JPH10222093A - 携帯型表示装置 - Google Patents

携帯型表示装置

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Publication number
JPH10222093A
JPH10222093A JP9310568A JP31056897A JPH10222093A JP H10222093 A JPH10222093 A JP H10222093A JP 9310568 A JP9310568 A JP 9310568A JP 31056897 A JP31056897 A JP 31056897A JP H10222093 A JPH10222093 A JP H10222093A
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JP
Japan
Prior art keywords
image
display device
optical system
lens
virtual image
Prior art date
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Pending
Application number
JP9310568A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Matsui
健 松井
Akira Kawamura
彰 川村
Shunichi Hashimoto
俊一 橋本
Yoshinori Tanaka
義禮 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
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Publication of JPH10222093A publication Critical patent/JPH10222093A/ja
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  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯に便利で、多くの情報を見やすく提示す
ることが可能な、従来より小型の装置を提供する。 【解決手段】 カバー2が閉じられた状態である不使用
時においては(図6(A))、レンズ11Rは、いわば
寝かせた状態で、筐体1に収容されている。カバー2が
開けられた状態である使用時においては(図6
(B))、レンズ11Rは、筐体1から露出され、いわ
ば起立した状態とされる。この状態において、ユーザ
は、レンズ11Rを覗くと、表示パネル12Rに表示さ
れた画像がレンズ11Rで拡大されることにより形成さ
れる虚像を見ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯型表示装置に
関し、特に、例えば、携帯型のテレビジョン受像機や、
ページャ、携帯電話機、電子手帳装置などのように、携
帯して使用される、情報の表示が可能な装置などに用い
て好適な携帯型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、携帯して使用される、情報の
表示が可能な装置(以下、適宜、携帯型表示装置とい
う)としては、例えば、携帯電話機や、携帯型のテレビ
ジョン受像機などがある。
【0003】例えば、携帯電話機では、図27に示すよ
うに、その本体(携帯型画像情報表示装置本体)に設け
られた操作部を操作することにより、情報表示部に、所
望する相手の電話番号や、その他の情報が表示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な携帯電話機を含む携帯型表示装置は、持ち運び(携
帯)に便利なように、小型に構成されるため、文字など
の情報(映像)を表示する表示画面が小さく、一度に、
多くの情報を表示することが困難であった。
【0005】また、従来の携帯型表示装置では、図27
に示したように、情報を表示する情報表示部が外部に露
出しているため、そこに表示された情報を、他人に見ら
れてしまうことがあった。
【0006】さらに、屋外においては、情報表示部に、
強い外光があたると、その反射によって、表示画面のコ
ントラストが低下し、見にくくなることがあった。
【0007】また、視力の悪いユーザにとって、小さな
表示画面に表示された情報(映像)を見ることは容易で
はなかった。
【0008】さらに、携帯型のテレビジョン受像機で
は、迫力、あるいは臨場感のある映像を、ユーザに提供
することは困難であった。
【0009】また、携帯型表示装置を操作する場合にお
いては、一方の手で装置を持ち、他方の手で操作を行う
必要があり、例えば、メモなどをとるときに不便であっ
た。
【0010】なお、映像を見やすくするには、表示画面
を大きくする方法があるが、これでは、装置が大型化す
るとともに、重量も重くなり、携帯に不便になる。さら
に、映像を表示するのに必要な消費電力が増大し、長時
間の使用が困難となる。
【0011】ところで、携帯に便利で、多くの情報を見
やすく提供する装置として、例えば、特開平2−863
38号公報には、虚像により情報を表示するものが開示
されている。
【0012】しかしながら、より小型で携帯に便利な装
置の開発が望まれている。
【0013】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、携帯に便利で、多くの情報を見やすく提
示することが可能な、従来より小型の装置を提供するこ
とができるようにするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の携帯型表示装置
は、不使用時と使用時とで、表示手段に表示された情報
を拡大することにより虚像を形成する拡大光学系の配置
状態が変化されることを特徴とする。
【0015】上記構成の携帯型表示装置においては、不
使用時と使用時とで、表示手段に表示された情報を拡大
することにより虚像を形成する拡大光学系の配置状態が
変化されるようになされている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明するが、その前に、特許請求の範囲に記載の発明の各
手段と以下の実施の形態との対応関係を明らかにするた
めに、各手段の後の括弧内に、対応する実施の形態(但
し、一例)を付加して、本発明の特徴を記述すると、次
のようになる。
【0017】即ち、請求項1に記載の携帯型表示装置
は、情報を表示する表示手段(例えば、図2に示す表示
パネル12Lおよび12Rなど)と、表示手段に表示さ
れた情報を拡大することにより虚像を形成する拡大光学
系(例えば、図2に示すレンズ11Lおよび11Rな
ど)とを備える携帯型表示装置であって、不使用時と使
用時とで、拡大光学系の配置状態が変化されることを特
徴とする。
【0018】請求項4に記載の携帯型表示装置は、蓋
(例えば、図2に示すカバー2など)の付いた筐体(例
えば、図2に示す筐体1など)をさらに備え、蓋が閉じ
ているときと開いているときとで、拡大光学系の配置状
態が変化され、蓋が開いているとき、拡大光学系は、表
示手段の表示画面を拡大して虚像を形成することができ
るように配置されることを特徴とする。
【0019】請求項7に記載の携帯型表示装置は、拡大
光学系として、左眼用の光学系(例えば、図2に示すレ
ンズ11Lなど)と右眼用の光学系(例えば、図2に示
すレンズ11Rなど)とを備えることを特徴とする。
【0020】請求項8に記載の携帯型表示装置は、表示
手段として、左眼用の表示手段(例えば、図2に示す表
示パネル12Lなど)と右眼用の表示手段(例えば、図
2に示す表示パネル12Rなど)とを備え、左眼用の光
学系または右眼用の光学系は、左眼用の表示手段または
右眼用の表示手段に表示された情報を拡大した虚像をそ
れぞれ形成することを特徴とする。
【0021】請求項10に記載の携帯型表示装置は、拡
大光学系により形成される虚像の、ユーザからの距離、
その大きさ、または方向を変化させる変化手段(例え
ば、図9に示す表示制御部44や、虚像距離制御用モー
タ45など)をさらに備えることを特徴とする。
【0022】請求項11に記載の携帯型表示装置は、情
報に対応して、変化手段を制御する制御手段(例えば、
図9に示す映像信号処理用コンピュータ41など)をさ
らに備えることを特徴とする。
【0023】請求項12に記載の携帯型表示装置は、変
化手段を制御するときに操作される操作手段(例えば、
図9に示す操作ボタン3など)をさらに備えることを特
徴とする。
【0024】請求項13に記載の携帯型表示装置は、外
部から情報を受信、または外部に情報を送信する通信手
段(例えば、図3に示す通信機能部21など)をさらに
備えることを特徴とする。
【0025】なお、勿論この記載は、各手段を上記した
ものに限定することを意味するものではない。
【0026】図1乃至図3は、本発明の携帯型表示装置
の第1の実施の形態の構成を示している。なお、図1お
よび図2は、携帯型表示装置の斜視図であり、図3は、
その右側面の断面図である。
【0027】この携帯型表示装置は、使用しないとき
(不使用時)には、図1に示すようにカバー2が閉じた
状態とされ、これにより、携帯に便利なようになされて
いる。また、使用するとき(使用時)には、図2に示す
ようにカバー2が開けられ、これにより、レンズ11L
および11Rが露出状態になるようになされている。そ
して、レンズ11Lおよび11Rが露出状態となると、
例えば、液晶ライトバルブなどで構成される、小型の表
示パネル12Lまたは12Rに表示される情報としての
画像(映像)が、レンズ11Lまたは11Rによってそ
れぞれ拡大され、これにより形成される虚像がユーザに
提供されるようになされている。
【0028】即ち、不使用時には、図1に示すように、
カバー2が閉じた状態とされ、レンズ11Lおよび11
R(さらには、表示パネル12Lおよび12Rも)は、
筐体1に収容された収容状態とされている。
【0029】カバー2には、携帯型表示装置に種々の処
理を指令し、また、必要な情報を入力するための操作ボ
タン3、およびカバー2を開くための組み立てつまみ4
が設けられている。また、カバー2は、カバーピン13
によって筐体1に支持され、このカバーピン13を中心
として回動(開閉)するようになされている。
【0030】さらに、カバー2は、例えば、バネなどの
弾性体(図示せず)によって付勢されており、組み立て
つまみ4を操作すると、その付勢力によって、カバー2
は、図2に示すように開くようになされている。なお、
カバー2は、それが閉じた状態においては、所定のロッ
ク機構(図示せず)によりロックされるようになされて
いる。
【0031】図2および図3に示すように、カバー2
の、ピン13が取り付けられている方の反対側の左側面
または右側面には、レンズリンク14Lまたは14Rの
