JPH10229992A - 改良型歯科用磁性アタッチメント及び磁性アタッチメントを利用した印象採取方法 - Google Patents

改良型歯科用磁性アタッチメント及び磁性アタッチメントを利用した印象採取方法

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JPH10229992A
JPH10229992A JP9035242A JP3524297A JPH10229992A JP H10229992 A JPH10229992 A JP H10229992A JP 9035242 A JP9035242 A JP 9035242A JP 3524297 A JP3524297 A JP 3524297A JP H10229992 A JPH10229992 A JP H10229992A
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magnet
magnetic attachment
magnetic
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cap
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Joji Tanaka
譲治 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁性アタッチメントの装着及び位置決めが容
易に理想的かつ確実とするとともに使用範囲を拡大す
る。 【解決手段】 磁性アタッチメントのアタッチメント雄
部を構成する磁性体(マグネット又磁性材料)1は磁性
体を吸着する頭部1aと根面板等の維持歯側に取り付け
るための固定部1bを有する。また、アタッチメント雌
部は義歯等に取り付けられるキャップ付き磁性体2によ
り構成する。キャップ付き磁性体2は磁性体3とこれと
一体化されたキャップ4からなり、磁性体3を磁性体1
に吸着させるとき、キャップ4の胴部4aが磁性体1の
頭部1aを覆うことにより両者を正確な位置で結合させ
るこができる。この磁性アタッチメントは、歯科の補綴
物の装着の他、印象の採取にも利用するこができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、歯科の補修、補綴
に用いる部材に関し、特に磁力を維持力として利用する
磁性アタッチメントに関する。
【0002】
【従来の技術】現在、歯科の分野で、義歯等の補綴物を
維持するために種々の方法が採用されている。従来よ
り、機械的力を利用する方法が多く採用されていたが、
近年になって、小型で強力な磁石が開発され、磁性アタ
ッチメントが出現し、臨床応用されている。
【0003】磁性アタッチメントは、通常、義歯の側に
装着されるマグネットと、鋳接等により根面板と一体化
された後に維持歯に合着される磁性合金のキーパーとで
構成される。図26は、従来の磁性アタッチメントを使
用して義歯を装着する例を示すものである。義歯155
は、人口歯157を有するレジン床156に磁性アタッ
チメントを構成するマグネット152が取り付けられて
いる。また、維持歯となる歯根159には根面板153
が合着され、その根面板153の上面には磁性ステンレ
スからなるキーパー151が埋設される。この構成によ
り、義歯157は、そのマグネット152を維持歯側の
キーパー151に磁力により吸着させて固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】磁性アタッチメント
は、長期間使用してもその維持力が減衰しないこと、義
歯の着脱時に支持歯に無理な力がかからなく着脱が容易
であること等の利点を有する。しかしながら、磁性アタ
ッチメントの義歯及び維持歯への取付けは、マグネット
とキーパーとの位置を目算で行うため、正確な位置決め
が困難で、その作業に熟練を要し、さらに、キーパーは
根面板上面に埋め込むように取り付けるため、キーパー
とマグネットを位置合わせする場合に、互いにずれが生
じ易く正確な位置決めが困難であった。
【0005】さらに、キーパー及びマグネットの夫々の
取付けに確実性が劣り、術後の脱落の報告も少なくな
い。また、磁性アタッチメントは、MRIのような磁気
を利用する生体計測に悪影響を及ぼす欠点があり、磁性
金属のキーパー自体を可撤式、即ち、取り外し可能とす
ることが提案されているが、キーパーが根面板内に完全
に包含される方式であり、包含する金属が必要とされる
ため、その分だけキーパーを小さくしなければならず、
また、その取扱いも手間を有するという問題がある。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、磁性アタッチメントの一方を構成する部材であるア
タッチメント雄部を、根面板又はインプラント本体より
上部に突出させて固定し得る構造とすると共に、アタッ
チメント雄部自体を根面板又はインプラント本体に固定
するための固定部分を設けるようにすることによってア
タッチメント雄部の取付けを容易にし、一方、アタッチ
メント雌部をキャップ型の形状とすることにより、アタ
ッチメント雌部の取付けを容易に理想的かつ確実にする
ことのできる磁性アタッチメントを得ることを目的とす
るものである。
【0007】また、これらのことにより磁性アタッチメ
ントの使用範囲を拡大することを目的とする。さらに本
発明においては、磁性アタッチメントを、歯科の補綴部
材を製作する場合等に用いる歯型モデルを製作するたの
新しい印象採取方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の磁性ア
タッチメントは、維持歯(尚、本願明細書ででいう「維
持歯」は天然歯の他インプラントを含むものとする)に
