JPH10217487A - インクジェット記録ヘッドの圧電素子形成方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの圧電素子形成方法

Info

Publication number
JPH10217487A
JPH10217487A JP9023390A JP2339097A JPH10217487A JP H10217487 A JPH10217487 A JP H10217487A JP 9023390 A JP9023390 A JP 9023390A JP 2339097 A JP2339097 A JP 2339097A JP H10217487 A JPH10217487 A JP H10217487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric element
ink
flow path
recording head
slurry
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9023390A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoto Fukazawa
直人 深澤
Shinji Uchida
真治 内田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP9023390A priority Critical patent/JPH10217487A/ja
Publication of JPH10217487A publication Critical patent/JPH10217487A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】歩留りが高くコストが低いマルチノズルのイン
クジェット記録ヘッドを製造できるインクジェット記録
ヘッドの圧電素子形成方法を提供する。 【解決手段】スクリーン印刷された電極用Ptペースト51
(a)の焼成で形成された下部電極5を備えたセラミッ
クス製振動板2(b)上にドライフィルム8を張り付け
(c)、フォトリソグラフィによってインク加圧室13に
対応する位置のドライフィルム8を除去し(d)、その
除去部に圧電素子用スラリー33を充填し(e)、それら
を焼成して振動板2上に下部電極5を介して直接圧電素
子3を形成し(f)、上部電極6として金のスパッタ膜
を形成する(g)。この圧電素子3を形成された振動板
2と流路基板1とをシート接着剤7によって接合してイ
ンクジェット記録ヘッドが形成される(e)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクを液滴と
してノズルより噴射して印刷するインクジェット記録法
に用いられるインクジェット記録ヘッドにおける圧電素
子の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録ヘッドを用いた印刷
装置は構成が簡単であるという利点から、小型軽量性が
要求される卓上プリンタやファックス等の分野に広く用
いられている。インクジェット記録ヘッドには幾つかの
方式が提案されている。その1つであるオンデマンド型
のインクジェット記録ヘッド(以下では記録ヘッドと略
称する)は、振動板に圧電素子を接着し、その圧電素子
に電圧パルスを印加することにより圧電素子を伸縮させ
振動板を振動させ、ノズルからインク滴を吐出させる方
式である。この記録ヘッドは、寿命が半永久的でありラ
ンニングコストが低い等の長所を有し、これから広く利
用されようとしている。
【0003】この記録ヘッドは、一般的には、表面にイ
ンク供給路、流路抵抗調整部、インク加圧部、インク吐
出部などのインク流路を形成するための複数の連通した
溝が形成されている流路基板と、この流路基板に接合さ
れてインク流路を形成するシート状の振動板と、振動板
のインク加圧部に対応する位置の表面に接着された圧電
素子とで構成される。この圧電素子に電圧が印加される
と、圧電素子と振動板とがバイモルフ作用によってイン
ク加圧部内に向かって変形してインクを加圧し、インク
吐出部からインク滴が噴射される。
【0004】図4はこのような従来の記録ヘッドの構造
を示し、(a)は流路基板の溝の形状を示す平面図、
(b)は記録ヘッドのインク流路に沿った断面図であ
る。流路基板1の一方の表面には、インク吐出部として
のインクノズル11、インク加圧部としてのインク加圧室