一端が回動可能なようにそれぞれ取り付けられており、
それらの他端には、レンズピン15Uが取り付けられて
いる。そして、このレンズピン15Uは、レンズ11L
および11Rの上部に通されている。
【0032】レンズ11Lおよび11Rの下部には、レ
ンズピン15Dが通されており、さらに、このレンズピ
ン15Dの左端または右端は、筐体1の左側面または右
側面の内側の前方に、正面から背面方向に細長く設けら
れた(長穴状の)レンズ溝16Lまたは16Rにそれぞ
れ通されている。そして、レンズピン15Dは、レンズ
溝16Lおよび16Rに沿って、前後にスライドするこ
とができるようになされている。
【0033】カバー2の左側面または右側面の、レンズ
リンク14Lおよび14Rが取り付けられている位置の
奥側(背面側)には、パネルリンク17Lまたは17R
の一端が回動可能なようにそれぞれ取り付けられてお
り、それらの他端には、パネルピン18Uが取り付けら
れている。そして、このパネルピン18Uは、表示パネ
ル12Lおよび12Rの上部に通されている。
【0034】表示パネル12Lおよび12Rの下部に
は、パネルピン18Dが通されており、さらに、このパ
ネルピン18Dの左端または右端は、筐体1の左側面ま
たは右側面の内側の、レンズ溝16Lおよび16Rより
奥側に、正面から背面方向に細長く設けられたパネル溝
19Lまたは19Rにそれぞれ通されている。そして、
パネルピン18Dは、パネル溝18Lおよび18Rに沿
って、前後にスライドすることができるようになされて
いる。
【0035】また、筐体1の下部には、外部から情報を
受信するとともに、外部に情報を送信するための通信制
御を行う通信機能部21と、各種の画像処理、その他の
信号処理を行う画像信号処理部22とが設けられている
(図3)。
【0036】なお、レンズ11Lおよび11Rには、レ
ンズピン15Uまたは15Dの径より幾分大きな径の穴
が設けられ、その穴に、レンズピン15Uまたは15D
はそれぞれ通されている。従って、レンズ11Lおよび
11Rは、その下部または上部が固定されていなけれ
ば、レンズピン15Uまたは15Dをそれぞれ回転中心
として自由に回転することができるようになされてい
る。
【0037】表示パネル12Rおよび12Rについても
同様に、パネルピン18Uまたは18Dをそれぞれ回転
中心として自由に回転することができるようになされて
いる。
【0038】以上のように構成される携帯型表示装置に
おいては、カバー2が閉じられているときには、図3
(A)に示すように、レンズピン15Dが、レンズ溝1
6Rおよび16Lに沿って、背面方向の端に位置してい
る。さらに、このとき、レンズピン15Uが、レンズ溝
16Lおよび16Rの高さの位置に配置されるようにな
されており、これにより、レンズ11Lおよび11R
は、その光軸がカバー2と垂直になるように(主平面が
カバー2と平行になるように)配置される。
【0039】さらに、この場合、パネルピン18Dは、
パネル溝19Rおよび19Lに沿って、やはり、背面方
向の端に位置しており、さらに、このとき、パネルピン
18Uも、パネル溝19Lおよび19Rの高さの位置に
配置される。これにより、表示パネル12Lおよび12
Rは、表示画面がカバー2と平行になるように配置され
る。
【0040】このように、カバー2が閉じている場合、
レンズ11Lおよび11R、並びに表示パネル12Lお
よび12Rは、いわば横臥した状態(横臥状態)に配置
され、筐体1に収容される。
【0041】そして、組み立てつまみ4を操作すると、
弾性体の付勢力によってカバー2が開き、図3(B)に
示すように、カバー2が開くことによって、レンズリン
ク14Lおよび14Rが引き上げられ、さらにレンズ1
1Lおよび11Rも引き上げられる。そして、レンズ1
1Lおよび11Rが引き上げられることによって、レン
ズピン15Dが、レンズ溝16Rおよび16Lに沿っ
て、正面方向に移動する。
【0042】また、カバー2が開くことによって、パネ
ルリンク17Lおよび17Rも引き上げられ、さらに表
示パネル12Lおよび12Rも引き上げられる。そし
て、表示パネル12Lおよび12Rが引き上げられるこ
とによって、パネルピン18Dが、パネル溝19Rおよ
び19Lに沿って、正面方向に移動する。
【0043】その後、カバー2がさらに開くことによっ
て、レンズ11Lおよび11R、並びに表示パネル12
Lおよび12Rの上部はさらに引き上げられ、レンズピ
ン15Dおよびパネルピン18Dは、さらに正面方向に
移動する。そして、レンズピン15Dがレンズ溝16L
および16Rの正面方向の端に到達するとともに、パネ
ルピン18Dが、パネル溝19Rおよび19Lの正面方
向の端に到達すると、そこで、カバー2がロックされ
る。
【0044】このとき、レンズ11Lおよび11R、並
びに表示パネル12Lおよび12Rは、図2または図3
(C)に示すように、図3(A)に示した状態から90
度回転した、いわば起立した状態(起立状態)に配置さ
れる。
【0045】この状態において、表示パネル12Lまた
は12Rそれぞれに、情報としての画像(映像)が表示
されると、それぞれの画像は、レンズ11Lまたは11
Rにより拡大され、これにより虚像が形成される。従っ
て、ユーザは、レンズ11Lまたは11Rを、それぞれ
左眼または右眼で覗くことにより、その虚像を観賞する
ことができる。
【0046】ここで、虚像は、物体が、焦点距離よりレ
ンズに近い位置にある場合に、その物体側にできるもの
で、その形成原理については、例えば、「レンズの科学
入門(上)」、小倉敏布、朝日ソノラマ社や、「光
学」、村田和美、サイエンス社などに、その詳細が記載
されている。
【0047】虚像は、表示パネル12Lおよび12Rに
表示された画像を拡大したものであり、従って、例え
ば、視力の悪いユーザであっても、容易に虚像を見るこ
とができる。また、表示パネル12Lおよび12Rに小
さく表示されたものであっても、レンズ11Lおよび1
1Rによって拡大されるため、迫力、あるいは臨場感の
ある画像を提供することが可能となる。さらに、表示パ
ネル12Lおよび12Rに、小さく、多量の情報を表示
しても、それが拡大された虚像が形成されるため、ユー
ザに、一度に、多くの情報を提供することが可能とな
る。また、虚像は、レンズ11L,11Rを覗くことに
よって観賞することができるので、他人に情報を見られ
たり、また、外光による影響で、虚像が見にくくなるこ
ともない。
【0048】以上のように、レンズ11Lおよび11R
の配置状態が、不使用時と使用時とで変化されるので、
即ち、不使用時にはカバー2を閉じて横臥状態とされ、
使用時にはカバー2を開けて起立状態とされるので、装
置を、従来より小型に構成することができる。
【0049】即ち、レンズは、一般に、その厚みよりも
径の方が大きい。そして、装置を使用する場合において
は、レンズ11Lまたは11Rには、表示パネル12L
または12Rに表示された画像としての光を入射させる
必要があり、そのためには、図1乃至図3の実施の形態
では、レンズ11Lおよび11Rを、起立状態に配置す
る必要がある。しかしながら、レンズ11Lおよび11
Rを、起立状態に配置したままで、筐体1に収容する場
合には、筐体1としては、その高さ(深さ)が、レンズ
11Lおよび11Rの径以上のものが必要となり、さら
に、図3に示したように、その内部に、通信機能部21
や画像信号処理部22を設けるためには、より大きな筐
体1が必要となる。
【0050】一方、本実施の形態においては、レンズ1
1Lおよび11Rを横臥状態に配置して筐体1に収容す
るようにしたので、筐体1は、少なくとも、その高さ
が、レンズ11Lおよび11Rの厚みだけあるものであ
れば良い。従って、装置を、より小型に構成することが
でき、携帯性を向上させることが可能となる。また、筐
体1の大きさを、従来の場合と同一とした場合には、筐
体1内部の空間に余裕ができるので、さらに、他の処理
を行う電気回路などのブロックを設けることが可能とな
る。
【0051】なお、本実施の形態では、レンズ11Lお
よび11Rだけでなく、表示パネル12Lおよび12R
も横臥状態に配置して、筐体1に収容するようにしたの
で、さらなる小型化が可能である。
【0052】また、図2または図3(C)に示した状態
から、レンズ11Lおよび11R、並びに表示パネル1
2Lおよび12Rを、図1または図3(A)に示したよ
うに、筐体1に収容する場合には、カバー2を、それを
付勢している弾性体の付勢力より大きな力で、下方向に
押圧すれば良い。この場合、レンズピン15Dおよびパ
ネルピン18Dが、図3(B)で説明した場合とは逆
に、背面方向に移動し、これにより、レンズ11Lおよ
び11R、並びに表示パネル12Lおよび12Rは徐々
に倒れていく。そして、カバー2を、所定の位置まで押
下すると、ロックがかかり、これにより、図1または図
3(A)に示したように、カバー2は閉じた状態に保持
される。
【0053】さらに、図1乃至図3には、図示しなかっ
たが、装置には、頭部に搭載することができるような機
構を設けるようにすることが可能である。この場合、ユ
ーザは、装置を頭部に搭載して、虚像を観賞することが
できるため、装置を持つ必要がなくなり、例えば、メモ
などを容易にとることが可能となる。
【0054】なお、通信機能部21は、例えば、公衆網
を介した電話通信の制御を行うものとすることができ
る。この場合、携帯型表示装置は、携帯電話機として機
能することになる。そして、この場合、例えば、図示せ
ぬメモリに、住所や電話番号を記憶させておき、画像信
号処理部22にこれらの情報を画像にして、表示パネル
12Lおよび12Rに表示させるようにすることができ
る。また、通信機能部21には、公衆網を介して送信さ
れてくる情報を受信させ、画像信号処理部22には、そ
の情報を画像にして、表示パネル12Lおよび12Rに
表示させるようにすることなども可能である。さらに、
通信機能部21には、表示パネル12Lおよび12Rに
表示された画像を送信させるようにすることなども可能
である。また、画像信号処理部22に、例えば、DVD
(Digital Versatile Disc)などのディスク状の媒体を
再生するディスク再生装置を組み込み、そのようなディ
スクから再生される画像を、表示パネル12Lおよび1
2Rに表示させるようにすることなども可能である。
【0055】次に、図4は、第1の実施の形態の光学系
の構成例を示している。なお、図4は、図2または図3
(C)に示したように、レンズ11Lおよび11R、並
びに表示パネル12Lおよび12Rが露出状態とされた
ときの上面の断面を示している。
【0056】同図に示すように、携帯型表示装置は、画
像を拡大することにより虚像を形成するための拡大光学
系として、光軸の異なる左眼用の光学系である(を構成
する)レンズ11Lと右眼用の光学系であるレンズ11
Rとを有している。
【0057】即ち、レンズ11Rまたは11Lは、右眼
または左眼に対して、表示パネル12Rまたは12Lに
表示された画像を拡大することにより得られる虚像Rま
