JPH1022552A - 固体レーザ装置およびその光源 - Google Patents

固体レーザ装置およびその光源

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JPH1022552A
JPH1022552A JP17493496A JP17493496A JPH1022552A JP H1022552 A JPH1022552 A JP H1022552A JP 17493496 A JP17493496 A JP 17493496A JP 17493496 A JP17493496 A JP 17493496A JP H1022552 A JPH1022552 A JP H1022552A
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cooling
light emitting
laser
light
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JP17493496A
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English (en)
Inventor
Kimiharu Yasui
公治 安井
Shuichi Fujikawa
周一 藤川
Tetsuo Kojima
哲夫 小島
Kimio Shigihara
君男 鴫原
Takeshi Sakaino
剛 境野
Takafumi Kawai
孝文 河井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特定の波長の光を長期間にわたり安定に発生
でき、固体素子を効率よく励起できる光源、及びこの光
源を用いた固体レーザ装置を得る。 【解決手段】 半導体レーザチップ1あるいは半導体ダ
イオードチップ101 の半導体発光素子を発光源として用
い、この半導体発光素子を内部に冷却水路4を有する熱
伝導部材上3に配置するとともに、透明ガラス容器5内
に封入して光源を構成する。この光源と、レーザ固体素
子と、これらを収納する反射集光器とで、固体レーザ装
置を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、特定の波長の光
を安定に、長期間にわたって発生させることができ、レ
ーザ固体素子を効率よく励起できる光源、およびこの光
源を用いた固体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8(a)(b)は、例えば、特公平8ー83
82号公報に示された従来の光源ならびに固体レーザ装
置を示す図で、(a)が横断面図、(b)が縦断面図である。
図において、9は電源、10は電源9により点灯される
光源で、例えばフラッシュランプやアークランプ、11
は活性固体媒質を含むレーザ固体素子で、ヤグレーザを
例にとれば活性固体媒質としてNdをドーピングしたN
d:YAG(Yttrium Aluminum Ga
rnet)、12は集光器で、内面は拡散反射面より構
成されている。13は全反射ミラー、14は部分反射ミ
ラー、15はミラー13、14により構成されたレーザ
共振器内に発生したレーザビーム、16は弾性体で例え
ばOリング、17はOリング16を圧縮して光源10、
レーザ固体素子11の周囲をシールするためのふた、1
8,19は集光器内に冷却水を循環させるための流入,
流出口、20は基台である。
【0003】従来例の光源ならびに固体レーザ装置は上
記のように構成されており、光源10と固体素子11
は、集光器12内に配置され、電源9により点灯された
光源10から発せられた光は、固体素子中に固体素子の
周囲から入射する。固体素子は、この光により励起され
レーザ上準位密度がレーザ下準位密度より大きくなる反
転分布が生じる。レーザ媒質より発生された自然放出光
は、ミラー13,14により構成されるレーザ共振器内
を往復する間に増幅され、一定以上の強度に達すると指
向性の良いレーザビーム15として外部に放出される。
また光源10と固体素子11は、例えば水からなる冷却
媒体により周囲より冷却される。冷却媒体は、流入口1
8から集光器内に注がれ、流出口19から外部に放出さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のレ
ーザ装置では、光源の光は、アーク放電から発せられる
ものであり、その光の波長は、例えば300nmから1
000nmほどの間に拡がっている。一方、固体素子1
1は、ある波長の光のみを量子効果により吸収する特性
