JPH10225742A - 線材の鍛造方法及びその装置 - Google Patents

線材の鍛造方法及びその装置

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JPH10225742A
JPH10225742A JP28518497A JP28518497A JPH10225742A JP H10225742 A JPH10225742 A JP H10225742A JP 28518497 A JP28518497 A JP 28518497A JP 28518497 A JP28518497 A JP 28518497A JP H10225742 A JPH10225742 A JP H10225742A
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wire
heating
forging
straightening
heated
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JP28518497A
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English (en)
Inventor
Tadao Ebukuro
忠男 江袋
Yoshio Kawashima
義雄 河島
Yuji Inoue
雄次 井上
Takai Hasegawa
貴伊 長谷川
Masanobu Uemura
昌信 植村
Hideki Higuchi
英樹 樋口
Tadashi Sawada
正 沢田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 コイル状の線材2を巻き戻して送りつつ
矯正し、鍛造に必要な温度まで加熱した後所定長さに剪
断又は切断し、鍛造する方法である。巻き戻した線材2
をほぼ直線状に矯正する。鍛造に必要な温度まで加熱す
る前に、前記矯正した線材を400℃以上に加熱する。
その後、再度矯正を加える。 【効果】 常温での延性が少ない線材であっても、支障
なく鍛造が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、線材の鍛造方法及
び装置に関するものであり、特に常温時の延性が低い線
材を鍛造するのに適した鍛造方法及びその鍛造方法を実
施するのに適した装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、線材や棒鋼を巻き取ったコイ
ル状の素材(以下、単に「線材」と言う。)を連続的に
供給し、熱間鍛造を行う方法や装置が提案され、また、
その機構や制御方法に関しても、例えば、特開昭58−
38632号、特開昭61−199542号、特公平3
−14535号、特公平3−14536号、特公平3−
14537号、特公平7−41345号等いくつかの改
良提案がなされている。
【0003】そして、例えばS45C等のような一般的
な炭素鋼の線材では、これらのような方法や装置を使用
して、全く支障なく鍛造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
延性が5%以下の軸受鋼のように、常温での延性が小さ
い線材では、常温で十分な曲げ、曲げ戻しが行えないた
め、線材はコイル状となした際の曲率半径そのままの形
態で送り込まねばならない。しかも、矯正による残留応
力も生じるため、鍛造に必要な温度まで加熱する加熱装
置内で曲がり、加熱装置内を通過できないという不具合
が発生する。加えて、熱間鍛造は間欠的であるため加熱
装置等への送り込みもスタート、ストップの繰返しであ
るため、線材は揺れながら送り込まれることになり、特
に太い線材の場合には、この現象が顕著に発生する。従
って、このような線材を鍛造する場合にはコイル状のも
のは使用できず、歩留りの低下や金型の傷みを承知で直
線状の線材を使用する他はなかった。
【0005】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、常温での延性が少ない線材であっ
ても、コイル状の線材を使用して支障なく鍛造が行える