たはLをそれぞれ提供するための同一特性の凸レンズ
で、これらは同一平面上に配置されている。従って、レ
ンズ11Rおよび11Lは、その主平面どうしが一致す
るように配置されている。
【0058】ここで、図4において、O1またはO2
は、レンズ11Rまたは11Lの主点をそれぞれ表して
おり、F1またはF2は、レンズ11Rまたは11Lの
焦点をそれぞれ表している。また、Oは、主点O1とO
2との間の中点を表している。
【0059】表示パネル12Rまたは12Lは、その中
心点(例えば、表示パネル12R,12Lが長方形状を
している場合において、その長方形の対角線の交点な
ど)が、中点Oと焦点F1またはF2それぞれとを結ぶ
直線OF1またはOF2上にそれぞれ位置し、かつ両者
が同一平面上に位置するように配置されている。
【0060】以上のように構成される携帯型表示装置に
よれば、表示パネル12Rまたは12Lに表示された画
像が、レンズ11Rまたは11Lで拡大され、この拡大
された画像に対応する光が右眼または左眼にそれぞれ入
射することにより、その画像に対応する虚像が、右眼ま
たは左眼で観察される。即ち、レンズ11Rまたは11
Lによって形成される虚像RまたはLが、右眼または左
眼それぞれで観察される。
【0061】図4の構成によれば、右眼または左眼で観
察される虚像は、別々の光学系であるレンズ11Rまた
は11Lでそれぞれ形成されるが、これらの虚像は、3
次元空間において、同一の位置に配置される。即ち、ユ
ーザの左眼と右眼とで観察される虚像は、空間上同一の
位置に配置される。
【0062】これは、次のような理由による。即ち、例
えば、いま、主点O2からO1の方向をd軸とするとと
もに、レンズ11Lの光軸方向(主点O2から焦点F2
の方向)をs軸とする。そして、表示パネル12Lの中
心点をM1とし、そのsd平面における座標を(s1,
d1)とするとともに、レンズ11Lが形成する虚像L
の中心点をM1’とし、そのsd平面における座標を
(s1’,d1’)とする。さらに、焦点F1とF2と
の間の中点をO’とする。
【0063】この場合、上述したように、表示パネル1
2Rまたは12Lは同一平面内にあり、かつその中心点
が、直線OF1またはOF2上にあるから、表示パネル
12Rおよび12Lは、レンズ11Rおよび11Lの主
平面(これも、上述したように同一平面内にある)から
等距離にある。従って、虚像RおよびLも同一平面内に
あるから、この虚像RおよびLの中心点が、いずれも、
中点OとO’とを結ぶ直線OO’上にあれば、虚像Rお
よびLは同一位置にあることになる。
【0064】そこで、いま、表示パネル12Lの中心点
M1(s1,d1)は、直線OF2上にあることから、
次式が成立する。
【0065】 d1=L/2−L×s1/(2×f) ・・・(1) 但し、Lは、主点O1とO2との距離を表し、fは、レ
ンズ11Lの焦点距離を表す。
【0066】一方、結像公式により、次式が成立する。
【0067】 1/f=1/s1−1/s1’ ・・・(2)
【0068】また、主点O2、中心点M1,M1’は、
一直線上にあることから、次式が成立する。
【0069】 s1/s1’=d1/d1’ ・・・(3)
【0070】式(1)乃至(3)から、式 d1’=L/2 ・・・(4) が得られる。
【0071】式(4)より、虚像Lの中心点M1’は、
直線OO’上にある。
【0072】レンズ11Lが構成する光学系と、レンズ
11Rが構成する光学系とは、直線OO’に対して対称
であり、従って、虚像Rの中心点も、直線OO’上にあ
る。
【0073】以上のように、虚像RおよびLは、同一平
面内にあり、かつ、それらの中心点が、いずれも直線O
O’上にあるので、虚像RおよびLは同一位置にあるこ
とになる。
【0074】従って、ユーザは、両眼の輻輳と調整を一
致させた状態で、即ち、リラックスした状態で(無理な
く)、虚像を観察することができる。
【0075】さらに、図4では、左眼に観察させる虚像
は、レンズ11Lおよび表示パネル12Lによって、右
眼に観察させる虚像は、レンズ11Rおよび表示パネル
12Rによって、それぞれ独立に形成される。従って、
この携帯型表示装置によれば、2次元の(平面的な)虚
像の他、立体的な虚像も提供することが可能である。即
ち、例えば、両眼視差を利用した立体画像の左眼用の画
像または右眼用の画像を、表示パネル12Lまたは12
Rに表示することによって、ユーザには、立体的な虚像
を提供することができる。
【0076】ところで、表示パネル12Rまたは12L
それぞれを、その中心点が、直線OF1またはOF2上
を、同一平面内に含まれるように同期して移動させるこ
とにより、虚像RおよびLが形成される位置を、ユーザ
の近くから無限遠まで移動させる(ユーザから虚像Rお
よびLまでの距離を変化させる)ことができる。
【0077】即ち、表示パネル12Lおよび12Rを、
直線OF1またはOF2に沿って、レンズ11Lおよび
11Rに近い位置または遠い位置に移動することによ
り、虚像LおよびRは、ユーザから近い位置または遠い
位置にそれぞれ移動する。
【0078】ここで、表示パネル12Rおよび12Lの
移動は、例えば、手動で行うようにすることもできる
し、ステッピングモータなどを用いて行うようにするこ
となども可能である。但し、表示パネル12Rまたは1
2Lそれぞれは、焦点F1またはF2よりも、レンズ1
1R側または11L側の範囲を移動させるようにする必
要がある。これは、前述したように、物体の虚像を観察
するためには、その物体が、焦点距離よりレンズに近い
位置にある必要があるからである。
【0079】図5および図6は、以上のように、虚像が
形成される位置を移動することのできる携帯型表示装置
の構成例(本発明の携帯型表示装置の第2の実施の形態
の構成)を示している。なお、図5は、携帯型表示装置
の斜視図であり、図6は、その右側面の断面図である。
また、図5および図6において、図1乃至図3における
場合と対応する部分については、同一の符号を付してあ
る。
【0080】第2の実施の形態においては、直線的なレ
ンズ溝16Lまたは16Rに代えて、滑らかなカーブを
描いたレンズカーブ溝31Lまたは31Rがそれぞれ設
けられている。そして、このレンズカーブ溝31Lまた
は31Rに、レンズピン15Dの一端または他端が、そ
れぞれ通されている。
【0081】さらに、表示パネル12Lまたは12R
が、図4で説明したように、直線OF2またはOF1上
を移動可能なように、その取り付け部分が構成されてい
る。
【0082】即ち、ボックスリンク33Lまたは33R
の一端が、パネルリンク17Lまたは17Rと同様に、
カバー2の左側面または右側面の、レンズリンク14L
および14Rが取り付けられている位置より背面側に、
回動可能なようにそれぞれ取り付けられており、それら
の他端には、パネルボックス32が取り付けられてい
る。なお、パネルボックス32は、ボックスリンク33
Lおよび33Rとの結合部を中心として回転可能なよう
になされている。さらに、パネルボックス32は、図6
(A)または同図(B)にそれぞれ示すように、カバー
2が閉じた状態または開いた状態のいずれであっても、
表示パネルが正面方向を向くように、図示せぬ部材によ
り支持されるようになされている。
【0083】パネルボックス32は、その正面が開いて
いるか、または透明な部材で構成された直方体形状の箱
で、その右側面の上部または下部には、正面から背面方
向に細長いシャフト溝35Rまたは36Rがそれぞれ形
成されている。図5および図6においては、隠れて見え
ないが、パネルボックス32の左側面にも同様に、シャ
フト溝35Lまたは36Lが形成されている。
【0084】そして、シャフト溝35Rまたは35Lに
は、ガイドシャフト34Uの一端または他端が、それぞ
れ通されており、これにより、ガイドシャフト34U
は、シャフト溝35Rおよび35Lに沿って、正面から
背面方向に移動することができるようになされている。
また、シャフト溝36Rまたは36Lには、ガイドシャ
フト34Dの一端または他端が、それぞれ通されてお
り、これにより、ガイドシャフト34Dも、シャフト溝
36Rおよび36Lに沿って、正面から背面方向に移動
することができるようになされている。
【0085】表示パネル12Lおよび12Rは、いずれ
も、その上部または下部がガイドシャフト34Dまたは
34Uにそれぞれ通されており、これにより、ガイドシ
ャフト34Dおよび34Uに沿って左右方向に移動する
ことができるようになされている。
【0086】さらに、パネルボックス32の上面である
上面パネル板32Uには、図4で説明した直線OF1ま
たはOF2にそれぞれ相当するV字溝38Rまたは38
Lが空けられている。そして、このV字溝38Rまたは
38Lには、表示パネル12Rまたは12Lの上部に設
けられたピン37Rまたは37Lがそれぞれ通されてい
る。
【0087】なお、図5および図6においては、隠れて
見えないが、パネルボックス32の底面にも、V字溝3
8Rおよび38Lに対応する2つの溝が設けられてお
り、それぞれの溝には、表示パネル12Rまたは12L
の下部に設けられた、ピン37Rまたは37Lとそれぞ
れ同様のピンが通されている。
【0088】従って、表示パネル12Lまたは12R
は、パネルボックス32内において、V字溝38Lまた
は38Rにそれぞれ沿って、即ち、直線OF2またはO
F1にそれぞれ沿って、同一平面内に含まれるように移
動することができるようになされている。
【0089】なお、本実施の形態においては、画像信号
処理部22は、通信機能部21の上部に配置されてい
る。
【0090】以上のように構成される携帯型表示装置に
おいては、カバー2が閉じられているときには、図6
(A)に示すように、レンズピン15Dが、レンズカー
ブ溝31Rおよび31Lに沿って、背面方向であって、
底面方向の端に位置している。さらに、このとき、レン
ズピン15Uが、レンズピン15Dの高さの位置に配置
されるようになされており、これにより、レンズ11L
および11Rは、第1の実施の形態における場合と同様
に、その光軸がカバー2と垂直になるように配置され
る。さらに、この場合、レンズカーブ溝31Rおよび3
1Lが、第1の実施の形態における場合のように、正面
から背面方向に直線的に形成されておらず、底面方向に
カーブを描くように形成されているため、筐体1におい
て、レンズ11Lおよび11Rは、パネルボックス32
の底面の底面パネル板32Dの下部に収納される。
【0091】一方、パネルボックス32は、ボックスリ
ンク33Lおよび33Rによって、表示パネル12Lお
よび12Rが正面方向を向いた状態に支持され、筐体1
に収容される。
【0092】ここで、第2の実施の形態では、カバー2
が閉じている場合、レンズ11Lおよび11Rは横臥状
態に配置され、筐体1のパネルボックス32の下部に収
容されるため、レンズ11Lおよび11Rの下部には、
第1の実施の形態における場合のような大きなスペース
は形成されない。そこで、第1の実施の形態においては
