JPH10226890A - 希土類磁石の防錆処理方法 - Google Patents

希土類磁石の防錆処理方法

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JPH10226890A
JPH10226890A JP5224797A JP5224797A JPH10226890A JP H10226890 A JPH10226890 A JP H10226890A JP 5224797 A JP5224797 A JP 5224797A JP 5224797 A JP5224797 A JP 5224797A JP H10226890 A JPH10226890 A JP H10226890A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コストで高い耐食性が得られる防錆処理方
法を提供する。 【解決手段】 鱗片状のアルミニウム粉末を添加したカ
ップリング溶液中に希土類磁石を浸漬し、希土類磁石の
表面全体にアルミニウム粉末を付着させる。この希土類
磁石を乾燥させる。アルミニウム粉末を表面に付着させ
た希土類磁石を、ステンレス球と鱗片状のアルミニウム
粉末を入れたバレルタンクの内部に装入し、ステンレス
球の打撃力によってアルミニウム粉末を希土類磁石の表
面に付着させる。バレル処理により金属被膜が施された
希土類磁石を水道水を用いて揺動洗浄し、不完全に付着
している過剰のアルミニウム粉末を除去する。洗浄処理
が完了した希土類磁石を乾燥させる。得られた希土類磁
石を、樹脂溶液中に浸漬し、該樹脂溶液中から取出した
希土類磁石を乾燥して液切りを行なった後に、硬化処理
を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、希土類磁石の防
錆処理方法に関し、更に詳細には、ブラストメディアの
打撃力によって金属粉末を表面に付着させた希土類磁石
を、更に樹脂で被覆する希土類磁石の防錆処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】Sm、Nd、Pr等の希土類元素の1種
または2種以上を含む磁性材料の粉末をプレスで所要形
状に成形した後、これを焼結して得られる例えばモータ
のロータ等に使用される希土類磁石は、経時的に錆がそ
の表面に発生し易い。従ってモータ部品等にそのまま使
用すると、耐久性の低下や故障の原因を招くことにな
る。そこで錆止めのために、希土類磁石の表面を樹脂被
膜で被覆する対策が一般に採られている。希土類磁石の
表面に樹脂被膜を形成する方法としては、スプレー塗
装、電着塗装、浸漬塗装等が知られている。
【0003】前記スプレー塗装では、適切な樹脂塗料の
選択と重ね塗りによって、実用上略満足できる耐食性を
確保することは可能であるが、複雑な製品形状によって
は被膜が肥大化し易く、また薄い被膜を形成する場合は
膜厚の均一性を保持することが困難で、寸法精度が低く
なる欠点がある。しかも、スプレー塗装では塗料のロス
が多くなると共に、希土類磁石の反転作業の必要性から
工程数も多くなり、コスト高になる難点が指摘される。
【0004】前記電着塗装においては、スプレー塗装よ
りも耐食性に優れると共に、15〜30μm程度の膜厚
塗装ではスプレー塗装よりも均一な膜厚が得られるが、
被膜形成上10μm以下の薄膜塗装は原理的な面から極
めて困難である。また、希土類磁石を個々に電極にセッ
ト・リセットする作業工程、および塗装後の電極の接触
跡を個別にタッチアップ塗装する工程等が必要であり、
特に小径のリング形状の希土類磁石に薄い被膜を施すの
に適さない問題がある。
【0005】これに対し前記浸漬塗装は、スプレー塗装
や電着塗装と比較して耐食性は劣るものの、安価かつ少
ない工程で済むという利点があり、しかも薄い被膜の被
覆処理も5μm程度から可能である。すなわち、耐食性
の点で他の塗装方法より劣るものの、その他の点では充
分な汎用性があるから、この浸漬塗装が多くの場合に実
施されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記浸漬塗装では、均
一な厚みの被膜を形成するのは困難で膜厚は不均一にな
り易く、また表面に空孔、溝等の空隙部が多い希土類磁
石では、それらを完全に封孔したり充填することができ
ず、後工程の乾燥・硬化処理時に内部ガスの膨張、噴出
による膨れ、ピンホールが発生し、磁石の寸法精度が低
下する難点が指摘される。
