JPH10225939A - 成形用の型およびその製造法 - Google Patents

成形用の型およびその製造法

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JPH10225939A
JPH10225939A JP9049662A JP4966297A JPH10225939A JP H10225939 A JPH10225939 A JP H10225939A JP 9049662 A JP9049662 A JP 9049662A JP 4966297 A JP4966297 A JP 4966297A JP H10225939 A JPH10225939 A JP H10225939A
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JP
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mold
resin
molding
core
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JP9049662A
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English (en)
Inventor
Yukio Suyama
幸生 須山
Nobuyuki Yamashita
信行 山下
Tomoo Honda
智生 本田
Kiyomasa Kato
清誠 加藤
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MITSUBOSHI KK
Original Assignee
MITSUBOSHI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂型の利点を備え、しかも寿命が長く、製
品表面が平滑な成型用の型を提供する。 【解決手段】 成形しようとする製品の意匠面を形成す
るためのキャビティ15を備えた金属製のキャビ型1
と、前記キャビティ15と対応するコア25を備えた光
造形法で製作した合成樹脂製のコア型とを組み合わせた
成形用の型。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は合成樹脂、ゴムなど
の高分子材料を所定の形状に成形するための成形用の型
に関し、特に製品設計の確認に必要な樹脂成形品(モデ
ル)を成形するための試作型や、少数の製品を成形する
ための少量生産型に有用な成型用の型に関する。また本
発明は、3次元データに基づいて紫外線レーザーをコン
トロールしながら光硬化性樹脂を硬化させる光造形技術
により、それらの型を製造する技術にも関連する。
【0002】
【従来の技術】前記光造形技術は特開昭56−1444
78号公報、特開昭60−247515号公報などに開
示されており、製品や商品の設計確認用のモデル作成な
どに実用化され、利用されている。また1994年12
月22日発行の「日経メカニカル別冊」および1995
年2月20日発行の「NIKKEI MECHANIC
AL」には、光造形技術でつくった射出成形用の型とそ
の成形品とが紹介されている。本発明はそれらの成形用
の型およびその製造法に関連し、さらにそれらの技術の
改良に関するものである。
【0003】現在知られている光造形法により射出成形
型を製作する手順を図6に従って説明する。まず目的と
する樹脂製品を3次元CADを用いて設計する(工程S
−1)。かかる設計に好適に用いられる3次元パッケー
ジソフトとしては、Pro−ENGINEER(Pro
−e)、CATIA、IDEASなどが市販されてお
り、コンピュータとしてはいわゆるワークステーション
レベルのものが使用される。つぎにこの樹脂成型品の3
次元CAD(製品)データに対し、抜き勾配や成形時の
収縮率などの樹脂射出成形のノウハウを追加する。つい
でパーティングライン面を設定し、データの反転作業を
行うことにより、型のCADデータが得られる(工程S
−3)。この作業により、キャビ型とコア型の2つの型
データが得られることになる。さらに射出成形時に必要
なゲート口、ランナー、コア型にはエジェクトピンのピ
ン穴などのデータも追加することにより、キャビ型、コ
ア型のCADデータができあがる(工程S−4)。上記
の工程S−1からS−4までは全てコンピュータ上で行
われる。
【0004】これらのキャビ型、コア型のCADデータ
を基にして、光造形技術により、CADデータに忠実な
樹脂型を製造する(工程S−5)。この目的に使用する
ことが出来る光造形装置としては、例えば帝人製機株式
会社、デーメック株式会社、シーメット株式会社などが
販売している市販品がある。
