JPH10233535A - ジョセフソン素子およびその製造方法 - Google Patents

ジョセフソン素子およびその製造方法

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JPH10233535A
JPH10233535A JP9050931A JP5093197A JPH10233535A JP H10233535 A JPH10233535 A JP H10233535A JP 9050931 A JP9050931 A JP 9050931A JP 5093197 A JP5093197 A JP 5093197A JP H10233535 A JPH10233535 A JP H10233535A
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JP
Japan
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josephson
present
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josephson element
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JP9050931A
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English (en)
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Tomoyuki Yamada
朋幸 山田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な特性を示すジョセフソン素子を再現性
良く製造し得る製造方法を提供する。 【解決手段】 双結晶基板10の接合線11が露出する
表面10aに酸化物超電導薄膜12を成長させるジョセ
フソン素子の製造方法において、双結晶基板10とし
て、その接合線11の幅寸法が0.8μm以下の双結晶
基板10を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物超電導体を
用いたジョセフソン素子およびその製造方法に関し、特
に双結晶基板を用いたジョセフソン素子およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】YBaCuO、BiSrCaCuO 、TlBaCaCuO のよう
な酸化物超電導体を応用した電子デバイスに、ジョセフ
ソン効果を利用したジョセフソン素子がある。このジョ
セフソン素子の製造方法に、例えばD. Dimos等によっ
て、Phys. Rev. Lett. Vol. 61,P219-222(1998)に示さ
れたバイクリスタル接合方法がある。
【0003】バイクリスタル接合方法では、例えばSrTi
O3の(100)面を表面とする2枚の結晶板を、互いに
その結晶方位を異ならせて張り合わせた後、これに熱処
理を施して形成された双結晶基板が用いられる。双結晶
基板の接合線が露出する表面に、酸化物超電導薄膜がエ
ピタキシャル成長されると、接合線上に、酸化物超電導
薄膜の粒界接合が形成される。この粒界接合は、ジョセ
フソン効果を示すことから、粒界接合を含む酸化物超電
導薄膜を所望パターンに成形することにより、ジョセフ
ソン素子が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
たような従来のバイクリスタル接合方法によって得られ
たジョセフソン素子は、その特性にばらつきが生じやす
く、ほぼ均等な特性のジョセフソン素子を製造する上
で、その再現性に問題があった。そこで、本発明は、ほ
ぼ均等で良好な特性を示すジョセフソン素子、およびこ
の良好な特性を示すジョセフソン素子を再現性良く製造
し得る製造方法を提供することを企図する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、バイクリ
スタル接合方法におけるジョセフソン素子の特性のばら
つきが、酸化物超電導薄膜が成長される双結晶基板に原
因があることをつきとめた。この双結晶基板の接合線
は、その上に成長される酸化物超電導薄膜に、ジョセフ
ソン効果を示す粒界接合を形成する上で、不可欠ではあ
る。しかしながら、この接合線が例えば0.8μmを越
えるような幅寸法を有する双結晶基板上に成長させた酸
化物超電導薄膜からなるジョセフソン素子では、臨界温
度以下の低温領域で、抵抗が残留し、この残留抵抗によ
る特性の低下を招くことが判明した。
【0006】そこで、本発明は、次の構成を採用する。 〈構成〉本発明は、基本的には、双結晶基板の接合線が
露出する表面に酸化物超電導薄膜を成長させるジョセフ
ソン素子およびその製造方法において、双結晶基板とし
て、その接合線の幅寸法が0.8μm以下の双結晶基板
を用いることを特徴とする。
【0007】〈作用〉本発明では、双結晶基板の接合線
の幅寸法が0.8μm以下の良質な双結晶基板が選択さ
れ、選択された良質の双結晶基板上に、酸化物超電導薄
膜が成長される。これにより、双結晶基板の接合線に沿
って、酸化物超電導薄膜に良質な粒界接合が形成され
る。その結果、本発明によれば、臨界温度以下の低温領
