JP2009542903A - 表面の特性を決定するデバイスと方法 - Google Patents

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Abstract

表面の特性を決定する方法は、
特性決定を実行される表面(3)上へ中性原子または分子のビーム(2)を方向づけるステップと、
前記特性決定を実行される表面(3)により前方向へ散乱された前記ビームの前記中性原子または分子を位置感応式に検出するステップとを含み、
前記ビーム(2)の性質は、前記前方向へ散乱される中性原子または分子の少なくとも幾分かが前記特性決定を実行される表面により回折されるようにして選択される。
このような方法を実装するためのデバイスは、このような中性原子または分子のビーム(2)を発生するための手段(1)と、前記特性決定を実行される表面(3)により前方向へ散乱される前記中性原子または分子を検出するための位置感応性の検出器手段(4)とを備える。

Description

本発明は、表面の特性を決定するデバイスと方法に関する。本発明は、具体的には、結晶表面の結晶構造を決定し、かつ分子ビームエピタキシによる結晶成長のリアルタイム監視を実行する働きをする。
表面の結晶構造を決定するために最も一般的に使用される技術は、低エネルギー電子回折(LEED)としても知られる低速電子回折および反射型高エネルギー電子回折(RHEED)としても知られる反射型高速電子による回折である。具体的には、RHEED技術は、分子ビームエピタキシによる結晶成長に適合するという主たる優位点を示し、原則として、分子ビームエピタキシ装置は組込み式のRHEEDデバイスを含む。このデバイスは、基本的に、約5キロ電子ボルト(keV)から50keVまでのエネルギーを有しかつ表面の平面に対して約1゜から4゜までの入射角で調査対象である表面に向けて配向される実質的に単一動態である電子ビームを生成するように配置される電子銃と、前記表面により前方向へ回折される電子を見るための燐スクリーンと、前記燐スクリーンの画像を捕捉するためのカメラとによって構成される。
RHEED技術は、表面の結晶構造の特性を完全に示すことを可能にし、対応する画像捕捉は前記表面の少なくとも2つの区別的な方向性で実行される。しかしながら、特性決定は、基準回折パターンと比較される表面状態の質的な特性決定に限定される場合がかなり多い。RHEED技術の別の重要なアプリケーションは、分子ビームエピタキシによる層毎の結晶成長のリアルタイム監視である。1つの層が完成されると、回折ピークは明確に可視状態となって高コントラストを呈する。原子が追加されて前記層上へ蒸着するようになるとコントラストは悪化し、これらの原子が新しい層を形成するほど十分に多くなると再び高まり始める。したがって、回折信号には発振が観察され、これにより、結晶原子の様々な層の形成をリアルタイムで追跡することが可能になる。
RHEED技術は、その有利な特性によって工業基準となっているが、なお所定の欠点も呈する。
第1に、電子は、すれすれの入射であっても数オングストローム(Å)の浸透力を示し、これは、電子が厳密に言えば表面を構成する第1の原子層だけでなく、最初の基底層にも感応することを意味する。さらに、表面下への電子の浸透は、複雑であって解釈が困難な回折パターンを生じさせる場合が多い。
さらに、電子回折技術(RHEEDだけでなくLEEDも)は、一次ビーム自体に影響し、よって回折パターンに干渉する表面電荷を誘導することから、絶縁材料の特性決定に対する適合性が低い。さらに悪いことに、電子と表面との間の非弾力的相互作用は概して表面を損傷し、絶縁膜の成長を徹底的に妨害する可能性がある。これらの技術が絶縁層の成長のオンライン監視を可能にせず、むしろ製造プロトコルを考案する際の破壊検査技術として使用される理由はこの点にある。
超小型電子技術における絶縁層の重要性、および具体的には酸化物の重要性を考慮すると、この点は本技術の重要な限定事項である。
表面の特性を結晶学的に決定する場合は、約数十または数百ミリ電子ボルト(meV)のエネルギーを示しかつ調査対象表面に対して垂直または斜めに、概して表面の平面に対して40゜から60゜の範囲内の入射角で方向づけられる軽量原子、概してHe原子を使用することも知られている。ヘリウム原子線散乱(HAS)または熱エネルギー原子線散乱(TEAS)としても知られるこの技術は、調査対象サンプル上の第1の原子層にのみ感応し、低エネルギー原子線に浸透力はほとんどなく、よって絶縁表面は誘導および荷電されないという優位点を示す。それにも関わらず、下記の大きな欠点によって、これは極くまれにしか産業的に使用されない。
第1に、これは、分子線が通過できるように表面から上のかなりの空間を空の状態に保つことを必要とする分子ビームエピタキシによる成長には適合しない。残念ながら、HAS/TEAS技術を実装するためには、具体的には熱原子線のソースを表面に対する法線から遠くないところに設ける必要があり、よってこの技術は概してex−situ解析しか許容しない。LEED技術もこの欠点を共有し、取得される回折パターンの品質では卓越しているにも関わらずLEED技術がRHEED技術ほど一般化していない理由はこの点にある。
第2に、低エネルギー原子線を生成するためには、重くて嵩張る装置(超音速ジェット、差動排気ステージ、他)を使用する必要がある。
第3に、低エネルギーの中性原子は検出が極めて困難である。検出は、概して、2次元的に移動される質量分析計を使用してポイント毎に実行される。したがって、回折パターンの構築には多大な時間を要し、インライン監視には適合しない。
実際には、この技術はほぼ実験室専用に使用される。
