JPH10229072A - プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

プラズマ処理方法、プラズマ処理装置及び半導体装置の製造方法

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JPH10229072A
JPH10229072A JP9047150A JP4715097A JPH10229072A JP H10229072 A JPH10229072 A JP H10229072A JP 9047150 A JP9047150 A JP 9047150A JP 4715097 A JP4715097 A JP 4715097A JP H10229072 A JPH10229072 A JP H10229072A
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plasma
sample
permanent magnet
vacuum vessel
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Application number
JP9047150A
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English (en)
Inventor
Masashi Inoue
雅司 井上
Akinori Ozaki
成則 尾▲崎▼
Masahide Iwasaki
征英 岩▲崎▼
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料へのダメージを最小限に抑えつつ均一な
プラズマ処理を行うこと。 【解決手段】 プラズマを試料(10)方向に導く第1
の磁界との相互作用によって真空容器(12,14)の
内壁側へのプラズマの拡散を抑制するように、試料(1
0)と真空容器の内壁との間に第2の磁界を形成すると
ともに、少なくとも試料(10)側の第2の磁界を弱め
る弱磁場領域を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品や半導体
素子の製造工程におけるエッチングや薄膜形成等の処理
をプラズマを利用して行うプラズマ処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマ処理装置は、微量の反応ガスを
含む真空容器内にマイクロ波を導入し、当該真空容器内
でガス放電を生起させてプラズマを生成する。そして、
このプラズマを試料基板の表面に照射することによっ
て、エッチングや薄膜形成等の処理を行なう。このよう
なプラズマ処理装置は、高集積半導体素子の製造に欠か
せないものとして、その研究が進められている。特に、
プラズマの励起に電子サイクロトロン共鳴(ECR:El
ectron Cyclotron Resonace)を利用したECRプラズ
マ処理装置は、低ガス圧領域下で活性度の高いプラズマ
を生成できる装置として実用化されている。
【0003】ところで、プラズマ処理装置における処理
品質の向上のためには、プラズマが試料の全範囲にわた
って均等な密度を有することが重要である。特に、近年
開発の進んでいる直径12インチの半導体ウエハのよう
に試料の処理面積が大きくなると、その試料上における
プラズマ(イオン)の強度分布を均一に保つことが今ま
で以上に重要となる。しかしながら、試料上でのプラズ
マの均一性を保つことは困難であった。例えば、試料に
向かって磁界の強度が適当な勾配を持って弱くなる発散
磁界を利用して真空容器内で生成されたプラズマを試料
に照射するような構成を採る場合には、試料の処理面上
での磁束密度の分布が一様でなくなる。また、真空容器
内のプラズマは、基本的には真空容器内の磁場(発散磁
界)に拘束されて試料上に照射されるが、試料の外周部
分では真空容器の内壁方向に拡散の影響が顕著になるた
め、試料上でのプラズマは完全な均一にならない。
【0004】試料上のプラズマ粒子の分布が不均一であ
ると、試料上において高イオン密度領域と低イオン密度
領域とが形成されるため、エッチング処理においては、
処理速度均一性又は異方性を悪化させる等の不都合が生
じる。また、試料上で電位差が生じて電流が流れ、当該
試料上に形成される半導体素子を破壊するという事態も
生じかねない。一方、CVD処理においては、半導体基
板上に生成される膜厚の偏りなどが生じて均一な成膜が
困難になる。そして、半導体基板のプラズマ処理が均一
に行われない場合には、最終的に製造される半導体装置
の性能が劣化してしまう。
【0005】このため、従来においては、特公平6−4