方法及びこの方法を実施する装置を提供することを目的
としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では、巻き戻して矯正した後、あるいは
巻き戻し中に、線材を400℃以上に加熱し、その後再
度矯正することとしている。そして、このようにするこ
とで、巻き戻して矯正した線材や、巻き戻し中の線材の
引張強度が低下して延性が大きくなり、難加工材等を完
全に矯正でき、残留応力も低下して後続の鍛造に必要な
温度まで加熱する工程での曲がりを防止できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る第1の線材の鍛造装
置は、線材コイルの巻き戻し手段と、巻き戻した線材を
送る搬送手段と、巻き戻した線材をほぼ直線状に矯正す
る矯正手段と、この矯正手段によって矯正された線材を
400℃以上に加熱する加熱手段と、この加熱手段によ
って加熱された線材を再度矯正し直線度を向上させる第
2の矯正手段と、この第2の矯正手段によって矯正さ
れ、直線度が向上した線材を鍛造に必要な温度までに加
熱する手段と、この加熱手段によって加熱された線材を
所定長さに剪断又は切断する手段と、この剪断又は切断
手段によって剪断又は切断された線材を鍛造する手段
を、順次直列状に配置したものである。
【0008】そして、本発明に係る第1の線材の鍛造装
置の、線材コイルの巻き戻し手段を用いてコイル状の線
材を巻き戻し、搬送手段によって送りつつ矯正手段を用
いてほぼ直線状に矯正し、次に、加熱手段によって40
0℃以上に加熱した後、第2の矯正手段によって加熱さ
れた線材を再度矯正して直線度を向上させ、その後、加
熱手段によって鍛造に必要な温度まで加熱した後、剪断
又は切断手段で所定長さに剪断又は切断し、鍛造手段で
鍛造するのが本発明に係る第1の線材の鍛造方法であ
る。
【0009】このような本発明に係る第1の線材の鍛造
方法によると、巻き戻してほぼ直線状に矯正した常温で
延性が少ない難加工材を完全に矯正することが可能とな
り、残留応力も低下して後続の鍛造に必要な温度まで加
熱する工程での曲がりを防止できる。
【0010】また、本発明に係る第2の線材の鍛造装置
は、線材コイルの巻き戻し手段と、この巻き戻し手段に
よる線材の巻き戻し中に、コイル状の線材を400℃以
上に加熱する加熱手段と、この加熱手段により400℃
以上に加熱されて巻き戻された線材を送る搬送手段と、
前記巻き戻した線材を直線状に矯正する矯正手段と、こ
の矯正手段によって矯正された線材を鍛造に必要な温度
までに加熱する手段と、この加熱手段によって加熱され
た線材を所定長さに剪断又は切断する手段と、この剪断
又は切断手段によって剪断又は切断された線材を鍛造す
る手段を、順次直列状に配置したものであり、この時、
400℃以上に加熱する加熱手段としては、コイル形状
が馬蹄形または長円形の高周波加熱装置や、給電のため
のピンチローラと、電流を電源装置へ戻すためのピンチ
ローラからなる直接通電加熱装置が好ましい。
【0011】そして、本発明に係る第2の線材の鍛造装
置の、線材コイルの巻き戻し手段を用いてコイル状の線
材を巻き戻す途中で、加熱手段によってコイル状の線材
を400℃以上に加熱し、加熱した線材を搬送手段によ
って送りつつ矯正手段を用いて直線状となるように矯正
を行い、次に、加熱手段を用いて線材を鍛造に必要な温
度まで加熱した後、剪断又は切断手段で所定長さに剪断
又は切断し、鍛造手段で鍛造するのが本発明の第2の線
材の鍛造方法である。
【0012】このような本発明に係る第2の線材の鍛造
方法によると、巻き戻した線材の引張強度が低下して延
性が大きくなるので、直線状となす矯正が前記した第1
の発明よりもより容易に行え、後続の鍛造に必要な温度
まで加熱する工程での曲がりを防止できる。この時、巻
き戻す線材の曲率半径は、通常巻き取られていたコイル
の直径(1〜1.5m)程度であり、しかも間欠的に送
らなければならないので、線材が揺れながら送り込まれ
ることになるが、コイル形状が馬蹄形または長円形の高
周波加熱装置を使用することで十分に対応できる。ま
た、給電のためのピンチローラと、電流を電源装置へ戻
すためのピンチローラからなる直接通電加熱装置を用い