また、表面構造を、弱く荷電されかつすれすれの入射で比較的高いエネルギー(数キロ電子ボルト)を示す原子またはイオンを使用して調査することも知られている。このような状況下では、発射体は本質的に従来の粒子のように行動し、かつ第1の原子層からかなりの距離をおいて表面電位により反射される。散乱プロファイルは、発射体と表面の第1の層との相互作用ポテンシャルの形状に間接的に接近できる。表面の特性を決定する上記方法に関するさらなる詳細については、A.Schuellerらの論文「Dynamic dependence of interaction potentials for keV atoms at metal surfaces」Phys.Rev.A、69、050901(R)、2004年、を参照することができる。
この技術の欠点は、散乱プロファイルは解釈が困難であり、かつ常に、発射体の波動性を利用する回折技術により取得されるプロファイルほど情報が多くないことにある。
本発明の目的は、先行技術における欠点の少なくとも幾つかを矯正することにある。
より具体的には、本発明の目的は、第1の原子層に対してRHEEDおよびLEED技術よりも増大された感度を示す、表面の特性を決定する技術を提供することにある。
本発明の別の目的は、先行技術において知られる技術よりも絶縁表面への適合性が高い特性決定技術を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、電子ビームエピタキシによる成長に適合しかつ前記成長をリアルタイムで監視できるようにする、表面の特性を決定するための技術を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、実験室においてだけでなく産業環境においても実装が簡単である、表面の特性を決定するための技術を提供することにある。
上述の目的の少なくとも1つは、表面の特性を決定するための下記のデバイスによって達成され、本デバイスは、
中性原子または分子のビームを発生するための手段であって、特性決定を実行される表面へ向けて前記ビームを方向づけるように配置される手段と、
前記特性決定を実行される表面により前方向へ散乱された前記ビームの中性原子または分子を検出するための、位置感応性である検出器手段とを備え、
本デバイスは、前記特性決定を実行される表面により前方向へ散乱される前記中性原子または分子の回折パターンが前記位置感応性の検出器手段によって検出可能であるように、
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段が、ビームの開きが0.05゜以下であって50電子ボルト(eV)から5keVまでの範囲内のエネルギーを有するビームを生成するように適合化されることと、
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段が、前記特性決定を実行される表面へ向けて前記ビームを前記表面の平面に対して10゜以下の入射角で方向づけるように適合化されることを特徴とする。
本発明によるデバイスの具体的な実施形態では、
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、100eVから1keVまでの範囲内、好適には100eVから700eVまでの範囲内のエネルギーを有するビームを生成するように適合化されてもよい。
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、100eVから2keVまでの範囲内、好適には100eVから1keVまでの範囲内のエネルギーを有するビームを生成するように適合化されてもよい。
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、5%以下のエネルギー分散を有するビームを生成するように適合化されてもよい。
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、前記特性決定を実行される表面へ向けて前記ビームを前記表面の平面に対して0.5゜から3゜までの範囲内の入射角で方向づけるように適合化されてもよい。
前記原子または分子のビームの入射角およびエネルギーは、前記表面に対する垂直方向動作に関連づけられるエネルギーが1eV以下になるようにして選択されてもよい。
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、1原子単位(au)から20auまでの範囲内の原子質量を有する粒子により構成されるビーム、かつより具体的には、H、HおよびHeから選択される化学種またはこれらの同位体により構成されるビームを発生するように適合化される。
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、原子または分子イオンのビームを発生するための手段と、前記原子または分子イオンのビームを中和するための手段と、前記原子または分子イオンのビームを中和することにより取得される前記中性原子または分子のビームをコリメートするための手段とを備えてもよい。
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、前記原子または分子イオンを質量によってフィルタリングするための手段も備えてもよい。
前記中性原子または分子のビームを発生するための手段は、パルスビームを発生するためのチョッパ手段を備えてもよい。
前記位置感応性の検出器手段は、前記ビームの中性原子または分子のエネルギー損失を飛行時間の測定によって前記表面による散乱の結果として決定するように、50ナノ秒(ns)以下の分解能および好適には10ns以下の分解能を有する時間感応性も示してもよい。
