JPH10222036A - 画像形成装置のクリーニング装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーの漏れを確実に防止することができる
構造を有するサイドシールを備えた画像形成装置のクリ
ーニング装置を提供すること。 【解決手段】 クリーニングブレード３と、ハウジング
４と、フィルムシール５と、サイドシール６とを備えた
画像形成装置のクリーニング装置において、サイドシー
ル６を、感光体２の表面に接触する低摩擦層１０と、こ
の低摩擦層１０を支持する弾性部材９とから構成すると
ともに、弾性部材９の感光体２の回転方向に関しての下
流側にクリーニングブレード３の先端部が入り込む形状
を有する段部を形成し、上流側にフィルムシール５に倣
った傾斜面を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の画像形成装置において使用されるクリーニング装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、電子写真方式の画像形成装置
においては、ドラム状或いはベルト状の感光体の表面が
一様に帯電され、この帯電された感光体の表面が画像情
報を含む光で露光されて画像情報に対応した静電潜像が
形成され、この静電潜像がトナーにより現像されてトナ
ー像が感光体の表面に形成される。このトナー像は、用
紙上に転写された後、用紙に定着される。また、感光体
の表面に残ったトナーは、クリーニング装置により除去
される。

【０００３】上記クリーニング装置は、感光体の表面に
接触して感光体表面上のトナーを掻き落とすクリーニン
グブレード、掻き落とされたトナーを収納するハウジン
グ、ハウジング内に収納されたトナーが外部に漏れるの
を防止するためにクリーニングブレードに対向して配置
されたフィルムシール、トナーが感光体の軸方向に関す
る両方の端部から外部に漏れるのを防止するためにクリ
ーニングブレードとフィルムシールの両方の端部に設け
られたサイドシール等を備えている。

【０００４】上記サイドシールは、クリーニングブレー
ドとフィルムシールの両方の端部に圧接されるととも
に、感光体の表面に圧接されてトナーの漏れを防止する
ものであるが、サイドシールの寸法誤差や張り付け位置
の誤差により、サイドシールとクリーニングブレードと
の間に隙間が発生したり、また、サイドシールによりフ
ィルムシールが部分的に押されることによりフィルムシ
ールが波状に変形してフィルムシールと感光体の表面と
の間に隙間が発生して、これらの隙間からトナーが外部
に漏れることがある。クリーニング装置からトナーが漏
れると、このトナーが感光体の表面に付着し、用紙の白
色部分を汚してしまうという問題が生じる。

【０００５】そこで、特開平６−３０８８７０号公報に
記載の装置においては、サイドシールを、クリーニング
ブレードとフィルムシールの隙間を遮断する形状とし、
なおかつ感光体に当接させる形状とすることにより、ク
リーニング装置の軸方向端部からのトナー漏れを防止し
ている。しかしながら、同公報に記載の装置の構成で
は、サイドシールと感光体との間の摩擦によりサイドシ
ールが変形して、サイドシールとクリーニングブレード
との間、或いは、サイドシールとフィルムシールとの間
に隙間が生じたり、サイドシールがクリーニングブレー
ドに巻き込まれるというような不都合が生じる。

【０００６】また、特開平４−１８１２８０号公報に
は、スポンジ状の弾性体の上にフッ素樹脂等の低摩擦部
材からなる平滑な多孔質体を重畳して構成することによ
り、感光体との間の摩擦を減らしてサイドシールの変形
を防止することが記載されている。しかしながら、低摩
擦部材は、硬くて柔軟性が劣るため、クリーニングブレ
ードの動きに伴って隙間が発生してしまうという問題が
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、クリ
ーニングブレードが大きく動いた場合でもトナーの漏れ
を確実に防止することができる構造を有するサイドシー
ルを備えた画像形成装置のクリーニング装置を提供する
ことを課題とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、感光体の表面
に接触して感光体表面上のトナーを掻き落とすクリーニ
ングブレードと、掻き落とされたトナーを収納するハウ
ジングと、このハウジング内に収納されたトナーが外部
に漏れるのを防止するために前記クリーニングブレード
に対向して配置されたフィルムシールと、トナーが前記
感光体の軸方向に関する両方の端部から外部に漏れるの
を防止するために前記クリーニングブレードと前記フィ
ルムシールの両方の端部に設けられたサイドシールとを
備えた画像形成装置のクリーニング装置において、前記
サイドシールを、前記感光体の表面に接触する低摩擦層
とこの低摩擦層を支持する弾性部材とから構成するとと
もに、前記弾性部材の前記感光体の回転方向に関しての
下流側に前記クリーニングブレードの先端部が入り込む
形状を有する段部を形成し、上流側に前記フィルムシー
ルに倣った傾斜面を形成したことを特徴とする。