域で電気抵抗が残留しない、良質なジョセフソン素子が
得られ、また、この良質なジョセフソン素子を確実かつ
比較的容易に形成することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
について詳細に説明する。 〈具体例〉本発明に係るジョセフソン素子のための双結
晶基板の結晶材料として、例えばSrTiO3が用いられ、そ
の(100)面を表面とする2枚の結晶板が、互いにそ
の結晶方位を24度の角度で異ならせて張り合わせた
後、これに熱処理が施され、これにより多数の双結晶基
板が形成される。
【0009】図1および図2は、このようにして形成さ
れた双結晶基板の接合線を、例えば光学顕微鏡(倍率:
1000)を用いて撮影した顕微鏡写真である。本発明
に係るジョセフソン素子の製造方法に用いる、選別工程
により選択された双結晶基板の顕微鏡写真が図1に示さ
れており、選択から洩れた双結晶基板の顕微鏡写真が図
2に示されている。
【0010】選別工程で選択された本発明に係る双結晶
基板では、図1に示されているように、この顕微鏡写真
からは、位置確認のための十字線状のマーカaが視認で
きるに過ぎず、接合線は視認し難い。このように、10
00倍の光学顕微鏡では視認し難い程に良質な接合線を
示す双結晶基板が選択される。この選択された双結晶基
板の接合線は、顕微鏡写真の拡大等の手段により、その
線幅を計測すると、0.8μm以下の極めて細幅であっ
た。
【0011】これに対し、図2(a)および図2(b)
に示された顕微鏡写真の双結晶基板は、選択から洩れた
基板である。これら選択から洩れた双結晶基板では、そ
れらの顕微鏡写真から明らかなように、接合線(b、
c)を比較的容易に視認できる。これらの接合線bおよ
びcの幅寸法は、0.8μmを大きく越える値であっ
た。
【0012】選択された本発明に係る良質な双結晶基板
および比較のために図2に示したと同様な選択から洩れ
た双結晶基板の両者を用いて、本発明に係るジョセフソ
ン素子を適用した超電導量子干渉計(SQUID)を作
成した。
【0013】図3ないし図8は、そのSQUIDの製造
方法を示す工程図である。選別工程で選択された良質な
双結晶基板10は、図3(a)および図3(b)に示さ
れているように、図1に示した1000倍の顕微鏡写真
でも観察し難い0.8μm以下という極めて細幅の接合
線11を有する。
【0014】選択工程により選別された双結晶基板10
は、例えばアセトン、メチルアルコールを洗浄液とする
超音波洗浄を受けた後、結晶成長装置である例えば有機
金属気相成長装置を用いて、図4(a)および図4
(b)に示されているように、接合線11が露出する双
結晶基板10の表面10a上に、例えばYBaCuO7-X (YB
CO)からなる酸化物超電導薄膜12が、400nmない
し500nmの厚さ寸法に成長される。
【0015】酸化物超電導薄膜12のための原料とし
て、Y 、Ba、およびCuのβジケトンキレートが用いら
れ、双結晶基板10の基板温度は1073Kに保持さ
れ、成長速度として、70nm/hまたは100nm/
min が採用された。この酸化物超電導薄膜12の成長に
より、接合線11に沿って、その上に接合粒界13が形
成される。
【0016】次に、10上の酸化物超電導薄膜12をS
QUIDのための所定パターンに形成するために、図5
に示されているように、酸化物超電導薄膜12上に、所
定形状のフォトレジスト14が、従来よく知られたフォ
トリソグラフィを用いて形成される。
【0017】フォトレジスト14をエッチングマスクと
するドライエッチングにより、図6示されているよう
に、それぞれがジョセフソン効果を示す接合粒界13を
含むブリッジ部15aおよび15bを備えるSQUID
のパターンが形成される。図示の例では、それぞれのブ
リッジ部15a、15bの幅寸法が7.5μmに設定さ
れた2つのジョセフソン素子がループ状に結合されてお
り、そのループの大きさは50×50μm2 に設定され
ている。この例に限らず、ブリッジ部に種々の寸法を採
用することができる。
【0018】その後、図7に示すように、例えば金ある
いは銀のようなオーミック接触を得るための電極16
が、前記したと同様なフォトリソグラフィ技術を用いて
形成され、これにより、SQUID17が完成する。
【0019】本発明に係る選択された双結晶基板10を
用いて製造したジョセフソン素子と、その比較例として
図2に示した双結晶基板を用いて製造したジョセフソン
素子との特性の比較が、それぞれの温度と抵抗値との変
化特性について測定された。ただし、本発明に係るジョ
セフソン素子のブリッジ部15aおよび15bの幅寸法
は、前記したとおり、7.5μmであるが、他方、比較
例のそれは15μmである。
【0020】図8および図9に示すそれぞれのグラフの
X軸は、温度(K)を示し、Y軸は抵抗値(Ω)を示
す。本発明に係るジョセフソン素子では、図8のグラフ
の特性線Aで示されているように、臨界温度であるほぼ
85Kから温度が低下すると、抵抗値が零へ向けて急激
に変化しており、その臨界温度以下の温度領域では、残
留抵抗が零となり、良好な超導電特性を示す。
【0021】これに対し、比較例では、図9のグラフの
特性線Bで示されているように、臨界温度であるほぼ8
5Kから温度が低下すると、抵抗値が低減するものの、
図8に示される特性線Aにおける程に急激に低下するこ