0542、特開平6−210646、特開平1−222
437に示されているように、プラズマの伝播方向に対
する試料の後方に永久磁石を配置し、試料台上の磁束密
度分布を均一にすることによりプラズマの均一性の向上
を図っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の方法では、プラズマ生成用のコイルにより
真空容器内に形成される磁場を試料上で強制的に制御し
ているため、種々の問題が発生した。例えば、試料の外
周部下方(後方)に磁石を配置した場合には、試料の外
周部に比べて試料中央部でプラズマの発散が大きくなっ
てしまう。その結果、試料中央部で荷電粒子が加速さ
れ、試料にダメージを与える原因となっていた。また、
試料表面に向かう磁束が極所的に曲げられるため、磁束
密度すなわちプラズマ密度が不均一となってしまう。更
に、試料(試料台)に対して高周波バイアス(RFバイ
アス)を印加した時に、プラズマのインピーダンスが空
間的に不均一となり、試料に印加されるRFバイアスが
不均一となる。このような種々の問題が、試料の均一な
処理の妨げとなっていた。
【0007】本発明は上記のような状況に鑑みてなされ
たものであり、試料へのダメージを最小限に抑えつつ均
一なプラズマ処理を行うことのできるプラズマ処理方法
を提供することを第1の目的とする。
【0008】また、試料へのダメージを最小限に抑えつ
つ均一なプラズマ処理を行うことのできるプラズマ処理
装置を提供することを第2の目的とする。
【0009】更に、半導体基板へのダメージを最小限に
抑えつつ均一なプラズマ処理を行うことで、高品質な半
導体装置の製造に寄与する半導体装置の製造方法を提供
することを第3の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及びその作用】上記課題を
解決するために、本発明の第1の態様にかかるプラズマ
処理方法においては、プラズマを試料(10)方向に導
く第1の磁界との相互作用によって真空容器(12,1
4)の内壁側へのプラズマの拡散を抑制するように、試
料(10)と真空容器の内壁との間に第2の磁界を形成
するとともに、少なくとも試料(10)側の第2の磁界
を弱める弱磁場領域を形成する。これにより、試料(1
0)に対してダメージを与えることなく均一なプラズマ
処理を行うことができると。すなわち、試料(10)上
での磁場の発散具合の不均一性による荷電粒子の加速に
よって、試料(10)にダメージを与えることがない。
また、弱磁場領域により、第2の磁界の試料(10)方
向への磁界の張り出しを小さくすることができ、試料
(10)周辺の構成、更には装置全体をコンパクトにす
ることができる。
【0011】本発明の第2の態様にかかるプラズマ処理
装置は、プラズマを試料(10)方向に導く第1の磁界
を形成する第1磁界形成手段(22,24,26,2
8)と;第1の磁界との相互作用によって真空容器(1
2,14)内壁側へのプラズマの拡散を抑制するよう
に、試料(10)と真空容器(12,14)の内壁との
間に第2の磁界を形成する第2磁界形成手段(44)
と;少なくとも試料(10)側の第2の磁界を弱める弱
磁場領域を形成する弱磁場形成手段(48)とを備えて
いる。
【0012】ここで、上記本発明は、試料(10)に高
周波電力を印加する電力供給手段(48)を備えた場合
に特に有効である。また、第2磁界形成手段としては、
試料(10)と真空容器(12,14)の内壁との間に
配置された永久磁石(44)を使用することができる。
そして、好ましくは、永久磁石(44)は、真空容器
(12,14)の内壁の影響を受けないように、当該内
壁から所定の間隔をもって配置する。更に、永久磁石
(44)による磁界によって試料(10)上でのプラズ
マの密度が低下しないように、試料(10)から所定の
間隔をもって配置する。また、永久磁石は、試料(1
0)の外周を囲むように、例えば、リング状に形成する
ことが望ましい。
【0013】本発明の第3の態様にかかる半導体装置の
製造方法においては、プラズマを半導体基板(10)方
向に導く第1の磁界を形成する工程と;第1の磁界との
相互作用によって真空容器(12,14)の内壁側への
プラズマの拡散を抑制するように、半導体基板(10)
と真空容器(12,14)の内壁との間に第2の磁界を
形成する工程と;少なくとも半導体基板(10)側の第
2の磁界を弱める弱磁場領域を形成する工程とを含む。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て実施例を用いて説明する。以下に示す各実施例は、半
導体装置の製造工程の一部であるシリコンウエハのプラ
