JPH10222028A - 像保持体の再生方法およびその装置 - Google Patents

像保持体の再生方法およびその装置

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JPH10222028A
JPH10222028A JP3266297A JP3266297A JPH10222028A JP H10222028 A JPH10222028 A JP H10222028A JP 3266297 A JP3266297 A JP 3266297A JP 3266297 A JP3266297 A JP 3266297A JP H10222028 A JPH10222028 A JP H10222028A
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JP
Japan
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image carrier
image forming
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forming substance
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JP3266297A
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English (en)
Inventor
Kakuji Murakami
格二 村上
Toshiaki Tokita
才明 鴇田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生処理回数が基準回数以上になったら画像
形成物質の除去処理前の画像除去促進液の付与を止める
ことにより、画像形成物質の除去特性を維持するととも
に、画像除去促進液を付与することによる不具合を軽減
することができる像保持体の再生方法及びその装置を提
供する。 【解決手段】 再生処理しようとする像保持体1が既に
受けている再生処理の回数とあらかじめ設定した基準回
数とを比較し、該再生処理の回数が基準回数よりも少な
いときに、像保持体1と画像形成物質との付着力を低下
させる界面活性剤を含む画像除去促進液を液付与ユニッ
ト200で像保持体に付与した後、像保持体1からの画
像形成物質の除去処理を画像剥離ユニット300で行
い、該再生処理の回数が基準回数以上のときに、像保持
体1に該画像除去促進液を付与せずに、像保持体からの
画像形成物質の除去処理を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター、印刷機等の画像形成装置で画像が形
成された像保持体から、画像を構成する画像形成物質を
除去し、該像保持体を画像形成可能な状態に再生する像
保持体の再生方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子写真法、熱転写法、ホットメ
ルト・インクを用いるインクジェット法や印刷法等のよ
うな画像形成方法を用いたプリンターや複写機、印刷機
が普及し、紙が大量に使用されている。ところが、画像
が形成される像保持体として一般に用いられる紙は木材
より得られるパルプを原料とするため、紙を大量に消費
することは、森林の伐採、地球環境の悪化につながるこ
とになり、近年、社会問題となってきつつある。更に、
これらの画像形成方法により画像が形成された像保持体
が大量に廃棄されて、ごみの処分が困難となるという問
題も生じている。
【0003】また、オーバーヘッド・プロジェクター
(OHP)用の像保持体である透明シートは、通常、ポ
リエステル・フィルム、アセテート・フィルム等のプラ
スチック・フィルムがべース材料として用いられる。フ
ィルムの原材料は石油等の化石材料から合成されたり、
紙と同様に木材から製造されるものであり、オーバーヘ
ッド・プロジェクター(OHP)用の像保持体である透
明シートを大量に使用することは、石油資源の保護、地
球環境の保全の観点から好ましくない。
【0004】これらの問題に対処するため、不要になっ
た用紙やフィルムを回収し、一旦、パルプの状態まで離
解したり、再溶融したりして再利用する方法が従来より
行なわれている。しかしながら、この方法では、再生の
ためのエネルギー効率が悪く、再生された製品は、新し
い原料を用いるよりも割高になったり、質の悪いものに
なってしまうという欠点があった。
【0005】上記従来の問題を解決するための方法とし
て、特開平4−300395号公報には、複写機で用い
られるトナーを溶解する溶剤を、コピー用紙に噴霧また
は塗布した後、クリーニング・プレードなどにより紙の
上のトナーを除去する方法が開示されている。このよう
な画像形成物質を溶解又は膨潤させて像保持体から画像
形成物質を除去する方法は、他にも多数の提案が既にな
されている。しかし、通常用いられている画像形成物質
を溶解または膨潤させるには、特殊な換気装置や溶剤回
収装置を持たない一般オフィスなどの作業場で使用する
ことが好ましくない、トルエン、キシレン、テトラヒド
ロフランなどの有機溶媒が必要である。
【0006】また、特開平1−297294号公報に
は、プラスチック、金属、液浸透性の悪い紙、あるいは
セラミックス等の非吸収性材料で形成された像保持体を
使用し、熱溶融性剥離体を加熱しながら像保持体上に重
ね、画像を像保持体から剥ぎ取る方法が開示されてい
る。特開平2−55195号公報には、表面シリコーン
シール剤をPETフィルムに張り付けて表面を離型処理
した像保持体が開示されている。また、特開平4−64
472号公報には、前記離型剤で処理された像保持体上
の画像を剥離する装置が開示されている。これらの従来
例に示されている方法および装置は、像保持体上の画像
形成物質を除去するのに画像を剥離するための液体を使
用しない点で好ましい。しかし、この方法に用いられる
像保持体は、一般に像保持体として用いられている紙
と、光沢性、表面性、厚みなどの点で大きな差があり一
般の使用には違和感がある。また、高価な離型フィルム
をラミネートしているなど、コストも高くなるという欠
点があった。更に、離型性フィルムを表面に有している
ために、画像の定着性にも問題があり、衣服や手指の摩
擦により画像が脱落してしまったり、衣服や手指を汚し
てしまうという問題があった。更に重要な問題は、この
特殊な像保持体を用いる方法では、一般に像保持体とし
て用いられている普通紙に形成された画像の除去が困難
であることである。再生法法で用いる特殊な像保持体
は、画像を形成するユーザーと該像保持体から画像を除
去して再生するユーザーとが同じか、同一部署にいる場
合には、再生して再利用することが可能となる場合もあ
る。しかしながら、自部署以外から配送されてくる文書
類は、一般に使用されている多様な像保持体である場合
が多い。従って、特殊な像保持体を使用する再生方法で
は、これらの一般に使用されている多様な像保持体を再
生し再利用をすることは、当然、不可能である。
【0007】そこで、本出願人は、上記問題を解決する
方法として、少なくとも一部がセルロース繊維を主成分
とした紙質層で構成された像保持体を用い、この像保持
体に水又は水を含む液体からなる画像除去促進液を含浸
させ、紙質層と熱可撓性の画像形成物質との付着力を弱
めた状態で、像保持体と剥離部材とを圧接せしめ紙質層
から画像形成物質を剥離する再生方法を提案した(特開
平7−13383号公報参照)。この方法は、普通に用
いられている像保持体である紙の上に形成された画像を
も剥離でき再生できる点、安全性に問題がないなどの点
で優れた方法である。また、本出願人は、特開平7−3
6331号公報、特開平7−36332号公報等におい
て、上記特開平7−13383号公報で提案した再生方
法を具現化するための装置構成を提案した。
【0008】しかしながら、本出願人が上記特開平7−
13383号公報で提案した方法においても、像保持体
の再生のために水又は水を含む液体からなる画像除去促
進液の付与が必要であるため、種々の不具合が発生する
おそれがあった。具体的には、水に濡れた紙は、腰が弱
くなるため、再生装置の中でしわが発生したり、ジャム
が発生したりする確率が高い。また、水に濡れた紙の乾
燥が必要であったり、濡れた紙を自然乾燥すると皺や波
打ちが生じるため平滑化するための処理が必要であった
りする。また、水に濡れた紙はサイズが変化するため、
再生紙を複写機やプリンターなどの画像形成装置で使用
するとき、紙伸びのために用紙カセットに入れることが
できなかったり、縮みのために多重送りを生じてしまっ
たりするおそれがあった。また、再生された紙はカール
が生じやすいという不具合もあった。更に、再生された
紙を使用してコピーをすると、コピー時に定着ローラな
どで皺が生じてしまうという欠点もあった。
【0009】そこで、本出願人は、像保持体に液体(画
像除去促進液)を付与することによって発生するおそれ
がある上記不具合を解決するための再生方法及び装置を
いくつか提案した。例えば、特開平7−281566号
公報において、画像除去促進液の付与を、同一の像保持
体に対して複数回に分けて行う再生方法及び装置を提案
した。この再生方法又は装置によれば、画像除去促進液
の使用量を低減でき、画像除去促進液を大量に使用する
ことによる種々の不具合点は改善される。
【0010】また、この特開平7−281566号公報
においては、像保持体の再生処理に先立って、像保持体
が以前に再生処理を受けた回数を判別し、画像除去促進
液の付与回数を変える再生装置も提案している。この再
生装置では、像保持体の受けた再生処理回数により、多
段の画像除去促進液の像保持体への給液の一部を省略す
ることにより、同一の像保持体の繰り返し使用可能回数
を向上させている。
【0011】また例えば、特開平8−44260号公報
において、上記少なくとも水を含む画像除去促進液の使
用量を低減できる他の再生方法及び装置として、(1)
画像除去促進液が付与された像保持体の少なくとも膨欄
層を水分を透過しないシール部材で接うことにより、像
保持体の膨潤層からの水分蒸発が実質的に生じない状態
を保ちながら、少なくとも像保持体の膨潤層を加熱処理
して像保持体から像保持体を除去する再生方法及び装
置、(2)像保持体と剥離部材との加圧を、像保持体の
膨潤層からの水分蒸発が実質的に生じない状態で複数回
を行うことをことにより、像保持体上の画像形成物質を
剥離部材へ転写する像保持体の再生方法および装置、並
びに(3)水分蒸発が実質的に生じない状態を保ちなが
ら、像保持体と剥離部材との間にずれが生じるような操
作を行うことにより画像形成物質の剥離部材への転写処
理を行う再生方法および装置を提案した。これらの再生
方法又は装置によれば、画像除去促進液の必要量が低減
でき、画像除去促進液を大量に使用することによる種々
の不具合点は大幅に改善される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平7−281566号公報で提案した再生方法及び装
置においても、像保持体に画像除去促進液を付与するこ
とによって発生するおそれがある上記不具合を完全に解
決できるまでには至っていないのが現状である。
【0013】また、上記特開平7−281566号公報
で提案している再生装置では、一定回数の再生処理を受
けた像保持体に対して、高濃度の画像除去促進液の付与
を行わずに画像形成物質の除去をする場合も含んでいる
が、その場合にも水または低濃度の画像除去促進液を付
与するものである。従って、確かに、像保持体の再生可
能回数は増大するが、既に再生処理を行った像保持体に
対しても水を含む画像除去促進液を付与するため、再生
された像保持体のサイズが、再生処理回数とともに変化
したり、画像形成装置で再利用する際に、皺が発生した
り、ジャムが発生したりする傾向が再生処理回数ととも
に大きく増大するという問題を解決することは困難であ
った。
【0014】また、上記特開平8−44260号公報で
提案した再生方法及び装置においても、再生処理した像
保持体を画像形成に再利用する場合、未使用の像保持体
を使用する場合に比較して、画像形成装置で画像を形成
する際に発生する皺、ジャムなどの発生率が上昇するな
どの不具合の発生を完全になくすまでには至っていな
い。
【0015】また、画像除去促進液として、像保持体と
画像形成物質との付着力を低下させる界面活性剤等の付
着力低下剤を含む液体を用いた場合は、その画像除去促
進液の付与を伴う再生処理を繰り返すと、再生された像
保持体に画像を形成したときの画像の定着性が悪くなっ
たり、像保持体が紙であるときには紙が透明になって油
紙のようになったりするという不具合が発生するおそれ
もあった。
【0016】本発明者らは、像保持体に画像除去促進液
を付与することによって発生するおそれがある上記不具
合を完全に防止するために、像保持体から画像形成物質
を除去可能な範囲内で、像保持体の再生処理回数に応じ
て像保持体への画像処理促進液の付与処理の有無を制御
することが有効であることに着目した。そして、像保持
体の再生処理を繰り返す場合に、画像除去促進液を付与
することなく、再生処理を既に受けている像保持体から
画像形成物質を除去できるかどうかについて鋭意研究を
行ったところ、再生処理をある程度繰り返した後は、画
像除去促進液を新たに付与しなくても像保持体から画像
形成物質を除去し得ることを見いだした。
【0017】本発明は以上の背景のもとでなされたもの
であり、その目的は、画像形成物質の除去特性を維持す
るとともに、再生処理した像保持体を画像形成に再利用
する場合に生じるおそれがあった皺、ジャム、サイズ変
化、定着性の劣化、像保持体の劣化等の画像除去促進液
を付与することによる不具合を軽減することができる像
保持体の再生方法及びその装置を提供することである。
【0018】なお、本出願人は、特開平7−18184
7号公報及び特開平7−160158号公報において、
像保持体に形成されている再利用回数等を表示するマー
クの検知結果に基づいて、画像形成物質除去のプロセス
条件を制御する方法及び装置を開示している。しかしな
がら、これらの公報においては、像保持体の再生処理の
回数に応じて像保持体への画像処理促進液の付与処理の
有無を制御することにより、再生処理した像保持体を画
像形成に再利用する場合に生じるおそれがあった皺、ジ
ャム、サイズ変化、定着性の劣化、像保持体の劣化等の
画像除去促進液を付与することによる不具合を軽減でき
るという点を示唆する記載はない。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、像保持体に形成されている画像
の画像形成物質を該像保持体から除去し、該像保持体を
画像形成可能な状態に再生する像保持体の再生方法にお
いて、再生処理しようとする像保持体が既に受けている
再生処理の回数とあらかじめ設定した基準回数とを比較
し、該再生処理の回数が該基準回数よりも少ないとき
に、該像保持体と画像形成物質との付着力を低下させる
付着力低下剤を含む画像除去促進液を該像保持体に付与
した後、該像保持体からの画像形成物質の除去処理を行
い、該再生処理の回数が該基準回数以上のときに、該像