とはなく、しかも直ちに零になることはない。そのた
め、臨界温度以下での抵抗値は、その温度の低下に伴い
X軸に平行に変化することなく、角度θの傾斜に沿って
漸減することから、この抵抗分が、例えば40Kという
低温まで、残留抵抗として残ることとなる。このことか
ら、比較例では、本願発明に係るジョセフソン素子にお
けるような良好な超電導特性を得ることはできない。
【0022】図10は、図3ないし図7に示した工程に
よって得られた本発明に係るSQUIDの電圧−磁束変
化特性を示すグラフである。SQUIDの特性を調べる
ために、このSQUIDに、その電極16および16を
経て定電流を供給した状態で、順次、増大する磁束を作
用させる。この磁束の増大に応じて、端子間電圧値が、
周期的に変化すれば、良好なSQUIDが形成されてい
る、すなわち、良好なジョセフソン素子が形成されてい
ることが分かる。
【0023】図10のグラフのX軸はSQUIDに作用
する磁束(Wb)を示し、Y軸はSQUIDの端子間電
圧(μV)を示す。図10のグラフの特性線Cは、SQ
UIDへの定電流として−400μAの直流電流を供給
したときの電圧特性変化を示し、特性線Dは、同様な定
電流として−450μAの直流電流を供給したときの電
圧変化特性を示す。いずれの特性線CおよびDにおいて
も、量子化された磁束Φ0 (=2.07×10-15
b)に対応する周期的な電圧変化(図10のグラフに
は、10Φ0 のスパンが符号17で示されている)が観
測されることから、良好なSQUIDが得られており、
このSQUIDのために良好なジョセフソン素子が形成
されていることが理解できよう。
【0024】双結晶基板10の結晶面あるいは方位のず
れは、一例に過ぎず、これらは適宜選択することができ
る。また、基板材料として、SrTiO3の他、MgO 、YSZ
(イットリゥム安定化ジルコニア)、NdGaO3等の種々の
基板材料を使用することができる。また、酸化物超電導
薄膜材料として、BiSrCaCuO のようなBi系あるいはTlBa
CaCuO のようなTl系材料を用いることができる。また、
これら酸化物超電導薄膜の成長方法として、前記したM
OCVD法の他、スパッタ法、レーザアブレーション
法、分子線エピタキシー(MBE)法等を適宜選択する
ことができる。さらに、前記したところでは、本発明を
SQUIDに適応した例について説明したが、これに限
らず、種々のジョセフソン素子応用デバイスに適用する
ことができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、前記したように、双結
晶基板の接合線の幅寸法が0.8μm以下の良質な双結
晶基板が選択して用いられていることから、この良質な
接合線に沿って、酸化物超電導薄膜に良質な粒界接合が
形成され、これにより、臨界温度以下の低温領域で電気
抵抗が残留しない、良質なジョセフソン素子を確実かつ
比較的容易に形成することが可能となる。
【0026】また、本発明によれば、残留抵抗を示すこ
とのない良好なジョセフソン素子を得ることができるこ
とから、このジョセフソン素子を例えばSQUIDのよ
うな種々のジョセフソン効果を利用した電子デバイスに
応用することにより、優れた特性の電子デバイスを得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る双結晶基板の顕微鏡写真である。
【図2】比較例を示す双結晶基板の顕微鏡写真である。
【図3】選択された本発明に係る双結晶基板を示し、図
3(a)は双結晶基板の平面図であり、図3(b)は双
結晶基板の側面図である。
【図4】本発明に係る酸化物超電導薄膜の形成工程を示
し、図4(a)および図4(b)はそれぞれ平面図およ
び側面図である。
【図5】本発明に係るフォトリソ工程を示し、図5
(a)および図5(b)はそれぞれ平面図および側面図
である。
【図6】本発明に係るパターン形成工程を示し、図6
(a)および図6(b)はそれぞれ平面図および側面図
である。
【図7】本発明に係る電極形成工程を示し、図7(a)
および図7(b)はそれぞれ平面図および側面図であ
る。
【図8】本発明に係るジョセフソン素子の温度−抵抗特
性を示すグラフである。
【図9】比較例の温度−抵抗特性を示すグラフである。
【図10】本発明に係るSQUIDの電圧−磁束特性を
示すグラフである。
【符号の説明】
10 双結晶基板 11 接合線 12 酸化物超電導薄膜 13 接合粒界

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 双結晶基板の接合線が露出する表面に酸
    化物超電導薄膜を成長させて得られるジョセフソン素子
    であって、前記接合線の幅寸法が0.8μm以下である
    ことを特徴とするジョセフソン素子。
  2. 【請求項2】 双結晶基板の接合線の幅寸法が0.8μ
    m以下の基板を選択すること、選択された双結晶基板の
    接合線が露出する表面に酸化物超電導薄膜を成長させて
    ジョセフソン素子を形成することを含むジョセフソン素
    子の製造方法。
JP9050931A 1997-02-19 1997-02-19 ジョセフソン素子およびその製造方法 Pending JPH10233535A (ja)

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