13、インクノズル11とインク加圧室13をつなぐノズル流
路12、インク加圧室13へインクを供給するためのインク
供給路14及びインク流路の流路抵抗調整部としての絞り
流路15からなる複数のインク流路10と、共通のインク溜
め16とを形成するための溝が備えられている。このよう
な流路基板1と振動板2とは重ね合わせて接着され一体
化される。一体化された後で、個々のインク加圧室13に
対応する振動板2の表面に、あらかじめ所定の寸法に切
断されている電気機械変換素子としての圧電素子3が図
示されていない共通電極を介して熱硬化性の接着剤層4
によって接着され、記録ヘッドは形成される。
【0005】なお、圧電素子3の両面には上部電極31及
び下部電極32が形成されており、共通電極を介して下部
電極32と上部電極31の間に駆動電圧パルスが印加される
ことにより、バイモルフ作用により振動板2が振動し、
インクがインクノズル11から噴射され、記録紙等の表面
に到達して付着し、印刷が実施される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来技
術による記録ヘッドの製造方法においては、振動板2と
圧電素子3とは熱硬化性接着剤層4によって接着される
が、微小面積へ微量の接着剤を塗布量を制御して塗布す
ることは困難である。そのため、接着剤量が過剰の場合
には、上部電極31の上へ接着剤がせりあがることによっ
て上部電極31の導通不良を発生したり、接着剤層4が厚
くなることによって圧電素子3への印加電圧が低下した
りする。また、接着剤量が不足の場合には、圧電素子3
の接着面積が不足になり振動板2の変形が不足する等の
問題を生じ、歩留り低下の原因となっている。
【0007】また、接着剤層4の厚さがばらつくことに
よって、インクの吐出特性をばらつかせる要因にもなっ
ている。非常に薄い接着剤層4で接着することが理想で
あるが、現実問題としてはそれは困難であり、制御でき
る厚さには限界があった。一方、このような接着剤を用
いることに伴って発生する諸問題を解消するために、ス
クリーン印刷を用いて下部電極と圧電素子を振動板上に
直接形成する方法が、この発明の発明者によって提案さ
れ、本願出願人により特願平8-246332号として出願され
ている。この方法は、振動板上に下部電極のための白金
ペーストをスクリーン印刷した後に焼成して下部電極を
形成し、その上に圧電素子原料のスラリーをスクリーン
印刷し、その印刷層の厚さを均一化しピンホールをなく
するためのレベリング処理をした後に焼成して振動板上
に下部電極と圧電素子とを直接形成している。レベリン
グ処理を必要とするのは、スクリーン印刷の工程におい
てスクリーンの影響により印刷されたスラリー中に気泡
を抱き込んで発生するピンホールやスクリーンの網目に
対応する凹凸による厚さの大きなばらつきを低減するた
めである。ピンホールの存在及び厚さのばらつきの大き
いことは、どちらも記録ヘッドのインク吐出特性を大き
くばらつかせる要因となる。一方、下部電極としての白
金層にはピンホールが存在しても問題ないし、厚さも3
〜5μmと薄く厚さのばらつきも2μm 以下となるの
で、下部電極をスクリーン印刷によって形成することに
問題はない。
【0008】この発明は、上記のような接着剤を用いる
ことに伴って発生する諸問題点を解消し、あるいはスク
リーン印刷法を用いた圧電素子の形成に伴うピンホール
の発生や厚さのばらつきの問題をレベリング処理のよう
な特殊な工程を採用することにより解決するのではな
く、歩留りが高くてコストが安く、駆動電圧が低いマル
チノズルの記録ヘッドを製造することができる記録ヘッ
ドの圧電素子形成方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明においては、イ
ンクを加圧するためのインク加圧室やインク加圧室で加
圧されたインクを吐出するためのインクノズルなどから
なる複数のインク流路を形成するための連通する溝を備
えた流路基板と、この流路基板に接合されてインク流路
を形成する振動板と、振動板の流路基板とは反対の面で
インク加圧室に対応する位置に備えられている圧電素子
とからなるインクジェット記録ヘッドにおける圧電素子
の形成方法であって、圧電素子の下部電極が形成された
セラミック製の振動板にドライフィルムを張り付け、こ
のドライフィルムのインク加圧室に対応する位置をフォ
トリソグラフィによって除去し、その除去された部分に
圧電素子原料のスラリーを充填し、ドライフィルムの除
去部に圧電素子原料のスラリーが充填された振動板を焼
成して振動板上に圧電素子を直接形成する。ドライフィ
