JPH10220893A - ヒートポンプ装置 - Google Patents

ヒートポンプ装置

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JPH10220893A
JPH10220893A JP1901097A JP1901097A JPH10220893A JP H10220893 A JPH10220893 A JP H10220893A JP 1901097 A JP1901097 A JP 1901097A JP 1901097 A JP1901097 A JP 1901097A JP H10220893 A JPH10220893 A JP H10220893A
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heat exchanger
heating
cooling
refrigerant flow
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Kenji Nakajima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンプレッサ1で冷媒を循環させる冷暖房切
り替え可能なヒ−トポンプ装置において、冷房時には冷
媒を過冷却し暖房時には冷媒を蒸発させて外気吸熱を行
うことのできる熱交換器9を提供し、暖房能力を向上さ
せる。 【解決手段】 熱交換器9には3本のU字型の冷媒流路
92〜94およびが設けられ、これら冷媒流路は電磁弁
7b〜7iおよび逆止弁10a〜10fからなる弁手段
によって、冷房時には直列関係となり暖房時には並列関
係となるように切替え可能となっている。さらに、暖房
時に暖房用膨張弁11aで減圧された冷媒を各冷媒流路
92〜94へ同時分配する分配器91および各冷媒流路
92〜94から出た冷媒が集められるヘッダ90が備え
られている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮機で冷媒を循
環させる冷暖房切り替え可能なヒ−トポンプ装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種のヒートポンプ装置の従来技術と
して、冷凍サイクルの冷房時に、凝縮器となる室外熱交
換器出口の液冷媒を過冷却熱交換器に導き、冷房能力の
向上を図る手段がある。これによると、冷凍サイクルの
冷房時に、室外熱交換器にて凝縮された液冷媒が、過冷
却熱交換器に導入され、過冷却熱交換器内の冷媒流路を
流通する間に、外気と熱交換して過冷却されるものであ
る。続いて、液冷媒は、膨張弁等によって減圧膨張され
て、室内熱交換器入口に至り、室内熱交換器にて冷媒は
蒸発して室内の空気が冷却される。
【0003】ここで、液冷媒は十分に過冷却されている
ため、蒸発器(室内熱交換器)入口と出口における冷媒
のエンタルピー差が大きくでき、ヒートポンプの冷房能
力が向上する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種のヒー
トポンプ装置では、冷房時に、室外熱交換器にて凝縮さ
れた液冷媒を過冷却熱交換器に通し、冷房能力の向上を
狙っているものの、暖房時には、室内熱交換器にて凝縮
された冷媒は過冷却熱交換器をバイパスして流すなど、
過冷却熱交換器は冷媒を蒸発させて外気吸熱を行う蒸発
器として用いられていない。その理由は以下の様であ
る。
【0005】すなわち、過冷却時には、過冷却熱交換器
内を流れる冷媒が液相であり相変化しない。このような
液冷媒においては、熱伝達率は冷媒流速の増加とともに
大きくなることが知られている。そのため、従来におい
ては、過冷却熱交換器内の冷媒流路を入口から出口まで