【0005】またこの目的に使用することができる光硬
化性樹脂には、例えば特開平7−26060号公報に開
示されている固体微粒子が充填されたものがあり、この
ものは光硬化性触媒等を含有した状態で市販されてお
り、容易に入手することができる。
【0006】造形の終わった樹脂型は、洗浄後、後硬化
及び表面処理を行ない、場合によっては光造形で製造し
た物品に特有の積層段差を解消するため、内面を研磨す
るなどの後処理を行った後、一般の金属型の場合と同様
にモールドベースに組み込み(工程S−6)、射出成形
機に取り付けて、指定された樹脂、例えばABS樹脂や
ポリカーボネート樹脂などで射出成形を行なう(工程S
−7)。
【0007】光造形法以外の樹脂型としては、たとえば
1993年7月発行の「プラスチック成形技術」第10
巻7号に記載されている、アルミニウム微粉末とエポキ
シ樹脂を混合したメタルレジン複合材料を用いたモデル
反転法が知られている。このものはあらかじめマスター
モデルを作成し、そのマスターモデルの周囲に型枠を配
置し、型枠内に流動状態のメタルレジン材料を流し込ん
でコア型を成形し、ついで上下を逆にして、同様にキャ
ビ型を成形する製造法である。この製造法も金属型に比
して短時間で製造することが出来るので、主として射出
成形用の型として利用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の光造形による樹
脂型の射出成形は、3次元CADデータがあれば、きわ
めて短時間のうちに目的とする成形品が得られるという
利点があるが、一方で欠点も多い。その第1の点は、型
の寿命が短い点、すなわち型が壊れるまでに成形できる
製品個数が50〜100個程度と少ない点である。この
寿命が短い点については、樹脂型にとっては必然的な欠
点と考えられており、試作品などの少量生産に樹脂型を
用い、最終的な製品形状などが固まった時点で大量生産
用の金属型を製作するのが一般的な使用形態である。
【0009】第2の点は、光造形に特有の積層段差を型
の状態で除去することが難しく、この段差が成形品に転
写される点である。とくにキャビティ面は一般に製品の
意匠を表現する面、すなわち意匠面である場合がほとん
どであるので、この積層段差の転写は好ましくない。
【0010】前記メタルレジンを材料とする成形用の型
は、寿命が500〜1000個程度と光造形による型よ
りも長い。しかし中量生産に適するように、さらに寿命
を延ばすことが望ましい。
【0011】本発明は上記の問題を解消すること、すな
わち樹脂製の成形型の利点をできるだけ維持しながら、
型寿命を長くし、ある程度の中量生産にも充分に対応す
ることができる成形用の型を提供することを第1の課題
とする。さらに本発明は、光造形法の利点をできるだけ
維持しながらその意匠面の積層段差を少なくし、成形さ
れた製品の表面を平滑にする成形用の型を提供するこ
と、およびその製造法を提供することを第2の課題とし
ている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の第1の課題を解決
するため、本発明の成形用の型は、キャビ型とコア型と
からなる高分子材料を成形するための型であって、前記
キャビ型およびコア型のいずれか一方を金属製とし、他
の一方を樹脂型とすることを特徴としている。前記樹脂
型としては、光造形法で製造したものが好ましい。
【0013】樹脂型として光造形法で製造したものを採
用する場合は、前記キャビ型およびコア型のうち、成形
しようとする製品の意匠を表現する面に対応する型を金
属製とし、他方を前記樹脂型とするのが好ましく、それ
により第2の課題が達成される。さらに本発明において
は、前記キャビ型を金属製とするのが好ましい。
【0014】本発明の成形用型の製造法は、成形品の3
次元CADデータを作成し、そのデータに基づいて、キ
ャビ型およびコア型の3次元CADデータを作成し、い
ずれか一方の型の3次元CADデータをNCデータに変
換し、それに基づいて金属製の型を作成する一方、他方
の型の3次元データに基づいて光造形法により樹脂製の
型を作成し、それらのキャビ型とコア型とを組み合わせ
ることを特徴としている。
【0015】
【作用および発明の効果】キャビ型またはコア型のいず
れか一方を金属製とし、他方を樹脂型にすると、両方と
も樹脂型にする場合よりも製造の手間がかかるが、両方
とも金属製にする場合に比べると、型の製造の手間、効
率がはるかに向上する。すなわち、単に片方の型を樹脂
型にすることによるメリットのほか、金属型の構造の簡
素化、試し成形・型修正の回数の減少などが相乗的に作
用して、両方とも金属型にする場合に比して、試し打ち
および修正も含めた型の生産工数が大きく減少する。