ルムの除去部に圧電素子原料のスラリーを充填し、その
状態で焼成して圧電素子を振動板上に直接形成するか
ら、スラリーの量がドライフィルムの厚さで制御されて
全面に均一に充填される。したがって、形成される圧電
素子はその厚さが薄くてよく揃いしかもピンホールのな
いものとなる。更に、フォトリソグラフィによってドラ
イフィルムの除去部を形成するので圧電素子の小面積化
を容易に実施することができる。
【0010】また、インクを加圧するためのインク加圧
室やインク加圧室で加圧されたインクを吐出するための
インクノズルなどからなる複数のインク流路を形成する
ための連通する溝を備えた流路基板と、この流路基板に
接合されてインク流路を形成する振動板と、振動板の流
路基板とは反対の面でインク加圧室に対応する位置に備
えられている圧電素子とからなるインクジェット記録ヘ
ッドにおける圧電素子の形成方法であって、圧電素子の
下部電極が形成されたセラミック製の振動板のインク加
圧室に対応する位置に、スタンプ印刷法によって圧電素
子原料のスラリーを印刷し、圧電素子原料のスラリーを
印刷された振動板を焼成して振動板上に圧電素子を直接
形成する。
【0011】この方法においても、スタンプ印刷される
圧電素子原料のスラリーの量は別途形成されるスラリー
充填のための型の精度で制御される。この型を高精度に
制作することは可能であるから、型からスタンプ印刷で
転写されるスラリーの厚さと量が十分に制御され、厚さ
が薄くてよく揃ったピンホールの少ない小面積の圧電素
子を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を実施例を
用いて説明する。 〔第1の実施例〕図1はこの発明による記録ヘッドの圧
電素子形成方法の第1の実施例の工程を示し、図2はこ
の実施例で作成された記録ヘッドの構造を示す。図2に
おいて、(a)は圧電素子側から見た平面図であり、
(b)はインク流路に沿った断面図であり、従来技術の
場合と同じ機能の部分については同じ符号を付した。
【0013】まず、図1によって製造工程を説明する。
厚さ30μm のジルコニア板からなる振動板2の片面の各
インク加圧室13に対応する位置に、スクリーン印刷によ
り厚さ約5μm の電極用Ptペースト51を印刷する〔工程
(a)〕。このペースト51を120 ℃で乾燥した後、1100
℃で焼成して下部電極5を形成する〔工程(b)〕。
【0014】次に、下部電極5が形成された振動板2の
下部電極5形成側の面に厚さ100 μm のドライフィルム
8を接着し〔工程(c)〕、フォトリソグラフィによっ
てドライフィルム8の各インク加圧室13に対応する部分
を除去し、深さ100 μm の凹みを形成する〔工程
(d)〕。この工程は除去する部分への紫外線の露光と
その部分のエッチングとで構成される。次いで、ドライ
フィルム8の除去部である凹みに圧電素子用スラリー33
を充填する〔工程(e)〕。圧電素子用スラリーは、鉛
系圧電素子の仮焼粉を微粉砕した原料粉に、主バインダ
ーとしてのエチルセルロースと主溶剤としてのジエチレ
ングリコールモノエチルエーテルとその他の添加剤を加
え、よく混合して所望の粘度に調整したものである。圧
電素子用スラリー33の充填は、圧電素子用スラリー33を
振動板2全面に塗布し、スクレーパーでドライフィルム
8の表面をこすって余分なスラリーを削ぎ落として圧電
素子用スラリー33の厚さを凹みの厚さとし、120 ℃で乾
燥させる。乾燥することによってその厚さは70〜80%と
なる。続いて、ドライフィルム8の除去部に圧電素子用
スラリー33を充填した状態の振動板2を1150℃で焼成し
て、振動板2上の下部電極5の上に圧電素子3を形成す
る〔工程(f)〕。この焼成の際に、ドライフィルム8
は400 から500 ℃の温度で分解・炭化して蒸発してなく
なる。また、焼成された圧電素子3の厚さは乾燥した圧
電素子用スラリー33の厚さの約40%に収縮する。この収
縮率は乾燥した圧電素子用スラリー33中のバインダの比
率を変えることによってある程度の幅で調整することが
できる。この圧電素子3の上面に上部電極6としての金
のスパッタ膜をスパッタ装置で形成する〔工程
(g)〕。
【0015】このようにして形成された圧電素子3付き
の振動板2と流路基板1とをシート接着剤7で接合して
インク流路を形成し、記録ヘッドは完成する〔工程
(h)〕。ここで、このようにして形成された記録ヘッ
ドの構造を、図2を用いて説明し、従来技術の場合との
比較でその特徴を説明する。
【0016】この実施例による記録ヘッドにおいては、