また本デバイスは、中性またはイオン化原子または分子を検出するための二次検出器手段も備えてもよく、前記二次検出器手段は1マイクロ秒(μs)以下、好適には100ns以下、さらに好適には10ns以下の時間分解能を有し、かつ特性決定を実行される表面を去る中性またはイオン化原子または分子を、前記表面に対して前記中性原子または分子のビームの鏡面反射角より大きい角度を形成する軌跡上で検出するようにして配置される。
また本発明は、成長されている結晶の表面の特性を決定するように配置される、先に定義したような表面特性決定デバイスを含む分子ジェットエピタキシマシンも提供する。
また本発明は表面の特性を決定する方法も提供し、本方法は、
特性を決定されるべき表面上へ中性原子または分子のビームを方向づけるステップと、
前記特性決定を実行される表面により前方向へ散乱された前記ビームの中性原子または分子を位置感応式に検出するステップとを含み、
本方法は、前記前方向へ散乱される中性原子または分子の少なくとも幾分かが前記特性決定を実行される表面により回折されるように、
前記中性原子または分子のビームが50eVから5keVまでの範囲内のエネルギーおよび0.05゜以下の発散を有することと、
前記ビームの前記特性決定を実行される表面上の入射角が前記表面の平面に対して10゜以下であることを特徴とする。
本発明による方法の具体的な実施形態では、
前記中性原子または分子のビームは、100eVから1keVまでの範囲内、好適には100eVから700eVまでの範囲内のエネルギーを与えてもよい。
前記中性原子または分子のビームは、100eVから2keVまでの範囲内、好適には100eVから1keVまでの範囲内のエネルギーを与えてもよい。
前記中性原子または分子のビームは、5%以下のエネルギー分散を与えてもよい。
前記ビームの前記特性決定を実行される表面上の入射角は、前記表面の平面に対して0.5゜から3゜までの範囲内であってもよい。
前記原子または分子のビームの入射角およびエネルギーは、前記表面に対する垂直方向動作に関連づけられるエネルギーが1eV以下になるようにして選択されてもよい。
前記ビームは、1auから20auまでの範囲内の原子質量を示す粒子、かつより具体的には、H、HおよびHeから選択される化学種およびこれらの同位体により構成されてもよい。
また本方法は、前記特性決定を実行される表面により前方向へ散乱される前記中性原子または分子の検出される回折パターンから、前記特性決定を実行される表面の少なくとも1つの結晶パラメータを決定するためのステップも含んでもよい。
本方法は、分子ビームエピタキシによる結晶製造中に実装されてもよく、本方法はさらに、前記回折パターンの振動行動を経時的に観察するステップと、前記回折パターンの振動行動の経時的観察を基礎として、前記結晶を形成する連続する原子層のエピタキシャル成長に関する情報を抽出するステップとを含む。
本発明の他の特徴、詳細および優位点は、例示として示される添付の図面を参照して行う以下の説明を読むことにより明らかとなる。
本発明によるデバイスおよび方法を示す全体図である。 結晶によって回折されるべき波動のブラッグ条件を示す。 本発明の方法により取得される、すれすれの入射角における原子の回折図の一例を示す。 各々本発明の第1の実施形態および第2の実施形態における原子ビームを発生するための手段を示す図である。 各々本発明の第1の実施形態および第2の実施形態における原子ビームを発生するための手段を示す図である。 本発明のデバイスに嵌められた分子ビームエピタキシのためのマシンを示す。 表面による散乱時の中性粒子のエネルギー損失に関するスペクトルを示す。
図1Aに示すように、本発明のデバイスは、本質的に、中性原子または分子のビーム2を発生するための手段1と、前記中性原子または分子のビームを検出するための位置感応性検出器手段3とを備える。
ビーム2は、特性決定を実行される表面3へ向けて、任意選択として可変でありかつ約10゜以下である入射角(θinc)(すれすれの入射)で方向づけられる。この場合、かつこれ以後、角度は標的表面3の平面に対して測定される。RHEED技術の場合のように、表面3の直上の空間は妨げるものがない状態に保たれ、これにより、具体的には電子ビームのエピタキシャル成長を測定と同時に実行することが可能になる。
ビーム2の中性原子または分子は、表面3により反射角
Figure 2009542903
で反射され、同時に方位角方向の、即ち表面3に平行する回折を受ける。図1では、入射する原子または分子ビームが参照符号2−iで示され、反射ビームは参照符号2−0(「ゼロ」次の回折を構成することによる)で示され、第1の非反射ビームは符号2−1(一次回折)を付されている。RHEEDの場合のように、一次回折ビーム2−1およびゼロ次回折ビーム2−0を表面3の平面に平行な面上へ投射することによって形成される角度φは、入射する原子または分子の動作を横断して延びる方向の結晶表面3の格子定数aに関連づけられる。この関連性は、図1Bに図形で表されているブラッグの式:
αsinφ=nλ
によって与えられる。但し、nは整数であり、この式から、第1次回折に関して、
Figure 2009542903
を演繹することができる。但し、λは入射粒子のド・ブロイの波長である。
すれすれの入射状態の下では、粒子の表面3に対して直角方向への動作は前記表面3に平行するその長手方向動作からデカップルされ、かつ観察されるものは、前記動作を横断する表面電位により回折される物質の波動の垂直成分の結果であると考えることができる。したがって、粒子の合計エネルギーEがkeV次である場合でも、その
垂直エネルギー、
=Esinθinc
は1eV未満であってもよく、これは、垂直波長、
Figure 2009542903
