JPH10237444A - 金属防錆剤 - Google Patents

金属防錆剤

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JPH10237444A
JPH10237444A JP5863597A JP5863597A JPH10237444A JP H10237444 A JPH10237444 A JP H10237444A JP 5863597 A JP5863597 A JP 5863597A JP 5863597 A JP5863597 A JP 5863597A JP H10237444 A JPH10237444 A JP H10237444A
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nitrite
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ammonium
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良知 大塚
Naoya Atsumi
直哉 渥美
Akira Fujii
明 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱帯や亜熱帯地帯などの高温・多湿地域にお
ける錆の発生しやすい悪条件下での長期間の保管でも、
錆の発生を防止することのできる2成分系の防錆剤の提
供。 【解決手段】 ポリオレフィン樹脂などの水溶性樹脂に
0.1重量%以上の亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、
亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグネシウム又はジシクロヘ
キシルアンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1種を加えた
混合物[A]と、ポリオレフィン樹脂などの熱可塑性樹
脂に0.1重量%以上の安息香酸アンモニウムなどの防錆
剤を加えた混合物[B]を共存させることを特徴とする
2成分系防錆剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製品を熱帯・
亜熱帯地帯などの高温・多湿地域における錆の発生しや
すい悪条件下で金属製品を包装しても長期間錆の発生の
ない各種金属製品の保管のための2成分系の金属防錆剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼一次製品を二次加工するまで
には、日本国内ばかりでなく、海外での現地生産に向け
ては、長い日数と輸送経路を経て現地へ送られる。特に
自動車産業界では、日本から世界各国へ部品を供給し、
現地での組み立て生産を行なうシステムが盛んに行なわ
れている。特に東南アジアなどの熱帯雨林地域への輸
送、また、製品の保管時は、環境の変化が大きいので、
金属表面に結露が起こりやすく錆の原因となった。この
ように従来、結露水と酸素、そして金属との反応から錆
が生じるため製品価値を損ね、大きな損害を受けること
になった。これらの損害を回避するために、「防錆油と
包装材」との組み合わせから金属製品表面に直接、防錆
油を大量に塗布することで錆から守る処置が施されてき
た。しかし防錆油による防錆は必ずしも有効手段とは言
えず、自動車部品について述べると、天井外板、ドアパ
ネル等の板金プレス品の塗装時には、前処理工程にて防
錆油を洗浄除去している。前処理工程で使われる脱脂剤
溶液には、不快臭や油臭で作業環境を汚すばかりでな
く、排水処理コストも高く、取り扱いが不便であった。
これらの問題をなくすために、気化性防錆剤の開発が行
なわれてきたが、代表的にはクラフト紙に含浸させた
「防錆紙と包装材」との組み合わせ、樹脂フィルムに気
化性防錆剤を練り込んで成形した防錆フィルム(特公昭
47-4295号公報、特公昭53-2449号公報) やフィルムに各
種気化性防錆剤を粘着剤などの他の添加剤とともにコー
ティングすることにより得られた各種プラスチックフィ
ルム(特公昭58-24270号公報) がある。しかしこれらの
包装材に含有できる気化性防錆剤の量には限界があり、
大型金属製品のように空間容積が大きいものを包む時に
は、製品を包むフィルムの面積が空間容積に対して小さ
いと、防錆フィルムからの気化性防錆成分が希釈される
ばかりでなく、容積中の絶対水分量が多いため、結露水
中の防錆剤濃度値が小さくなり、十分な防錆効果が得ら
れなかった。
【0003】また乾燥剤の使用は、防湿性が非常に高い
バリアー性包装材で完全密封された系のみ有効であり、
大型金属製品を包装するときは、特に製品の重みによる
穴あきやヒートシール性の問題から完全密封することは
困難となり、トータルコストも割高で経済性にも乏し
い。しかも何日か経過した除湿能力のなくなった乾燥剤
は、吸収された水分の放出のために逆に錆の原因となる
ケースもあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
によって解決できなかった課題、即ち、防錆油の欠点と
なっている作業環境の汚染や油落としのための後洗浄の
問題、防錆フィルムや乾燥剤では対応することが困難で
ある大きな空間容積を有する金属製品の防錆包装に対す
る問題を解決し、しかも、高温多湿環境下など保管環境
が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を保持し、
錆による金属製品の品質価値を損なわない2成分系の金
属防錆剤を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、エチレ
ン・酢酸ビニルやアクリル酸エステル等の共重合体樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、アイオノ
マー樹脂、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1等
の2種もしくは3種以上の共重合体ゴムと他種のモノマ
ーとの共重合体ゴム、高級脂肪酸エステル高級アルコー
ルエステル、エチレン,酢酸ビニル共重合系ワックス、
動植物油脂、および天然ろう等のエステル系ワックスか
ら成る少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂に対して、
亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウ
ム、ジシクロヘキシルアンモニウム亜硝酸塩、ジイソプ
ロピルアンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1種類以上を
熱可塑性樹脂に対して0.1 重量%以上を含有させた混合
物[A]と、安息香酸アンモニウム、フタル酸アルンモニ
ウム、ステアリン酸アルンモニウム、パルチミン酸アン
モニウム、オレイン酸アンモニウム、炭酸アンモニウ
ム、ジシクロヘキシルアミンリン酸塩、ジシクロヘキシ
ルアミン安息香酸塩、尿素、ウロトロピン、チオ尿素、
カルバミン酸フェニル、ベンゾトリアゾール、4-メチル
ベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、5-
ニトロベンゾトリアゾール又は3-メチル-5-ピラゾロン
の少なくとも1種類以上を上記熱可塑性樹脂に対して0.