【０００９】前記低摩擦層は、前記感光体の軸方向に関
して外側方向に張り出した形状とすることが望ましい。

【００１０】

【実施例】図１は、画像形成装置のクリーニング装置の
実施例を示す概略断面図である。クリーニング装置１
は、ドラム状の感光体２の表面に接触して感光体２表面
上のトナーを掻き落とすクリーニングブレード３、掻き
落とされたトナーを収納するハウジング４、ハウジング
４内に収納されたトナーが外部に漏れるのを防止するた
めにクリーニングブレード３に対向して配置されたフィ
ルムシール５、トナーが感光体２の軸方向に関する両方
の端部から外部に漏れるのを防止するためにクリーニン
グブレード３とフィルムシール５の両方の端部に設けら
れたサイドシール６等を備えている。

【００１１】上記ハウジング４の感光体２と対向する部
分には、感光体２の軸方向に沿って開口部７が形成され
ており、この開口部７の感光体２の回転方向に関しての
上流側のハウジング４の縁部４ａに上記フィルムシール
５の基端部が取り付けられ、このフィルムシール５の先
端部は感光体２の表面に接触している。また、開口部７
の感光体２の回転方向に関しての下流側のハウジング４
の縁部４ｂには、上記クリーニングブレード３の基端部
が取付部材８により付けられ、このクリーニングブレー
ド３の先端部は感光体２の表面に接触している。

【００１２】［実施例１］図２（ａ），（ｂ）は、図１
に示すクリーニング装置において使用されるサイドシー
ル６の構成例を示す断面図及び底面図である。本実施例
のサイドシール６は、開口部７の軸方向の両端部（図に
おいては一端のみ示す）に形成された支持部材４ｃに取
り付けられる弾性部材９と、この弾性部材９の少なくと
も感光体２と接触する面に形成された低摩擦部材１０と
から構成されている。弾性部材９は、たとえば、ポロン
（登録商標）等の発泡ウレタンから形成される。また、
低摩擦部材１０は、たとえば、テフロン（登録商標）、
トヨフロン（登録商標）等の四フッ化エチレンからなる
フェルトから形成される。

【００１３】サイドシール６の感光体２の回転方向に関
しての下流側で且つ感光体２側には、クリーニングブレ
ード３の先端部が入り込む形状を有する段部１１が形成
されている。また、サイドシール６の感光体２の回転方
向に関しての上流側で且つ感光体２側には、フィルムシ
ール５に倣った傾斜面１２が形成されている。

【００１４】次に、上記クリーニング装置の動作につい
て説明する。感光体２が矢印に回転すると、感光体２の
表面に残っているトナーはクリーニングブレード３で掻
き落とされ、ハウジング４内に収容される。また、クリ
ーニングブレード３に対向して設けられたフィルムシー
ル５により、掻き落とされたトナーがハウジング４の外
部に漏れることが防止される。このとき、本実施例にお
いては、サイドシール６を弾性部材９と低摩擦部材１０
の２層構造としているので、サイドシール６と感光体２
の表面との間の摩擦力が減少し、感光体２の回転時にサ
イドシール６が感光体２に引っ張られて変形することが
なくなる。したがって、サイドシール６とクリーニング
ブレード３との間、或いは、サイドシール６とフィルム
シール５との間に隙間が発生しにくくなり、サイドシー
ル６部分からのトナーの漏れを防止することができる。

