JPH10225052A - 動圧軸受装置を備えたモータ - Google Patents

動圧軸受装置を備えたモータ

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Publication number
JPH10225052A
JPH10225052A JP3992097A JP3992097A JPH10225052A JP H10225052 A JPH10225052 A JP H10225052A JP 3992097 A JP3992097 A JP 3992097A JP 3992097 A JP3992097 A JP 3992097A JP H10225052 A JPH10225052 A JP H10225052A
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JP
Japan
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bearing
adhesive
bearing member
holder
dynamic pressure
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Withdrawn
Application number
JP3992097A
Other languages
English (en)
Inventor
Daiji Fujimori
大司 藤森
Masato Gomyo
五明  正人
Masamichi Hayakawa
正通 早川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd filed Critical Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
Priority to JP3992097A priority Critical patent/JPH10225052A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易で低コストな構造で、従来のような接着
剤の剥離現象を良好に防止して長寿命化を図ることを可
能とする。 【解決手段】 軸受部材22と軸受保持体21とを接合
する接着剤として、軸受部材22と軸受保持体21との
熱膨張差よりも大きい伸び量を有する弾性接着剤を採用
するとともに、この弾性接着剤の伸びを量的に許容する
接着剤溜り21gを設けることによって、熱的影響によ
る応力、特に、軸受部材22と軸受保持体21との間の
ずれによる剪断力を受けた場合であっても、弾性接着剤
の伸びによって上記応力の吸収を完全に行うようにした
もの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑剤に動圧を発
生させ、その動圧により軸と軸受部材とを相対回転可能
に支承する動圧軸受装置を備えたモータに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、特に高速回転に対応するモータに
おいて、オイル等の潤滑剤の動圧を利用した動圧軸受装
置が種々検討され提案されている。この動圧軸受装置に
おいては、周状に対向配置された軸側の動圧軸受面と、
軸受部材側の動圧軸受面とのうちの少なくとも一方側に
動圧発生用溝が形成されており、上記軸と軸受部材との
両対向動圧軸受面間に介在された所定のオイル等の潤滑
剤が、両部材の相対回転時に動圧発生用溝のポンピング
作用により昇圧され、当該潤滑剤の動圧によって回転部
材の回転支持が行われるようになっている。
【0003】一方、このような動圧軸受装置を備えたモ
ータの軸受部材に対しては、ディスクハブ等の軸受保持
体が固着されて用いられる。この軸受保持体は、軸受部
材に対して通常、比較的広い隙間を有するスキマ嵌めの
ハメアイ公差で嵌着されるとともに、この軸と軸受部材
との間のハメアイ隙間内に、エポキシ樹脂等からなる熱
硬化型の接着剤が十分な量にて充填され、これによって
上記両部材が一体的に接合されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の軸受部材と軸受保持体と接合する接着剤は、製
造工程中における各種加熱工程、あるいはモータ使用中
における使用温度環境の変化等により、熱応力を生じて
接合界面から剥離現象を起こすことがある。そして、そ
の接着剤の剥離部分には微小隙間が形成されることとな
り、当該微小隙間の毛細管力によって軸受部内の潤滑剤
が外部に滲み出していき、オイル漏れやオイル飛散を招