ズマ処理に本発明の技術思想を適用したものである。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の第1実施例にかかるプラズ
マ処理装置の構成を示す。本実施例のプラズマ処理装置
は、直径12インチのシリコンウエハ10に対してエッ
チング等の所定のプラズマ処理を行うものであり、プラ
ズマを生成する中空円筒形状のプラズマ生成室12と、
プラズマ生成室12に連通した反応室14とを備えてい
る。本装置で処理される試料としては、直径12インチ
のシリコンウエハ10以外にも8インチのウエハ等、均
一なプラズマ処理が要求される各種の試料を対象とする
ことが出来る。プラズマ生成室12の上部には、マグネ
トロン等のマイクロ波発振器(図示せず)に接続された
円形導波管16が連結されており、マイクロ波(2.4
5GHz)を円形導波管16を介してプラズマ生成室1
2に導くようになっている。
【0016】円形導波管16とプラズマ生成室12との
間には、マイクロ波導入窓20が配置されている。マイ
クロ波導入窓20は、石英ガラス等のマイクロ波透過物
質からなり、プラズマ生成室12を気密に封止するよう
に設計されている。プラズマ生成室12の外側には、円
形導波管16の接続部を含み、これらを同心円状に囲む
様に3段のメインコイル22,24,26が配置されて
いる。メインコイル22,24,26の下方には、1段
のサブコイル28が配置されている。これらのメインコ
イル22,24,26及びサブコイル28は、プラズマ
生成室12内に磁束密度875ガウスの軸方向磁界を印
加し、ECR現象を引き起こすようになっている。
【0017】メインコイル22,24,26及びサブコ
イル28は、制御部42によって出力が制御される電流
供給部40から必要な電流の供給を受けるようになって
いる。反応室14内には、シリコンウエハ10を静電吸
着等の固定手段によって保持する試料台32が設置され
ている。また、試料台32の周囲には、シリコンウエハ
10と同心円となるように配置されたリング状の永久磁
石44が備えられている。
【0018】図2は、シリコンウエハ10、試料台32
及び永久磁石44の位置関係を示す。また、図3は永久
磁石44の構造を示す。図3に示すように、永久磁石4
4はリング状の磁石部46とその内側に形成された強磁
性体48とから構成されている。磁石部46は、外径1
89.5mm、内径178mm、高さ29mmに成形さ
れている。強磁性体48は、磁石部46の内側に密着し
た状態で設けられており、外径178mm、内径176
mm、すなわち厚さ2mmに成形されている。なお、磁
石部46及び強磁性体48のサイズについては、処理す
る試料の大きさ(径)や真空容器(12,14)内の発
散磁界の強さ等に応じて、適当な値に設定する。強磁性
体48としては、例えば、鉄やフェライトを用いること
ができる。また、強磁性体48は、磁気回路を形成しヨ
ークとして機能するものであれば、他の構成のものを使
用することもできる。
【0019】図4は、シリコンウエハ10の周辺に存在
する磁界(磁束)の方向を示す。永久磁石44は、上側
(プラズマ生成室12側)がS極、下側がN極となるよ
うに配置されており、シリコンウエハ10の外側におい
て、メインコイル22,24,26及びサブコイル28
によって生じる発散磁界50に沿ってプラズマをトラッ
プ(拡散を抑制)するようになっている。すなわち、反
応室(真空容器)12の内壁12aの方向に逃げるプラ
ズマを壁面に平行な磁場でトラップする。
【0020】一般にプラズマは反応室12の内壁12a
に接すると電子とイオンが再結合して消滅し、プラズマ
密度がゼロとなってしまう。すなわち、プラズマ密度は
内壁12aに向かって減少するような勾配を持つことに
なる。従って、永久磁石44が内壁12aに近すぎる
と、プラズマを十分にトラップすることができずに壁1
2a側に逃げてしまう。そこで、本実施例においては、
プラズマを十分にトラップでき且つ反応室内壁12aの
影響を受けないように、内壁12aから適当な間隔を持
って永久磁石44を配置する。
【0021】また、シリコンウエハ10に対しても適当
な間隔で永久磁石44を配置することが重要である。す
なわち、永久磁石44の内側(試料台32側)には磁石
44の上面の磁場と逆向きの磁場(下から上に向かう磁
場)が形成され、シリコンウエハ10上のプラズマ密度
を下げるように作用することがある。このような永久磁
石44の内側の磁場は、当該磁石44の上面での磁場に
比べれば比較的弱い磁場であるが、当該磁石44を試料
台32に近づけすぎるとシリコンウエハ10(試料)の
端部でのプラズマ密度が低くなる可能性がある。そこ
で、逆方向(下から上)の磁場の影響が出ないように、
試料台32に対して適当な間隔をあけて永久磁石44を
