JPH10212491A - 非イオン性界面活性剤 - Google Patents

非イオン性界面活性剤

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JPH10212491A
JPH10212491A JP9321072A JP32107297A JPH10212491A JP H10212491 A JPH10212491 A JP H10212491A JP 9321072 A JP9321072 A JP 9321072A JP 32107297 A JP32107297 A JP 32107297A JP H10212491 A JPH10212491 A JP H10212491A
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JP
Japan
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ethylene oxide
alcohol
chain
long
nonionic surfactant
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JP9321072A
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Naoyuki Ikenaga
尚之 池永
Yasuo Ishii
保夫 石井
Hiroki Sawada
広樹 沢田
Atsuto Mori
厚人 森
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性に優れ、資源涸渇の恐れのない直鎖の
長鎖アルコールを原料とし、乳化性能に優れた非イオン
性界面活性剤の提供。 【解決手段】 炭素数が16と18の直鎖脂肪族長鎖アルコ
ールの合計含有量が50重量%以上で、そのうちステアリ
ルアルコールの占める割合が60重量%以下である長鎖ア
ルコールに、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキ
サイドを逐次ブロック的に付加重合させ、末端に−EP
E(但し、Eはエチレンオキサイドの付加重合単位、P
はプロピレンオキサイドの付加重合単位を示す)で表さ
れる構造を有し、エチレンオキサイドの全平均付加モル
数が3〜20モル、プロピレンオキサイドの全平均付加モ
ル数が1〜4.9 モルであり、末端のEにおけるエチレン
オキサイドの平均付加モル数が2以上である非イオン性
界面活性剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な非イオン性界
面活性剤に関するものである。さらに詳しくは各種の油
に対する乳化性能に優れた新規な非イオン性界面活性剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来か
ら活性水素を有する化合物にエチレンオキサイドおよび
/またはプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイ
ドを単独で付加重合、あるいはランダムまたはブロック
的に付加重合させた化合物は非イオン性界面活性剤とし
て公知である。これらの化合物の例としては、ポリオキ
シエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレ
ンモノドデシルエーテル、ポリオキシエチレンモノステ
アリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミ
ン、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルアマイド、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプ
ロピレングリコールブロックポリマー(商品名プルロニ
ック)等多くの化合物を挙げることができる。
【0003】非イオン性界面活性剤はイオン性界面活性
剤に比較して、一般に低温溶解性と耐硬水性に優れてい
るため、近年の需要量の伸びが非常に大きい。また疎水
部がほぼ同一鎖長の、単一直鎖炭化水素基からなるイオ
ン性界面活性剤と比較すると、クラフト点が低く、臨界
ミセル濃度(cmc)における表面張力値が低い。また
cmcも一般に低く、ミセル会合し易いという特徴があ
る。非イオン性界面活性剤の製造上の特徴としては、原
料となる活性水素を有する化合物へのエチレンオキサイ
ドの付加モル数を制御することにより、親油性−親水性
バランス(HLB)の異なる界面活性剤を容易に得るこ