1本の直列流路にすることによって、流速を減速させな
いようにして熱伝達率を確保している。ちなみに、複数
の冷媒流路を同時に流すようにすると、冷媒が分配され
流速が低下してしまうため、熱伝達率が低下し十分な過
冷却が行われない。
【0006】一方、暖房時に、減圧膨張された冷媒を過
冷却熱交換器に流して外気吸熱を行おうすると、過冷却
熱交換器内で低圧冷媒(気液二相冷媒)の蒸発が起こ
り、冷媒の比体積が大きくなるため、1本の直列な冷媒
流路では圧力損失が過大となってしまう。その結果、冷
媒を循環する圧縮機の吸入圧が低下して冷媒循環量の減
少が起こり、十分な外気吸熱が行われず暖房能力の向上
に対して有効に作用しないのである。
【0007】このように、冷房時に冷房能力向上のため
に付加した過冷却熱交換器が、暖房時の暖房能力向上に
対して有効に作用しないという問題が生じている。本発
明は上記点に鑑みてなされたもので、圧縮機で冷媒を循
環させる冷暖房切り替え可能なヒ−トポンプ装置におい
て、冷房時には冷媒を過冷却し暖房時には冷媒を蒸発さ
せて外気吸熱を行うことのできる熱交換手段を提供し、
暖房能力を向上させることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、過冷却熱
交換器内の圧力損失に着目して鋭意検討を行い、以下の
技術的手段を採用することとした。すなわち、請求項1
の発明によれば、圧縮機(1)で冷媒を循環させる冷暖
房切り替え可能なヒ−トポンプ装置において、冷房時に
は気液分離器(5)からの液冷媒を過冷却し、暖房時に
は暖房用減圧手段(11a)で減圧膨張された冷媒を蒸
発させる熱交換手段(9)を備え、この熱交換手段
(9)は、複数の冷媒流路(92〜94)を有し、暖房
時には冷房時に比して冷媒が同時に流れる並列冷媒流路
の数が多くなるものであることを特徴とする。
【0009】それによって、冷房時には、室外熱交換器
(4)で凝縮され気液分離器(5)で気液分離された液
冷媒は熱交換手段(9)で過冷却されるので、冷房能力
が向上できる共に、暖房時には、冷房時に比して熱交換
手段(9)内の冷媒流路の圧力損失が低減できるので、
冷媒循環量の減少が抑えられ十分な外気吸熱を行うこと
ができ、暖房能力が向上できる。
【0010】ここで、熱交換手段(9)としては、具体
的には請求項3の発明のように、熱交換手段(9)の複
数の冷媒流路(92〜94)が、冷房時には直列関係と
なり、暖房時には並列関係となるように切替える弁手段
(7b〜7i、10a〜10f)と、暖房時に、暖房用
減圧手段(11a)で減圧された冷媒を冷媒流路(92
〜94)へ同時分配する分配手段(91)と、暖房時に
冷媒流路(92〜94)から出た冷媒が集められる集合
部(90)とを有するものにすることができる。
【0011】それによって、冷房時には、室外熱交換器
(4)で凝縮された冷媒が今度は同じ冷媒流路(92〜
94)間を順次直列に流れ1本の流路を形成するため、
流速が減速せずに熱伝達率が確保できる。一方、暖房時
には、暖房用減圧手段(11a)で減圧された冷媒が、
分配手段(91)によって各冷媒流路(92〜94)に
同時分配されて、各冷媒流路(92〜94)を同時に並
列に流れるため、圧力損失が低減できる。よって、熱交
換手段(9)は冷房能力向上にも暖房能力向上にも有効
に作用することができる。
【0012】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明に加えて、暖房時には、暖房用減圧手段(11
a)にて減圧された冷媒の一部が熱交換手段(9)に送
られ、残りは室外熱交換器(4)に送られることを特徴
とする。それによって、暖房時には、熱交換手段(9)
と室外熱交換器(4)とで同時に外気吸熱を行うことが
できる。
【0013】請求項2の発明の具体的な手段としては、