ることで、コイルを連続的に送り込むことができ、送り
込み時のコイルの揺れをなくすことができる。
【0013】また、本発明に係る第3の線材の鍛造装置
は、線材コイルの巻き戻し手段と、巻き戻した線材を送
る搬送手段と、巻き戻した線材の曲率半径が無限大にな
らない範囲で増加させる矯正手段と、この矯正手段によ
り曲率半径を増加された線材を400℃以上に加熱する
加熱手段と、この加熱手段によって加熱された線材を直
線状となるように矯正する第2の矯正手段と、この第2
の矯正手段によって直線状となされた線材を鍛造に必要
な温度までに加熱する第2の加熱手段と、この第2の加
熱加熱手段によって加熱された線材を所定長さに剪断又
は切断する手段と、この剪断又は切断手段によって剪断
又は切断された線材を鍛造する手段を、順次直列状に配
置したものでものであり、この時、400℃以上に加熱
する手段としては、コイル形状が馬蹄形または長円形の
高周波加熱装置や、給電のためのピンチローラと、電流
を電源装置へ戻すためのピンチローラからなる直接通電
加熱装置が好ましい。
【0014】そして、本発明に係る第3の線材の鍛造装
置の、線材コイルの巻き戻し手段を用いてコイル状の線
材を巻き戻し、搬送手段によって送りつつ矯正手段を用
いて線材の曲率半径が無限大にならない範囲で大きくな
るように矯正し、次に、加熱手段によって400℃以上
に加熱した後、第2の矯正手段によって加熱された線材
を矯正して直線状となし、その後、第2の加熱手段によ
って鍛造に必要な温度まで加熱した後、剪断又は切断手
段で所定長さに剪断又は切断し、鍛造手段で鍛造するの
が本発明に係る第3の線材の鍛造方法である。
【0015】このような本発明に係る第3の線材の鍛造
方法によると、巻き戻す線材を直ぐに直線状に矯正する
のではなく、一旦大きな曲率半径に矯正するので、常温
での延性がより少ない難加工材を加熱することなく巻き
戻しても、破断したり表面に亀裂が入ることがなく、ま
た、残留応力も低下して後続の鍛造に必要な温度まで加
熱する工程での曲がりを防止できる。
【0016】本発明において、矯正前に線材を400℃
以上に加熱するのは、400℃未満の温度域で存在する
線材の脆性域を避けると共に、この程度の高温になれば
線材の引張強度が低下して延性が大きくなるからであ
る。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る線材の鍛造装置を図1〜
図8に示す実施例に基づいて説明し、これらの鍛造装置
を用いた本発明に係る線材の鍛造方法に及ぶ。図1は本
発明に係る第1の線材の鍛造装置の概略構成を示す側面
図、図2は線材を矯正変形する時の説明図で、(a)は
ローラを通過する材料、(b)は繰り返し曲げ変形過程
の説明図、図3は本発明に係る第1の線材の鍛造装置の
他の実施例の概略構成を示す要部側面図、図4は本発明
に係る第2の線材の鍛造装置の概略構成を示す要部側面
図、図5は図4における高周波加熱コイルの説明図で、
(a)は馬蹄形、(b)長円形のもの、図6は本発明に
係る第2の線材の鍛造装置の他の実施例の概略構成を示
す要部側面図、図7は本発明に係る第3の線材の鍛造装
置の概略構成を示す側面図、図8(a)は本発明に係る
第2の線材の鍛造装置における巻き戻し部の側面図、
(b)は(a)図の正面図である。
【0018】〔実施例1〕図1は本発明に係る第1の線
材の鍛造装置の概略構成を示す要部側面図(但し、熱間
鍛造装置9は平面図)である。なお、装置構成は本図が
平面或いは側面のどちらであってもかまわない。図1に
おいて、1はクレーン等で搬送されてきたコイル状の線
材2を吊り下げる転接ロールであり、この転接ロール1
に吊り下げられたコイル状の線材2は、その先端を、転
接ロール1と、シリンダー3aのロッドの出退動によっ
て前記転接ロール1に対して接離移動可能に配置された
ピンチロール3の間に持ってゆかれ、転接ロール1とピ
ンチロール3でピンチされる。なお、図1では転接ロー
ル1は1つのものを示しているが、転接ロール1におけ
るピンチロール3の相手側部分と、コイル状線材2の吊
り下げ部分とは通常独立している。
【0019】4は前記ピンチロール3の下流側に配置さ
れた矯正装置であり、曲げ矯正ロール4aと4bが上下