とができることが挙げられる。
【0004】各種の非イオン性界面活性剤の中でも、長
鎖アルコールおよびノニルフェノールのエチレンオキサ
イド付加物が洗浄剤、乳化剤、浸透剤、可溶化剤として
非常に多く使用されている。しかしながらポリオキシエ
チレンノニルフェニルエーテルはその分解生成物の毒性
が指摘されており、世界的にその使用が制限される傾向
にある。また非イオン性界面活性剤の原料となる長鎖ア
ルコールとしては、石油系原料から得られる合成アルコ
ールと、動植物油脂から得られる天然系アルコールに大
きく分けられる。前者は分岐アルコールを含有し、天然
系に比較して同一炭素数では融点が低いという特長があ
るものの、資源に限りのある石油が原料であるため、近
年の地球環境の保護の観点からその使用は自粛すべきも
のである。一方天然系アルコールは炭素数が偶数の直鎖
アルコールを主体とし、その原料は天然の動植物油脂で
あるため、資源の涸渇の恐れはなく、また安全性も非常
に高いものである。したがって今後は、天然系アルコー
ルを原料とした非イオン性界面活性剤を使用していくこ
とが望ましい。特に化粧品や医薬品製造用の乳化剤とし
ては、天然系アルコールを原料とした非イオン性界面活
性剤が望ましい。しかしながら従来の直鎖の長鎖アルコ
ールにエチレンオキサイドを付加させただけの非イオン
性界面活性剤では、乳化性能が劣り、すなわち長期間保
存した場合の安定性が不良であり、また得られた乳化物
の粘度が高く、ゲル状になりやすいという欠点があっ
た。
【0005】一方、米国特許第4134854号明細書
には、炭素数が8〜20の直鎖または分岐の長鎖アルコー
ルにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エチ
レンオキサイドを逐次的に付加させた構造を持つ非イオ
ン性界面活性剤が開示され、炭素数8〜20のアルコール
混合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
エチレンオキサイドを逐次的に付加して得られる界面活
性剤は、対応する曇点を有するポリオキシエチレンモノ
アルキルエーテルに比較して、界面活性能に影響を与え
ることなく、流動点を低下させるという特徴を有するこ
とが開示されている。また特開昭53−113805号公報に
は、炭素数8〜18の飽和脂肪族第1級アルコール(直鎖
率30%以上)に、プロピレンオキサイドとエチレンオキ
サイドとを混合状態で(ランダム)付加させるか、単独
で交互にそれぞれを2回以上に分割して付加反応(ブロ
ック付加)させるか、ランダム付加とブロック付加を併
用して得られた付加体が、融点が低く、洗浄性能に優れ
ていることが開示されている。
【0006】しかしながら、これらの非イオン性界面活
性剤も乳化性能において、まだ十分満足できるものでは
なかった。したがって本発明の課題は安全性に優れ、資
源涸渇の恐れのない直鎖の長鎖アルコールを原料とし、
乳化性能に優れた非イオン性界面活性剤を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは直鎖の長鎖
アルコールを原料とし、乳化性能に優れた非イオン性界
面活性剤を得ることを目的に、特に長鎖アルコールの炭
素数に着目して鋭意検討した結果、特定の非イオン性界
面活性剤が優れた乳化性能を有することを見いだし、本
発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、炭素数が16と18の飽和
又は不飽和の直鎖脂肪族長鎖アルコールの合計含有量が
50重量%以上で、そのうちステアリルアルコールの占め
る割合が60重量%以下である長鎖アルコールに、エチレ
ンオキサイドおよびプロピレンオキサイドを逐次ブロッ
ク的に付加重合させ、末端に、−EPE(但し、Eはエ
チレンオキサイドの付加重合単位、Pはプロピレンオキ
サイドの付加重合単位を示す)で表される構造を有し、
エチレンオキサイドの全平均付加モル数が3〜20モル、
プロピレンオキサイドの全平均付加モル数が1〜4.9 モ
ルであり、末端のEにおけるエチレンオキサイドの平均
付加モル数が2以上であることを特徴とする非イオン性
界面活性剤を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。
【0010】本発明の非イオン性界面活性剤において
は、原料となる直鎖脂肪族長鎖アルコールの炭素数が重
要であり、炭素数が16と18の飽和又は不飽和の直鎖脂肪
族長鎖アルコールの合計含有量が50重量%以上、好まし
くは60重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上であ