固定される雄部と、補綴物に固定される雌部とからなる
歯科の補綴に使用する磁性アタッチメントであって、
前記雄部は、前記維持歯に固定するための固定部と、前
記補綴物を磁力により支持するための頭部を有し、前記
雌部は前記雄部を覆うキャップ部を有することを特徴と
する。
【0009】なお、雄部において少なくとも一部にマグ
ネットを有し、雌部において少なくとも一部にマグネッ
トを有する方式か、雄部において少なくとも一部に磁性
体を有し、雌部において少なくとも一部にマグネットを
有する方式、雄部において少なくとも一部にマグネット
を有し、雌部において少なくとも一部に磁性体を有する
方式の3通りの方式がそれぞれに適応することができ
る。
【0010】また、請求項2の発明の磁性アタッチメン
ト雌部は、キャップ部を有し、少なくとも一部にマグネ
ット又は磁性体を有することを特徴とする。また、請求
項3の発明による磁性アタッチメント部材は、維持歯に
固定され、補綴部材を磁力により維持するための上部に
突出した頭部を有することを特徴とする。
【0011】また、請求項4の発明による中間メタル
は、維持歯よりマグネット又は磁性体を可撤式に固定す
るための中間メタルであって、該中間メタルはマグネッ
ト又は磁性体を固定するための固定部を備えることを特
徴とする。また、請求項5の発明の印象用磁性アタッチ
メントは、維持歯に固定される雄部と、雄部に吸着する
雌部とからなる歯科の印象を採取するための印象用磁性
アタッチメントであって、前記雄部は、前記維持歯に固
定するための固定部と、前記雌部を吸着するための頭部
を有し、前記雌部は前記雄部を覆うキャップ部を有する
ことを特徴とする。
【0012】また、請求項6の発明の歯科用印象を採取
する方法は、以下の工程からなる。 (a)磁性アタッチメント雄部を口腔内の維持歯に固定
する工程と、(b)維持歯に固定された前記磁性アタッ
チメント雄部に磁性アタッチメント雌部を装着する工程
と、(c)前記磁性アタッチメント雌部に印象材を供給
して前記磁性アタッチメント雌部ととともに固化させる
工程と、(d)前記固化した印象材を口腔内の磁性アタ
ッチメント雄部より取外す工程と、(e)前記固化した
印象材中の磁性アタッチメント雌部に前記磁性アタッチ
メント雄部と同一の磁性アタッチメント雄部が装着され
た維持歯モデルを装着する工程と、(f)前記維持歯モ
デルが装着された印象材に石膏材を供給し、固化させる
工程と、(g)前記固させた石膏材を前記印象材から分
離する工程と、(h)前記石膏材中に埋設されている維
持歯モデルより磁性アタッチメント雄部を取り外す工
程。
【0013】本発明の磁性アタッチメントによれば、磁
性アタッチメントを構成する維持歯に取り付けられるア
タッチメント雄部及び補綴物に取り付けられるアタッチ
メント雌部との吸着部が、アタッチメント雄部の頭部を
アタッチメント雌部のキャップ部が覆うようになってい
るため、両者の位置決めが容易となり、アタッチメント
雌部を補綴物に取り付ける際、容易に理想的かつ確実に
取り付けることが可能となる。
【0014】また、本発明による磁性アタッチメント雌
部のキャップをキャップ構造としているため、装着部位
の状況及び目的に合わせて種々の材質や形状に変えるこ
とができ使用範囲を拡大することが可能である。また、
磁性アタッチメントの部材を、補綴部材を磁力により維
持するために上部に突出した頭部を有する構造とするこ
とにより、種々の形態の補綴物を装着することが容易と
なる。
【0015】なお、本発明による磁性アタッチメント部
材は、キャップ構造の磁性アタッチメントの雌部を使用
することなく使用することもできる。さらに、磁性アタ
ッチメント部材の固定部を可撤式にすることによって、
MRIのような磁気を利用する生体計測に悪影響を及ぼ
すのを防止することが可能であり、しかも、可撤式のた
め、後日、設計変更が可能となる。
【0016】また、必要に応じてアタッチメント雄部を
取り付けるにあたり、アタッチメント雄部を可撤式にす
るためのアタッチメント雄部と固定する固定部を有する
中間メタルを使用することにより、アタッチメント雄部
の取り付けを、種々の状況に応じて対応可能となる。ま
た、維持歯に固定される雄部と、雄部に吸着する雌部と
からなる磁性アタッチメントの雄部を維持歯に固定する
固定部と雌部を吸着する頭部とで構成し、雌部を雄部を
覆うキャップ部を有する構成として印象採取に好適に利
用できる磁性アタッチメントとすることができる。
【0017】また、本発明の磁性アタッチメントを使用
することにより、簡単な工程により印象の採取が可能と
なる。
【0018】
【発明の実施の形態】図1乃至図3は、本発明による磁
性アタッチメントの基本的な実施形態を示すものであ
る。本発明の磁性アタッチメントは、図1に示すキャッ
プ付きマグネット2と図2に示すキーパー1とから成
る。尚、キーパー1は、例えば、維持歯に固定される根
面板やインプラントに取り付けられ、アタッチメント雄
部となり、一方、義歯等補綴物に取り付けられるキャッ
プ付きマグネット2はアタッチメント雌部を構成する。
【0019】キーパー1は、通常、磁性ステンレスから
なり、マグネットを吸着する頭部1aと根面板等に取り
付けるための固定部1bを有している。キャップ付きマ
グネット2は、マグネット3とキャップ4とが一体化さ
れたものであるが、レジンを材料としてキャップを成形
する際、マグネット3を一体に組み込んで成形して製造
する。
【0020】マグネット3は円筒形状をなし、本実施形
態では、直径4.5mm、厚さ1.5mmを使用してい
る。キャップ4は、マグネット3の形状に適合するよう
に平面形状が円形をなし、周縁部に下方に垂下する胴部
4aを有している。胴部4aの内径はキーパー1の外径
に通常は等しくされている。
【0021】図3は、図1に示したキャップ付きマグネ