配置する。また、本実施例においては、永久磁石44の
内側に強磁性体48が設けられているため、外側に比べ
て磁束の張り出しが小さく抑えられている。従って、強
磁性体48を設けない場合に比べて、永久磁石44を試
料台32に近づけることができ、反応室14及び装置全
体をコンパクトに設計することが可能となる。
【0022】反応室14の側壁には、プラズマ生成室1
2及び反応室14のガスを排気する排気管34が設けら
れており、当該排気管34からの真空排気によりプラズ
マ生成室12と反応室14を高真空状態に維持するよう
になっている。また、反応室14には、プラズマ生成に
必要な反応ガスを供給するためのガス供給管36が設け
られている。更に、図示しないが、プラズマ生成室12
の周囲にはクーラントパスが形成され、このクーラント
パスを循環する冷却水(クーラント)によってプラズマ
生成室12を冷却するようになっている。
【0023】図1に示す装置においては、一端がアース
された高周波電源49が試料台32に接続されており、
当該試料台32にRF電力を印加することによって、シ
リコンウエハ10の表面近傍で生じる化学反応を促進で
きるように構成されている。これにより、薄膜成膜速度
の向上等、プラズマ処理の効率を向上させることが可能
となる。
【0024】次に、本実施例の全体的な動作について説
明する。本実施例の装置を用いてシリコンウエハ10上
に形成されたポリシリコン膜のエッチングを行う場合に
は、まず、処理対象となるシリコンウエハ10を試料台
32上に固定し、排気管34からの真空排気により、プ
ラズマ生成室12及び反応室14の内圧を所定圧にまで
減圧する。次に、ガス供給管36からプラズマ生成室1
2及び反応室14内に反応ガス(Cl2/O2)を導入
し、プラズマ生成室12及び反応室14の内圧を1×1
-3Torr 前後に保つ。
【0025】その後、メインコイル22,24,26及
びサブコイル28の通電によりプラズマ生成室12の内
部に磁界を形成すると共に、円形導波管16からマイク
ロ波導入窓20を経てプラズマ生成室12内にマイクロ
波を導入する。このマイクロ波は、周波数f=2.45
GHz(波長λ=約12.2cm)、パワー1000W
に設定されている。
【0026】プラズマ生成室12内にマイクロ波が導入
されると、ECR面100において反応ガスを共鳴励起
し、プラズマを生成する。メインコイル22,24,2
6及びサブコイル28により形成される磁界は、反応室
14側に向かうに従って磁束密度が低下する発散磁界で
あり、プラズマ生成室12で生成されたプラズマは、こ
の発散磁界の作用により反応室14に引き出され、試料
台32上のシリコンウエハ10表面に照射されて、エッ
チングが行われる。上述したように、メインコイル2
2,24,26及びサブコイル28によって生じる発散
磁界50に沿って照射されるプラズマが、永久磁石44
によるプラズマによってトラップされるため、反応室
(真空容器)14の内壁14aに向かう磁界を大幅に減
少させることができる。また、シリコンウエハ10上に
おいては磁界の急激な変化が生じることが無く、シリコ
ンウエハ10上でのプラズマ密度の局所的な変化を引き
起こすこともない。
【0027】一方、本実施例の装置を用いてシリコンウ
エハ10への薄膜形成を行う場合には、以上の各手順に
加え、ガス供給管36を経て所定の原料ガスを導入し、
当該ガスにより生成されたプラズマをシリコンウエハ1
0に照射する。これによりシリコンウエハ10の表面に
は、原料ガスの反応により生成される物質の薄膜が形成
される。このような薄膜形成においても、均等な密度を
有するプラズマが生成され、シリコンウエハ10の表面
に形成される薄膜の膜厚分布が均等化される。その結
果、最終的に製造される半導体装置の品質、性能が向上
する。ここで、半導体装置としては、トランジスタのよ
うな半導体素子自体や、RAM等の完成された半導体デ
ィバイス等を含むものとする。
【0028】図5は、本実施例の永久磁石44を使用し
た場合と、使用しない各状況におけるシリコンウエハ1
0上のイオン電流密度の分布を示す。図5に示すデータ
は、電力1.0kWのマイクロ波を使用し、プラズマ生
成室12及び反応室14の圧力を3mTorrに保ち、60s
ccmのアルゴン(Ar)ガスを使用して作業を行った結
果である。図5から判るように、シリコンウエハ10の
中心付近(中心からのが距離0mm付近)での両者のイ
オン電流密度に大きな違いは存在しないが、中心から離
れた位置においては、永久磁石44を使用しない場合に
はイオン電流密度がかなり低下している。すなわち、永
久磁石44を使用した場合には、当該磁石を使用しない
場合に比べてイオン電流密度の均一性が優れている。
【0029】また、半径100mm の領域内でのイオン