1 重量%以上で含有させたブレンド物を溶融混練し、固
形上に押出し成形して混合物[B]を形成し、これら混合
物[A]と混合物[B]の2成分を混合することなく、防錆
の必要な金属製品が収納されている密封空間に適宜の形
状で共存させることで上記問題を解決した。
【0006】さらに本発明では、混合物[A]と混合物
[B]からなる2成分系金属防錆剤を、水蒸気透過量200g
/m2・24hr以上、ガーレー式透気度 5,000秒/100cc以下か
らなる防水性の通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器
に別途収納すれば、金属防錆剤が飛び散ることなく取り
扱いが容易となるので、これを金属製品とともに密封空
間に保管することによって輸送時の衝撃による飛散を防
止することができ、しかも、上記通気・透湿性の防水性
の機能を有する包装材が、混合物[A]と混合物[B]から
成る2成分系防錆剤の吸湿後の潮解液を金属製品と隔て
ることとなり、金属製品の価値を損なわずに保管がで
き、上記問題が解決された。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する熱可塑性樹脂に
は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エステル
等の共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、アイオノマー樹脂、ブテン−1、ペンテン−1、
ヘキセン−1等のα−オレフィンの2種もしくは3種以
上の共重合体ゴムと他種のモノマーとの共重合体ゴム、
高級脂肪酸エステル、高級アルコールエステル、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合系ワックス、パラフィンワックス
及び天然ろう等のワックスが挙げられる。いずれの場合
も混合物[A]は、熱可塑性樹脂に対して、亜硝酸カリウ
ム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸マグ
ネシウム、ジシクロヘキシルアンモニウム・亜硝酸塩又
はジイソプロピルアンモニウム亜硝酸塩の少なくとも1
種類以上を熱可塑性樹脂に対して0.1重量%以上、好ま
しくは10〜60重量%を含有させ、熱可塑性樹脂と上記亜
硝酸塩の粉末を混ぜ合わせたり、ペレット状の熱可塑性
樹脂の表面に亜硝酸塩の粉体を分散させたり、メタノー
ル等の溶媒に上記亜硝酸塩を溶解分散させ、固形状の熱
可塑性樹脂表層に被覆させ、溶媒分を蒸発乾燥させるこ
とで混合物[A]を得るなどの方法がある。上記成分の混
ぜ合わせ方法として、バンバリーミキサー、ミキシング
ロールニーダー、単軸押出機、二軸押出機等によって練
り込むなどが挙げられる。上記混合物[A] は、金属製
品が包装された系内の空気との接触面積を大きくとるた
めに、最大径30mm以下に調整するのが望ましい。
【0008】また[B] は安息香酸アンモニウム、フタ
ル酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニウム、パルチ
ミン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニウム、炭酸ア
ンモニウム、ジシクロヘキシルアミンリン酸塩、ジシク
ロヘキシルアミン安息香酸塩、尿素、ウロトロピン、チ
オ尿素、カルバミン酸フェニル、ベンゾトリアゾール、
4-メチルベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾ
ール、5-ニトロベンゾトリアゾール又は3-メチル-5-ピ
ラゾロンの少なくとも1種類以上を熱可塑性樹脂に対し
て0.1重量%以上、好ましくは10〜50重量%含有させた
ブレンド物を調製する。このブレンド物を固形状に成形
する方法として、熱可塑性樹脂のペレット、粉末等に適
宜な混練手段、例えば、バンバリーミキサー、ミキシン
グロールニーダー、単軸押出機、二軸押出機等によって
加熱溶融して練り込み、押し出した混合物をペレタイザ
ーでペレット化する方法、シート上に加工し、裁断する
方法等がある。いずれも混合物[B]で用いる防錆添加剤
は、アンモニア、又はアミン系のものであるため、蒸気
圧が高く気化消失しやすいため、防錆添加剤の気化消失
温度に対して熱可塑性樹脂の融点が高いとブレンド物を
固形上に成形する際に、気化消失する傾向にあるが、一