【００１５】また、サイドシール６を、感光体２の回転
方向に関しての下流側をクリーニングブレード３の先端
部が入り込む形状とし、上流側にフィルムシール５に倣
った傾斜面１２を形成したので、弾性部材９によりクリ
ーニングブレード３が感光体２の表面に圧接されると共
に、フィルムシール５も感光体２の表面に圧接されるの
で、感光体２に対する密着性を高めてトナーの漏れを防
止することができる。更に、サイドシール６は、感光体
２の回転方向に関しての上流側からクリーニングブレー
ド３の先端部、すなわち、エッジ部に向けて肉厚となっ
ているので、クリーニングブレード３の近傍においてサ
イドシール６の弾力性が増加し、クリーニングブレード
３の激しい動きに対してもサイドシール６が追従し、サ
イドシール６とクリーニングブレード３との間に隙間が
発生しにくい。

【００１６】［実施例２］図３（ａ），（ｂ）は、図１
に示すクリーニング装置において使用されるサイドシー
ルの他の構成例を示す断面図及び底面図である。実施例
２においては、サイドシール６ａの表層側の低摩擦部材
１０ａを、傾斜面１２ａの上にも形成している。なお、
実施例２の場合には、傾斜面１２ａの部分の弾性部材９
ａの厚みは低摩擦部材１０ａの厚みの分だけ薄くなって
いる。

【００１７】［実施例３］図４（ａ），（ｂ）は、図１
に示すクリーニング装置において使用されるサイドシー
ルの更に他の構成例を示す斜視図及び底面図である。

【００１８】感光体２の軸方向の両端部は、感光体２の
表面に対する現像器（図示せず）や転写ロール（図示せ
ず）の位置決めを行なうための基準面であるトラッキン
グ部１３になっており、この部分に汚れやトナーが付着
すると、感光体２の速度が変動し画質の劣化を招く。す
なわち、トラッキング部１３が汚れると感光体２とトラ
ッキングロールとの間に振動が発生し、この振動により
感光体２の中心位置のずれや、駆動モータからの駆動力
伝達部で伝達損失が発生し、感光体２の周囲の周速が変
動する現象が発生する。また、感光体２の軸方向の両端
部は、中央部に比べて表面性が悪化しやすい。

【００１９】そこで、図４に示す例においては、図５に
示すように、感光体２の軸方向の両端部（図においては
一端のみ示す）を清掃するために、サイドシール６ｂの
表層側の低摩擦部材１０ｂを、感光体２の軸方向に関し
て外側方向に張り出した形状としている。これにより、
感光体２が回転したとき、サイドシール６ｂの低摩擦部
材１０ｂにより感光体２のトラッキング部１３が清掃さ
れ、感光体２の速度の変動が低減される。なお、図４に
示すサイドシール６ｂにおいても、図２に示すサイドシ
ール６の段部１１及び傾斜面１２と同様な段部１１ｂ及
び傾斜面１２ｂが形成されている。なお、図４において
は、感光体２に対する軸方向のサイドシール６ｂの位置
関係が明確に示されるように、感光体２とクリーニング
装置１の位置は、感光体２の軸に対して直交する方向に
ずらして図示されている。

【００２０】図４に示す例によれば、サイドシール６ｂ
の低摩擦部材１０ｂにより、現像器（図示せず）や転写
ロール（図示せず）の位置基準となる感光体のトラッキ
ング部１３がサイドシール６ｂの低摩擦部材１０ｂによ
り清掃され、感光体２の表面の性状が良好となるので、
感光体２の速度の変動が低減される。

【００２１】［実施例４］図６（ａ），（ｂ）は、図１
に示すクリーニング装置において使用されるサイドシー
ルの更に他の構成例を示す斜視図及び底面図である。実
施例４においては、サイドシール６ｃ表層側の低摩擦部
材１０ｃを、傾斜面１２ｃの上にも形成している。な
お、実施例４の場合には、傾斜面１２ｃの部分の弾性部
材９ｃの厚みは低摩擦部材１０ｃの厚みの分だけ薄くな
っている。

【００２２】上述した実施例１及び実施例に基づいて、
以下の３項目について実験を行なった結果を以下に示
す。

【００２３】（Ａ）プリント汚れ：プリントを２万枚出
力し、その中の汚れがあるプリントの枚数を確認した。

【００２４】（Ｂ）フィルムシール波打ち：感光体装着
状態におけるフィルムシールの変形、及び、プリントを
２万枚出力した後のフィルムシールに付着したトナーの
落下跡、又は、感光体とフィルムシールの接触跡を確認
した。