保持体に該画像除去促進液を付与せずに、該像保持体か
らの画像形成物質の除去処理を行うことを特徴とするも
のである。ここで、上記付着力低下剤の典型的な例とし
ては、界面活性剤を挙げることができる。
【0020】請求項2の発明は、請求項1の像保持体の
再生方法において、上記再生処理の回数が上記基準回数
よりも少ないときに、上記画像形成物質を除去した上記
像保持体の画像形成物質に対する付着力を変化させる後
処理を、該画像形成物質を除去した像保持体に対して行
うことを特徴とするものである。
【0021】請求項3の発明は、像保持体に形成されて
いる画像の画像形成物質を該像保持体から除去する画像
形成物質除去手段を備え、該像保持体を画像形成可能な
状態に再生する像保持体の再生装置において、上記画像
形成物質を除去する前の上記像保持体に、該像保持体と
画像形成物質との付着力を低下させる付着力低下剤を含
む画像除去促進液を付与するための液付与手段と、上記
像保持体が既に受けている再生処理の回数を表示する該
像保持体上のマークを検知するマーク検知手段と、上記
マーク検知手段で検知した再生処理の回数とあらかじめ
設定した基準回数とを比較する比較手段と、上記比較手
段の比較結果に基づいて、上記液付与手段を制御する制
御手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0022】請求項4の発明は、請求項3の像保持体の
再生装置において、上記画像形成物質を除去した上記像
保持体の該画像形成物質に対する付着力を変化させる後
処理を、該画像形成物質を除去した像保持体に対して行
う後処理手段と、上記比較手段の比較結果に基づいて、
上記後処理手段を制御する制御手段とを設けたことを特
徴とするものである。
【0023】請求項5の発明は、請求項3又は4の像保
持体の再生装置において、上記像保持体の再生処理の回
数を表示するマークを該像保持体に形成するマーク形成
手段を設けたことを特徴とするものである。
【0024】請求項1の像保持体の再生方法において
は、再生処理しようとする像保持体が既に受けている再
生処理の回数があらかじめ設定した基準回数よりも少な
いときに、像保持体と画像形成物質との付着力を低下さ
せる付着力低下剤を含む画像除去促進液を該像保持体に
付与し、像保持体に対する画像形成物質の付着力が低下
した状態で、該像保持体からの画像形成物質の除去処理
を行う。
【0025】一方、上記再生処理の回数が基準回数以上
のときには、今までの再生処理で付与された画像除去促
進液中の上記付着力低下剤が像保持体に残存しているた
め、画像除去促進液を付与せずに像保持体から画像形成
物質を除去する処理を行っても、該画像形成物質を良好
に除去することができる。しかも、このように再生処理
の回数が基準回数以上のときに画像除去促進液を付与せ
ずに画像形成物質を除去することにより、像保持体を再
生処理するときに常に画像除去促進液を付与する場合に
比して、皺、ジャム、サイズ変化、定着性の劣化、像保
持体の劣化等の画像除去促進液を付与することによる不
具合を軽減することができる。
【0026】なお、請求項1の像保持体の再生方法にお
いて、像保持体の種類、像保持体に形成した画像の種
類、再生後の像保持体に画像を形成する画像形成装置の
種類等によっては、再生処理の回数が基準回数以上にな
って画像除去促進液を付与しなくなったときに、像保持
体上の画像形成物質をすべて除去することができなかっ
たり、再生処理した像保持体にさらに画像を形成すると
きの画像の定着特性が悪くなったりする場合がある。
【0027】そこで、請求項2の像保持体の再生方法に
おいては、上記再生処理の回数が上記基準回数よりも少
ないときに、像保持体の種類、像保持体に形成した画像
の種類、再生後の像保持体に画像を形成する画像形成装
置の種類等に応じて、上記画像形成物質を除去した像保
持体の画像形成物質に対する付着力を減少あるいは増加
方向に変化させる後処理を、該画像形成物質を除去した
像保持体に対して行う。これにより、上記再生処理の回
数が基準回数以上になって画像除去促進液を付与しなく
なったときに、像保持体の全面にわたって画像形成物質
の付着力低下が不十分な部分が残らずに画像形成物質の
すべてを除去できるようにしたり、上記画像除去促進液
で低下しすぎた画像形成物質の付着力を回復させて再生
処理した像保持体にさらに画像を形成するときの画像の
定着特性を良好に維持したりできるようにする。
【0028】例えば、再生処理を行っていない未使用の
像保持体に画像を形成し、該像保持体に画像除去促進液
を付与した後、該像保持体から画像の画像形成物質を除
去して再生しようとすると、画像形成物質が付着してい
た部分にほとんど画像除去促進液が付与されず、上記再
生処理の回数が基準回数以上になっても該部分には上記
付着力低下剤がほとんど残存していないことにより、画
像形成物質の除去を良好に行うことができない場合があ
った。そこで、かかる場合において、上記再生処理の回
数が上記基準回数よりも少ないときに、上記画像形成物
質を除去した像保持体の画像形成物質に対する付着力を
減少方向に変化させる後処理を、該画像形成物質を除去
した像保持体に対して行うことにより、上記再生処理の
回数が基準回数以上になったときに像保持体から確実に
画像形成物質を除去できるようになる。上記画像形成物
質を除去した像保持体の画像形成物質に対する付着力を
減少方向に変化させる後処理としては、画像形成物質を
除去した後の像保持体に上記画像除去促進液を再度付与
する処理を採用してもよい。
【0029】また例えば、像保持体上の画像形成物質の
表面に付着した画像除去促進液が像保持体側に浸透しに
くい画像が形成されている場合や、像保持体との付着力
が比較的強い画像形成物質からなる画像が形成されてい
る場合には、画像形成物質を良好に除去するために、画
像形成物質の付着力を低下させる作用の比較的強い画像
除去促進液を付与すると、再生した像保持体を再利用し
て画像を形成するときに良好な定着特性が得られないお
それがある。そこで、かかる場合において、上記再生処
理の回数が上記基準回数よりも少ないときに、上記画像
形成物質を除去した像保持体の画像形成物質に対する付
着力を増加方向に変化させる後処理を、該画像形成物質
を除去した像保持体に対して行うことにより、上記再生
処理の回数が基準回数以上になったときに像保持体から
確実に画像形成物質を除去できるとともに、再利用時に
良好な画像の定着特性が得られるようになる。
【0030】ここで、請求項1又は2の像保持体の再生
方法において、上記像保持体の再生処理の回数の判断に
は、再生処理を行ったときに像保持体に形成した文字、
記号、パンチ孔、コーナーカット、エッジカット等のマ
ークを検知した結果を利用してもいいし、オペレータが
操作パネル等のデータ入力手段から入力したデータを利
用してもいい。
【0031】また、請求項1又は2の像保持体の再生方
法において、像保持体の再生処理の回数と比較する基準
回数は、画像除去促進液を付与することによる上記皺、
ジャム、サイズ変化、定着性の劣化、像保持体の劣化等
の不具合が発生しない程度に設定することが望ましく、
あらかじめ実験などにより求めておくことができる。
【0032】また、請求項1又は2の像保持体の再生方
法において上記基準回数が1回の場合は、処理対象の像
保持体が未使用の像保持体であるか又は再生処理を受け
たことがある像保持体であるか、すなわち再生処理の有
無を判定することになる。
【0033】また、請求項1又は2の像保持体の再生方
法において、像保持体がシート材であり、画像形成物質
の除去処理を行う処理面が該像保持体の互いに対向する
2つの面のいずれか一方である場合は、その処理面にお
ける再生処理の回数と基準回数とを比較し、その比較結
果に基づいて、該処理面からの画像形成物質の除去処理
に先立つ画像除去促進液の付与処理を制御することにな
る。
【0034】請求項3、4又は5の像保持体の再生装置
は、上記請求項1の再生方法の実施に好適な再生装置で
あり、マーク検知手段で像保持体が既に受けている再生
処理の回数を表示する該像保持体上のマークを検知し、
その検知結果と予め設定した基準回数とを比較手段で比
較し、再生処理しようとする像保持体が既に受けている
再生処理の回数があらかじめ設定した基準回数よりも少
ないときに、上記付着力低下剤を含む画像除去促進液を
該像保持体に付与するように制御手段で液付与手段を制
御する。これにより、像保持体に対する画像形成物質の
付着力が低下した状態で、該像保持体からの画像形成物
質の除去処理を行うことができる。
【0035】一方、上記比較手段の比較結果に基づい
て、上記再生処理の回数が基準回数以上のときには、制
御手段で液付与手段を制御することにより像保持体に画
像除去促進液を付与せずに像保持体から画像形成物質を
除去する。 (以下、余白)
【0036】特に、請求項4の像保持体の再生装置は、
上記請求項2の再生方法の実施に好適な再生装置であ
り、上記再生処理の回数が上記基準回数よりも少ないと
きに、制御手段で後処理手段を制御することにより、像
保持体の種類、像保持体に形成した画像の種類、再生後
の像保持体に画像を形成する画像形成装置の種類等に応
じて、上記画像形成物質を除去した像保持体の画像形成
物質に対する付着力を減少あるいは増加方向に変化させ
る後処理を、該画像形成物質を除去した像保持体に対し
て行う。
【0037】また特に、請求項5の像保持体の再生装置
においては、マーク形成手段で上記像保持体の再生処理
の回数を表示するマークを該像保持体に形成することに
より、次の再生処理で像保持体がそれまでに受けている
再生処理の回数を正確に検知できるようになる。しか
も、マーク形成手段で上記マークを形成するので、オペ
レータが再生処理された後の像保持体に対して上記マー
クを形成するような作業を行わなくてもよい。
【0038】上記請求項5の再生装置におけるマーク形
成手段としては、文字、記号、パンチ孔、コーナーカッ
ト、エッジカット等のマークを像保持体に対して形成す
るが考えられるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
【発明の実施の形態】まず、本発明に係る像保持体の再
生方法の実施形態について説明する。本再生方法は、再
生処理しようとする像保持体が既に受けている再生処理
の回数とあらかじめ設定した基準回数とを比較し、該再
生処理の回数が該基準回数よりも少ないときに、該像保
持体と画像形成物質との付着力を低下させる付着力低下
剤を含む画像除去促進液を該像保持体に付与した後、該
像保持体からの画像形成物質の除去処理を行い、該再生
処理の回数が該基準回数以上のときに、該像保持体に該
画像除去促進液を付与せずに、該像保持体からの画像形
成物質の除去処理を行うものである。
【0040】像保持体上に画像を形成する方法として
は、従来より多くの方法が提案されている。例えば、乾
式トナーや湿式トナーを用いた電子写真法、熱溶融性イ
ンク・シートを用いた熱転写法、熱拡散性染料を用いた
熱拡散転写法、インクジェット法、熱により発色する材
料を用いた感熱記録方法、銀塩写真法、オフセット版、
凹版、凸版、孔版を用いる印刷方法などがその例として
挙げられる。本実施形態に係る像保持体の再生方法は、
上記従来から用いられている画像形成方法の中で、通常
の電子写真法、熱転写方法、ホットメルト・インクを用
いるインクジエット法または印刷法などように熱可塑性
又は熱溶融性の画像形成物質が用いられ、且つ、画像形
成物質が像保持体の表面近傍に皮膜状に形成される画像
記録方法で画像が形成された像保持体から画像形成物質
を除去する方法に関するものである。
【0041】ここで、上記皮膜状とは、必ずしも画像全
体が一つの膜を形成している必要はなく、単に画像形成
物質が像保持体の内部に深く浸透していないことや、染
料を含有する水性インクで印字した場合のように画像形
成物質がほとんど分子レベルで像保持体に吸着されてい
る状態ではないことを意味する。従って、例えば乾式ト
ナーを用いる電子写真法により形成された画像であっ
て、1つの文字画像の中でその画像がとぎれているよう
な場合や一つのトナー粒子が独立して存在する状態で
も、そのトナー粒子が像保持体の内部深くまで浸透して
いない場合には、その除去原理から被膜状の画像とみな
すことができ、本実施形態の方法で除去可能な画像の範
疇に含まれる。
【0042】本実施形態で用いられる像保持体は、セル
ロース繊維を主成分とする一般の記録用紙、プラスチッ
ク・フィルム、プラスチック・フィルムと紙とを積層し
たもの、発泡させた高分子材料フィルム、プラスチック
・フィルムの表面に顔料とバインダーとの混合物を塗布
したもの等の合成紙、特開平7−311523号公報で
提案した基体が高分子フイルムからなり表面近傍に画像
除去促進液により膨潤性を示す層が設けられたもの等で
ある。本実施形態では、再生処理のために1枚の像保持
体に用いられる画像除去促進液の量が、特開平7−13
383号公報にかかる再生方法など従来の像保持体の再
生方法に比較して著しく小さいか、あるいは、画像除去
促進液を使用しないで画像形成物質を除去する。そのた
めに得られる像保持体の搬送安定性向上などの効果は、
像保持体として一般的に用いられている紙を用いた場合
に、特に大きい。
【0043】本実施形態にかかる再生方法で用いられる
画像除去促進液は、像保持体と画像形成物質との付着力
を弱めるために用いられるものである。この液の構成例
としては、上記付着力低下剤としての界面活性剤、水、
および、界面活性剤又は界面活性剤と水とを溶解するた
めの溶解剤を含有するものが挙げられる。
【0044】ここで、上記界面活性剤としては、像保持
体と画像形成物質との接着性を弱める作用を有するもの
が選択され、画像形成物質の除去に必要な量が添加され
る。本実施形態における画像除去促進液に使用される、
画像形成物質との接着性を弱める作用が強い界面活性剤
は、画像形成物質の組成、像保持体の組成により適宜選
択されるべきものであるが、通常の電子写真法で用いら
れる乾式トナーと上質紙に対しては、比較的、疎水性の
強い界面活性剤を選択することができる。
【0045】本実施形態に係る再生方法で使用できる界
面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオ
キシエチレンアルキルソルビタンエステル類、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン類、グリセリン脂肪酸エステ
ル類、デカグリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンポリオキシプロピレンブロツクポリマー類、パーフル
オロアルキル燐酸エステル類、ポリオキシエチレン変性
ポリジメチルシロキサン類、等のノニオン系界面活性
剤、高級脂肪酸塩、N−アシルアミノ酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化べプ
チド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、モノあるい
はジアルキルスルホ琥珀酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、N−アシルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルアミ
