JPH10210592A - ハウリング検出器及びハウリングキャンセル装置 - Google Patents

ハウリング検出器及びハウリングキャンセル装置

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JPH10210592A
JPH10210592A JP9014212A JP1421297A JPH10210592A JP H10210592 A JPH10210592 A JP H10210592A JP 9014212 A JP9014212 A JP 9014212A JP 1421297 A JP1421297 A JP 1421297A JP H10210592 A JPH10210592 A JP H10210592A
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impulse response
acoustic system
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speaker
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R3/00Circuits for transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R3/02Circuits for transducers, loudspeakers or microphones for preventing acoustic reaction, i.e. acoustic oscillatory feedback
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R27/00Public address systems

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  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤ったハウリング検出や補正がなされること
がなく、事前の設定作業が殆ど不要で、リアルタイムで
の環境変化にも充分可能にする。 【解決手段】 音響系のインパルス応答はインパルス応
答計測部8で計測される。ハウリング検出部9は、計測
されたインパルス応答の計測開始から所定値減衰までの
時間が所定時間よりも長いときに音響系でハウリングが
発生したと認識し、インパルス応答の後部の波形の周波
数成分からハウリングポイントを検出する。検出された
ハウリングポイントの周波数成分をイコライザ6によっ
て減衰させることによりハウリングを抑圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スピーカとマイ
クロホンとを含む音響系で、マイクロホンからスピーカ
への音の回り込みによって生じるハウリングを検出し、
またこれを抑圧するハウリング検出器及びハウリングキ
ャンセル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンサートホールでのPA(Public Add
ress)制御やSRS(Sound Room System)のようなス
ピーカ及びマイクロホンを含む音響システムでは、スピ
ーカから再生された音がマイクロホンにフィードバック
するため、ある特定の周波数の閉ループゲインが1以上
になってハウリングが発生することがある。この種のハ
ウリングをキャンセルする手法としては、既に種々の手
法が確立されている。
【0003】その一つは、リハーサル中に、音響系の特
定のモニタポイントの周波数特性をモニタしながら予め
ハウリングの起こりやすい状況を作り出し、ピーク周波
数がある設定レベル以上で、ある設定時間だけ持続した
場合にハウリングが発生したと判断し、その周波数帯域
のレベルを抑圧するようなフィルタをDSPによって設
定するという手法である(「DSPを使ったハウリング
検出・除去の自動システム」柘植他、AES東京コンベ
ンション '95予稿集 p112〜155)。
【0004】また、その他の手法として、音響系のイン
パルス応答を測定し、マイクロホンにフィードバックさ
れる音声によるハウリング成分の逆信号成分を、求めら
れたインパルス応答と音声信号との畳み込みによって算
出し、この逆信号成分を出力信号からダイレクトに減算