【0016】さらにいずれか一方を金属型にすることに
より、他方の樹脂型の寿命が大幅に長くなる利点があ
る。その理由は判然としないが、型の温度上昇が少な
く、それにより熱負荷が低くなるためと考えられる。つ
まり樹脂型は熱伝導率が低く、型内に熱がこもって型寿
命を短くする。しかし一方に金属製の型を用いると、金
属型を通して溶融した樹脂などの素材により型内に持ち
込まれた熱が速やかに系外に排出され、樹脂型の温度上
昇が抑制されることにより、型寿命が延びるのではない
かと推察される。即ち金属製の型は、成形型の作用と同
時に熱交換機の作用を兼ねているのではないかと考えら
れる。従ってもう一方の樹脂型の熱負荷が軽減され、そ
の結果として型の寿命が延ばされると考えられる。
【0017】とくに樹脂型として光造形用の樹脂型を採
用する場合は、型を構成する材料が光硬化性樹脂に無機
固体微粒子を含有させたものであるので、熱伝導率が低
く、そのため金属製の型による寿命を延ばす作用効果が
顕著である。樹脂型として光造形法型を用いる場合は、
意匠を表現する面に対応する型を金属型にするのが好ま
しく、それにより光造形に特有の段差模様が製品の意匠
面に転写されることがなく、製品の意匠性が向上する。
また製品によっては従来行われていた製品表面の段差模
様を除去する研磨作業などが不要になる。
【0018】またキャビ型に金属型を使用するのがより
効果的である。すなわち一般的に樹脂成形品の場合、キ
ャビティ面にはボスやリブがほとんどなく、平滑な意匠
面であることが多い。このような場合は、前述した如
く、キャビ型を金属型にすることにより、製品の意匠面
に積層段差が転写されず、製品の意匠製が向上する。
【0019】第2の有利な点は、比較的複雑なコア型の
製造時間や修正時間が大幅に短縮される点である。すな
わち、金属型はフライス盤やNCマシンによる切削加工
や放電加工機による加工、ワイヤカット機による切断な
どにより加工製作される。このような機械はコンピュー
タ制御により自動運転するのが一般的であるが、3次元
CADデータでは制御できず、いくつかの工程を経てい
わゆるNCデータを作らなければならない。従って成形
面が複雑な場合は、そのデータの作成に時間がかかるの
で、金属型の製造に要する全体の時間がきわめて長くな
る。特に一般的にボスやリブなどの複雑な形状を有する
コア面は、細い溝部等では切削工具が入らず、放電加工
に依らなければならない。そのため放電加工のための溝
部形状に対応する放電電極から製造する必要があり、さ
らに製作時間が長くなる。そのためコア型を光造形によ
る樹脂型にすることにより、成形用の型の製作時間を大
幅に短縮することができる。
【0020】これに対し、キャビ面は意匠面であり、比
較的単純な平滑面で構成されるので、CADデータから
NCデータへの変換も容易であり、切削加工に要する時
間も短くて済む。したがって、キャビ型を金属型として
も、型全体の製造時間はそれほど増大しない。
【0021】本発明の成形用型の製造法によれば、前述
のいずれか一方が金属製で他方が樹脂製の成形用の型を
効率よく製造することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の成形用の型の好ましい実施の形態を説明する。図1a
および図1bは本発明の成形用の型の一実施形態を示す
キャビ型およびコア型を示す斜視図である。なお本図お
よび図2、図3a、図3b、図3c、図4はいずれも後
述する型の3次元CADデータのアウトプットである。
それらのキャビ型1およびコア型2は射出成形用の型で
あり、図2に示すコンピュータ操作用のマウスのカバー
3を成形するためのものである。カバー3の材質はたと
えばABS樹脂を想定している。カバー3は平面形状が
長方形の箱を伏せたような形態を備えている。
【0023】図3a、図3b、図3cはそのカバー3の
平面図、側面図および正面図である。図3bに示すよう
に、カバー3の先端側の半分は前方に向かって低くなる
ようにいくらか傾斜している。その傾斜面4には、押し
ボタンを組み込むための貫通孔5が設けられている。ま
た手前側および左右の稜線には面取り6が設けられ、手
前側の平坦部7の左隅には、浅い凹部8が設けられてい
る。カバー1の前端には、コードを外部に出すための半
割り角筒状の突起9が設けられている。図3a〜cから
分かるように、カバーの表面、すなわち意匠面と対応す
るキャビ型1のキャビティ15には突起部がなく、平滑
である。
【0024】図4はそのカバー3の内部側を示す底面図
である。前述の傾斜面4の内面には、前述の貫通孔5を
囲むように薄肉にリブ10が突出している。また、平坦
部の内面には、薄肉のリブ11が5本、互いに平行にな
るように突出している。さらに前端の左右、および後端
の中央部には、カバー3をマウスの本体に固定するため
