JPH10209744A

JPH10209744A - 逆ｆ型アンテナ

Info

Publication number: JPH10209744A
Application number: JP1359197A
Authority: JP
Inventors: Hajime Yao; 肇八尾
Original assignee: Matsushita Electric Works Ltd
Current assignee: Panasonic Electric Works Co Ltd
Priority date: 1997-01-28
Filing date: 1997-01-28
Publication date: 1998-08-07

Abstract

(57)【要約】【課題】アンテナの金属導体形成後も、該金属導体を
取り除くことにより容易に共振周波数を高めたり低めた
りして調整することができる逆Ｆ型アンテナを提供する
ことである。【解決手段】本発明の逆Ｆ型アンテナは、誘電体の表
面に金属導体を設け、その金属導体に少なくとも１つの
スリットを有する逆Ｆ型アンテナにおいて、該スリット
の底部に対向する外辺の金属導体を取り除くことにより
アンテナの共振周波数を低く調整し得るようにしたこと
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は携帯型無線通信機器
等の小型通信機器に搭載して使用される小型アンテナに
係り、特に、共振周波数を容易に調整することができる
逆Ｆ型アンテナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、マイクロ波帯域や準マイクロ波帯
域等の周波数を用いた通信機器の実用化が進み、小型ア
ンテナが広く利用されるようになってきた。特に、携帯
型無線通信機器の普及は著しく、更なる小型軽量化の要
求を満たすために、図６に示すような逆Ｆ型アンテナが
使用されるようになってきた。

【０００３】上記のような逆Ｆ型アンテナ１は、給電点
６と短絡点５を有し、小型で軽量ではあるが周波数特性
が一般に狭帯域であり、その共振する共振周波数は金属
導体２の寸法と誘電体３の誘電率等によって決まる特徴
を有している。

【０００４】また、誘電体３としては、通常プリント配
線板が使用され、上記金属導体２はプリント配線板を製
造する製造方法や、成形して誘電体３をアンテナの形状
にし、その表面に金属導体２を接着したり、メッキ等に
より形成して製造することができる。

【０００５】また、上記逆Ｆ型アンテナ１を構成する誘
電体３は、製造ロットにより誘電率のバラツキがあった
り、アンテナの厚みのバラツキ、さらには、金属導体２
やアンテナを組み立てる際の半田付けなどによる組み立
てバラツキが発生し、アンテナ個体ごとに共振周波数が
変化するので、アンテナ個体ごとに共振周波数の調整が
必要となり、アンテナを構成する金属導体２の一部を除
去することにより共振周波数の調整を行っていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の共振周波数の調整方法によると、金属導体の一部を
除去する方法によって得られる共振周波数の変化は周波
数が高くなる変化のみで、共振周波数を低くすることが
できなかった。また、金属導体の一部を除去する方法で
は、共振周波数の変化を監視しながら除去する必要があ
り、調整作業に労力を要した。

【０００７】本発明は上記のような事情に鑑みてなされ
たものであって、その目的とするところは、アンテナの
金属導体形成後も、該金属導体を取り除くことにより容
易に共振周波数を高めたり低めたりして調整することが
できる逆Ｆ型アンテナを提供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明の逆
Ｆ型アンテナは、誘電体３の表面に金属導体２を設け、
その金属導体２に少なくとも１つのスリット４を有する
逆Ｆ型アンテナにおいて、該スリット４の底部７に対向
する外辺の金属導体２を取り除くことによりアンテナの
共振周波数を低く調整し得るようにしたことを特徴とす
る。

【０００９】請求項２に係る発明の逆Ｆ型アンテナは、
上記請求項１記載の逆Ｆ型アンテナにおいて、上記スリ
ット４の側部８に対向する外辺の金属導体２を取り除く
ことによりアンテナの共振周波数を高く調整し得るよう
にしたことを特徴とする。

【００１０】請求項３に係る発明の逆Ｆ型アンテナは、
上記請求項１及び請求項２記載の逆Ｆ型アンテナにおい
て、アンテナの共振周波数を調整するために取り除く金
属導体２の取り除き部９、１０に外辺より一定の位置に
マーク１１を設けたことを特徴とする逆Ｆ型アンテナ。

【００１１】請求項４に係る発明の逆Ｆ型アンテナは、
上記請求項３記載の逆Ｆ型アンテナにおいて、金属導体
２の取り除き部９、１０に形成されたマーク１１が微小
スリット１２で、外辺に隣接した２辺に互いに対向した
位置に形成されていることを特徴とする。

【００１２】請求項５に係る発明の逆Ｆ型アンテナは、
上記請求項３及び請求項４記載の逆Ｆ型アンテナにおい
て、マーク１１として微小スリット１３が外辺と平行で
かつ断続的に形成されていることを特徴とする。

【００１３】本発明の逆Ｆ型アンテナは、板状の誘電体
３の表面に金属導体２を設け、その金属導体２に少なく
とも１つのスリット４を有する逆Ｆ型アンテナで、該ス
リット４により金属導体２が屈曲した形状を有し、該屈
曲した形状を有する金属導体２の一方の端部に給電点６
と短絡点５が形成され、上記誘電体３の金属導体２が形
成された裏面に接地導体が形成されている。