る。原料となる長鎖アルコール中の、炭素数が16と18の
飽和又は不飽和の直鎖脂肪族長鎖アルコールの合計含有
量が50重量%未満であると、乳化性能が低下する。
【0011】原料長鎖アルコール中の、炭素数が16と18
の飽和又は不飽和の直鎖脂肪族長鎖アルコールの合計含
有量が50重量%以上であれば、残りのアルコールとして
は、炭素数15以下のもの、例えば炭素数8〜15の脂肪族
長鎖アルコールや分岐アルコールであってもよく、炭素
数19以上の脂肪族長鎖アルコールや分岐アルコールであ
ってもよい。逆に炭素数が19以上の長鎖アルコールおよ
び/または炭素数15以下のアルコールの含有量が50重量
%を越えると、良好な乳化性能が得られず好ましくな
い。
【0012】またステアリルアルコールの含有量が多い
と乳化性能が低下するため、炭素数が16と18の飽和又は
不飽和の直鎖脂肪族長鎖アルコール中のステアリルアル
コールの含有量は60重量%以下であることが必要で、好
ましくは50重量%以下であり、さらに好ましくは45重量
%以下である。
【0013】また長鎖アルコールが天然油脂の還元アル
コールである場合、飽和アルコールが主体となるが、本
発明においては炭素数が16と18の直鎖脂肪族長鎖アルコ
ールであれば飽和アルコールであっても、不飽和アルコ
ールであってもよい。例えばオレイルアルコールもま
た、本発明の原料アルコールとして好適に使用できる。
本発明の非イオン性界面活性剤の親水基部分はエチレン
オキサイドを2モル以上連続して付加させた構造単位を
末端に有することが重要である。末端のエチレンオキサ
イドの付加モル数が2モル未満では乳化性能が劣り好ま
しくない。但し炭素数が16と18の飽和又は不飽和の直鎖
脂肪族長鎖アルコールの合計含有量が50重量%以上で、
そのうちステアリルアルコールの占める割合が60重量%
以下である長鎖アルコールに、単にエチレンオキサイド
のみを2モル以上付加させたのでは、十分な乳化性能を
持たせることはできない。
【0014】すなわち本発明においては、炭素数が16と
18の飽和又は不飽和の直鎖脂肪族長鎖アルコールの合計
含有量が50重量%以上で、そのうちステアリルアルコー
ルの占める割合が60重量%以下である長鎖アルコール
に、親水基としてのエチレンオキサイド部分を分割する
ように、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイ
ドを逐次ブロック的に付加重合させ、末端に−EPE
(但し、E、Pは前記の意味を示す)で表される構造を
有し、エチレンオキサイドの全平均付加モル数が3〜20
モル、プロピレンオキサイドの全平均付加モル数が1〜
4.9 モルとなるように親水基部分を構成し、親水基部分
全体として、炭化水素基からなる疎水部分とバランスし
ていることが重要である。
【0015】またエチレンオキサイドとプロピレンオキ
サイドの付加モル数が上記範囲にあっても、エチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドをランダム付加したの
では十分な乳化性能を持たせることはできない。
【0016】本発明の非イオン性界面活性剤の全プロピ
レンオキサイド平均付加モル数が1モル未満ではプロピ
レンオキサイドを付加した効果が見られず、対応するア
ルコールにエチレンオキサイドのみを付加させたものと
性能的な優位性がみられない。また、全プロピレンオキ
サイド平均付加モル数が 4.9モルを超えると親水性が不
足し、乳化性能が低下する。また、全エチレンオキサイ
ド平均付加モル数が3モル未満であると乳化性能が劣
り、20モルを超えると親水基部分が大きくなりすぎ、界
面への吸着時のパッキング性が低下し、やはり乳化性能
が劣るようになり好ましくない。
【0017】なお以下の本明細書においては非イオン性
界面活性剤を略号で示す場合があるが、その表記方法は
以下の通りである。すなわち、例えば原料アルコールに
まずプロピレンオキサイドを付加し、次いでエチレンオ
キサイドを逐次ブロック的に付加した場合をRPEと略
記する。
【0018】本発明の非イオン性界面活性剤の具体例と
しては、炭素数が16と18の飽和又は不飽和の直鎖脂肪族
長鎖アルコールの合計含有量が50重量%以上で、そのう
ちステアリルアルコールの占める割合が60重量%以下で
ある長鎖アルコールに、エチレンオキサイドおよびプロ
ピレンオキサイドを逐次ブロック的に付加重合させ、か
つ末端にはエチレンオキサイドを2モル以上連続して付
加させた構造を有するもの(REPE)、上記と同じア
ルコールにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイド
