、上記試料表面への上記イオ
    ン粒子の入射によって上記試料表面から後方散乱された
    粒子を検出する散乱粒子検出手段とを含んでなる粒子散
    乱分析装置において、上記イオン粒子が上記試料表面に
    入射した際に発生する二次電子を検出して検出信号を出
    力する二次電子検出手段と、上記検出信号が出力された
    時点から上記試料表面からの後方散乱粒子が上記散乱粒
    子検出手段によって検出される時点までの時間を計測す
    ることによって上記試料表面からの後方散乱粒子のエネ
    ルギー分析を行なうエネルギー分析手段とがさらに付設
    されてなることを特徴とする粒子散乱分析装置。
  13. 【請求項13】被分析試料の表面に中性粒子を入射させ
    る中性粒子入射手段と、上記試料表面への上記中性粒子
    の入射によって上記試料表面から後方散乱された粒子を
    検出する散乱粒子検出手段とを含んでなる粒子散乱分析
    装置において、上記中性粒子が上記試料表面に入射した
    際に発生する二次電子を検出して検出信号を出力する二
    次電子検出手段と、上記検出信号が出力された時点から
    上記試料表面からの後方散乱粒子が上記散乱粒子検出手
    段によって検出される時点までの時間を計測することに
    よって上記試料表面からの後方散乱粒子のエネルギー分
    析を行なうエネルギー分析手段とがさらに付設されてな
    ることを特徴とする粒子散乱分析装置。
  14. 【請求項14】半導体装置製造過程におけるドライエッ
    チング工程後のウエハの表面状態分析を請求項1から5
    までのいずれかに記載の粒子散乱分析方法を用いて行な
    う表面分析工程と、その分析結果に基づいて上記ウエハ
    表面のダメージ層を除去処理する工程とを付加してなる
    ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  15. 【請求項15】半導体装置製造過程におけるドライエッ
    チング工程後のウエハの表面状態分析を請求項1から5
    までのいずれかに記載の粒子散乱分析方法を用いて行な
    う表面分析工程と、その分析結果に基づいて上記ドライ
    エッチング工程におけるエッチング条件を微調整するエ
    ッチング条件調整工程とを付加してなることを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】半導体装置製造過程におけるドライエッ
    チング工程後のウエハの表面状態分析を請求項6から1
    3までのいずれかに記載の粒子散乱分析装置を用いて行
    なう表面分析工程と、その分析結果に基づいて上記ウエ
    ハ表面のダメージ層を除去処理する工程とを付加してな
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】半導体装置製造過程におけるドライエッ
    チング工程後のウエハの表面状態分析を請求項6から1
    3までのいずれかに記載の粒子散乱分析装置を用いて行
    なう表面分析工程と、その分析結果に基づいて上記ドラ
    イエッチング工程におけるエッチング条件を微調整する
    エッチング条件調整工程とを付加してなることを特徴と
    する半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】試料の表面にイオン粒子を衝突させて、
    上記試料表面から後方散乱された粒子を検出して上記試
    料の表面分析を行なう粒子散乱分析装置において、上記
    試料の角度を光を用いて調整する機構を付設してなるこ
    とを特徴とする粒子散乱分析装置。
  19. 【請求項19】試料表面にイオン粒子あるいは中性粒子
    を衝突させて、上記試料表面から後方散乱された粒子を
    検出して上記試料の表面分析を行なう粒子散乱分析装置
    において、上記試料表面に微細パターン状に穴の開いた
    マスクを重ねて配置して、上記試料表面から180度後
    方に散乱された粒子のエネルギー分析を行なうことを特
    徴とする粒子散乱分析装置。
  20. 【請求項20】上記マスクの表面に金属薄膜が付設され
    ていることを特徴とする請求項19に記載の粒子散乱分
    析装置。
  21. 【請求項21】試料表面にイオン粒子あるいは中性粒子
    を衝突させて、上記試料表面から後方散乱された粒子を
    検出して上記試料の表面分析を行なう粒子散乱分析方法
    において、上記試料表面に金属薄膜部分を形成し、該金
    属薄膜部分と該金属薄膜部分以外の部分との分析を同時
    に行なうことを特徴とする粒子散乱分析方法。
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