JPH10206906A - エレクトロクロミック素子 - Google Patents

エレクトロクロミック素子

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JPH10206906A
JPH10206906A JP9024337A JP2433797A JPH10206906A JP H10206906 A JPH10206906 A JP H10206906A JP 9024337 A JP9024337 A JP 9024337A JP 2433797 A JP2433797 A JP 2433797A JP H10206906 A JPH10206906 A JP H10206906A
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JP
Japan
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group
electrode
transparent
substrate
absorbing layer
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Application number
JP9024337A
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English (en)
Inventor
Masaki Minami
昌樹 南
Takeshi Asano
剛 朝野
Noboru Takaesu
昇 高江洲
Yoshinori Nishikitani
禎範 錦谷
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Oil Corp
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Publication date
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 屋外使用に耐えうる耐紫外線性を有し、かつ
安価に製造できるエレクトロクロミック素子を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも内側面に電極を有する一対の
対向導電基板と対向導電基板の間に挟持して設けたイオ
ン伝導物質と、導電基板の内側面の電極およびイオン伝
導性物質の間の少なくとも一方に設けたエレクトロクロ
ミック性物質を含む層とを備えたエレクトロクロミック
素子であって、対向導電基板の少なくとも一方が透明導
電基板であり、この透明導電基板が透明基板、透明電
極、および透明電極とは反対側の透明基板面に紫外線吸
収層を有し、紫外線吸収層が、少なくとも(a)一般式
(1)に示されるアミノシラン化合物(例えば3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン)またはその誘導体と、 (b)分子内にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤
と、を反応させてアミド結合が生成した成分を透明基板
の上に塗布、硬化することによって作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレクトロクロミ
ック素子に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロクロミック材料を用いた素子
は広く用途が期待されているが、従来のエレクトロクロ
ミック素子は屋外等紫外線の照射される環境下において
劣化し易いという欠点がある。これを防ぐためには、例
えばエレクトロクロミック素子を構成する基板の外側に
紫外線遮断層を設けることが考えられる。従来から一般
にガラス板等の透明基板に紫外線吸収性を付与するには
(1)多層膜による多重反射を利用する方法と、(2)
紫外線吸収性の物質を用いて透明基板を処理をする方法
とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の(1)の多層膜
による多重反射を利用する方法は、カット波長を自由に
調節できる、クリアカットが可能であるという点で優れ
ているが、作業工程が多くコスト的に問題がある。
(2)の紫外線吸収性の物質で処理をする方法には無機
系紫外線吸収剤を用いる場合と有機系紫外線吸収剤を用
いる場合がある。無機系紫外線吸収剤(例えば特開平5
−339033,特開平5−345639,特開平6−
56466号公報等)では耐候性、耐熱性等の耐久性が
優れる反面、吸収波長が化合物のバンドギャップによっ
て決定されるため、自由度が少なく、また400nm近
辺の紫外線領域までクリアにカットできるものはなく、
さらに長波長カットでは着色を伴うものが多い。これに
対して有機系の紫外線吸収剤は吸収帯に幅があるため、
吸収剤の種類や濃度、膜厚を選ぶことにより様々な吸収
波長のものを得ることができる。これまで種々の有機系
紫外線吸収剤を用いた系が検討されており、長波長領域
までカットする場合には、最大吸収波長が長波長領域に
あるものを用いるか、濃度もしくは膜厚を大きくするか
の2通りが考えられている。しかし、最大吸収波長が長
波長領域にあるもの(例えば特開平6−145387号
公報等)は耐光性が悪く、吸収能が時間とともに減少し
てしまう。前記特開平6−145387公報においては
蛍光増白剤を用いるため蛍光により透視性が悪くなると
いう問題もある。これに対してベンゾフェノン系やベン
ゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は比較的耐光性も良
く、濃度や膜厚を大きくすれば長波長領域まで比較的ク
リアにカットできる。しかし通常これらの紫外線吸収剤
を樹脂等に混ぜて塗布する場合、膜厚的には数十μm程
度が限界である。この膜厚で長波長領域までカットしよ
うとするとかなり高濃度に紫外線吸収剤を添加する必要
がある。しかしながら、単に高濃度に添加しただけでは
紫外線吸収剤の析出や長期使用によるブリードアウトが
生じるという問題がある。そこで樹脂と反応させてこれ
らを防ごうという試みが多くなされている。例えばアク
リル樹脂などに共重合させる等の試みがなされているが
(特開平2−248412,特開平6−88064号公
報等),アクリル樹脂自体が耐候性、耐熱性に難がある
ため,とても長期使用には耐えられない。また耐候性、
耐熱性に優れるシリコーン樹脂と反応しうる紫外線吸収
剤を用いた系についても種々検討がなされている(例え
ば特公昭61−54800,特開平2−117928,
特公平3−45094号公報等)。しかし,紫外線吸収
剤の合成が工業的に難しかったり、耐久性に問題が生じ
るものが多いのが実状である。本発明は、このような実
状に鑑みなされたものであり、その目的は、屋外での使
用に耐えうる耐紫外線性を有し、かつ安価に製造できる
エレクトロクロミック素子を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のエレクトロクロミック素子は、少なくとも
内側面に電極を有する一対の対向導電基板と対向導電基
板の間に挟持して設けたイオン伝導物質と、導電基板の
内側面の電極およびイオン伝導性物質の間の少なくとも
一方に設けたエレクトロクロミック性物質を含む層とを
備えたエレクトロクロミック素子であって、前記対向導
電基板の少なくとも一方が透明導電基板であり、この透
明導電基板が透明基板、透明電極、および透明電極とは
反対側の透明基板面に紫外線吸収層を有し、該紫外線吸
収層が、少なくとも、(a)上記一般式(1)に示され
るアミノシラン化合物またはその誘導体(以下、「成分
A」と称す)と、
【化2】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキレン基、または
一般式−(CH2m−NH−[mは1≦m≦4の整数]
で表される2価の基を示し、各々のR2は同一若しくは
異なる基であって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアル
コキシ基を示す。但し全てのR2のうち少なくとも一つ
はアルコキシ基若しくは水酸基を示す。nはn≧0の整
数を示す。) (b)分子内にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤
と、を反応させ、前記アミノシラン化合物又はその誘導
体に由来するアミド結合が生成した成分を、前記透明基
板の上に塗布、硬化することによって作製されているも
のである。前記紫外線吸収層上にさらにオーバーコート
層を設けることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明についてさらに詳細
に説明する。本発明のエレクトロクロミック素子は、少
なくとも内側面に電極を有する一対の対向導電基板と、
イオン導電性物質と、エレクトロクロミック性物質を含
む層と、紫外線吸収層とにより基本的に構成されてい
る。本発明のエレクトロクロミック素子を構成する対向
導電基板は、少なくとも内側面に電極の機能を有する基
板であればよく、具体的には導電基板全体が電極機能を
有する材料により構成されたもの、基板と基板の内側に
配置した電極とを備えるもの等の何れであっても良い。
前記導電基板全体が電極機能を有する材料により構成さ
れた場合には、電極機能を有する材料としては、鉄、
銅、銀、アルミニウム、錫、鉛、金、亜鉛等の金属の単
体、またはこれらの各種合金等が挙げられる。前記基板
と電極とを備える導電基板を採用する場合の基板として
は、平滑な面を有していれば特に限定はされないが、一
対の対向導電基板において少なくとも一方の基板は透明
基板であることが必須である。前記基板としては、具体
的には、各種プラスチック、樹脂、ガラス、木材、石材
等を挙げることができる。また透明基板としては、特に
限定されないが、例えば無色あるいは有色ガラス、強化
ガラス等が用いられる他、無色あるいは有色の透明性を
有する樹脂でも良い。具体的には、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリアミド、ポリサルフォン、ポリエーテル
サルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレ
ンサルファイド、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ
メチルメタクリレート、ポリスチレン等が挙げられる。
なお、本発明における透明とは、10〜100%の光透
過率を有することであり、また、本発明における基板は
常温において平滑な面を有するものであり、その面は平
面あるいは曲面であってもよく、また応力によって変形
するものであってもよい。
【0006】前記基板と電極を備える導電基板を採用す
る場合の電極としては、本発明の目的を果たすものであ
る限り特に限定されないが、透明性を満たすものが望ま
しく、前記一対の対向導電基板において少なくとも一方
を透明基板とした側の電極は透明電極とする必要があ
る。また電極の形態は膜状または層状であることが望ま
しい。前記電極としては例えば金、銀、クロム、銅、タ
ングステン等の金属薄膜、金属酸化物からなる導電膜な
どが挙げられる。前記金属酸化物としては、例えばIT
O(In23-SnO2)、酸化錫、酸化銀、酸化亜鉛、
酸化バナジウム等が挙げられる。電極の膜厚は、通常1
00〜5000オングストロ−ム、好ましくは500〜