レンズ11Lおよび11Rの下部に配置されていた画像
信号処理部22が、第2の実施の形態では、通信機能部
21の上部に配置されている。
【0093】そして、組み立てつまみ4が操作され、弾
性体の付勢力によってカバー2が開くと、図5および図
6(B)に示すように、カバー2が開くことによって、
レンズリンク14Lおよび14Rが引き上げられ、さら
にレンズ11Lおよび11Rも引き上げられる。そし
て、レンズ11Lおよび11Rが引き上げられることに
よって、レンズピン15Dが、レンズカーブ溝31Rお
よび31Lに沿って、正面方向に移動する。その後、レ
ンズピン15Dがレンズカーブ溝31Lおよび31Rの
正面方向の端に到達すると、そこで、カバー2がロック
される。
【0094】このとき、レンズ11Lおよび11Rは、
図6(A)に示した状態から90度回転した起立状態に
固定される。
【0095】また、カバー2が開くことによって、ボッ
クスリンク33Lおよび33Rも引き上げられ、さらに
パネルボックス32も引き上げられる。そして、カバー
2がロックされた状態になると、パネルボックス32
は、ボックスリンク33Lおよび33Rによって、表示
パネル12Lおよび12Rが、レンズ11Lおよび11
Rに対して、図4で説明した位置関係となるような状態
に固定される。
【0096】この状態において、表示パネル12Lまた
は12Rそれぞれに、情報としての画像(映像)が表示
されると、それぞれの画像は、レンズ11Lまたは11
Rにより拡大され、これにより虚像が形成される。従っ
て、ユーザは、レンズ11Lまたは11Rを、それぞれ
左眼または右眼で覗くことにより、その虚像を観賞する
ことができる。
【0097】また、表示パネル12Lまたは12Rは、
上述したように、パネルボックス32内において、V字
溝38Lまたは38Rにそれぞれ沿って、即ち、直線O
F2またはOF1にそれぞれ沿って、同一平面内に含ま
れるように移動することができるようになされており、
従って、表示パネル12Lまたは12Rを、V字溝38
Lまたは38Rにそれぞれ沿って、例えば、ステッピン
グモータや手動で移動させることにより、所望の位置に
虚像を形成することができる。
【0098】なお、図5または図6(B)に示した状態
から、レンズ11Lおよび11R、並びに表示パネル1
2Lおよび12R(パネルボックス32)を、図6
(A)に示したように、筐体1に収容する場合には、カ
バー2を、それを付勢している弾性体の付勢力より大き
な力で、下方向に押圧すれば良い。この場合、レンズピ
ン15Dが、上述した場合とは逆に、背面方向に移動
し、これにより、レンズ11Lおよび11Rは徐々に倒
れていき、また、パネルボックス32は、下方向に移動
していく。そして、カバー2を、所定の位置まで押下す
ると、ロックがかかり、これにより、図6(A)に示し
たように、カバー2は閉じた状態に保持される。
【0099】ところで、虚像については、上述のように
ユーザからの距離を変化させる他、例えば、次のように
して、その大きさを変化させることも可能である。
【0100】即ち、図7は、虚像の大きさを可変にする
原理を示している。
【0101】同図(A)に示すように、表示パネル12
(12Lおよび12R)を、充分大きな表示領域を有す
るものとし、そこに表示する画像の大きさを、同図
(B),(C)に影を付して示すように、大きくした
り、または小さくしたりすることで、虚像の大きさを変
化させることができる。
【0102】以上のように、表示パネル12の位置を移
動させるとともに、そこに表示する画像の大きさを変化
させることで、ユーザに対して、虚像を、ユーザから適
切な距離の位置に、かつ適切な大きさ(画角)で提供す
ることが可能となる。
【0103】即ち、画像が、例えば、ハイビジョン放送
によるものである場合、表示パネル12を、レンズ11
(11Lおよび11R)から離れた位置に移動するとと
もに、その画像を、図7(B)に示したように、表示パ
ネル12全体に表示すれば、図8に示すように、画角の
広い、その横と縦との比が16:9の大きな虚像を形成
することができる。また、画像が、例えば、NTSC方
式のテレビジョン信号のものである場合、表示パネル1
2を、レンズ11に近い位置に移動するとともに、その
画像を、図7(C)に示したように、表示パネル12の
中央部分の一部に表示すれば、図8に示すように、画角
の狭い、その横と縦との比が4:3の比較的小さな虚像
を形成することができる。
【0104】ここで、虚像までの距離や、その大きさ
は、操作ボタン3を操作することによって、ユーザが設
定することも可能であるが、例えば、画像信号処理部2
2に、装置に供給される画像に対応して設定(制御)さ
せるようにすることも可能である。
【0105】即ち、画像が、例えば、ハイビジョン放送
による、アスペクト比が16:9の映画やドラマなどで
ある場合には、ユーザから、例えば15m程度の遠い位
置に、大きな虚像を形成させる。
【0106】また、画像が、例えば、NTSC方式の、
アスペクト比が4:3のテレビジョン信号のものである
場合、ユーザから、例えば3m程度の比較的近い位置
に、中間の大きさの虚像を形成させる。なお、このと
き、いわゆるワイドテレビ(ワイドテレビジョン受像
機)のように、画像のアスペクト比を、4:3から1
6:9に変化させて、その虚像を形成させるようにする
ことも可能である。
【0107】さらに、画像が、例えば、コンピュータな
どの情報処理装置の出力画面である場合、ユーザから、
例えば0.3m程度の非常に近い位置に、比較的小さい
虚像を形成させる。
【0108】以上のようにすることで、ユーザに対し
て、虚像を、その画像に適した形で提供することが可能
である。
【0109】即ち、ハイビジョン放送による映画やドラ
マなどの画像については、その虚像を、ユーザから遠い
位置に、かつ大きく形成することで、臨場感や、距離
感、そして迫力のある画像を提供することができる。
【0110】また、NTSC方式の、アスペクト比が
4:3のテレビジョン信号などの画像については、その
虚像を、ユーザから比較的近い位置に、かつ中間の大き
さに形成することで、ユーザが、視覚的に違和感を感じ
ない画像を提供することができる。その結果、例えば、
眼精疲労の程度を低減することが可能となる。
【0111】さらに、コンピュータなどの情報処理装置
の出力画面などの画像については、その虚像を、ユーザ
から非常に近い位置に、かつ比較的小さく形成すること
で、ユーザが、コンピュータなどの操作をしやすい画像
を提供することができる。その結果、例えば、作業効率
を向上させることが可能となる。
【0112】図9は、以上のように、画像に対応して、
虚像までの距離や大きさを変化させるようにした場合
の、図5(図6)の携帯型表示装置の電気的構成例を示
している。
【0113】画像信号処理用コンピュータ41は、画像
信号を受信し、信号処理することにより、その画像信号
が、例えば、ハイビジョン放送のもの、NTSC方式の
テレビジョン信号、またはコンピュータの信号のうちの
いずれであるかを認識するようになされている。そし
て、画像信号処理用コンピュータ41は、その認識結果
に対応して、形成する虚像の、ユーザからの距離を制御
するための虚像距離信号またはその虚像の大きさを制御
するための大きさ制御信号を生成し、虚像距離制御用コ
ンピュータ42または表示制御部44に、それぞれ供給
するようになされている。また、画像信号処理用コンピ
ュータ41は、受信した画像信号を、表示制御部44に
供給するようにもなされている。
【0114】なお、画像信号処理用コンピュータ41
は、基本的には、受信した画像信号から、左眼用と右眼
用のものを生成して出力するようになされているが、左
眼用と右眼用とに区別されている、例えば両眼視差を利
用した立体的な画像に対応する画像信号を受信した場合
には、それらの画像信号を、そのまま出力するようにな
されている。
【0115】虚像距離制御用コンピュータ42は、画像
信号処理用コンピュータ41からの虚像距離信号を受信
し、その虚像距離信号に対応して、モータ駆動回路43
に与えるべき制御信号としての虚像距離制御信号を生成
するようになされている。この虚像距離制御信号は、虚
像距離制御用コンピュータ42からモータ駆動回路43
に供給されるようになされている。
【0116】モータ駆動回路43は、虚像距離制御用コ
ンピュータ42からの虚像距離制御信号にしたがって、
虚像距離制御用モータ45を回転駆動するようになされ
ている。さらに、モータ駆動回路43は、操作ボタン3
が操作されることにより供給される操作信号にもしたが
って、虚像距離制御用モータ45を回転駆動するように
なされている。なお、モータ駆動回路43は、虚像距離
制御信号と操作信号との両方が供給された場合、そのう
ちの一方である、例えば、操作信号を優先させるように
なされている。
【0117】表示制御部44は、画像信号処理用コンピ
ュータ41から供給される大きさ制御信号にしたがっ
て、同じく画像信号処理用コンピュータ41から供給さ
れる左眼用と右眼用の画像信号の横および縦の長さを制
限し(拡大または縮小し)、表示パネル12Lと12R
にそれぞれ供給して表示させるようになされている。さ
らに、表示制御部44は、操作ボタン3が操作されるこ
とにより供給される操作信号にもしたがって、画像信号
を拡大または縮小するようになされている。なお、表示
制御部44も、モータ駆動回路43と同様に、大きさ制
御信号と操作信号との両方が供給された場合、そのうち
の一方である、例えば、操作信号を優先させるようにな
されている。
【0118】虚像距離制御用モータ45は、例えばステ
ッピングモータなどで構成され、モータ駆動回路43の
制御にしたがって、表示パネル12Lおよび12Rを、
上述したように移動させるようになされている。
【0119】なお、図9の実施の形態においては、画像
信号処理用コンピュータ41、虚像距離制御用コンピュ
ータ42、および表示制御部44が、画像信号処理部2
2(図6)を構成している。
【0120】次に、その動作について説明する。
【0121】画像信号処理用コンピュータ41は、画像
信号を受信すると、その画像信号が、NTSC方式のも
のか、ハイビジョン放送によるものか、またはコンピュ
ータの信号かどうかを判定し、その判定結果に対応した
制御を行う。
【0122】ここで、画像信号の判定は、例えば、その
画像信号に含まれる水平同期信号または垂直同期信号を
検出し、その水平同期周波数または垂直同期周波数が何
Hzであるかに基づいて行われる。
【0123】画像信号処理用コンピュータ41におい
て、受信した画像信号がNTSC方式のものであると判
定された場合、NTSC方式に対応する虚像距離信号ま
たは大きさ制御信号が、虚像距離制御用コンピュータ4
2または表示制御部44にそれぞれ出力されるととも
に、左眼用および右眼用の画像信号が、表示制御部44
に出力される。
【0124】虚像距離制御用コンピュータ42は、現時
点において虚像が形成される距離(以下、現在距離とい
う)を認識しており、虚像距離信号を受信すると、虚像