(但し、hはプランク定数であり、mは前記粒子の質量である)に相当し、測定されるべき格子定数aと同次数である。例えば、500eVのエネルギーおよび1.4゜の入射角を有する水素原子Hであれば、E=0.3eVであることが発見されるが、これは、垂直波長λ=0.53オングストローム(Å)に相当する。これは、NaCl等の表面の格子定数と比較されるべきであり、ここでa=5.64Åである。
回折ビーム2−0から2−1は、位置感応性手段4によって表面3からある距離を隔てて検出される。これにより、回折パターンの画像が形成され、よって角θを測定できるようになり、かつ結果的に格子定数aを決定できるようになる。HAS/TEAS技術において熱原子に発生することとは異なり、本発明の方法に使用される高エネルギー粒子は、例えば燐スクリーンへ結合されるマイクロチャネルプレート(MCP)によって簡単に検出されることが可能であり、次にこれはCCDカメラによって画像化される。
当然ながら、図1Aは単純化されたものであるが、これは、概して幾つかの回折順序が表面構造(段、吸着原子、他)における欠陥に起因して、かつ熱振動にも起因して非コヒーレントな背景と共に同時に観察されるためである。
図2は、400eVのエネルギーを有するH分子をZnSe(001)表面上へ1.1゜の入射角で[1−10]の結晶方向へ方向づけることによって取得された回折パターンの実際例を示す。幾つかの回折次数を見出すことができるが、参照符号D0、D−1およびD1は、ゼロ次に対応する、かつその両側に対称的に位置づけられた2つの一次に対応する中央スポットを示している。回折スポット間の間隔は、全ての回折技術においてそうであるように表面の結晶格子(格子定数a)の周期性に関する情報を提供し、一方でスポットの強度は、発射体と表面との間の相互作用ポテンシャルの形式に関する情報を提供する。前者の周期性に関しては、例えば、D.P.Woodruff、T.A.Delchar共著の論文「Modern techniques of surface science」Cambridge University Press、1986年、を参照されたい。回折スポットは、前記相互作用ポテンシャルの形式、発射体の垂直エネルギーEおよび温度に依存する形状の曲線CDに沿って配置されることが分かる。非反応性発射体の場合、曲線CDは表面の突出平面上に存在する中心の円弧である。
回折ピークの相対強度の変動および入射角θincを有する曲線CDの形状(「ロッキングカーブ」)を観察すれば、表面電位の構造を精細に調べることが可能である。これらの観察から表面電位を再構成できるようにするインバージョン技術は、本質的に、熱中性原子の回折調査に際して使用されるものと同じである。例えば、R.I.Maselらの論文「Quantum scattering from a sinusoidal hard wall:atomic diffraction from solid surfaces」Phys.Rev.B、12、5545、1975年、を参照されたい。
図2の底部には、表面3上に相互作用なしに流れ込んだビーム2の粒子により生成されたスポットSを見ることができる。スポットSの観察は、前記表面の特性に直に関連づけられる情報を提供するものではないが、入射および回折の角度を決定するためと、パルスビームを使用する場合の飛行時間測定においてエネルギー損失を較正するために使用されることが可能である。
概して、結晶学的目的で使用可能な回折パターンは、動作条件が適切に選択されている場合に限って、かつ具体的には、ビーム2を構成する粒子の性質およびエネルギー、前記ビームの表面3上の入射角θincおよび前記ビームの開きと幅が適切に選択されている場合に限って観察が可能である。好適には、これらの動作条件は、ブラッグピークが明確に分解されるようにして選択される。しかしながら、発射体の垂直エネルギーが、ブラッグピークがもはや解像されないポイントを少し超えて増大される場合でも、干渉パターンは散乱プロファイルの低周波数空間変調の形に留まり、解像が不完全なこの回折パターンは依然として表面電位の形に特徴的な情報を提供する。
発射体の性質に関しては、質量が1原子単位(H)から20原子単位(20Ne)までの範囲内である原子または小粒子を使用することが可能である。発射体は、所定のエネルギーに対してより長い波長を有するという理由で、概して軽量のものが好適である。具体的には、H、HおよびHeおよびこれらの同位体が特に効果的な選択肢であることが分かっている。Hは最低質量の発射体であり、これを使用すると、水素による表面の相互作用ポテンシャルを調べることができるようになる。この点は、多くのアプリケーションにおいて多大な関心事である。Heは、化学的に不活性である発射体を有することが望ましい場合に好適であり、質量および反応性がHのそれとHeのそれとの間であるHは、折衷的ソリューションを構成することができる。概して、He(HeまたはHe)は好適な発射体となる。
ビームのエネルギーEは、約50eVから約5keVまでの範囲内であってもよく、好適には100eVから2keVまでの範囲内、さらに好適には100eVから1keVまでの範囲内であってもよい。ビームのエネルギー分散は5%以下であることが好適であり、好適には2%以下である。
表面の平面に対する入射角θincは10゜以下であるべきであり、かつ好適には0.5゜から3゜までの範囲内にあるべきである。
エネルギーおよび角度は、厳密には独立的でないパラメータであり、垂直エネルギー、
=Esinθinc
は1eV以下であることが好適である。
ビームの開きは、回折ピークを曖昧にする傾向があることから最低限に抑えられるべきであり、典型的には、高品質の画像を取得するためには、0.05゜以下であるビームの開きを達成する必要がある。