方向に千鳥状となるように複数個配列されている。この
曲げ矯正ロール4a,4bの数、ロールの大きさやロー
ルピッチ等は線材2の材質や太さ等に応じて適宜設定さ
れる。このうち、ラインの上側に配置されてシリンダー
4bのロッドの出退動によって昇降移動する曲げ矯正ロ
ール4bは、任意の位置で固定することが可能で、最適
な矯正をするためには、図2(a)に示すように、線材
2に曲げや曲げ戻しを与えるように位置を設定してお
き、線材2の先端をピンチロール3で押さえた後、転接
ロール1とラインの下側に配置された曲げ矯正ロール4
aを連動して回転させることで、線材2を、上下方向に
千鳥状となるように配列した曲げ矯正ロール4aと4b
の間に送り込みながら、矯正装置4の出側に配置された
ピンチロール4cの出側まで通過させて、ほぼ直線状に
矯正する。なお、ピンチロール4cは、線材2の先端が
通過する前は、その上ロールを上昇させておき、通過後
に下降させるのが普通である。
【0020】5,6は矯正装置4と後述する熱間鍛造装
置9の間に介設された加熱装置であり、従来の加熱装置
6は、すなわち図1の実施例では熱間鍛造装置9の直前
に配置され、通常は3個程度の高周波コイルに分割され
ているが、本実施例ではその上流にもう1基の加熱装置
5(高周波コイル5a,5b)を設置しているので、加
熱装置6は2個の高周波コイル6a,6bに分割したも
のを示している。
【0021】ところで、前記加熱装置のうち上流側の加
熱装置5は、従来の加熱装置(下流側の加熱装置6)の
うちの1個の高周波コイルに相当する加熱量と、加熱装
置5,6間に配置された第2の矯正装置7でのロールの
熱損失を考慮した容量が必要であり、本実施例では2個
の高周波コイル5a,5bに分割したものを示してい
る。勿論、高周波コイル5a,5b及び6a,6bはそ
れぞれ1個ずつ又はどちらかを1個にまとめることも、
反対にさらに分割することも可能である。
【0022】なお、高周波コイル5aと5b、高周波コ
イル6aと6b間には、送られてくる線材2の先端を高
周波コイル5b,6bに誘導するためのサポートロール
8a,8bが必要に応じて配置される。また、第2の矯
正装置7は、前記矯正装置4と構造的に類似するもの
で、使用方法も同等であるが、ロール数その他は適宜最
適なものを設定する。
【0023】前記したように、線材2の先端がピンチロ
ール4cの出側まで通過した状態で、さらに転接ロール
1とラインの下側に配置された曲げ矯正ロール4aを連
動して回転させれば、線材2の先端は加熱装置5、第2
の矯正装置7及び加熱装置6を通過し、熱間鍛造装置9
の入口に到達する。
【0024】この熱間鍛造装置9の中には、フィードロ
ール9a、クランプ9b、シャー9c、ストッパー9d
及びダイスとプレスからなる鍛造部9eが配置されてお
り、前記線材2は、その先端がストッパー9d面に到達
するまで送られたところで、送りが停止される。停止後
はクランプ9bを線材2側に移動して線材2をクランプ
した後、シャー9cを線材2側に移動させて鍛造に必要
な長さに剪断する。次に、剪断した線材2を鍛造部9e
に移動し、ここでプレス加工を行う。このプレス加工中
にクランプ9b,シャー9cは元の位置まで後退し、次
の作動に備える。
【0025】なお、線材2の送りはピンチロール4cで
行い、その制御は例えば特公平7−41345号や特公
平3−14535〜7号に記載された方法が採用され
る。また、線材2がなくなって終端部がピンチロール4
cを通過する直前に、線材2の送りを熱間鍛造装置9の
フィードロール9aに切り換えれば、無駄が少なくな
る。
【0026】本発明者らが直径30mmの軸受鋼を使用
して本発明の効果を確認したところ、従来の高周波コイ
ル3連方式のものでは先端が15mm程度曲がって高周
波コイルに引っ掛かり、加熱装置を通過できなかった
が、図1に示す本発明装置を使用した本発明方法では、
従来の加熱装置6における最初の高周波コイルの加熱量
に略相当する量を加熱装置5の高周波コイル5a,5b
に分割し、かつ、これらの高周波コイル5a,5bで4
00℃以上に加熱した後、ほぼ直線状に矯正しているの
で、線材2はこれを通過することができた。但し、鋼種
によっては更に曲がりが大きく、図1に示す装置では第