することによりハウリング成分を除去するという手法も
知られている(特開昭56−30397号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のハウリング検出・除去の手法のうち、前者の手
法では、予め機器の設営中やリハーサル中にフィルタの
設定をしておかなくてはならず、しかも設営作業中にマ
イクロホンの位置が変更になる等の環境変化があると、
その都度、設定をし直さなくてはならないという問題が
ある。
【0006】また、後者の方法では、計測されたインパ
ルス応答から求められたハウリング補正成分を出力信号
からダイレクトに減算するという方式であるため、イン
パルス応答をかなり高い精度で計測しなければならな
い。計測精度が低いと、誤った補正がなされて出力信号
に意図しない歪みが発生する。そこで、インパルス応答
を高精度に計測するため、予め計測モードでインパルス
波形を発生させて音響系のフィードバック信号を計測す
ることもなされているが、インパルス応答は環境変化で
刻々と変動するという問題がある。特に、大規模ホール
などでは、音の経路長が長くなるため、温度変化や部分
的な空気の流れの変化等によって伝達関数が変動するケ
ースが多い。このため、大規模ホールでは逆信号により
ハウリングを打ち消す方式は、事実上困難である。
【0007】この発明は、このような問題点に鑑みなさ
れたもので、誤ったハウリング検出や補正がなされるこ
とのないハウリング検出器及びハウリングキャンセル装
置を提供することを第1の目的とする。また、この発明
は、事前の設定作業が殆ど不要で、リアルタイムでの環
境変化にも充分対応することができるハウリング検出器
及びハウリングキャンセル装置を提供することを第2の
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る第1のハ
ウリング検出器は、スピーカとマイクロホンとを含む音
響系で前記スピーカから前記マイクロホンへの音の回り
込みによって生じるハウリングを検出するハウリング検
出器において、前記音響系のインパルス応答を計測する
インパルス応答計測手段と、このインパルス応答計測手
段で計測されたインパルス応答の計測開始から所定値減
衰までの時間が所定時間よりも長いときに前記音響系で
ハウリングが発生したと認識するハウリング発生検出手
段とを有することを特徴とする。
【0009】この発明に係る第2のハウリング検出器
は、スピーカとマイクロホンとを含む音響系で前記スピ
ーカから前記マイクロホンへの音の回り込みによって生
じるハウリングを検出するハウリング検出器において、
前記音響系のインパルス応答を計測するインパルス応答
計測手段と、このインパルス応答計測手段で計測された
インパルス応答の計測開始から所定値減衰までの時間が
所定時間よりも長いときに前記音響系でハウリングが発
生したと認識し前記インパルス応答の前記所定時間より
も後の波形の周波数成分からハウリングポイントを検出
するハウリングポイント検出手段とを有することを特徴
とする。
【0010】また、この発明に係るハウリングキャンセ
ル装置は、スピーカとマイクロホンとを含む音響系で前
記スピーカから前記マイクロホンへの音の回り込みによ
って生じるハウリングを防止するハウリングキャンセル
装置において、前記音響系のインパルス応答を計測する
インパルス応答計測手段と、このインパルス応答計測手
段で計測されたインパルス応答の計測開始から所定値減
衰までの時間が所定時間よりも長いときに前記音響系で
ハウリングが発生したと認識し前記インパルス応答の前
記所定時間よりも後の波形の周波数成分からハウリング
ポイントを検出するハウリングポイント検出手段と、こ
のハウリングポイント検出手段によって検出されたハウ
リングポイントの周波数成分を前記音響系において減衰
させることによりハウリングを抑圧するハウリング周波
数抑圧手段とを有することを特徴とする。
【0011】すなわち、音響系のインパルス応答は、ハ
ウリングが発生していない通常状態では、ホールや系の
応答が入るだけであるが、ハウリングを起こし始めると
減衰時間が長くなってその波形が大きく変化する。ま
た、このときのインパルス応答波形の後部、いわゆる尾
部の波形に着目すると、その部分ではハウリングを起こ
している周波数成分が支配的となっている。このように
インパルス応答波形の減衰傾向を見てハウリング発生の