般に熱可塑性樹脂の融点が約120 ℃以下であれば問題な
く使用できる。混合物[A]と混合物[B]が共に粉体同士
で混合したときには、早期消失し効果が半減することを
見い出した。このため[B]は、雰囲気下の空気ときの接
触面積を小さくするために、最小径1mm以上の固形上に
調整するのが望ましい。
【0009】金属製品が包装された密閉系内では、混合
物[A],[B]の一方の混合物[A]中の吸湿作用が大きい
亜硝酸塩が、相対湿度75%RH付近で先に吸湿し始め潮解
するため、水分量が減少し結露現象が起きにくくなる。
また、混合物[A]中の亜硝酸塩濃度を高く、総量を多く
することで、さらに金属製品が包装された密閉系内の水
分量を減少させることが可能になり結露現象が起きにく
く錆にくい環境を形成させる。次に、潮解し、液状態へ
と変化した混合物[A]中の防錆剤は、固形状に成形され
た混合物[B]に浸透し、相互に反応しやすい状態にな
る。混合物[B]の防錆添加剤はアンモニア、またはアミ
ン系のものであるため、蒸気圧が高く気化消失しやすい
ため、混合物[B]は潮解して液化した混合物[A]と接触
が可能になる。よって混合物[A]と混合物[B]は、必ず
しも隣接するように混在させる必要はなく、適当な形状
の混合物[A]と混合物[B]を適当な比率で密閉系内に共
存させ、混合物[B]が潮解して液化した混合物[A]と接
触が可能になる小袋、小容器に収納することで長期にわ
たる金属製品の輸送・保管期間の錆を防ぐことが可能に
なる。また、混合物[A]を水に溶解した水溶性液を混合
物[B]の表層に分散被覆させることにより混合物[A]と
混合物[B]を密閉系内に共存させることもできる。
【0010】また、混合物[A],[B]に含有させる薬剤
の濃度は、0.1重量%以上で十分目的を達成することが
できるが、特に[A]は、熱可塑性樹脂中に含有させる防
錆剤の濃度が0.1重量%以下であると、液状態へと変化
しないために混合物[B]との接触が困難になる。一方混
合物[B]は、含有させる防錆添加剤の濃度が、80%以上
になると固形状の成形が困難になってしまう。また混合
物[A]と混合物[B]の共存割合は、混合物[A] : 混合
物[B]が重量比で1:6〜6:1との範囲内であればよ
く、好ましくは1:2〜2:1で防錆目的を達成するこ
とができる。本発明では、混合物[A]と混合物[B]にそ
れぞれ種類の異なる防錆化合物を使用することにより、
他種の金属からなる金属製品を錆から守ることができ
る。例えば混合物[A]に混合させる亜硝酸塩として、鉄
類に対して防錆効果が高いジシクロヘキシルアンモニウ
ム・亜硝酸塩を使用し、混合物[B]に練り混む防錆添加
剤を、非鉄金属に対する防錆効果が高いベンゾトリアゾ
ールを選定した場合、鋼だけでなくアルミニウムとの複
合金属製品の防錆にも効果が発揮されることが確認され
た。特に混合物[A]と混合物[B]に含有される薬剤の組
み合わせにおいて起こる包装された系内での加水分解反
応では、亜硝酸ナトリウムとウロトロピンの混合系のよ
うに、防錆効果に有効な亜硝酸アンモニウム等の反応性
ガスが生成されるため、鉄類の防錆に相乗的な効果が発
揮される。
【0011】また、これら混合物[A]と混合物[B]から
成る2成分系の金属防錆剤を使用する際には、水蒸気透
過量(JIS Z 0208)値が、200g/m2・24hr以上からなり、
ガーレー式透気度(JIS P 8117)値が、5,000秒/100cc以
下からなる通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器内に
収納することで、環境温度に影響される防錆添加剤の気
化消失スピード、環境湿度に影響される防錆剤自体が吸
湿性をもつ場合であっても、金属製品の防錆が可能にな
った。
【0012】次に実施例1〜4の金属防錆剤及び比較例
1〜5の混合物を用いて本発明で行なった防錆試験法に
ついて説明する。
【0013】〔防錆試験方法〕先ず4種類の試験片(表
1)を大容積を有する100×150×100cmの籠に吊し、上
記実施例1〜4の金属防錆剤及び比較例1〜5の混合物
を、それぞれ籠の中央に置く。これらの籠を100μmポリ
エチレンフィルム袋に入れ、ヒートシールして密封し、
試験条件下 (イ) に放置した。試験条件の温湿度を繰り
返すことで、試験表面が結露しやすい環境をつくり、長
期間 (60日間) における効果の違いを評価基準(ロ) に
従い評価した。なお、表1で示す試験片はソルベントナ