1番目の加熱装置5の高周波コイル5a,5bを通過で
きない場合もあるが、このような場合には、図3に示す
ように、加熱装置5の高周波コイル5a,5bの間にさ
らに矯正装置7aを設置すれば、問題なく通過できる。
なお、線材2の加熱温度は加熱装置5の出側表面温度で
800℃、加熱装置6の出側表面温度で1200℃で、
順調に鍛造できた。
【0027】〔実施例2〕図4は本発明に係る第2の線
材の鍛造装置の概略構成を示す要部側面図であり、図1
に示した本発明に係る第1の線材の鍛造装置と異なる箇
所について示している。
【0028】図4において、10a〜10cは転接ロー
ル1に吊り下げられたコイル状の線材2の外周適宜位置
に設置されたピンチロールであり、これらのピンチロー
ル10a〜10cの間には高周波コイル11a,11b
が介設されている。
【0029】このような構成にあって、転接ロール1に
吊り下げられたコイル状線材2の先端は、最初のピンチ
ロール10aを構成する2個のロールの間に持ってゆか
れ、ここでピンチされる。そして、線材2はこのピンチ
ロール10aによって送られ、高周波コイル11a、ピ
ンチロール10b、高周波コイル11b、ピンチロール
10cの順に通過して400℃以上まで加熱された後、
転接ロール1とピンチロール3間を通過して矯正装置4
に送られ、ここで常温時の延性が大きい線材と同様に十
分に矯正され、直線状と成される。そして、矯正後は加
熱装置6で鍛造に必要な温度まで加熱された後、熱間鍛
造装置9に送られ、ここで所要のプレス加工が行われ
る。
【0030】ところで、転接ロール1に吊り下げられる
コイル状線材2のコイル直径は、一般的には、1〜1.
5mであるので、ピンチロール10a〜10cはこの直
径範囲内であればどのようなものでも対応できるよう
に、シリンダーのストロークが決定されている。同様
に、高周波コイル11a,11bも、図5(a)に示す
ような馬蹄形や、図5(b)に示すような長円形にして
おくことで、円形の高周波コイルを使用した場合のよう
に熱効率を低下させることなく、小さい設置スペース
で、前記コイル直径の変動にも対応できる。
【0031】また、図6に示すように、高周波コイル1
1a,11bに代えて、ピンチロール10a〜10cを
構成する2個のロールのうちの1個のロール10aa〜
10caを給電のためのピンチロールとし、残りの1個
のロール10ab〜10cbは、電流を電源装置へ戻す
ためのピンチロールとした直接通電加熱装置を採用して
もよい。
【0032】〔実施例3〕図7は本発明に係る第3の線
材の鍛造装置の概略構成を示す要部側面図(但し、熱間
鍛造装置9は平面図)であり、以下、図1に示した本発
明に係る第1の線材の鍛造装置と異なる部分の構成につ
いて説明する。
【0033】図4に示す本発明に係る第2の線材の鍛造
装置にあっては、転接ロール1に吊り下げた線材2の外
周適宜位置に設置するピンチロール10a〜10cの間
に、高周波コイル11a,11bを介設しているので、
バーインコイル(ペイオフリール)12と転接ロール1
に吊り下げる線材2との間隔Lを、図8(b)に示すよ
うに、大きくとる必要が有った。
【0034】そこで、図7に示す本発明に係る第3の線
材の鍛造装置にあっては、ピンチロール10a〜10c
の間に高周波コイル11a,11bを介設せず、また、
矯正装置4では直ぐに直線状に矯正するのではなく、一
旦、無限大にならない範囲で可及的に大きな曲率半径に
矯正するのである。なお、矯正装置4における曲げ矯正
ロール4aの配置や数、回転状態等は先に説明した本発
明に係る第1の線材の鍛造装置の場合と同様である。
【0035】矯正装置4で上記した様に大きな曲率半径
に矯正した後は、加熱装置5で、線材2を400℃以上
に加熱するのである。そして、加熱後は、第2の矯正装
置7で直線状に矯正した後、加熱装置6で鍛造に必要な
温度まで加熱し、熱間鍛造装置9に送る。この熱間鍛造
装置9に送られた線材2は、シャー9cによって鍛造に
必要な長さに剪断され、鍛造部9eでプレス加工され
る。
【0036】上記した本発明に係る第3の線材の鍛造装
置において、加熱装置5を構成する高周波コイル5a,
5bは、先に説明した本発明に係る第2の線材の鍛造装