を交互にブロック的に2回ずつ付加させたもの(RPE
PE)、その他REPEPE等が挙げられる。
【0019】すなわち本発明の非イオン性界面活性剤に
おいては、上記長鎖アルコールに、エチレンオキサイド
およびプロピレンオキサイドを逐次ブロック的に付加重
合させ、末端に−EPE(但し、E、Pは前記の意味を
示す)で表される構造を有し、エチレンオキサイドの全
平均付加モル数が3〜20モル、プロピレンオキサイドの
全平均付加モル数が1〜4.9 モルであり、末端のEにお
けるエチレンオキサイドの平均付加モル数が2以上であ
れば、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの結
合の順序は問題とならない。しかし工程の簡略さと得ら
れた非イオン性界面活性剤の乳化性能を考慮すると、エ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを逐次ブロ
ック的に3度に分けて付加したもの、すなわちREPE
型が好ましく、特に上記長鎖アルコールに、まずエチレ
ンオキサイドを1モル以上、好ましくは1〜10モル付加
させ、次いでプロピレンオキサイドを1〜4.9 モル付加
させ、さらにエチレンオキサイドを2モル以上、好まし
くは2〜10モル付加させ、かつエチレンオキサイドの全
平均付加モル数が20モルを越えないものが好ましい。
【0020】本発明の非イオン性界面活性剤は公知の技
術によって製造することができる。すなわちエチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドの付加重合は従来公知
の酸触媒、またはアルカリ触媒を使用できる。酸触媒と
しては、硫酸、リン酸、あるいは塩化第二スズ、三フッ
化臭素のようなルイス酸が挙げられる。アルカリ触媒と
しては、三級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化バリウム等が挙げられる。アルコールへの
アルキレンオキサイドの付加反応は50〜200 ℃の温度範
囲で容易に進行する。エチレンオキサイドもプロピレン
オキサイドもこの温度範囲では気体であるため、付加反
応は密閉容器中で加圧下に行われる。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
限定されるものではない。例中の%は特記しない限り重
量基準である。
【0022】なお実施例および比較例で使用した界面活
性剤サンプルの構造は、前述の略号で示す。すなわち原
料アルコールにまずプロピレンオキサイドを付加し、次
いでエチレンオキサイドを逐次ブロック的に付加した場
合、RPEと略記する。また原料アルコールにエチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドをランダムに付加し
た場合、R(E/P)と略記する。また付加モル数はE
またはPのあとの数字で示す。例えば原料アルコールに
まずエチレンオキサイドを3モル付加し、次いでプロピ
レンオキサイドを2モル付加し、さらにエチレンオキサ
イドを3モル付加した場合、RE3P2E3と略記す
る。
【0023】実施例1 R1E5P2E5の合成 原料アルコールとして、 C16:50%、 C18:40%、 C12
〜C14 :10%の組成を有する直鎖率 100%の飽和アルコ
ール(R1)を使用し、エチレンオキサイド用とプロピレ
ンオキサイド用の2つの計量槽の付いた5リットルの回
転攪拌式オートクレーブ中に原料アルコールを1200g、
水酸化カリウムを5.4g仕込み、窒素置換を行った後 110
℃に昇温し、40torrで1時間脱水を行った。次に 150℃
に昇温し、エチレンオキサイドを3.5kg/cm2 の圧力で10
60gオートクレーブ中に導入し、圧力が低下して一定に
なるまで反応させた後、 120℃に冷却して、プロピレン
オキサイド559gをオートクレーブ中に 3.5kg/cm2の圧力
で導入した。その後、再び150 ℃に昇温し、エチレンオ
キサイドを1060g 導入し、圧力が低下して一定になるま
で反応させた。反応終了後、温度を低下させて合成した
サンプルを抜き出し、約 3.8kgの目的の非イオン性界面
活性剤を得た。
【0024】実施例2〜7 原料アルコールとして、実施例1と同様のC16:50%、C
18:40%、C12〜C14:10%の組成の直鎖率 100%の飽和
アルコールを使用し、実施例1と同様にして、この長鎖
アルコール混合物にエチレンオキサイドとプロピレンオ
キサイドを逐次ブロック的に付加し、かつ末端はエチレ
ンオキサイドが2モル以上連続して付加した構造を有す
る表1に示す非イオン性界面活性剤を合成した。