来して装置内の汚染の原因になることがある。
【0005】このような接着剤剥離の問題は、特に、軸
受部材と軸受保持体とを互いに異なる材料(材質)によ
り形成した場合において顕著となる。すなわち、上記両
部材の構成材料が互いに異ならされていることによっ
て、両部材の線膨張係数が相違している場合には、両部
材の熱的環境が変化することによって両部材の接合部に
ずれが生じ、特に、軸方向のずれによって接着剤に剪断
力が働くこととなり、その剪断力によって上述したよう
な接着剤の剥離現象を起こし易くなるものである。
【0006】そこで本発明は、簡易で低コストな構造
で、軸受部材と軸受保持体との接合している接着剤の剥
離現象を良好に防止しつつ長寿命化を図ることができる
ようにした動圧軸受装置を備えたモータを提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明にかかる動圧軸受装置を備えたモータ
では、軸と、この軸に対して相対回転するように設けら
れた軸受部材と、該軸受部材に対して接着剤により一体
的に接合された軸受保持体と、を有し、上記軸及び軸受
部材における対向軸受面間に充填された潤滑剤が、上記
両軸受面の少なくとも一方側に形成された動圧発生用溝
により加圧されることによって、前記軸と軸受部材とが
相対回転可能に支承される動圧軸受装置を備えたモータ
において、上記接着剤は、前記軸受部材と軸受保持体と
の熱膨張差よりも大きい伸び量を有する弾性接着剤から
構成されているとともに、前記軸受部材と軸受保持体と
の接合部に、上記弾性接着剤の伸びを許容する接着剤溜
り部が設けられている。
【0008】そして、このような動圧軸受装置を備えた
モータによれば、軸受部材と軸受保持体とを接合する接
着剤が、熱的影響による応力、特に、軸受部材と軸受保
持体との間のずれによる剪断力を受けた場合であって
も、接着剤が有する弾性による伸びによって上記応力の
吸収が行われるようになっている。このとき、上記接着
剤は、接着剤溜り内に十分な量が確保されているため、
接着剤の伸び量も十分に確保されることとなり、従っ
て、軸受部材と軸受保持体との間のずれなどによって生
じた剪断等の応力は、接着剤の弾性によって完全に吸収
されることとなり、従来のような接着剤の剥離現象が良
好に防止されるようになっている。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、いわゆる両端軸
固定型のHDDスピンドルモータに適用した実施形態に
ついて図面により詳細に説明する。まず、図1に示され
たHDDスピンドルモータの全体構造を説明すると、こ
のHDDスピンドルモータは、固定部材としてのステー
タ組1と、このステータ組1に対して図示上側から組み
付けられた回転部材としてのロータ組2とから構成され
ている。このうちステータ組1は、図示省略した固定基
台側にネジ止めされるフレーム11を有しているととも
に、このフレーム11の略中央部分に立設された固定軸
12が、図示上方に向かって延びている。この固定軸1
2の先端部(図示上端部)は、図示を省略した固定基台
に対してネジ止めされる。
【0010】上記フレーム11は、中空円筒状の支持ホ
ルダー13を有しており、この支持ホルダー13の外周
にステータコア14が嵌着されている。このステータコ
ア14の突極部には、巻線15が巻回されている。
【0011】一方、前記ロータ組2は、図示を省略した
所定の記録媒体を支持するための軸受保持体としてのデ
ィスクハブ21を有しており、このディスクハブ21
は、当該ディスクハブ21の中心部分に装着された略中
空円筒状のラジアル軸受部材22を介して上記固定軸1
2の外周側に回転自在に支承されている。
【0012】上記ディスクハブ21は、磁気ディスク等
の磁気記録媒体を外周部に装着する略円筒形状の胴部2
1aを有しているとともに、この胴部21aの内周側
に、バックヨーク21bを介して駆動マグネット21c
が環状に装着されている。この駆動マグネット21c
は、前述したステータコア14の外周端面に対して環状
に対向するように近接配置されている。
【0013】また、上記ディスクハブ21は、アルミ合
金部材からなり、当該ディスクハブ21の中心部分に形
成された装着穴21d内に、ステンレス材からなるラジ
アル軸受部材22の外周部が、シマリ嵌めのハメアイ公
差で嵌着されている。このように上記両部材21,22
を、シマリ嵌めのハメアイ公差で装着することによっ
て、特に径方向の位置決めが行われるようになってい
る。
【0014】さらに、特に図2に示されているように、
上記ディスクハブ21における装着穴21dの図示上端
部分には、内周壁を中心側に向って所定量突出させた位