請求項4の発明のように、分岐した補助回路(6、1
4)を設け、暖房時に暖房用減圧手段(11a)で減圧
された冷媒が、この補助回路(6、14)を流れ分岐部
(6a)で分流して室外熱交換器(4)と熱交換手段
(9)とへ導入されるものにすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。本実施形態では本発明に係るヒート
ポンプ装置を室内空調装置として用いている。図1は、
その全体構成を示す回路図であり、冷媒を圧縮し吐出す
るコンプレッサ(圧縮機)1が設定され、本実施形態で
はこのコンプレッサ1は図示しないエンジンによって駆
動されるようになっている。
【0015】このコンプレッサ1からの吐出冷媒は、四
方弁(切替装置)2に供給されるが、この四方弁2はコ
ンプレッサ1からの吐出冷媒の循環方向を室内熱交換器
3あるいは室外熱交換器4のいずれか一方に切替えて供
給するもので、暖房時には図1中に実線で示すようにコ
ンプレッサ1からの吐出冷媒を室内熱交換器3に導く。
そして、冷房時には図1中に点線で示すようにコンプレ
ッサ1からの吐出冷媒を室外熱交換器4に導く。
【0016】室内熱交換器3には室内ファン3aが設定
され、この室内ファン3aで発生した空気流が室内熱交
換器3を介して冷暖房しようとする室内に導かれるよう
にする。また、室外熱交換器4に対しては室外ファン4
aが設定され、この室外ファン4aで発生した空気流が
室外熱交換器4を介して室外に吹き出され、室外熱交換
器4に流れる冷媒との熱交換が行われるようにしてい
る。
【0017】ここで、室外熱交換器4は、複数(本実施
形態では4本)のU字型の冷媒流路40が並列に設けら
れ、これら冷媒流路40の両端部が、それぞれ冷媒が集
められるタンクであるヘッダ41と、冷媒を分配および
合流させる周知の分配器(ディストリビュータ)42と
接続されたものとなっている。このヘッダ41と四方弁
2とは冷媒配管によって接続されている。
【0018】そして、この室外熱交換器4の分配器42
と冷媒を気液分離して液冷媒のみを送りだすレシーバ
(気液分離器)5とが冷媒配管6によって接続されてい
る。ここで、冷媒配管6には、管路を開閉する電磁弁7
aが介在設定されている。さらに、冷媒配管8によって
レシーバ5と後述する熱交換手段である熱交換器9とが
接続されており、この冷媒配管8の熱交換器9寄りの途
中部には、管路を開閉する電磁弁7bが介在設定されて
いる。
【0019】なお、上述の電磁弁7a、電磁弁7bおよ
び本実施形態において後述されるその他の電磁弁7c〜
7k(全11個)は、いずれも通電によって管路(流
路)を開閉するものである。次に、熱交換器9について
述べる。熱交換器9は、冷房時にはレシーバ5からの液
冷媒を過冷却する過冷却器として作用し、暖房時には暖
房用膨張弁11aで減圧膨張された冷媒を蒸発させる蒸
発器として作用するものである。
【0020】この熱交換手段9には、冷媒が集められる
タンクであるヘッダ(集合部)90および冷媒を同時分
配させる分配手段である周知の分配器(ディストリビュ
ータ)91が備えられ、これらヘッダ90と分配器91
の間には、両者を接続するU字型の冷媒流路(第1の冷
媒流路92、第2の冷媒流路93、第3の冷媒流路9
4)が並列に複数本(本実施形態では3本)設けられて
いる。尚、これら冷媒流路の管径は同一となっている。
【0021】ここで、各々の冷媒流路には、分配器91
側からヘッダ90側へ向かって、以下に示すように複数
の弁が介在設定されている。すなわち、第1の冷媒流路
92には分配器側の電磁弁7c、逆止弁10aおよびヘ
ッダ側の電磁弁7dが、第2の冷媒流路93には分配器
側の電磁弁7e、逆止弁10bおよびヘッダ側の電磁弁
7fが、第3の冷媒流路94には分配器側の電磁弁7
g、逆止弁10cおよびヘッダ側の電磁弁7hが、各々
