JPH10218611A - セレン含有溶液の処理方法 - Google Patents

セレン含有溶液の処理方法

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JPH10218611A
JPH10218611A JP2248197A JP2248197A JPH10218611A JP H10218611 A JPH10218611 A JP H10218611A JP 2248197 A JP2248197 A JP 2248197A JP 2248197 A JP2248197 A JP 2248197A JP H10218611 A JPH10218611 A JP H10218611A
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JP
Japan
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solution
selenium
reducing agent
sulfuric acid
treating
Prior art date
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Pending
Application number
JP2248197A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Kadoya
研一郎 門屋
Yoshiaki Manabe
善昭 真鍋
Kenji Tasaka
健次 田坂
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶液中にSe(IV)と安定で還元されにくにS
e(VI)とが共存している場合であっても、殆ど全てのセ
レンを効率良く除去する方法を提供する。 【解決手段】 セレン含有溶液に溶液の硫酸濃度が3.
5〜6Nとなるように硫酸を添加し、銅粉や鉄粉等の金
属粉又はAg+等の金属イオンからなる還元剤を添加し
て、80℃以上の温度で処理することにより、Se(VI)
をSe(IV)に還元すると同時に、セレンをCu2Seの
ような還元剤金属のセレン化物として沈澱させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セレン含有溶液の
処理方法に係わり、特に従来法による除去が困難なSe
(VI)を含有する溶液の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非鉄金属精錬をはじめとする化学工場か
ら排出される溶液中にはセレンが含有することがあり、
この場合には溶液からセレンを除去する必要がある。ま
た、一般に溶液中に溶存するセレンの形態は、SeO3
2-としてのSe(IV)、及びSeO4 2-としてSe(VI)で
ある。
【0003】Se(IV)の処理方法としては、特公昭48
−30558号公報に記載されるように、溶液にFe2+
を添加し、次いでPH=3〜5とした溶液にCu2+を添
加することによって、Fe2+の酸化と加水分解を促進さ
せ、更に溶液をPH5〜6として還元されたセレンをF
2+の水酸化物と共に沈澱させ、回収する方法が知られ
ている。また、Ag+、Cu2+、Fe3+等の水溶性金属
イオン、又は鉄粉等を添加して、金属のセレン化物とし
て固定する方法も知られている。
【0004】しかし、一般にセレンを含有する溶液中に
は、Se(IV)と共にSe(VI)が共存している。Se(VI)
は安定で還元されにくいため、上記したSe(IV)の処理
方法を用いても除去することは困難である。例えば、S
e(VI)はSe(IV)のようにCu2Seのようなセレン化
物を形成しないため、銅粉や鉄粉のような還元剤を使用
してもSe(VI)からSe0に還元することは難しい。
【0005】この安定なSe(VI)の処理方法としては、
強酸性溶液中においてSe(VI)をSO2や塩化第一錫等
の強力な還元剤で処理し、金属セレンとして回収する方
法が知られている。例えば、強力な還元剤として塩化第
一錫で処理する方法では、塩酸を加えて溶液を酸性に
し、塩酸6Nの下で塩化第一錫を添加すると、Se(VI)
はSe(IV)に還元され、最後にはSe0にまで還元され
て沈殿する。
【0006】しかし、これら強力な還元剤の取り扱いは
非常に繊細で容易ではなく、しかもこれらの強力な還元
剤によってもSe(VI)の還元は十分に行えず、且つその
反応速度も遅いため、処理効率が非常に低いという欠点
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の事情に鑑み、溶液中にSe(IV)とSe(VI)が共存
している場合であっても、セレン含有溶液から安定で還
元されにくいSe(VI)を含めて、セレンを簡単に効率良
く除去する方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明が提供するセレン含有溶液の処理方法は、セ
レン含有溶液に溶液の硫酸濃度が3.5〜6Nとなるよ
うに硫酸を添加し、金属粉又は金属イオンからなる還元
剤を添加して80℃以上の温度で処理することにより、
セレンを還元剤金属のセレン化物として沈澱させること
を特徴とするものである。
【0009】上記本発明のセレン含有溶液の処理方法
は、Se(IV)とSe(VI)とが共に含有される溶液の処理
に特に有効である。また、このセレン含有溶液の処理方
法に用いる還元剤としては、銅粉又は鉄粉、若しくはA
+、Cu2+、Fe3+から選ばれた少なくとも1種の水
溶性金属イオンが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、硫酸濃度と各種還
元剤の添加方法について検討した結果、安定な6価のセ
レンSe(VI)が、硫酸酸性下で銅粉等の還元剤を作用さ
せることによって4価のセレンSe(IV)に還元され、同
時に還元剤の金属とセレン化物を形成して沈澱すること
を見い出し、本発明に至ったものである。
【0011】即ち、還元剤として銅粉を使用する場合を
例にとれば、下記化学式1に示すように、Se(VI)は硫
酸酸性下で還元剤の銅粉によりSe(IV)に還元され、同
時に還元剤のCuとセレン化銅(Cu2Se)を形成し
て沈澱する。
【0012】
【化1】H2SeO3+4Cu+2H2SO4 → Cu2
e↓+2CuSO4+3H2
【0013】溶液の硫酸濃度を3.5〜6Nとするの
は、3.5N未満では還元剤を作用させても難還元性の
Se(VI)をSe(IV)に還元することができず、また約
5.5N付近から高濃度では還元作用が飽和に近付き、
6Nを越えると還元作用は大きく変わらないばかりか、
後の中和工程において中和剤が多量に必要となり、経済
的にも好ましくないからである。また、強酸性状態にす
るために硫酸を用いるのは、塩酸を用いると設備の腐食
や、塩素の問題が生じるためである。
【0014】上記したSe(VI)の還元反応は、温度が低
いと反応が十分に進行しないので、80℃以上の温度で
行う。ただし、反応温度が高すぎても還元剤添加時に反
応が激しく危険であるため、反応温度の範囲は80〜9
0℃程度が好ましい。
【0015】還元剤としては、銅粉又は鉄粉、若しくは
Ag+、Cu2+、Fe3+等の水溶性金属イオンが好まし
く、特に銅粉が好ましい。また、還元剤の添加量は溶液
中のセレン量によるが、そのセレン量に対して化学等量
の1.5〜5倍程度が好ましい。これ以上過剰に還元剤
を添加してもセレン除去率に大きな差がなく、次の工程
で還元剤に起因する金属を除去するため、例えば脱銅剤
などが大量に必要となるので好ましくない。
【0016】還元に必要な反応時間は、溶液中のセレン
濃度及びSe(IV)とSe(VI)の存在比にもよるが、通常
は約2〜12時間程度が必要である。また、Se(VI)
のSe(IV)への還元反応は反応速度が遅いため、必要量
の還元剤を分割し、複数回に分けて溶液に添加すること
が望ましい。
【0017】尚、本発明の好ましい態様は、還元剤とし
て溶液中のSe含有量に対し1.5〜5.0倍当量の銅粉
を使用し、80〜90℃の温度下で硫酸濃度3.5〜5.