置決め段部21eが形成されている。この位置決め段部
21eにおける図示下側端面21fは、軸方向に対して
垂直な突当面を構成するように所定の精度で形成されて
おり、当該位置決め段部21eの図示下側突当面21f
に対して、上述したラジアル軸受部材22の図示上端面
が突き当てられている。これによって、上記ラジアル軸
受部材22が、軸方向に位置決めされつつ所定の直角度
が得られるようになっている。
【0015】さらにまた、上記位置決め段部21eにお
ける突当面21fの根元隅部には、接着剤溜り部21g
が設けられている。この接着剤溜り部21g内には、上
記ラジアル軸受部材22とディスクハブ21とを接着す
るための接着剤が充填されており、この接着剤によっ
て、ラジアル軸受部材22の外周側接合面と、ディスク
ハブ21の内周側接合面とが一体的に接合されている。
このように接着剤溜り部21gを位置決め段部21eに
おける突当面21fの根元隅部に設けるのは、当該部位
が、ラジアル軸受部材22とディスクハブ21との接合
部のうちで熱的相対変位量が最も小さい部位であるから
であり、これによって、上記接着剤の変形量を最小とし
て、接合の信頼性が高められる。
【0016】上記接着剤は、所定の弾性接着剤から構成
されており、ラジアル軸受部材22と、軸受保持体とし
てのディスクハブ21との熱膨張差よりも大きい伸び量
を有している。上述したように、ラジアル軸受部材22
がステンレス材料から形成されているのに対して、ディ
スクハブ21はアルミ合金材料から形成されており、こ
れら両部材の間には比較的大きな熱膨張差を生じている
が、これら両部材の間に、当該両部材の熱膨張差よりさ
らに大きな伸びを有する弾性接着剤が充填されている。
そして、この弾性接着剤の伸びは、前述した接着剤溜り
部21g内に蓄えられた量により許容されるように構成
されている。
【0017】本実施形態における弾性接着剤としては、
紫外線硬化型かつ嫌気性硬化型のものが採用されてお
り、プライマー(硬化促進剤)を併用することにより室
温で硬化するものが用いられている。また、本実施形態
における弾性接着剤は、粘度が1000cp(at25
°C)以下に設定されているとともに、伸び量150%
のものが採用されている。
【0018】図1に示されているように、上記ラジアル
軸受部材22は、軸方向(図示上下方向)に所定間隔離
して並列配置された一対の動圧軸受部22a,22bを
有している。これらの一対のラジアル動圧軸受部22
a,22bの内周面は、前記固定軸12の外周面に対し
て数μmの隙間を介して対向配置されており、これら各
ラジアル動圧軸受部22a,22bと固定軸12との両
対向面のうち、少なくとも一方側には、例えばヘリンボ
ーン形状のラジアル動圧発生用溝が環状に並列するよう
に凹設されている。また、上記両対向面間には、オイル
や磁性流体等からなる所定の潤滑剤24が介在されてお
り、前記ディスクハブ21の回転時に、ラジアル動圧発
生用溝のポンピング作用によって潤滑剤24が昇圧され
て動圧が生じ、この潤滑剤24に生じさせられた動圧に
よってディスクハブ21が、ラジアル方向に軸支持され
るように構成されている。
【0019】上記固定軸12としては、ステンレスに熱
処理を加えた材質のものが採用されているが、当該固定
軸12の先端側(図示上端側)の途中部分には、2つの
スラスト動圧軸受部16a,16bを構成するリング状
のスラスト板(抜け止めリング)16が固着されてい
る。このスラスト板16により構成される2つのスラス
ト動圧軸受部16a,16bは、図示上側に配置された
ラジアル動圧軸受部材22の図示上側に隣接するように
配置されている。
【0020】すなわち、上記スラスト板16の図示下面
側は、ラジアル動圧軸受部材22の図示上端面に対面す
るように配置されているとともに、スラスト板16の図
示上端面は、前記ディスクハブ21の中央部分にネジ止
めされたスラスト押え板25の図示下端面に対面するよ
うに配置されており、当該スラスト動圧軸受部16a,
16bを構成するスラスト板16の軸方向両端面には、
例えばヘリンボーン形状のスラスト動圧発生用溝がそれ
ぞれ環状に形成されている。
【0021】また、上記スラスト板16とラジアル動圧
軸受部材22との対向面どうしの間、及びスラスト板1
6とスラスト押え板25と対向面どうし間の各隙間部分
には、上述したラジアル動圧軸受部22a,22bにお
ける潤滑剤24が連続するようにして充填されており、
上記ディスクハブ21の回転時に、スラスト動圧発生用
溝のポンピング作用によって潤滑剤24が昇圧されて動
圧が生じ、この潤滑剤24に生じさせられた動圧によっ
てディスクハブ21がスラスト方向に軸支持されるよう