これらの順に介在設定されている。ここで、各逆止弁1
0a〜10cは、いずれも、分配器91への冷媒の逆流
を阻止するように設定されている。
【0022】さらに、第1の冷媒流路92、第2の冷媒
流路93のおよび第3の冷媒流路94には、各々、逆止
弁とヘッダ側電磁弁との間の部位に2つの分岐部が設け
られている。これら2つの分岐部のうち、逆止弁寄りの
分岐部を第1の分岐部、ヘッダ側電磁弁寄りの分岐部を
第2の分岐部とする。そして、各冷媒流路のU字型の屈
曲部分はこれら2つの分岐部の間に位置し、これら2つ
の分岐部の間の流路長は、暖房時に流れる冷媒が十分に
外気吸熱する所定の流路長となっている。
【0023】そして、第1の冷媒流路92の第1の分岐
部92aには、冷媒配管8が接続されており、これによ
って、上述したようにレシーバ5と熱交換器9とが接続
されていることになる。さらに、第1の冷媒流路92の
第2の分岐部92bと第2の冷媒流路93の第2の分岐
部93aとの間は、逆止弁10dが介在設定された冷媒
流路によってつながれており、第2の冷媒流路93の第
1の分岐部93bと第3の冷媒流路94の第2の分岐部
94aとの間は、逆止弁10eが介在設定された冷媒流
路によってつながれている。このように、第1〜第3の
冷媒流路92〜94を直列に接続する冷媒流路が形成さ
れている。
【0024】また、第3の冷媒流路94の第2の分岐部
94bと暖房時にのみ冷媒を減圧する暖房用膨張弁(暖
房用減圧手段)11aとが、冷媒配管12によって接続
されている。この冷媒配管12には、第2の分岐部94
b側から暖房用膨張弁11a側に向かって、電磁弁7
i、逆止弁10fがこの順に介在設定されており、逆止
弁10fは第2の分岐部94b(熱交換器9)への冷媒
の逆流を阻止するように設定されている。
【0025】以上のように、上述の各電磁弁7b〜7i
および逆止弁10a〜10fが、暖房時と冷房時とで、
上記各冷媒流路を切替える熱交換器9の弁手段として構
成されている。また、暖房用膨張弁11aと室内熱交換
器3との間には、冷房時にのみ冷媒を減圧する冷房用膨
張弁(冷房用減圧手段)11bが設けられている。ここ
で、暖房用膨張弁11aおよび冷房用膨張弁11bとし
ては、周知のように、運転時に蒸発器となる方の熱交換
器出口の冷媒温度および冷媒圧力を各々温度センサおよ
び圧力センサで検知し、これらセンサからの検知信号に
応じて弁開度を制御する電子膨張弁が用いられる。これ
ら、両膨張弁はキャピラリーチューブなどの1つの固定
絞りで代替してもよい。
【0026】また、熱交換器9のヘッダ90と室外熱交
換器4のヘッダ41とは、冷媒配管13によって接続さ
れており、この冷媒配管13には逆止弁10gが介在設
定され、熱交換器9への冷媒の逆流を阻止するようにな
っている。ところで、冷媒配管12のうち逆止弁10f
と暖房用膨張弁11aとの間の部位には分岐部12aが
設けられ、この分岐部12aからは、冷媒配管14が分
岐している。一方、冷媒配管6のうち室外熱交換器4と
電磁弁7aとの間の部位には分岐部6aが設定されてお
り、冷媒配管14が接続されている。この冷媒配管14
には分岐部12a側から冷媒配管6側に向かって、電磁
弁7j、逆止弁10hがこの順に介在設定されており、
逆止弁10hは冷媒の分岐部12aへの逆流を阻止する
ように設定されている。そして、冷媒配管14および冷
媒配管6のうち分岐部6aと分配器42との間の部位
は、暖房用膨張弁11aと室外熱交換器をつなぐ補助回
路として構成されている。
【0027】さらに、冷媒配管6の分岐部6aから分岐
して熱交換器9の分配器91と連通する冷媒配管15が
設けられ、この冷媒配管15には電磁弁7kが介在設定
されている。また、暖房用膨張弁11aは、室内熱交換
器3と接続し、さらに室内熱交換器3は四方弁2と接続