電流均一性は、永久磁石使用の場合が1.2%、永久磁
石を使用しない場合が16.5%となった。また、半径
150mm の領域内でのイオン電流均一性は、永久磁石
使用の場合が5.0%、永久磁石を使用しない場合が2
8.0%となり、処理領域が大きくなる程その差が顕著
となった。つまり、本実施例は処理面積の大きな試料、
例えば直径12インチの半導体ウエハ等の処理において
特に顕著な効果を示すことが判る。更に、本実施例に依
れば、イオン電流の均一性のみならず、シリコンウエハ
10(試料)上におけるイオン電流の絶対値も高く、処
理の均一化に加えて処理の高速化を図ることもできる。
【0030】また、本実施例のプラズマ処理装置におい
ては、高周波電源49からRF電力(バイアス)を試料
台32に印加した場合にも、磁界の発散が局所的に大き
く異なることがないため、プラズマのインピーダンスが
空間的に不均一となることもなく、試料に印加されるR
Fバイアスの均一化を図ることができる。その結果、処
理試料であるシリコンウエハ10に対してより均一な処
理を行うことが可能となる。
【0031】更に、本実施例においては、永久磁石44
の内側に強磁性体48を設けているため、内側の磁場強
度が弱くなり、外側に比べて磁束の張り出しが小さく抑
えられている。そのような状態を希土類系の永久磁石4
4(BHmax=45MGOe)を用いた実験結果(図
6及び図7)に基づいて説明する。図6に示すように、
永久磁石44の上方15mmの位置に点Aをとり、磁石
部46と強磁性体48との接続部から10mm内側の位
置に点Bを採る。そして、A点及びB点での磁場強度
(磁束密度)を、強磁性体(鉄)48を設けた場合と設
けない場合の各々測定した結果を図7に示す。このよう
に、強磁性体48を設けることによって、特にシリコン
ウエハ10側(内側)の磁束密度が小さくなる(約60
%減少する)ことが判る。特に、A点での磁束密度は、
若干減少しているものの、B点の減少率よりも低く、こ
の点が非常に意義深いものである。従って、強磁性体4
8を設けない場合に比べて、永久磁石44を試料台32
に近づけることができ、反応室14及び装置全体をコン
パクトに設計することが可能となる。すなわち、永久磁
石44をある程度試料台32に近づけた場合でも、永久
磁石44の内側(試料台32側)における下から上に向
かう磁場によって、特にシリコンウエハ10外周部での
プラズマ密度が低下するという好ましくない現象を回避
し易くなる。
【0032】図8は、本発明の第2実施例にかかるプラ
ズマ処理装置の試料台32周辺の構成を示す。本実施例
においては、内側に強磁性体48を備えた第1実施例の
永久磁石44に代えて、両側に強磁性体56a,56b
を備えた永久磁石52を使用している。すなわち、本実
施例のリング状永久磁石52は、中央の磁石部54と、
その内側に設けられた強磁性体56aと、外側に設けら
れた強磁性体56bとから構成されている。
【0033】図9は、本発明の第3実施例にかかるプラ
ズマ処理装置に使用される永久磁石58a,58b,5
8c,58dの構成を示す。本実施例の永久磁石58
a,58b,58c,58dは、第1実施例のリング状
永久磁石44(図2参照)を4分割したものであり、永
久磁石44と同様に試料台32の周囲を囲むように配置
する。円弧状の各永久磁石58a,58b,58c,5
8dの内側には、第1実施例の永久磁石44の強磁性体
48に対応する軟磁性材料(図示せず)が設けられてい
る。なお、上述した第2実施例のように、永久磁石58
a,58b,58c,58dの外側にも強磁性体を設け
ることもできる。
【0034】図10は、本発明の第4実施例にかかるプ
ラズマ処理装置の構成を示す。本実施例は、図1に示す
第1実施例のプラズマ処理装置と多くの構成が共通であ
り、同一又は対応する構成要素には同一の符号を付し、
重複した説明は省略する。本実施例は、シリコンウエハ
10の試料台32内に他の永久磁石60を配置したもの
であり、先に説明した永久磁石44と共用することによ
って、上記第1実施例に対して更に良好な効果を得よう
とするものである。すなわち、プラズマ生成室12から
反応室14に向かう発散磁界が、試料台32の後方の永
久磁石60から発生する磁界の影響を受けて、試料(シ
リコンウエハ10)近傍で発散性が抑制される。更に、
試料台32を囲む永久磁石44によって、反応室内壁1
4aへのプラズマの拡散を抑制する。ここで、永久磁石
60と永久磁石44の磁場の影響範囲が空間的に重複す
るため、その点を十分に考慮して両磁石(44,60)
を設計及び配置する。
【0035】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に示された本発明の技術的思想とし