【0025】実施例8 原料アルコールとしてオレイルアルコール(R2)を使用
し、実施例1と同様にして、オレイルアルコールにエチ
レンオキサイドを5モル、プロピレンオキサイドを2モ
ル、エチレンオキサイドを5モルの順に、逐次ブロック
的に付加した構造を有する、表1に示す非イオン性界面
活性剤を合成した。
【0026】比較例1〜6 炭素数が12の直鎖飽和アルコールを90%以上含有するア
ルコール(R3)を原料として用い、実施例1と同様にし
て、このアルコールにエチレンオキサイドとプロピレン
オキサイドを逐次ブロック的に付加した構造を有する表
2に示す非イオン性界面活性剤を合成した。
【0027】比較例7〜11 実施例1〜7で使用した長鎖アルコール(R1)を原料と
して用い、実施例1と同様にして、このアルコールにエ
チレンオキサイドとプロピレンオキサイドを逐次ブロッ
ク的にまたはランダム付加し、表2に示す末端がプロピ
レンオキサイドのもの、エチレンオキサイドとプロピレ
ンオキサイドをランダム付加したもの、エチレンオキサ
イドの全付加モル数が22モルのもの、プロピレンオキサ
イドの全付加モル数が6モルのもの、エチレンオキサイ
ドのみを付加したものを合成した。
【0028】比較例12 原料アルコールとして C16:34%、 C18:64%、 C12
C14 :2%の組成の直鎖率 100%の飽和アルコール
(R4)を使用し、実施例1と同様にして、このアルコー
ルにエチレンオキサイドを7モル、プロピレンオキサイ
ドを4モル、エチレンオキサイドを5モルの順に、逐次
ブロック的に付加した構造を有する、表2に示す非イオ
ン性界面活性剤を合成した。
【0029】比較例13 原料アルコールとしてステアリルアルコール(R5)を使
用し、実施例1と同様にして、ステアリルアルコールに
エチレンオキサイドを5モル、プロピレンオキサイドを
2モル、エチレンオキサイドを3モルの順に、逐次ブロ
ック的に付加した構造を有する、表2に示す非イオン性
界面活性剤を合成した。
【0030】実施例1〜8および比較例1〜13で得られ
た非イオン性界面活性剤について、下記の方法で乳化性
能を評価した。結果を表1および表2に示す。
【0031】<乳化性能評価方法>非イオン性界面活性
剤は温度によって、水に対する溶解性が著しく変化し、
界面活性能も変化する。したがって一定温度で各非イオ
ン性界面活性剤の界面活性能(表面張力低下能、乳化
能、可溶化能等)を比較することは適当ではない。例え
ば乳化能を比較する場合、それぞれの非イオン性界面活
性剤が最大の乳化能を示す温度で、比較しなければなら
ない。
【0032】非イオン性界面活性剤の特性を表す指標と
して、HLB値が Griffinによって提唱された。HLB
値はある界面活性剤について一定値を決める。しかし対
象とする系の油の種類や、水溶液中の塩類によってHL
B値は変化するため、補正が必要となる。そこである乳
化系の特性値として、転相温度を使用する方法が篠田に
よって提案された。転相温度とは乳化剤の親水性と親油
性が釣り合う温度を意味する。各種乳化系の転相温度に
関しては、篠田らによって、体系的な研究がなされてい
る〔日本化学雑誌,Vol 89, 435(1968) 〕。
【0033】乳化系の温度が上昇し、乳化型がO/W型
からW/O型に変化する。これは乳化剤の親水性、親油
性のバランスが温度とともに変わり、低い温度では親水
基と水の親和力が強かったが、温度が高くなるにつれ
て、その親和力が減少してゆくため、HLBがより親油
的になるためである。HLB値でいえば、その値が温度
の上昇につれて、小さくなることを意味する。
【0034】転相温度ではその系において、界面活性剤
の乳化能が最大となるため、転相温度で乳化する方法
(転相乳化法)によって乳化テストを行い、各非イオン
性界面活性剤の乳化性能を比較した。
【0035】乳化テスト用の油として、エチルシクロヘ
キサン、ケロシン、n−ドデカン、流動パラフィンを使
用した。 100mlスクリュー管に、それぞれの油33g、各
非イオン性界面活性剤を 3.5g、イオン交換水を33g加
え、手で50回振とうすることによりO/W型エマルショ
ンを得た。必要により冷却したのち振とうした。得られ
たエマルションに電導度測定用電極を入れ、200rpmで攪
拌機により攪拌しながら低温から徐々に昇温させ、電導
度の変化と目視観察により、転相温度を決定した。その
後乳化系を、転相温度より3℃低い温度に保持し、3分
間攪拌することにより、乳化した。得られた乳化物は転
相温度より、10℃以上低い温度まで急冷し、試験管に移
し、室温で保存した。3日後の水分離率(容積%)を測