【００１４】上記逆Ｆ型アンテナの共振周波数を低くす
るために取り除く金属導体２は、上記スリット４の底部
７に対向した金属導体２の外辺で、上記給電点６と短絡
点５が形成されている金属導体２の一方の端部と対向し
た部分になる。この第１の取り除き部９を外辺より一定
の幅で取り除くことにより、共振周波数を一定の割合で
低下させることができる。

【００１５】また、上記逆Ｆ型アンテナの共振周波数を
高くするために取り除く金属導体２は、上記スリット４
の側部８に対向した金属導体２の外辺で、上記給電点６
と短絡点５が形成されている金属導体２の一方の端部と
は異なる他方の端部の外辺になる。この第２の取り除き
部１０を外辺より一定の幅で取り除くことにより、共振
周波数を一定の割合で高めることができる。

【００１６】上述のように、本発明の逆Ｆ型アンテナで
は、共振周波数を低くするには、通常アンテナを構成し
ている金属導体２を長くしなければならないところ、ス
リット４が形成されているため、スリット４の底部７に
対向した金属導体２の外辺で上記給電点６と短絡点５が
形成されている金属導体２の端部に対向した部分を取り
除くことにより、金属導体２に対する相対的なスリット
４の深さ、つまり、スリット４の開放されているところ
から底部７までの金属導体２に対する相対距離が長くな
り、共振周波数を低くすることができるのである。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。

【００１８】図１は本発明の一実施形態を示す逆Ｆ型ア
ンテナの斜視図で、図２、図３は、図１の逆Ｆ型アンテ
ナの一部分を拡大した拡大図、図４、図５は他の一実施
形態を示す逆Ｆ型アンテナの一部分を拡大した拡大図で
ある。

【００１９】図１に示す如く、本発明の逆Ｆ型アンテナ
は、誘電体３で形成された板状の基板と、該基板に表面
に形成された金属導体２と、向かい合う外辺より互いに
異なる方向より、方形で該金属導体２中央部の誘電体３
が露出するように形成された２つのスリット４と、上記
金属導体２の一方の端部に、互いに隣接して形成された
給電点６と短絡点５とから構成される。

【００２０】上記金属導体２は、金属箔を貼着、或いは
金属メッキにより形成されたたもので、表面に形成され
た給電点６と短絡点５は板状の誘電体３を介して裏面に
露出し、それぞれ給電線と裏面に形成されるグランド板
に接続される。

【００２１】この金属導体２が形成するアンテナと給電
点６と短絡点５の配置形状により上記アンテナは逆Ｆ型
アンテナと呼ばれる。

【００２２】上記金属導体２には、図２に示す如く、上
記給電点６に最も近いスリット４の底部７に対向した外
辺で、給電点６と短絡点５が形成されている端部に対向
した部分に、上記外辺に平行でかつ外辺より一定の間隔
で複数のマーク１１が形成されている。このマーク１１
が形成された部分は第１の取り除き部９となり、この第
１の取り除き部９をマーク１１に沿って外辺より一定の
幅で取り除くことにより、共振周波数を一定の割合で低
下させることができる。

【００２３】また、上記金属導体２には、図３に示す如
く、上記給電点６と短絡点５が形成されている端部とは
異なる他方の端部に、上記スリット４の側部８に対向し
た外辺で、この外辺に平行でかつ外辺より一定の間隔で
複数のマーク１１が形成されている。このマーク１１が
形成された部分は第２の取り除き部１０となり、この第
２の取り除き部１０をマーク１１に沿って外辺より一定
の幅で取り除くことにより、上記取り除き部９とは異な
り共振周波数を一定の割合で高めることができる。

【００２４】上記マーク１１は、金属導体２の表面に形
成されたもので、金属導体２に描画したものや、金属導
体２を加工して形成される。図２、図３では、金属導体
２に破線を描画して形成されている。

【００２５】一般に、逆Ｆ型アンテナの共振周波数は金
属導体２の周囲長で決定される。しかしながら、本発明
の逆Ｆ型アンテナは、スリット４が形成されているため
に、以下の実施例に示す如く、一方では、金属導体２の
周囲長に比例して共振周波数が変化し、他方では、反比
例して共振周波数が変化する。（実施例）図１に示された逆Ｆ型アンテナの共振周波数
をｆ０とし、図２及び図３に示されたマーク１１に沿っ
て金属導体２の外辺よりマーク１１までの距離をそれぞ
れカット寸法Ｌ１、Ｌ２として金属導体２を除去した時
の、共振周波数の変化量を測定した。

【００２６】表１は、上記逆Ｆ型アンテナ１のカットす
る前の共振周波数ｆ０を８００ＭＨｚとしたときの変化
量で、表２は、共振周波数ｆ０、波長λ０とカット寸法
との変化量を表した結果である。