フサにて洗浄、風乾後使用した。
【0014】(イ)試験環境 25℃、70%RH : 4時間 50℃、95%RH : 4時間 設定移動時間 : 2時間、計12時間/1サイクル
【0015】
【表1】
【0016】(ロ)評価基準 ◎:錆、変色なし ○:点錆、わずかな変色発生 △:試験片の面積に対して10%未満に錆または変色発生 ×:試験片の面積に対して10〜50%未満に錆または変色
発生 ××:試験片の面積に対して50%以上に錆または変色発
【0017】
【実施例1】低密度ポリエチレン粉末(住友精化 (株)
社製) に対し、亜硝酸ナトリウム粉末を28重量%混ぜ合
わせ、混合物[A]とする。また低密度ポリエチレン粉末
(住友化学社製F218-1、密度0.919)に対してウロトロピ
ン10重量%を混合し、二軸押出機にて135 ℃で溶融混練
し、冷却後直径5mm、長さ10mmの固形状に成形し、混合
物[B]とした。混合物[A]と混合物[B]から成る2成分
系金属防錆剤の配合比を重量比で混合物[A]:混合物
[B]=2:3とし、総量5gをシャーレに入れ、防錆試験
に用いた。この評価試験の結果を表2に示す。
【0018】
【実施例2】エチレン・酢酸ビニル共重合体ペレット
(住友化学 (株) 社製)に対し、ジシクロヘキシルアン
モニウム亜硝酸塩を20重量%混ぜ合わせ、混合物[A]
とする。またポリエチレンワックス粉末(ヘキスト社
製、PF520)に対し、ベンゾトリアゾール5重量%を混合
し、二軸押出機にて105 ℃で溶融混練し、冷却後最大径
5mmの固形状に成形し、混合物[B]とした。混合物[A]
と混合物[B]から成る2成分系金属防錆剤の配合比を重
量比で混合物[A]:混合物[B]=3:2とし、総量10g を
シャーレに入れ、防錆試験に用いた。この評価試験の結
果を表2に示す。
【0019】
【実施例3】実施例2からなる2成分系金属防錆剤10g
を、水蒸気透過量(JIS Z 0208)値、5000g/m2・24hr、ガ
ーレー式透気度(JIS P 8117)値 500秒/100ccからなる通
気・透湿性フィルム (株) トクヤマ) 袋 (10×10cm) 内
に収納し、防錆試験に用いた。この評価試験の結果を表
2に示す。
【0020】
【実施例4】低密度ポリエチレン粉末(住友精化 (株)
社製)に対し、亜硝酸ナトリウムの粉末を50重量%混ぜ
合わせ粉末混合物[A]とする。またエチレン−メチルア
クリレート共重合樹脂(日本石油(株)社製RB4120、密
度0.934)に対し、ベンゾトリアゾール5重量%を混合
し、二軸押出機にて105 ℃で溶融混練し、冷却後最大径
25mmの固形状に成形し、混合物[B] とした。混合物
[A] と混合物[B] から成る2成分系金属防錆剤の配合
比を混合物[A]:混合物[B] =2:3とし、総量10g
を水蒸気透過量 (JIS Z 0208) 値が、5100g/m2・24hr、
ガーレー式透気度(JIS P8117) 値が、50秒/100ccからな
る通気・透湿性フィルム((株) トクヤマ) の小袋 (10×
10cm) 内に収納し、防錆試験に用いた。この評価試験の
結果を表2に示す。
【0021】
【比較例1】実施例1で使用した混合物[B]のみ3gを
シャーレに入れ、防錆試験に用いた。 この評価試験の
結果を表2に示す。
【0022】
【比較例2】実施例1で使用した亜硫酸ナトリウム粉末
1.2gとウロトロピカン粉末200mg(実施例1と試薬量純
分が同量)をシャーレに入れ、防錆試験に用いた。この
評価試験の結果を表2に示す。
【0023】
【比較例3】実施例1で使用した混合物[A]と混合物
[B]から成る2成分系金属防錆剤の混合物[A]2gと混
合物[B]3g(重量比1:2)を別々のシャーレに入
れ、防錆試験に用いた。この評価試験の結果を表2に示
す。
【0024】
【比較例4】実施例2からなる2成分系金属防錆剤10g
を、水蒸気透過量(JIS Z 0208) 値が、3g/m2・24hr、ガ
ーレー式透気度 (JIS P 8117) 値が、 50,000 秒/100cc
以上からなる高密度ポリエチレンフィルムの小袋(10×
10cm) 内に収納し、防錆試験に用いた。この評価試験の
結果を表2に示す。
【0025】
【比較例5】実施例2からなる混合物[A]と混合物[B]
配合比を混合物[A]:混合物[B]=5:100 とし、総量
5gを同様に水蒸気透過量(JIS Z 0208) 値が、5100g/