ド硫酸塩、モノアルキル燐酸塩、ジアルキル燐酸塩、ト
リアルキル燐酸塩、モノポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル燐酸塩、ビスポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル燐酸塩、トリスポリオキシエチレンアルキルエーテル
燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル
燐酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフル
オロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルケニルア
リールスルホン酸塩、N−パーフルオロオクタンスルホ
ニルグルタミン酸塩、パーフルオロアルキル−N−エチ
ルスルホニルグリシン塩、3−(ω−フルオロアルカノ
イル−N−エチルアミノ)−1−プロパンスルホン酸
塩、パーフルオロアルキルエチル燐酸エステル塩、カル
ボン酸変性ポリジメチルシロキサン、スルホン酸変性ポ
リジメチルシロキサン、等のアニオン型界面活性剤、高
級アルキルアミン塩、高級アルキル第4級アンモニウム
塩、アルキルベンゼンアミン塩、アルキルベンゼン第4
級アンモニウム塩、アルキル複索環第4級アンモニウム
塩、等のカチオン型界面活性剤、べタイン、アミノカル
ボン酸、等の両性界面活性剤、を挙げることができる。
【0046】これらの界面活性剤の中でも、特に、画像
形成物質除去手段に用いる剥離部材と像保持体との付着
力を低下させるのに有効な界面活性剤は、アニオン系の
ものであり、特に、フッ素で置換されたアルキル基を有
するアニオン界面活性剤、アルキルスルホコハク酸塩、
ジアルキルスルホコハク酸塩が有効である。アルキルス
ルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩は、剥離
部材と像保持体との付着力を低下させるのに特に有効な
ばかりではなく、比較的コストも安価であるという利点
も有している。
【0047】上記アニオン系の界面活性剤、特に、フッ
素で置換されたアルキル基を有するアニオン界面活性
剤、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハ
ク酸塩が剥離部材と像保持体との付着力を低下させるの
に有効である理由は必ずしも明らかではないが、これら
の界面活性剤は、親水基に対して疎水基のかさ密度が高
く、像保持体に付着した状態において疎水基で紙の表面
が覆われるため、紙の表面が撥水・撥油性となり、画像
形成物質の流れ性が低下することによるものと推測され
る。
【0048】画像除去促進液に水は必ずしも必要ではな
いが、界面活性剤を溶解する安全性の高い溶媒として使
用することが好ましい。
【0049】上記界面活性剤または界面活性剤と水とを
溶解するための溶解剤の例としては、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、
プロピレングリコール、ジプロビレングリコール、グリ
セリン、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサン
ジオール、2−メチル−ペンタンジオール、などの多価
アルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3,
−ジメチルイミダゾリジノン、ε−カプロラクタムなど
の複素環式化合物、モノエタノールアミン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、
ジエチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン類、な
どが挙げられる。
【0050】これらの水溶性有機化合物は、界面活性剤
を溶解したり、水に界面活性剤を溶解したり、画像除去
促進液の乾燥による画像形成物質除去手段を構成する部
品への固着を防止したり、画像除去促進液の物性の変化
を防止したり、画像除去促進液の液粘度を下げて液の供
給性を向上したり、画像形成物質の剥離特性を向上する
のに効果がある。
【0051】本実施形態の再生方法で使用される画像除
去促進液の中の界面活性剤の濃度は、特開平7−133
83号公報等に開示された従来法に比較して、より高い
ものである。すなわち、従来法においては、界面活性剤
の濃度は、0.3〜3重量%程度の比較的低いものであ
ったが、本実施形態においては、画像除去促進液中の界
面活性剤の濃度は、15重量%以上であることが好まし
い。
【0052】本発明者らは、比較的高濃度の界面活性剤
を含有する画像除去促進液を、紙などの像保持体に付与
することにより、十分に像保持体と画像形成物質との付
着力を弱めることができるため、少量の画像除去促進液
の付与で、画像形成物質を像保持体から除去できること
を見出した。更に本発明者らは、前述のように、再生処
理を受けたことのない未使用の紙等の像保持体、あるい
は再生処理回数の少ない紙等の像保持体に、比較的高濃
度の界面活性剤を含む画像除去促進液を付与した場合、
再生処理を繰り返すことにより、画像除去促進液を付与
すること無しに画像形成物質を像保持体から除去できる
ようになることを見出した。特開平7−13383号公
報等に開示されている従来法においても、像保持体から
画像形成物質を除去する工程の前に画像除去促進液が像
保持体に付与され、像保持体と画像形成物質との付着力
が弱められる。この従来法における画像除去促進液の作
用は、主に、紙のセルロース繊維など像保持体の画像形
成物質との接着部を膨潤せしめることにより、そのせん
断力により、像保持体と画像形成物質との付着力が弱め
るものであった。本実施形態に係る再生方法における画
像除去促進液の主な作用は、像保持体の表面層の膨潤に
あるのではなく、画像除去促進液が像保持体に付着する
ことにより、画像形成物質の除去工程において画像形成
物質が像保持体に再接着するのを防止したり、再生後の
像保持体に対する画像形成物質の付着力を低下すること
である。
【0053】特開平7−13383号公報、特開平7−
281566号公報などに開示されている従来の像保持
体の再生方法においては、像保持体の再生処理の回数に
かかわらず、再生処理をする際に画像除去促進液が付与
されていた。一方、本実施形態の再生方法においては、
再生処理の回数が予め設定された所定の基準回数よりも
少ない場合にのみ、像保持体に画像除去促進液が付与さ
れた後、物理的あるいは機械的作用により画像形成物質
が除去される。そして、同一像保持体に関して、再生処
理の回数が予め設定された所定の基準回数以上になった
場合の再生処理においては、像保持体に画像除去促進液
を付与することなく、物理的あるいは機械的作用により
像保持体上の画像形成物質が除去される。ここで、上記
画像除去促進液を付与しなくなる再生処理の回数である
所定の基準回数は、主として、画像形成装置や像保持体
の種類(紙種)などの特性に応じて選択される。
【0054】上記像保持体の再生処理の回数が所定の基
準回数以上のときに、画像除去促進液を付与せずに画像
形成物質を除去できるメカニズムは、必ずしも明らかで
はない。上記基準回数よりも少ない回数での初期の再生
処理で使用した画像除去促進液中の界面活性剤等の付着
力低下剤が、像保持体の表面近傍に残留し、基準回数以
上の再生処理において上記残留した付着力低下剤によ
り、画像形成物質と像保持体との付着力が低下している
ことが、画像除去促進液の付与なしに画像形成物質を除
去できる理由の一つとして考えられる。
【0055】上記物理的あるいは機械的作用により像保
持体上の画像形成物質が除去する方法としては、次のよ
うな方法を例示することができる。例えば、(1)粘着
剤を付与した剥離部材により、画像形成物質を剥離部材
に粘着させ、画像形成物質を像保持体から剥離部材へと
転写して剥離する方法、(2)ブレード、ブラシなどで
像保持体上の画像形成物質を擦ることにより、画像形成
物質を像保持体から除去する方法、(3)画像形成物質
をその軟化点以上に加熱することにより軟化し、剥離部
材と圧接せしめて接着させた後、像保持体と剥離部材と
を分離することにより、画像形成物質を像保持体から転
写し剥離する方法等を例示することができる。これらの
物理的あるいは機械的作用により像保持体上の画像形成
物質が除去する方法の中でも、画像形成物質をその軟化
点以上に加熱することにより軟化し、剥離部材と圧接せ
しめて接着させた後、像保持体と剥離部材とを分離する
ことにより、画像形成物質を像保持体から転写し剥離す
る方法が、画像形成物質を像保持体から確実に除去でき
ること、再生処理において像保持体を損傷することがな
いこと等の点で、特に好ましい。
【0056】上記画像形成物質を剥離部材に粘着させ、
画像形成物質を像保持体から剥離部材へと転写して剥離
する方法では、紙などように表面に不定形の凹凸がある
像保持体に対して再生処理を行うときに、画像形成物質
が三角フラスコ形の凹部に入り込んだ場合、画像形成物
質がアンカーされた状態になり、紙表面を損傷すること
なく画像形成物質を除去するということが困難である。
画像形成物質が加熱されて軟化されると、ある程度の流
動性を有するようになるので、三角フラスコ形の凹部か
らも、表面を損傷することなく、像保持体から画像形成
物質を除去することが可能となる。
【0057】また、上記ブレード、ブラシなどで像保持
体上の画像形成物質を擦ることにより、画像形成物質を
像保持体から除去する方法では、像保持体を擦ることな
く画像形成物質のみを摩擦することが困難であるため、
再生処理において像保持体の表面が損傷を受け易い。ま
た、上記画像形成物質を剥離部材に粘着させて剥離する
場合と同様に、アンカーされた画像形成物質を除去する
ことが困難であるばかりでなく、摩擦で剥離した画像形
成物質の粉体が像保持体に再付着して汚れが発生しやす
い。
【0058】以上のことから、画像形成物質をその軟化
点以上に加熱することにより軟化し、剥離部材と圧接せ
しめて接着させた後、像保持体と剥離部材とを分離する
ことにより、画像形成物質を像保持体から転写し剥離せ
しめる方法が、本実施形態に係る再生方法にとって最も
好ましいものであるが、他の物理的あるいは機械的作用
により画像形成物質を像保持体から除去する方法を用い
た場合にも、本発明が適用され得ることは、本発明の原
理から明らかである。
【0059】次に、図1を用いて、上記像保持体の再生
方法を実施する上で好適な像保持体の再生装置について
説明する。図1において、電子写真式の画像形成装置な
どにより画像が形成され、かつ、不要となった像保持体
1は、給紙ユニット100のペーパートレー101に収
納され、このトレー101から給紙コロ103により、
給紙ガイド104a、104bを介して、像保持体に画
像除去促進液を付与する液付与手段としての画像除去促
進液付与ユニット200に搬送される。
【0060】上記給紙ユニット100には、像保持体が
既に受けている再生処理の回数を表示するように形成さ
れた像保持体上のマークを検知するための光学的、誘電
的、機械的手段等よりなるマーク検知手段としてのマー
ク検知ユニット105が設けられている。このマーク検
知ユニット105は、再生処理後に再生処理の回数を表
示するマークを像保持体に形成するマーク形成手段との
組み合わせで、適宜選択される。
【0061】例えば、マーク形成手段が押印、インクジ
ェットなどによる印字記録である場合や、パンチユニッ
トによる像保持体への穴穿けや角面取りである場合に
は、上記マーク検知ユニット105は本実施形態によう
に発光部と受光部との組合せからなる光学的手段が好ま
しい。上記発光部には、LED、タングステンランプ、
ハロゲンランプ、半導体レーザー等を用いることがで
き、上記受光部には、シリコン、硫化カドミウム等から
なる光電池や、シリコン、硫化カドミウム、フタロシア
ニン等からなる有機光半導体等の光導電性半導体や、C
CD等を用いることができる。これらの光学的手段によ
るマーク検知手段のほか、音や超音波を検出する手段
(例えば、PZT、電磁コイル等からなるマイクロフォ
ン)、厚みなどを検出する機械的手段、像保持体の表面
の電気抵抗、誘電率を検出する手段(例えば電極対、発
振器などからなるもの)等も、上記マーク検知手段とし
て用いることができる。マーク検知手段105で像保持
体上のマークを検知することにより、トレー101から
画像除去促進液付与ユニット200に搬送される像保持
体の再生処理の回数または再生処理の有無を判定できる
ようになる。
【0062】画像除去促進液付与ユニット200は、液
容器201a、201b、液付与ローラ203a、20
3b、液付絞りローラ204a、204b、画像除去促
進液付与ユニット200から画像形成物質除去手段とし
ての画像剥離ユニット300へ像保持体を導くためのガ
イド205a、205b等により構成されている。給紙
ガイド104a、104bにより案内される像保持体
は、液付与ローラ203a、203bの間を搬送され
る。図1における液付与ローラ203a、203bは、
図示しないカムやソレノイド等からなる接離手段により
接離が可能になるように構成されている。また、液付与
ローラ203a、203bの接離は、やはり図示しない
カムやソレノイド等からなる接離手段により制御できる
ように構成されている。すなわち、給紙ユニット100
に設けられたマーク検知手段105で検知した像保持体
の再生処理の回数を、所定の基準回数と比較し、基準回
数よりも少ないと図示しない制御手段で判定した場合に
は、液付与ローラ203a、203bは、カムやソレノ
イド等により、その間に搬送される像保持体に接する位
置に移動され、像保持体への画像除去促進液の付与が行
われる。像保持体の再生処理の回数が所定の基準回数以
上の場合には、液付与ローラ203a、203bが像保
持体に接しない位置に移動され、像保持体への画像除去
促進液の付与は行われない。
【0063】図1の再生装置では、像保持体の両面に画
像が形成されていることを想定して、像保持体の両面に
画像除去促進液を付与する装置の例を示しているが、片
面画像しか無い場合には、片側の液付与ローラを像保持
体の押さえローラとして、像保持体の片面のみに画像除
去促進液を付与することもできる。
【0064】液容器201a、201bには、画像除去
促進液202a、202bが入れられる。液付与ローラ
203a、203bは、表面に螺旋状の溝、ディンプル
状の窪み、サンドブラストによる凹凸など、画像除去促
進液を計量し、一定量が像保持体に付着するように工夫
された、プラスチック、アルミ、ステンレス等の金属等
からなるローラである。
【0065】液付絞りローラ204a、204bは、液
付与ローラに付着した余剰の画像除去促進液をスクイズ
することにより、液付与ローラが像保持体に接する前に
画像除去促進液の付着量を一定にするためのものであ
る。液付絞りローラの代わりに、プラスチック・フィル
ムやゴムのブレードで余剰の液を掻き落とすようにして
も、同様な効果が得られる。また、前述のように液の付