3000オングストロ−ムが望ましい。また、表面抵抗
(抵抗率)は、本発明の基板の用途により適宜選択でき
るが、通常、0.5〜500Ω/cm2、好ましくは1〜5
0Ω/cm2が望ましい。前記電極の形成法としては、特
に限定されず、電極を構成する前記金属および金属酸化
物等の種類により適宜公知の方法を選択することができ
る。通常、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパ
ッタリング法あるいはゾルゲル法等が用いられる。何れ
の場合も、基板温度が通常100〜350℃の範囲内で
電極を形成することが望ましい。また、前記電極には、
酸化還元能の付与、導電性の付与、電気二重層容量の付
与の目的で、部分的に不透明な電極活物質を付与するこ
ともできる。この際電極として透明電極を採用する場合
には、電極面全体の透明性を満たす範囲で付与する必要
がある。不透明な電極活物質としては、例えば、銅、
銀、金、白金、鉄、タングステン、チタン、リチウム等
の金属、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロー
ル、フタロシアニンなどの酸化還元能を有する有機物、
活性炭、グラファイトなどの炭素材、V25、WO3
MnO2、NiO、Ir23などの金属酸化物またはこ
れらの混合物等を用いることができる。また、これらを
電極に結着させるために、さらに各種樹脂を用いても良
い。この不透明な電極活物質等を電極に付与するには、
例えば、ITO透明電極上に、活性炭繊維、グラファイ
ト、アクリル樹脂等からなる組成物をストライプ状等の
微細パターンに形成したり、金(Au)薄膜上に、V2
5、アセチレンブラック、ブチルゴム等からなる組成
物をメッシュ状に形成したりすることができる。
【0007】本発明のエレクトロクロミック素子におい
て用いるイオン伝導性物質は、前記対向導電基板の間に
挟持して設けられている。前記挟持して設ける方法とし
ては特に限定されず、真空注入法、大気注入法、メニス
カス法等によって対向導電基板の間に設けた間隙に注入
する方法や、スパッタリング法、蒸着法、ゾルゲル法等
によって導電基板の電極上にイオン伝導性物質の層を形
成した後、対向導電基板を合わせる方法やフィルム状の
イオン導電性物質を用いて合わせガラス化する方法等を
用いることができる。このイオン伝導性物質とは、後述
するエレクトロクロミック性物質を着色、消色、色変化
等をさせることができるものである限り特に限定されな
いが、通常室温で1×10-7S/cm以上のイオン伝導度
を示す物質であるのが好ましい。イオン伝導性物質とし
ては、特に限定されなく、液系イオン伝導性物質、ゲル
化液系イオン伝導性物質あるいは固体系イオン伝導性物
質等を用いることができる。本発明においては、特に固
体系イオン伝導性物質が望ましい。前記液系イオン導電
性物質としては、溶媒に塩類、酸類、アルカリ類等の支
持電解質を溶解したもの等を用いることができる。前記
溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特
に限定されないが、特に極性をするものが好ましい。具
体的には水や、メタノール、エタノール、プロピレンカ
ーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルスルホキ
シド、ジメトキシエタン、アセトニトリル、γ−ブチロ
ラクトン、スルホラン、1、3ージオキサン、N,N−
ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエタン、テ
トラヒドロフランなどの有機極性溶媒が挙げられる。好
ましくは、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、アセ
トニトリル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1、3
ージオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、1,2
−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどの有機極
性溶媒が望ましい。これらは、使用に際して単独もしく
は混合物として使用できる。支持電解質としての塩類
は、特に限定されず、各種のアルカリ金属塩、アルカリ
土類金属塩などの無機イオン塩や4級アンモニウム塩や
環状4級アンモニウム塩などがあげられる。具体的には
LiClO4,LiSCN,LiBF4,LiAsF6
LiCF3SO3,LiPF6、LiI、NaI,NaS
CN,NaClO4,NaBF4,NaAsF6,KSC
N,KCl等のLi,Na,Kのアルカリ金属塩等や、
(CH34NBF4,(C254NBF4,(n−C4
94NBF4,(C254NBr,(C254NCl
4,(n−C494NClO4等の4級アンモニウム
塩および環状4級アンモニウム塩等、もしくはこれらの
混合物が好適なものとして挙げられる。支持電解質とし
ての酸類は、特に限定されず、無機酸、有機酸などが挙
げられ、具体的には硫酸、塩酸、リン酸類、スルホン酸
類、カルボン酸類などが挙げられる。支持電解質として
のアルカリ類は、特に限定されず、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが挙げられる。
【0008】前記ゲル化液系イオン伝導性物質として
は、前記液系イオン伝導性物質に、さらにポリマーを含
有させたり、ゲル化剤を含有させたりして粘稠若しくは
ゲル状としたもの等を用いることができる。前記ポリマ
ーとしては、特に限定されず、例えばポリアクリロニト
リル、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレンオキサイド、ポリウレタン、ポリアクリレ
ート、ポリメタクリレート、ポリアミド、ポリアクリル
アミド、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレンオ
キサイド、ナフィオンなどが挙げられる。前記ゲル化剤
としては、特に限定されず、オキシエチレンメタクリレ
ート、オキシエチレンアクリレート、ウレタンアクリレ
ート、アクリルアミド、寒天、などが挙げられる。前記
固体系イオン伝導性物質としては、室温で固体であり、
かつイオン導電性を有するものであれば特に限定され
ず、ポリエチレンオキサイド、オキシエチレンメタクリ
レートのポリマー、ナフィオン、ポリスチレンスルホン
酸、Li3N、Na-β-Al23、Sn(HPO42
2Oなどが挙げることができ、特にオキシアルキレン
メタクリレート系化合物、オキシアルキレンアクリレー
ト系化合物またはウレタンアクリレート系化合物を重合
することによって得られる高分子化合物等を用いた高分
子固体電解質が好ましい。前記高分子固体電解質の第1
の例としては、下記一般式(11)で示されるウレタン
アクリレート,前記有機極性溶媒,および前記支持電解
質を含む組性物(以下組成物Aと略す)を固化すること
により得られる高分子固体電解質が挙げられる
【化3】 (式中R1およびR2は同一または異なる基であって、下
記一般式(11a)〜(11c)で示され、R3および
4は同一または異なる基であって、炭素数1〜20の
2価炭化水素残基を示す。Yはポリエーテル単位、ポリ
エステル単位、ポリカーボネート単位またはこれらの混
合単位を示す。またnは1〜100の範囲の整数を示
す。)
【化4】
【化5】
【化6】 (但し式(11a)〜(11c)中、R5〜R7は同一ま
たは異なる基であって、水素原子または炭素数1〜3の
アルキル基を示す。またR8は炭素数1〜20の2〜4
価有機残基を示す。) 前記式(11)中、R8は炭素数1〜20、好ましくは
2〜8の2価〜4価の有機残基を示し、かかる有機残基
としては、具体的には、アルキルトリル基、アルキルテ
トラリル基、下記一般式(12)で示されるアルキレン
基等の炭化水素残基が挙げられる。
【化7】 (式中、R9は炭素数1〜3のアルキル基または水素を
示し、pは0〜6の整数を示す。pが2以上の場合R9
は同一でも異なっても良い。) 前記炭化水素残基は、水素原子の一部が炭素数1〜6、
好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭素数6〜12のア
リールオキシ基などの含酸素炭化水素基により置換され
ている基でもよい。前記式(11)中のR8としては具
体的には、下記に示される基等を好ましく挙げることが
できる。
【化8】 前記式(11)中、R3およびR4は、同一または異なる
基であって、炭素数1〜20、好ましくは2〜12の2
価炭化水素残基を示し、かかる炭化水素残基としては、
鎖状2価炭化水素基、含芳香族炭化水素基、含脂環炭化
水素基などが挙げられる。鎖状2価炭化水素基として
は、下記一般式(13)で示されるアルキレン基等を挙
げることができる。
【化9】 (式中、R9は炭素数1〜3のアルキル基または水素を
示し、pは0〜6の整数を示し、p≧2以上の場合はR
9は同一でも異なってもよい。) また、前記芳香族炭化水素基および含脂環炭化水素基と
しては、下記に示される炭化水素基等が挙げられる。
【化10】 (式中、R10およびR11は同一または異なる基であっ
て、フェニレン基、置換フェニレン基(アルキル置換フ
ェニレン基等)、シクロアルキレン基、置換シクロアル
キレン基(アルキル置換シクロアルキレン基等)を示
す。R12〜R15は、同一または異なる基であって、水素
原子または炭素数1〜3のアルキル基を示す。また、q
は1〜5の整数を示す) 前記式(11)中のR3およびR4としては具体的には下
記に示される基等を好ましく挙げることができる。
【化11】 前記式(11)中、Yはポリエーテル単位、ポリエステ
ル単位およびポリカーボネート単位またはこれらの混合
単位を示す。前記ポリエーテル単位、ポリエステル単位
およびポリカーボネート単位としては、ポリエーテル結
合単位としてはそれぞれ下記の式(a)、(b)、
(c)および(d)で示される単位を挙げることができ
る。
【化12】 式(a)〜(d)中、R16〜R21は同一または異なる基
であって、炭素数1〜20、好ましくは2〜12の2価
の炭化水素残基を示す。特にR19は、炭素数2〜6程度
が好ましい。前記R16〜R21としては、直鎖または分岐
のアルキレン基などが好ましく、具体的には、R18とし
てメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメ
チレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、プロ
ピレン基等が好ましい。また、R16〜R17およびR19
21としてはエチレン基、プロピレン基などが好まし
い。また、式(a)〜(d)中、mは2〜300、好ま
しくは10〜200の整数を示す。また、rは1〜30
0、好ましくは2〜200の整数、sは1〜200、好
ましくは2〜100の整数、tは1〜200、好ましく
は2〜100の整数、uは1〜300、好ましくは10
〜200の整数を示す。また、式(a)〜(d)中にお
いて、各単位は同一でも、異なる単位の共重合でも良
い。即ち、複数のR16〜R21が存在する場合、R16
志、R17同志、R18同志、R19同志、R20同志およびR
21同志は同一でも異なっても良い。前記共重号体の例と
してはエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共
重合単位などが特に好適な例として挙げられる。前記式