【００２７】

【表１】

【００２８】

【表２】

【００２９】上記表１、表２に示す如く、本発明の逆Ｆ
型アンテナ１では、第１の取り除き部９の金属導体２を
定量的に取り除くことにより、共振周波数を定量的に下
げることができる。さらに、第２の取り除き部１０の金
属導体２を定量的に取り除くことにより、共振周波数を
定量的に上げることができる。上記実施例では、共振周
波数８００ＭＨｚの逆Ｆ型アンテナ１を使用してその特
性を評価したが、スリット４の幅、金属導体２の幅、さ
らには、金属導体２の厚さによって上記変化量は異な
る。つまり、本発明に係る内容は、上記実施例に限定さ
れるものではない。

【００３０】また、図４、図５は、上記取り除き部９、
１０に形成されるマーク１１の一実施形態を示すもの
で、マーク１１が金属導体２を加工して形成されたもの
で、金属導体２の一部を取り除いて形成された微小スリ
ット１２、１３で構成されている。図４は、外辺に隣接
した２辺にそれぞれ微小スリット１２を形成し、その微
小スリット１２が互いに対向した位置に形成され、その
対向した微小スリット１２の底部を結ぶことにより、カ
ット寸法Ｌを表示するものである。

【００３１】また、図５は、微小スリット１３が断続的
に形成されたもので、該微小スリット１３が隣接する外
辺と平行に形成されているもので、この微小スリット１
３を結んだ線がカット寸法を表示するものである。

【００３２】上述のように本発明の逆Ｆ型アンテナ１に
よると、アンテナを構成する金属導体２の任意の部分を
取り除くことにより共振周波数を容易に下げたり、上げ
たりすることが可能となる。

【００３３】

【発明の効果】本発明の請求項１に係る逆Ｆ型アンテナ
によると、スリットの底部に対向する外辺の金属導体を
取り除くことにより相対的なスリットの深さを調整する
ことが可能となり、金属導体が形成されたアンテナの共
振周波数を金属導体の一部を取り除くことにより低くす
ることができる。

【００３４】また、本発明の請求項２に係る逆Ｆ型アン
テナによると、金属導体に形成されたスリットの側部に
対向する外辺の金属導体を取り除くことによりアンテナ
の周囲長を短くし、アンテナの共振周波数を高くするこ
とができる。

【００３５】また、本発明の請求項３乃至請求項５に係
る逆Ｆ型アンテナによると、アンテナの共振周波数を調
整するために取り除く金属導体の取り除き部に、外辺に
隣接した２辺に互いに対向した微小スリットを設けた
り、外辺と平行でかつ断続的に形成した微小スリットに
よりマークを設けているので、簡単に且つ定量的に共振
周波数を調整することができる。

【００３６】このように、本発明の逆Ｆ型アンテナによ
ると、金属導体を形成したのちでも、共振周波数を高め
たり低くしたり定量的に調整することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】９本発明の一実施形態を示す逆Ｆ型アンテナの
斜視図である。

【図２】図１の逆Ｆ型アンテナの一部分を拡大した拡大
図である。

【図３】図１の逆Ｆ型アンテナの一部分を拡大した拡大
図である。

【図４】本発明の他の一実施形態を示す逆Ｆ型アンテナ
の一部分を拡大した拡大図である。

【図５】本発明の他の一実施形態を示す逆Ｆ型アンテナ
の一部分を拡大した拡大図である。

【図６】従来の逆Ｆ型アンテナを示す斜視図である。

【符号の説明】

１逆Ｆ型アンテナ２金属導体３誘電体４スリット５短絡点６給電点７底部８側部９第１の取り除き部１０第２の取り除き部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】誘電体の表面に金属導体を設け、その金
属導体に少なくとも１つのスリットを有する逆Ｆ型アン
テナにおいて、該スリットの底部に対向する外辺の金属
導体を取り除くことによりアンテナの共振周波数を低く
調整し得るようにしたことを特徴とする逆Ｆ型アンテ
ナ。
【請求項２】上記請求項１記載の逆Ｆ型アンテナにお
いて、上記スリットの側部に対向する外辺の金属導体を
取り除くことによりアンテナの共振周波数を高く調整し
得るようにしたことを特徴とする逆Ｆ型アンテナ。
【請求項３】上記請求項１及び請求項２記載の逆Ｆ型
アンテナにおいて、アンテナの共振周波数を調整するた
めに取り除く金属導体の取り除き部に、外辺より一定の
位置にマークを設けたことを特徴とする逆Ｆ型アンテ
ナ。
【請求項４】上記請求項３記載の逆Ｆ型アンテナにお
いて、金属導体の取り除き部に形成されたマークが微小
スリットで、外辺に隣接した２辺に互いに対向した位置
に形成されていることを特徴とする逆Ｆ型アンテナ。
【請求項５】上記請求項３及び請求項４記載の逆Ｆ型
アンテナにおいて、マームとして微小スリットが外辺と
平行でかつ断続的に形成されていることを特徴とする逆
Ｆ型アンテナ。