有無を判断することにより、インパルス波形自体の推定
精度は、それほど高くなくてもハウリングの発生を精度
良く検出することが可能になる。
【0012】この発明の第1のハウリング検出器によれ
ば、音響系のインパルス応答を計測し、この計測された
インパルス応答の計測開始から所定値減衰までの時間が
所定時間よりも長いとき、即ちインパルス応答の尾部が
長くなったときにハウリングが発生したと認識するよう
にしているので、インパルス応答を比較的ラフに推定し
ても、ハウリング発生の有無を精度良く認識することが
できる。
【0013】また、この発明の第2のハウリング検出器
によれば、上記の方法によりハウリングを検出したらイ
ンパルス応答の所定時間よりも後の波形の周波数成分か
らハウリングポイントを検出するようにしているので、
ハウリングが発生している周波数を正確に推定すること
ができる。
【0014】この発明のハウリングキャンセル装置によ
れば、上記の方法によりハウリングポイントを検出し、
音響系において前記ハウリングポイントの周波数成分を
抑圧することによりハウリングを抑制するようにしてい
るので、逆信号付加方式等に比べて誤った補正がなされ
る可能性が少なく、他の周波数帯域への影響も少なくな
り、効果的なハウリングキャンセルが実現される。
【0015】なお、この発明では、インパルス応答波形
の減衰傾向によってハウリングの発生の有無を検出し、
ハウリング発生時のインパルス応答波形の尾部の周波数
特性からハウリングポイントを求め、その周波数成分を
抑圧することによりハウリングをキャンセルするように
しているので、前述したように、インパルス応答から生
成された逆信号をダイレクトに出力信号から減算する方
式に比べて、インパルス応答波形自体の推定精度はそれ
ほど高い必要はない。これにより、インパルス応答計測
をスペクトラムが平坦でない音響系の入出力信号から推
定する手法を適用することが可能になる。この手法を適
用すれば、特別の計測モードを設ける必要がなく、リア
ルタイムで連続的にインパルス応答を推定することがで
きる。このため、事前の設定作業が殆ど不要で、リアル
タイムでの環境変化にも十分対応することが可能にな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の好ましい実施の形態について説明する。図1は、この
発明の一実施例に係る音響システムの構成を示すブロッ
ク図である。この音響システムは、少なくとも1つのマ
イクロホン1と少なくとも1つのスピーカ2とを含み、
コンサートホールなどに設置されてスピーカ2から出力
された音響信号がマイクロホン1で収音される可能性の
あるシステムである。マイクロホン1からの音声信号S
0は、マイクアンプ3で増幅されてミキサ4に入力され
る。また、電子楽器や音響機器からのライン又はハウリ
ングを起こさないマイクロホン等から供給される音声信
号S1,S2,…,Snは、ミキサ5でミキシングされた
のち、ミキサ4で音声信号S1とミキシングされる。ミ
キサ4からの出力はハウリング抑制用のイコライザ(E
Q)6を介してアンプ7に入力され、ここで増幅されて
スピーカ2から出力されるようになっている。
【0017】また、この音響システムには、系全体のイ
ンパルス応答を計測するためのインパルス応答計測部8
が設けられ、ハウリング成分を含まないミキサ5から出
力される入力信号x(t)と、スピーカ2に供給される
出力信号y(t)とが、インパルス応答計測部8の入力
信号として与えられている。インパルス応答計測部8
は、これらの信号x(t),y(t)から一定時間間隔
でリアルタイムにインパルス応答h(i)を計測する。
インパルス応答計測部8で計測されたインパルス応答h
(i)は、ハウリング検出部9に与えられている。ハウ
リング検出部9は、計測されたインパルス応答h(i)
からハウリングの発生の有無とハウリング発生時のハウ
リングポイントfhとを検出する。そして、検出された
ハウリングポイントfhの周波数帯域を抑圧するように
イコライザ6を制御してハウリングをキャンセルするよ
うに構成されている。
【0018】次に、このように構成された音響システム
の動作について説明する。図2は、この音響系のインパ
ルス応答h(t)を模式的に示すブロック図である。こ
こでm(t)は、ミキサ4、イコライザ6及びアンプ7
を含むインパルス応答、n1(t)は、これらの系に混
入するノイズ、g(t)は、スピーカ2からマイクロホ