のネジ用ボス12が突出している。
【0025】前記図1aのキャビ型1は金属ブロックを
切削して製造したものである。金属ブロックの材料は、
射出成形の型材料として通常使用されているもの、たと
えばJISのSKD、SKH材などのSK材が用いられ
る。これらの熱伝導率はいずれも0.1cal/cm・sec ℃
程度であり、熱膨張係数は11×10-6/ ℃程度であ
る。キャビ型1の中央部にはカバーの表面と対応するキ
ャビティ15が凹設されている。キャビ型1の表面16
はパーティング面となる。
【0026】キャビティ15の内面には、前述の浅い凹
部(図2の符号8)に対応する突起17が形成され、前
端には半割筒状の突起(図2の符号9)の表面に対応す
る角柱状の凹部18が形成されている。またキャビ型1
の手前側には溶融樹脂を導入するスプールおよびランナ
ー19が設けられている。キャビ型1の表面16の左右
には、コア型2と位置合わせをするためのガイド凹部2
0が形成されている。また、4隅には切り欠き段部21
が形成され、その切り欠き段部に、モールドベースに取
り付けるためのボルト穴22が形成されている。
【0027】カバー3の表面には凹凸が少ないので、上
記のキャビ型1のキャビティ15やその周辺も平滑であ
る。そのため放電加工やワイヤカット加工がほとんどな
く、一体の金属ブロックを削り出して製造する金属製の
型であっても、製造は比較的容易である。また、キャビ
ティ15の内面の、カバーの傾斜面(図2の符号4)と
対応する部位は、傾斜しているので、光造形で製造する
場合は粗い積層段差が生ずるが、本実施形態では金属型
にしているので、そのような積層段差がなく、NC加工
による微少な段差があるだけである。ただし金属型であ
るので、その微少な段差は研磨などで容易に除去するこ
とが出来る。
【0028】他方、図1bのコア型2は、樹脂型であ
り、本実施形態では光造形法により製作している。材料
としては、光造形用の樹脂材料として市販されている公
知のものを使用することが出来る。たとえば帝人製機
(株)社製の「TSR752」などが好ましく使用でき
る。その材料は、後述するように、CADデータに基づ
く形状に紫外線レーザーで硬化させながら積層・造形す
ることにより、図1bの形状に形成し得る。このような
樹脂型の熱伝導率は、通常は1.17×10-3cal/cm・
sec ・℃程度であり、線膨張率は2.8〜8.2×10
-5cm/cm/℃である。
【0029】コア型2の中央には、マウスのカバーの内
面を形成するためのコア25が突出している。コア型2
の表面26はキャビ型の表面16と相対する面であり、
左右にはキャビ型のガイド凹部20と嵌合するガイド突
起27が設けられている。また4隅には切り欠き段部2
8およびボルト穴29が形成されている。
【0030】コア25の周囲には製品であるカバーの端
面と対応する段部30が設けられている。さらにコア2
5の上面には、製品の貫通孔(図2の符号5)を形成す
るための突起31が設けられており、その周囲にはリブ
(図4の符号10)を形成するための環状溝32が形成
されている。そして手前側には平行なリブ(図4の符号
11)を形成するための細い溝33が5本形成されてい
る。また前端側には、前端の突起(図2の符号9)の内
面を形成し、かつ前端壁を貫通させるための角柱状の突
起34が設けられている。さらに前端の左右および後端
の中央にはそれぞれネジ用ボスを形成するための凹部3
5が設けられている。なおコア25に多数形成されてい
る小さい貫通孔36は成形品を抜き出すためのエジェク
ターピンを通すための穴である。
【0031】以上のことから解るように、カバー3など
の製品の意匠面は比較的平坦で、そのためキャビ型1は
比較的単純であるのに対し、カバー3の内面を形成する
コア型2は、リブや穴等のために比較的複雑になってい
る。またカバー3などを貫通する貫通孔5を形成するた
めの突起もコア型2に設けるので、コア型2は一層複雑
になることが解る。従ってこのような製品を成形する型
については、キャビ型を金属型とし、コア型を樹脂型に
すると、製造工数を樹脂型と同程度に維持しながら型寿
命を延ばすことが出来る。
【0032】つぎに図5のブロック図を参照しながら、
前述の成形用のキャビ型およびコア型の製作工程および
それらの成形型を使用して射出成形するまでを説明す
る。この製造法は本発明の製造法の一実施形態である。
【0033】図5から明らかなように、3次元CAD製
品データ作成工程(S−1)からキャビ型・コア型CA
Dデータ作成工程(S−4)までは、図6で説明した従
来の光造形法による成形用の型の製造法と同じである。
すわなち製品の3次元CAD製品データを作成する工程
(S−1)、その3次元CADデータに対し、抜き勾配