ット2を図2に示すキーパー1に装着した状態を示す。
キーパー1はアタッチメント雄部としてアタッチメント
雌部であるキャップ付きマグネット2のキャップの胴部
4aの内部に入り込み、マグネット3とキーパー1とが
互いに磁力により吸着される。尚、図3は磁性アタッチ
メントのキーパー(磁性体)1とキャップ付きマグネッ
ト(キャップ付き磁性体)2の吸着状態を示すもので、
実際の歯科治療における、例えば、義歯の装着の場合
は、先に示した図26のように、キャップ付きマグネッ
ト(キャップ付き磁性体)2は義歯側に固定され、キー
パー(磁性体)1は維持歯側に固定部1bにより取り付
けられて使用されるものである。
【0022】次に図4及び図5に、本発明に磁性アタッ
チメントを既製のインプラントに適用した例を示す。な
お、ここで示すインプラントとは、インプラント本体及
びインプラント本体に必要な部材の一部がすべて固定さ
れているものを示す。図中、5はインプラントでチタン
を材料として作られており、頭部5aと、ねじ部5bと
からなり、インプラント5は、そのねじ部5bにより骨
に固定されるものである。尚、本発明によるキーパー1
のねじ部1aは、インプラント5のねじ孔5cに螺合す
る形状にしてある。
【0023】さらに、キーパー1の頭部1aのねじ部1
b側の形状をインプラント5の頭部5aの外形に合わせ
た形状としておくことにより、既製のインプラントに本
発明の磁性アタッチメントを適用することができる。図
5は、図4に示したインプラント5に本発明によるキー
パー1を固定し、このキーパ1に、同じく本発明による
キャップ付きマグネット2を義歯6に装着する状態を示
すものである。尚、図5(b)は、義歯6を装着した状
態を示している。
【0024】キャップ付きマグネット2は義歯6のレジ
ン床6bに通常、即時重合レジンを使用して固定される
が、ここで、このキャップ付きマグネット2の固定する
方法の一例として、口腔内で固定する方法を述べる。先
ず、骨に固定したインプラント5にキーパー1を、その
ねじ部1bをインプラント5の頭部5aに形成したねじ
孔5cにねじ込むことにより固定する。
【0025】次に、キャップ付きマグネット2を図3に
示したような状態でキーパー1に吸着させる。このと
き、キャップ付きマグネット2は、キャップ4の胴部4
aがインプラント5の頭部5a上に突出する状態で取り
付けられたキーパー1に入り込むようにして装着される
ため、簡単に正確に位置決めされて装着することがで
き、キーパー1に吸着されているマグネット3も位置が
ずれることがない状態で保持される。
【0026】次に、マグネットの取り付けられていない
義歯のマグネット装着部分に即時重合レジンを入れ、義
歯をそのマグネット取り付け部をキャップ付きマグネッ
トの位置に合わせて載置し、指の押圧力あるいは顎の力
を利用して押圧する。これにより、キャップ付きマグネ
ットのキャップ4と義歯6のレジン床6bは即時重合レ
ジンにより強固に固定される。マグネット3が固定され
た義歯6は、キーパー1に磁力により維持されているた
め、必要に応じて取り外すことができる。また、MRI
による生体計測を行うような場合には、必要に応じてキ
ーパー1をそのねじ込みをはずすことにより取り除くこ
とができる。さらに、外すことができるため後日、設計
変更することも可能である。
【0027】上記義歯のマグネットの取付け方法によれ
ば、完成した義歯のマグネット部周囲の形態を維持歯周
囲の歯肉との関係において理想的に作製することができ
る。たとえば、義歯の取付けの際、キャップの胴部4a
によって、即時重合レジン等が図5(b)の矢印(イ)
で示すアンダーカット部分に入り込むことを防止するこ
とができる。
【0028】前記図4、図5においては、本発明の磁性
アタッチメントを既製のインプラントを使用して義歯の
装着に適用した例を示したが、本発明の磁性アタッチメ
ントを現存する歯根に適用する例について述べる。図6
はキーパー1を直接、根面板に鋳接した図を示す。
(a)は歯根12の幅径がキーパー1の直径より小さい
例を、(b)はキーパー1の直径より大きい場合を示
す。
【0029】さらに、キーパー1を歯根に合着される根
面板に図6に示すように直接鋳接することもできるが、
アタッチメント雄部の固定部をねじ式にしてそれに螺合
するねじ孔を有する中間メタルを用いることによって容
易にキーパー1を可撤式にすることができる。図7に、
本発明に磁性アタッチメントを天然歯に適用する際にア
タッチメント雄部を可撤式にするために用いる中間メタ
ル10を示す。この中間メタル10によりキーパー1を
天然歯においても可撤式にすることが容易となる。中間
メタル10は、後述するように、天然歯に合着される根
面板に埋め込むもので、アタッチメント雄部(キーパー
1)を取り付けるために使用される。なお、ここではキ
ーパーを可撤式にする例を示すが、マグネット及び磁性
体を可撤式にすることも同様に可能である。
【0030】図7(a)に示す中間メタル101 は、頭
部10a1 及び脚部10b1 からなり、頭部10a
1 は、キーパー11 の頭部1a1 の下部の形状に合致す
る外形を有する。また、頭部10a1 には、キーパー1
1 のねじ部1b1 をねじ込むためのねじ孔10c1 が形
成されている。また脚部10b1 には凹凸10dを設け
ることにより、根面板に埋め込んだ際、結合を強固にす
るためのものであり、必要に応じて設ける。
【0031】図7(b)は中間メタルの他の実施例を示
し、中間メタル102 は上部に突出する雄ねじ部10c
2 を有する偏平な皿状部10a2 からなる。皿状部10
2の下面にはこれを根面板等に埋め込んだ際、結合を
強固にするための突起10d 2 を形成することができ
る。この中間メタル102 に固定されるキーパー1
2 は、中間メタル102 の雄ねじ部10c2 に螺合する