また、ビームのサイズは、1ミリメートル(mm)以下であること、好適には約10マイクロメートル(μm)から300μmまでの範囲内であることが有利である。表面に対して平行方向のビームのサイズは検出器3上の回折スポットに直接影響し、ビームが広すぎれば、スポットは重畳する傾向があって、回折パターンを曖昧にする。表面に対して垂直方向のビームの幅はさほど重要ではないが、すれすれの入射に起因して、このビームの大きさの表面上への投射は係数1/sinθincで延伸され、よってこれが容易にサンプルのサイズを超える可能性があることは理解されるべきである。したがって、この幅もやはり1mm以下に制限することが好適である。原則として、少なくともほぼ円形である断面を有するビームを使用することが好適である。
線束は、必ずしも大きいものである必要はなく、毎秒数百以下の原子束であれば、数分間の照射で即時使用可能な画像を取得することができる。
表面原子の熱擾乱は回折の有効性に悪影響を与えることから、サンプルの温度は考慮される必要のある別のパラメータである。したがって、測定の間は、サンプルを周囲温度(約300K)に保つことが有利である。概して、サンプルを極低温まで冷却することは、結果的に得られる回折パターンの品質を向上させる場合があるとしても不要である。温度が、例えばエピタキシャル成長プロセスによってインポーズされれば、より小さい入射角を選択することによって熱擾乱の効果を制限することが可能である。即ち、入射がすれすれであるほど、表面から一定の距離を隔てた場所ではより大きい散乱が発生し、よって、熱擾乱によって誘導される周期性を発射体が検出する感応性は下がる。
図3Aは、本発明の実装に適するイオンまたは分子のビームを発生するための手段を示す。本デバイスは、本質的に、原子または分子イオン11のビームを発生するためのビーム発生器2’と、中和装置14と、コリメータ15とによって構成される。
本発明の実装に適するイオンソース11は幾つかのタイプが市販されていて、これらは、数eVから数keVまでの範囲内のエネルギーを有するイオンビームを送る。例としては、電子サイクロトロン共鳴(ECR)ソースおよび放電源を挙げることができる。イオンソース11は、静電界を印加することによりイオンを所望されるエネルギーまで加速させるための電極セットを、電界集束システムと共に備える。
ソース11により発生されるイオンビームは、化学的および同位体的観点から十分に純粋でなければ、または異なる電荷状態を有するイオンを含んでいれば、質量フィルタ12へ向かって方向づけられてもよい。質量フィルタ12は、磁石121およびスリット122により発生される磁場を使用して、決定された質量対電荷比を有する粒子を選択する。図3Aでは見えないが、このタイプの磁気質量フィルタは直線内に存在せず、必ずイオンビーム2’を偏向させる。
ある変形例では、ウィーンフィルタまたは他の任意の適切な質量フィルタを使用することが可能である。
パルスビームを取得することが望まれる場合、質量フィルタがあればその上流または下流の何れかにストッパ13を設けることが可能である。本発明の一実施形態では、本デバイスは、ビームを成形するための入口スリット131と、互いに向き合う2つの平板電極132および132’と、出口オリフィス133とを有する。電極132および132’へ変化する電界を印加することにより、イオンビームは出口オリフィス上を掃引させられ、両電極へ印加される電界が周期的であれば、出口パルスビームが取得される。
イオンの電荷は、イオンが中性粒子より遙かに容易に加速され、選択されかつパルス化されることを有効化する。次にイオンビーム2’は、ガスを充填されたセル14内の電荷を交換することによって中和されることが可能である。理想的には、セル14内で使用されるガスは、共鳴捕捉による電荷交換を最適化するためにビーム2と同じ化学種によって構成され、セル内部の圧力P14はその長さL14に依存し、かつ概して下記、
14×L14≦10−3ミリバール・センチメートル(mbar.cm)
がインポーズされる。セル14からの出口において、電極141および141’により印加される電界は、中性原子または分子のビーム2のみがセル14を出るように残りのイオンを偏向させる働きをする。
中和装置14を出る原子または分子のビームは、標的表面3による回折を観察するには大きすぎるビームの開きを示し、よってビームはコリメートされる必要がある。コリメータ15は、単に第1および第2のダイアフラムD1およびD2によって構成されてもよく、前記ダイアフラムD1およびD2は、好適には同程度の大きさの円形であって直径ΦD1およびΦD2を有し、ビームの軸上に位置合わせされて距離Lで離隔される。単純な幾何学的考察は、頂点の半角に等しいものとして定義される出口ビームの開きが、
Div=(ΦD1+ΦD2)/2L
によって与えられることを示す。例示として、ΦD1およびΦD2は約100μmから200μmであるとすることができ、Lは20センチメートル(cm)から30cmまでの範囲内であってもよい。
図3Bは、原子または分子のビームを生成するための手段1の単純化された遙かに小型である変形例を示す。単純化されたこのデバイスには質量フィルタ12がなく、チョッパ13もない。図3Bに示すような原子または分子のビームを生成するための手段1において、中和セル14は、2つのダイアフラムD0およびD1間に延設される管状エレメント16の一部によって構成される。ダイアフラムD0の直径は、ダイアフラムD1の直径より遙かに大きい。セル14はガス入口145を有し、かつ真空ポンプシステム(図示せず)へ接続されるエンクロージャ146によって包囲され、再結合されないイオンを偏向させるための電極141および141’は前記管状エレメント16の内部でダイアフラムD1の下流に位置づけられる。中和装置14を画定することに加えて、ダイアフラムD1は、管状エレメント15からの出口に位置づけられるダイアフラムD2と同様にコリメータ15の一部を形成する。図3Bのデバイスは、中和セル14の上流に位置づけられるチョッパ13を含まないことから、中性原子または分子のパルスビーム2を生成することができない。しかしながら、本デバイスはイオンのパルスビーム2’を生成することができ、その実行に際して本デバイスは、中和セル14を空にし、電極141および141’へパルス電圧を印加してこれらをチョッパとして使用すれば足りる。