(11)中、nは1〜100、好ましくは1〜50、さ
らに好ましくは1〜20の整数を示す。前記式(11)
で示されるウレタンアクリレートの分子量は、2,50
0〜30,000、好ましくは3,000〜20,00
0が望ましい。前記ウレタンアクリレート1分子中の重
合官能基数は、好ましくは2〜6、さらに好ましくは2
〜4が望ましい。前記式(11)で示されるウレタンア
クリレートは、公知の方法により容易に製造することが
でき、その製法は特に限定されるものではない。また、
前記有機極性溶媒としては、極性を有し支持電解質を溶
解できるものであれば限定されないが、好適なものとし
ては、具体的には、プロピレンカーボネート,エチレン
カーボネート,ブチレンカーボネート,γ−ブチロラク
トン,スルホラン,1,3−ジオキサン,N,N−ジメ
チルホルムアミド,1,2−ジメトキシエタン,アセト
ニトリル,テトラヒドロフラン,等の単独または2種以
上の混合物が好適なものとして挙げられる。有機非水溶
媒の添加量はウレタンアクリレート100重量部に対し
て通常100〜1200重量部,好ましくは200〜9
00重量部の割合である。有機非水溶媒の添加量が少な
すぎると,イオン伝導度も十分ではなく,また有機非水
溶媒の添加量が多すぎると機械強度が低下してしまう場
合がある。支持電解質としては、本発明の高分子固体電
解質の用途などその目的により適宜選択され、本発明の
目的を損なわない限り、特に限定されないが、前記に例
示したものが好適なものとして挙げられる。添加量とし
ては有機非水溶媒に対し0.1〜30重量%好ましくは
1〜20重量%である。前記組成物Aは、基本的には前
記ウレタンアクリレート,有機非水溶媒,および支持電
解質からなる基本成分を固化することにより得られる
が、かかる組成物の任意成分として本発明の目的を損な
わないさらに別の成分を必要に応じて加えることがで
き、係る任意成分としては、例えば架橋剤や重合開始剤
(光または熱)などが挙げられる。前記第1の例の高分
子固体電解質は、組成物Aを適宜公知の方法により所望
個所に注入した後、固化することにより対向する導電基
板の間に挟持させることができる。ここでいう固化と
は、重合性または架橋性の成分などが、重合(重縮合)
や架橋の進行にともない硬化し、組成物全体として常温
において実質的に流動しない状態となることをいう。な
お、この場合ネットワーク状の基本構造を有する。
【0009】また、前記高分子固体電解質の第2の例と
しては、下記一般式(2)で表される単官能アクリロイ
ル変性ポリアルキレンオキシド,多官能アクリロイル変
性ポリアルキレンオキシド,有機極性溶媒、および前記
支持電解質を含む組性物(以下組成物Bと略す)を固化
することにより得られる高分子固体電解質が挙げられ
る。
【化13】 (式中,R22,R23,R24およびR25は,各々水素また
は1〜5の炭素原子を有するアルキル基であり,nは1
以上の整数を示す) 式中において,R22,R23,R24およびR25は,各々水
素または1〜5の炭素原子を有するアルキル基であり,
係るアルキル基としては,メチル基,エチル基,i-プロ
ピル基,n-プロピル基,n-ブチル基,t-ブチル基,n-ペ
ンチル基等が挙げられ、互いに同一でも異なってもよ
く、特にR22は水素、メチル基、R23は水素、メチル
基、特にR24は水素、メチル基、R25は水素、メチル
基、エチル基が好ましい。また,式中のnは,1以上の
整数、通常1≦n≦100、好ましくは2≦n≦50さ
らに好ましくは2≦n≦30の範囲の整数を示すもので
ある。係る化合物として具体的には,オキシアルキレン
ユニットを1〜100、好ましくは2〜50、さらに好
ましくは1〜20の範囲で持つメトキシポリエチレング
リコールメタクリレート,メトキシポリプロピレングリ
コールメタクリレート,エトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレート,エトキシポリプロピレングリコール
メタクリレート,メトキシポリエチレングリコールアク
リレート,メトキシポリプロピレングリコールアクリレ
ート,エトキシポリエチレングリコールアクリレート,
エトキシポリプロピレングリコールアクリレート、また
はこれらの混合物等を挙げることができる。また、nが
2以上の場合、オキシアルキレンユニットが互いに異な
るいわゆる共重合オキシアルキレンユニットを持つもの
でもよく、例えば、オキシエチレンユニットを1〜5
0、好ましくは1〜20の範囲で持ち、かつオキシプロ
ピレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲
で持つところの、メトキシポリ(エチレン・プロピレ
ン)グリコールメタクリレート,エトキシポリ(エチレ
ン・プロピレン)グリコールメタクリレート,メトキシ
ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールアクリレー
ト,エトキシポリ(エチレン・プロピレン)グリコール
アクリレート、またはこれらの混合物などが挙げられ
る。
【0010】本発明に使用される多官能アクリロイル変
性ポリアルキレンオキシドとしては、好適なものとし
て、下記の一般式(3)で示される化合物いわゆる2官
能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシド,一般式
(4)で表される化合物、いわゆる3官能以上の多官能
アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドなどが挙げら
れる。
【化14】 (式中,R26、R27、R28およびR29は,各々水素また
は1〜5の炭素原子を有するアルキル基であり,mは1
以上の整数を示す)
【化15】 (式中,R30,R31およびR32は,各々水素または1〜
5の炭素原子を有するアルキル基であり,pは1以上の
整数を示し,qは2〜4の整数であり,Lはq価の連結
基を示す) 前記一般式(3)において、式中のR26、R27、R28
よびR29は,各々水素または1〜5の炭素原子を有する
アルキル基であり,係るアルキル基としては,メチル
基,エチル基,i-プロピル基,n-プロピル基,n-ブチル
基,t-ブチル基,n-ペンチル基等が挙げられる。特にR
26は水素、メチル基、R27は水素、メチル基、特にR28
は水素、メチル基、R29は水素、メチル基が好ましい。
また,式中のmは,1以上の整数、通常1≦m≦10
0、好ましくは2≦m≦50さらに好ましくは2≦m≦
30の範囲の整数を示すものである。係る化合物として
具体的には,オキシアルキレンユニットを1〜100、
好ましくは2〜50、さらに好ましくは1〜20の範囲
で持つポリエチレングリコールジメタクリレート,ポリ
プロピレングリコールジメタクリレート,ポリエチレン
グリコールジアクリレート,ポリプロピレングリコール
ジメタクリレート、またはこれらの混合物等を挙げるこ
とができる。また、mが2以上の場合、オキシアルキレ
ンユニットが互いに異なるいわゆる共重合オキシアルキ
レンユニットを持つものでもよく、例えば、オキシエチ
レンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の範囲で
持ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜50、好ま
しくは1〜20の範囲で持つところの、ポリ(エチレン
・プロピレン)グリコールジメタクリレート,ポリ(エ
チレン・プロピレン)グリコールジアクリレート、また
はこれらの混合物などが挙げられる。
【0011】一般式(4)において,R30,R31および
32は,各々水素または1〜5の炭素原子を有するアル
キル基であり,係るアルキル基としては,メチル基,エ
チル基,i-プロピル基,n-プロピル基,n-ブチル基,t-
ブチル基,n-ペンチル基等が挙げられる。特にR30,R
31およびR32は水素、メチル基が好ましい。また,式中
のpは,1以上の整数、通常1≦p≦100、好ましく
は2≦p≦50さらに好ましくは2≦p≦30の範囲の
整数を示すものである。qは連結基Lの連結数であり,
2≦q≦4の整数を示す。連結基Lとしては、通常、炭
素数1〜30、好ましくは1〜20の二価、三価または
四価の炭化水素基である。二価炭化水素基としては、ア
ルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、ア
ルキルアリーレン基、またはこれらを基本骨格として有
する炭化水素基などが挙げられ、具体的には下記に示さ
れる基
【化16】 などが挙げられる。また、三価の炭化水素基としては、
アルキルトリル基、アリールトリル基、アリールアルキ
ルトリル基、アルキルアリールトリル基、またはこれら
を基本骨格として有する炭化水素基などが挙げられ、具
体的には下記に示される基
【化17】 などが挙げられる。また、四価の炭化水素基としては、
アルキルテトラリル基、アリールテトラリル基、アリー
ルアルキルテトラリル基、アルキルアリールテトラリル
基、またはこれらを基本骨格として有する炭化水素基な
どが挙げられ、具体的には下記に示される基
【化18】 などが挙げられる。係る化合物として具体的には,オキ
シアルキレンユニットを1〜100、好ましくは2〜5
0、さらに好ましくは1〜20の範囲で持つトリメチロ
ールプロパントリ(ポリエチレングリコールアクリレー
ト),トリメチロールプロパントリ(ポリエチレングリ
コールメタクリレート),トリメチロールプロパントリ
(ポリプロピレングリコールアクリレート),トリメチ
ロールプロパントリ(ポリプロピレングリコールメタク
リレート),テトラメチロールメタンテトラ(ポリエチ
レングリコールアクリレート),テトラメチロールメタ
ンテトラ(ポリエチレングリコールメタクリレート),
テトラメチロールメタンテトラ(ポリプロピレングリコ
ールアクリレート),テトラメチロールメタンテトラ
(ポリプロピレングリコールメタクリレート),2,2
−ビス[4−(アクリロキシポリエトキシ)フェニル]
プロパン,2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリエ
トキシ)フェニル]プロパン,2,2−ビス[4−(ア
クリロキシポリイソプロポキシ)フェニル]プロパン,
2,2−ビス[4−(メタクリロキシポリイソプロポキ
シ)フェニル]プロパン、またはこれらの混合物等を挙
げることができる。また、pが2以上の場合、オキシア
ルキレンユニットが互いに異なるいわゆる共重合オキシ
アルキレンユニットを持つものでもよく、例えば、オキ
シエチレンユニットを1〜50、好ましくは1〜20の
範囲で持ち、かつオキシプロピレンユニットを1〜5
0、好ましくは1〜20の範囲で持つところの、トリメ
チロールプロパントリ(ポリ(エチレン・プロピレン)
グリコールアクリレート),トリメチロールプロパント
リ(ポリ(エチレン・プロピレン)グリコールメタクリ
レート),テトラメチロールメタンテトラ(ポリ(エチ
レン・プロピレン)グリコールアクリレート),テトラ
メチロールメタンテトラ(ポリ(エチレン・プロピレ
ン)グリコールメタクリレート),またはこれらの混合
物などが挙げられる。
【0012】もちろん、前記一般式(3)で示される2
官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキシドと前記一
般式(4)で表される3官能以上の多官能アクリロイル
変性ポリアルキレンオキシドを併用してもよい。一般式
(3)で示される化合物と一般式(4)で示される化合
物を併用する場合、その重量比は通常0.01/99.