ねじ孔1b2 が形成れている形状とされたものが使用さ
れる。
【0032】図7(c)は、他の中間メタル103 を示
し、内面にねじ部10c3 が形成され、上部に鍔部10
3 を有するカップ状の形状とされている。この中間メ
タル103 に固定されるキーパー13 は中間メタル10
3 の内面のねじ部10c3 に螺合する雄ねじ部1b3
有し、鍔部10a3 に合致する頭部1a3 を有する。図
7(a)〜(c)に示すように中間メタルは、これが固
定される根面板の状態やその形状、さらに使用するキー
パーの形状に合わせて 種々の形状とすることができ
る。
【0033】図8、図9は中間メタル10を埋め込んだ
根面板11を示す。この根面板11は、通常の歯科用金
属を使用し、歯根12に形成した凹所12aに合着され
るものである。この製造は、歯根12の凹所12aをワ
ックス等で型取りして中間メタル10を組み込んだ状態
で鋳造し、中間メタル10を鋳接することにより製造す
る。 中間メタル10を一体化した根面板11は、歯根
12の凹所12aに合着材により合着される。尚、図8
(b)、図9(b)は、キーパー1を中間メタル10を
介して歯根に取り付けた状態を示す。
【0034】このようにして取り付けられたキーパー1
に、先に述べたように本発明のキャップ付きマグネット
を使用して義歯等を装着することができる。尚、図9は
歯根の幅径が中間メタル10の直径より大きい症例に応
用したものである。本実施例によれば、キーパーの種類
に応じて中間メタルを用意しておくことにより、種々の
状態の歯根にキーパーを取り付けることが可能となる。
【0035】図10は、中間メタル10を他の方法によ
り歯根への取り付けた例を示すものである。中間メタル
10は歯根12の凹所12a内で直接にレジン等14を
用いて最上部に中間メタル10を埋め込んだ状態で固定
させるものである。図11は、図8に示すようにして歯
根12に中間メタル10を利用して取り付けたキーパー
1に本発明による磁性アタッチメントのキャップ付きマ
グネット2を装着した状態を示すものである。図11b
に示すように、キーパー1にキャップ付きマグネット2
がマグネット3により磁力により吸着している。
【0036】図示のように、本発明によるキーパー1
は、根面板11の上面に突出した状態で取り付けられて
いることとなる。一方、これに取り付けられるキャップ
付きマグネット2は、キャップの胴部4aがキーパー1
を覆うようにして装着され、これ により、マグネット
2をキーパー1に対して正確に位置決めし、その状態を
保持することができる。
【0037】尚、本実施例においても、磁性アタッチメ
ントを義歯の装着に適用する場合には、前述の図5によ
り述べた方法と同様の方法により、義歯のレジン床にキ
ャップ4を固定させてマグネットが取り付けられた義歯
を得ることができる。義歯をキャップ付きマグネット2
と接着する際、通常、義歯のマグネット装着部に即時重
合レジンを流すこととなるが、キャップ4の胴部4aが
歯根12や根面板、中間メタルを覆っているため、即時
重合レジンが例えば符号14で示す空所に入り込んでし
まうことを防ぐことができる。
【0038】図12は、義歯にマグネットを取り付ける
場合、キャップ付きマグネットを使用した場合(a)と
使用しない場合(b)を対比するための図である。図1
2aに示すように、キャップ付きマグネットを使用して
義歯を取り付けた場合は、義歯のレジン床6aとマグネ
ットのキャップ4とが理想的に取り付けられている。こ
れに対して、図12bに示すキャップのないマグネット
を取り付けた場合は、例えば、即時重合レジン等が歯根
12や中間メタル10や根面板11のアンダーカット部
14に入り込んで取り付けられたり、歯根12や中間メ
タル10または根面板11と歯肉13との間に不必要な
空隙16が生じて取り付けられたりする場合がある。
【0039】磁性アタッチメントのマグネットとしてキ
ャップ付きマグネットを用いることにより、図12
(a)に示すように上記問題点は解決される。次に、本
発明による磁性アタッチメントのうち、アタッチメント
雄部となるキーパーの形状の種々の実施形態を図13に
示す。図13(a)は高さhの高いキーパー20、
(b)は高さhの低いキーパー21を示している。高さ
の高いキーパー20は、いわゆる積極的維持装置として
用いる場合に使用し、低いキーパー21は、いわゆる守
りの維持装置として使用する場合に使用するのに適して
いる。
【0040】その他、キーパーを取り付ける維持歯等の
状況や使用目的により、種々の形状のキーパーが考えら
れる。図(c)のキーパー22は、キーパー側面に傾斜
を持たせたもの、図(d)のキーパー23は側面を湾曲
形状としたもの、図(e)のキーパー24は上面を球形
状にしたものであり、より有害な負荷を逃すように、維
持歯の状況や使用目的に応じてキーパーの形状を選択す
ることができる。尚、図(f)は図(e)のキーパー2
4を使用した場合に使用するマグネット25を示すもの
で、キーパーとの当接面をキーパーの外面と合致する形
状としたものであるが、球状にした場合、吸着面が広く
なり吸引力が増すと考えられる。
【0041】次に、本発明による磁性アタッチメントの
うち、アタッチメント雌部のキャップ4の形状の種々の
実施形態を示す。図14(a)は、キーパーをしっかり
した状態で覆うようにしてあり、いわゆる積極的維持装
置としての使用に適している。図(b),(c)は、キ
ャップの胴部に傾斜を持たせたの、湾曲形状を持たせた
ものの例で、いわゆる守りの維持装置としての使用に適
している。
【0042】また(d)に示すものは、キャップ33の
胴部33aとキーパー1の側面との間に若干の間隙を持
たせるよにしたもので、このようにすることにより、キ
ャップに作用する側方力をより開放するこができる。さ