与量が制御されるように表面に凹凸の加工を施した液付
与ローラを用いて、液付与ローラを、像保持体の搬送速
度と同一線遠で回転させて画像除去促進液を像保持体に
付与することが、像保持体の種類が変化した場合にも一
定の付与量が得られるという点で好ましい。
【0066】画像除去促進液付与ユニット200から搬
送された像保持体は、ガイド205a、205bにより
導かれて、画像剥離ユニット300へと搬送される。画
像剥離ユニットは、ハロゲンランプなどの加熱部材30
1a、301b、301c、301dを内部に有する加
熱・加圧ローラ302a、302b、302c、302
d、加圧ローラ303a、303b、303c、入口ロ
ーラ304a、304b、分離ローラ305a、306
b、クリーニング・バックアップ・ローラ306、30
9、ローラ307、308、剥離部材としてのエンドレ
ス状の剥離ベルト310a、310b、剥離ベルトに付
着した画像除去促進液を除去するためのクリーニング・
ローラ321a、321b、画像形成物質容器322
a、322b)、画像剥離ユニット300で画像形成物
質が除去された像保持体を後処理ユニット400へと導
くためのガイド部材331a、331b等により構成さ
れている。
【0067】上記2つのエンドレス状の剥離ベルト31
0a、310bは、加熱・加圧ローラ302a、302
b、302c、302d、加圧ローラ303a、303
b、303c、入口ローラ304a、304b、分離ロ
ーラ305a、306b、クリーニング・バックアップ
・ローラ306、309、ローラ307、308の内接
するように、ローラに巻き付けらた状態で張り巡らさ
れ、図示しない駆動手段により、矢印方向に回動され
る。 (以下、余白)
【0068】図1の装置例では、画像形成物質を像保持
体から除去するために、エンドレス・ベルト状の剥離部
材が用いられるが、剥離部材を構成する材料としては、
画像形成物質とある程度以上の接着性や耐熱性を示すこ
とが必要であるが、その材料としては、イソプレンゴ
ム、ネオプレンゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴ
ム、ブタジエンゴム、フッ素ゴムなどの合成ゴム、天然
のゴム、ビスフェノール・エヒクロルヒドリン縮合物な
どのエポキシ樹脂、アルキド樹脂、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、ブチル尿素ホルムアルデヒド樹脂、ブチル化メ
ラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルム
アルデヒド樹脂などのアミノ樹脂、テルペンフェノール
樹脂、フェノールエーテル樹脂、フェノール横脂などの
フェノール系熱硬化樹脂、ポリ塩化ピニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、塩化ビニリデンーアクリロニトリル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン‐テトラフルオロエチレン共
重合体、ポリフツ化ビニリデン、ビニル共重合体ポリビ
ニルブチラール、ポリピニルホルマール、ポリプロピレ
ン、ポリエチレンなどのビニル系重合体、ポリブチルア
クリレート、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリレ
ートなどのアクリル樹脂、ポリイミド、6,6‐ナイロ
ン、6−ナイロンなどのポリアミド、ポリカーボネー
ト、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、芳香族ポリエステルなどのポリエステル、ポリ
フェニレンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエー
テルニトリル、アラミド、などの熱可塑性あるいは熱硬
化性の合成樹脂、ニッケル、ステンレススチール、アル
ミニウムなどの金属及びその酸化物、セラミックス材料
等がその例として挙げることができる。
【0069】これらの材料は単独でも用いられるが、積
層したり、アロイ化したり、グラスファイバー、ウィス
カー、カーボン、シリカ、酸化チタンなどの他の添加剤
を加えるなどにより複合して用いることもできる。最適
な剥離部材の材料は、剥離しようとする画像形成物質の
種類、画像形成物質除去プロセスにより選定されるべき
であるが、剥離部材を繰り返し使用することが再生処理
のコストを下げるなど種々の点で有利であり、その場合
には、比較的高い耐熱性や表面の安定性が要求される。
画像の除去特性及び耐久性から好ましい剥離部材の例と
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニ
レンサルファイド、ポリパラバラン酸、ポリエーテルニ
トリル、アラミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ステンレススチール、ニッケル、アルマイトが挙げられ
る。
【0070】画像除去促進液付与ユニット300から搬
送される像保持体は、入口ローラ304a、304bの
間から、上下の剥離ベルト310a、310bの間に挿
入され、加熱・加圧ローラ302a、302b、302
c、302d、加圧ローラ303a、303b、303
cにより、剥離ベルトを介して加熱、加圧される。この
間に像保持体上の画像除去促進液は、軟化点以上に加熱
され、剥離ベルトに接着する。図1のようにローラに像
保持体を巻き付けた状態では、上記加熱・加圧の工程の
途中で、上下の剥離ベルトの間には速度差すなわちずれ
が生じる。このずれにより像保持体上の画像形成物質と
剥離部材とは分離され、画像形成物質は像保持体から剥
離ベルトへと転写・剥離される。図1の装置例のよう
に、複数の加圧ローラを設けた場合、像保持体と剥離部
材(剥離ベルト)との加熱・加圧による画像形成物質の
像保持体への接着工程、像保持体と剥離部材とを分離し
て像保持体上の画像形成物質を剥離部材に転写せしめる
工程が、複数回行われる。このように複数回の画像形成
物質の剥離部材への接着、分離工程を繰り返す構成は、
極めて少量の画像除去促進液の付与で、像保持体上の画
像形成物質が除去できるので好ましい。
【0071】画像形成物質と剥離部材との接着、分離に
より、像保持体上の画像形成物質を一度に剥離部材側に
転写させることなく、画像形成物質と剥離部材との接
着、分離を複数回行うことにより、徐々に像保持体上の
画像形成物質を剥離部材に転写する方法は、本実施形態
に係る再生装置において特に好ましい。少量の画像除去
促進液の使用で画像の除去が可能になり、再生処理の回
数が所定の基準回数以上になり、画像除去促進液を用い
ることなく再生処理する場合でも、像保持体上の未処理
の画像部に対応する部分に再度形成した画像も除去する
ことができる。画像形成物質と剥離部材との接着、分離
を複数回行うことが、本実施形態の再生装置で特に効果
が大きいことは実験等で実証されているが、その効果が
大きくなるメカニズムは必ずしも明らかではない。現時
点におけるそのメカニズムは、次のように推定される。
すなわち、画像除去促進液が画像形成物質層を浸透しな
い場合でも、画像形成物質の除去工程において、像保持
体上の画像形成物質が除去された部分に画像除去促進液
が付着しながら画像形成物質が除去され、像保持体の表
面を損傷することなく、画像形成物質が像保持体に転写
されるので、少量の画像除去促進液の使用量でも画像形
成物質の除去が可能となると推定される。また、剥離さ
れた画像形成物質の下に対応する像保持体の部分に、画
像形成物質上にあった画像除去促進液が流動して付着す
るため、この画像が形成された部分においても、再生処
理の回数が所定の基準回数以上になったときに、画像除
去促進液を付与することなく乾式で再生処理することが
可能となる。
【0072】なお、従来のように界面活性剤の濃度が低
い画像除去促進液を用いて、比較的大量の画像除去促進
液を像保持体に付与した後、画像形成物質を像保持体に
転写する方法では、図1の再生装置のように複数回の画
像形成物質の剥離部材への接着、分離工程を繰り返す構
成の剥離装置を用いると、像保持体の損傷がひどく、好
ましくない。例えば、像保持体として普通紙を用いる場
合、界面活性剤の濃度が10重量%の画像除去促進液
を、A4サイズ片面当たり0.6gの画像除去促進液を
付与して、図1の再生装置で画像を除去しようとする
と、紙の表面が破れて剥離する。すなわち、図1のよう
に複数回の画像形成物質の剥離部材への接着、分離工程
を繰り返す構成の画像剥離ユニット300においては、
画像除去促進液を像保持体に付与する場合に、界面活性
剤濃度が15重量%以上の画像除去促進液を用い、像保
持体、特に紙からなる像保持体への画像除去促進液の付
与量は、A4サイズ片面当たり0.5g以下にすること
が好ましい。また、本実施形態において、再生処理の回
数が所定の基準回数以上となったとき、画像除去促進液
を付与せずに像保持体を画像剥離ユニット300に導く
が、このような画像除去促進液を付与しない乾式の剥離
処理においても、図1のように複数回の画像形成物質の
剥離部材への接着、分離工程を操り返す構成の画像剥離
ユニットは、極めて良好な画像形成物質の剥離が可能で
ある。
【0073】一方、像保持体上の画像形成物質の全部
を、1回の像保持体と剥離部材との押圧と分離で転写し
ようとすると、転写が不充分となり、画像形成物質が像
保持体の表面に残ってしまったり、像保持体の一部が破
壊して、画像形成物質と共に剥離部材へ転写してしまう
現象が生じたり、像保持体と剥離部材との分離が不良と
なり、像保持体が剥離部材に巻き付いてしまい、ジャム
が発生したりするという問題が発生する。
【0074】次に、本実施形態に係る再生装置につい
て、一般に用いられている乾式トナーを使用する電子写
真画像を形成した像保持体から該画像を除去する場合を
例に挙げて、更に説明する。乾式の電子写真トナーは一
般に粘弾性を有する熱可塑性樹脂を主成分としたもので
ある。図1の装置において、画像が形成された像保持体
は、剥離ベルト310a、310bの間に挟特され剥離
部を搬送されるが、像保持体上の画像形成物質は、加熱
・加圧ローラ302a、302b、302c、302
d、加圧ローラ303a、303b、303cにより、
所定の温度にまで加熱され、軟化する。更にローラ間の
ニップを通過する間に、軟化した画像形成物質は、加熱
・加圧ローラ、加圧ローラが形成するニップ内で押圧さ
れ、画像形成牧質は剥離ベルトへ接着する。加熱する温
度は、使用する画像形成物質の粘弾性の温度特性によ
り、適当なレベルが選択されるべきである。一般の電子
写真用乾式トナーを用いる場合には、70〜190℃が
好ましく、特に、90〜130℃に像保持体が加熱され
るように設定することが好ましい。この温度領域よりも
低い温度では、画像形成物質の流動性が不足するので、
画像形成物質が充分に剥離ベルトに接着せず、画像形成
牧質の転写・剥離が生じにくくなる。この温度領域より
も高い温度では、画像形成物質の流動性が高くなり過ぎ
て、画像形成物質が紙などの像保持体の中まで浸透して
しまうため、転写・剥離が困難になったり、像保持体と
剥離ベルトとの分離が困難になったりする。
【0075】図1において、剥離ベルト310a、31
0bはジグザグ状に巻付けられているため、上下の剥離
ベルトの間、像保持体と剥離ベルトとの間には像保持体
及び剥離ベルトの厚みに対応する速度差を生じる。すな
わち、上下の剥離ベルト間、像保持体と剥離ベルトとの
間に、ずれが発生する。このずれの発生により、画像形
成物質を介して接着していた像保持体と剥離ベルトとは
分離し、画像形成物質は剥離ベルトへ転写する。
【0076】剥離ベルト310a、310bには、像保
持体の画像形成物質が転写されるが、剥離ベルト上の画
像形成物質はクリーニング・ローラ321a、321b
により除去され、剥離ベルトは繰り返し使用される。剥
離ベルトより除去された画像形成物質323a、323
bは、画像形成物質容器322a、322bに蓄積さ
れ、適宜処分される。
【0077】剥離ベルト310a、310bに付着して
いる画像形成物質を除去してクリーニングするクリーニ
ング手段としては、スパイラル状に刃を形成したロー
ラ、ループ状に金属や有機ポリマーの細線を巻き付けた
たわし状の表面を有するローラ、金属や有機ポリマーの
ワイアを植毛したローラ等が用いられる。このクリーニ
ング手段としては、必ずしも回転可能なローラを用いる
必要はなく、金属やセラミックス、有機ポリマーの平刃
状の固定のブレードにより剥離ベルトをクリーニングす
ることも可能である。
【0078】前述のように、本発明者らは、再生処理し
ていない像保持体(紙)の上の画像形成物質も、高濃度
の界面活性剤を含む等、特定処方の画像除去促進液を、
A4サイズ当たり0.06〜0.4mlという少量の画
像除去促進液の付与により、画像形成物質を除去できる
ことを見いだした。本発明者らは、更に、上記の特定処
方の画像除去促進液を付与して、再生処理をすることに
より、同一像保持体について、所定の基準回数の再生処
理をすれば、その後は、画像除去促進液を付与すること
なく、画像形成物質の除去ができることを見いだした。
図1に示す本実施形態の再生方法及び装置においては、
再生処理の回数が少ない段階で付与する画像除去促進液
の量は、上述のように少なく、更に、再生処理の回数が
所定の基準回数を越えた場合に、画像除去促進液を付与
することなく、画像形成物質を除去して再生処理をする
ため、従来の方法で再生処理を行った場合に比較して、
像保持体、特に、紙の特性の劣化を防止できる。また、
繰り返し再生処理を行った像保持体を画像形成に再利用
する場合に生じるおそれがあった皺、ジャム、サイズ変
化、定着性の劣化等の画像除去促進液を付与することに
よる不具合を軽減することができる。
【0079】すなわち、従来法では、画像除去促進液の
付与を伴う再生処理を繰り返すに従って、像保持体であ
る紙の腰が弱くなったり、紙の面内の特性差が大きくな
るため、複写機、プリンタなどの画像形成装置におい
て、ジャム、皺、スキュー、などの紙送り不良が発生し
易くなっていた。また、紙のサイズも処理回数とともに
変化し、画像形成装置の給紙カセット100内に収まり
切れないという問題も生じていた。更に、画像除去促進
液の付与を伴う再生処理を繰り返すに従って、画像形成
装置において形成される画像の定着性も劣化する傾向が
あった。本実施形態に係る再生方法及び装置によれば、
これらの画像除去促進液を付与することに起因する問題
を最小限にすることができる。
【0080】これらの効果の他に、本実施形態において
は、画像除去促進液の使用量が少なくなるため、再生処
理コストの低減や、再生装置における液補給サイクルの
長期化、液タンク少量化による再生装匿の小型化が可能
となる効果もある。更に、液量の少量化により、像保持
体に付与した画像除去促進液の乾燥に必要なエネルギー
が低減し、再生装置の消費電力の低減や、高速処理も可
能となった。
【0081】本実施形態の再生装置において、画像除去
促進液を付与しなくなる再生処理の回数である所定の基
準回数は、主として、画像形成装置や像保持体の種類
(紙種)などの特性に応じて選択される。一般のモノク
ロの乾式電子写真式の画像形成装置においては、初回の