【0007】そこで、前述した浸漬塗装での問題点を改
善する1つの提案が、本件出願人により特願平8−32
657号に係る「防錆被覆層を有するボンド磁石とその
防錆被覆処理方法」として出願されている。この発明に
係る方法は、浸漬塗装により磁石の表面を樹脂被膜で被
覆する工程の前に、ブラストメディアとしてのステンレ
ス球と金属粉末を入れた容器の内部に磁石を装入し、こ
の容器を回転させたり振動することにより生ずるステン
レス球の打撃力によって、金属粉末を磁石の表面に所定
厚みで付着させるようになっている。すなわち、磁石の
表面の空孔、溝等の空隙部を予め金属粉末で被覆するこ
とにより、後工程の乾燥・硬化処理時における膨れやピ
ンホールの発生を好適に防止することができ、それなり
に高く評価し得るものである。
【0008】しかし、前述した方法によっても、希土類
磁石の充分な耐食性は得られず、短期間で錆が発生する
難点が依然としてあった。このような状況にあって、低
コストで、かつ高い耐食性が得られる防錆処理方法が希
求されているのが現状である。
【0009】
【発明の目的】本発明は、前述した従来の技術に内在し
ている前記欠点に鑑み、これを好適に解決するべく提案
されたものであって、低コストで高い耐食性が得られる
希土類磁石の防錆処理方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため、本発明に係る希土類磁石の防錆
処理方法は、ブラストメディアの打撃力によって希土類
磁石の表面に金属粉末を付着させ、得られた希土類磁石
を樹脂溶液中に浸漬することで、その表面を樹脂で被覆
する防錆処理方法において、前記ブラストメディアによ
る金属粉末の付着工程の前に、前記金属粉末を添加した
カップリング剤の溶液中に前記希土類磁石を浸漬し、該
磁石の表面に予め金属粉末を付着させた状態で、前記ブ
ラストメディアによる金属粉末の付着工程を行なうこと
を特徴とする。
【0011】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため、本願の別の発明に係る希土類磁石の防錆処理方法
は、ブラストメディアの打撃力によって希土類磁石の表
面に金属粉末を付着させ、得られた希土類磁石を樹脂溶
液中に浸漬することで、その表面を樹脂で被覆する防錆
処理方法において、前記ブラストメディアによる金属粉
末の付着工程を行なった後に、前記希土類磁石を定着液
に浸漬して、該磁石の表面に対する金属粉末の付着を安
定化させ、次いでその表面を樹脂で被覆することを特徴
とする。
【0012】前記課題を克服し、所期の目的を達成する
ため、本願の更に別の発明に係る希土類磁石の防錆処理
方法は、ブラストメディアの打撃力によって希土類磁石
の表面に金属粉末を付着させ、得られた希土類磁石を樹
脂溶液中に浸漬することで、その表面を樹脂で被覆する
防錆処理方法において、前記ブラストメディアによる金
属粉末の付着工程の前に、前記金属粉末を添加したカッ
プリング剤の溶液中に前記希土類磁石を浸漬し、該磁石
の表面に予め金属粉末を付着させた状態で、前記ブラス
トメディアによる金属粉末の付着工程を行ない、次い
で、前記希土類磁石を定着液に浸漬して、該磁石の表面
に対する金属粉末の付着を安定化させた状態で、その表
面を樹脂で被覆するようにしたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る希土類磁石の
防錆処理方法につき、添付図面を参照しながら以下説明
する。本発明は、ブラストメディアの打撃力によって希
土類磁石の表面に金属粉末を付着する付着工程(バレル
処理)の前または後、あるいは前後において、希土類磁
石に所要の処理を施すことによって耐食性を向上させる
ことを内容とする。なお、防錆処理方法が実施される希
土類磁石は、Sm、Nd、Pr等の希土類元素の1種ま
たは2種以上を含む磁性材料の粉末にバインダーを添加
して混練したものを、所要形状に圧縮成形すると共に加
熱処理することにより得られる。
【0014】
【第1実施例について】図1は、第1実施例に係る希土
類磁石の防錆処理方法の工程を示すフローチャートであ
って、先ず金属粉末として鱗片状のアルミニウム粉末を
添加したカップリング溶液中に希土類磁石を浸漬し、カ
ップリング剤の作用によって希土類磁石の表面全体にア
ルミニウム粉末を付着させる。この希土類磁石をドライ
ヤーで乾燥させたり、または自然乾燥することで溶液の
液切りを行なった後に、バレル処理に回される。なお、
カップリング溶液の配合例としては、キシレン:70.