9〜99.9/0.01、好ましくは1/99〜99/
1、さらに好ましくは20/80〜80/20の範囲が
望ましい。本発明に使用される一般式(11)で示され
る化合物と多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキ
シドの重量比は通常1/0.001〜1/1,好ましく
は1/0.05〜1/0.5の範囲である。前記極性有
機溶媒の配合割合としては、一般式(11)で示される
化合物および多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオ
キシドの重量和に対して通常50〜800重量%,好ま
しくは100〜500重量%の範囲が望ましい。また、
前記支持電解質の配合割合は,一般式(11)で示され
る化合物,多官能アクリロイル変性ポリアルキレンオキ
シドおよび極性有機溶媒の重量和に対して通常1〜30
重量%,好ましくは3〜20重量%の範囲である。前記
組成物Bは、これらの各成分の他に、任意成分として、
本発明を損なわない限り、さらに別の成分を必要に応じ
て加えることができる。任意成分としては、特に限定さ
れないが、光重合のための光重合開始剤や熱重合するた
めの熱重合開始剤等を挙げることができる。本発明に使
用される重合開始剤の使用量は,一般式(11)で示さ
れる化合物および、多官能アクリロイル変性ポリアルキ
レンオキシドの重量和に対して通常0.005〜5重量
%,好ましくは0.01〜3重量%の範囲である。
【0013】前記第2の例の高分子固体電解質は、組成
物Bを適宜公知の方法により所望個所に注入した後、固
化することにより対向する導電基板の間に挟持させるこ
とができる。ここでいう固化とは、重合性または架橋性
の成分、例えば単官能または多官能アクリロイル変性ポ
リアルキレンオキシドなどが、重合(重縮合)や架橋の
進行にともない硬化し、組成物全体として常温において
実質的に流動しない状態となることをいう。なお、この
場合、通常単官能または多官能アクリロイル変性ポリア
ルキレンオキシドはともににネットワーク状の基本構造
をとる。もちろん、本発明のイオン伝導性物質において
は、これらに限定されるものではない。
【0014】本発明のエレクトロクロミック素子におい
ては、前記導電基板の内側面の電極および前記イオン導
電性物質の間の少なくとも一方にエレクトロクロミック
性物質を含む層を設けている。このエレクトロクロミッ
ク性物質とは、電気化学的な酸化、あるいは還元反応等
によって着色、消色、色変化などを示す物質であり、本
発明の目的を達するものである限り特に限定されない
が、Mo23、Ir23、NiO、V25、WO3、ビ
オロゲン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロー
ル、金属フタロシアニンなどが好適なものとしてあげら
れる。前記エレクトロクロミック性物質を含有する層と
は、前記エレクトロクロミック性物質のみからなる層
(膜)でもよく、またエレクトロクロミック性物質とマ
トリックス成分に分散させてえられる層(膜)でもよい
が、エレクトロクロミック性物質のみからなる層(膜)
がより好ましい。前記エレクトロクロミック性物質を含
有する層の厚さは、通常、10nm〜1μm、好ましく
は50〜800nmが望ましい。前記エレクトロクロミ
ック性物質を含有する層の形成方法としては、特に限定
されず、蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリ
ング法、電解重合法、ディップコート法、スピンコート
法等の種々の既知の方法を用いることができる。本発明
のエレクトロクロミック素子おいては、前記対向導電基
板の少なくとも一方を透明基板およびこの透明基板の内
側に配した透明電極を備える透明導電基板とする必要が
ある。そして透明導電基板の透明電極とは反対側の面に
紫外吸収層を設けている。この具体的態様としては、一
対の対向導電基板の基板と電極とが全て透明であるエレ
クトロクロミック素子の場合、少なくとも一方または両
方の透明基板の透明電極とは反対側の面に前記紫外線吸
収層が設けられる。また透明基板と透明電極を備える透
明導電基板と、基板および/または電極が不透明である
透明でない導電基板からなる場合、透明基板の透明電極
とは反対側の面には前記紫外線吸収層が必ず設けられ
る。この場合、透明でない導電基板の電極とは反対側の
面にも前記紫外線吸収層を設けても良い。前記紫外線吸
収層は、前述の通り、少なくとも、(a)上記一般式
(1)に示されるアミノシラン化合物またはその誘導
体、(以下、「成分A」と称す)と(b)分子内にカル
ボキシル基を有する紫外線吸収剤(以下「成分B」と称
す)とを反応させ、前記アミノシラン又はその誘導体に
由来するアミド結合を生成せしめた成分を,透明基板の
上に塗布、硬化することによって作製されることを特徴
とする。
【0015】本発明において成分Aとして用いるアミノ
シラン化合物としては、下記の一般式(1)に示すもの
である。
【化19】 式中において、R1は炭素数1〜10、好ましくは1〜
5のアルキレン基、または一般式−(CH2m−NH−
[mは1≦m≦4の整数]で表される2価の基を示す。
該アルキレン基としては具体的にはメチレン基、エチレ
ン基、トリメチレン基、プロピレン基等が例示される。
各々のR2は同一若しくは異なる基であって、水素原
子、水酸基、塩素、臭素等のハロゲン原子、炭素数1〜
10、好ましくは1〜5のアルキル基若しくはアルコキ
シ基、または炭素数6〜10、好ましくは6〜8のアリ
ール基を示す。但し、全てのR2のうち少なくとも一
つ、好ましくは1〜5はアルコキシ基若しくは水酸基で
ある。前記R2のアルキル基としてはメチル基、エチル
基。プロピル基、i-プロピル基等が例示でき、アリール
基としてはフェニル基、トリル基などが例示できる。ア
ルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、i-プロポキシ基等が例示できる。nはn≧0、好
ましくは0≦n≦3の整数を示す。一般式(1)で示さ
れるアミノシラン化合物の好適な例としては、3-アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルジ
イソプロピルエトキシシラン、3-アミノプロピルメチ
ルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリクロロシ
ラン、3-アミノプロピルポリジメチルシロキサン、N-
(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシ
エトキシ)シラン等が挙げられる。また、アミノシラン
化合物の誘導体としては、前記好適な化合物の加水分解
物等が好ましく挙げられる。これらのアミノシラン化合
物又はその誘導体である成分Aは公知の方法により製造
できる。また、本発明においては、該一般式で示される
アミノシラン化合物の誘導体を用いることもできる。か
かる誘導体としては、前記化合物の加水分解物が好まし
いものとして挙げられる。
【0016】成分Bとして用いる分子内にカルボキシル
基を有する紫外線吸収剤としては、分子の側鎖にカルボ
キシル基を1個または2個以上有する化合物が挙げら
れ、例えばベンゾトリアゾール骨格またはベンゾフェノ
ン骨格を有する化合物等が挙げられる。ベンゾトリアゾ
ール骨格を有する化合物としては、下記の一般式(5)
により表される化合物が好適に挙げられる。
【化20】 式(5)中のR3は、水素原子、ハロゲン原子または炭
素数1〜10、好ましくは1〜6のアルキル基を示す。
ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等、
該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、i-プロピル基、ブチル基、t-ブチル基、シクロヘキ
シル基等が例示できる。R3の置換位置としては、ベン
ゾトリアゾール骨格の4位または5位であるが、ハロゲ
ン原子及びアルキル基は通常4位に位置する。式中のR
4は、水素原子または炭素数1〜10、好ましくは1〜
6のアルキル基を示す。アルキル基としては、メチル
基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、
t-ブチル基、シクロヘキシル基等が例示できる。式中の
5は、炭素数1〜10、好ましくは1〜3のアルキレ
ン基または、アルキリデン基を示す。アルキレン基とし
ては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロ
ピレン基等が、アルキリデン基としては、エチリデン、
プロピリデン基等が挙げられる。一般式(5)で示され
る化合物としては、3−(5−クロロ−2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチ
ル)−4−ヒドロキシ−ベンゼンプロパン酸、3−(2
H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒドロキシ
ベンゼンエタン酸、3−(5−メチル−2H−ベンゾト
リアゾール−2−イル)−5−(1−メチルエチル)−
4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸等が挙げられる。前
記ベンゾフェノン骨格を有する化合物として、下記の一
般式(6)〜(9)にて示されるベンゾフェノン系化合
物等が好適に挙げられる。
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】 式(6)〜(9)中R7及びR8は、同一若しくは異なる
基であって、水素原子、水酸基、炭素数1〜10、好ま
しくは1〜6のアルキル基又はアルコキシ基を示す。
n、mは、0≦m≦3、0≦n≦3の範囲の整数を示
す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、i-プロピル基、ブチル基、t-ブチル基、シクロヘ
キシル基等が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、i-プロポキシ基、ブトキシ基
等が具体的に例示される。式中R6は、炭素数1〜1
0、好ましくは1〜3のアルキレン基又は、アルキリデ
ン基を示す。アルキレン基としては、メチレン基、エチ
レン基、トリメチレン基、プロピレン基等が、アルキリ
デン基としてはエチリデン基、プロピリデン基等が挙げ
られる。このようなベンゾフェノン骨格を有する化合物
の具体例としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン−5−カルボン酸、2,2’−ジヒドロキシ
−4−メトキシベンゾフェノン−5−カルボン酸、4−
(2−ヒドロキシベンゾイル)−3−ヒドロキシベンゼ
ンプロパン酸等が好適に挙げられる。前記ベンゾトリア
ゾール骨格又はベンゾフェノン骨格を有する紫外線吸収
剤は公知の方法により製造できる。
【0017】本発明に用いられる塗布成分の製造方法に
おいて、前記成分Aと成分Bとを少なくとも反応させ
て、成分Aに由来するアミド結合を生成せしめる反応は
通常脱水反応が主である。この際、反応により生成する
アミド結合の量は、特に限定されないが、通常、成分A
の全アミノシランの10モル%以上、好ましくは、50
モル%以上に対してアミド結合が生じるようにすれば良
く、上限は通常100モル%であるが、上限が100モ