を持ち、例えばここで例に挙げているNd:YAG固体
素子を例に取ると、800nm近傍の光を最も良く吸収
する。この800nm近傍の光エネルギーに相当するエ
ネルギーレベルから、基底準位レベル近傍まで量子効果
により準位移動する際に、その準位間のエネルギー差に
相当するエネルギーを持つレーザ光が放出される。一
方、800nm近傍よりも波長の短い、いくつかの波長
成分の光も、800nm近傍の光に比べて低い吸収率で
吸収されるが、この光成分は800nm近傍の光に比べ
てエネルギーが大きく、800nm近傍の光エネルギー
との差を熱として放出した後に、800nm近傍の光エ
ネルギーに相当するエネルギーレベルから、基底準位レ
ベル近傍まで量子効果により準位移動し、レーザ光が放
出される。また、800nm近傍より波長の長い光成分
は、レーザ励起には寄与せず、すべて熱となる。
【0005】従来例においては、このように波長域が広
範囲に拡がった光源を用いており、その一部の成分のみ
がレーザ励起に用いられているために、その励起効率が
低い。例えば、500W程度のレーザ出力を得るのに、
10kW程度の電力を電源9から光源10に入力する必
要がある。さらに効率を向上させようとして、例えばN
d:YAG固体素子に対して、800nm以下の光を、
集光器12内に閉じ込めて固体素子に入射させると、そ
の光の波長と800nm近傍の波長差によるエネルギー
成分が熱として固体素子中に入力され、結果固体素子が
熱変形し、レーザビーム15のビーム品質である集光性
の悪化を招くとともに、極端な場合には固体素子11の
熱破壊を招くことがあった。
【0006】また、アーク放電を用いているために、光
源の寿命が400時間程度と短く、その交換が必要なた
めに、例えば加工用レーザとして連続運転を要求される
生産ラインでは使用が難しいという問題もあった。
【0007】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたものであり、特定の波長の光を長期間にわた
って安定に発生させることができるとともに、固体素子
を効率よく、熱歪みを最小に抑えて励起できる光源、な
らびにこの光源を用いた固体レーザ装置を得ることを目
的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る光源は、
冷却用熱伝導部材に接して配置された1個または複数個
の半導体発光素子と、上記熱伝導部材を冷却する冷却手
段と、上記半導体発光素子を封入する透明な気密容器と
を備えたものである。
【0009】また、上記半導体発光素子として半導体レ
ーザを用いるものである。
【0010】また、上記半導体発光素子として発光ダイ
オードを用いるものである。
【0011】また、上記半導体発光素子を長尺形状の上
記熱伝導部材上に熱伝導部材の軸を中心とした円周方向
に対し均等に配置するものである。
【0012】また、上記熱伝導部材の冷却手段として、
熱伝導部材内部に冷却材流路を設けるものである。
【0013】さらに、この発明に係る固体レーザ装置
は、冷却用熱伝導部材に接して配置された1個または複
数個の半導体発光素子と、上記熱伝導部材を冷却する冷
却手段と、上記半導体発光素子を封入する透明な気密容
器とからなる光源、レーザ固体素子、及び上記光源と固
体素子とを収納する反射集光器を備えたものである。
【0014】そして、上記反射集光器は、その内面を拡
散反射面としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1(a)(b)は、この発明の実施の形態1
の光源を示す図で、(a)縦断面図、(b)横断面図である。
図において、1は半導体発光素子で、ここでは半導体レ
ーザチップであり、例えばGaAlAsを主成分とする
半導体レーザチップである。2は半導体レーザチップ1
のベースとなるベース材で、例えば、セラミックやダイ
アモンド、サファイア結晶などの熱伝導性絶縁材または
導電材から構成される。3は熱伝導部材であり、例えば
銅や、アルミ、セラミック、サファイア結晶からなる中
空のパイプで、表面に光反射コート、例えば金メッキが
ほどこされている。4は熱伝導部材の中に冷却材、例え
ば水を循環させるための冷却水路、5は透明の気密容器
で、ここではガラス容器であり、内部には不活性ガス、
例えば乾燥窒素が封入されている。6は絶縁材で例えば
セラミック、7は電極、8は冷却水の流入出口、9は電
源、100は半導体レーザから発生された光である。
【0016】上記のように構成された光源において、半
導体レーザチップ1は、複数個が電気的に直列、もしく
は並列、もしくはそれらの混合系で連結され、電源9に