距離信号に対応する距離と、現在距離との差分を演算す
る。そして、その差分値が0でない場合、その差分値だ
け、虚像を移動させるのに必要な、虚像距離制御用モー
タ45の回転量に対応する虚像距離制御信号を生成し、
モータ駆動回路43に供給する。モータ駆動回路43で
は、虚像距離制御信号にしたがって、虚像距離制御用モ
ータ45が回転駆動され、これにより、表示パネル12
Lおよび12Rが、所定の位置(ユーザから、虚像距離
信号に対応する距離だけ離れた位置に虚像が形成される
位置)に移動される。
【0125】一方、表示制御部44では、大きさ制御信
号にしたがって、左眼用または右眼用の画像信号が拡大
または縮小され、表示パネル12Lまたは12Rにそれ
ぞれ供給される。
【0126】これにより、虚像が、ユーザから、虚像距
離信号に対応した距離だけ離れた位置に、かつ大きさ制
御信号に対応した大きさに形成される。即ち、いまの場
合、虚像距離信号および大きさ制御信号は、NTSC方
式に対応したものであるから、例えば、上述したよう
に、虚像は、ユーザから比較的近い位置に、かつ中程度
の大きさに形成される。
【0127】一方、画像信号処理用コンピュータ41に
おいて、画像信号がハイビジョン放送によるものである
と判定された場合、ハイビジョン放送に対応する虚像距
離信号または大きさ制御信号が、虚像距離制御用コンピ
ュータ42または表示制御部44にそれぞれ出力される
とともに、左眼用および右眼用の画像信号が、表示制御
部44に出力される。
【0128】この場合も、上述した場合と同様に、虚像
が、ユーザから、虚像距離信号に対応した距離だけ離れ
た位置に、かつ大きさ制御信号に対応した大きさに形成
される。即ち、いまの場合、虚像距離信号および大きさ
制御信号は、ハイビジョン放送に対応したものであるか
ら、例えば、上述したように、虚像は、ユーザから遠い
位置に、かつ大きく形成される。
【0129】また、画像信号処理用コンピュータ41に
おいて、画像信号がコンピュータ用のものであると判定
された場合、コンピュータに対応する虚像距離信号また
は大きさ制御信号が、虚像距離制御用コンピュータ42
または表示制御部44にそれぞれ出力されるとともに、
左眼用および右眼用の画像信号が、表示制御部44に出
力される。
【0130】この場合も、上述した場合と同様に、虚像
が、ユーザから、虚像距離信号に対応した距離だけ離れ
た位置に、かつ大きさ制御信号に対応した大きさに形成
される。即ち、いまの場合、虚像距離信号および大きさ
制御信号は、コンピュータに対応したものであるから、
例えば、上述したように、虚像は、ユーザから非常に近
い位置に、かつ小さく形成される。
【0131】以上のように、画像に適した形で虚像を提
供するようにしたので、ユーザに臨場感を感じさせるこ
とができ、また、虚像を観賞することによる疲労感を低
減することができる。
【0132】なお、本実施の形態では、画像の同期信号
に対応して、虚像が形成される距離や大きさを変化させ
るようにしたが、その他、これらの距離や大きさ(さら
には、後述する虚像の方向)は、例えば、画像の内容に
対応して変化させるようにすることも可能である。即
ち、例えば、画像をパターン認識(画像認識)などする
ことにより、画像が、風景または人物のうちのいずれを
表示するものであるかを連続的に認識し、風景の場合に
は、遠い位置に大きな虚像を形成し、人物の場合には、
比較的に近い位置に、ある程度の大きさの虚像を形成す
るようにすることなどが可能である。この場合、例え
ば、風景のシーンでは、その風景の虚像が、遠い位置に
大きく形成され、ユーザに対して、その風景の中に、実
際にいるかのような取り囲み感を与えることが可能とな
る。さらに、例えば、人物がアップで表示されているシ
ーンでは、その人物の虚像が、比較的に近い位置に、あ
る程度の大きさで形成され、その人物の表情などを明確
に確認することが可能となる。
【0133】また、虚像が形成される距離などは、画像
のアスペクト比を検出し、その検出結果にしたがって変
化させるようにすることなども可能である。即ち、例え
ば、アスペクト比が16:9の場合には、遠い位置に大
きな虚像を形成し、4:3の場合には、比較的近い位置
に中程度の大きさの虚像を形成するようにすることなど
が可能である。
【0134】また、表示パネル12に表示させる画像
は、全体的に拡大または縮小する他、その一部のみを拡
大または縮小することが可能である。さらに、画像の横
または縦方向のうちのいずれか一方向のみを拡大または
縮小し、これにより、画像のアスペクト比を所望の値に
変換するも可能である。例えば、画像が風景を表示する
ものである場合、その横方向のみを拡大し、横長の虚像
を形成することにより、ユーザに対して、上述したよう
な取り囲み感を与えることができる。
【0135】また、本実施の形態では、虚像までの距離
と、その大きさを、画像に対応して変化させるようにし
たが、その他、例えば、虚像が形成される方向も、画像
に対応して変化させることが可能である。これは、例え
ば、図10に示すように、表示パネル12に画像を表示
する領域(同図において、斜線を付してある部分)の位
置を、表示制御部44に変化させるようにすることによ
って実現することができる。
【0136】このように、虚像が形成される方向を、画
像に対応して変化させるのは、例えば、何らかの作業を
しながら、虚像を観賞する場合などに有用である。
【0137】具体的には、例えば、本発明を、HMD
(Head Mount Display)に適用した場合において、料理
番組の虚像を観賞しながら、実際に料理を行うときに
は、虚像が形成される方向を、中央から、左上、右上、
左下、または右下などに変化させることにより、ユーザ
は、虚像であるレシピなどを見ながら、正面方向におい
て、確実に作業をすることが可能となる。即ち、虚像
を、正面方向(中央)から移動させることによって、正
面方向の視界が良くなり、安全、確実に作業をすること
が可能となる。
【0138】なお、料理番組かどうかは、例えば、画像
信号処理用コンピュータ41に、画像に、料理名などの
文字が含まれるかどうかをパターン認識(文字認識)さ
せることによって判断することが可能である。あるい
は、また、画像に付随する音声を音声認識し、その音声
認識結果に、料理名やその材料などが含まれるかどうか
によって判断したり、さらに、番組のテレビジョン信号
に、その番組の内容を表す(識別する)情報を重畳して
放送するようにし、その情報に基づいて判断したりする
ことなどが可能である。そして、料理番組である場合に
は、例えば、画像信号処理用コンピュータ41に、画像
を、左上方向などの、ユーザの正面方向ではない方向に
表示するように、表示制御部44を制御させるようにす
れば良い。
【0139】また、本実施の形態では、画像に対応し
て、虚像までの距離などを変化させるようにしたが、こ
れは、上述したように、ユーザが、操作ボタン3を操作
することにより変化させることも可能である。
【0140】さらに、画像と、その虚像が形成される距
離などとの関係は、上述したものに限定されるものでは
ない。
【0141】次に、図11および図12は、本発明を適
用した携帯型表示装置の第3の実施の形態を示してい
る。なお、図11は、携帯型表示装置の斜視図であり、
図12は、その右側面の断面図である。
【0142】第3の実施の形態においては、表示パネル
12に表示された画像を拡大して虚像を形成する拡大光
学系として、凸レンズではなく、凹面鏡が用いられてい
る。
【0143】即ち、下カバー51には、ピン53を中心
として回動可能なように上カバー52が設けられてい
る。また、下カバー51の内部の左または右の側面に
は、やはりピン53を中心として回動可能なように、ガ
イドプレート58Lまたは58Rがそれぞれ取り付けら
れている。
【0144】ガイドプレート58Rには、ガイド穴59
Rおよび63Rが設けられており、また、図11および
図12においては隠れて見えないが、ガイドプレート5
8Lにも、ガイド穴59Rまたは63Rとそれぞれ同様
のガイド穴59Lまたは63Lが設けられている。
【0145】上カバー52の、下カバー51と結合され
ている方と反対側には、上面方向に反射面が形成された
ハーフミラー61が、その上部の左右に設けられた回転
ピン60Lおよび60Rを中心に回動可能なように取り
付けられている。また、このハーフミラー61の下部の
右側には、ガイドピン62Rが形成されており、このガ
イドピン62Rは、ガイドプレート58Rのガイド穴6
3Rに通されている。図11および図12においては隠
れて見えないが、ハーフミラー61の下部の左側にも、
ガイドピン62Rと同様のガイドピン62Lが形成され
ており、このガイドピン62Lは、ガイドプレート58
Lのガイド穴63Lに通されている。
【0146】上カバー52の、ハーフミラー61が取り
付けられた位置よりも、背面方向の位置には、凹面鏡5
4Lおよび54Rが形成された凹面鏡部54が取り付け
られている。即ち、凹面鏡部54は、回転ピン56Lま
たは56Rをそれぞれ用いて、上カバー52の内側の左
または右の側面に取り付けられており、この回転ピン5
6Lおよび56Rを中心として回動可能なようになされ
ている。
【0147】また、凹面鏡部54の下部の右側には、ガ
イドピン57Rが形成されており、このガイドピン57
Rは、ガイドプレート58Rのガイド穴59Rに通され
ている。図11および図12においては隠れて見えない
が、凹面鏡部54の下部の左側にも、ガイドピン57R
と同様のガイドピン57Lが形成されており、このガイ
ドピン57Lは、ガイドプレート58Lのガイド穴59
Lに通されている。
【0148】上カバー52の、ハーフミラー61が取り
付けられた位置と、凹面鏡部54が取り付けられた位置
との中間付近には、表示パネル12Lおよび12Rが、
底面方向に向けて固定されている。なお、表示パネル1
2Lおよび12Rは、図12(B)に示すように、上カ
バー52が空けられたときに、その表示画面が、凹面鏡
54Lおよび54Rの主平面に対して垂直になるように
固定されている。
【0149】また、上カバー52の表示パネル12Lま
たは12Rが取り付けられた部分には穴が空けられ、拡
散板(外光取り入れ用拡散板)55Lまたは55Rがそ
れぞれ設けられており、これにより、表示パネル12L
または12Rには、拡散板55Lまたは55Rによって
拡散された外光がそれぞれ入射するようになされてい
る。
【0150】ここで、第3の実施の形態においては、表
示パネル12Lまたは12Rにおいて、拡散板55Lま
たは55Rによって拡散された外光をそれぞれ用いて画
像が表示されるようになされている。即ち、第3の実施
の形態では、表示パネル12Lおよび12Rにおいて、
外光の透過量を変えることにより画像が表示されるよう
になされている。
【0151】これに対し、上述の第1および第2の実施
の形態においては、通常のバックライトからの光の透過
量を、例えば、液晶ライトバルブ(bulb)などの表示パ
ネル12Lおよび12Rにおいて変えることにより画像