や成形時の収縮率などの樹脂射出成形のノウハウを追加
する工程(S−2)、パーティングライン面を設定し、
データの反転作業を行うことにより、型のCADデータ
を作成する工程(S−3)を行い、ついで射出成形時に
必要なゲート口、ランナー、突き出しピンのピン穴など
のデータを追加するキャビ型・コア型のCADデータの
作成工程(S−4)を行う。上記の工程S−1から工程
S−4までは、全てコンピュータ上で行われる。
【0034】そして次の工程からは、キャビ型とコア型
とで工程が分かれる。ただしコア型の製造については、
光造形法で製造するので、図6の場合と同じく、コア型
のCADデータを基にして、光造形技術により、CAD
データに忠実な樹脂型を製造する工程(S−5)、後処
理工程・モールドベースへの組み込み工程(S−6)を
その順に行なう。
【0035】他方、キャビ型は金属ブロックから前述し
た加工機械で加工するので、光造形工程とは異なる。す
なわち、まずキャビ型のCADデータを利用して、切削
工具やワイヤカッティングマシンのワイヤなどの切削経
路を示すCLデータ(カッティングロケーションデー
タ)を発生する(工程S−8)。CLデータには工具の
種類、X、Y、Z方向の工具の送りピッチなどのデータ
が含まれる。これらの操作は全てコンピュータ上で行わ
れる。
【0036】ついでこのCLデータから実際にNCマシ
ンをコントロールするためのNCデータに変換する(工
程S−9)。このデータ変換は、たとえば日本ユニシス
社製のキャドシアスや日本ピーティーシー社のプロマニ
ファクチャリングなどの従来使用されている変換ソフト
で行うことができる。このNCデータを用いてNCマシ
ンを稼働させ、金属ブロックから正確なキャビ型を切削
加工する(工程S−10)。
【0037】前記のNCマシンとしては、型の大きさや
加工の種類によって選択すればよいが、たとえばNCマ
シニングセンター、NC旋盤、NCボーリングマシン、
NCミーリングマシンなどの汎用機、あるいは市販のN
C金型加工専用機を使用する。上記のようにして製造し
たキャビ型1は、公知のモールドベースに組み込み(工
程S−11)、前述したコア型と組み合わせて射出成形
に用いられる(工程S−7)。
【0038】前記の実施形態ではコア型に光造形法によ
る樹脂型を採用しているが、キャビ型に光造形法による
樹脂型を採用し、コア型に金属型を採用することもでき
る。また樹脂型については、光造形法以外の方法、たと
えばモデル反転法などで成形することもできる。その場
合はたとえばメタルレジン製の型など、熱伝導率が比較
的高い型を用いることができる。
【0039】前記実施形態では、コンピュータのマウス
のカバーを例に挙げて説明しているが、それに用いる押
しボタン、ギヤなどの部品などのようなマウスよりも小
さい樹脂成形品、あるいはキーボードのカバー、パソコ
ンのキャビネット、携帯電話、小型液晶テレビのハウジ
ングなどのような大きい樹脂成形品も、本発明の成型用
の型を用いて、あるいは本発明の型の製造法により製造
することが出来る。さらに樹脂型については、光造形法
のほか、前述のモデルからの反転法などの製法で製造す
ることが出来る。
【0040】
【実施例】つぎに実際に製作した射出成形用の型および
それにより成形した結果を説明する。前述したように、
図3aはコンピュータ用のマウスの商品設計CADのア
ウトプットで意匠面(商品の表側に出る面)から見た平
面図である。図4は同じ商品設計CADのアウトプット
であるが、電機部品などが組み込まれる内面から見た底
面図を示している。図2は意匠面の斜視図である。
【0041】それらのCADデータには、すでに成形金
型に必要な情報が盛り込まれている。すなわち抜きテー
パを0.5度、成形材料としてABS樹脂を想定して収
縮率1000分の4の補正を行っている。図1aおよび
図1bは図3や図4に示したCADデータから反転操作
を行って、さらにモールドベースに組み込むためのボル
ト穴やエジェクターピンの穴などを加えたものである。
このような反転操作は市販の金型設計支援ソフトにより
容易に行うことができる。
【0042】なお前述したように、図1aは図3のCA
Dデータを反転操作して作成したキャビ型のCADデー
タのアウトプットであり、図1bは図4のCADデータ
を反転させて作成したコア型のCADデータのアウトプ
ットである。
【0043】ついで図1bのコア型のCADデータをS
TL(Stereo Lightgraphy )データに変換し、帝人製
機(株)製の光造形装置ソリフォームを用いて樹脂型を
作成した。なお使用した光硬化性樹脂は無機および有機
固体微粒子を含有したTSR752(TRSは帝人製機
(株)の商標)である。造形の積層ピッチは50μmと
した。造形の終わった造形品を洗浄し、表面処理などの