置における高周波コイル11a,11bと同様に、図5
(a)に示すような馬蹄形や、図5(b)に示すような
長円形にしたり、また、図6に示すように、高周波コイ
ル5a,5bに代えて、ピンチロールを採用し、このピ
ンチロールのうちの1個のロールを給電のためのピンチ
ロールとし、残りの1個のロールは、電流を電源装置へ
戻すためのピンチロールとした直接通電加熱装置を採用
しておけば、コイル直径の変動にも対応でき、取扱いが
容易となる。
【0037】本発明者らは直径30mmの軸受鋼のうち
破断強度が高く、従って、降伏応力が高い材料に適用し
て本発明の効果を確認した。常温での塑性域の伸びが
2.5%の材料では、本発明に係る第1の装置を使用し
た本発明方法では、矯正装置4の出口でほぼ直線状にな
らず、高周波コイル5aに線材2の先端が入る程度で、
高周波コイル5aに引っ掛かり、前進が不可能であっ
た。そこで、さらに矯正装置4の出口で直線状になるよ
うに、曲げ矯正ロール4aの圧下量を調整すると、線材
2が破断してしまう状態であった。
【0038】一方、本発明に係る第3の装置を使用した
本発明方法では、ピンチロール4cの出口で大きな曲が
りが残留しているものの、馬蹄形の加熱装置5を通過で
き、この加熱装置5で600℃に加熱することにより、
強度も低下して塑性域の伸びも許容されることになり、
第2の矯正装置7以降も支障なく通過でき、加熱装置6
の出側での表面温度を1200℃とすることで、順調に
鍛造できた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
常温時の延性が小さい線材であっても、矯正が容易に行
え、後続の鍛造に必要な温度まで加熱する工程での曲が
りを防止できるので、コイル状の線材を使用することが
できる。従って、直線状の線材を使用した場合のような
継ぎ部分がなくなり、継ぎ部分をプレスする際に生じる
金型の傷みや、品質悪化等を防止することができる。こ
の効果は、第2、3の本発明ではより顕著である。ま
た、第3の本発明にあっては、バーインコイル(ペイオ
フリール)と転接ロールに吊り下げる線材との間隔を、
大きくとる必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の線材の鍛造装置の概略構成
を示す側面図である。
【図2】線材を矯正変形する時の説明図で、(a)はロ
ーラを通過する材料、(b)は繰り返し曲げ変形過程の
説明図である。
【図3】本発明に係る第1の線材の鍛造装置の他の実施
例の概略構成を示す要部側面図である。
【図4】本発明に係る第2の線材の鍛造装置の概略構成
を示す要部側面図である。
【図5】図4における高周波加熱コイルの説明図で、
(a)は馬蹄形、(b)長円形のものを示す。
【図6】本発明に係る第2の線材の鍛造装置の他の実施
例の概略構成を示す要部側面図である。
【図7】本発明に係る第3の線材の鍛造装置の概略構成
を示す側面図である。
【図8】(a)は本発明に係る第2の線材の鍛造装置に
おける巻き戻し部の側面図、(b)は(a)図の正面図
である。
【符号の説明】
2 線材 3 ピンチロール 4 矯正装置 4c ピンチロール 5 加熱装置 6 加熱装置 7 第2の矯正装置 9 熱間鍛造装置 10aa ロール 10ba ロール 10ca ロール 11a 高周波コイル 11b 高周波コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B21K 27/04 B21K 27/04 H05B 3/00 340 H05B 3/00 340 6/10 351 6/10 351 6/36 6/36 (72)発明者 長谷川 貴伊 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 植村 昌信 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 樋口 英樹 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 沢田 正 福岡県北九州市小倉北区許斐町1番地 住 友金属工業株式会社小倉製鉄所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイル状の線材を巻き戻して送りつつ矯