らに(e)に示すものはキャップ34の内部にスペーサ
34bを取付けておき、キーパー1より浮かしてキャッ
プを覆い、キャップ34を補綴物と接着した後スペーサ
34bを削除することによって垂直荷重も緩圧すること
を期待したものである。尚、(f)はキーパー24を使
用した場合のキャップ35を示すものである。キャップ
35以外のキャップ30、31、32、33、34はキ
ーパー20、21、22、23の夫々に応用できる。こ
れらは、維持歯の状況や使用目的に応じて選択すること
ができる。
【0043】以上、キャップ付きマグネットのキャップ
について種々の変形例を示したが、キャップの材料につ
いては、これまで、レジンとして説明したが、キャップ
の材料を変えることにより、種々の使用目的や、維持歯
の状況に対応して応用することができる。たとえば、キ
ャップを弾性材料とすることにより、垂直的荷重の緩圧
効果も発揮し、歯根あるいはインプラントと粘膜との被
圧変位の差を補う緩圧効果を期待することができる。
【0044】図15は、本発明の磁性アタッチメントの
マグネットの他の変形例を示すものである。この例にお
いては、キャップ付きマグネット40は、マグネット4
1を金属製のキャップ42と一体に形成したもので、こ
のキャップ状のマグネット40をキーパー43と組み合
わせていわゆる積極的維持装置として使用するこができ
る。
【0045】図16は、図15に示した磁性アタッチメ
ントをクラウン45の装着に適用した例を示すものであ
る。図16(a)はインプラント5に適用する場合を示
し、図16(b)は歯根12に取り付けた根面板11に
中間メタル10を使用してクラウン45を装着する例を
示している。クラウン45はキャップ付きマグネット4
0と適宜の合着材により合着して、容易に可撤式のクラ
ウンとすることができる。同様に可撤式のブリッジも容
易に製作することが可能である。
【0046】図17は、本発明の磁性アタッチメントの
他の変形例を示す。これまで述べてきた磁性アタッチメ
ントは、キーパーがアタッチメント雄部の形状をなし、
キャップ付きマグネットがアタッチメント雌部をなすも
のであった。本変形例では、この結合関係を逆にしたも
のである。即ち、マグネット52は支持部材51に取り
付けられており、支持部材51は、頭部51a及びねじ
部51bからなり、例えば、インプラントあるいは根面
板等にねじ込み固定して、アタッチメント雄部をなす。
一方、キーパー50はキャップの形状をなすものでアタ
ッチメント雌部となるもので、マグネットと接するとこ
ろは磁性ステンレスでその他の部分は磁性ステンレスで
ない金属でもよい。キャップ型のアタッチメント雌部材
は金属製であり、可撤式のクラウンやブリッジの応用に
適している。
【0047】この変形例を用いることによって、さらに
応用範囲が広がる。即ち、たとえばクリアランスの無い
症例においても、吸着力の強い大きめのマグネットを利
用することができる。更に、クラウン、ブリッジを直接
アタッチメント雌部(キーパー側)と鋳接することがで
きるため、精度を上げることができる。特に、インプラ
ントにおいては雌部によってマージン部を既製に製作で
きるため、精度が非常に高い、可撤式クラウンブリッッ
ジが製作できると考えられる。天然歯においても、中間
メタルを用いることによって、同様に応用可能であると
考えられる。
【0048】図18は図17に示した磁性アタッチメン
トをクラウン46の装着に適用した例を示すものであ
る。図18(a)は、インプラントに適用した例、
(b)、(c)は根面板11に中間メタル10を介して
支持部材51を取り付けたもので、(b)は中間メタル
10の直径が歯根幅より大きい場合、(c)は、歯根幅
より小さい場合の例である。
【0049】クラウン46はアタッチメント雌部と鋳接
により接続される。マグネットは熱に弱いためこれまで
述べてきた磁性アタッチメントは雌部にマグネットがあ
ったため、雌部を鋳接することはできなかったが、この
変形例は逆にすることによって鋳接も可能となった。図
19は図18に示す各例のクラウン46を外したころを
示す。
【0050】図20は、図17と同様にキーパーを雌型
にマグネットを雄型とした他の例を示している。この場
合、マグネット支持部材61を円みを有する凸状または
球状として形成し、その中にマグネット62を埋設した
ものである。また、アタッチメント雌部60はマグネッ
ト支持部材61の外形に合った形状となっており、全て
または一部が磁性ステンレスからなる。このような形状
とする磁性アタッチメントは、いわゆる守りの維持装置
としての使用に適しているものである。このことにより
吸着面が増し、さらに補綴物着脱時の指向性をさらにな
くすことができる。そのため、維持歯の方向が悪い場合
や指向性の強い維持装置との併用での使用も容易に可能
となる。また、クラウン、ブリッジ及びオーバーデンチ
ャーに応用可能である。
【0051】以上、磁性アタッチメントを歯の補綴物の
装着に適用するものについて述べてきたが、次に、磁性
アタッチメントを利用して、歯の印象を採取する方法に
ついて述べる。歯科において例えば、歯の治療に使用す
る義歯やクラウンやブリッジ等を製作する場合に、口腔
内の歯形の印象を採取する必要がある。精度を上げた印
象を採取する場合には複雑な過程を経なけらばならな
い。本発明者は、磁性アタッチメントを使用することに
よりこれまで複雑な過程を経ていた印象の採取をきわめ
て簡単な方法で行うことを見出した。以下に磁性アタッ
チメントを利用した印象採取方法についてインプラント
を用いた場合を例にして述べるが天然歯にも適用可能で
ある。なお、ここでは雄部に磁性材、雌部にマグネット
を用いた例で述べるが他の方式でも適応できる。
【0052】図21の(a)〜(h)は、磁性アタッチ
メント使用して印象採取を行う例を示すもので、ここで