ル%未満でも差し支えない。本発明に用いられる塗布成
分の製造方法においては、上記のとおり、少なくとも成
分Aおよび成分Bを反応させれば良いが、係る反応の
際、または反応後に本発明の目的を損なわない範囲で任
意成分をさらに共存・添加してもよい。次にこれらの任
意成分について説明する。
【0018】任意成分の一例としてはシリコーン樹脂
(以下、「成分C」と称す)が挙げられる。成分Cとし
ては反応性シリコーン樹脂、即ち、成分Aのアルコキシ
シリル基部分と反応(通常脱水反応および/または脱ア
ルコール反応等)しうる官能基を有するシリコーン樹脂
が好ましい。官能基としてはアルコキシシリル基やシラ
ノール基等が好ましい。このような反応性シリコーン樹
脂は、一般的にアルコキシシランやクロロシラン類の部
分加水分解反応とそれに続く縮合反応によって容易に合
成することができる。市販品では、純シリコーンワニス
(例えば、商品名「XO7931−クリヤー」:オキツ
モ(株)製)、シリコーンレジン(例えば、商品名「S
R2410」:東レ・ダウコーニングシリコーン(株)
製)、アクリル変性シリコーン樹脂(例えば、商品名
「サイラコート1000」:チッソ(株)製)等が好適
に挙げられる。また、シリコーン樹脂を本発明の目的を
損なわない範囲で各種溶剤を用いた溶液の形で用いるこ
とができる。溶剤としては、特に限定されないが、各種
炭化水素系溶剤、ケトン類、エーテル類、エステル類、
エーテル・エステル類などが挙げられる。また、シリコ
ーン樹脂を各種変性したものを用いても良い。成分C
は、成分Aおよび成分Bの反応の際、または反応後のい
ずれにおいても共存させられるが、成分Aおよび成分B
の反応の際に共存させることが特に好ましい。前記任意
成分の他の例としては、各種のエポキシシラン類(以下
「成分D」と称す)が挙げられ、好ましくは下記の一般
式(20)及び(21)に示すようなエポキシシラン類
が挙げられる。
【化25】
【化26】 式(20)及び(21)中、R9およびR11は同一若し
くは異なる基であって、炭素数1〜10、好ましくは1
〜5のアルキレン基又は、式−R−O−R'−(但し、
R及びR'は各々炭素数1〜10、好ましくは1〜5の
アルキレン基を示す)により示される2価の基を示し、
各々のR10は、同一若しくは異なる基であって、水素原
子、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜10、好ましく
は1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ基、または炭
素数6〜10好ましくは6〜8のアリール基を示す。但
し、全ての、R10のうち少なくとも1つ、好ましくは1
〜5個はアルコキシ基若しくは水酸基である。nはn≧
0、好ましくは0≦n≦3の整数を示す。前記アルキレ
ン基としては、メチレン基、トリメチレン基、テトラメ
チレン基等が好適に例示できる。前記アルキル基として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、i-プロピル基、
ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプ
チル基、、オクチル基等が好適に挙げられ、前記アルコ
キシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘ
キシルオキシ基等が挙げられ、前記アリール基として
は、フェニル基、トリル基等が挙げられる。
【0019】成分Dとしては、3-グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ジメトキシ-3-グリシドキシプ
ロピルメチルシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキ
シルエチル)トリメトキシシラン、ジメチルエトキシ-
3-グリシドキシプロピルシラン、1,3−ビス(3−
グリシドキシプロピル)−1,3−ジメチル−1,3−
ジメトキシジシロキサン又はこれらの混合物等が好適に
挙げられる。成分Dは、予め加水分解して用いても良
い。また予め適当な重合触媒でエポキシ基を開環重合さ
せて用いることもできる。重合触媒としては、三フッ化
ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化アルミニウム、ジエ
チル亜鉛等のルイス酸触媒が好適である。また、エポキ
シ基を開環重合させる際の重合条件は特に限定されない
が、通常、−80℃〜130℃、好ましくは−20℃〜
80℃程度が望ましく、反応時間は反応条件、反応様式
等により適宜選択でき、通常10分〜10時間、好まし
くは1時間〜6時間程度が望ましい。この際用いる溶媒
は特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素溶媒、各種のケトン類やエステル類等
が挙げられる。成分Dは、成分Aおよび成分Bの反応の
際、または反応後のいずれにおいても共存させられる
が、成分Aおよび成分Bの反応の後に加えることが好ま
しい。但し、前記予め成分Dのエポキシ基を開環重合さ
せたものを用いる場合には、成分A及び成分Bの反応の
際に加えるのが好ましい。
【0020】他の任意成分としては、ポリエーテル変性
ポリシロキサン類(以下「成分E」と称す)が挙げら
れ、好ましくは、下記の一般式(22)で示されるポリ
エーテル変性ポリシロキサン類が例示される。
【化27】 (式中、R12、R13およびR14は同一若しくは異なる基
であって、炭素数1〜10、好ましくは1〜5のアルキ
レン基を示し、各々のR15は同一若しくは異なる基であ
って、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜1
0、好ましくは1〜5のアルキル基若しくはアルコキシ
基、または炭素数6〜10好ましくは6〜8のアリール
基を示す。またR15のうち少なくとも一つ、好ましくは
1〜10個はアルコキシ基である。m、n、pは、各々
m≧0、好ましくは0≦m≦100、n≧0、好ましく
は0≦n≦10、p≧0、好ましくは0≦p≦10の整
数を示す。前記アルキレン基としては、メチレン基、ト
リメチレン基、テトラメチレン基などが好適に挙げられ
る。前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、i-プロピル基、ブチル基、t-ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、、オクチル基等が好
適に挙げられる。前記アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、t-ブトキ
シ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げら
れる。前記アリール基としては、フェニル基、トリル基
等が挙げられる。このような、一般式にて表される成分
Eとしては、具体的には、テトラエチレングリコール-
ビス(トリエトキシシリルエチル)エーテル、ポリエチ
レングリコール-ビス(トリエトキシシリルエチル)エ
ーテル、ポリプロピレングリコール-ビス(トリエトキ
シシリルエチル)エーテル又はこれらの混合物が挙げら
れる。成分Eとしては、予め加水分解したものを用いて
も良い。成分Eは、成分Aおよび成分Bの反応の際、ま
たは反応後のいずれにおいても共存させられるが、成分
Aおよび成分Bの反応の際に加えるのが好ましい。任意
成分として特に、前記成分Dのエポキシシラン類や成分
Eのポリエーテル変性ポリシロキサン類を用いることに
より、当該基板上の紫外線吸収性被膜は、耐熱性を損な
うことなく基板への密着性が改善され、厚膜にしても割
れにくくなる等、さらに優れた効果を奏する。
【0021】他の任意成分としては、無機微粒子分散液
(以下、「成分F」と称す)が挙げられる。成分Fとし
ては、特に限定されないが、シリカ、アルミナ、酸化チ
タン、酸化アンチモン等の微粒子の分散液等が挙げられ
る。微粒子の粒子径は1〜100nm程度であり、分散媒
としては水、メタノール、キシレン、メチルエチルケト
ン、等が挙げられる。市販品ではLUDOX LS(デ
ュポン社製)や、XBA−ST(日産化学社製)などが
好適に挙げられる。成分Fは、成分Aおよび成分Bの反
応の際、または反応後のいずれにおいても共存させられ
るが、成分Aおよび成分Bの反応の後に加えることが好
ましい。成分Fを加えることで,表面硬度を改善し,耐
摩耗性,耐薬品性などを向上させることができる。な
お、任意成分は公知の方法により製造できる。
【0022】本発明に用いられる塗布成分の製造方法に
おいては、前述のとおり、少なくとも、成分Aと成分B
とを反応させるか、若しくは必要に応じて前記任意成分
の共存下反応させることにより容易に製造することがで
きる。この反応条件は、成分Aに由来するアミド結合が
生成する条件であれば特に限定されなく、その条件は適
宜選択されるところであるが、通常、成分Aおよび成分
B、さらに所望により任意成分を溶媒中にて混合したの
ち、溶媒の存在下において、室温〜350℃、好ましく
は60〜250℃において、通常5分〜50時間、好ま
しくは10分〜15時間の条件で好適に行うことができ
る。これらの反応操作は繰り返し行うことができる。こ
の反応に用いる溶媒としては、本発明の目的を損なわな
い限り特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレ
ン等の芳香族系溶剤や、シクロヘキサノン等のケトン系
溶剤、またはこれらの混合物が挙げられる。溶媒は、反
応後除去してもよく、除去せずに溶液の状態でも良い。
前記反応において、成分Aと成分Bとの使用割合は、特
に限定されないが、成分Bの使用量が、成分Aと成分B
との総量に対し、通常5〜90質量%、好ましくは10
〜80質量%の範囲で任意に選択することができる。塗
布成分は、このような反応終了後直ちに、そのままの形
態で塗布に供してもよく、また上記の反応終了後、即ち
塗布成分を得た後、各種成分を加えたものを塗布液とし
て使用することもできる。各種成分としては、本発明の
目的を損なわない限り、特に限定されないが、例えば、
酸化防止剤、クエンチャーもしくはラジカル捕捉剤、ま
たは塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸や有機酸、3フッ化
ホウ素・ジエチルエーテル錯体、6フッ化アンチモン酸
ナトリウム等のルイス酸、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、トリエチルアミン、アニリンなどの塩基、ジブ
チルスズジラウレート、チタンテトライソプロポキサイ
ドなどの有機金属に例示されるような、硬化促進作用を
有するする触媒(紫外線吸収材料に対して、通常0.1
〜5.0mass%であることが好ましい)、トルエン、キ
シレン、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホル
ムアミド、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−アセ
トキシプロパン等、各種シンナー等の溶剤、などを加え
ることもでき、これらの成分を加えたものを塗布液とし
て使用することもできる。また、任意成分であるシリコ
ーン樹脂の使用量としては、特に限定されないが、成分
Aと成分Bの総量に対して、5〜300質量部、好まし