振動板2上に形成した下部電極5は圧電素子3の領域よ
り1〜2mm延長して形成されており、この部分を個々の
圧電素子の信号電極の取り付け位置としてフレキシブル
プリント板が半田付けされる。この下部電極5の上に圧
電素子3が直接形成されており、圧電素子3上に上部電
極6が形成されている。この発明によると、圧電素子3
の厚さを従来技術のものに比べて薄くすることができる
ので、インク加圧室13 の幅を狭くすることができ、そ
のため、個々のインク流路を直線状に形成することがで
き、従来技術に比べてインク流路の長さを非常に短くす
ることができ、従来技術におけるインク供給路14や長い
ノズル流路12はなくなっている。
【0017】このような構造のこの発明による記録ヘッ
ドの下部電極5を個別電極とし上部電極6を共通電極と
して、両電極間に適正波形の駆動電圧を印加しインクの
吐出特性を評価した結果、駆動電圧が低く、ばらつきが
少ない優れたインク吐出特性を得ることができた。これ
は、圧電素子3の厚さが薄くてばらつきが少なく、しか
も接着剤層がないことによる効果である推定される。
【0018】ここで、この発明の特徴をまとめると、ま
ず、第1の特徴は、既に製造工程で述べたように、振動
板2上の下部電極5の上に直接圧電素子3が形成されて
いることである。このため、従来技術の場合に存在する
接着剤層4がないので、それに伴う問題点が解消されて
いる。第2の特徴は、形成される圧電素子3の厚さが薄
くてばらつきが少なく、その上面が平坦で、その端部が
垂直であり、欠陥が少ないことである。これは、ドライ
フィルム8の除去部に形成された凹みにスラリーを流し
込み余分のスラリーをスクレーパーで削ぎ取ることによ
って、スクリーン印刷の場合に見られるメッシュ跡をも
つこともなく、焼成時のクラックやうねりの発生が大幅
に軽減されることによっている。また、形成される圧電
素子3の厚さは印刷乾燥後の圧電素子用スラリー33の厚
さの40%程度となるので、上記実施例においては30μm
程度となっている。従来技術による圧電素子は、厚さ10
0 μm 以下のものを歩留りよく実現することが相当に困
難であったことに比べて、この発明によれば50μm 以下
の薄い圧電素子を厚さのばらつき少なく得ることができ
ることである。このため、インク加圧室13の幅を狭くす
ることができるので、より多くのマルチノズル化が可能
となり、駆動電圧も低くなる。また、従来技術の場合の
ように、インクノズル11のピッチとインク加圧室13のピ
ッチが合わないためにインク流路を曲げることも必要で
はなくなり、図2に示すように個々のインク流路を直線
状に形成することができるので、各インク流路を平行に
することができ、個々のインク流路毎に流路抵抗を含め
て面倒な設計をすることもなくなり、パターンの設計が
非常に簡単となる。
【0019】第3の特徴は、圧電素子3を形成する部分
だけに圧電素子用スラリー33を充填して圧電素子3を形
成するので、従来技術のように研削加工で製作する場合
に比べて、圧電素子用原料の使用量が大幅に少なくな
り、原料コストが低減する。第4の特徴は、個々の圧電
素子を位置合わせして接着する従来の製造工程に比べ
て、製造工程が簡略化され、コストが低減する。
【0020】〔第2の実施例〕図3はこの発明による記
録ヘッドの圧電素子形成方法の第2の実施例の工程の要
部を示しており、工程(b)までと、工程(f)から後
は第1の実施例と同じであるので省略している。第2の
実施例は、圧電素子用スラリー33、厳密にいうと、乾燥
した圧電素子用スラリー33を振動板2上の下部電極5の
上に形成する方法が第1の実施例と異なり、他の工程は
同じである。
【0021】この実施例における乾燥したスラリー33を
振動板2の下部電極5上に形成するまでの工程は次の通
りである。まず、個々のインク加圧室13に対応する位置
に所定の形状と所定の深さをもつ凹み、この実施例では
100 μm の深さの凹み、を形成されたステンレス製の金
属型300 を準備し、その型300 に乾燥した圧電素子用ス
ラリー33の抜けを良くするために離型剤を塗布し、圧電
素子用スラリー33を充填する〔工程(c)〕。この充填
は第1の実施例におけるドライフィルム8の除去部の凹
みに圧電素子用スラリー33を充填するのと同じ方法で実
施される。次いで、ゴム製パッド400 に乾燥した圧電素
子用スラリー33を転写し〔工程(d)〕、続いて、ゴム
製パッド400から乾燥した圧電素子用スラリー33を振動
板2上の下部電極5上へ転写する〔工程(e)〕。圧電
素子用スラリー33を転写された振動板2を1150℃で焼成