ン1までのホールのインパルス応答、n2(t)はマイ
クロホン1に混入するノイズである。m(t)とg
(t)とを介して一巡伝達ループが形成される。ハウリ
ングが発生していない状態では、g(t)はホールの応
答のみであり、その大きさは小さいが、ハウリングが発
生するとg(t)が増大する。
【0019】図3には、その影響を理解するため、イン
パルス応答h(i)の波形を示している。同図(a)は
ハウリングが発生していないとき、同図(b)はハウリ
ングが発生しているときの波形である。図示のように、
ハウリング発生時には、ハウリング未発生時に比べてイ
ンパルス応答h(i)が長時間減衰しない。そこで、こ
の減衰傾向を見るため、インパルス応答計測部8でイン
パルス応答h(i)を計測する。
【0020】いま、入力信号x(t)及び出力信号y
(t)の離散信号系列をそれぞれx(n),y(n)と
し、インパルス応答h(t)の離散系列をh(i)とす
ると、出力信号系列y(n)は、入力信号系列x(t)
とインパルス応答h(i)との畳み込みにより、下記数
1のように表すことができる。
【0021】
【数1】
【0022】スペクトルが平坦でない入力信号x(n)
を取り扱う場合、インパルス応答h(i)は、パワース
ペクトラムとクロススペクトラムとの比によって求めら
れることが知られている(クロススペクトラム法)。即
ち、入力系列x(n)のスペクトラム及びその複素共役
スペクトラムをそれぞれX(k),X*(k)とし、出
力系列y(n)のスペクトラム及びその複素共役スペク
トラムをそれぞれY(k),Y*(k)とすると、イン
パルス応答h(i)のスペクトラムH(k)は、下記数
2のように、求められる。
【0023】
【数2】
【0024】ここで、X*(k)X(k)はパワースペ
クトラム、X*(k)Y(k)はクロススペクトラム
で、上バーは、これらの多数回平均を表している。
【0025】また、音楽等のソースを使用した場合、ソ
ースのスペクトラムのレベルが低い部分はノイズなどの
影響が現れやすい。その場合、伝達関数上にいわゆるあ
ばれが大きく現れる。このため、インパルス応答にもノ
イズが影響する。これに対する対応策としてはコヒーレ
ンス関数を使用すればよい。コヒーレンスγXY 2は次の
ように求められる。
【0026】
【数3】
【0027】ノイズの影響が大きい場合、コヒーレンス
が1よりも小さくなるため、求まった伝達関数にコヒー
レンスを乗じることにより、インパルス応答推定におけ
るノイズの影響を軽減することができる。このようにし
て求められたインパルス応答は、本来のものと異なる可
能性があるが、ハウリング検出の目的で使用する分には
十分であり、ノイズの影響が少なくなる分だけ検出精度
は増すので好ましい。
【0028】図4は、このようなクロススペクトラム法
を適用したインパルス応答計測部8の機能ブロック図で
ある。入力信号x(t)及び出力信号y(t)は、A/
D変換器11,12でそれぞれ離散値系列x(n),y
(n)に変換され、時間窓かけ部13,14でそれぞれ
適当な関数窓で所定サンプル数を切り出されたのち、F
FT(高速フーリエ変換)部15,16でそれぞれスペ
クトラムX(k),Y(k)に変換される。複素共役部
17,18は、それぞれ複素共役スペクトラムX
*(k),Y*(k)を算出する。スペクトラムX
(k),X*(k)は、乗算器19で乗算され、多数回
平均部20で多数回平均をとられてパワースペクトラム
が求められる。また、スペクトラムX*(k),Y
(k)は、乗算器21で乗算され、多数回平均部22で
多数回平均をとられてクロススペクトラムが求められ
る。これらパワースペクトラム及びクロススペクトラム
は除算器23で除算されて伝達関数H(k)が求められ
る。
【0029】一方、スペクトラムY(k),Y*(k)
は、乗算器24で乗算され、多数回平均部25で多数回
平均をとられて出力信号のパワースペクトラムが求めら
れる。そして、入力信号及び出力信号のパワースペクト
ラムは乗算器26で乗算され、二乗部27で得られたク
ロススペクトルの二乗と共に除算器28に与えられる。
除算器28によってコヒーレンスγXY 2が求められ、こ
れが先に算出された伝達関数H(k)と乗算器29にお
いて乗算されたのち、IFFT(逆FFT)部30で逆
フーリエ変換されてインパルス応答h(i)が求められ
る。
【0030】このようにして求められたインパルス応答
波形は、図3に示すような波形であり、インパルス応答