くは20〜150質量部が望ましい。また、エポキシシ
ラン類の使用量としては、特に限定されないが、成分A
と成分Bの総量に対して、10〜500質量部、好まし
くは100〜400質量部が望ましい。また、ポリエー
テル変性ポリシロキサン類の使用量としては、特に限定
されないが、成分Aと成分Bの総量に対して、10〜5
00質量部、好ましくは100〜400質量部が望まし
い。また、無機微粒子分散液の使用量としては、特に限
定されないが、成分Aと成分Bの総量に対して、5〜4
00質量部、好ましくは10〜200質量部が望まし
い。
【0023】本発明の特定の紫外線吸収層は、かくして
得られた塗布成分を,透明基板の上に塗布、硬化するこ
とによって得られる。塗布成分は通常、液状であり、そ
の塗布方法は、特に限定されなく適宜公知の方法が選択
されるところである。例えば、スピンコート、スプレー
コート、ディップコート、キャストコート、ブレードコ
ート、フローコートなどが、目的に応じて適宜使用され
る。硬化反応は、前記硬化促進作用を有する触媒を用い
た場合は、通常室温から250℃、好ましくは40℃〜
200℃程度で硬化させることができる。また該触媒を
用いなくても通常室温〜350℃、好ましくは60℃〜
250℃で加熱することによって硬化させることができ
る。硬化に要する時間は、適宜選択されるところである
が、通常10分〜5時間程度である。なお、当然のこと
ながら、紫外線吸収層を形成する際の透明基板として
は、予め反対側に電極を形成せしめたのち、紫外線吸収
層を付与しても良いし、また、紫外線吸収層を付与した
のち、電極を形成せしめてもよく、この場合、必要に応
じ、当該電極または紫外線吸収層の保護を目的とした保
護層を製造の過程において使用してもよい。透明基板上
に形成される紫外線吸収層の膜厚は、特に限定されなく
適宜選択されるところであるが、通常0.5〜50μm
程度の範囲内で用いられる。0.5μm以下では充分な
紫外線遮断能力を出すことが難しい場合があり、50μ
m以上では亀裂を生じさせずに塗布するのが難しい場合
がある。
【0024】また紫外線吸収層を保護し耐摩耗性を向上
させる目的で、紫外線吸収層上にオーバーコート層を設
けることも行われる。オーバーコート層としては特に限
定はしないが、通常耐摩耗性、耐候性に優れた樹脂が用
いられる。具体的には、ポリイミド、ポリアミド、ポリ
カーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォ
ン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シ
リコーンワニスなどのシリコーン樹脂、尿素樹脂などが
挙げられ、これらの中でもシリコーン樹脂のオーバーコ
ート剤が最適である。またこれらを組み合わせて用いて
も良い。ガラスフィラーや無機粉体と共用することも行
われる。無機粉体としては、通常ZnO、TiO2、C
eO2、シリカなどの微粒子が用いられる。シリコーン
樹脂オーバーコート剤としてはコロイダルシリカなどの
無機微粒子を分散させたシリコーンレジン系やアルコキ
シシラン,クロロシランなどのシラン類の部分加水分解
生成物及び部分重縮合生成物などが挙げられる。具体的
には,市販品ではトスガード510(東芝シリコーン製)
やAPZ7703、APZ7705(日本ユニカー製)、N-L11
0,N-L710等のポリシラザン(東燃製)が挙げら
れる。またエポキシシランの部分加水分解生成物もオー
バーコート剤として耐摩耗性などが優れていることが知
られている。オーバーコート層の形成法としては、特に
限定されなく適宜公知の方法が選択されるところである
が、通常、オーバーコート層を構成する樹脂の溶液、あ
るいは前駆体からなる溶液を塗布することによって得ら
れる。塗布後はそれぞれの樹脂の性質によって必要な処
理がなされ、オーバーコート層が得られる。また上記樹
脂からなるフィルムを貼る方法も行われる。具体的に
は、例えばシリコーンワニスを用いた場合、ジブチルス
ズジラウリレートなどの触媒を加え、塗布した後100
〜200℃程度で5分〜2時間程度加熱硬化すること
で、1〜20μmのオーバーコート層を得ることができ
る。また、例えばアクリル−メラミン樹脂前駆体を用い
た場合には、塗布した後130〜190℃で5分〜2時
間程度加熱硬化することで、10〜100μmのオーバ
ーコート層を得ることができる。また光硬化型のアクリ
ル系樹脂前駆体などを用いた場合には、塗布した後、高
圧水銀灯照射下に置くことによって通常5分以内に1〜
10μmのオーバーコート層を得ることができる。塗布
方法としては、既知の方法が用いられる。例えばスピン
コート、スプレーコート、キャストコート、ブレードコ
ート、ディップコートなどが挙げられる。また,オーバ
ーコート作製前に光表面改質やプライマー処理を施すこ
とで,オーバーコート材の塗れ性改善や,オーバーコー
ト層の紫外線吸収層への密着性を改善することもでき
る。
【0025】本発明のエレクトロクロミック素子は、少
なくとも一方が透明導電基板である一対の対向導電基
板、イオン導電性物質、エレクトロクロミック性物質を
含有する層、および紫外線吸収層によって構成している
が、その具体的形態を、図面を参照してさらに詳細に説
明する。本発明のエレクトロクロミック素子の最も単純
な形態の例としては、図1に示すように、透明基板1a
と、その内側に位置する透明電極2aと透明電極とは反
対側に紫外線吸収層2とを備える透明導電基板A、並び
に透明基板1bと、その内側に位置する透明電極2bと
を備える透明導電基板Bを対向して配置しており、透明
導電基板Bの透明電極2b内側にエレクトロクロミック
層4が形成されており、透明基板Aと、エレクトロクロ
ミック層4が形成された透明導電基板Bとの間にイオン
導電性物質6を挟持して、イオン導電性物質6の層をシ
ール剤5で密封したエレクトロクロミック素子を挙げる
ことができる。また図2に示すように、透明基板1aと
紫外線吸収層3との間に、1層以上の中間層7を設ける
こともできる。中間層7の機能は特に限定されないが、
例えば有機紫外線吸収剤種類によっては遠紫外線により
有機紫外線吸収剤が劣化する場合があるので、その劣化
を抑制する目的で、ZnO、CeO2、TiO2などの無
機酸化物を含む紫外線吸収層を設けたり、あるいは、紫
外線吸収層3と透明基板1aとの密着性を向上させる目
的で、シランカップリング剤や界面活性剤などを含む中
間層7を設けたりすることができる。尚図2において図
1と同一番号で示す部材は同一のものであるので説明を
省略する。さらに図3に示すように、紫外線吸収層3上
にオーバーコート層8を設けることもできる。オーバー
コート層8の機能は特に限定されないが、例えば紫外線
吸収層3を外的要因(摩擦等)から保護する目的で設け
ることができる。尚図3において図1と同一番号で示す
部材は同一のものであるので説明を省略する。さらに図
4に示すように、透明基板1aと紫外線吸収層3との間
に中間層7を設けると共に、紫外線吸収層3上にオーバ
ーコート層8を設けることもできる。尚図4において図
1〜3と同一番号で示す部材は同一のものであるので説
明を省略する。また、図5に示すように、図1〜4の透
明導電基板Bの代わりに、透明でない不透明基板9と透
明でない不透明電極からなる導電基板Cを設けることも
できる。尚図5において図1と同一番号で示す部材は同
一のものであるので説明を省略する。
【0026】本発明のエレクトロクロミック素子を構成
する各膜および層の形成方法としては、特に限定される
ものではなく、各膜および層を前述の製法に従い順次作
成することができる。例えば、図1に示す構成のエレク
トロクロミック素子の場合、透明基板1a上に透明電極
2aを作製し、さらに透明電極とは反対側の面に、前述
の方法により紫外線吸収層3を作製し透明導電基板Aを
得る。この際作製順序としては透明基板1a上に紫外線
吸収層3を作製した後、紫外線吸収層3とは反対側の面
に透明電極2aを作製しても良い。次に、もう一枚の透
明基板1b上に前述の方法により透明電極2bおよびエ
レクトロクロミック層4を形成し、透明導電基板Bを得
る。これら透明導電基板(1a,1b)を1〜1000
μm程度の間隔で対向させ、注入口を除いた周囲をシー
ル剤5でシールする。イオン伝導性物質6を前述の方法
で注入し、エレクトロクロミック素子を得ることができ
る。前記透明導電基板(1a,1b)を対向させる際、
間隔を一定に確保するためにスペーサーを用いることが
できる。スペーサーとしては特に限定されないが、ガラ
ス、ポリマー等で構成されるビーズまたはシートを用い
ることができる。スペーサーは、対向する導電基板の間
隙に挿入したり、導電基板の電極上に樹脂等の絶縁物で
構成される突起状物を形成する方法等より設けることが
できる。また、イオン導電性物質6を形成する方法は、
例えば前記固体系イオン導電性物質の前駆体等を対向す
る導電基板の間隙に注入し、その後硬化させる方法等に
より形成することができる。硬化方法としては、特に限
定されないが、光による方法、熱による方法、経時的に
硬化する反応液を注入直前に混合した後、直ちに注入し
硬化させる方法等が挙げられる。また、図2に示す構成
のエレクトロクロミック素子の場合、紫外線吸収層3を
形成する前に、中間層7を形成する以外は図1に示す構
成の場合と同様の手順によりエレクトロクロミック素子
を得ることができる。図3に示す構成のエレクトロクロ
ミック素子の場合、紫外線吸収層3を形成した後、オー
バーコート層8を形成する以外は、図1に示す構成の場
合と同様の手順によりエレクトロクロミック素子を得る
ことができる。また図4に示す構成のエレクトロクロミ
ック素子の場合、中間層7を形成した後、紫外線吸収層
3、オーバーコート層8を順次形成する以外は、図1に
示す構成の場合と同様の手順によりエレクトロクロミッ
ク素子を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】本発明のエレクトロクロミック素子は、
透明導電基板の透明電極とは反対側の面に紫外線吸収層
を備えており、屋外での使用にも耐えうる耐久性、耐紫
外線性を有する。さらに該紫外線吸収層中の有機紫外線
吸収剤と母材とが化学的に結合しているため、長波長の
紫外線をカットするために高濃度に紫外線吸収剤を含有
させても紫外線吸収剤が析出することもなく、長期使用
にも耐えられる。特に紫外線吸収層を適宜選択すること
により、400nm以下の長波長領域までも極めてクリア
に遮断することができる。また紫外線吸収層上にオーバ
ーコート層を設ける構成を採用することにより、耐摩耗
性に優れたエレクトロクロミック素子を得ることができ
る。且つこのようなエレクトロクロミック素子を用いて
作製したエレクトロクロミックデバイス自体を紫外線か
ら保護することができる。従って本発明のエレクトロク
ロミック素子は、屋内用窓はもちろん、屋外に面した
窓、天窓、ソーラーハウス用窓材、自動車用窓、車両用
窓、サンルーフ、間仕切り等に利用することができる。
【0028】以上、本発明について詳細に説明してきた
が、本発明のエレクトロクロミック素子に関して好適な
実施態様としては以下の態様が挙げられる。 1. 紫外線吸収層形成性塗布成分が、少なくとも
(a)前記一般式(1)に示されるアミノシラン化合物
またはその誘導体、および(b)前記分子内にカルボキ
シル基を有する紫外線吸収剤を反応させる際に、前記シ
リコーン樹脂の存在下で行うことにより得られるもので
あることを特徴とするエレクトロクロミック素子。 2. 紫外線吸収層形成性塗布成分が、少なくとも、