【００２５】（Ｃ）感光体速度変動率：ミナト社製レー
ザードップラー速度計により感光体の速度変動率を測定
した。

【００２６】実験結果は、表１に示す通りであった。

【００２７】

【表１】 表１から判るように、本発明の実施例によれば、プリン
ト汚れやフィルムシール波打ちは発生せず、また、感光
体速度変動率も極めて小さくすることができた。

【００２８】

【発明の効果】本発明によれば、サイドシールを弾性部
材と低摩擦部材の多層構造としているので、サイドシー
ルと感光体の表面との間の摩擦力が減少し、サイドシー
ルが変形することがなくなる。したがって、サイドシー
ルとクリーニングブレードとの間、或いは、サイドシー
ルとフィルムシールとの間に隙間が発生しにくくなり、
サイドシール部分からのトナーの漏れを防止することが
できる。

【００２９】また、サイドシールを、感光体の回転方向
に関しての下流側をクリーニングブレードの先端部が入
り込む形状とし、上流側にフィルムシールに倣った傾斜
面を形成したので、弾性部材によりクリーニングブレー
ドが感光体の表面に圧接されると共に、フィルムシール
も感光体の表面に圧接されるので、感光体に対する密着
性を高めてトナーの漏れを防止することができる。

【００３０】また、サイドシールは、感光体の回転方向
に関しての上流側からクリーニングブレードのエッジ部
に向けて肉厚となっているので、クリーニングブレード
の近傍においてサイドシールの弾力性が増加し、クリー
ニングブレードの激しい動きに対してもサイドシールが
追従し、サイドシールとクリーニングブレードとの間に
隙間が発生しにくい。

【００３１】また、サイドシールの低摩擦部材により感
光体のトラッキング部が清掃され、感光体の速度の変動
が低減される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 画像形成装置のクリーニング装置の実施例を
示す概略断面図である。

【図２】 （ａ），（ｂ）は、図１に示すクリーニング
装置において使用されるサイドシール６の構成例を示す
断面図及び底面図である。

【図３】 （ａ），（ｂ）は、図１に示すクリーニング
装置において使用されるサイドシールの他の構成例を示
す断面図及び底面図である。

【図４】 （ａ），（ｂ）は、図１に示すクリーニング
装置において使用されるサイドシールの更に他の構成例
を示す斜視図及び底面図である。

【図５】 感光体に対する図３に示すサイドシールの位
置関係を示す模式図である。

【図６】 （ａ），（ｂ）は、図１に示すクリーニング
装置において使用されるサイドシールの更に他の構成例
を示す斜視図及び底面図である。

【符号の説明】 １…クリーニング装置、２…感光体、３…クリーニング
ブレード、４…ハウジング、５…フィルムシール、６…
サイドシール、７…開口部、８…取付部材、９…弾性部
材、１０…低摩擦部材、１１…段部、１２…傾斜面、１
３…トラッキング部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光体の表面に接触して感光体表面上の
   トナーを掻き落とすクリーニングブレードと、掻き落と
   されたトナーを収納するハウジングと、このハウジング
   内に収納されたトナーが外部に漏れるのを防止するため
   に前記クリーニングブレードに対向して配置されたフィ
   ルムシールと、トナーが前記感光体の軸方向に関する両
   方の端部から外部に漏れるのを防止するために前記クリ
   ーニングブレードと前記フィルムシールの両方の端部に
   設けられたサイドシールとを備えた画像形成装置のクリ
   ーニング装置において、 前記サイドシールを、前記感光体の表面に接触する低摩
   擦層とこの低摩擦層を支持する弾性部材とから構成する
   とともに、前記弾性部材の前記感光体の回転方向に関し
   ての下流側に前記クリーニングブレードの先端部が入り
   込む形状を有する段部を形成し、上流側に前記フィルム
   シールに倣った傾斜面を形成したことを特徴とする画像
   形成装置のクリーニング装置。
2. 【請求項２】 前記低摩擦層が、前記感光体の軸方向に
   関して外側方向に張り出した形状とされていることを特
   徴とする請求項１記載の画像形成装置のクリーニング装
   置。