されている。そして、四方弁2とコンプレッサ1の吸入
側との間には、冷媒を気液分離してガス冷媒のみを送り
だすアキュムレータ16が介在設定されている。
【0028】尚、上述したエンジン(図示しない)、コ
ンプレッサ1、四方弁2、膨張弁11、室内ファン3
a、室外ファン4aおよび各電磁弁7a〜7kは図示し
ない電気回路によって構成される制御装置によって制御
されるようになっている。また、この制御装置は、ヒ−
トポンプ装置を暖房運転と冷房運転とに切り替える冷暖
房切換スイッチを有している。
【0029】次に、上記した構成の作動について、図1
および2を参照して述べる。まず、冷房時の作動につい
て述べる。ヒートポンプ装置の冷房スイッチが投入され
ると、図1の点線矢印で示すように冷媒が流れる。尚、
この時の、11個の電磁弁7a〜7kの開閉状態は、図
2に示すように、電磁弁7a、7bおよび7iが開状態
(図ではO)、残りの電磁弁7c〜7h、7jおよび7
kは閉状態(図ではS)となっている。
【0030】すなわち、コンプレッサ1から吐出した高
温高圧の冷媒は、四方弁2を介して室外熱交換器4のヘ
ッダ41に導入され、複数(4本)の並列な冷媒流路4
3を流れ、室外ファン4aにて発生する空気流と熱交換
して冷却される。各冷媒流路42から出た冷媒は室外熱
交換器の分配器41にて合流し、冷媒配管6を流れてレ
シーバ5へと至る。このレシーバ5にて、冷媒は気液分
離され液冷媒のみがレシーバ5から出て冷媒配管8を流
れ、熱交換器9の第1の冷媒流路92の第1の分岐部9
2aへと至る。
【0031】続いて、冷媒は熱交換器9内を以下のよう
に流れる。第1の分岐部92aから第1の冷媒流路92
内を流れ、第2の分岐部92bから逆止弁10dを通り
第1の分岐部93aへと至る。続いて、第1の分岐部9
3aから第2の冷媒流路93を流れ、第2の分岐部93
b、逆止弁10e、第1の分岐部94aへと至り、第3
の冷媒流路94を流れ第2の分岐部94bへと至る。こ
のように、冷媒は1本の直列な冷媒流路を流れ過冷却さ
れる。
【0032】過冷却された冷媒は、全開となった暖房用
膨張弁11aを通り、冷房用膨張弁11bで減圧され室
内熱交換器3で蒸発し、室内が冷房される。続いて、蒸
発した冷媒は、四方弁2からアキュムレータ16へと至
り、気液分離されてガス冷媒はコンプレッサ1へ戻る。
次に、暖房時の作動について述べる。ヒートポンプ装置
の暖房スイッチが投入されると、図1の実線矢印で示す
ように冷媒が流れる。尚、この時の、11個の電磁弁7
a〜7kの開閉状態は、図2に示すように、電磁弁7
a、7bおよび7iが閉状態、残りの電磁弁7c〜7
h、7jおよび7kは開状態となっている。
【0033】すなわち、コンプレッサ1から吐出した高
温高圧の冷媒は、四方弁2を介して室内熱交換器3に導
入され、室内熱交換器3で凝縮されて、室内を暖房す
る。続いて、全開となった冷房用膨張弁11bを通り暖
房用膨張弁11aで減圧される。そして、分岐部12a
から冷媒配管14を流れ、冷媒配管6の分岐部6aに
て、熱交換器9方向と室外熱交換器4方向とに分流され
る。
【0034】熱交換器9方向に分流された冷媒は、冷媒
配管15を流れ分配器91にて3方向に均等に同時分配
される。分配された冷媒は、各々第1〜第3の冷媒流路
92〜94を並列に同時に流れて外気吸熱を行い、各冷
媒流路を出た冷媒はヘッダ90に集められる。このよう
に、暖房時には、冷媒は熱交換器9の第1〜第3の冷媒
流路92〜94を同時に並列に流れて外気吸熱を行う。
【0035】一方、室外熱交換器4方向に分流された冷
媒は、そのまま冷媒配管6を流れ分配器42から冷媒流
路40の各々へ同時に分配導入される。続いて、冷媒は
各冷媒流路を流れ外気吸熱を行い、各冷媒流路から出た
冷媒はヘッダ41に集められる。そして、熱交換器9の