が表示されるようになされている。
【0152】なお、第1および第2の実施の形態では、
以上のように、光の透過を制御することによって画像を
表示する透過光制御型デバイスの他、例えば、画素単位
で発光する発光素子(例えば、発光ダイオードなど)に
よって画像を表示する自発光型デバイス、光の反射を制
御することによって画像を表示する反射光制御型デバイ
スなどによって、画像を表示するようにすることも可能
である。
【0153】また、第3の実施の形態においても、外光
を用いるのではなく、上述のようなデバイスを用いて、
画像を表示するようにすることが可能である。さらに、
いわゆるバックライトと外光とを併用することも可能で
ある。即ち、外光を補助的に用いることも可能である。
【0154】なお、第3の実施の形態においては、画像
信号処理部22は、図12に示すように、第1の実施の
形態における場合に比較して、背面方向に設けられてい
る。
【0155】以上のように構成される携帯型表示装置に
おいては、上カバー52が閉じられているときには、図
12(A)に示すように、ガイドピン62R(ガイドピ
ン62Lについても同様)が、ガイド穴63Rにの底面
方向の端に位置している。これにより、ハーフミラー6
1は、上面および底面と平行な状態で、底面側に収納さ
れる。
【0156】また、このとき、ガイドピン57R(ガイ
ドピン57Lについても同様)が、ガイド穴59Rの背
面方向の端に位置している。これにより、凹面鏡部54
は、凹面鏡54Lおよび54Rの主平面が上面および底
面と平行な状態、即ち、横臥状態で収納される。なお、
凹面鏡部54は、上面側に収納されるようになされてお
り、これにより、底面側に収納されるハーフミラー61
と接触しないようになされている。
【0157】以上のように、上カバー52が閉じている
場合、凹面鏡部54およびハーフミラー61は、ともに
横臥状態に配置されて収容される。
【0158】そして、上カバー52が開かれると、図1
1および図12(B)に示すように、上カバー52が開
くことによって、ハーフミラー61が回転ピン60Lお
よび60Rを中心として回動しながら引き上げられ(起
こされ)、これにより、ガイドピン62R(ガイドピン
62Lについても同様)がガイド穴63Rに沿って移動
する。そして、ガイドピン62Rがガイド穴63Rの上
面方向の端に到達すると、ガイドプレート58R(ガイ
ドプレート58Lについても同様)が、ガイドピン62
Rによって、ピン53を中心として回動しながら引き上
げられる。
【0159】また、上カバー52が開くことによって、
ハーフミラー61だけでなく、凹面鏡部54も、回転ピ
ン56Lおよび56Rと中心として回動しながら引き上
げられ、これにより、ガイドピン57R(ガイドピン5
7Lについても同様)がガイド穴59Rに沿って移動す
る。
【0160】その後、ガイドプレート58Rが下カバー
51と形成する角度が所定の角度となると、上カバー5
2はロックされる(例えば、図示せぬ凸部が、同じく図
示せぬ凹部に嵌まることによってロックされる)。
【0161】このとき、ガイドピン57Rは、ガイド穴
59Rの正面方向の端に到達し、これにより、凹面鏡部
54は、そこに形成されている凹面鏡54Lおよび54
Rの主平面が、表示パネル12Lおよび12Rの表示画
面と垂直になるような状態(起立状態)に配置される。
また、ハーフミラー61は、表示パネル12Lまたは1
2Rが表示する画像としての光を90度反射して、凹面
鏡部54LまたはRにそれぞれ入射させるような状態に
配置される。
【0162】この状態において、表示パネル12Lまた
は12Rそれぞれに、情報としての画像(映像)が表示
されると、即ち、表示パネル12Lまたは12Rの透過
率が、画像に対応して制御され、拡散板55Lまたは5
5Rで拡散された外光が、表示パネル12Lまたは12
Rを透過すると、それぞれの透過光である画像は、ハー
フミラー61で90度反射され、凹面鏡54Lまたは5
4Rにそれぞれ入射する。凹面鏡54Lおよび54Rで
は、ハーフミラー61からの画像が180度反射される
ことにより拡大され、これにより虚像が形成される。ユ
ーザは、この虚像を、ハーフミラー61を介して観賞す
る。
【0163】なお、図11または図12(B)に示した
状態から、凹面鏡部54およびハーフミラー61を、図
12(A)に示したように収容する場合には、例えば、
上カバー52を、所定の力で、下方向に押圧すれば良
い。この場合、上カバー52のロックがはずれ、上カバ
ー52が底面方向に回動し、これに伴い、ガイドプレー
ト58Lおよび58Rも底面方向に回動する。さらに、
ガイドピン57Rまたは62Rが、上述した場合とは逆
に、ガイド穴59Rまたは63Rに沿って、背面方向ま
たは底面方向にそれぞれ移動し、凹面鏡部54およびハ
ーフミラー61は、徐々に倒れていく。そして、上カバ
ー52が完全に閉じられると、その位置でロックがかか
り、これにより、図12(A)に示したように、上カバ
ー52は閉じた状態に保持される。
【0164】凹面鏡は、凸レンズに比較して軽量化が可
能であり、従って、この場合、装置の軽量化を図ること
が可能となる。
【0165】次に、図13および図14は、本発明の携
帯型表示装置の第4の実施の形態を示す斜視図である。
なお、図13または図14において、図1または図2に
それぞれおける場合と対応する部分については、同一の
符号を付してある。
【0166】即ち、図1および図2で説明した第1の実
施の形態においては、ユーザの左眼に観察させる虚像を
形成するためのレンズ11Lおよび表示パネル12L
と、右眼に観察させる虚像を形成するためのレンズ11
Rおよび表示パネル12Rとが設けられていたが、第4
の実施の形態においては、そのうちの一方だけが設けら
れている。
【0167】従って、この場合、左眼または右眼のうち
のいずれか一方でしか虚像を観察することができない
が、さらなる装置の小型化を図ることが可能となる。
【0168】次に、図15は、本発明の携帯型表示装置
の第5の実施の形態を示す斜視図である。なお、図中、
図1における場合と対応する部分については、同一の符
号を付してある。
【0169】即ち、第5の実施の形態においては、カバ
ー2に、操作ボタン3の他、表示パネル70が設けられ
ている。この表示パネル70には、筐体1に収容されて
いる表示パネル12Lおよび12R(図15において
は、図示せず)に表示させる画像と同一の画像を表示さ
せることができるようになされており、従って、ユーザ
は、カバー2を空けなくても、そこに情報を表示させる
ことで、その内容を確認することができる。
【0170】なお、以上の実施の形態においては、カバ
ー2または上カバー52を回動する(開く)ことによ
り、拡大光学系が露出状態になるような機構としたが、
その他、例えば、図16(A)に示すように、拡大光学
系(ここでは、レンズ11)が、上蓋71と下蓋72か
らなる筐体に収容されている場合において、同図(B)
に示すように、上蓋71と下蓋72とをずらすように引
っ張ったり、また、同図(C)に示すように、上蓋71
または下蓋72を上方向または下方向にそれぞれ引っ張
ったりすることなどにより、拡大光学系が露出状態とな
るような機構とすることも可能である。
【0171】また、装置の小型化の観点からは、例え
ば、図17に示すように、レンズ11と表示パネル12
との間の距離を変えられるような機構としても良い。
【0172】さらに、上述の実施の形態においては、通
信機能部21および画像信号処理部22を、筐体の内部
に設けるようにしたが、これらは、外部に設けるように
することも可能である。
【0173】次に、図18乃至図21は、本発明の携帯
型表示装置の、さらに他の実施の形態の構成を示してい
る。なお、図18および図20は、携帯型表示装置の斜
視図であり、図19および図21は、その右側面の断面
図(右側面方向から見た断面図)である。
【0174】この携帯型表示装置は、使用しないとき
(不使用時)には、図18および図19に示すようにミ
ラーカバー84が閉じた状態とされ、これにより、携帯
に便利なようになされている。また、使用するとき(使
用時)には、図20および図21に示すようにミラーカ
バー84が開けられ、これにより、レンズ90が露出状
態になるようになされている。そして、レンズ90が露
出状態となると、例えば、光源からの光を反射すること
で画像を表示する反射型の表示パネル(反射型画像表示
パネル)95に表示される情報としての画像(映像)
が、レンズ90によって拡大され、これにより形成され
る虚像がユーザに提供されるようになされている。
【0175】即ち、不使用時には、図18および図19
に示すように、ミラーカバー84が閉じた状態とされ、
レンズ90(さらには、後述する反射ミラー93も)
は、携帯電話機のような形状の筐体81に収容された収
容状態とされている。
【0176】筐体81の正面には、その上部から、ミラ
ーカバー84、携帯型表示装置に種々の処理を指令し、
また、必要な情報を入力するための操作ボタン82、お
よび音声を出力するためのスピーカ83が順次設けられ
ている。
【0177】ミラーカバー84の、筐体81の内部側の
面には、反射面が内部側に向けられた反射ミラー93が
設けられている。さらに、ミラーカバー84の上部に
は、反射ミラー回転ピン85が設けられており、この反
射ミラー回転ピン85の左端または右端が、筐体81の
左または右の側面に設けられた反射ミラー回転穴86L
または86Rに通されている。これにより、ミラーカバ
ー84は、反射ミラー回転ピン85を中心として回動
(開閉)するようになされている。
【0178】また、ミラーカバー84の、反射ミラー回
転ピン85が取り付けられた方の反対側には、レンズ回
転ピン87が、反射ミラー回転ピン85と平行に取り付
けられている。そして、レンズ回転ピン87の右端は、
レンズ90を保持しているレンズホルダ89の右側面に
設けられたレンズ回転穴88Rに通されている。なお、
図18乃至図21においては、隠れて見えないが、レン
ズ回転ピン87の左端も、レンズホルダ89の左側面に
設けられたレンズ回転穴88Lに通されている。これに
より、レンズホルダ89は、レンズ回転穴88Lおよび
88Rを回動中心として回動することができるようにな
されている。
【0179】レンズホルダ89のレンズ回転穴88Lお
よび88Rが設けられた側とは反対側には、レンズスラ
イドピン91が設けられている。そして、レンズスライ
ドピン91の左端または右端は、筐体81の内部の左側
面または右側面に、上下方向に設けられたスライド溝9
2Lまたは92Rにそれぞれ通されており、これによ
り、レンズスライドピン91は、スライド溝92Lおよ
び92Rに沿って、上下方向にスライドすることができ
るようになされている。
【0180】ミラーカバー84に設けられた反射ミラー
93は、ミラーカバー84が閉じた状態で、筐体81の
正面と平行になるように取り付けられているが、その反
射ミラー93の、筐体81の内部側には、PBS(偏向
