JPH10211051A - ランバーサポート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 椅子の背もたれの前面に、ランバーサポート
を左右方向に外れることなく、高さ調節可能として体裁
良く装着しうるようにする。 【解決手段】 椅子の背もたれの前面に、座者の腰部に
当接させるランバーサポート８を上下動可能に装着する
ようにしたランバーサポート装置において、ランバーサ
ポート８の両側端部に、背もたれの両側部の少なくとも
一部に係合する係合手段である内向舌片１３を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、椅子の背もたれの
前面に、座者の腰部に当接させることにより、座者の疲
労感を軽減させるようにしたランバーサポートを、上下
動可能に装着するようにしたランバーサポート装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】ランバーサポート機能を有する椅子の背
もたれは公知であるが、従来のものは、機構が複雑であ
り、コスト高になるとともに、取扱いが面倒であった。

【０００３】ランバーサポートを、望みに応じて上下に
移動させうるようにしたものは、例えば、実公平１−８
２１４号公報に記載されているが、これは、背もたれ本
体に溝を設ける必要があり、椅子自体の形状を変えてし
まうこととなる。

【０００４】また、前記実公平１−８２１４号公報や実
開昭５７−１７２５３６号公報等に記載されている背も
たれは、前面にクッション等を着脱可能としたものであ
るため、一体感に欠け、体裁が悪いという欠点がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、椅子の背も
たれの前面に、ランバーサポートを左右方向に外れるこ
となく、高さ調節可能として体裁良く装着しうるように
した構造の簡単なランバーサポート装置を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は次のようにして解決される。 (１) 椅子の背もたれの前面に、座者の腰部に当接させ
るランバーサポートを上下動可能に装着するようにした
ランバーサポート装置において、ランバーサポートの両
側端部に、背もたれの両側部の少なくとも一部に係合す
る係合手段を設ける。

【０００７】(２) 上記(１)項において、係合手段を、
椅子の背もたれの前面に配設された外皮材の両側縁部を
前後より挟むような構成とする。

【０００８】(３) 上記(２)項において、係合手段を、
横長板状のランバーサポート本体の両側部に基端部が連
設され、かつランバーサポート本体とほぼ平行に互いに
内向きに延出して、ランバーサポート本体との間に外皮
材の側縁部を挟み込むようにした左右１対の内向舌片を
有するものとする。

【０００９】(４) 上記(３)項において、ランバーサポ
ート本体の両側部に、外向きＶ字状の溝孔を設け、該溝
孔により囲まれた部分を内向舌片とする。

【００１０】(５) 上記(４)項において、内向舌片の上
下縁と、それに対向するランバーサポート本体側の溝孔
の縁とに、外皮材の側縁に形成した玉縁と係合する係合
孔を設ける。

【００１１】(６) 上記(２)項、または(２)項に従属し
た(３)〜(５)項のいずれかにおいて、ランバーサポート
本体に、外皮材の側縁に当接して、該側縁が係合手段に
深く食い込むのを阻止するようにした当接片を設ける。

【００１２】(７) 上記(３)〜(５)項、または(３)〜
(５)項のいずれかに従属した(６)項のいずれかにおい
て、内向舌片の後面の上下縁に、外皮材の側縁に形成し
た玉縁の内側に係合し、外皮材の側縁が内向舌片から内
方に外れるのを阻止する突起を設ける。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１および図２に示すように、椅
子の背当て本体(１)は、クッション体(２)を表皮材(３)
で包囲してなり、その前面には、上下方向の寸法をやや
大とした間隙(４)を設けて、外皮材(５)を張設してあ
る。

【００１４】外皮材(５)の左右側縁下部には、上下方向
に長く、かつ内側縁をほぼ垂直とした切欠部(６)(６)を
設けてある。この切欠部(６)の内側縁には、図７に示す
ように、外皮材(５)の左右側縁に続く玉縁(７)が設けら
れている。

【００１５】前記間隙(４)内には、上下方向の寸法を、
間隙(４)の上下方向の寸法よりも小とし、かつ適度の可
撓性を有する合成樹脂からなる横長板状のランバーサポ
ート(８)が挿入されている。