ヘッダ90から逆止弁10gを通ってきた冷媒と合流し
て四方弁2を通りアキュムレータ16へと至り、気液分
離されてガス冷媒はコンプレッサ1へ戻る。
【0036】ところで、本実施形態において、熱交換器
9の第1〜第3の冷媒流路92〜94を、冷房時には直
列に接続して1本の冷媒流路とし、暖房時には複数の並
列の冷媒流路としているが、以下その理由について述べ
る。通常、冷房時に過冷却器となる熱交換器で過冷却さ
れる冷媒は液相であり、相変化しないため、熱伝達率は
冷媒流速の増加とともに大きくなる。
【0037】図3は、冷媒流路数の増加による冷媒流速
の変化を模式的に示した図である。ここで、vおよびt
inは各々、熱交換器入口の冷媒流速および冷媒温度であ
る。冷媒流路が1本の場合(冷房時)は、冷媒流路入口
で冷媒流速vは変わらないが、冷媒流路がn本の場合
(暖房時、本実施形態ではn=3)は、冷媒がn本に分
配されるため、冷媒流速はv/nに減少する。ここで、
熱伝達率αは以下の式(A)で表される。
【0038】 α=f(Re)、 ここで、Re=v・d/ν ‥‥‥ (A) (d:冷媒流路の管径、ν:冷媒の動粘性係数) 本実施形態では、冷房時と暖房時とで、同一管径の冷媒
流路を直列と並列とに切換えており、また、冷媒は同じ
であるから、冷房時と暖房時での冷媒流路の管径dおよ
び動粘性係数νは変わらず定数とみなせる。そこで、冷
媒流路が1本の場合の熱伝達率および過冷却温度(熱交
換器出口の冷媒温度)を、各々αおよびtout 、冷媒流
路がn本の場合の熱伝達率および過冷却温度をα’およ
びt’ou t とすると、図3に示すようにα>α’および
out <t’out の関係となる。
【0039】よって、冷房時にも暖房時と同じように複
数の並列な冷媒流路とすると、流速が低下して熱伝達率
も減少し十分な過冷却が行われない。逆にいえば、暖房
時にも冷房時と同じように1本の直列な冷媒流路とする
と、低圧冷媒の蒸発によって冷媒の比体積が大きくなる
ため圧力損失が大きくなってしまい、コンプレッサ1の
吸入圧が低下して冷媒循環量が減少し十分な外気吸熱が
行われない。
【0040】以上の理由により、本実施形態の熱交換器
9においては、冷房時には1本の直列の冷媒流路とし、
暖房時には複数の並列な冷媒流路としている。そのた
め、冷房時には、室外熱交換器4で凝縮されレシーバ5
から出た液冷媒が、熱交換器9で十分に過冷却され、一
方、暖房時には、暖房用膨張弁11aで減圧された冷媒
が、熱交換器9で蒸発して十分に外気吸熱される。よっ
て、本実施形態においては、熱交換器9を冷房能力向上
と暖房能力向上に対して有効に作用させることができ
る。
【0041】また、本実施形態によれば、流れる冷媒が
熱交換器9内でターンする数は、暖房時(1回)には、
冷房時(5回)よりも回数を少なくできる。ここでター
ンとは、冷媒が流れる向きを変えることである。そのた
め、暖房時には、このターンによる圧力損失を低減させ
ることができる。また、本実施形態においては、熱交換
器9の各冷媒流路92〜94中の分配器91側の電磁弁
7c、7e、7gについて、各開閉状態を制御すること
により、冷媒流れの数を1本、2本あるいは3本と変え
ることができるため、暖房時の運転状態に応じて、熱交
換器9の圧力損失の大きさを調節できる。
【0042】尚、本実施形態においては、暖房時には、
熱交換器9と室外熱交換器4とで並列に冷媒を流して外
気吸熱させているが、熱交換器9にて外気吸熱させた
後、室外熱交換器4において冷媒を並列に流し、さらに
外気吸熱させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるヒ−トポンプ装置の
全体構成を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態の電磁弁の開閉状態を示す図