0wt%、MEK(メチルエチルケトン):27.5wt
%、オレイン酸:1.5wt%、シラン系のカップリン
グ剤:1.0wt%、アルミニウム粉末:0.2〜2.5
wt%のものが好適に用いられる。
【0015】次に、アルミニウム粉末を表面に付着させ
た希土類磁石を、ブラストメディアとしての多数のステ
ンレス球と、前述した工程で使用した金属粉末と同じ鱗
片状のアルミニウム粉末を所定量(例えば500個の希
土類磁石に対して0.5g)を入れたバレルタンクの内部
に装入し、この容器を回転させたり振動することにより
生ずるステンレス球の打撃力によって、アルミニウム粉
末を希土類磁石の表面に付着させる。このバレル処理を
行なうに際し、前述したように希土類磁石の表面全体に
は予めアルミニウム粉末が付着しているので、当該バレ
ル処理によるアルミニウム粉末の付着工程と相俟って、
磁石表面の空孔、溝等の空隙部は確実にアルミニウム粉
末で被覆される。また、バレル処理に要する時間を短縮
することができる。
【0016】前記バレル処理により金属被膜が施された
希土類磁石をステンレス球と分離し、これを水道水を用
いて揺動洗浄(洗浄処理)することで、不完全に付着して
いる過剰のアルミニウム粉末を除去する。また、洗浄処
理が完了した希土類磁石を、ドライヤーを用いて乾燥さ
せたり、自然乾燥させる。
【0017】そして、得られた希土類磁石を、エポキシ
樹脂を7.0wt%含む樹脂溶液中に浸漬し、該樹脂溶
液中から取出した希土類磁石を乾燥して液切りを行なっ
た後に、約145℃のオーブン中において45分間硬化
処理を施す。これにより、希土類磁石の表面の空孔、溝
等の空隙部がアルミニウム粉末で被覆され、更に樹脂で
被覆された高い耐食性を有する希土類磁石が得られる。
なお、樹脂溶液の配合例としては、エポキシ樹脂:7.
0wt%、キシレン:8.0wt%、MEK(メチルエチ
ルケトン):85.0wt%、硬化剤:2.0wt%のも
のが好適に使用される。
【0018】
【第1実施例の試験例について】前述した第1実施例に
係る防錆処理方法で、以下に示す3種類の配合例に係る
カップリング溶液を用いた場合の夫々の希土類磁石と、
従来の防錆処理方法により得られた希土類磁石を、80
℃×95%の雰囲気中に置いて、錆の発生の有無を検査
した結果を以下の表に示す。なお、バレル処理における
バレルタンクには、カップリング溶液に添加されている
金属粉末と同じものが入れられる。 (カップリング溶液の配合例) キシレン:70.0wt%、MEK(メチルエチルケト
ン):27.5wt%、オレイン酸:1.5wt%、カッ
プリング剤:1.0wt%、アルミニウム粉末:0.2〜
2.5wt%、 キシレン:60.0wt%、MEK(メチルエチルケト
ン):37.5wt%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム:0.5wt%、カップリング剤:1.0wt%、
ニッケル粉末:0.2〜2.5wt% キシレン:70.0wt%、MEK(メチルエチルケト
ン):25.0wt%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム:0.8wt%、カップリング剤:1.5wt%、
銅粉末:0.2〜2.5wt%
【0019】 この試験結果は、夫々20個の希土類磁石に対する錆の
発生個数の割合(錆の発生個数/20)で示す。
【0020】すなわち、この試験結果から、バレル処理
前に金属粉末が添加されたカップリング溶液中に希土類
磁石を浸漬させることにより、耐食性(防錆効果)が向上
することが明らかとなった。
【0021】
【第2実施例について】図2は、第2実施例に係る希土
類磁石の防錆処理方法の工程を示すフローチャートであ
って、表面に処理が施されていない希土類磁石を、ステ
ンレス球とアルミニウム粉末を入れたバレルタンクの内
部に装入し、この容器を回転させたり振動することによ
り生ずるステンレス球の打撃力によって、アルミニウム
粉末を希土類磁石の表面に付着させる(バレル処理)。
【0022】次に、前記バレル処理により金属被膜が施
された希土類磁石をステンレス球と分離し、これを水道
水を用いて揺動洗浄(洗浄処理)することで、不完全に付
着している過剰のアルミニウム粉末を除去する。この希
土類磁石を、メタアクリル酸エステル10wt%、純水