は、(a)口腔内にインプラントが固定された状態を印
象材及び石膏を用いて(h)に示す歯型モデルを作成す
る手順を示す。(a)は口腔内において歯肉100にイ
ンプラント101が固定された状態を示している。先
ず、(a)に示すように、このインプラント101に1
02で示す磁性アタッチメント雄部102をそのねじ部
102bをインプラント101のねじ孔101bにねじ
込むことにより固定する。
【0053】次に、(b)に示すように、磁性アタッチ
メント雄部102にマグネットを有するキャップ型の磁
性アタッチメント雌部103を装着する。磁性アタッチ
メント雌部103は磁性アタッチメント雄部102と磁
力により固定される。次に、磁性アタッチメント雄部1
02と雌部103が固定された口腔内のインプラント1
01上に、(c)に示すよに、トレイ105に載せた印
象材106を覆うようにして供給し、印象材が固化する
までその状態を保つ。
【0054】印象材106が固化した後、歯肉100及
びインプラント101より取り外すと(d)に示すよう
に、磁性アタッチメント雌部103が印象材に埋め込ま
れた状態の口腔内のマイナスの型が得られる。次に、
(e)に示すように、印象材106に固定された磁性ア
タッチメント雌部103に、予め用意しておいたインプ
ラント101と同一のモデル(アナログ)110に、イ
ンプラント101に固定した磁性アタッチメント雄部1
02と同一又は同一形状である磁性アタッチメント雄部
1021 を固定したものを磁力を利用して固定する。
【0055】次いで、インプラントモデル110が固定
された印象材の型に、(f)で示すように、流動状の石
膏115を供給し、これを固化させる。石膏115が固
化した後、これを印象材106から取り外すと、(g)
で示すように、磁性アタッチメント雄部1021 が固定
されたインプラントモデル110が埋設された石膏によ
る型が得られる。
【0056】そして、この石膏の型に固定されたインプ
ラントモデル110よりねじ込みされた磁性アタッチメ
ント雄部1021 を取り外し、(h)の状態のものを得
る。この(h)の状態の型は、(a)に示すインプラン
ト101が固定された口腔内の状態と同一の状態を再現
したモデルである。このモデルは、例えば、インプラン
ト101に装着する義歯、クラウンあるいはブリッジの
製作に利用される。
【0057】従来のこの種の印象の採取は、印象用コー
ピングというインプラントに適合するねじ付き部品を使
用し、これらをインプラントあるいは印象材供給用のト
レイとねじにより取り付けたり、あるいは取り外したり
するなど、複雑な工程を経て行っていた。本発明におい
ては、上述のように、磁性アタッチメントを利用するこ
とにより、きわめて簡単な工程で印象を得ることが可能
となる。
【0058】以上、磁性アタッチメントを利用した歯の
義歯、クラウンなど補綴部の装着と、印象の採取につい
て述べていたが、ここで、磁性アタッチメントを構成す
る部材の他の実施例についてインプラントを用いた場合
を例にしてさらに説明する。なお、天然歯にも適用可能
である。図22は、斜めの状態で固定されたインプラン
トに適用する場合の磁性アタッチメントを示す。この場
合、インプラント側に固定される磁性アタッチメント雄
部121は、その上面121aが固定された状態でほぼ
水平となることが通常望ましい。本例の磁性アタッチメ
ント雄部121は別部材である取付けねじ121bによ
りインプラント120に固定されるが、磁性アタッチメ
ント雄部121の形状は図示のようにその上面121a
が、インプラント120の長手方向の軸に対して所定の
角度を有する形状とされている。なお、この磁性アタッ
チメント雄部121に装着される磁性アタッチメント雌
部122を利用する場合は、そのマグネットを有する内
側面が磁性アタッチメント雄部121の上面121aに
密着するようにされている。
【0059】このように、磁性アタッチメント雄部の雄
部の形状を変えることにより、固定されるインプラント
が垂直でないものであっても支障が生じないないように
することができる。図23は、磁性アタッチメント雄部
の他の実施例を示す。本例では、アタッチメント雄部1
25がカップ状の形状ななしている。そして、このアタ
ッチメント雄部の取付けは仮着材を用いてもよいがねじ
125aを用いることもできる。本例のカップ形状のア
タッチメント雄部125は、インプラントの頭部が突出
しているものか、インプラントに突出した部材がすでに
固定されている場合や天然歯にもに有効である。
【0060】図24は、維持歯に固定され補綴部材を磁
力により維持する部材の代表的なものを示している。
(a)に示すアタッチメント雄部130は、雄部本体の
上面130aと下面130bが平行となっている標準的
な形状を有するものを示す。(b)のアタッチメント雄
部131は、前述の図22で説明した場合のように、斜
めに固定されている維持歯に固定するのに適した形状と
なっている。(c)に示す磁性アタッチメント雄部13
2は、雄部本体と固定用のねじ部が一体に形成されたて
いるものである。
【0061】なお、以上述べたすべての形状において、
必要に応じて溝、あるいは凹凸を形成して回転を防止す
るようにすることもできる。図25は、維持歯に固定さ
れ補綴部材を磁力により維持する部材の材料について種
々の形態を示す。なお、図15(a)〜(e)におい
て、斜線部分は、磁性体又はマグネット部分(以下、こ
こでは単に「磁性体」という)を表している。(a)に
示すアタッチメント雄部140は全体が磁性体で形成さ
れている。(b)のアタッチメント雄部141は、固定
部分は非磁性体の金属を使用し、上面のみを磁性体で形
成している。(c)のアタッチメント雄部142は、取
付け用のねじを別体としたものであるが、アタッチメン
ト本体部分に磁性体を使用した例である。なお、ねじ部