ビームスプリッタ)94が設けられており、さらに、P
BS94を挟んで、反射ミラー93と対向する位置に
は、表示パネル95が設けられている。また、PBS9
4の上部には、ディフューザ96、ダイクロイックミラ
ー97、および赤色、緑色、または青色の光をそれぞれ
発する発光ダイオード98R,98G,98Gが設けら
れている。
【0181】以上のように構成される携帯型表示装置に
おいては、ミラーカバー84が閉じられているときに
は、図18および図19に示すように、レンズスライド
ピン91が、スライド溝92Lおよび92Rに沿って、
筐体81の下部方向の端に位置している。さらに、この
とき、レンズ回転ピン87が、スライド溝92Lおよび
92Rの高さの位置に配置されるようになされており、
これにより、レンズホルダ89に保持されているレンズ
90は、その光軸がミラーカバー84と垂直になるよう
に(主平面がミラーカバー84と平行になるように)配
置される。
【0182】このように、ミラーカバー84が閉じてい
る場合、レンズ90は、横臥状態に配置され、筐体81
に収容されている。
【0183】そして、ミラーカバー84を開けると(ミ
ラーカバー84を、反射ミラー回転ピン85を回動中心
として回動させると)、レンズ回転ピン87が引き上げ
られ、これにより、レンズホルダ89は、レンズ回転穴
88Lおよび88Rを回動中心として回動しながら引き
上げられる。さらに、レンズホルダ89が引き上げられ
ることで、レンズスライドピン91が、スライド溝92
Lおよび92Rに沿って、上部方向に移動する。
【0184】その後、ミラーカバー84が開くことによ
って、反射ミラー83が、筐体81の正面と形成する角
度が45度程度になると、レンズスライドピン91が、
スライド溝92Lおよび92Rの上部方向の端に到達
し、これにより、レンズホルダ90に保持されたレンズ
90の光軸が、反射ミラー93の反射面と形成する角度
が45度程度になる状態で、ミラーカバー84がロック
される。
【0185】即ち、レンズ90は、図18および図19
に示した横臥状態から、図20および図21に示すよう
に起立状態になる。
【0186】このような状態において、ユーザは、スピ
ーカ83に右耳を近づけ、右眼で、レンズ90をのぞき
込むようにすることで、虚像を観察することができる。
【0187】即ち、図22は、携帯型表示装置が図20
および図21に示した状態とされた場合の光学系の概略
図を示している。
【0188】発光ダイオード98R,98G,98Bが
発する光は、いずれも、ダイクロイックミラー97およ
びディフューザ96を介して、PBS94に入射する。
PBSでは、ディフューザ96を介して入射する光が、
90度反射され、表示パネル95に照射される。表示パ
ネル95では、そこに入射する光が、表示すべき画像信
号にしたがって反射され、その反射光は、PBS94を
介して、反射ミラー93に入射する。反射ミラー93で
は、表示パネル95から、PBS94を介して照射され
る反射光としての画像が、90度反射され、接眼レンズ
90を介して、ユーザの眼球に入射する。これにより、
ユーザの眼球においては、表示パネル95で表示された
画像に対応する虚像が観察される。
【0189】なお、この携帯型表示装置は、後述するよ
うに通信機能を有している。そして、レンズホルダ89
には、図20に示すように、ユーザが、スピーカ83に
右耳を近づけ、右眼で、レンズ90をのぞき込むように
した状態で、ユーザの発話を取り込むことができるよう
な位置に、マイク(マイクロフォン)99が設けられて
おり、これにより、ユーザは、虚像を観察しながら、通
信機能を利用して、他のユーザと電話すること等ができ
るようになされている。即ち、この場合、ユーザが発す
る音声は、マイク99で取り込まれ、他のユーザからの
音声は、スピーカ83から出力される。
【0190】また、図20および図21に示した状態か
ら、レンズ90を、図18および図19に示したよう
に、筐体81に収容する場合には、ミラーカバー84
を、筐体81の内部方向に押圧して閉じれば良い。この
場合、レンズスライドピン91が、上述した場合とは逆
に、筐体81の下部方向に移動し、これにより、レンズ
90は、それを保持しているレンズホルダ89とともに
徐々に倒れていく。そして、ミラーカバー84を、筐体
81の正面の位置まで押下すると、ロックがかかり、こ
れにより、図18および図19に示したように、ミラー
カバー84は閉じた状態に保持される。
【0191】次に、図23は、図18乃至図21の実施
の形態における光学系の、より詳細な構成を示してい
る。
【0192】発光ダイオード98Rが発する赤色の光
は、赤色用のリレーレンズ101Rおよびフィールドレ
ンズ102Rを介することにより、その向きが調整さ
れ、ダイクロイックプリズム(ミラー)97に入射す
る。発光ダイオード98Gまたは98Bが発する緑色ま
たは青色の光も、緑色または青色用のリレーレンズ10
1Gおよびフィールドレンズ102Gまたはリレーレン
ズ101Bおよびフィールドレンズ102Bをそれぞれ
介することにより、それぞれの向きが調整され、ダイク
ロイックプリズム97に入射する。以下、上述した場合
と同様にして、ユーザの眼球において、虚像が観察され
る。
【0193】次に、図18乃至図21の実施の形態で
は、発光ダイオード98R,98G、または98Bが発
する赤色、緑色、または青色の光を、表示パネル95に
照射して反射させるようにしていることからカラーの画
像が表示されるが、ここでは、カラー画像の表示方法と
して、赤色、緑色、または青色それぞれの光を、時分割
で照射することによって、カラー画像の表示を行う、い
わゆるフィールドシーケンシャル方式が採用されてい
る。
【0194】図24は、フィールドシーケンシャル方式
によってカラー画像の表示を行うための回路の構成例を
示している。
【0195】コントローラ135には、ユーザに提示す
べき画像信号(カラーの画像信号)VSが供給されるよ
うになされており、そこでは、その画像信号VSに対応
して、LED(発光ダイオード)駆動回路134R、1
34G,134B、映像信号処理回路166、およびラ
イトバルブ駆動回路168が制御されるようになされて
いる。映像信号処理回路166にも、ユーザに提示すべ
き画像信号VSが供給されるようになされており、そこ
では、その画像信号VSから、その赤色、緑色、または
青色の成分にそれぞれ相当する赤色画像、緑色画像、ま
たは青色画像が生成されるようになされている。映像信
号処理回路166において生成された赤色画像、緑色画
像、および青色画像は、いずれも画像メモリ167に供
給されて記憶されるようになされている。ライトバルブ
駆動回路168は、コントローラ135の制御の下、画
像メモリ167の記憶値に基づいて、表示パネル95を
制御(駆動)するようになされている。LED駆動回路
134R,134G,134Bは、コントローラ135
の制御にしたがって、発光ダイオード(LED)98
R,98G,98Gをそれぞれ駆動するようになされて
いる。
【0196】次に、図25のタイミングチャートを参照
して、その動作について説明する。
【0197】コントローラ135は、そこに入力される
画像信号VSに同期して、1フレームまたは1フィール
ドの期間を3等分するタイミング信号を生成し、映像信
号処理回路166およびライトバルブ駆動回路168に
供給する。映像信号処理回路166は、そこに入力され
る画像信号VSから、赤色画像、緑色画像、および青色
画像を生成し、コントローラ135からのタイミング信
号に同期して、それぞれを順次出力する。映像信号処理
回路166が出力する赤色画像、緑色画像、または青色
画像は、画像メモリ167に供給されて一時記憶され
る。
【0198】そして、ライトバルブ駆動回路168は、
コントローラ135からのタイミング信号に同期して、
画像メモリ167に記憶された赤色画像、緑色画像、青
色画像を順次読み出し、各画像にしたがって、表示パネ
ル95を構成する各画素の反射率を制御する。これによ
り、表示パネル95では、図25(D)に示すように、
赤色、緑色、青色の各階調の画像が、1フレームまたは
1フィールドの期間を3等分したそれぞれの期間におい
て表示される。
【0199】一方、コントローラ135は、表示パネル
95において、赤色画像、緑色画像、青色画像がそれぞ
れ表示されるタイミングに同期して、発光ダイオード9
8R,98G,98Gが順次点灯するように、LED駆
動回路134R,134G,134Bをそれぞれ制御す
る。その結果、図25(A)乃至図25(C)に示した
ように、表示パネル95が赤色画像、緑色画像、青色画
像を表示するタイミングにおいて、発光ダイオード98
R,98G,98Gがそれぞれ点灯し、赤色、緑色、青
色の光が、表示パネル95に照射される。
【0200】以上のようにして、表示パネル95では、
赤色画像、緑色画像、青色画像が順次切り換えられて表
示されるが、いわゆる残像効果により、ユーザにおいて
は、カラーの画像として認識される。
【0201】なお、表示パネル95として、カラーの反
射型画像表示パネルを利用する場合においては、赤色、
緑色、青色の光をそれぞれ発する3つの発光ダイオード
98R,98G,98Gは必要なく、白色光を発する1
のダイオードや、1の蛍光表示管、その他の1の光源だ
けで足りる。また、カラー画像の表示方法は、上述した
ような手法に限定されるものではない。
【0202】次に、図26は、図18乃至図21に示し
た携帯型表示装置の電気的構成例を示している。
【0203】通信機能部201は、通信機能を有する各
種の情報処理装置との間の通信制御を行うようになされ
ている。即ち、通信機能部201は、例えば、モデム2
02およびターミナルアダプタ203で構成されてい
る。モデム202は、例えば、アナログ公衆網などのア
ナログ回線と接続された電話機などの情報処理装置との
間の通信を制御する。また、ターミナルアダプタ203
は、ISDN(Integrated Service Digtal Network)
などのディジタル回線と接続された情報処理装置や、そ
の他のディジタル信号をやりとりするPHS(Personal
Handy Phone)などとの間の通信を制御する。なお、通
信機能部201には、モデムやターミナルアダプタ以外
の通信機能を持たせることが可能である。
【0204】信号切替コントローラ204は、モデム2
02またはターミナルアダプタ203が、外部から受信
した信号を、中央演算処理装置205に出力し、また、
中央演算処理装置204から受信した信号を、モデム2
02またはターミナルアダプタ203に出力するように
なされている。中央演算処理装置205は、ROM(Re
ad Only Memory)207に記憶されたOS(Operating
System)の制御の下、同じくROM207に記憶されて
いる各種のアプリケーションプログラムにしたがって、
各種の処理を行うとともに、信号切替コントローラ20
4や、RAM(Random Access Memory)206、映像表
示部コントローラ209を制御するようになされてい