【００１６】ランバーサポート(８)は、座者の腰部背面
が適切に当接しうるように、平面視においては後向き
に、かつ側面視においては前向きに緩く凹曲しており、
かつ好ましい可撓性を付与するために、上下縁の適所
に、複数の切込み(９)を付してある(図３〜図５参照)。

【００１７】ランバーサポート(８)は、その側端部が切
欠部(６)内へ露出するような長さを有し、図６に示すよ
うに、その本体(10)の側端縁には、前方を向き、かつ上
下縁が僅かに内方、すなわち中心方向に延びる周壁(11)
が設けられ、周壁(11)の内方には、外向Ｖ字状の狭幅の
溝孔(12)が設けられている。

【００１８】溝孔(12)により囲まれた部分は、係合手段
をなす内向舌片(13)となっており、かつ溝孔(12)の上下
の外向孔(14)(14)の外側端よりやや内方には、ランバー
サポート(８)の本体(10)側、および内向舌片(13)側へ食
い込むほぼ垂直の係合孔(15)(16)が設けられている。

【００１９】これら係合孔(15)(16)の位置は、ランバー
サポート(８)を間隙(４)内へ挿入した際に、外皮材(５)
の切欠部(６)の内側縁における玉縁(７)と重合するよう
に定めてあり、またその幅は、玉縁(７)の幅とほぼ等し
くしてある。

【００２０】本体(10)における周壁(11)の内端より連続
し、かつ係合孔(15)の外側縁と整合する部分には、外皮
材(５)の側縁、すなわち玉縁(７)に当接して、外皮材
(５)の側縁が外向孔(14)(14)に深く食い込むのを阻止す
るようにした上下１対の当接片(11a)が設けられてい
る。

【００２１】また、内向舌片(13)の後面における係合孔
(16)に近接した上下縁には、玉縁(７)の内側に係合し、
外皮材(５)の側縁が内向舌片(13)から内方に外れるのを
阻止するようにした上下１対の突起(13a)が設けられて
いる。

【００２２】かくして、外皮材(５)の玉縁(７)は、この
当接片(11a)と突起(13a)とにより、常に係合孔(15)(16)
を通って内向舌片(13)の後方に回り込むように案内され
る。

【００２３】周壁(11)の内側縁に隣接して、ランバーサ
ポート(８)の本体(10)には、上下に並ぶ取付孔(17)(17)
を設けてある。

【００２４】(18)は、後方を向く偏平箱状のカバーで、
前記周壁(11)の外側面に適正に嵌合しうる外側辺部(19)
と、前記溝孔(12)を覆いうる内向Ｖ字状の内側辺部(20)
とを、ほぼ水平の上下辺部(21)(21)で連設するととも
に、これら各辺部にまたがって覆片(22)を設けてなり、
上下辺部(21)(21)の付近において、覆片(22)に、前記取
付孔(17)へ挿入係止しうる後向きの係止爪(23)(23)を設
けたものである。

【００２５】ランバーサポート(８)を間隙(４)内へ挿入
し、図７に示すように、溝孔(12)の上下のほぼ垂直の係
合孔(15)(15)を玉縁(７)の後面に位置させ、内向舌片(1
3)を弾性撓曲させて、外皮材(５)の前面へ重合させる。
これにより、前記係合孔(15)(16)の中、内向舌片(13)側
のもの(16)は玉縁(７)の前面に、同じく本体(10)側のも
の(15)は玉縁(７)の後面に嵌合係止し、ランバーサポー
ト(８)の上下および左右方向の不本意な移動は防止され
る。

【００２６】

【発明の効果】

(ａ) ランバーサポートの両側端部に設けた係合手段が
背もたれの両側部の少なくとも一部に係合することによ
り、ランバーサポートは、背もたれから左右方向に外れ
たり、位置ずれしたりすることなく、背もたれに上下動
可能として体裁よく装着され、また、ランバーサポート
の両側端部に係合手段を設けるだけでよいので、構造を
簡素化できるとともに、従来のように背もたれ自体に溝
その他の加工を施したり、ランバーサポートの中間部に
結合部材等が設けられて、ランバーサポートの中間部の
弾性が損なわれ、座者に違和感を与えたりすることがな
い。また、ランバーサポートの取付け取外しが容易であ
る。