ての要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
すなわち、例えば、試料台32と反応室(真空容器)1
4の内壁14aとの間に配置される永久磁石の形状は、
上述した実施例のようにリング状や円弧状に限らず、同
様の作用効果を奏するものであれば種々の形状が適用可
能である。また、シリコンウエハ側の逆磁場を低減させ
るものであれば、強磁性体は、その形状、配置を問わな
い。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、試
料(10)と真空容器(12,14)の内壁との間に磁
界を形成して、真空容器(12,14)の内壁側へのプ
ラズマの拡散を抑制しているため、試料に対してダメー
ジを与えることなく均一なプラズマ処理を行うことがで
きるという効果がある。すなわち、試料上での磁場の発
散具合の不均一性による荷電粒子の加速によって、試料
にダメージを与えることがない。また、試料(試料台)
に対して高周波バイアス(RFバイアス)を印加した時
にも、プラズマのインピーダンスの空間的均一性を損な
うこともなく、試料に印加されるRFバイアスが均一と
なる。そして、最終的には、本発明のプラズマ処理方法
によって製造された半導体装置の品質が向上することに
なる。
【0037】更に、永久磁石44の内側(シリコンウエ
ハ10側)は強磁性体48を設けているため、外側(反
応容器内壁12a側)に比べて磁束の張り出しが小さく
抑えられている。従って、強磁性体48を設けない場合
に比べて、永久磁石44を試料台32に近づけることが
でき、反応室14及び装置全体をコンパクトに設計する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例にかかるプラズマ
処理装置の概略構成を示す概念図である。
【図2】図2は、図1に示すプラズマ処理装置における
試料台近傍の構成を示す平面図である。
【図3】図3は、第1実施例のプラズマ処理装置に使用
される永久磁石の構造を示す斜視図である。
【図4】図4は、第1実施例の作用(現象)を説明する
ための説明図であり、試料台近傍の磁束の方向を示す。
【図5】図5は、第1実施例の効果を説明するための参
考図(グラフ)であり、本実施例と比較例のそれぞれの
場合での半導体基板上でのイオン電流密度の分布を示
す。
【図6】図6は、第1実施例の作用を説明するための実
験の条件を示す説明図(断面図)である。
【図7】図7は、図6に示す条件での実験データを示す
表である。
【図8】図8は、本発明の第2実施例にかかるプラズマ
処理装置に使用される永久磁石を含む試料台付近の構成
を示す正面図である。
【図9】図9は、本発明の第3実施例にかかるプラズマ
処理装置に使用される永久磁石及びその周辺の構成を示
す平面図である。
【図10】図10は、本発明の第4実施例にかかるプラ
ズマ処理装置の概略構成を示す概念図である。
【符号の説明】
10・・・シリコンウエハ(試料) 12・・・プラズマ生成室 14・・・反応室 22,24,26・・・メインコイル 28・・・サブコイル 44,52,58a,58b,58c,58d・・・永
久磁石 46,54・・・磁石部 48,56a,56b・・・強磁性体 49・・・高周波電源

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に配置された試料に対してプラ
    ズマを照射することにより、当該試料に対して所定の処
    理を施すプラズマ処理方法において、 前記プラズマを前記試料方向に導く第1の磁界を形成す
    る工程と;前記第1の磁界との相互作用によって前記真
    空容器の内壁側へのプラズマの拡散を抑制するように、
    前記試料と前記真空容器の内壁との間に第2の磁界を形
    成する工程と;少なくとも前記試料側の前記第2の磁界
    を弱める弱磁場領域を形成する工程とを含むことを特徴
    とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】真空容器内に配置された試料に対してプラ
    ズマを照射することにより、当該試料に対して所定の処
    理を施すプラズマ処理装置において、 前記プラズマを前記試料方向に導く第1の磁界を形成す
    る第1磁界形成手段と;前記第1の磁界との相互作用に
    よって前記真空容器内壁側へのプラズマの拡散を抑制す
    るように、前記試料と前記真空容器の内壁との間に第2
    の磁界を形成する第2磁界形成手段と;少なくとも前記
    試料側の前記第2の磁界を弱める弱磁場領域を形成する