に構成されている。
【0022】すなわち、前述したディスクハブ21の位
置決め段部21eに設けられた接着剤溜り部21gより
内周側の部分には、スラスト動圧軸受部16bが配置さ
れており、そこに潤滑剤24が満たされている。なお、
上記スラスト押え板25とディスクハブ21との接合部
は、潤滑剤24の注入前に、接着剤によって完全密閉構
造となるように接合され、これによって潤滑剤24に対
する密閉性が良好に確保されている。この接合部に充填
される接着剤は、当該接合部に形成された環状案内溝
(図示省略)の毛細管力によって、接合部全周にわたっ
て切れ目なく連続的に充填されるようになっており、こ
れによって密閉構造が完全化される。
【0023】また、上記スラスト押え板25の図示上端
面、及びスラスト動圧軸受22の図示下端面には、外側
(図示上側及び下側)から吸収布26を介して薄板状の
ストッパー板27が設けられており、これら吸収布26
及びストッパー板27によって、最悪の場合でも潤滑剤
24の外部飛散が防止されるようになっている。
【0024】さらに、上述した2つのラジアル動圧軸受
部22a,22b、及び2つのスラスト動圧軸受部16
a,16bは、軸方向に延びる一連の軸受空間を画成す
るように並設されており、これら4つの動圧軸受部16
a,16b,22a,22bを含む軸受空間の軸方向両
端部分には、前記固定軸12と回転側の部材22b,2
5との隙間を狭小にしてなる2箇所の毛細管シール部3
1a,31bが、前記4つの動圧軸受部16a,16
b,22a,22bを軸方向両側から挟むように設けら
れている。
【0025】これらの各毛細管シール部31a,31b
のうち、図示下側の毛細管シール部31bは、図示下側
に配置されたラジアル動圧軸受部22bの一部に設けら
れており、より具体的には、当該ラジアル動圧軸受部2
2bの軸方向外端部分(図示下端部分)の内周壁と、前
記固定軸12の外周面との狭小隙間を、図示下側の軸方
向外方に向って徐々に拡大して開口させるように形成さ
れている。また、図示上側の毛細管シール部31aは、
スラスト動圧軸受部16aを構成するスラスト押え板2
5と固定軸12との間の狭小隙間により形成されてお
り、前述したスラスト押え板25の内周壁と固定軸12
の外周面との間の狭小隙間を、図示上側の軸方向外方に
向って徐々に拡大して開口させるように形成されてい
る。
【0026】さらにまた、上述した図示上側の毛細管シ
ール部31aの軸方向外側(図示上側)には、当該毛細
管シール部31aに対して軸方向に連続するようにして
潤滑剤注入部32が設けられている。この潤滑剤注入部
32は、毛細管シール部31aを構成している狭小隙間
に連続する拡大隙間からなっており、前記固定軸12側
に対面しているスラスト押え板25の内周壁を、毛細管
シール部31aを構成している傾斜壁よりもさらに大き
い開角で傾斜させることによって形成されている。この
潤滑剤注入部32の隙間内容量は、前述した2つの毛細
管シール部31a,31bどうしの間を結ぶ軸受空間の
内容量より大きく設定されており、これによって、潤滑
剤24の全量を、一旦、潤滑剤注入部32内に真空状態
で注入し、以後は毛細管力によって軸受空間の内部側
(図示下側)に充填させる。
【0027】なお、潤滑剤24を注入するにあたって
は、毛細管シール部31b側に対してOリング等のシー
ル材を着脱可能に装着しておき、真空状態で潤滑剤注入
部32から潤滑剤を注入した後、大気開放して大気圧に
より潤滑剤を軸受空間内に充填させることもできる。
【0028】一方、前述したラジアル動圧軸受部22
a,22bどうしの軸方向間部分には、ラジアル動圧軸
受部材22の内周面を外周側に窪ませることにより固定
軸12との隙間を拡大してなる潤滑剤溜り部33が設け
られている。
【0029】このような実施形態装置にかかるモータに
よれば、ラジアル動圧軸受部材22と、軸受保持体とし
てのディスクハブ21とを接合する接着剤が、熱的影響
による応力、特に、ラジアル動圧軸受部材22とディス
クハブ21との間のずれによる剪断力を受けた場合であ
っても、接着剤が有する弾性による伸びによって上記応
力の吸収が行われるようになっている。
【0030】そして、このときの弾性接着剤は、接着剤
溜り21g内に十分な量が確保されているため、接着剤
の伸び量も十分に確保されることとなり、従って、ラジ
アル動圧軸受部材22と軸受部材としてのディスクハブ
21との間のずれなどによって生じた剪断等の応力は、
弾性接着剤の弾性によって完全に吸収され、従来のよう
な接着剤の剥離現象が良好に防止されるようになってい
る。
【0031】次に、本発明を軸回転型のHDDスピンド