図4は、表面の特性を決定するための本発明によるデバイスが取り付けられた分子ビームエピタキシマシン1000を示す。マシン1000は、本質的に、超真空を生成するポンプシステム(図示せず)へ接続されるエンクロージャ1100によって構成される。散乱セル1200はエンクロージャ1100内へと開放され、分子ビームを生成する働きをする。これらのセル1200に対面する位置には基板3’のためのサポート1300が置かれていて、表面3はこの基板3’上へエピタキシャル堆積される。
エンクロージャ1000の入口1400には、図3Aに示すタイプの原子または分子の高エネルギービーム2を生成するための手段1が接続されているが、この場合、チョッパ13は、その入口でやはりRHEED電子銃20へ結合される静電偏向器に置換されている。この方法では、ユーザは、エンクロージャ1000へ追加の入口を設ける必要なしに、表面の特性決定を本発明による原子または分子のビーム2によって行うか、または従来のRHEED技術を使用して行うかを決定することができる。より正確に言えば、RHEEDによる特性決定を実行することが望まれる場合は電子銃20のみが起動され、一方でイオンソース11および偏向器30は不活性のままであり、かつ中和セル14は空にされる。逆に、中性原子または分子の回折による特性決定を実行することが望まれる場合は電子銃20が不活性に留まり、一方でイオンソース11および偏向器30は活性状態であって中和セルはガスで充填される。偏向器30を周期的に起動しかつ停止することによって、原子または分子のパルスビームを取得することが可能であり、このような状況下では、偏向器30をチョッパとして使用することができる。
エンクロージャ1100の壁上には、表面3に対して発生器手段1とは反対側の位置に、蛍光スクリーンへ結合されるマイクロチャネルプレートによって構成される位置感応性の検出器手段4も配置される。手段4も電子の検出に適合化され、よってRHEED技術に適合性がある。
ある変形例では、本発明の特性決定デバイスは完全にRHEEDデバイスに取って代わることができる。
表面3上のビーム2の入射角θincは、前記表面の特性をより完全に決定できるように、例えば0.5゜から10゜までの範囲で変更可能であることが最も有利である(「ロッキングカーブ」技術)。例示として、これは、発生器手段1をモータ駆動のピボット機構上へ取り付けることによって達成されることが可能である。ある変形例では、表面3の品質の定性的検査が要求される全てであれば、角θincは一定であってもよい。
先に説明したように、本発明のデバイスは導電性の誘電表面の成長をリアルタイムで監視できるようにするが、RHEED技術は誘電表面への適合性が低い。さらに、原子または分子は調査対象表面より下へ浸透する能力が低いことから、すれすれの入射における高速原子の回折は、RHEEDパターンより解釈が容易な回折パターンの取得を可能にする。
しかしながら、本発明のデバイスおよび方法は結晶学的性質に関する情報を提供することに限定されず、表面の遙かに完全な特性決定に使用されることが可能である。
図3Aに示す静電チョッパ13を使用して入射原子ビームをパルス化すれば、中性粒子と表面3との間の非弾性散乱プロセスを調べることも可能である。これを行うためには、検出器4が、飛行時間により散乱される粒子のエネルギーを測定できるようにするに足る時間分解能、例えば約50ns以下の分解能、かつ好適には約10ns以下の分解能を示す必要がある。例示として、図5は、500eVのエネルギーを有する水素原子とNaCl(0 0 1)表面との相互作用の間に散乱される粒子のエネルギー損失スペクトルを示す。入射は、結晶学的方向[1 0 0]において角度θinc=1.4゜である。図5の横軸は任意の単位表示の原子飛行時間に関連し、計器は、各飛行時間を、表面により散乱された後の原子エネルギーの値に関連づけるように較正されることが可能である。有利には、この測定を、非弾力的相互作用の間に表面により放射される電子の検出に関連づけることが可能である。
例示として、これは、発射体として使用される水素原子Hとの表面の親和力を調べることを可能にする。Hは表面に極めて容易に吸着され、かつ分子ビームエピタキシャル成長にとって障害物となることから、これは技術的観点から重要である。
同様の技術を使用すれば、表面3により吸収される軽量粒子の濃度を決定することができる。主として水素原子であるこれらの粒子は、ビーム2の発射体を使用する2体衝突の結果として表面3から押し出されることが可能である。押し出されるこれらの粒子の飛行時間の測定はその質量を決定する働きをし、よってこれらの粒子を識別する働きをする。表面上に存在する重い粒子は、ビーム2上の発射体が遙かに軽量であることから発射体により押し出され得ず、反対に、前記発射体のエネルギー損失を伴なう大きい角度での散乱を生じさせる。このような状況下では、偏向される発射体の飛行時間の測定が、吸収される粒子の質量を決定し、延いてはこれらを識別する働きをする。