表である。
【図3】本発明の実施形態における熱交換器の冷媒流路
数の増加による冷媒流速変化を表す模式図である。
【符号の説明】
1…コンプレッサ、2…四方弁、3…室内熱交換器、4
…室外熱交換器、5…レシーバ、6…冷媒配管、6a…
分岐部、7b〜7i…電磁弁、9…熱交換器、10a〜
10f…逆止弁、11a…暖房用膨張弁、11b…冷房
用膨張弁、14…冷媒配管、15…冷媒配管、90…ヘ
ッダ、91…分配器、92…第1の冷媒流路、93…第
2の冷媒流路、94…第3の冷媒流路。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を圧縮し吐出する圧縮機(1)と、 冷媒と室内空気との間で熱交換を行う室内熱交換器
    (3)と、 冷媒と室外空気との間で熱交換を行う室外熱交換器
    (4)と、 前記室内熱交換器(3)と前記室外熱交換器(4)との
    間に設けられ、暖房時に冷媒を減圧する暖房用減圧手段
    (11a)と、 前記室内熱交換器(3)と前記室外熱交換器(4)との
    間に設けられ、冷房時に冷媒を減圧する冷房用減圧手段
    (11b)と、 前記圧縮機(1)より吐出された冷媒の循環方向を前記
    室内熱交換器(3)側と前記室外熱交換器(4)側とに
    切替える切替装置(2)と、 冷房時には前記室外熱交換器(4)にて凝縮された冷媒
    を気液分離して液冷媒のみを送りだす気液分離器(5)
    とを備えるヒートポンプ装置において、 冷房時には前記気液分離器(5)からの液冷媒を過冷却
    し、暖房時には前記暖房用減圧手段(11a)で減圧膨
    張された冷媒を蒸発させる熱交換手段(9)を備え、 前記熱交換手段(9)は、複数の冷媒流路(92〜9
    4)を有し、暖房時には冷房時に比して冷媒が同時に流
    れる並列冷媒流路の数が多くなるものであることを特徴
    とするヒートポンプ装置。
  2. 【請求項2】 暖房時には、前記暖房用減圧手段(11
    a)にて減圧された冷媒の一部が前記熱交換手段(9)
    に送られ、残りは前記室外熱交換器(4)に送られるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ装置。
  3. 【請求項3】 前記熱交換手段(9)は、 冷房時には前記冷媒流路(92〜94)が直列関係に接
    続され、暖房時には前記冷媒流路(92〜94)が並列
    関係になるように切替える弁手段(7b〜7i、10a
    〜10f)と、 暖房時に、前記暖房用減圧手段(11a)で減圧された
    冷媒を前記冷媒流路(92〜94)へ同時に分配する分
    配手段(91)と暖房時に、前記冷媒流路(92〜9
    4)から出た冷媒が集められる集合部(90)とを有す
    るものであることを特徴とする請求項1または2に記載
    のヒートポンプ装置。
  4. 【請求項4】 暖房時に前記暖房用減圧手段(11a)
    で減圧された冷媒が前記室外熱交換器(4)へ送られる
    補助回路(6、14)と、 前記補助回路(6、14)の途中部に設けられた分岐部
    (6a)と、 前記分岐部(6a)から分岐して前記分配手段(91)
    に連通する分岐回路(15)とが設けられており、 暖房時には、前記暖房用減圧手段(11a)にて減圧さ
    れた冷媒が前記補助回路(6、14)を流れ前記分岐部
    (6a)で分流し、一部は前記熱交換手段(9)に導入
    され、残りは前記分岐回路(15)から前記室外熱交換
    器(4)に導入されることを特徴とする請求項3に記載
    のヒートポンプ装置。
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