して、振動板2の下部電極5の上に圧電素子3を形成
し、この振動板2と流路基板1を接合して記録ヘッドを
形成する。このようにして形成された記録ヘッドは第1
の実施例と同様に駆動電圧が低く、ばらつきの少ない優
れたインク吐出特性を示した。
【0022】この実施例による記録ヘッドも第1の実施
例と同様の特徴をもっている。なお、上記の実施例にお
いては、工程(b)で電極用Ptペースト51を焼成して下
部電極5を形成しているが、この工程を省略して、圧電
素子用スラリー33の焼成時〔工程(f)〕に同時に焼成
することもできる。
【0023】
【発明の効果】この発明によれば、インクを加圧するた
めのインク加圧室やインク加圧室で加圧されたインクを
吐出するためのインクノズルなどからなる複数のインク
流路を形成するための連通する溝を備えた流路基板と、
この流路基板に接合されてインク流路を形成する振動板
と、振動板の流路基板とは反対の面でインク加圧室に対
応する位置に備えられている圧電素子とからなるインク
ジェット記録ヘッドにおける圧電素子の形成方法であっ
て、圧電素子の下部電極が形成されたセラミック製の振
動板にドライフィルムを張り付け、このドライフィルム
のインク加圧室に対応する位置をフォトリソグラフィに
よって除去し、その除去された部分に圧電素子原料のス
ラリーを充填し、ドライフィルムの除去部に圧電素子原
料のスラリーが充填された振動板を焼成して振動板上に
圧電素子を直接形成するので、スラリーの量がドライフ
ィルムの厚さで制御されて全面に均一に充填され、形成
される圧電素子はその厚さが薄くてよく揃いしかもピン
ホールのないものとなる。更に、フォトリソグラフィに
よってドライフィルムの除去部を形成するので圧電素子
の小面積化を容易に実施することができる。したがっ
て、この発明によるインクジェット記録ヘッドの圧電素
子形成方法を用いれば、歩留りが高くてコストが安く、
駆動電圧が低いマルチノズルのインクジェット記録ヘッ
ドを製造することができる。
【0024】また、インクを加圧するためのインク加圧
室やインク加圧室で加圧されたインクを吐出するための
インクノズルなどからなる複数のインク流路を形成する
ための連通する溝を備えた流路基板と、この流路基板に
接合されてインク流路を形成する振動板と、振動板の流
路基板とは反対の面でインク加圧室に対応する位置に備
えられている圧電素子とからなるインクジェット記録ヘ
ッドにおける圧電素子の形成方法であって、圧電素子の
下部電極が形成されたセラミック製の振動板のインク加
圧室に対応する位置に、スタンプ印刷法によって圧電素
子原料のスラリーを印刷し、圧電素子原料のスラリーを
印刷された振動板を焼成して振動板上に圧電素子を直接
形成するので、スタンプ印刷される圧電素子原料のスラ
リーの量は別途形成されるスラリー充填のための型の精
度で制御され、この型を高精度に制作することは可能で
あるから、型からスタンプ印刷で転写されるスラリーの
厚さと量が十分に制御され、厚さが薄くてよく揃ったピ
ンホールのない小面積の圧電素子を形成することができ
る。したがって、この第2の発明によるインクジェット
記録ヘッドの圧電素子形成方法を用いても、歩留りが高
くてコストが安く、駆動電圧が低いマルチノズルのイン
クジェット記録ヘッドを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるインクジェット記録ヘッドの圧
電素子形成方法の第1の実施例の工程を示す断面図
【図2】この発明によるインクジェット記録ヘッドの圧
電素子形成方法で形成したインクジェット記録ヘッドの
構造を示し、(a)は圧電素子側から見た平面図、
(b)はインク流路に沿った断面図
【図3】この発明の第2の実施例の主要工程を示す断面
【図4】従来のインクジェット記録ヘッドの構造を示
し、(a)は流路基板のインク流路のための溝のパター
ン図、(b)はインク流路に沿った断面図
【符号の説明】
1 流路基板 10 インク流路 11 インクノズル 12 ノズル流路 13 インク加圧室 14 インク供給路 15 絞り流路 16 インク溜め 2 振動板 3 圧電素子 31 上部電極 32 下部電極 33 圧電素子用スラリー 4 接着剤層 5 下部電極 51 電極用Ptベースト 6 上部電極 7 シート接着剤 8 ドライフィルム 300 金属製型 400 ゴム製パッド

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを加圧するためのインク加圧室やイ
    ンク加圧室で加圧されたインクを吐出するためのインク