    弱磁場形成手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処
    理装置。
  3. 【請求項3】前記弱磁場形成手段は、前記第2磁界形成
    手段の前記試料側及び前記真空容器内壁側の両方に設け
    られていることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ
    処理装置。
  4. 【請求項4】前記第2磁界形成手段は、前記試料と前記
    真空容器の内壁との間に配置された永久磁石であること
    を特徴とする請求項2又は3に記載のプラズマ処理装
    置。
  5. 【請求項5】前記弱磁場形成手段は、前記永久磁石に設
    けられた強磁性体であることを特徴とする請求項4に記
    載のプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】前記試料に高周波電力を印加する電力供給
    手段を備えたことを特徴とする請求項2,3,4又は5
    に記載のプラズマ処理装置。
  7. 【請求項7】前記永久磁石は、前記真空容器の内壁に向
    かって低下するプラズマ密度勾配の影響を受けないよう
    に、当該内壁から所定の間隔をもって配置されているこ
    とを特徴とする請求項4,5又は6に記載のプラズマ処
    理装置。
  8. 【請求項8】前記永久磁石は、前記第2の磁界によって
    前記試料上のプラズマ密度が低下しないように、前記試
    料から所定の間隔をもって配置されていることを特徴と
    する請求項4,5,6又は7に記載のプラズマ処理装
    置。
  9. 【請求項9】前記永久磁石は、前記試料の外周を囲むよ
    うに配置されていることを特徴とする請求項4,5,
    6,7又は8に記載のプラズマ処理装置。
  10. 【請求項10】前記永久磁石は、無端のリング状に成形
    されていることを特徴とする請求項4,5,6,7,8
    又は9に記載のプラズマ処理装置。
  11. 【請求項11】真空容器内に導入されたマイクロ波によ
    る電子サイクロトロン共鳴によってプラズマを生成し、
    当該プラズマを用いて前記真空容器内に配置された半導
    体基板に対して所定の処理を施すプラズマ処理装置にお
    いて、 前記電子サイクロトロン共鳴を励起するとともに、前記
    プラズマを前記半導体基板方向に導く発散磁界を前記真
    空容器内に形成する電磁コイルと;前記半導体基板と前
    記真空容器の内壁との間において当該半導体基板を囲む
    ように配置され、前記発散磁界により前記半導体基板に
    照射されるプラズマのうち前記真空容器の内壁側へのプ
    ラズマの拡散を当該発散磁界との相互作用によってトラ
    ップするための磁界を形成する永久磁石と;前記永久磁
    石の前記半導体基板側に当該永久磁石による磁界を弱め
    る弱磁場領域を形成する強磁性体と;前記半導体基板に
    対して高周波電力を印加する電力供給手段とを備えたこ
    とを特徴とするECRプラズマ処理装置。
  12. 【請求項12】真空容器内に配置された半導体基板に対
    してプラズマを照射することにより、当該半導体基板に
    対して所定の処理を施す工程を含む半導体装置の製造方
    法において、 前記プラズマを前記半導体基板方向に導く第1の磁界を
    形成する工程と;前記第1の磁界との相互作用によって
    前記真空容器の内壁側へのプラズマの拡散を抑制するよ
    うに、前記半導体基板と前記真空容器の内壁との間に第
    2の磁界を形成する工程と;少なくとも前記半導体基板
    側の前記第2の磁界を弱める弱磁場領域を形成する工程
    とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI561123B (en) * 2013-01-04 2016-12-01 Psk Inc Plasma chamber and apparatus for treating substrate
JP2020064706A (ja) * 2018-10-15 2020-04-23 パナソニックIpマネジメント株式会社 プラズマ処理装置と調理器

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TWI561123B (en) * 2013-01-04 2016-12-01 Psk Inc Plasma chamber and apparatus for treating substrate
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