再生のみに画像除去促進液を付与し、2回目以降の再生
処理においては画像除去促進液を付与しない乾式処理を
することにより像保持体の再生が可能である。 2回目
以降の再生処理において画像除去促進液を付与すること
なく再生処理をする方法は、上記皺、ジャム、サイズ変
化、定着性の劣化、像保持体の劣化等の画像除去促進液
を付与することによる不具合を軽減するという効果が最
も大きく、最も好ましい。
【0082】但し、特定の電子写真式の画像形成装置で
形成された画像や特定の像保持体(紙)に形成された画
像においては、初回の再生のみに画像除去促進液を塗布
しても、必ずしも2回目以降の再生処理において画像の
除去が良好に行われない場合がある。これは、再生処理
されていない未使用の像保持体に画像が形成された部分
においては、像保持体と画像形成物質との付着力を弱め
る作用をする界面活性剤などの付着力低下剤(化合物)
の付着量が少なくなるからである。
【0083】図2(a)〜(e)を用いて、上記付着力
低下剤である界面活性剤の付着量が部分的に少なくなる
現象について説明する。図2(a)は、再生処理してい
ない未使用の像保持体1に画像形成物質2が形成されて
いる状態を示している。図2(b)は、画像除去促進液
3を付与した後の状態を示しているが、特定の画像形成
装置で作成された画像では、画像除去促進液は画像形成
物質の下に浸み込まず、画像形成物質の表面に留まって
いる。この状態で画像の除去をすると、図2(c)に示
す状態のように、像保持体と画像形成物質との付着力を
弱くする作用のある界面活性剤分子4の密度は、最初に
画像が形成された部分Aでは小さくなる。再生処理され
た像保持体に再び画像を形成した状態が、図2(d)で
ある。画像が再形成された像保持体に対して画像除去促
進液を付与することなく、画像を除去しようとすると、
図2(e)のように、最初の画像の地肌部では、良好な
画像の除去が可能であるが、最初の画像部A’では画像
の完全な除去はできない。
【0084】上記1回目の再生処理時のみに画像除去促
進液を付与する場合の部分的な除去不良という問題は、
同一像保持体について、第2回目までの再生処理におい
て画像除去促進液を付与して画像形成物質を除去するこ
とにより、ある程度解決することができる。これは、再
生処理のない像保持体に記録された画像と、再生処理後
に形成される画像が重なる確率は低いので、第2回目ま
で画像除去促進液を付与することにより、像保持体の全
面にわたって一定量以上の画像除去促進液を付着させる
ことができるからである。
【0085】原理的には、更に3回目以降の再生処理に
おいても画像除去促進液を付与すれば、それを超える回
数の再生処理での画像除去促進液を付与せずに画像形成
物質を剥離して除去する処理(以下、「乾式再生処理」
という)での画像形成物質の除去特性は良好となる。し
かしながら、本実施形態に用いる界面活性剤のような像
保持体と画像形成物質との付着力を弱める作用のある付
着力低下剤の像保持体への付着量が一定以上になると、
再生された像保持体へ画像を形成したときの画像の定着
性が劣化する。すなわち、乾式電子写真法などて画像を
形成しようとすると画像形成物質の定着性が悪いため
に、定着部でオフセットが発生したり、像保持体を擦っ
たときに画像が剥がれてきてしまうという問題を生じ
る。この定着不良を生じない範囲は、画像除去促進液に
使用する界面活性剤の種類によっても異なるが、A4サ
イズ片面当たり、およそ0.03〜0.15g以下であ
る。すなわち、界面活性剤などの像保持体と画像形成物
質との付着力を低下させる付着力低下剤の付着量が、前
記2回、3回等の基準回数までの回数の再生処理におい
ては、画像除去促進液を付与し、その基準回数を超える
回数の再生処理において乾式再生処理をすることは、画
像の除去特性と画像の定着性の両者を満足させるために
有効である。
【0086】図1の再生装置において、画像剥離ユニッ
ト300の分離ローラ305a、305bにおいて剥離
ベルト310a、310bから分離された像保持体は、
排紙ユニット600の排紙トレー601上に排出され
る。ガイド板511a、511bと像保持体搬送ローラ
603a、603bとの間には、像保持体の再生処理の
回数を表示するマークを像保持体に形成するマーク形成
手段としてのマーク形成手段520が設けられており、
必要に応じて像保持体に上記マークを形成する。
【0087】上記マーク形成手段としては、図1の再生
装置で採用したパンチユニットによる穴穿けの他、コー
ナー・カット、エッジ・カット、押印等のマークを形成
するものを用いることができる。また、インクジェッ
ト、熱転写などで数字、バーコード、文字等のマークを
記録する手段も挙げられる。数字等を記録する手段にお
いて、マークを赤外線や紫外線で検知する場合はそれら
の波長の光を吸収するインクで記録し、マークを誘電的
に検知する場合は誘電率の高い材料を含むインクで記録
し、電気抵抗の違いでマークを検知する場合は電気抵抗
が像保持体と異なる材料で記録する。このマーク形成手
段は、上記マークを検知するマーク検知手段との組み合
わせで、目的に応じて適宜、選択される。
【0088】図3は、図1の再生装置において上記マー
ク形成手段520として用いたパンチユニットの概略構
成図である。このパンチユニットは、先端が斜めに切ら
れたピストン形状の孔開け用の上刃801及びリング状
の下刃802を備えている。像保持体1は、ガイド80
5、807に導かれ、上刃801と下刃802との間を
通過する。上刃801は、通常の状態では、ソレノイド
の電磁コイル803に通電されることによる磁力で上方
に持ち上げられているが、再生処理されていない像保持
体が再生された後、ソレノイドへの通電が停止され、上
刃801がバネ804によって付勢されて下がり、下刃
802との間のせん断力により、像保持体に孔があけら
れる。孔があけられた像保持体は、ガイド810で排紙
ユニット600側に導かれる。像保持体の切り屑809
は容器806に溜められる。孔の大きさや形状に特に制
限はないが、後の像保持体の再利用を考慮すると、マー
ク検知手段で検知可能な範囲で極力小さい方が好まし
く、孔が円形の場合は、直径0.5〜5mm程度が好ま
しい。
【0089】上記孔は、例えば図4(a)に示すように
形成することができる。像保持体の再生処理の回数をカ
ウントする必要がある場合は、図4(a)のように再生
処理毎に位置を変えて多数の孔1aをあけることができ
る。基準回数が1回の場合、すなわち再生処理の有無の
みを検知する場合には、初めての再生処理時のみに孔を
あけ、2回目以降の再生処理後には、孔をあけないよう
にしてもよい。像保持体1の片面にしか画像除去促進液
を付与しない場合には、図5(a)、(b)に示すよう
に像保持体の送り方向Aに対して非対称となるように孔
1bをあけることにより、次回の再生処理前にその孔1
bからなるマークを検知することにより、像保持体のど
ちらの面が再生処理を受けているかどうかを判別するこ
とができる。
【0090】図6(a)は、本実施形態に係る再生装置
で用いた上記孔1a,1bからなるマークを検知する光
透過型のマーク検知ユニット105の概略構成図であ
る。図6(a)において、発光部に用いた発光ダイオー
ド901は、再生装置本体の電源がONの状態で常時点
灯しているか、又は像保持体が搬送される信号を受けて
点灯される。また、受光部の受光素子902としては、
前述の光電池を用いことが好ましい。この図6(a)に
示す光透過型のマーク検知ユニットでは、発光ダイオー
ド901と受光素子902との間の検知位置を像保持体
1の孔1aが通過する際、像保持体1の孔のない部分に
比較して、受光素子902に当たる光の量が多くなり、
受光素子の出力電圧が高くなる。なお、上記マーク検知
手段150としては図6(b)に示すような光反射型の
マーク検知ユニットを用いることもできるが、この光反
射型のマーク検知ユニットでは、検知位置を像保持体1
の孔1aが通過する際、像保持体1の孔のない部分に比
較して、受光素子902に当たる光の量が少なくなり、
受光素子の出力電圧が低くなる。
【0091】なお、上記再生処理の回数や再生処理の有
無を表示するマークとして、図4(d)に示すようなコ
ーナーカットを採用する場合は、上記孔あけと同様にパ
ンチユニットで形成することができる。また、上記マー
クして図4(e)に示すようなエッジカットを採用する
場合も、上記孔あけと同様にパンチユニットで形成する
ことができる。コーナーカットを形成する場合は、カッ
トの大きさを再生処理の回数に応じて大きくすることに
より、再生処理の回数を表示させることができる。エッ
ジカットを形成する場合には、再生処理の回数の応じて
カット数を増やすことにより、再生処理の回数を表示さ
せることができる。カット位置は、一カ所のみならず、
図4(f)に示すように像保持体の対角状に位置する角
をカットすることもできる。このように像保持体の対角
状に位置する角をカットした場合は、、次回の再生処理
時の回数検知において、像保持体の挿入方向にかかわら
ず、先端のみの検知により再生回数が判別することがで
きるという点で好ましい。この点はコーナ−カットの場
合にのみに関するものではなく、例えば孔あけや押印、
印字によるマーク形成の場合にも同様に、図4(a)
(c)に示すように像担持体の対角状の位置にマークを
形成することにより、像保持体の挿入方向にかかわら
ず、先端のマーク検知で回数の検知が可能となる。
【0092】また、上記再生処理の回数や再生処理の有
無を表示するマークを形成する手段として、押印を採用
する場合は、図7(a)、(b)に示すような押印装置
を用いることができる。図7(a)の押印装置は、上記
図3のパンチユニットの孔あけ用の上刃801に代えて
印鑑筺体811をセットしたものである。また、図3の
パンチユニットの下刃802に代えて、板ゴム等の可撓
性を有する部材からなる印鑑受け台812をセットして
いる。図3のパンチユニットと同様に、印鑑筺体811
がソレノイドの電磁コイル803及びバネ804によ
り、再生処理された像保持体1の搬送と同期されて上下
方向に駆動される。印鑑筺体811は、例えば、図7
(b)に示したように、インク容器821などで構成さ
れている。インク容器821内にはインク822、連泡
の発泡ゴム823が内蔵され、発泡ゴム823の先端に
は所望のパターンが刻印された刻印部824を有する。
発泡ゴム823の毛管径は、インクが滴らないように選
択される。すなわち、毛管の表面張力によりインク82
2は発泡ゴム823内に保たれるが、像保持体との接触
で圧力が加えられることにより、インク822は、発泡
ゴム823内からしみ出して像保持体にマークが記録さ
れる。押印のパターンや押印位置は、その目的や用途に
応じて任意に選ぶことができるが、再生処理の回数を記
録する場合には、再生処理の回数に応じて、図7(b)
に示すように回数ごとに少しづつ像保持体1における押
印位置を変えることが望ましい。(以下、余白)
【0093】また、上記再生処理の回数や再生処理の有
無を表示するマークを形成する手段として、インクジェ
ット記録を採用する場合は、図8(a)、(b)に示す
ようなインクジェットユニットを用いることができる。
図8(a)のインクジェットユニットは、上記図3のパ
ンチユニットの孔あけ用の上刃801に代えてオンディ
マンド型インクジェット記録ヘッド817をセットした
ものである。また、図3のパンチユニットの下刃802
に代えて、像保持体のバックアップ部材815をセット
している。インクジェット記録ヘッド817には、イン
クタンク816からインクチューブ814を介してイン
クが供給される。また、図3のパンチユニットと同様
に、インクジェット記録ヘッド817がソレノイドの電
磁コイル及びバネ(図8(a)では不図示)により、再
生処理された像保持体1の搬送と同期されて上下方向に
駆動される。図8(b)は、上記オンディマンド型のイ
ンクジェット記録ヘッド817の一構成例を示してい
る。この構成例では、ヘッド液室831内にインク入口
833からインクが供給される。バイモルフPZTなど
からなる電歪素子822に、像保持体の搬送と同期して
電源835からパルス電圧が印加される。このパルス電
圧により電歪素子822が変形し、ヘッド液室831内
のインクに圧力波が生じ、ノズル板834のオリフィス
836よりインク液滴837が像保持体に向かって吐出
される。
【0094】また、上記マーク形成手段としては、上記
方法を用いるものに限定されるものではなく、熱ヘッド
とインクリボンを用いた感熱転写方法、電磁素子や電歪
素子を用いてワイヤを揺動させることにより、インクリ
ボンのインクを像保持体に転写するインパクト画像記録
方法等の従来から知られている普通紙に印字することが
できる画像形成方法を用いたものの大半が適用可能であ
る。また、本出願人が特開平7−160158号公報に
おいて図3〜図7に用いて開示した装置なども適用可能
である。これらの中から、マーク形成用の部材に要求さ
れる耐久性、記録部のコスト、信頼性等の観点を考慮し
て、適当なものを選択して用いることができる。
【0095】図9は、図1の再生装置における制御系の
主要部を示すブロック図であり、図10は、再生処理の
制御のフローチャートである。図10において、給紙工
程が実行されると、像保持体上に形成されている再生処
理の回数を表示するマークが上記マーク検知ユニット1
05で検知される(ステップ1、2)。マーク検知ユニ
ット105の再生回数検知部900から出力された出力
信号は、インターフェース901、図示しないA/Dコ
ンバータなどを経て制御手段としての制御部902に入
力される。この制御部902はCPUなどにより構成さ
れ、図示しないROM、RAM等の記憶手段が接続され
ている。この制御部902では、上記再生回数検知部9
00からの信号に基づいて判断した像保持体の再生処理
の回数と、あらかじめ設定した所定の基準回数(本制御
例では3回)とを比較する(ステップ3)。そして、像
保持体の再生処理の回数が基準回数(3回)よりも少な
いとき、すなわち2回以下のときは、給液部ドライバ9
04を介して、画像除去促進液付与ユニット200の画
像除去促進液塗布ローラ203a、203b用の接離手
段を構成する解除モータ905を制御し、像保持体に画
像除去促進液を付与する(ステップ4)。そして、画像
剥離ユニット300で画像形成物質を除去した後、再生
回数記録部ドライバ906を介して、上記マーク形成手
段520として用いたパンチユニットのパンチ駆動用ソ
レノイド907を制御し、像保持体に新しい再生処理の
回数を表示するマークを形成する(ステップ5、6)。
一方、像保持体の再生処理の回数が基準回数(3回)以
上のときには、画像除去促進液塗布ローラ203a、2
03b用の解除モータ905を制御し、画像除去促進液
を付与せずに画像剥離ユニット300で画像形成物質を
除去する(ステップ7、8)。
【0096】なお、上記図10のフローチャートでは、
像保持体の再生処理の回数が基準回数(3回)以上のと
きに、像保持体に新しい再生処理の回数を表示するマー
クを形成しない例を示しているが、像保持体に種類に応
じて、再生処理回数に限界がある場合等には、像保持体
の再生処理の回数が基準回数以上となっって画像除去促
進液を付与しないときにも、像保持体に新しい再生処理