においても磁性体を使用することができる。
【0062】(d)のアタッチメント雄部143は、上
面又は一部の側部を磁性体で形成し、取付け用ねじは非
磁性体で構成したものである。(e)に示すアタッチメ
ント雄部144は、本体の上部と取付けねじの頭部のみ
を磁性体で形成している。上記の例のうち、(b)、
(d)、(e)のように部分的に磁性体で形成し、取付
け部分を非磁性体で形成することにより、耐腐蝕性を高
めることができる。
【0063】(f)のアタッチメント雄部144は、耐
腐蝕性を高める手段として、アタッチメント雄部145
の下面部分及び取付けねじ部分の表面に耐腐蝕性を有す
る金属被膜を施したものである。また、同様に(g)に
示すアタッチメント雄部146は、アタッチメント本体
の下面部分及び別体の取付けねじの頭部表面を除く外表
面に耐腐蝕性の金属被膜を施しているものである。この
例では、金属の接触から生ずるすきま腐蝕を防ぐことが
できる。
【0064】以上、天然歯やインプラントに固定される
雄部と、これに磁力により吸着される雌部とからなる歯
科における補綴物の装着に使用される磁性アタッチメン
トと、印象採取するための磁性アタッチメントの使用方
法について述べてきた。そしてそれらの具体例において
は一部の例(図17乃至図20)を除き、雄部において
少なくとも一部に磁性体(キーパー)を有し、雌部にお
いて少なくとも一部にマグネットを有する方式としたも
のである。しかしながら、本発明による磁性アタッチメ
ントはこれらに限るものでなく、雄部において少なくと
も一部にマグネットを有し、雌部において少なくとも一
部に磁性体を有する方式、雄部において少なくとも一部
にマグネットを有し、雌部においてくなくとも一部にマ
グネットを有する方式においても、以上最初より述べて
きたすべてにおいて適用可能である。
【0065】また、キャップを構成する材料は、これま
で具体的に述べたように、レジンや金属の他弾性部材も
使用することが可能である。さらに、磁性アタッチメン
トの雄部は、常にキャップ構造を有する雌部と対にして
使用する例について述べてきたが、これらに限ることな
く、最初より述べてきたすべてにおいてキャップ構造を
有しない、マグネット部材あるいは磁性体を磁力により
維持する部材としても使用できる。
【0066】上述の如く、本発明の磁性アタッチメント
によれば、以下のごとき種々の利点が得られる。 (1)維持歯側に固定する部材である雄部の形態を変え
ることにより、症例にあった磁性アタッチメントとする
ことができる。 (2)雄部を既製のインプラントに固定できるように製
作することにより、容易にインプラントにおいて、磁性
アタッチメントを応用できる。
【0067】(3)雄部の固定部を可撤式にすることに
よって、雄部を可撤式とすることが可能となり、MRI
に及ぼす影響防止、さらには、後日、設計変更が可能と
なる。 (4)雄部の固定部をネジ式とし、それに螺合するネジ
孔を有する中間メタルを製作することにより、天然歯に
いても、雄部可撤式磁性アタッチメントをよういに作成
することができる。
【0068】また、アタッチメント雌部の利点として、 (5)雄部と雌部がキャップにより定められた位置に吸
着するようになっているため容易に正確にかつ確実に、
雌部を補綴物に取り付けることができる。 (6)予めキャップとマグネットが一体化しているた
め、マグネットの脱落をより少なくするこができる。
【0069】(7)オーバーデンチャーにおいては、キ
ャップ部を長くすることによって、雌部を義歯に取り付
ける際、レジン等が余分な部分に流れことを防止するこ
とができる。更に、マグネット部周囲の形態を容易に理
想的に作製することができる。 (8)キャップの形態を変えることにより、有害な負荷
の緩圧効果を調節することができる。
【0070】(9)キャップを弾性材料とすることによ
り垂直及び側方荷重の緩圧効果をさらに得ることができ
る。 (10)キーパーの高さを高くして積極的維持装置に
し、それにあったキャップ付きマグネットを用意してお
くことにより、容易に可撤式クラウン、ブリッジとする
ことができる。
【0071】(11)雄部にマグネット、雌部にキーパ
ーを有すようにすることにより、磁性アタッチメントの
応用範囲を広げることができる。例えば、クリアランス
のない症例においても、吸着力の強い大きめのマグネッ
トを使用できる。また、クラウン、ブリジを直接雌部
(キーパー側)と鋳接することができるため、精度を上
げることができる。
【0072】(12)斜めの状態である維持歯に適用す
ることができる。 (13)維持歯側に固定する雄部の腐蝕の生じ易い部分
を耐蝕性金属で形成したり、耐蝕性の材料でコーティン
グしたりするこにより、雄部のすきま腐蝕を防止するこ
とができる。 (14)従来の精度を上げた印象を採取する方法として
印象用コーピングを使用したり、これらをねじにより取
り付けたりするなど、複雑な工程を経て行う方法もある
が、本発明による磁性アタッチメントを利用することに
より、きわめて簡単な工程で印象を得ることが可能とな
る。
【0073】
【発明の効果】上述の如く、本発明の磁性アタッチメン
トによれば、雄部を頭部を有す構造とし、雌部を雄部の
頭部を覆うキャップ部を有する構造とすることにより、
両者の位置合わせを確実に行うことが可能となる。ま
た、本発明による磁性アタッチメント部材として、補綴
部材を磁力により維持する上部に突出する頭部を有する
構造とすることにより、磁性アタッチメントの雌部を介
してのみならず、種々の形態の補綴物、例えば、義歯、
ブリッジ、クラウン等を磁力により維持することが容易
となるとともに応用範囲を拡大できる。
【0074】また、本発明の中間メタルを使用すること
により、マグネット又は磁性体を容易に可撤式に維持歯
に固定することができる。また、磁性アタッチメントを