波形が所定値、例えば最大振幅から60dB低下するレ
ベル以下になる時間T1,T2が、予め設定した所定時間
T0よりも短いか、長いかでハウリング発生の有無を検
出することができる。
【0031】図5は、ハウリング検出部9の具体的構成
例を示す機能ブロック図である。インパルス応答計測部
8で求められたインパルス応答h(i)は、所定のクロ
ック信号CKに同期して包絡検出部31に入力され、こ
こでその包絡曲線を検出される。インパルス応答の包絡
曲線は、レベルチェック部32で最大振幅から所定値
(係数Aで指定する)だけレベルが低下したかどうかを
チェックされる。ダウンカウンタ33は、プリセット値
PREが与えられるとクロック信号CKをカウントダウ
ンする。レベルチェック部32からは、インパルス応答
の包絡曲線が所定値だけレベル低下するとダウンカウン
タ33にストップ信号STOPを出力する。もし、ダウ
ンカウンタ33がアンダーフローしたら、ハウリングが
発生したと判定し、ハウリング発生を知らせる信号を出
力する。また、ハウリング発生を検出したら、以後のイ
ンパルス応答波形が周波数分析部34で周波数分析さ
れ、そのピーク周波数をハウリングポイントfhとして
出力する。
【0032】ここで、プリセット値PREは、図3に示
す所定時間T0に相当する。このプリセット値PREや
係数Aは、音響システムの設置環境に応じて適宜適当な
値を設定すれば良い。また、ハウリング検出は、図3
(c)に示すように、所定周期Tで連続的に行う。周期
Tが短いほどハウリング発生から抑制までの時間が短く
なるが、あまり短いとハウリング発生の有無を識別する
のが困難になるので、音響システムの設置環境やハード
ウェアの処理能力等を勘案して数秒程度に設定しておけ
ばよい。
【0033】なお、上述した実施例では、クロススペク
トラム法によりインパルス応答h(i)を計測したが、
前述したように、この発明では、インパルス応答波形の
減衰傾向が分かればそれほど正確にインパルス応答を推
定する必要がないので、もう少し簡便な方法でインパル
ス応答を求めることもできる。以下にその方法を説明す
る(城戸健一他、“多数回の平均のみによるインパルス
レスポンス推定の一方法”、電気通信学会技術研究報告
EA91−15(1991)に基づく)。数1からも
明らかなように、出力信号y(n+j)は、数4のよう
に表すことができる。
【0034】
【数4】
【0035】ここで、出力信号y(n+j)に離散時間
でそれよりもiだけ前の時点の入力信号x(n+j−
i)の符号sgn{x(n+j−i)}を掛けると、下記
数5のようになる。
【0036】
【数5】
【0037】ここで入力信号x(n)は、音声信号の場
合、正負にわたる振動波形であるから、jの値を変化さ
せて数5を加算平均していくと、数5の右辺のh(i)
の係数Ciは、|x(n)|の平均値に収束していく
が、h(m)(m≠i)の係数Cm(m≠i)は、正負
で相殺されてその影響が少なくなる。そこで、h(i)
を下記数6のように推定することができる。
【0038】
【数6】
【0039】また、インパルス応答を求めるのが目的で
はなく、その減衰特性が分かればよいので、1/|x
(n)|の割り算を除くことができる。この手法では、
インパルス応答波形を正確に推定することはできない
が、パワースペクトラムの高い、一般的にはハウリング
しやすい部分が強調されたインパルス応答波形となるの
で、ハウリング検出には極めて都合が良い。
【0040】図6は、この手法を適用したインパルス応
答計測部8の構成例を示す機能ブロック図である。入力
信号x(t)及び出力信号y(t)は、それぞれA/D
変換器41,42で離散信号系列x(n),y(n)に
変換されたのち、ラグ調整部43,44でラグ調整され
て、sgn{x(n+j−i)}とy(n+j)とがそれ
ぞれ抽出される。これらは乗算器45で乗算され、累積
加算・平均化部46でj=0〜Nまで累積加算及び平均
化され、インパルス応答h(i)が求められる。
【0041】この実施例によれば、前述したクロススペ
クトラム法に比べ、周波数領域での処理が全くなく、単
純な積和演算のみでインパルス応答h(i)が求められ
るので、ハードウェアやソフトウェアを単純化すること
ができ、システムを安価に構成することができるという
利点がある。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
音響系のインパルス応答を計測し、この計測されたイン