より点灯され、特定のレーザ光、例えば波長810nm
の極めてスペクトル幅の狭い光を発生する。それぞれの
半導体レーザチップは、ベース材2を介して、熱伝導性
部材3内部に設けられた冷却水路4内を循環する冷却材
により冷却される。この冷却は、半導体レーザチップが
温度上昇して、熱暴走して破壊したり、発光波長が変化
することを防ぐ。また、半導体レーザチップ1は長尺形
状の熱伝導部材3上の熱伝導部材の軸の回りに軸を中心
とした円周方向に対し均等に配置されているために、各
半導体レーザチップ1から発生された光100が、軸の
回りに等方的に発生され、均一な光強度分布が得られ
る。
【0017】さらに、半導体レーザチップ1を覆ってい
るガラス容器5は、半導体レーザチップ1の発光端部に
ごみが着いて焼き付いてレーザ発振を停止させたり、空
気中の湿気が付着して表面が酸化することにより発生す
る動作不良を防いでいる。
【0018】この実施の形態では、さらにガラス容器5
内に不活性ガスが封入されているために、大気中の酸素
が半導体レーザチップの端部を酸化することを防いでい
る。大気中での半導体レーザチップの寿命は10、00
0時間程度であったが、このように不活性ガスで覆われ
たガラス容器内で動作させることにより、実際に寿命を
50,000時間以上に延ばせることが確認できた。ま
た、ガラス容器内を真空としても、同様の長寿命化が可
能である。
【0019】この実施の形態では、内部を冷却水が循環
する熱伝導体部材上に半導体レーザチップが配置されて
いるために、効率的に冷却が行えている。
【0020】この光源は、上述のように特定の波長の光
を安定に長期間にわたって発生させることができ、後述
の実施の形態2で示すように、レーザ固体素子の励起に
用いられ、レーザ固体素子を効率よく励起できる。そこ
で、例えばレーザ加工、レーザ医療、レーザエンターテ
イメント用の光源として用いられる。あるいは単独で従
来のランプに代わる高効率光源として用いられる。発光
効率を従来のランプと比較すると、電気入力に対して、
およそ3倍程度になる。
【0021】実施の形態2.図2(a)(b)は、この発明の
実施の形態2の光源を示す図で、(a)縦断面図、(b)横断
面図である。図中、101は半導体発光素子で、ここで
は例えばGaAlAsを主成分とする前面発光型の発光
ダイオードチップである。また図1と同一符号は同一部
分、もしくは相当部分を示している。実施の形態1にお
いては、光源として半導体レーザチップを用いた例を示
してきたが、本実施の形態に示す構成においては、光源
として複数個の発光ダイオードチップ101を使用して
いる。発光ダイオードチップ101は半導体レーザチッ
プと比較した場合、放出する光のスペクトル幅が約一桁
程度広くなるが、半導体レーザチップと発光原理は同一
であり、ともに半導体のエネルギーバンド間の遷移を利
用しているため、アーク放電を利用した従来の光源に比
べると、発光スペクトル幅は格段に狭く、レーザ励起用
光源として高い励起効率が得られる。このためレーザ固
体素子の励起に利用する場合には、固体素子に対する熱
負荷を著しく低減させることが可能である。
【0022】また発光ダイオードは半導体レーザに比
べ、チップ上で共振器を形成する必要がないので、製造
コストを安価にすることが可能であるばかりでなく、高
い信頼性が得られる。また発振しきい値が存在せず光出
力の温度に対する依存性も小さいため、安定した光出力
を得ることができる。さらに共振器が存在せず自然放出
による等方的な発光を生ずるため、半導体レーザチップ
を使用した場合に比べ、発光強度の方向依存性を低下さ
せることができる。この結果、例えば以下の実施の形態
3で示すような集光器内で固体素子の励起に使用した場
合には、固体素子断面内における入熱分布を更に均一化
することが可能である。
【0023】実施の形態3.図3(a)(b)は、この発明の
実施の形態3の固体レーザ装置を示す図で、(a) は縦断
面図、(b) は横断面図である。図中、2,3,4,5,
6,7,8,9は上記実施の形態1または2の光源と同
一のものであり、110は半導体発光素子であり、実施
の形態1で説明した半導体レーザチップ1、または実施
の形態2で説明した発光ダイオード101のいずれかで
ある。9,11,12,13,14,15,16,1
7,18,19,20は上記従来装置として説明したも
のと同様のものである。
【0024】上記のように構成されたレーザ装置におい
て、上記実施の形態で動作を説明した光源が、従来の光
源10の代わりに用いられている。この光源と共に、集
光器12内に配置されたレーザ固体素子11は、電源9