m2・24hr、ガーレー式透気度 (JIS P 8117) 値が、50秒/
100ccからなる通気・透湿性フィルム((株) トクヤマ)
の小袋(10×10cm)内に収納し、防錆試験に用いた。
この評価試験の結果を表2に示す。
【0026】この評価の試験結果を表2に示す。
【表2】
【0027】表2で明らかなように結露が起こる条件下
においても、混合物[A]と混合物[B]を共存させること
で長期間の錆の発生を防止することができ、多種の金属
製品の防錆包装が可能になる。通気・透湿性フィルムの
小袋・小容器内に、混合物[A]と混合物[B]の成形物を
収納しても目的とする防錆効果が得られる。
【0028】以上、本発明の実施例を詳述した、本発明
は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範
囲に記載された本発明を逸脱することなく、種々の設計
変更が可能である。
【0029】
【発明の効果】以上のように、金属製品の防錆包装に対
する従来の問題を解決し、しかも、高温多湿環境下など
保管環境が厳しい条件下で、長期間にわたり防錆効果を
保持し、錆による金属製品の品質価値を損なわず、且
つ、取り扱いの容易な金属防錆剤を得ることができる。
また、通気・透湿性フィルムの小袋又は小容器に請求項
に記載されるような2成分系の金属防錆剤を収納し、金
属製品と共存して保管することによって、金属製品の価
値を損なうことがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C23F 11/18 C23F 11/18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔A〕と〔B〕を共存させることを
    特徴とする2成分系金属防錆剤。 〔A〕;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
    ィン系樹脂、エチレン・酢酸ビニルやアクリル酸エステ
    ル等の共重合体樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド
    系樹脂、アイオノマー樹脂、ゴム系樹脂又はワックスか
    ら成る少なくとも1種類以上の熱可塑性樹脂に対して、
    亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カルシウ
    ム、亜硝酸マグネシウム又はジシクロヘキシルアンモニ
    ウム亜硝酸塩又はジイソプロピルアンモニウム亜硝酸塩
    の少なくとも1種以上を0.1 重量%以上含有させた混合
    物。 〔B〕;上記〔A〕に示す熱可塑性樹脂から成る少なく
    とも1種以上の熱可塑性樹脂に対して、安息香酸アンモ
    ニウム、フタル酸アンモニウム、ステアリン酸アンモニ
    ウム、パルチミン酸アンモニウム、オレイン酸アンモニ
    ウム、炭酸アンモニウム、ジシクロヘキシルアミンリン
    酸塩、ジシクロヘキシルアミン安息香酸塩、尿素、ウロ
    トロピン、チオ尿素、カルバミン酸フェニル、ベンゾト
    リアゾール、4-メチルベンゾトリアゾール、5-メチルベ
    ンゾトリアゾール、5-ニトロベンゾトリアゾール又は3-
    メチル-5- ピラゾロンの少なくとも1種以上を0.1 重量
    %以上含有させた混合物。
  2. 【請求項2】 混合物〔A〕における亜硝酸塩の少なく
    とも1種以上を水に溶解した水溶性液を混合物〔B〕の
    表層に分散被覆させることにより混合物〔A〕と混合物
    〔B〕を共存させることを特徴とする請求項1の2成分
    系防錆剤。
  3. 【請求項3】 混合物〔A〕と混合物〔B〕の共存割合
    が、重量比で1:6〜6:1の範囲であることを特徴と
    する請求項1の2成分系防錆剤。
  4. 【請求項4】 水蒸気透過量 200g/m2・24hr以上、ガー
    レー式透気度 5,000秒/100cc以下からなる通気・透湿性
    フィルムの小袋又は小容器内に、請求項1乃至3の何れ
    か一つの2成分系防錆剤を収納したことを特徴とする金
    属防錆剤。
JP05863597A 1997-02-27 1997-02-27 金属防錆剤 Expired - Lifetime JP3544447B2 (ja)

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