(a)前記一般式(1)に示されるアミノシラン化合物
またはその誘導体、および(b)前記分子内にカルボキ
シル基を有する紫外線吸収剤を反応させ、該アミノシラ
ンに由来するアミド結合を生成せしめたのち、前記エポ
キシシラン類をさらに加えることにより得られるもので
あることを特徴とするエレクトロクロミック素子。 3. 紫外線吸収層形成性塗布成分が、少なくとも、
(a)前記一般式(1)に示されるアミノシラン化合物
またはその誘導体、および(b)前記分子内にカルボキ
シル基を有する紫外線吸収剤を反応させ、前記アミノシ
ラン類に由来するアミド結合を生成せしめたのち、無機
微粒子分散液をさらに加えることにより得られるもので
あることを特徴とするエレクトロクロミック素子。
【0029】
【実施例】以下に本発明の実施例を挙げ説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1カルボン酸残基含有紫外線吸収剤の合成 225g(0.46モル)の 3-(5-クロロ-2H-ベン
ゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチ
ル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸オクチルエス
テル(TINUVIN 109、商標名、Ciba−G
eigy社製)を700mlのアセトンに溶解し、2N
水酸化ナトリウム水溶液600mlを加えて室温で24
時間撹拌した。2N塩酸650mlを加えて酸性にした
後、不溶化した生成物を濾別し、蒸留水で濾液が中性に
なるまで洗浄した。この生成物を真空乾燥した後、トル
エンからの再結晶を行うことで3-(5-クロロ-2H-ベ
ンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチ
ル)-4-ヒドロキシ-ベンゼンプロパン酸[化合物I]
を得た。紫外線吸収層の作製 3−アミノプロピルトリエトキシシラン3gをキシレン
35gに溶解し、80℃に加熱しながら、前記化合物I
5gを徐々に添加した。添加終了後、130℃まで昇
温し、3時間還流した。放冷後、3−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランを16g添加し、これを紫外線
吸収性塗布液とした。得られた塗布液を13C−NMR
により分析したところ、アミド結合に由来するカルボニ
ルのピーク(約173ppm)が観測され、原料のアミ
ノシラン類に由来するアミド結合が存在していることを
確認した。前記紫外線吸収性塗布液を抵抗10Ω/cm2
のITO付き透明導電ガラス基板の導電膜とは反対側面
にスプレー塗布し、室温で20分放置後200℃で20
分加熱し、厚さ約17μmの紫外線吸収被膜を有する紫
外線吸収透明導電ガラスを作製した。この透明導電ガラ
スの分光透過率を図6に示した。発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、20〜30オングス
トロ−ム/秒の条件下、厚さ約5000オングストロ−
ムとなるように、WO3を蒸着し、発色材電極を作製し
た。対向電極の作製 10×10cmの前記紫外線吸収層を有する透明導電基板
上に表面積1500m2/gの活性炭繊維(群栄化学株
式会社)を、導電性接着剤(商品名「シルベストP−2
55」:徳力化学研究所製)を用いて格子状に接着し
た。この際、活性炭繊維の格子の形状は、格子間隔2c
m、格子線幅0.8mm、活性炭繊維の使用量は0.8
5mg/cmとした。次に、活性炭繊維の上にポリエステ
ルフィルムを接着し、絶縁層を設けて対向電極を作製し
た。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を相対向せ
しめ、周辺をエポキシ樹脂で5mm 幅でシールし、内部に電解液であるLiClO4のプロ
ピレンカーボネート溶液(1M/リットル)を真空注入
して注入口をエポキシ樹脂で封止した。ついで発色材お
よび対向電極の各々にリード線を接続して調光体とし
た。次いで得られた調光体の性能評価を下記の各試験に
基づいて評価した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.08であった。続
いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよ
うに1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに
着色は消滅し、この際の光学密度は0.20であった。
この際着色時と消色時の光学密度差は、0.88であっ
た。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0030】実施例2紫外線吸収層の作製 3gの3-アミノプロピルトリエトキシシランをキシレ
ン40gに溶解し60℃に加熱しつつ、5gの実施例1
における化合物Iを徐々に加えた。添加終了後、130
℃まで昇温し、3時間還流し、溶液状の紫外線吸収性塗
布液を得た。得られた溶液を13C−NMRにより分析し
たところ、アミド結合に由来するカルボニルのピーク
(約173ppm)が観測され、原料のアミノシラン類
に由来するアミド結合が存在していることを確認した。
前記塗布液を抵抗10Ω/cm2のITO付き透明導電ガ
ラス基板の導電膜とは反対側面にスプレー塗布し、室温
で20分放置後130℃で30分加熱し、厚さ約10μ
mの紫外線吸収被膜を有する紫外線吸収透明導電ガラス
を作製した。この透明導電基板の分光透過率を測定した
ところ実施例1と同様に400nm以下をほぼ完全にカッ
トするものが得られた。発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 10×10cmの前記紫外線吸収層を有する透明導電基板
上に実施例1と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を
作製した。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を相対向せしめ、周辺を
エポキシ樹脂で5mm幅でシールし、内部に電解液であ
るLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1M/
リットル)を真空注入して注入口をエポキシ樹脂で封止
した。ついで発色材および対向電極の各々にリード線を
接続して調光体とした。次いで得られた調光体の性能評
価を下記の各試験に基づいて評価した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.08であった。続
いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよ
うに1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに
着色は消滅し、この際の光学密度は0.20であった。
この際着色時と消色時の光学密度差は、0.88であっ
た。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0031】実施例3紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン35gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I 5gを徐々に添加した。添加終了後、1
30℃まで昇温し3時間還流し、溶液状の紫外線吸収性
塗布液を得た。前記紫外線吸収性塗布液を抵抗10Ω/
cm2のITO付き透明導電ガラス基板の導電膜とは反対
側面にスプレー塗布し、室温で20分放置後、200℃
で20分加熱し、厚さ約17μmの紫外線吸収被膜を有
する紫外線吸収透明導電ガラスを作製した。この紫外線
吸収透明導電ガラスに対して碁盤目試験を行ったとこ
ろ、50%剥離が見られた。また、この紫外線吸収透明
導電基板を沸騰アセトンで24時間抽出を行ったとこ
ろ、重量減少はほとんどなかった。このことから、紫外
線吸収剤はアミノシランを介して樹脂と結合しているこ
とがわかった。この透明導電基板の分光透過率を図7に
示した。発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 10×10cmの前記紫外線吸収層を有する透明導電基板
上に実施例1と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を
作製した。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を相対向せしめ、周辺を
エポキシ樹脂で5mm幅でシールし、内部に電解液であ
るLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1M/
リットル)を真空注入して注入口をエポキシ樹脂で封止
した。ついで発色材および対向電極の各々にリード線を
接続して調光体とした。次いで得られた調光体の性能評
価を下記の各試験に基づいて評価した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.1であった。続い
て、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよう
に1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに着
色は消滅し、この際の光学密度は0.21であった。こ
の際着色時と消色時の光学密度差は、0.89であっ
た。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0032】実施例4紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン35gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I 5gを徐々に添加した。添加終了後、1
30℃まで昇温し3時間還流した。放冷後、3-グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランを16g添加し、紫
外線吸収性塗布液を得た。前記紫外線吸収性塗布液を抵
抗10Ω/cm2のITO付き透明導電ガラス基板の導電
膜とは反対側面にスプレー塗布し、室温で20分放置
後、200℃で20分加熱し、厚さ約17μmの紫外線
吸収被膜を有する紫外線吸収透明導電ガラスを作製し
た。この紫外線吸収透明導電ガラスの紫外可視吸収スペ
クトルを図8に示した。また、実施例3のように碁盤目
試験での剥離は認められなかった。発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 10×10cmの前記紫外線吸収層を有する透明導電基板
上に実施例1と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を
作製した。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を相対向せしめ、周辺を
エポキシ樹脂で5mm幅でシールし、内部に電解液であ
るLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1M/
リットル)を真空注入して注入口をエポキシ樹脂で封止
した。ついで発色材および対向電極の各々にリード線を