(30℃〜40℃)90wt%の定着液に浸漬する。その
後、90℃の温風で10分間加熱することで液切りを行
なう。このように、金属被膜が施された希土類磁石を定
着液に浸漬することで、アルミニウム粉末の希土類磁石
に対する付着が安定化し、後工程における粉末の剥離等
が好適に防止される。
【0023】そして、得られた希土類磁石を、エポキシ
樹脂を7.0wt%含む前述したと同じ樹脂溶液中に浸
漬し、該樹脂溶液中から取出した希土類磁石を乾燥して
液切りを行なった後に、約145℃のオーブン中におい
て45分間硬化処理を施す。これにより、希土類磁石の
表面の空孔、溝等の空隙部がアルミニウム粉末で被覆さ
れ、更に樹脂で被覆された高い耐食性を有する希土類磁
石が得られる。
【0024】
【第2実施例の試験例について】前述した第2実施例に
係る防錆処理方法により得られた希土類磁石と、従来の
防錆処理方法により得られた希土類磁石を、前述した第
1実施例の試験例と同一の条件で検査した結果を以下の
表に示す。
【0025】 すなわち、この試験結果から、バレル処理後に、希土類
磁石を定着液中に浸漬させることにより、耐食性(防錆
効果)が向上することが明らかとなった。
【0026】
【第3実施例について】図3は、第3実施例に係る希土
類磁石の防錆処理方法の工程を示すフローチャートであ
って、先ず鱗片状のアルミニウム粉末を添加したカップ
リング溶液中に希土類磁石を浸漬し、カップリング剤の
作用によって希土類磁石の表面全体にアルミニウム粉末
を付着させる。この希土類磁石を乾燥(液切り)させた
後、第1実施例と同様のバレル処理を行なうことで、ア
ルミニウム粉末を希土類磁石の表面に付着させる。
【0027】次に、前記バレル処理により金属被膜が施
された希土類磁石を洗浄処理して、不完全に付着してい
る過剰のアルミニウム粉末を除去した後、該希土類磁石
を第2実施例と同様の定着液に浸漬する。また、この希
土類磁石の液切り加熱を行なう。そして、得られた希土
類磁石を、前記実施例と同様のエポキシ樹脂を7.0w
t%含む樹脂溶液中に浸漬し、該樹脂溶液中から取出し
た希土類磁石を乾燥して液切りを行なった後に、約14
5℃のオーブン中において45分間硬化処理を施す。第
3実施例では、更に希土類磁石をエポキシ樹脂を7.0
wt%含む樹脂溶液中に浸漬して液切りを行なった後
に、約145℃のオーブン中において45分間硬化処理
する工程を繰返す。
【0028】すなわち、第3実施例では、バレル処理を
行なう前に、希土類磁石の表面全体に予めアルミニウム
粉末を付着させることで、バレル処理により磁石表面の
空孔、溝等の空隙部をアルミニウム粉末で確実に被覆す
ることができる。またバレル処理後に、金属被膜が施さ
れた希土類磁石を定着液に浸漬することで、アルミニウ
ム粉末の希土類磁石に対する付着が安定化し、後工程に
おける粉末の剥離等が好適に防止される。従って、希土
類磁石の表面全体がアルミニウム粉末で被覆され、更に
樹脂で被覆された高い耐食性を有する希土類磁石が得ら
れる。
【0029】
【第3実施例の試験例について】前述した第3実施例に
係る防錆処理方法で、前述した3種類(,,)の配合
例に係るカップリング溶液を用いた場合の夫々の希土類
磁石と、従来の防錆処理方法により得られた希土類磁石
を、前述した第1実施例の試験例と同一の条件で検査し
た結果を以下の表に示す。なお、定着液については第2
実施例と同様のものを使用した。
【0030】 すなわち、この試験結果から、バレル処理前に金属粉末
が添加されたカップリング溶液中に希土類磁石を浸漬さ
せると共に、バレル処理後に希土類磁石を定着液中に浸
漬させることにより、耐食性(防錆効果)が向上すること
が明らかとなった。
【0031】前記カップリング剤としては、シラン系の
他に、チタネート系やアルミニウム系等が適宜に使用さ
れる。また、希土類磁石の表面に付着させる金属粉末と
しては、アルミニウム粉末に限らず、ニッケル粉末や銅
粉末等であってもよい。更に、希土類磁石の表面を被覆
する樹脂もエポキシ系に限らず、フェノール系、アクリ
ル系、ポリアミド系、ナイロン系、ポリ塩化ビニル系、
フタル酸エステル系、ポリエステル系、ポリプロン系、
ポリオレフィン系等の樹脂も適用し得る。
【0032】なお、実施例のバレル処理は、バレルタン
クを回転させたり振動することによりブラストメディア