印象採取に利用することにより、簡単な工程で、精度を
上げた印象を採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁性アタッチメントのキャップ付
きマグネットの基本的な実施形態をを示す図である。
【図2】本発明による磁性アタッチメントのキーパーの
基本的実施形態を示す図である。
【図3】磁性体(キーパー)にキャップ付き磁性体(キ
ャップ付きマグネット)を装着した状態を示す図であ
る。
【図4】キーパーをインプラントに取り付け図を示し、
(a)は取り付け前の状態、(b)は取り付けた状態を
示す図である。
【図5】本発明による磁性アタッチメントを使用してイ
ンプラントに義歯を装着する状態を示す図である。
【図6】キーパーを直接根面板に鋳接した図である。
【図7】キーパーの取り付けに使用する中間メタルを示
す図である。
【図8】中間メタルが取り付けられた根面板を歯根に合
着した図である。
【図9】歯根の幅径が中間メタルの直径より大きい症例
を示す図である。
【図10】レジンにより歯根に中間メタルを取り付けた
状態を示す図である。
【図11】中間メタルに取り付けたキーパーにキャップ
付きマグネットを装着した図である。(a)はキャップ
付きマグネットを示し、(b)はキャップ付きマグネッ
トが装着された状態を示す図である。
【図12】(a)本発明による磁性アタッチメントを使
用して義歯にマグネットを装着した状態を示す図であ
る。(b)はキャップのないマグネットを使用して義歯
にマグネットを装着した状態を示す図である。
【図13】本発明による磁性アタッチメントのキーパー
の変形例を示す図である。(a)〜(e)は夫々頭部の
形状を変化させたキーパーを示す。(f)はマグネット
の変形例を示す図である。
【図14】キャップ付きマグネットの変形例を示す図で
ある。
【図15】金属製キャップと一体化したマグネットを使
用する例を示す図である。
【図16】金属製マグネット付きキャップを使用してク
ラウンを装着する例を示す図である。
【図17】磁性アタッチメント雄部にマグネット、磁性
アタッチメント雌部にキーパーを用いた図である。
【図18】図17に示した磁性アタッチメントを用いて
クラウンを装着する例である。
【図19】図18に示す例のクラウンを外した状態を示
す図である。
【図20】磁性アタッチメント雄部にマグネット、磁性
アタッチメント雌部にキーパーを用いた他の例を示す図
である。
【図21】磁性アタッチメントを使用して印象を採取す
る工程を示す図である。
【図22】斜めに固定されたインプラントに取付けられ
る磁性アタッチメントの例を示す図である。
【図23】カップ形状の磁性アタッチメント雄部を示す
図である。
【図24】磁性アタッチメントの雄部の代表的形状を示
す図である。
【図25】磁性アタッチメント雄部を構成する材料につ
いて種々の形態を示す図である。
【図26】従来の磁性アタッチメントの使用例を示す図
である。
【符号の説明】
1、102 磁性体(マグネット又は磁性材料) 2 キャップ付き磁性体 3 磁性体 4 キャップ 5、101 インプラント 6 義歯 10 中間メタル 11 根面板 14 レジン 105 トレイ 106 印象材 110 アナログ 115 石膏

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 維持歯に固定される雄部と、補綴物に固
    定される雌部とからなる歯科の補綴に使用する磁性アタ
    ッチメントであって、 前記雄部は、前記維持歯に固定するための固定部と、前
    記雌部を吸着するための頭部を有し、前記雌部は前記雄
    部を覆うキャップ部を有することを特徴とする磁性アタ
    ッチメント。
  2. 【請求項2】 キャップを有し、少なくとも一部にマグ
    ネット又は磁性材料を有する磁性アタッチメント雌部。
  3. 【請求項3】 維持歯に固定され、補綴部材を磁力によ
    り維持するために上部に突出した頭部を有する磁性アタ
    ッチメント部材。
  4. 【請求項4】 維持歯にマグネット又は磁性体を可撤式
    に固定するための中間メタルであって、該中間メタルは
    マグネット又は磁性体を固定するための固定部を備える
    中間メタル。
  5. 【請求項5】 維持歯に固定される雄部と、雄部に吸着
    する雌部とからなる歯科の印象を採取するための印象用
    磁性アタッチメントであって、 前記雄部は、前記維持歯に固定するための固定部と、前
    記雌部を吸着するための頭部を有し、前記雌部は前記雄
    部を覆うキャップ部を有することを特徴とする印象用磁
    性アタッチメント。
  6. 【請求項6】 (a)磁性アタッチメント雄部を口腔内
    の維持歯に固定する工程と、(b)維持歯に固定された
    前記磁性アタッチメント雄部に磁性アタッチメント雌部
    を装着する工程と、(c)前記磁性アタッチメント雌部
    に印象材を供給して前記磁性アタッチメント雌部ととも
    に固化させる工程と、(d)前記固化した印象材を口腔
    内の磁性アタッチメント雄部より取外す工程と、(e)
    前記固化した印象材中の磁性アタッチメント雌部に前記
    磁性アタッチメント雄部と同一の磁性アタッチメント雄
    部が装着された維持歯モデルを装着する工程と、(f)
    前記維持歯モデルが装着された印象材に石膏材を供給
    し、固化させる工程と、(g)前記固させた石膏材を前
    記印象材から分離する工程と、(h)前記石膏材中に埋
    設されている維持歯モデルより磁性アタッチメント雄部
    を取り外す工程と、 からなる歯科における印象採取する方法。
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