定し、乳化物の安定性を判定した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】表1および表2の結果からわかるように、
従来から使用されていた炭素数12の直鎖飽和アルコール
を原料とした非イオン性界面活性剤(比較例1〜6)、
または炭素数が16と18の飽和又は不飽和の直鎖脂肪族長
鎖アルコールの合計含有量が50%以上で、そのうちステ
アリルアルコールの占める割合が60%以下の長鎖アルコ
ールを原料としても、末端にエチレンオキサイドが2モ
ル以上連続して付加されていないもの(比較例7及び
8)、エチレンオキサイドの全平均付加モル数が20モル
を越えるもの(比較例9)、プロピレンオキサイドの全
平均付加モル数が4.9モルを越えるもの(比較例10)、
エチレンオキサイドのみ付加したもの(比較例11)、炭
素数が16と18の直鎖飽和の脂肪族長鎖アルコールの合計
含有量が98%であっても、ステアリルアルコールの割合
が60%を越えるもの(比較例12)、ステアリルアルコー
ルのみを原料として使用したもの(比較例13)は本発明
の非イオン性界面活性剤に比較して乳化物の安定性が不
良であり、乳化性能が劣っている。
【0039】
【発明の効果】本発明の非イオン性界面活性剤は、経時
的に安定な乳化物を得ることができ、また安全性が高い
ため、化粧品や医薬品用乳化剤として広範に使用するこ
とができる。さらに高い乳化性を利用して、洗顔用、身
体用の洗浄剤や工業用の油性汚れの洗浄剤の基剤として
も利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 厚人 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社研 究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素数が16と18の飽和又は不飽和の直鎖
    脂肪族長鎖アルコールの合計含有量が50重量%以上で、
    そのうちステアリルアルコールの占める割合が60重量%
    以下である長鎖アルコールに、エチレンオキサイドおよ
    びプロピレンオキサイドを逐次ブロック的に付加重合さ
    せ、末端に、−EPE(但し、Eはエチレンオキサイド
    の付加重合単位、Pはプロピレンオキサイドの付加重合
    単位を示す)で表される構造を有し、エチレンオキサイ
    ドの全平均付加モル数が3〜20モル、プロピレンオキサ
    イドの全平均付加モル数が1〜4.9 モルであり、末端の
    Eにおけるエチレンオキサイドの平均付加モル数が2以
    上であることを特徴とする非イオン性界面活性剤。
  2. 【請求項2】 炭素数が16と18の飽和又は不飽和の直鎖
    脂肪族長鎖アルコールの合計含有量が50重量%以上で、
    そのうちステアリルアルコールの占める割合が60重量%
    以下である長鎖アルコールに、エチレンオキサイドを1
    〜10モル、次いでプロピレンオキサイドを1〜4.9 モ
    ル、次いでエチレンオキサイドを2〜10モル逐次ブロッ
    ク的に付加させた構造を有する請求項1記載の非イオン
    性界面活性剤。
  3. 【請求項3】 長鎖アルコール中の、炭素数が16と18の
    飽和又は不飽和の直鎖脂肪族長鎖アルコールの合計含有
    量が80重量%以上で、そのうちステアリルアルコールの
    占める割合が60重量%以下である請求項1又は2記載の
    非イオン性界面活性剤。
  4. 【請求項4】 炭素数16と18の飽和又は不飽和の直鎖脂
    肪族長鎖アルコールが、天然油脂から誘導される炭素数
    16と18の飽和アルコール、又はオレイルアルコールであ
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の非イオン性界面
    活性剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011016431A1 (ja) 2009-08-04 2011-02-10 花王株式会社 ノニオン界面活性剤の製造方法
JP2011122037A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Kao Corp 非イオン界面活性剤、及びこれを含有する液体洗浄剤組成物
KR101335114B1 (ko) * 2011-11-24 2013-12-03 롯데케미칼 주식회사 고급 알코올 에틸렌옥사이드-프로필렌옥사이드 블록 또는 랜덤 공중합체 및 그 제조방법

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