後処理を行って、別に用意したモールドベースに組み込
んだ。この樹脂型の主要部位を検寸したところ、CAD
データに対して±100μm 以内の精度に仕上がってい
ることが解った。
【0044】他方、図1aのキャビ型CADデータを基
にして、NCマシンで使用する工具の切削経路のデータ
(CLデータ)を発生した。使用工具はボールエンドミ
ル8mm、5mm、4mmおよび2mmを使用することとし、
X、Y及びZ方向のピッチは工具の大きさによって選択
した。CLデータからNCデータに変換し、工具の回転
数と送りスピードを選定した。
【0045】このNCデータを牧野精機製の切削加工機
に送り、炭素鋼S50Cのブロックを切削して図1aに
示すキャビ型1を製作した。このキャビ型1の主要部位
を検寸したところ、CAD図に対し、±50μm 以内の
精度に仕上がっていることが解った。このキャビ型1を
前述の光造形装置で製造したコア型2と合わせたが、嵌
合はキャビ型とコア型の材質及び製法が異なるにも関わ
らず、全く問題がなかった。この点は、両者の材料、製
造法が全く異なることから、かなりの手直しを必要とす
るとの予想を覆す画期的な知見である。なおキャビ型の
金属材料の線膨張係数は11.6×10-6cm/cm/℃、熱
伝導度は0.110cal/cm・ ℃であり、TSR−752
の成形後の熱膨張係数は熱伝導度は1.17×10-3ca
l/cm・℃である。この金属製キャビ型を別途用意したモ
ールドベースに組み込んで、日精樹脂工業(株)製の射
出成形機(FN−2000)に取り付けた。
【0046】ついで住化エィビーエス・ラテックス
(株)社製のABS樹脂(GA−501)を使用してこ
の複合型で射出成形を行った。成形条件としては樹脂温
度240℃、射出圧力はABS樹脂で471kg/cm2で行
なった。保圧時間は10〜15秒とした。ABS樹脂で
30ショット成形した後、温度を上げてPC樹脂で20
ショット成形したが、型に何等異常はなかった。また、
成型品はいずれもソリなどの変形もなく、意匠面はスム
ーズに仕上がっていた。なおX軸、Y軸の外寸は、AB
S樹脂で0.4%ないし1%収縮、PC樹脂で0.1〜
0.2%収縮であった。
【0047】以上のことから明らかなように、一方を金
属型とし、他方を樹脂型とした成型用の型は、製造工数
が両方とも樹脂型のものより若干多い程度であるにも関
わらず、寿命は大幅に増加していることが解る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1aおよび図1bはそれぞれ本発明の成型
用の型の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 その成型用の型を用いて成形しようとする製
品の斜視図である。
【図3】 図3a、図3bおよび図3cはその製品の平
面図、側面図および正面図である。
【図4】 その製品の底面図である。
【図5】 本発明の成形用の型の製造法の一実施形態を
示すブロック図である。
【図6】 従来の光造形法で成形用の型を製造する方法
の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 キャビ型 2 コア型 3 カバー(製品)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビ型とコア型とからなる、高分子材
    料を成形するための型であって、前記キャビ型およびコ
    ア型のいずれか一方が金属製であり、他の一方が樹脂型
    である成形用の型。
  2. 【請求項2】 前記樹脂型が光造形法で製造されたもの
    である請求項1記載の成形用の型。
  3. 【請求項3】 前記キャビ型およびコア型のうち、成形
    しようとする製品の意匠を表現する面に対応する型が金
    属製で、他方が樹脂型である請求項2記載の成型用の
    型。
  4. 【請求項4】 前記キャビ型が金属製である請求項2ま
    たは3記載の成型用の型。
  5. 【請求項5】 成形品の3次元CADデータを作成し、
    そのデータに基づいて、キャビ型およびコア型の3次元
    CADデータを作成し、いずれか一方の型の3次元CA
    DデータをNCデータに変換し、それに基づいて金属製
    の型を作成する一方、他方の型の3次元データに基づい
    て光造形法により樹脂製の型を作成し、それらのキャビ
    型とコア型とを組み合わせる、成形用の型の製造法。
JP9049662A 1997-02-17 1997-02-17 成形用の型およびその製造法 Withdrawn JPH10225939A (ja)

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