    ノズルなどからなる複数のインク流路を形成するための
    連通する溝を備えた流路基板と、この流路基板に接合さ
    れてインク流路を形成する振動板と、振動板の流路基板
    とは反対の面でインク加圧室に対応する位置に備えられ
    ている圧電素子とからなるインクジェット記録ヘッドに
    おける圧電素子の形成方法であって、 圧電素子の下部電極が形成されたセラミック製の振動板
    にドライフィルムを張り付け、このドライフィルムのイ
    ンク加圧室に対応する位置をフォトリソグラフィによっ
    て除去し、その除去された部分に圧電素子原料のスラリ
    ーを充填し、ドライフィルムの除去部に圧電素子原料の
    スラリーが充填された振動板を焼成して振動板上に圧電
    素子を直接形成することを特徴とするインクジェット記
    録ヘッドの圧電素子形成方法。
  2. 【請求項2】インクを加圧するためのインク加圧室やイ
    ンク加圧室で加圧されたインクを吐出するためのインク
    ノズルなどからなる複数のインク流路を形成するための
    連通する溝を備えた流路基板と、この流路基板に接合さ
    れてインク流路を形成する振動板と、振動板の流路基板
    とは反対の面でインク加圧室に対応する位置に備えられ
    ている圧電素子とからなるインクジェット記録ヘッドに
    おける圧電素子の形成方法であって、 圧電素子の下部電極が形成されたセラミック製の振動板
    のインク加圧室に対応する位置に、スタンプ印刷法によ
    って圧電素子原料のスラリーを印刷し、圧電素子原料の
    スラリーを印刷された振動板を焼成して振動板上に圧電
    素子を直接形成することを特徴とするインクジェット記
    録ヘッドの圧電素子形成方法。
JP9023390A 1997-02-06 1997-02-06 インクジェット記録ヘッドの圧電素子形成方法 Pending JPH10217487A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9023390A JPH10217487A (ja) 1997-02-06 1997-02-06 インクジェット記録ヘッドの圧電素子形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9023390A JPH10217487A (ja) 1997-02-06 1997-02-06 インクジェット記録ヘッドの圧電素子形成方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10217487A true JPH10217487A (ja) 1998-08-18

Family

ID=12109195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9023390A Pending JPH10217487A (ja) 1997-02-06 1997-02-06 インクジェット記録ヘッドの圧電素子形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10217487A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000060676A1 (fr) * 1999-04-06 2000-10-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif a fine couche piezoelectrique, tete d'impression a jet d'encre utilisant ce dispositif, et procedes de fabrication de ce dispositif et de cette tete
US6842166B2 (en) 1999-01-29 2005-01-11 Seiko Epson Corporation Piezoelectric transducer and electrophoretic ink display apparatus using piezoelectric transducer