図4において、参照符号1600で示されている二次検出器は、ビーム2の発射体との衝突の結果として表面3から押し出される粒子の飛行時間を測定し、かつ大きい角度で散乱される前記ビームの発射体の飛行時間も測定する働きをする。検出器1600は1μs以下の時間分解能、好適には100ns以下、かつ好適には10ns以下の時間分解能を有する必要がある。さらにこれは、特性決定を実行される表面を出る中性またはイオン化された原子または分子を、前記表面3に対して例えば約30゜の角度である中性原子または分子のビームの鏡面反射角より大きい角度を形成する軌跡上で検出するように配置される。
吸着粒子は、イオンを発射体として使用することによっても識別されることが可能である。このアプリケーションにおいても、中性パルスビームを生成することができない図3Bのビーム発生器手段を使用することが可能である。
吸着粒子を識別するための上述の技術自体は既知であり、例えば下記の論文を参照されたい。
W.Hayamiら、「Structural analysis of the HfB(0001) surface by impact−collision ion scattering spectroscopy」Surface Science 415(1998年)、433〜437ページ。
M.Shiら、「Time−of−flight scattering and recoiling spectrometry.III.The structure of hydrogen on the W(211) surface」Phys.Rev.B、40、10163(1989年)。
Y.Wangら、「Structure of the Si{100}surface in the clean(2×1),(2×1)−H monohydride,(1×1)−H dihydride and c(4×4)−H phases」Phys.Rev.B、48、1678(1993年)。
しかしながら、これらの技術は、常設であるRHEED解析デバイス上に追加の設備を必要とすることから、概して産業環境では使用されない。本発明によれば、原子または分子のビームを生成するための同じ手段1を、表面回折測定を実行するためと、吸着粒子を識別するために等しく十分に使用することができる。したがって、計器の複雑さを無視できる程度に増大すること(二次検出器1600の追加)により、RHEED技術の単独使用で可能となるものより遙かに完全に表面3の特性を決定することが可能になる。
吸着粒子の識別は、有利には、エピタキシによる結晶成長のリアルタイム監視を実行する際の回折パターンの観察と組み合わされる。本発明による方法の具体的な一実施形態では、回折ピークの発振の調査は、RHEED技術を使用して一般に行われるように連続する原子層の蒸着の進行を辿ることを可能にし、一方で、ビーム2の原子または分子(またはビーム2’のイオン)との衝突の結果として表面3を出る粒子の検出、および重い吸着粒子との衝突の結果として大きい角度で散乱される発射体の検出は、前記表面の汚染の度合いを発見することを可能にする。ビーム2または2’をチョッピングすることはその束を大幅に縮小し、よって回折パターンを見ることが困難になることから、これら2つのタイプの測定は概して経時的に交互に実行される。

Claims (24)

  1. 表面の特性を決定するためのデバイスであって、
    中性原子または分子のビーム(2)を発生するための手段(1)であって、特性決定を実行される表面(3)へ向けて前記ビーム(2)を方向づけるように配置される手段(1)と、
    前記特性決定を実行される表面(3)により前方向へ散乱された前記ビーム(2)の中性原子または分子を検出するための、位置感応性である検出器手段(4)と
    を備え、
    前記特性決定を実行される表面(3)により前方向へ散乱される前記中性原子または分子の回折パターンが前記位置感応性の検出器手段(4)によって検出可能であるように、
    前記中性原子または分子のビーム(2)を発生するための手段(1)が、ビームの開きが0.05゜以下であって50eVから5keVまでの範囲内のエネルギーを有するビーム(2)を生成するように適合化されることと、
    前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)が、前記特性決定を実行される表面(3)へ向けて前記ビーム(2)を前記表面(3)の平面に対して10゜以下の入射角で方向づけるように適合化されることを特徴とするデバイス。
  2. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、100eVから1keVまでの範囲内、好適には100eVから700eVまでの範囲内のエネルギーを有するビーム(2)を生成するように適合化される、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、100eVから2keVまでの範囲内、好適には100eVから1keVまでの範囲内のエネルギーを有するビーム(2)を生成するように適合化される、請求項1に記載のデバイス。
  4. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、5%以下のエネルギー分散を有するビーム(2)を生成するように適合化される、請求項1から3のいずれかに記載のデバイス。
  5. 前記中性原子または分子のビーム(2)を発生するための手段(1)は、前記特性決定を実行される表面(3)へ向けて前記ビームを0.5゜から3゜までの範囲内の入射角(θinc)で方向づけるように適合化さる、請求項1から4のいずれかに記載のデバイス。
  6. 前記原子または分子のビーム(2)の前記入射角(θinc)および前記エネルギーは、前記表面(3)に対する垂直方向動作に関連づけられるエネルギーが1eV以下になるようにして選択される、請求項1から5のいずれかに記載のデバイス。