の打撃力を得るようにしたが、本願はこれに限定される
ものでなく、タンクに設けたノズルからブラストメディ
アと金属粉末とを混合したブラスト媒体を空気圧により
希土類磁石に吹付けることにより、該磁石の表面に所定
厚みで金属粉末を付着させるものであってもよい。また
ブラストメディアとしては、ステンレス球に限らず、硬
質めっきを施したスチール球、ニッケル球、銅球等を適
宜に使用し得る。
【0033】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係る希土類
磁石の防錆処理方法によれば、ブラストメディアによる
金属粉末の付着工程の前に、希土類磁石の表面に予め金
属粉末をカップリング剤により付着させることにより、
その耐食性を向上させることができる。また、ブラスト
メディアによる金属粉末の付着工程を行なった後に、表
面に付着された金属粉末を定着液によって安定化させる
ことで、その耐食性を向上させることができる。更に
は、ブラストメディアによる金属粉末の付着工程の前後
に、前述した夫々の処理を施すことで、その耐食性が更
に向上する。しかも、浸漬塗装による樹脂の被覆処理は
低コストであるので、コストが低くかつ高い耐食性を有
する希土類磁石が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る希土類磁石の防錆処
理方法の工程を示すフローチャート図である。
【図2】本発明の第2実施例に係る希土類磁石の防錆処
理方法の工程を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の第3実施例に係る希土類磁石の防錆処
理方法の工程を示すフローチャート図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブラストメディアの打撃力によって希土
    類磁石の表面に金属粉末を付着させ、得られた希土類磁
    石を樹脂溶液中に浸漬することで、その表面を樹脂で被
    覆する防錆処理方法において、 前記ブラストメディアによる金属粉末の付着工程の前
    に、前記金属粉末を添加したカップリング剤の溶液中に
    前記希土類磁石を浸漬し、該磁石の表面に予め金属粉末
    を付着させた状態で、前記ブラストメディアによる金属
    粉末の付着工程を行なうことを特徴とする希土類磁石の
    防錆処理方法。
  2. 【請求項2】 前記カップリング剤は、シラン系、チタ
    ネート系またはアルミニウム系である請求項1記載の希
    土類磁石の防錆処理方法。
  3. 【請求項3】 ブラストメディアの打撃力によって希土
    類磁石の表面に金属粉末を付着させ、得られた希土類磁
    石を樹脂溶液中に浸漬することで、その表面を樹脂で被
    覆する防錆処理方法において、 前記ブラストメディアによる金属粉末の付着工程を行な
    った後に、前記希土類磁石を定着液に浸漬して、該磁石
    の表面に対する金属粉末の付着を安定化させ、次いでそ
    の表面を樹脂で被覆することを特徴とする希土類磁石の
    防錆処理方法。
  4. 【請求項4】 前記定着液は、メタアクリル酸エステル
    を含む水溶液である請求項3記載の希土類磁石の防錆処
    理方法。
  5. 【請求項5】 ブラストメディアの打撃力によって希土
    類磁石の表面に金属粉末を付着させ、得られた希土類磁
    石を樹脂溶液中に浸漬することで、その表面を樹脂で被
    覆する防錆処理方法において、 前記ブラストメディアによる金属粉末の付着工程の前
    に、前記金属粉末を添加したカップリング剤の溶液中に
    前記希土類磁石を浸漬し、該磁石の表面に予め金属粉末
    を付着させた状態で、前記ブラストメディアによる金属
    粉末の付着工程を行ない、 次いで、前記希土類磁石を定着液に浸漬して、該磁石の
    表面に対する金属粉末の付着を安定化させた状態で、そ
    の表面を樹脂で被覆するようにしたことを特徴とする希
    土類磁石の防錆処理方法。
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Cited By (6)

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