る。RAM206は、中央演算処理装置205の動作上
必要なデータなどを一時記憶するようになされている。
ROM207は、OSやアプリケーションプログラムな
どを記憶している。フレームメモリ208は、図24の
画像メモリ167に相当するもので、ユーザに提示すべ
き画像を一時記憶するようになされている。映像表示部
コントローラ209は、図24のLED駆動回路134
R,134G,134B、コントローラ135、映像信
号処理回路166、およびライトバルブ駆動回路168
に相当する。映像表示部210は、図24の表示パネル
95、発光ダイオード98R,98G、および98Bに
相当する。
【0205】以上のように構成される携帯型表示装置で
は、例えば、操作ボタン82が、所定の情報処理装置に
アクセスするように操作されると、その操作に対応する
操作信号が、中央演算処理装置205に供給される。こ
の場合、中央演算処理装置205は、信号切替コントロ
ーラ204を介して、通信機能部201を制御し、所定
の情報処理装置にアクセスさせる。これにより、所定の
情報処理装置から画像信号が送信されてくると、その画
像信号は、通信機能部201で受信され、信号切替コン
トローラ204を介して、中央演算処理装置205に供
給される。中央演算処理装置205は、この画像信号
を、RAM206に一旦記憶させ、その後、映像表示部
コントローラ209に供給する。映像表示部コントロー
ラ209は、中央演算処理装置205から画像信号を受
信すると、それを、フレームメモリ208に一時記憶さ
せる。そして、映像表示部コントローラ209は、フレ
ームメモリ208に記憶された画像信号を、必要なタイ
ミングで読み出し、映像表示部210に供給して表示さ
せる。
【0206】なお、ユーザがマイク99に入力した音声
は、中央演算処理装置205および信号切替コントロー
ラ204を介して、通信機能部201に供給されて送信
される。また、通信機能部201において音声が受信さ
れた場合には、その音声は、信号切替コントローラ20
4および中央演算処理装置205を介して、スピーカ8
3に供給されて出力される。
【0207】以上、本発明の携帯型表示装置について説
明したが、本発明は、例えば、携帯電話機や、携帯型の
テレビジョン受像機、電子手帳装置、その他の携帯して
使用される、情報の表示が可能なあらゆる装置に適用可
能である。
【0208】
【発明の効果】以上の如く、本発明の携帯型表示装置に
よれば、不使用時と使用時とで、表示手段に表示された
情報を拡大することにより虚像を形成する拡大光学系の
配置状態が変化されるので、携帯に便利で、多くの情報
を虚像により見やすく提示することが可能な、従来より
小型の装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の携帯型表示装置の第1の実施の形態の
構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の携帯型表示装置の第1の実施の形態の
構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の携帯型表示装置の第1の実施の形態の
構成を示す断面図である。
【図4】第1の実施の形態の光学系の構成を説明するた
めの図である。
【図5】本発明の携帯型表示装置の第2の実施の形態の
構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の携帯型表示装置の第2の実施の形態の
構成を示す断面図である。
【図7】虚像の大きさを可変にする原理を説明するため
の図である。
【図8】虚像を、ユーザからの距離と大きさを変化させ
て表示した状態を示す図である。
【図9】第2の実施の形態の電気的構成例を示すブロッ
ク図である。
【図10】虚像が形成される方向を変化させる方法を説
明するための図である。
【図11】本発明の携帯型表示装置の第3の実施の形態
の構成を示す斜視図である。
【図12】本発明の携帯型表示装置の第3の実施の形態
の構成を示す断面図である。
【図13】本発明の携帯型表示装置の第4の実施の形態
の構成を示す斜視図である。
【図14】本発明の携帯型表示装置の第4の実施の形態
の構成を示す斜視図である。
【図15】本発明の携帯型表示装置の第5の実施の形態
の構成を示す斜視図である。
【図16】本発明の携帯型表示装置の第6の実施の形態
の構成を示す側面図である。
【図17】レンズ11と表示パネル12との間の距離が
可変とされた携帯型表示装置の構成例を示す断面図であ
る。
【図18】本発明の携帯型表示装置の第7の実施の形態
の構成を示す斜視図である。
【図19】本発明の携帯型表示装置の第7の実施の形態
の構成を示す断面図である。
【図20】本発明の携帯型表示装置の第7の実施の形態
の構成を示す斜視図である。
【図21】本発明の携帯型表示装置の第7の実施の形態
の構成を示す断面図である。
【図22】携帯型表示装置の第7の実施の形態の光学系
の構成を示す断面図である。
【図23】携帯型表示装置の第7の実施の形態の光学系
のより詳細な構成を示す断面図である。
【図24】フィールドシーケンシャル方式によりカラー
画像を表示する回路の構成例を示すブロック図である。
【図25】図24の回路の動作を説明するためのタイミ
ングチャートである。
【図26】携帯型表示装置の第7の実施の形態の電気的
構成例を示すブロック図である。
【図27】従来の携帯型表示装置の一例の構成を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 筐体, 2 カバー, 3 操作ボタン, 4 組
み立てつまみ, 11L,11R レンズ, 12L,
12R 表示パネル, 13 カバーピン,14L,1
4R レンズリンク, 15D,15U レンズピン,
16L,16R レンズ溝, 17L,17R パネ
ルリンク, 18D,18U パネルピン, 19L,
19R パネル溝, 21 通信機能部, 22 画像
信号処理部, 31L,31R レンズカーブ溝, 3
2 パネルボックス, 32D底面パネル板, 32U
上面パネル板, 33L,33R ボックスリンク,
34D,34U ガイドシャフト, 35R,36R
シャフト溝, 37L,37R パネルピン, 38
L,38R V字溝, 41 画像信号処理用コンピュ
ータ, 42 虚像距離制御用コンピュータ, 43
モータ駆動回路, 44 表示制御部, 45 虚像距
離制御用モータ, 51 下カバー,52 上カバー,
53 ピン, 54 凹面鏡部, 54L,54R
凹面鏡, 55L,55R 拡散板, 56L,56R
回転ピン, 57R ガイドピン, 58L,58R
ガイドプレート, 59R ガイド穴, 60L,6
0R 回転ピン, 61 ハーフミラー, 62R ガ
イドピン, 63R ガイド穴, 70 表示パネル,
71 上蓋, 72 下蓋
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 義禮 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 情報を表示する表示手段と、 前記表示手段に表示された情報としての画像を拡大する
    ことにより虚像を形成する拡大光学系とを備える携帯型
    表示装置であって、 不使用時と使用時とで、前記拡大光学系の配置状態が変
    化されることを特徴とする携帯型表示装置。
  2. 【請求項2】 前記拡大光学系は、不使用時に、筐体に
    収容された収容状態とされ、使用時に、前記筐体から露
    出した露出状態とされることを特徴とする請求項1に記
    載の携帯型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記拡大光学系は、使用時にのみ、前記
    表示手段に表示された情報としての光が入射するような
    配置状態にされることを特徴とする請求項1に記載の携
    帯型表示装置。
  4. 【請求項4】 蓋の付いた筐体をさらに備え、 前記蓋が閉じているときと開いているときとで、前記拡
    大光学系の配置状態が変化され、 前記蓋が開いているとき、前記拡大光学系は、前記表示
    手段の表示画面を拡大して虚像を形成することができる
    ように配置されることを特徴とする請求項1に記載の携
    帯型表示装置。
  5. 【請求項5】 前記表示手段は、外光のみを用いて、ま
    たは外光を補助的に用いて、情報を表示することを特徴
    とする請求項1に記載の携帯型表示装置。
  6. 【請求項6】 前記拡大光学系は、凸レンズまたは凹面
    鏡で構成されることを特徴とする請求項1に記載の携帯
    型表示装置。
  7. 【請求項7】 前記拡大光学系として、左眼用の光学系
    と右眼用の光学系とを備えることを特徴とする請求項1
    に記載の携帯型表示装置。
  8. 【請求項8】 前記表示手段として、左眼用の表示手段
    と右眼用の表示手段とを備え、 前記左眼用の光学系または右眼用の光学系は、前記左眼
    用の表示手段または右眼用の表示手段に表示された情報
    を拡大した虚像をそれぞれ形成することを特徴とする請
    求項7に記載の携帯型表示装置。
  9. 【請求項9】 前記左眼用の表示手段または右眼用の表
    示手段は、左眼用または右眼用の情報をそれぞれ表示
    し、 前記左眼用の光学系または右眼用の光学系は、前記左眼
    用の表示手段または右眼用の表示手段に表示された情報
    を拡大することにより、立体的な虚像を形成することを
    特徴とする請求項8に記載の携帯型表示装置。
  10. 【請求項10】 前記拡大光学系により形成される前記
    虚像の、ユーザからの距離、その大きさ、または方向を
    変化させる変化手段をさらに備えることを特徴とする請
    求項1に記載の携帯型表示装置。
  11. 【請求項11】 前記情報に対応して、前記変化手段を
    制御する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求
    項10に記載の携帯型表示装置。
  12. 【請求項12】 前記変化手段を制御するときに操作さ
    れる操作手段をさらに備えることを特徴とする請求項1
    0に記載の携帯型表示装置。
  13. 【請求項13】 外部から情報を受信、または外部に情
    報を送信する通信手段をさらに備えることを特徴とする
    請求項1に記載の携帯型表示装置。
  14. 【請求項14】 ユーザの頭部に搭載可能なようになさ
    れていることを特徴とする請求項1に記載の携帯型表示
    装置。
  15. 【請求項15】 前記表示手段の配置状態も、前記拡大
    光学系の配置状態とともに変化されることを特徴とする
    請求項1に記載の携帯型表示装置。
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