ルモータに適用した実施形態について説明する。図3に
示されている軸回転型のHDDスピンドルモータの実施
形態においては、固定部材としてのモータフレーム41
の略中央部分に立設された略中空円筒状の軸受ホルダー
43の内周部に、ラジアル軸受部材42が固定されてお
り、このラジアル軸受部材42の内周部に回転軸52
が、図示を省略した潤滑剤を介して回転可能に装着され
ている。
【0032】上記軸受ホルダー43は、軸受保持体を構
成するものであるが、アルミ合金部材から形成されてお
り、その軸受ホルダー43の外周部にステータコア44
が保持されているとともに、当該軸受ホルダー43の中
心部分に形成された装着穴43d内に、ステンレス材料
からなるラジアル軸受部材42の外周部が、シマリ嵌め
のハメアイ公差で嵌着されている。このように両部材4
2,43をシマリ嵌めで装着することによって径方向の
位置決めが行われている。
【0033】また、上記軸受ホルダー43における装着
穴43dの図示下端部分には、内周壁を中心側にやや突
出してなる位置決め段部43eが形成されている。この
位置決め段部43eにおける図示上側端面は、軸方向に
対して垂直な突当面43fを構成するように所定の精度
で形成されており、当該突当面43fに対して、上述し
たラジアル軸受部材42の図示下端面が突き当てられて
いる。これによって、ラジアル軸受部材42は、軸方向
の位置決めが行われるとともに、所定の直角度が得られ
るようになっている。
【0034】さらに、上述した実施形態と同様に、上記
軸受ホルダー43の位置決め段部43eに設けられた突
当面43fの根元隅部には、接着剤溜り部43gが設け
られている。この接着剤溜り部43g内には、上記ラジ
アル軸受部材42と軸受ホルダー43とを接着するため
の弾性接着剤が充填されており、この弾性接着剤によっ
て、ラジアル軸受部材42の外周側接合面と、軸受ホル
ダー43の内周側接合面とが一体的に接合されている。
この場合の弾性接着剤は、上記ラジアル軸受部材42
と、軸受保持体としての軸受ホルダー43との熱膨張差
よりも大きい伸び量を有しており、この弾性接着剤の伸
びは、前記接着剤溜り部43gによって量的に許容され
ている。
【0035】また、本実施形態においては、上記接着剤
溜り部43gの他に、軸受ホルダー42の内周側壁面を
外周側に窪ませた2箇所の接着剤溜り部43h,43j
が、軸受ホルダー42とラジアル軸受部材43との接合
部に設けられている。
【0036】本実施形態におけるディスクハブ51は、
上記回転軸52の図示上端部分に固着されている。ま
た、上記回転軸52の図示下端部分には、スラスト板
(抜け止めリング)56が固着されているとともに、そ
の回転軸52の図示下端がスラスト受け板55によって
回転可能に受けられており、これらの各部材によって構
成されるスラスト軸受部によって、上記回転軸52が軸
方向に支承されるようになっている。このような実施形
態においても、上述した実施形態と同様な作用・効果を
得ることができる。
【0037】さらに、図4に示されている実施形態で
は、軸受部材61及び軸受保持体62の両部材を接合さ
せるにあたって、上記両部材61,62のいずれに対し
ても上述した実施形態のような位置決め段部は設けられ
ていない。そして、この場合の接着剤溜り部63は、軸
受保持体62の軸方向中央部分に配置されている。これ
は、上記軸受部材61と軸受保持体62との熱的相対変
位が、軸方向の中央部分を中心として生じるからであ
り、その熱的相対変位の中心である軸方向の中央部分に
接着剤溜り部63が配置されることによって、弾性接着
剤の変形量を最も小さくすることができ、接合の信頼性
を高めることができる。
【0038】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。
【0039】例えば、上記各実施形態においては、軸受
部材と軸受保持体とを、シマリ嵌めにより固着すること
によって径方向の位置決めを厳密に維持する構成になさ
れているが、必ずしも両部材をシマリ嵌めとする必要は
なく、スキマ嵌めとしてもよい。但し、この場合のハメ
アイ公差は、隙間内に充填される接着剤の層厚によって
上記両部材の位置決めが支障を来さない程度とすること
が必要である。
【0040】また本発明は、上述したHDDモータ以外
の各種モータに対しても同様に適用することができる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、軸受部材と
軸受保持体とを接合する接着剤として、軸受部材と軸受
保持体との熱膨張差よりも大きい伸び量を有する弾性接
着剤を採用するとともに、この弾性接着剤の伸びを量的