の回数を表示するマークを形成し、像保持体の再生処理
の回数が許容限界回数に到達してときに、使用した像保
持体を手動又は自動により、廃棄処分するように構成し
てもよい。
【0097】次に、図11を用いて、本発明に係る像保
持体の再生装置の他の実施形態について説明する。図1
1の再生装置の主要な構成は、上記図1の再生装置と同
じであり、同様な部分については同一の符号を付し、説
明を省略する。
【0098】本実施形態における再生装置では、前述の
未処理の像保持体に形成された画像部での乾式再生処理
時の画像除去不良の問題を解決する他の手段として、再
生処理していない未使用の像保持体に対して画像除去促
進液を付与した後に、物理的あるいは機械的作用によ
り、画像形成物質を除去し、その画像形成物質除去工程
の後、更に画像形成物質と像保持体との付着力を弱める
ための処理(以下、「後処理」という)を行っている。
【0099】図11において、画像剥離ユニット300
の分離ローラ305a、305bにおいて剥離ベルト3
10a、310bから分離された像保持体は、ガイド3
31a、331bに導かれて後処理ユニット400に搬
送される。後処理ユニット400は、画像除去促進液付
与ユニット200とほぼ同等な構成となっている。すな
わち、液容器401a、401b、液付与ローラ403
a、403b、液付絞りローラ404a、404b、後
処理ユニット400から乾燥・仕上げユニット500へ
像保持体を導くためのガイド411a、411b等によ
り構成されている。
【0100】この後処理ユニット400においても、画
像除去促進液付与ユニット200と同様に、給紙ガイド
331a、331bにより案内される像保持体は、液付
与ローラ403a、403bの間を搬送され、液付与ロ
ーラ403a、403bは、図示しない接離手段により
接離が可能になるように構成されている。また、液付与
ローラ403a、403bの接離は、同じく図示しない
カムやソレノイド等からなる接離手段により制御され
る。すなわち、給紙ユニット100に設けられた像保持
体の再生回数検知手段105で検知した像保持体の再生
処理の回数が所定の基準回数よりも少ない場合には、液
付与ローラ403 a、403bは、カムやソレノイド
等からなる接離手段により、その間に搬送される像保持
体に接する位置に移動され、像保持体と画像形成物質と
付着力を弱めるための液(以下、「後処理液」という)
が像保持体に付与される。像保持体の再生処理の回数が
所定の基準回数以上である場合には、液付与ローラ40
3 a、403bが像保持体に接しない位置に移動さ
れ、像保持体への後処理液の付与は行われない。
【0101】液容器401a、401bには、後処理液
402a、402bが入れられ、液付与ローラ403
a、403bにより像保持体に付与される。この未処理
の像保持体上に形成された画像部での乾式再生処理時の
画像除去不良の問題を解決するために用いる後処理液4
02a、402bの処方としては、画像除去促進液と同
様に、像保持体と画像形成物質との付着力を低下せしめ
る界面活性剤等の付着力低下剤を含むものが好ましいを
見いだした。すなわち、後処理液402a、402bに
要求される作用は、画像除去促進液に要求される作用と
同様であるといえる。従って、画像除去促進液と後処理
液とを同一処方として用いることができる。画像除去促
進液と後処理液とを同一処方とすることは、再生装置に
おいて、再生処理に必要な液体のタンクを別に持つ必要
のないことから、装置の小型化が可能になるとともに、
液補給も1種の液のみで可能になることから、メンテナ
ンスの上からも操作性が向上する。
【0102】図11の再生装置において、上記後処理ユ
ニット400により後処理液が塗布された像保持体は、
ガイド板411a、411bに案内され、乾燥・仕上げ
ユニット500に搬送される。乾燥・仕上げユニット5
00は、内部にハロゲン・ランプ等の熱源501を有す
るドラム502、ローラ503、504、505、50
8に張り巡らされた透気性のエンドレス・ベルト507
よりなる。このベルト507の素材としては、綿布、麻
布、ポリエステル布、芳香族ナイロン繊維布、などが耐
熱性、耐薬品性、透気性の点で好ましい。像保持体に付
与された画像除去促進液および後処理液の中の水、界面
活性剤の溶解剤などの成分は、乾燥・仕上げユニットの
ドラム502とベルト507の間を搬送される間に、加
熱され、気化し、蒸発する。更に、ドラム502とベル
ト507の間を搬送される間に、像保持体は、波打ち、
皺などが除去される。
【0103】また、図11の再生装置において、乾燥・
仕上げユニット500で揮発性成分が除去され、平滑化
された像保持体1は、ガイド板511a、511b、像
保持体搬送ローラ603a、603bを介して、排紙ユ
ニット600の排紙トレー601上に排出される。ガイ
ド板511a、511bと像保持体搬送ローラ603
a、603bとの間には、像保持体の再生処理の回数を
表示するマークを像保持体に形成するマーク形成手段5
20が設けられており、必要に応じて像保持体に上記マ
ークを形成する。
【0104】図12は、図11の再生装置における制御
系の主要部を示すブロック図であり、図13は、再生処
理の制御のフローチャートである。本実施形態の再生装
置の制御系では、図12に示すように、定着強度変化部
ドライバ908を介して、後処理液塗布用の液塗布ロー
ラ403a、403bの接離手段を構成する解除モータ
909を制御できるように構成されている。
【0105】図13の制御フローチャートにおいて、給
紙工程が実行されると、像保持体上に形成されている再
生処理の回数を表示するマークが上記マーク検知ユニッ
ト105で検知される(ステップ1、2)。マーク検知
ユニット105の再生回数検知部900から出力された
出力信号は、インターフェース901、図示しないA/
Dコンバータなどを経て制御手段としての制御部902
に入力される。この制御部902では、上記再生回数検
知部900からの信号に基づいて判断した像保持体の再
生処理の回数と、あらかじめ設定した所定の基準回数
(本制御例では1回)とを比較する(ステップ3)。そ
して、像保持体の再生処理の回数が基準回数(1回)よ
りも少ないとき、すなわち再生処理が初めてのときは、
給液部ドライバ904を介して、画像除去促進液付与ユ
ニット200の画像除去促進液塗布ローラ203a、2
03b用の接離手段を構成する解除モータ905を制御
し、像保持体に画像除去促進液を付与する(ステップ
4)。そして、画像剥離ユニット300で画像形成物質
を除去した後、定着強度変化部ドライバ908を介して
解除モータ909を制御し、後処理液を像保持体に付与
する(ステップ5、6)。そして、乾燥・仕上げ工程を
経た後、再生回数記録部ドライバ906を介して、上記
マーク形成手段520として用いたパンチユニットのパ
ンチ駆動用ソレノイド907を制御し、像保持体に新し
い再生処理の回数を表示するマークを形成する(ステッ
プ7、8)。一方、像保持体の再生処理の回数が基準回
数(1回)以上のとき、すなわち既に再生処理を受けた
ことがあるときは、画像除去促進液塗布ローラ203
a、203b用の解除モータ905を制御し、画像除去
促進液を付与せずに画像剥離ユニット300で画像形成
物質を除去し、定着強度変化部ドライバ908を介して
解除モータ909を制御し、後処理液を付与しないよう
にする(ステップ9〜10)。
【0106】なお、上記図13のフローチャートでは、
像保持体の再生処理の回数が基準回数以上のときに、像
保持体に新しい再生処理の回数を表示するマークを形成
しない例を示しているが、像保持体に種類に応じて、再
生処理回数に限界がある場合等には、像保持体の再生処
理の回数が基準回数以上となっって画像除去促進液を付
与しないときにも、像保持体に新しい再生処理の回数を
表示するマークを形成し、像保持体の再生処理の回数が
許容限界回数に到達してときに、使用した像保持体を手
動又は自動により、廃棄処分するように構成してもよ
い。
【0107】また、上記図11に示す再生装置の構成例
では、像保持体から画像形成物質を除去し、後処理とし
て像保持体と画像形成物質との付着力を弱めることによ
り、その後の再生処理において画像除去促進液を使用す
ることなく、乾式での画像形成物質の像保持体からの除
去がし易くなることを説明した。本発明者は、前述の未
処理の紙に形成された画像部での乾式再生処理時の画像
除去不良の問題を解決する他の手段として、更に、他の
方法も効果があることを確認し、発明するに至った。す
なわち、再生処理していない像保持体あるいは、再生処
理回数が少ない像保持体に対して、比較的画像形成物質
と像保持体との付着力を弱める作用の強い画像除去促進
液を付与した後に、物理的あるいは機械的作用により、
画像形成物質を除去し、その画像形成物質除去工程の
後、更に画像形成物質と像保持体との付着力を強めるた
めの処理(以下、「定着処理」という)を行ってもよ
い。この定着処理を行う再生方法及び装置においては、
画像形成物質と像保持体との付着力を弱める作用が比較
的強い画像除去促進液が使用される。
【0108】より具体的には、上記画像除去促進液付与
ユニット200に用いる画像除去促進液として界面活性
剤濃度が30重量%以上の画像除去促進液を使用し、再
生処理した像保持体に形成される画像の定着性を向上す
るための定着処理として、水または水溶性の液体を画像
形成物質除去後の像保持体に付与する。上記水溶性液体
としては、特に 5重量%以下の界面活性剤を含むもの
が有効である。この定着処理の目的は、前述のように画
像除去促進液付与ユニット200における画像除去促進
液の付与により、著しく低下した像保持体と画像形成物
質との付着力を強くして、再生処理された像保持体への
画像の定着性を確保することである。この目的のために
は、画像形成物質を除去した後の像保持体に水のみを付
与するだけで有効であるが、水のみの場合には、ローラ
などの液を像保持体に付与しようとすると、液の表面張
力が高過ぎ、ローラへの液の濡れ性が悪く、均一、且
つ、定量的に液を付与することが困難である。水のみを
像保持体に付与する手段として、噴霧やミストなどの像
保持体と非接触で付与することは有効であるが、非接触
で付与する手段は、その装置構成が複雑となり、コスト
が高くなったり、装置が大型となるという問題がある。
界面活性剤を定着処理用の液に添加することにより、ロ
ーラなどの液付与部材に対する濡れ性が向上し、均一か
つ定量的な液の付与が可能となる。しかしながら、界面
活性剤の添加量が5重量%を超える場合には、コストが
高くなるばかりでなく、像保持体と画像形成物質との付
着力を強める作用が損なわれる。
【0109】上記水や界面活性剤濃度が5重量%以下の
水溶液を、画像除去処理した像保持体に付与した場合
に、該像保持体の画像形成物質に対する付着力が強くな
るメカニズムは、必ずしも明らかでないが、次のように
考えることができる。すなわち、像保持体に付与された
画像除去促進液中の界面活性剤の大部分は像保持体の表
面近傍に留まり、その親水基が像保持体側に向き、疎水
基が空気側を向いた状態になっている。このため、像保
持体の表面を外側から見ると表面が疎水基で覆われ、表
面エネルギーが低下した状態になる。接着理論から、画
像形成物質の表面エネルギーと像保持体の表面エネルギ
ーが近い値であれば、両者の付着力は強くなるが、上記
疎水基で覆われて表面エネルギーが低下した像保持体に
対しては、画像形成物質の表面エネルギーと像保持体の
表面エネルギーとの差が大きく、両者間の付着力は低下
する。
【0110】ここで、水又は5重量%以下の界面活性剤
を含む水溶液、すなわち界面活性剤濃度が低い水溶性液
体を像保持体に付与することにより、先に画像除去促進
液により付与された界面活性剤の一部が、希薄な水溶液
に溶解し、像保持体の内部まで浸透する。このため、像
保持体の表面近傍の界面活性剤の密度が小さくなり、像
保持体の表面エネルギーが画像形成物質の表面エネルギ
ーと同程度まで上昇する。従って、画像形成物質と像保
持体との間の表面エネルギーの差が小さくなり、両者間
の付着力が強くなるものと考えられる。
【0111】なお、上述のように像保持体に対する画像
形成物質の付着力を低下させる作用の強い画像除去促進
液を使用し、水または低濃度の界面活性剤の水溶液で定
着処理をすることによっても、2回目あるいはそれ以降
の再生処理において、画像除去促進液を像保持体に付与
することなく像保持体から画像形成物質を除去できる。
【0112】上記定着処理の例では、再生処理の回数の
少ない時に付与する画像除去促進液が、30重量パーセ
ント以上の界面活性剤を含むものであり、画像除去促進
液により像保持体の画像形成物質に対する付着力を充分
に低下して画像形成物質を除去するため、前述の後処理
を行う再生方法及び装置に比較して、更に画像除去促進
液の使用量が少ない場合でも画像形成物質の除去が可能
となる。また、前述の後処理を行う再生方法及び装置に
比較して、画像除去促進液の濃度の変化に対する許容度
が高いという特徴がある。すなわち、前述の後処理を行
う再生方法及び装置のように、画像を除去した後、画像
形成物質との付着力を弱める方法では、画像除去促進液
および後処理液より揮発成分が蒸発し、界面活性剤の濃
度が高くなると画像の定着性が劣化し易い。また、界面
活性剤の濃度が低くなると画像の除去特性が劣化する。
それに対して、上記定着処理を行う再生方法及び装置の
ように、画像を除去した後、画像形成物質との付着力を
強める方法では、画像除去促進液の濃度変化に関して、
上記後処理を行う方法と同様な効果はあるものの、その
許容幅は、上記後処理を行う方法における画像除去促進
液の許容濃度の2〜4倍であることが確認された。
【0113】なお、上記実施形態の再生装置の再生処理
対象物である、電子写真法等の画像形成に使用される像
保持体(用紙)は、通常約70μm以下の厚みがある。
像保持体の厚みが焼く50μm以上ある場合、片面当た
り約0.5ml/A4版以下の画像除去促進液を像保持
体の片面に付与すると、画像促進液の大半は、像保持体
の厚み方向の中心より塗布した面側にしか浸透しない。
【0114】像保持体の片面にしか画像がないような場
合で、片面のみに画像除去促進液を付与して再生処理を
行う場合には、像保持体の再生処理の回数が片面につい
て多くても、他の面には画像除去促進液が付与されてい
ない場合がある。このような場合は、画像除去促進液が
付与されていない面に形成された画像を除去するために
は、たとえ除去しようとする画像が形成されている面と
反対側の面の再生処理の回数が多い場合においても、画
像が形成されている面に画像除去促進液を付与して画像
形成物質を除去する必要がある。従って、上記片面のみ
に画像除去促進液を付与して再生処理を行う再生装置の
場合には、再生処理対象の処理面について再生処理の回
数と基準回数との比較を行うように構成する。
【0115】上記図1又は図11の再生装置のように、
片面のみに画像が形成されている場合も像保持体の両面
に画像除去促進液を付与する装置においては、片面のみ
に画像が形成された像保持体を再生処理した場合、画像
が形成されていなかった面も1回の再生処理を受けたも
のとみなす。
【0116】片面のみに画像除去促進液を付与して再生
処理を行う場合には、再生装置で、像保持体の再生処理