  7. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、1auから20auまでの範囲内の原子質量を有する粒子により構成されるビーム(2)を生成するように適合化される、請求項1から6のいずれかに記載のデバイス。
  8. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、H、HおよびHeから選択される化学種およびこれらの同位体により構成されるビーム(2)を発生するように適合化される、請求項7に記載のデバイス。
  9. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、
    原子または分子イオンのビーム(2’)を発生するための手段(11)と、
    前記原子または分子イオンのビームを中和するための手段(14)と、
    前記原子または分子イオンのビーム(2’)を中和することにより取得される前記中性原子または分子のビーム(2)をコリメートするための手段(15)とを備える、請求項1から8のいずれかに記載のデバイス。
  10. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、前記原子または分子イオンを質量によってフィルタリングするための手段(12)も備える、請求項9に記載のデバイス。
  11. 前記中性原子または分子のビームを発生するための手段(1)は、パルスビーム(2)を発生するためのチョッパ手段(13)を備える、請求項9または10に記載のデバイス。
  12. 前記位置感応性の検出器手段(4)は、前記ビーム(2)の中性原子または分子のエネルギー損失を飛行時間の測定によって前記表面(3)による散乱の結果として決定するように、50ns以下の分解能および好適には10ns以下の分解能を有する時間感応性も示す、請求項11に記載のデバイス。
  13. 中性またはイオン化原子または分子を検出するための二次検出器手段(1600)をさらに備え、前記二次検出器手段(1600)は1μs以下、好適には100ns以下、さらに好適には10ns以下の時間分解能を有し、かつ特性決定を実行される表面(3)を去る中性またはイオン化原子または分子を、前記表面(3)に対して前記中性原子または分子のビーム(2)の鏡面反射角より大きい角度を形成する軌跡上で検出するようにして配置される、請求項1から12のいずれかに記載のデバイス。
  14. 分子ジェットエピタキシのためのマシン(1000)であって、請求項1から13のいずれかに記載の表面の特性を決定するデバイスを含み、成長されている結晶の表面(3)の特性を決定するように配置されるマシン(1000)。
  15. 表面の特性を決定する方法であって、
    前記特性を決定されるべき表面(3)上へ中性原子または分子のビーム(2)を方向づけるステップと、
    前記特性決定を実行される表面(3)により前方向へ散乱された前記ビーム(2)の前記中性原子または分子を位置感応式に検出するステップとを含み、
    前記方法は、前記前方向へ散乱される中性原子または分子の少なくとも幾分かが前記特性決定を実行される表面(3)により回折されるように、
    前記中性原子または分子のビーム(2)が50eVから5keVまでの範囲内のエネルギーおよび0.05゜以下の発散を有することと、
    前記ビーム(2)の前記特性決定を実行される表面(3)上の入射角(θinc)が前記表面の平面に対して10゜以下であることを特徴とする方法。
  16. 前記中性原子または分子のビーム(2)は、100eVから1keVまでの範囲内、好適には100eVから700eVまでの範囲内のエネルギーを与える、請求項15に記載の表面の特性を決定する方法。
  17. 前記中性原子または分子のビーム(2)は、100eVから2keVまでの範囲内、好適には100eVから1keVまでの範囲内のエネルギーを与える、請求項16に記載の表面の特性を決定する方法。
  18. 前記中性原子または分子のビーム(2)は5%以下のエネルギー分散を与える、請求項15から17のいずれかに記載の表面の特性を決定する方法。
  19. 前記ビーム(2)の前記特性決定を実行される表面上の入射角(θinc)は0.5゜から3゜までの範囲内である、請求項15から18のいずれかに記載の表面の特性を決定する方法。
  20. 前記原子または分子のビーム(2)の前記入射角(θinc)および前記エネルギーは、前記表面(3)に対する垂直方向動作に関連づけられるエネルギーが1eV以下になるようにして選択される、請求項15から19のいずれかに記載の表面の特性を決定する方法。
  21. 前記ビーム(2)は、1auから20auまでの範囲内の原子質量を示す粒子によって構成される、請求項15から20のいずれかに記載の表面の特性を決定する方法。
  22. 前記ビーム(2)は、H、HおよびHeから選択される化学種およびこれらの同位体によって構成される、請求項21に記載の表面の特性を決定する方法。
  23. 前記特性決定を実行される表面(3)により前方向へ散乱される前記中性原子または分子の検出される回折パターンから、前記特性決定を実行される表面(3)の少なくとも1つの結晶パラメータを決定するためのステップをさらに含む、請求項15から22のいずれかに記載の表面の特性を決定する方法。
  24. 分子ビームエピタキシによる結晶製造中に実装され、
    前記回折パターンの振動行動を経時的に観察するステップと、
    前記回折パターンの振動行動の前記経時的観察に基づいて、前記結晶を形成する連続する原子層のエピタキシャル成長に関する情報を抽出するステップと
    をさらに含む、請求項23に記載の方法。
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