により点灯された半導体発光素子(光源チップ)から発
せられた光により励起されレーザ上準位密度がレーザ下
準位密度より大きくなる反転分布が生じる。レーザ媒質
より発生された自然放出光は、ミラー13,14により
構成されるレーザ共振器内を往復する間に増幅され、一
定以上の大きさに達すると指向性の良いレーザビーム1
5として外部に放出される。固体素子11は流入口18
から集光器内に注がれ流出口19から外部に放出される
冷却媒体により周囲から冷却される。
【0025】従来例の動作で詳細に説明したように、レ
ーザ固体素子11は、ある波長の光のみを量子効果によ
り吸収する特性を持ち、例えばここで例に挙げているN
d:YAG固体素子を例に取ると、800nm近傍の光
を最も良く吸収する。これよりも波長の短い光を励起光
として用いると、従来例の動作で詳しく説明したよう
に、その光の波長と800nm近傍の波長差によるエネ
ルギー成分が、熱として固体素子11中に入力され、結
果固体素子が熱変形し、レーザビーム15のビーム品質
である集光性の悪化を招くと共に、極端な場合には固体
素子11の熱破壊を招く。この実施の形態では、光源に
半導体レーザまたは半導体ダイオードを用いているため
に、その波長は、例えばNd:YAG固体素子には80
0nm近傍に選択的に規定している。このために、固体
素子への入熱を最小限に抑えて高効率レーザ発振が達成
される。例えば、固体素子へ入力される熱量を比較計算
すると、この実施の形態に示す光源チップを光源に用い
た場合には、従来のランプを光源に用いた場合と比較し
て、同じレーザ出力を発生させる条件で入熱量が3分の
1程度になることが実験的に確かめられた。このように
入熱が少なくなることにより、固体素子の熱変形が減少
し、結果として効率よく高品質なレーザビームの取り出
しが可能となった。
【0026】さらにこの実施の形態では、集光器の断面
形状を楕円とし、この楕円の2つの焦点に光源チップと
固体素子をそれぞれ配置することにより、熱伝導部材3
の軸の回りに軸を中心とした円周方向に対し均等に配置
された各光源チップから軸の回りに等方的に発生された
光が、楕円の双焦点効果と集光器内面の拡散反射効果に
より、固体素子の周囲から均一に入射し、固体素子を均
一に励起するように構成している。均一に励起される場
合には、この固体素子への入熱が断面内で均一となる。
この場合、固体素子はたとえ熱変形を起こしても、固体
素子を通過するレーザビームに対して単レンズとして動
作するために、共振器系の工夫、例えば凸ミラーにより
レンズ作用を補償して容易に高品質ビームが効率よく発
生可能である。これに反して、均一励起しない場合に
は、固体素子断面内の不均一な熱変形により、固体素子
を通過するレーザビームに対して、単レンズに加えて光
学収差が発生する。この収差成分の補償は光学的に難し
く、結果として高品質なレーザビームを効率よく発生さ
せることが難しい。
【0027】特に実施の形態1,2で示すように、光源
に半導体レーザ、もしくは発光ダイオードチップを用い
た場合には、光源の大きさが有限であるために、例えば
集光器の内面が金めっきのコーティングなどが施された
全反射面であると、光源の陰が集光器内面や固体素子上
に発生する。この実施の形態では内面を拡散反射面とし
ているがこの組み合わせにより、光源の陰を防ぎ、より
均一な励起を補償することができる。
【0028】この実施の形態では、さらに複数の光源チ
ップが配置され、さらにガラス容器におさめられている
ために、従来のランプ光源と同様な取付構造とすること
ができ、駆動電源についても大きな変更を必要とせずに
簡略な電源を用いて従来の固体レーザ装置に取り付ける
ことができる。このことについて説明を加える。はじめ
に電気特性について説明を加える。市販の20W級半導
体レーザを例に取ると、20Wの出力を得るのに2Vで
30A程度の電源が必要となる。従来例と同じ500W
級の固体レーザの実現を想定すると、発振効率は50%
程度であるので、半導体レーザの出力として1000W
程度が必要となる。このことから、20Wレーザ50個
が必要となる。半導体レーザ1つあたりの電圧は2V程
度であるから、50個を直列に電気接続すると、必要な
電圧は100V程度となる。一方、従来のランプ励起用
の電源の仕様は通常電圧が最大150V程度、電流が3
0A程度であることから、大きな改造を施すことなく、
この半導体レーザ光源への変更が可能である。ランプの
点灯には、この100V程度の電圧の印加の前に、ラン
プ点灯用の数10kV程度のトリガ電圧と数百ボルトの
ブースト電圧が必要であるが、半導体レーザ光源に変更
する場合には、このトリガ、ブースト電圧回路が不要と