に許容する接着剤溜りを設けることによって、熱的影響
による応力、特に、軸受部材と軸受保持体との間のずれ
による剪断力を受けた場合であっても、弾性接着剤の伸
びによって上記応力の吸収を完全に行うようにしたもの
であるから、簡易で低コストな構造で、従来のような接
着剤の剥離現象を良好に防止して長寿命化を図ることが
でき、動圧軸受装置を備えたモータの信頼性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる動圧軸受装置を備
えた軸固定型のHDDスピンドルモータの一例を表した
横断面説明図である。
【図2】図1中におけるラジアル軸受部とスラスト軸受
部との境界部分を表した部分拡大横断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる動圧軸受装置を
備えた軸回転型のHDDスピンドルモータの半分を表し
た半横断面説明図である。
【図4】本発明の更に他の実施形態にかかる動圧軸受装
置の一部を拡大して表した部分横断面説明図である。
【符号の説明】
12 固定軸 16 スラスト板 21 ディスクハブ(軸受保持体) 21e 位置決め段部 21f 突当面 21g 接着剤溜り部 22 ラジアル軸受部材 24 潤滑剤 25 スラスト押え板 42 ラジアル軸受部材 43 軸受ホルダー 43e 位置決め段部 43f 突当面 43g 接着剤溜り部 51 ディスクハブ(軸受保持体) 52 回転軸

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸と、この軸に対して相対回転するよう
    に設けられた軸受部材と、該軸受部材に対して接着剤に
    より一体的に接合された軸受保持体と、を有し、 上記軸及び軸受部材における対向軸受面間に充填された
    潤滑剤が、上記両軸受面の少なくとも一方側に形成され
    た動圧発生用溝により加圧されることによって、前記軸
    と軸受部材とが相対回転可能に支承される動圧軸受装置
    を備えたモータにおいて、 上記接着剤は、前記軸受部材と軸受保持体との熱膨張差
    よりも大きい伸び量を有する弾性接着剤から構成されて
    いるとともに、 前記軸受部材と軸受保持体との接合部に、上記弾性接着
    剤の伸びを量的に許容する接着剤溜り部が設けられてい
    ることを特徴とする動圧軸受装置を備えたモータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の接着剤が、軸受部材と軸
    受保持体との接合部に充填されていることを特徴とする
    動圧軸受装置を備えたモータ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軸受保持体は、軸受部材
    の外周部と接合されたディスクハブからなり、 上記ディスクハブは、ディスク体を保持するアルミ部材
    から形成されていることを特徴とする動圧軸受装置を備
    えたモータ。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の軸受保持体が、ステータ
    コアを保持するフレーム側の軸受ホルダーであることを
    特徴とする動圧軸受装置を備えたモータ。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の軸受部材と軸受保持体と
    が、シマリ嵌めのハメアイ寸法公差で接合されているこ
    とを特徴とする動圧軸受装置を備えたモータ。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の接着剤溜り部が、軸受部
    材と軸受保持体との接合部において、上記両部材の熱的
    相対変位が最も小さい部位に設けられていることを特徴
    とする動圧軸受装置を備えたモータ。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の軸受部材が円筒体から構
    成され、その軸受体の外周側に軸受保持体が固着されて
    いるとともに、 上記軸受保持体には、前記軸受部材の軸端面が突き当て
    られた位置決め段部が形成され、 潤滑剤が、軸及び軸受部材における対向軸受面間から少
    なくとも上記軸受保持体の位置決め段部に至るように充
    填され、かつ、 接着剤溜り部が、上記軸受保持体の位置決め段部の根元
    隅部に設けられていることを特徴とする動圧軸受装置を
    備えたモータ。
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