をしようとする面の再生処理の回数(再生履歴)を検
知、判別する必要がある。この検知、判別は、再生装置
において、押印、印字などで再生処理後の像保持体に適
当なマークを形成することにより、容易に実施すること
ができる。すなわち、押印、印字等を、再生処理後の像
保持体の例えば再生処理された面のみに行うことによ
り、記録されたマークは、像保持体に光を照射し、その
反射光の量やパターンを検知することにより読み取るこ
とができる。また、パンチユニットで再生後の像保持体
に孔をあけたり、像保持体の端部に切り欠きを形成して
再生処理の回数を表示させる場合には、像保持体の送り
方向に関して非対称な形状の孔や切り欠きを形成するこ
とにより、次回の再生処理において、孔や切り欠きのパ
ターンを読み取ることにより、再生処理面の判別を行う
ことができる。
【0117】また、上記図1又は図11の再生装置を用
いて、画像が形成されていない像保持体を処理してもよ
い。この場合には、未使用の像保持体を図1又は図11
の再生装置を用いて処理して、特定の界面活性剤を付着
させ、像保持体の画像形成物質に対する付着力を低下さ
せることにより、初回の再生処理より、画像除去促進液
を付与することなく、画像形成物質を除去することが可
能となる。このように、未使用の像保持体を処理して均
ーに、像保持体の画像形成物質に対する付着力を低下せ
しめることにより、画像形成物質の除去が可能な再生繰
り返し使用可能回数を大きくすることができる。また、
画像除去促進液が像保持体全体に均一に付着しており、
像保持体の特性が面内で均一となるため、画像形成装
置、再生装置において発生する皺やジャム等を低減でき
る。
【0118】乾式電子写真法を用いた画像形成装置にお
いては、負帯電のトナーが一般的に染料タイプの荷電制
御剤が用いられている。画像除去促進液を付与して、画
像を除去する場合には、画像除去促進液により画像形成
物質中の染料が溶解され、像保持体に染料が染色するた
め、画像形成物質中の樹脂成分や顔料成分が除去されて
も、画像に対応した染料の像が残るという問題が発生し
易い。ところが、上記未使用の像保持体を図1又は図1
1の再生装置を用いて処理する場合には、第1回目の再
生処理において画像除去促進液を用いずに画像形成物質
の除去をするため、画像形成物質に荷電制御剤などの染
料を含む場合にも、再生処理において染料による残像が
生じにくく、多種の画像形成装置で形成した画像を除去
できる。
【0119】
【実施例】次に、本発明のより具体的な実施例について
比較例及び参考例を交えながら説明する。 〔実施例1〕図1の再生装置で像保持体からの画像形成
物質の除去を実施した。再生処理の回数が0回、すなわ
ち未再生処理と検知された場合にのみ、画像除去促進液
が付与されるように再生装置を調整して再生処理を行っ
た。この再生処理における各種条件は次のとおりであ
る。 像保持体:市販のコピー用上質紙 画像形成装置:市販の複写機(商品名:FT6500 リコー製) 複写方法:両面コピー 画像除去促進液の処方:ジアルキルスルホ琥珀酸ソーダ 25重量% ジプロピレングリコール 15重量% イオン交換水 残量 画像除去促進液の付与量:A4版片面あたり0.3gを両面に付与 再生処理線速:30mm/sec 加熱・加圧ローラの温度:100℃ (以下、余白)
【0120】上記処方の画像除去促進液を、図1の再生
装置における画像除去促進液液付与ユニット200の液
容器201a、201bに入れて、像保持体の再生を行
った。上記コピー・サンプル50枚を連続で再生装置に
より、画像除去促進液を付与して処理したところ、両面
の画像は除去され、トレー601に排出された紙に与え
られた画像除去促進液の水分は、トレー601で放置さ
れ、次の紙が排出され重ねられる前までの時間で、完全
に蒸発し、紙の再生がなされた。再生処理した紙には、
マーク形成手段であるパンチユニット520で孔をあ
け、再生処理を施したことを記録した。
【0121】再生処理した50枚の紙に上記複写機で、
未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、できる限り未
処理の紙にコピーした画像と位置が重なるように、連続
50枚の両面複写処理を行った。その結果、未処理の紙
とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジス
トのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのものの
発生はなかった。
【0122】再コピーした画像を、図1の再生装置で再
生処理を行った。再生装置のマーク検知ユニット105
により、紙は再生処理されたものであることが検知さ
れ、画像除去促進液塗布ローラ203a、203bのギ
ャプが開いたまま、紙が搬送され、画像除去促進液が紙
に付与されることなく再生処理がなされた。その結果、
両面の画像は除去され、トレー601に排出され、再生
された。
【0123】2回目の再生処理をほどこした紙に、上記
複写機で、未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、で
きる限り未処理の紙にコピーした画像と位置が重なるよ
うに、連続50枚の両面複写処理を行った(3回目の複
写)。その結果、未処理の紙とほぼ同質の画像が得ら
れ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキューも肉
眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。
【0124】3回目の複写をした画像を、図1の再生装
置で再生操作を行った(3回目の再生処理)。この回の
再生処理においても、再生装置のマーク検知ユニット1
05により、紙は再生処理されたものであることが検知
され、画像除去促進液塗布ローラ203a、203bの
ギャプが開いたまま、紙が搬送され、画像除去促進液が
紙に付与されることなく再生処理がなされた。その結
果、両面の画像は除去され、トレー601に排出され、
再生された。
【0125】更に、同様に4回目の、コピー操作、再生
処理操作を繰り返したが、コピーにおいては、未処理の
紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジ
ストのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのもの
の発生はなかった。また、再生処理においては(4回目
の再生処理)、両面の画像とも除去が可能であった。
【0126】再生処理された紙に5回目の複写を行った
が、未処理の紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺
はなく、レジストのずれ、スキューも肉眼で認識できる
レベルのものの発生はなかった。
【0127】〔比較例1〕上記マーク検知ユニット10
5を作動させずに、再生処理の回数にかかわらず、画像
除去促進液を像保持体に付与するように調整した再生装
置を使用して再生処理をした以外は、実施例1と同様な
処理操作を行い、再生、コピー操作を実施した。その結
果、3回目の再生処理後の紙に複写をしたところ、定着
ローラによるオフセットと推定される、画像の抜け、地
肌の汚れが発生し、正常な画像が得られなかった。4回
目の再生処理をした紙へ複写を行った時には、3回目の
再生処理後の紙に複写した場合に比較して、更に画像の
抜けも地肌汚れが激しくなり、紙自体も透明度が高く油
紙様のものとなってしまった。2回目、3回目の再生処
理後では、紙への界面活性剤の付与量は、A4片面当た
り、それぞれ、0.15g、0.23gであり、紙への
界面活性剤の付与量がA4片面当たり0.15gを越え
た場合に、画像の定着性の不良や、紙の透明化の現象が
顕著になることが判明した。
【0128】〔比較例2〕画像除去促進液として下記の
処方の液を用いた以外は、1回目の再生処理を、実施例
1と同様に実施した。 画像除去促進液の処方:ジアルキルスルホ琥珀酸ソーダ 14重量% ジプロピレングリコール 15重量% イオン交換水 残量
【0129】上記画像除去促進液を使用した結果、1回
目の再生処理で、画像の除去が困難であり、画像の残り
が極端に多かったので、2回目の複写以降の操作は行わ
なかった。この結果から、画像除去促進液中の界面活性
剤の濃度が低い場合には、少量の画像除去促進液の付与
では、画像形成物質の除去が困難であることが判明し
た。
【0130】〔実施例2〕実施例1と同様に、図1の再
生装置で、像保持体からの画像形成物質の除去を実施し
た。この例では、再生処理の回数が0回目及び1回目と
検知された場合に、画像除去促進液が付与されるように
再生装置を調整して再生操作を行った。すなわち、基準
回数が2回であり、3回目以降の再生処理では乾式で画
像の除去を行った。
【0131】また、画像形成装置として、実施例1で用
いたリコー製FT6500 に代えて、富士ゼロックス
社製Vivace675を用い、実施例1と同様に第1
回目の複写と像保持体の再生処理を行った。上記画像除
去促進液以外は実施例1と同様にして、画像形成操作、
再生処理操作を行った。その結果、実施例1と同様に、
4 回目までの再生処理で画像の除去が可能であり、5
回目までの画像形成で、未処理の紙とほぼ同質の画像が
得られ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキュー
も肉眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。
【0132】〔参考例1〕実施例1と同様に、再生処理
の回数が0回、すなわち未再生処理と検知された場合に
のみ、画像除去促進液が付与されるように再生装置を調
整して再生操作を行い、その他の条件は実施例2と同様
にして、第3回目までの印字操作、再生処理操作を実施
した。その結果、2回目までの再生処理で画像の除去が
可能であり、3回目までの画像形成で、未処理の紙とほ
ぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジストの
ずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのものの発生
はなかったが、第3回目の再生処理操作で画像の除去が
困難になってしまった。これは、使用した画像形成装置
の画像の特性が、実施例1で使用した画像形成装置の特
性と異なるためであることが判明した。
【0133】〔実施例3〕参考例1では、実施例1およ
び実施例2と同様に、再生処理した50枚の紙に、未処
理の紙にコピーしたのと同じ画像を、できる限り未処理
の紙にコピーした画像と位置が重なるようにして画像を
形成したが、本実施例においては、大きなベタ画像のな
い、文字のみの画像を形成して、未処理の紙に画像形成
された部分に再生後の画像が重なる面積が小さくなるよ
うにして、画像形成を行った。この画像形成条件以外
は、参考例1と同様にして、画像形成操作、再生処理操
作を行った。すなわち、この実施例においても、再生処
理の回数が0回、すなわち未再生処理と検知された場合
にのみ、画像除去促進液が付与されるように再生装置を
調整し、2回目以降の再生処理においては乾式で処理す
るようにして、再生処理操作を行った。その結果、第3
回目の再生処理においても、画像の除去が可能であるこ
とが確認された。そこで、第4回目の画像形成操作、第
4回目の再生処理操作、第5回目の画像形成操作を同様
な条件で繰り返したが、いずれの画像形成操作において
も、未処理の紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺
はなく、レジストのずれ、スキューも肉眼で認識できる
レベルのものの発生はなく、第4回目の再生処理操作で
画像の除去も可能であることが判明した。
【0134】上記結果から、参考例1で、第3回目の再
生処理操作で画像の除去が困難になってしまったのは、
第1回目の画像形成で(未再生処理紙への画像形成で)
画像が形成された部分への画像除去促進液の付着量が少
ないためであると推定された。
【0135】〔実施例4〕後処理ユニット400と乾燥
・仕上げユニット500を設けた図11の再生装置を用
いて再生処理を行った。実施例1と同様に、再生回数が
0回、すなわち未再生処理と検知された場合にのみ、画
像除去促進液および後処理液が付与されるように再生装
置を調整して再生操作を行った。この再生処理における
各種条件は次のとおりである。 像保持体:市販のコピー用上質紙 画像形成装置:市販の複写機(商品名:Vivace6
75 富士ゼロックス社製) 複写方法:両面コピー 画像除去促進液および後処理液の処方: ジアルキルスルホ琥珀酸ソーダ 28重量% プロピレングリコール 8重量% 1,6−ペンタンジオール 8重量% イオン交換水 残量 画像除去促進液の付与量:A4版片面あたり0.2gを
両面に付与 後処理液の付与量:A4版片面あたり0.1gを両面に
付与 再生処理線速:20mm/sec 加熱・加圧ローラの温度:110℃
【0136】上記処方の画像除去促進液を、図11の再
生装置における画像除去促進液液付与ユニット200の
液容器201a、201b及び後処理ユニット400の
液容器401a、401bに入れて、像保持体の再生を
行った。
【0137】上記コピー・サンプル50枚を連続して、
再生装置で画像除去促進液および後処理液を付与して処
理したところ、両面の画像は除去され、トレー601に
排出された。処理した紙には、パンチユニット520で
穴をあけ、再生処理を施したことを記録した。
【0138】再生処理した50枚の紙に上記複写機で、
未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、できる限り未
処理の紙にコピーした画像と位置が重なるように、連続
50枚の両面複写処理を行った。その結果、未処理の紙
とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジス
トのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのものの
発生はなかった。
【0139】再コピーした画像を、図11の再生装置で
再生操作を行った。再生装置のマーク検知ユニット10
5により、紙は再生処理されたものであることが検知さ
れ、画像除去促進液の塗布ローラ203a、203bお
よび後処理液の塗布ローラ403a、403bのギャブ
が開いたまま、紙が搬送され、画像除去促進液および後
処理液が紙に付与されることなく再生処理がなされた。
その結果、両面の画像は除去され、トレー601に排出
され、再生された。
【0140】2回目の再生処理をほどこした紙に、上記
複写機で、未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、で
きる限り未処理の紙にコピーした画像と位置が重なるよ
うに、連続50枚の両面複写処理を行った(3回目の複
写)。その結果、未処理の紙とほぼ同質の画像が得ら
れ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキューも肉
眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。