パルス応答の計測開始から所定値減衰までの時間が所定
時間よりも長いとき、即ちインパルス応答の尾部が長く
なったときにハウリングが発生したと認識し、インパル
ス応答の所定時間よりも後の波形の周波数成分からハウ
リングポイントを検出すると共に、このハウリングポイ
ントの周波数成分を抑圧することによりハウリングを抑
制するようにしているので、逆信号付加方式等に比べて
誤った補正がなされる可能性が少なく、他の周波数帯域
への影響も少なくなり、効果的なハウリングキャンセル
が実現されるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る音響システムの構
成を示すブロック図である。
【図2】 同システムの一巡伝達関数を模式的に示す図
である。
【図3】 同システムにおけるインパルス応答波形を示
す波形図である。
【図4】 同システムにおけるインパルス応答計測部の
構成例を示す機能ブロック図である。
【図5】 同システムにおけるハウリング検出部の構成
例を示す機能ブロック図である。
【図6】 同システムにおけるインパルス応答計測部の
他の構成例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1…マイクロホン、2…スピーカ、3…マイクアンプ、
4,5…ミキサ、6…イコライザ、7…アンプ、8…イ
ンパルス応答計測部、9…ハウリング検出部。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピーカとマイクロホンとを含む音響系
    で前記スピーカから前記マイクロホンへの音の回り込み
    によって生じるハウリングを検出するハウリング検出器
    において、 前記音響系のインパルス応答を計測するインパルス応答
    計測手段と、 このインパルス応答計測手段で計測されたインパルス応
    答の計測開始から所定値減衰までの時間が所定時間より
    も長いときに前記音響系でハウリングが発生したと認識
    するハウリング発生検出手段とを有することを特徴とす
    るハウリング検出器。
  2. 【請求項2】 スピーカとマイクロホンとを含む音響系
    で前記スピーカから前記マイクロホンへの音の回り込み
    によって生じるハウリングを検出するハウリング検出器
    において、 前記音響系のインパルス応答を計測するインパルス応答
    計測手段と、 このインパルス応答計測手段で計測されたインパルス応
    答の計測開始から所定値減衰までの時間が所定時間より
    も長いときに前記音響系でハウリングが発生したと認識
    し前記インパルス応答の前記所定時間よりも後の波形の
    周波数成分からハウリングポイントを検出するハウリン
    グポイント検出手段とを有することを特徴とするハウリ
    ング検出器。
  3. 【請求項3】 前記インパルス応答計測手段は、前記音
    響系の入出力から前記インパルス応答をリアルタイムで
    計測するものであることを特徴とする請求項1又は2記
    載のハウリング検出器。
  4. 【請求項4】 スピーカとマイクロホンとを含む音響系
    で前記スピーカから前記マイクロホンへの音の回り込み
    によって生じるハウリングを防止するハウリングキャン
    セル装置において、 前記音響系のインパルス応答を計測するインパルス応答
    計測手段と、 このインパルス応答計測手段で計測されたインパルス応
    答の計測開始から所定値減衰までの時間が所定時間より
    も長いときに前記音響系でハウリングが発生したと認識
    し前記インパルス応答の前記所定時間よりも後の波形の
    周波数成分からハウリングポイントを検出するハウリン
    グポイント検出手段と、 このハウリングポイント検出手段によって検出されたハ
    ウリングポイントの周波数成分を前記音響系において減
    衰させることによりハウリングを抑圧するハウリング周
    波数抑圧手段とを有することを特徴とするハウリングキ
    ャンセル装置。
  5. 【請求項5】 前記インパルス応答計測手段は、前記音
    響系の入出力から前記インパルス応答をリアルタイムで
    計測するものであることを特徴とする請求項4記載のハ
    ウリングキャンセル装置。
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