5Nの溶液に、銅粉を2〜4時間の間隔をおいて複数回
に分けて添加する方法である。
【0018】
【実施例】実施例1 銅の電解精製工程で回収されたアノードスライムを、ア
ルカリ浸出し、中和してセレン含有溶液を得た。この溶
液は、セレンをSe(IV)とSe(VI)の形態で含有してお
り、そのセレン濃度は19g/リットルであった。
【0019】このセレン含有溶液2000リットルに、
希硫酸(70%)600リットルを添加して、硫酸濃度
を4.7Nに調整した。次に、この溶液を液温90℃に
保持し、Cu粉200kgを50kgずつ4回に分け
て、約4時間毎に溶液に添加した。
【0020】最初のCu粉の添加から16時間後に反応
を終了した。得られた溶液中にはCu2Seの沈澱が存
在し、溶液中のセレン濃度は1mg/リットル(Se除
去率99.9%以上)であった。
【0021】実施例2 実施例1と同様にして、セレン濃度13g/リットルの
溶液2000リットルに希硫酸600リットルを添加し
て硫酸濃度を4.5Nとし、液温90℃に保持した溶液
に銅粉175kgを、50kgずつ3回と25kg1回
の計4回に分けて、約4時間毎に添加した。反応終了後
の溶液中のセレン濃度は1mg/リットル(Se除去率
99.9%以上)であった。
【0022】実施例3 実施例1と同様にして、セレン濃度8g/リットルの溶
液2000リットルに希硫酸500リットルを添加して
硫酸濃度を4.2Nとし、液温90℃に保持した溶液に
銅粉140kgを、50kgずつ2回と20kgずつ2
回の計4回に分けて、約4時間毎に添加した。反応終了
後の溶液中のセレン濃度は1mg/リットル(Se除去
率99.9%以上)であった。
【0023】実施例4 実施例1と同様にして、セレン濃度5g/リットルの溶
液2000リットルに希硫酸500リットルを添加して
硫酸濃度を4.3Nとし、液温90℃に保持した溶液に
銅粉120kgを、50kg1回と25kg2回と20
kg1回の計4回に分けて約4時間毎に添加した。反応
終了後の溶液中のセレン濃度は1mg/リットル(Se
除去率99.9%以上)であった。
【0024】実施例5 実施例1でアノードスライムからセレン含有溶液を得る
際に、中和時に生成した沈澱物を再度アルカリ溶解した
後、中和してセレン濃度2g/リットルのセレン含有溶
液を得た。この溶液は、セレンをSe(IV)とSe(VI)の
形態で含有していた。
【0025】この溶液に、希硫酸(70%)400リッ
トルを添加して、硫酸濃度を3.7Nに調整した。次
に、この溶液を液温90℃に保持し、銅粉70kgを5
0kgと20kgの計2回に分けて、約4時間毎に添加
した。反応終了後の溶液中のセレン濃度は1mg/リッ
トル(Se除去率99.9%以上)であった。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、取り扱いが容易な還元
剤を用いた簡単な方法によって、Se(IV)とSe(VI)が
共存している溶液から、還元されにくく安定なSe(VI)
を含めて殆ど全てのセレンを、効率良く除去することが
できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セレン含有溶液に溶液の硫酸濃度が3.
    5〜6Nとなるように硫酸を添加し、金属粉又は金属イ
    オンからなる還元剤を添加して80℃以上の温度で処理
    することにより、セレンを還元剤金属のセレン化物とし
    て沈澱させることを特徴とするセレン含有溶液の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 溶液中に含まれるセレンが、Se(IV)と
    Se(VI)であることを特徴とする、請求項1に記載のセ
    レン含有溶液の処理方法。
  3. 【請求項3】 前記還元剤が、銅粉又は鉄粉、若しくは
    Ag+、Cu2+、Fe3+から選ばれた少なくとも1種の
    水溶性金属イオンであることを特徴とする、請求項1又
    は2に記載のセレン含有溶液の処理方法。
  4. 【請求項4】 還元剤として溶液中のSe含有量に対し
    て1.5〜5.0倍当量の銅粉を使用し、時間間隔をおい
    て複数回に分割して溶液に添加することを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載のセレン含有溶液の処理
    方法。
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