CN104015485A (zh) * 2014-04-24 2014-09-03 大连理工大学 液体喷头制造方法、液体喷头和打印装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6842166B2 (en) 1999-01-29 2005-01-11 Seiko Epson Corporation Piezoelectric transducer and electrophoretic ink display apparatus using piezoelectric transducer
US7173602B2 (en) 1999-01-29 2007-02-06 Seiko Epson Corporation Piezoelectric transducer and electrophoretic ink display apparatus using piezoelectric transducer
WO2000060676A1 (fr) * 1999-04-06 2000-10-12 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Dispositif a fine couche piezoelectrique, tete d'impression a jet d'encre utilisant ce dispositif, et procedes de fabrication de ce dispositif et de cette tete
US6688731B1 (en) 1999-04-06 2004-02-10 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Piezoelectric thin film element, ink jet recording head using such a piezoelectric thin film element, and their manufacture methods
CN104015485A (zh) * 2014-04-24 2014-09-03 大连理工大学 液体喷头制造方法、液体喷头和打印装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070008356A1 (en) Image reproducing/forming apparatus with print head operated under improved driving waveform
KR101179335B1 (ko) 스크린 프린팅에 의한 후막 형성 방법 및 잉크젯 헤드의압전 액츄에이터 형성 방법
JP4340048B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP3171213B2 (ja) インクジェット式印字ヘッド
JP3603397B2 (ja) プリンタ装置
JP4344116B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JPH10217487A (ja) インクジェット記録ヘッドの圧電素子形成方法
JP3175269B2 (ja) インクジェット式印字ヘッド
JP3988042B2 (ja) 液体噴射ヘッド及びその製造方法並びに液体噴射装置
JP3577792B2 (ja) プリンタ装置
JP2948429B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP2004358872A (ja) インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置
JP3301485B2 (ja) インクジェット式印字ヘッド及びその製造方法
JP3345810B2 (ja) インクジェット式記録ヘッドの製造方法
JPH11992A (ja) インクジェットヘッド
JP3232632B2 (ja) インクジェット式印字ヘッド
JPH11334066A (ja) インクジェット記録ヘッド及びその製造方法
JP3968547B2 (ja) インクジェットヘッド用圧電素子の作製方法
JP3638467B2 (ja) インクジェットプリンタヘッド
JP2003311983A (ja) インクジェット記録ヘッド
JP2014148096A (ja) 液体噴射ヘッド、液体噴射ヘッドの製造方法、および液体噴射装置
JPH10100403A (ja) マイクロアクチュエーター形成法
JPH11207970A (ja) プリンタ装置の製造方法
JPH10226069A (ja) 圧電アクチュエータの製造方法およびインクジェットヘッドの製造方法
JPH0781071A (ja) インクジェットヘッドの製造方法