なり、電源の経済性と信頼性が向上する。
【0029】さらに、この実施の形態では、光源は、従
来のランプと同様に、筒状のガラス容器で覆われている
ために、従来のランプと全く同一の外径に製作して、容
易に置き換えて配置することができるように構成されて
いる。このために、従来の固体レーザ装置の部品の多く
を流用して、安価に装置を実現できる。
【0030】また、光源として特に半導体レーザを用い
た場合の効果についてつけ加えると、高出力化が可能
で、例えば1cmの長さから、20Wのレーザ出力を持
つものがすでに市販されていることから、これを複数個
用いて、100W以上の励起出力を発生させることがで
きる。
【0031】さらに、光源として特に発光ダイオードを
用いた場合の効果についてつけ加えると、発光ダイオー
ドは半導体レーザに比べ、チップ上で共振器を形成する
必要がないので、製造コストを安価にすることが可能で
あるばかりでなく、高い信頼性が得られる。また発振し
きい値が存在せず光出力の温度に対する依存性も小さい
ため、安定した光出力を得ることができる。さらに共振
器が存在せず自然放出による等方的な発光を生ずるた
め、半導体レーザチップを使用した場合に比べ、発光強
度の方向依存性を低下させることができる。この結果、
集光器内で固体素子の励起に使用した場合には、固体素
子断面内における入熱分布を更に均一化することが可能
である。
【0032】なお、上記実施の形態では、円筒状の中空
のパイプ状の熱伝導部材上に光源チップ110を配置す
る構造を示したが、円筒状に限らず、任意の形状で良
く、例えば図4の横断面図に示すように、矩形断面パイ
プ状の熱伝導部材3上に配置しても良く、この場合、構
成が簡素となりより安価に構成できる。
【0033】また、上記実施の形態では、熱伝導部材の
内部に冷却材を通過させて光源チップを冷却する構成を
示したが、これに限るものではなく、例えば図4の変形
例として、図5の横断面図に示すように、熱伝導部材3
の一部をガラス容器5の外部にはみ出させ、ガラス容器
の外部を通過する冷却媒体により冷却するようにすれ
ば、従来のランプ光源に用いた冷却系がそのまま使え、
安価に装置を構成することができる。さらに図6の横断
面図に示すように、熱伝導部材3内部からの冷却と、外
部からの冷却の2つの冷却方式を併用すれば、冷却効果
が高まる。
【0034】また、ガラス容器の壁面に光源チップの波
長に対する無反射コートを施せば、ガラス面で反射する
ことなく、効率よく光を取り出すことができる。
【0035】また、1つの光源が集光器12に封入され
たものについてのみ示したが、これに限るものではな
く、例えば図7の横断面図に示すように、複数の光源に
より固体素子11の周囲から励起すれば、より励起の均
一性が向上し、高出力域においても、高品質のビームを
発生させることができる。
【0036】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0037】この発明に係る光源は、冷却用熱伝導部材
に接して配置された1個または複数個の半導体発光素子
と、上記熱伝導部材を冷却する冷却手段と、上記半導体
発光素子を封入する透明な気密容器とを備えたものとす
ることにより、特定の波長の光を効率よく、長期間にわ
たって安定に発生させることができる。その結果、レー
ザ固体素子の励起に用いた場合、効率よく、熱歪みを抑
えて励起でき、高品質なレーザビームを長期間にわたっ
て発生させることができる。
【0038】また、上記半導体発光素子として半導体レ
ーザを用いることにより、特定の波長の極めて狭いスペ
クトル幅の光を効率よく長期間にわたって安定に発生す
ることができ、また高出力化が可能となる。
【0039】また、上記半導体発光素子として発光ダイ
オードを用いることにより、特定の波長を中心とする幅
の狭い発光スペクトルを有する光を等方的に効率よく、
長期間にわたって安定に発生させることができ、また製
造が簡略化できるばかりでなく、温度依存性が小さく安
定な発光出力が得られる。さらに自然放出による等方的
な発光分布が得られるため、発光強度の方向依存性をよ
り均一にすることができる。
【0040】また、上記半導体発光素子を長尺形状の上
記熱伝導部材上に熱伝導部材の軸を中心とした円周方向
に対し均等に配置することにより、等方的に光を放出さ
せ空間的に均質な光源とできる。従って、レーザ固体素
子の励起などを均一に行うことができる。
【0041】また、上記熱伝導部材の冷却手段として、
熱伝導部材内部に冷却材流路を設けることにより、半導
体発光素子を効率的に冷却でき、半導体発光素子の熱暴
走による破壊、発光波長が変化するのを防止でき、さら