    正し、鍛造に必要な温度まで加熱した後所定長さに剪断
    又は切断し、鍛造する方法において、前記巻き戻した線
    材をほぼ直線状に矯正した後、鍛造に必要な温度まで加
    熱する前に、前記矯正した線材を400℃以上に加熱
    し、再度矯正を加えることを特徴とする線材の鍛造方
    法。
  2. 【請求項2】 コイル状の線材を巻き戻して送りつつ矯
    正し、鍛造に必要な温度まで加熱した後所定長さに剪断
    又は切断し、鍛造する方法において、コイル状の線材の
    巻き戻し中に、コイル状の線材を400℃以上に加熱す
    ることを特徴とする線材の鍛造方法。
  3. 【請求項3】 コイル状の線材を巻き戻して送りつつ矯
    正し、鍛造に必要な温度まで加熱した後所定長さに剪断
    又は切断し、鍛造する方法において、前記巻き戻した線
    材を、無限大にならない範囲で矯正前よりも曲率半径が
    大きくなるように矯正した後、鍛造に必要な温度まで加
    熱する前に、前記矯正した線材を400℃以上に加熱
    し、その後、直線状に矯正することを特徴とする線材の
    鍛造方法。
  4. 【請求項4】 線材コイルの巻き戻し手段と、巻き戻し
    た線材を送る搬送手段と、巻き戻した線材をほぼ直線状
    に矯正する矯正手段と、この矯正手段によって矯正され
    た線材を400℃以上に加熱する加熱手段と、この加熱
    手段によって加熱された線材を再度矯正し直線度を向上
    させる第2の矯正手段と、この第2の矯正手段によって
    矯正され、直線度が向上した線材を鍛造に必要な温度ま
    でに加熱する手段と、この加熱手段によって加熱された
    線材を所定長さに剪断又は切断する手段と、この剪断又
    は切断手段によって剪断又は切断された線材を鍛造する
    手段を、順次直列状に配置したことを特徴とする線材の
    鍛造装置。
  5. 【請求項5】 線材コイルの巻き戻し手段と、この巻き
    戻し手段による線材の巻き戻し中に、コイル状の線材を
    400℃以上に加熱する加熱手段と、この加熱手段によ
    り400℃以上に加熱されて巻き戻された線材を送る搬
    送手段と、前記巻き戻した線材を直線状に矯正する矯正
    手段と、この矯正手段によって矯正された線材を鍛造に
    必要な温度までに加熱する手段と、この加熱手段によっ
    て加熱された線材を所定長さに剪断又は切断する手段
    と、この剪断又は切断手段によって剪断又は切断された
    線材を鍛造する手段を、順次直列状に配置したことを特
    徴とする線材の鍛造装置。
  6. 【請求項6】 線材コイルの巻き戻し手段と、巻き戻し
    た線材を送る搬送手段と、巻き戻した線材の曲率半径が
    無限大にならない範囲で増加させる矯正手段と、この矯
    正手段により曲率半径を増加された線材を400℃以上
    に加熱する加熱手段と、この加熱手段によって加熱され
    た線材を矯正して直線状となす第2の矯正手段と、この
    第2の矯正手段によって矯正され、直線状となされた線
    材を鍛造に必要な温度までに加熱する第2の加熱手段
    と、この第2の加熱加熱手段によって加熱された線材を
    所定長さに剪断又は切断する手段と、この剪断又は切断
    手段によって剪断又は切断された線材を鍛造する手段
    を、順次直列状に配置したことを特徴とする線材の鍛造
    装置。
  7. 【請求項7】 400℃以上に加熱する手段が高周波加
    熱装置であり、高周波加熱装置のコイル形状が馬蹄形ま
    たは長円形であることを特徴とする請求項5又は6記載
    の線材の鍛造装置。
  8. 【請求項8】 400℃以上に加熱する手段が直接通電
    加熱装置であり、この直接通電加熱装置は、給電のため
    のピンチローラと、電流を電源装置へ戻すためのピンチ
    ローラからなることを特徴とする請求項5又は6記載の
    線材の鍛造装置。
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