【0141】3回目の複写をした画像を、図11の再生
装置で再生処理操作を行った(3回目の再生処理)。こ
の回の再生処理においても、再生装置のマーク検知ユニ
ット105により、紙は再生処理されたものであること
が検知され、画像除去促進液の塗布ローラ203a、2
03bおよび後処理液の塗布ローラ403a、403b
のギャプが開いたまま、紙が搬送され、画像除去促進液
および後処理液が紙に付与されることなく再生処理がな
された。その結果、両面の画像は除去され、トレー60
1に排出され、再生された。
【0142】更に、同様に4回目の、コピー操作、再生
処理操作を繰り返したが、コピーにおいては、未処理の
紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジ
ストのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのもの
の発生はなかった。また、再生処理においては(4回目
の再生処理)、両面の画像とも除去が可能であった。
【0143】再生処理された紙に5回目の複写を行った
が、未処理の紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺
はなく、レジストのずれ、スキューも肉眼で認識できる
レベルのものの発生はなかった
【0144】〔実施例5〕後処理ユニット400と乾燥
・仕上げユニット500を設けた図11の装置例の再生
処理装置を用いて再生処理を行った。実施例1と同様
に、再生回数が0回、すなわち未再生処理と検知された
場合にのみ、画像除去促進液および定着処理液が付与さ
れるように再生装置を調整して再生操作を行った。この
再生処理における各種条件は次のとおりである。 像保持体:市販のコピー用上質紙 画像形成装置:市販の複写機(商品名:Vivace675 富士ゼロックス社 製) 複写方法:両面コピー 画像除去促進液の処方:ジアルキルスルホ琥珀酸ソーダ 43重量% プロピレングリコール 8重量% 2‐メチル−2,4−ペンタンジオール 8重量% エチレンクレリコール 5重量% グリセリン 5重量% イオン交換水 残量 定着処理液の処方: ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 0.7重量% エチレンクレリコール 0.3重量% グリセリン 0.3重量% イオン交換水 残量 画像除去促進液付与量:A4版片面あたり0.2gを両面に付与 定着処理液付与量:A4版片面あたり0.25gを両面に付与 再生処理線速:45mm/sec 加熱・加圧ローラの温度:120℃
【0145】上記処方の画像除去促進液および定着処理
液を、それぞれ、図11の再生装置における画像除去促
進液液付与ユニット200の液容器201a、201
b、後処理ユニット400の液容器401a、401b
に入れて、像保持体の再生を行った。上記コピー・サン
プル50枚を連続して、再生装置で画像除去促進液およ
び定着処理液を付与して処理したところ、両面の画像は
除去され、トレー601に排出された。処理した紙に
は、パンチユニット520で孔をあけ、再生処理を施し
たことを記録した。
【0146】再生処理した50枚の紙に上記複写機で、
未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、できる限り未
処理の紙にコピーした画像と位置が重なるように、連続
50枚の両面複写処理を行った。その結果、未処理の紙
とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジス
トのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのものの
発生はなかった。
【0147】再コピーにより画像を形成した紙に対し
て、図11の再生装置で再生処理操作を行った。再生装
置のマーク検知ユニット105により、紙は再生処理さ
れたものであることが検知され、画像除去促進液の塗布
ローラ20 3a、203bおよび後処理液の塗布ロー
ラ403a、403bのギャプが開いたまま、紙が搬送
され、画像除去促進液および定着処理液が紙に付与され
ることなく再生処理がなされた。その結果、両面の画像
は除去され、トレー601に排出され、再生された。
【0148】2回目の再生処理をほどこした紙に、上記
複写機で、未処理の紙にコピーしたのと同じ画像を、で
きる限り未処理の紙にコピーした画像と位置が重なるよ
うに、連続50枚の両面複写処理を行った(3回目の複
写)。その結果、未処理の紙とほぼ同質の画像が得ら
れ、ジャム、皺はなく、レジストのずれ、スキューも肉
眼で認識できるレベルのものの発生はなかった。
【0149】3回目の複写をした画像を、図11の再生
装置で再生操作を行った(3回目の再生処理)。この回
の再生処理においても、再生装置のマーク検知ユニット
105により、紙は再生処理されたものであることが検
知され、画像除去促進液の塗布ローラ203a、203
bおよび後処理液の塗布ローラ403a、403bのギ
ャプが開いたまま、紙が搬送され、画像除去促進液およ
び定着処理液が紙に付与されることなく再生処理がなさ
れた。その結果、両面の画像は除去され、トレー601
に排出され、再生された。
【0150】更に、同様に4回目の、コピー操作、再生
処理操作を繰り返したが、コピーにおいては、未処理の
紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジ
ストのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのもの
の発生はなかった。また、再生処理においては(4回目
の再生処理)、両面の画像とも除去が可能であった。再
生処理された紙に5回目の複写を行ったが、未処理の紙
とほぼ同質の画像が得られ、ジャム、皺はなく、レジス
トのずれ、スキューも肉眼で認識できるレベルのものの
発生はなかった
【0151】〔比較例3〕図1の再生装置を用いて、定
着処理することなく再生処理を行う以外は、実施例5と
同様な条件で、第1回目の再生処理を実施した。この結
果、画像の除去は良好であったが、再生された紙に第2
回目の画像形成を行ったところ、定着ローラによるオフ
セットと推定される、画像の剥がれ、地肌の汚れが生
じ、正常な画像形成ができなかった。
【0152】〔比較例4〕マーク検知ユニット105を
作動させずに、再生処理の回数にかかわらず、画像除去
促進液および定着処理液を像保持体に付与するように調
整した装置を使用して再生処理をした以外は、実施例5
と同様な操作を行い、再生、コピー操作を実施した。
【0153】その結果2回目の再生処理後の紙に複写を
したところ、定着ローラによるオフセットと推定され
る、画像の抜け、地肌の汚れが発生し、正常な画像が得
られなかった。3回目、4回目の再生処理を施した紙に
画像形成を行った時には、2回目の再生処理後の紙に画
像形成を行った場合に比較して、更に画像の抜けも地肌
汚れが激しくなり、紙自体も透明度が高く油紙様のもの
となってしまった。1回目、2回目、3回目の再生処理
後では、紙への界面活性剤の付与量は、A4片面当た
り、それぞれ、0.09g、0.18g、0.26gで
あり、紙への界面活性剤の付与量がA4片面当たり0.
15gを越えた場合に、定着処理を実施しても、リサイ
クルを繰り返すと、画像の定着性の不良や、紙の透明化
の現象が顕著になることが判明した。
【0154】〔実施例6、実施例7〕実施例5で使用し
た画像除去促進液に水を加えたり、水を蒸発させたりし
て、ジアルキルスルホ琥珀酸ソーダの濃度が、それぞ
れ、35重量%(実施例6)、50重量%(実施例7)
になるように調整した画像除去促進液を用意した。これ
らの画像除去促進液を使用する以外は、実施例5と同様
に再生処理、画像形成操作を実施した。
【0155】その結果、実施例5と同様に、4回目まで
の再生処理で画像の除去が可能であり、5回目までの画
像形成で、未処理の紙とほぼ同質の画像が得られ、ジャ
ム、皺はなく、レジストのずれ、スキューも肉眼で認識
できるレベルのものの発生はなかった。この結果から、
画像形成物質の除去後に定着処理を行う場合には、画像
除去促進液の濃度がある程度変化しても、画像形成物質
の除去特性、画像の定着性の両者を満足できることが判
明した。
【0156】〔実施例8〕図1の再生装置を用い、画像
形成されていない未使用の紙を実施例1と同様の条件で
処理した。再生装置は、再生回数が0回、すなわち未再
生処理と検知された場合にのみ、画像除去促進液が付与
されるように再生装置を調整して再生処理操作を行っ
た。上記再生装置で処理した未使用の紙にも再生処理と
同様な処理をしたことを示すため、パンチユニット52
0で孔をあけた。
【0157】このように未使用の紙を再生処理と同様な
処理をし、この紙に画像形成操作、再生処理操作を行っ
たところ、第1回目以降の再生処理操作において、画像
除去促進液を付与することなく、乾式で画像の除去を行
うことができた。
【0158】〔実施例9〕画像形成装置としてリコー製
FT7000Tを用いる以外は、実施例8と同様な画像
形成操作及び再生処理操作を実施した。FT7000T
で用いる画像形成物質には、荷重制御剤として染料が用
いられている。未使用の紙を実施例8と同様に処理し
て、FT7000Tを用いて画像形成し、画像除去促進
液を付与することなく再生処理を行ったところ、画像の
除去が可能であった。
【0159】
【発明の効果】請求項1、2、3、4又は5の発明によ
れば、画像形成物質の除去特性を維持するとともに、再
生処理した像保持体を画像形成に再利用する場合に生じ
るおそれがあった皺、ジャム、サイズ変化、定着性の劣
化、像保持体の劣化等の画像除去促進液を付与すること
による不具合を軽減することができるという効果があ
る。
【0160】特に、請求項2又は4の発明によれば、上
記再生処理の回数が基準回数以上になって画像除去促進
液を付与しなくなったときに、像保持体の全面にわたっ
て画像形成物質の付着力低下が不十分な部分が残らずに
画像形成物質のすべてを除去できるようにしたり、上記
画像除去促進液で低下しすぎた画像形成物質の付着力を
回復させて再生処理した像保持体にさらに画像を形成す
るときの画像の定着特性を良好に維持したりすることが
できるという効果がある。
【0161】また特に、請求項5の発明によれば、次の
再生処理で像保持体がそれまでに受けている再生処理の
回数を正確に検知することができ、しかも、オペレータ
が再生処理された後の像保持体に対して上記再生処理の
回数を表示するマークを形成するような作業を行わなく
てもよいという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る像保持体の再生装置の
概略構成図。
【図2】(a)〜(e)は像保持体の繰り返し使用時に
おける画像除去不良の説明図。
【図3】同再生装置のマーク形成手段として用いたパン
チユニットの概略構成図。
【図4】(a)〜(f)はそれぞれ像保持体上の再生処
理の回数を表示するマークの形成例を示す説明図。
【図5】(a)及び(b)は像保持体上の再生処理の回
数を表示するマークを形成した部分の拡大図。
【図6】(a)は同再生装置のマーク検知ユニットの概
略構成図 (b)は変形例に係るマーク検知ユニットの概略構成
図。
【図7】(a)は変形例に係るマーク形成手段である押
印装置の概略構成図。(b)は同押印装置を構成する印
鑑筺体の断面図。
【図8】(a)は他の変形例に係るマーク形成手段であ
るインクジェットユニットの概略構成図。(b)は同イ
ンクジェットユニットを構成するインクジェット記録ヘ
ッドの断面図。
【図9】同再生装置における制御系の主要部を示すブロ
ック図。
【図10】同再生装置における再生処理の制御のフロー
チャート。
【図11】他の実施形態に係る像保持体の再生装置の概
略構成図。
【図12】同再生装置における制御系の主要部を示すブ
ロック図。
【図13】同再生装置における再生処理の制御のフロー
チャート。
【符号の説明】
1 像保持体(用紙) 100 給紙ユニット 200 画像除去促進液付与ユニット 202a,202b 画像除去促進液 300 画像剥離ユニット 400 後処理ユニット 402a,402b 後処理液 500 乾燥・仕上げユニット 600 排紙ユニット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】像保持体に形成されている画像の画像形成
    物質を該像保持体から除去し、該像保持体を画像形成可
    能な状態に再生する像保持体の再生方法において、 再生処理しようとする像保持体が既に受けている再生処
    理の回数とあらかじめ設定した基準回数とを比較し、 該再生処理の回数が該基準回数よりも少ないときに、該
    像保持体と画像形成物質との付着力を低下させる付着力
    低下剤を含む画像除去促進液を該像保持体に付与した
    後、該像保持体からの画像形成物質の除去処理を行い、 該再生処理の回数が該基準回数以上のときに、該像保持
    体に該画像除去促進液を付与せずに、該像保持体からの
    画像形成物質の除去処理を行うことを特徴とする像保持
    体の再生方法。
  2. 【請求項2】請求項1の像保持体の再生方法において、 上記再生処理の回数が上記基準回数よりも少ないとき
    に、上記画像形成物質を除去した上記像保持体の画像形
    成物質に対する付着力を変化させる後処理を、該画像形
    成物質を除去した像保持体に対して行うことを特徴とす
    る像保持体の再生方法。
  3. 【請求項3】像保持体に形成されている画像の画像形成
    物質を該像保持体から除去する画像形成物質除去手段を
    備え、該像保持体を画像形成可能な状態に再生する像保
    持体の再生装置において、 上記画像形成物質を除去する前の上記像保持体に、該像
    保持体と画像形成物質との付着力を低下させる付着力低
    下剤を含む画像除去促進液を付与するための液付与手段
    と、 上記像保持体が既に受けている再生処理の回数を表示す
    る該像保持体上のマークを検知するマーク検知手段と、 上記マーク検知手段で検知した再生処理の回数とあらか
    じめ設定した基準回数とを比較する比較手段と、 上記比較手段の比較結果に基づいて、上記液付与手段を
    制御する制御手段とを設けたことを特徴とする像保持体
    の再生装置。
  4. 【請求項4】請求項3の像保持体の再生装置において、 上記画像形成物質を除去した上記像保持体の該画像形成
    物質に対する付着力を変化させる後処理を、該画像形成
    物質を除去した像保持体に対して行う後処理手段と、 上記比較手段の比較結果に基づいて、上記後処理手段を
    制御する制御手段とを設けたことを特徴とする像保持体
    の再生装置。
  5. 【請求項5】請求項3又は4の像保持体の再生装置にお
    いて、 上記像保持体の再生処理の回数を表示するマークを該像
    保持体に形成するマーク形成手段を設けたことを特徴と
    する像保持体の再生装置。
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