に高出力の光を安定に発生させることができる。
【0042】さらに、この発明に係る固体レーザ装置
は、冷却用熱伝導部材に接して配置された1個または複
数個の半導体発光素子と、上記熱伝導部材を冷却する冷
却手段と、上記半導体発光素子を封入する透明な気密容
器とからなる光源、レーザ固体素子、および上記光源と
固体素子とを収納する反射集光器を備えたものとするこ
とにより、固体素子への入熱を減少させて、固体素子の
熱変形を減少させることができ、結果として長期間にわ
たって効率よく高品質なレーザビームを取り出すことが
可能となる。
【0043】そして、上記反射集光器は、その内面を拡
散反射面とすることにより、光源の陰を防ぎ、レーザ固
体素子をより均一に励起できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の光源を示す断面図
である。
【図2】 この発明の実施の形態2の光源を示す断面図
である。
【図3】 この発明の実施の形態3の固体レーザ装置を
示す断面図である。
【図4】 この発明の光源の変形例を示す横断面図であ
る。
【図5】 この発明の光源の変形例を示す横断面図であ
る。
【図6】 この発明の光源の変形例を示す横断面図であ
る。
【図7】 この発明の固体レーザ装置の変形例を示す横
断面図である。
【図8】 従来例の固体レーザ装置を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 半導体発光素子の半導体レーザチップ、3 熱伝導
部材、4 冷却水路、5 ガラス容器、7 電極、8
冷却水の流入出口、9 電源、10 光源、11 レー
ザ固体素子、12 集光器、13 全反射ミラー、14
部分反射ミラー、15 レーザビーム、100 光、
101 半導体発光素子の発光ダイオードチップ、11
0 半導体発光素子。
フロントページの続き (72)発明者 鴫原 君男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 境野 剛 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 河井 孝文 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却用熱伝導部材に接して配置された1
    個または複数個の半導体発光素子と、上記熱伝導部材を
    冷却する冷却手段と、上記半導体発光素子を封入する透
    明な気密容器とを備えた光源。
  2. 【請求項2】 上記半導体発光素子は半導体レーザであ
    る請求項1記載の光源。
  3. 【請求項3】 上記半導体発光素子は発光ダイオードで
    ある請求項1記載の光源。
  4. 【請求項4】 上記半導体発光素子は長尺形状の上記熱
    伝導部材上に熱伝導部材の軸を中心とした円周方向に対
    し均等に配置されている請求項1ないし3のいずれかに
    記載の光源。
  5. 【請求項5】 上記熱伝導部材の冷却手段は、熱伝導部
    材内部に設けられた冷却材流路を有するものである請求
    項1ないし3のいずれかに記載の光源。
  6. 【請求項6】 冷却用熱伝導部材に接して配置された1
    個または複数個の半導体発光素子と、上記熱伝導部材を
    冷却する冷却手段と、上記半導体発光素子を封入する透
    明な気密容器とからなる光源、レーザ固体素子、及び上
    記光源と固体素子とを収納する反射集光器を備えた固体
    レーザ装置。
  7. 【請求項7】 上記反射集光器は、その内面が拡散反射
    面である請求項6記載の固体レーザ装置。
JP17493496A 1996-07-04 1996-07-04 固体レーザ装置およびその光源 Pending JPH1022552A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000051917A (ko) * 1999-01-27 2000-08-16 송순달 구리 이온 레이저
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EP1945009A2 (en) * 2007-01-12 2008-07-16 Tai-Sol Electronics Co., Ltd. Combination assembly of led and liquid-vapor thermally dissipating device
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