【００２７】(ｂ) 請求項２のようにすると、係合手段
の前後方向に厚さを小とすることができ、ランバーサポ
ート装置全体の薄型化を図ることができる。

【００２８】(ｃ) 請求項３のようにすると、内向舌片
をランバーサポート本体と一体的に簡単に形成すること
ができる。

【００２９】(ｄ) 請求項４のようにすると、係合手段
とランバーサポートとを、一部材として簡単に形成する
ことができる。

【００３０】(ｅ) 請求項５のようにすると、外皮材の
玉縁が係合孔に係合して、外皮材が係合手段から内方に
外れるのが防止される。

【００３１】(ｆ) 請求項６のようにすると、当接片が
外皮材の側縁に当接して、外皮材の側縁が係合手段に深
く食い込むのが防止される。

【００３２】(ｇ) 請求項７のようにすると、突起が玉
縁の内側に係合し、外皮材の側縁が内向舌片から内方に
外れるのが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の背もたれを備える椅子の正面図であ
る。

【図２】図１におけるII−II線縦断側面図である。

【図３】ランバーサポート本体の正面図である。

【図４】図３におけるIV−IV線横断平面図である。

【図５】ランバーサポート本体の側面図である。

【図６】ランバーサポートの側端部とカバーの拡大斜視
図である。

【図７】取付けた状態におけるランバーサポートの側端
部とカバーを示す拡大斜視図である。

【符号の説明】

(１)背当て本体 (２)クッション体 (３)表皮材 (４)間隙 (５)外皮材 (６)切欠部 (７)玉縁 (８)ランバーサポート (９)切込み (10)本体 (11)周壁 (11a)当接片 (12)溝孔 (13)内向舌片 (13a)突起 (14)外向孔 (15)(16)係合孔 (17)取付孔 (18)カバー (19)外側辺部 (20)内側辺部 (21)上下辺部 (22)覆片 (23)係止爪

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 椅子の背もたれの前面に、座者の腰部に
   当接させるランバーサポートを上下動可能に装着するよ
   うにしたランバーサポート装置において、ランバーサポ
   ートの両側端部に、背もたれの両側部の少なくとも一部
   に係合する係合手段を設けたことを特徴とするランバー
   サポート装置。
2. 【請求項２】 係合手段が、椅子の背もたれの前面に配
   設された外皮材の両側縁部を前後より挟むような構成と
   した請求項１記載のランバーサポート装置。
3. 【請求項３】 係合手段が、横長板状のランバーサポー
   ト本体の両側部に基端部が連設され、かつランバーサポ
   ート本体とほぼ平行に互いに内向きに延出して、ランバ
   ーサポート本体との間に外皮材の側縁部を挟み込むよう
   にした左右１対の内向舌片を有している請求項２記載の
   ランバーサポート装置。
4. 【請求項４】 ランバーサポート本体の両側部に、外向
   きＶ字状の溝孔を設け、該溝孔により囲まれた部分を内
   向舌片とした請求項３記載のランバーサポート装置。
5. 【請求項５】 内向舌片の上下縁と、それに対向するラ
   ンバーサポート本体側の溝孔の縁とに、外皮材の側縁に
   形成した玉縁と係合する係合孔を設けた請求項４記載の
   ランバーサポート装置。
6. 【請求項６】 ランバーサポート本体に、外皮材の側縁
   に当接して、該側縁が係合手段に深く食い込むのを阻止
   するようにした当接片を設けた請求項２、または２に従
   属した３〜５のいずれかに記載のランバーサポート装
   置。
7. 【請求項７】 内向舌片の後面の上下縁に、外皮材の側
   縁に形成した玉縁の内側に係合し、外皮材の側縁が内向
   舌片から内方に外れるのを阻止する突起を設けた請求項
   ３〜５、または３〜５のいずれかに従属した６のいずれ
   かに記載のランバーサポート装置。