接続して調光体とした。次いで得られた調光体の性能評
価を下記の各試験に基づいて評価した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.11であった。続
いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよ
うに1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに
着色は消滅し、この際の光学密度は0.22であった。
この際着色時と消色時の光学密度差は、0.89であっ
た。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0033】実施例5紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン35gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I 5gを徐々に添加した。添加終了後、1
30℃まで昇温し3時間還流した。放冷後、3-グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシランを16g、コロイダ
ルシリカ分散液(日産化学製、MIBK-ST)を8g添加し
紫外線吸収性塗布液を得た。前記紫外線吸収性塗布液を
抵抗10Ω/cm2のITO付き透明導電ガラス基板の導
電膜とは反対側面にスプレー塗布し、室温で20分放置
後、200℃で20分加熱し、厚さ約17μmの紫外線
吸収被膜を有する紫外線吸収透明導電ガラスを作製し
た。鉛筆硬度は4Hであった。この透明導電ガラス基板
の紫外可視吸収スペクトルを図9に示した。発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 10×10cmの前記紫外線吸収層を有する透明導電基板
上に実施例1と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を
作製した。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を相対向せしめ、周辺を
エポキシ樹脂で5mm幅でシールし、内部に電解液であ
るLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1M/
リットル)を真空注入して注入口をエポキシ樹脂で封止
した。ついで発色材および対向電極の各々にリード線を
接続して調光体とした。次いで得られた調光体の性能評
価を下記の各試験に基づいて評価した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.09であった。続
いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよ
うに1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに
着色は消滅し、この際の光学密度は0.20であった。
この際着色時と消色時の光学密度差は、0.87であっ
た。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0034】実施例6エポキシシランの重合 3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン200g
をキシレン75gに溶解させ、3フッ化ホウ素・ジエチ
ルエーテル錯体4mlを室温で徐々に加えた後、4時間
攪拌しエポキシ基の開環重合を行った。得られたポリマ
ーの分子量はMw=3300(ポリスチレン換算)であ
った。紫外線吸収性塗布液の製造 シリコーンワニス(XO−7931−クリヤー、オキツ
モ製)17.7gと3-アミノプロピルトリエトキシシ
ラン3gをキシレン29gに溶解し、80℃に加熱しな
がら化合物I 5gを徐々に添加した。添加終了後、1
30℃まで昇温し3時間還流した。放冷後、上記エポキ
シシラン重合体溶液を22gを加え紫外線吸収材料を得
た。前記溶液状の紫外線吸収材料をコーテング液とし
て、これを抵抗10Ω/cm2のITO付き透明導電ガラ
ス基板の導電膜とは反対側面にスプレー塗布し、室温で
20分放置後、150℃で30分加熱し、厚さ約15μ
mの紫外線吸収層のついた透明導電ガラス基板を作製し
た。鉛筆硬度は6Hであった。この紫外線吸収層上にN
−L710(東燃製)をディップコートし、室温にて2
0分放置後、200℃にて1時間焼成し,95℃、80
%RHの雰囲気で硬化させ膜厚1μm程度のオーバーコ
ート層を得た。オーバーコート層を作製した紫外線吸収
膜の鉛筆硬度は9H,テーバー摩耗試験ではΔH7〜8
%であった。この透明導電基板の分光透過率を図10に
示した。発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 10×10cmの前記紫外線吸収層を有する透明導電基板
上に実施例1と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を
作製した。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を相対向せしめ、周辺を
エポキシ樹脂で5mm幅でシールし、内部に電解液であ
るLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1M/
リットル)を真空注入して注入口をエポキシ樹脂で封止
した。ついで発色材および対向電極の各々にリード線を
接続して調光体とした。次いで得られた調光体の性能評
価を下記の各試験に基づいて評価した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.09であった。続
いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよ
うに1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに
着色は消滅し、この際の光学密度は0.20であった。
この際着色時と消色時の光学密度差は、0.89であっ
た。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0035】実施例7紫外線吸収塗布液の製造 3-アミノプロピルトリエトキシシラン3gと実施例6
のエポキシシラン重合体溶液11gをキシレン32gに
溶解し、80℃に加熱しながら化合物I5gを徐々に添
加した。添加終了後、130℃まで昇温し3時間還流
し、紫外線吸収材料を得た。前記溶液状の紫外線吸収材
料をコーテング液として、これを抵抗10Ω/cm2のI
TO付き透明導電ガラス基板の導電膜とは反対側面にス
プレー塗布し、室温で20分放置後、150℃で30分
加熱し、厚さ約15μmの紫外線吸収層のついた透明導
電ガラス基板を作製した。鉛筆硬度は5Hであった。こ
の紫外線吸収層上に,トスガード510をスプレー塗布
し、室温で20分放置後、140℃で30分加熱し、膜
厚4〜5μmのオーバーコート層を得た。オーバーコー
ト層を作製した紫外線吸収層の鉛筆硬度は7〜8H,テ
ーバー摩耗試験ではΔH8〜10%であった。この透明
導電基板の分光透過率を図11に示した。発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 10×10cmの前記紫外線吸収層を有する透明導電基板
上に実施例1と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を
作製した。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を相対向せしめ、周辺を
エポキシ樹脂で5mm幅でシールし、内部に電解液であ
るLiClO4のプロピレンカーボネート溶液(1M/
リットル)を真空注入して注入口をエポキシ樹脂で封止
した。ついで発色材および対向電極の各々にリード線を
接続して調光体とした。次いで得られた調光体の性能評
価を下記の各試験に基づいて評価した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.08であった。続
いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよ
うに1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに
着色は消滅し、この際の光学密度は0.21であった。
この際着色時と消色時の光学密度差は、0.87であっ
た。 紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0036】実施例8発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 10×10cmの実施例7で作製した紫外線吸収層を有す
る透明導電基板上に実施例1と同様に活性炭繊維を配置
し、対向電極を作製した。固体系イオン伝導物質前駆体の作製 メトキシポリエチレングリコール#230メタクリレー
ト(新中村化学製,M−40G)1gとポリエチレング
リコール#400ジメタクリレート(新中村化学製,9
G)0.02gと光重合開始剤(ダロキュアー117
3,チバガイギー製)20mgを1M-LiClO4/
γ-ブチロラクトン溶液4gに溶解させ、固体系イオン
伝導物質前駆体とした。調光体の作製 前記発色材電極と前記対向電極を粒径200μmのガラ
スビーズを挟んで相対向せしめ、周辺をエポキシ樹脂で
5mm幅でシールし、内部に前述の固体系イオン伝導物
質前駆体を真空注入して、紫外線硬化後、注入口をエポ
キシ樹脂で封止した。ついで発色材および対向電極の各
々にリード線を接続して調光体とした。次いで得られた
調光体の性能評価を下記の各試験に基づいて評価した。着消色試験 実施例1と同様の条件で、着消色試験を行ったところ、
青色に均一に着色し、着色時の光学密度は1.15であ
った。続いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極
となるように1Vの電圧を60秒間印加したところ、す
みやかに着色は消滅し、この際の光学密度は0.25で
あった。この際着色時と消色時の光学密度差は、0.9
0であった。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0037】実施例9中間層の作製 抵抗10Ω/cm2のITO付き透明導電ガラス基板の導
電膜とは反対側面にZnO超微粒子分散塗料(レジノカ
ラー工業社製、UV−S−400)をディップコートに
より塗布し、200℃で20分加熱硬化させることによ
って、厚さ約2μmの紫外線吸収層を作製した。この上
にポリエーテルサルフォン(ICI社製、`VICTR
EX´PES 4100P)の塩化メチレン溶液をスピ
ンコートすることにより、厚さ約2μmのポリマー層を
作製した。紫外線吸収層の作製 さらに、実施例7で作製したのと同様に、厚さ約15μ
mの紫外線吸収層を作製した。オーバーコート層の作製 こうして得られた紫外線吸収層の上に、ポリイミドワニ
ス(日産化学工業社製、RN−812)をスピンコート
した。ホットプレート上60℃で溶媒が乾燥させた後、
オーブン中200℃で30分加熱硬化させることによっ
て、厚さ約2μmのオーバーコート層を得た。発色材電極の作製 こうして得られた紫外線遮断能を有する透明導電基板1
0×10cmを用いて、5モル/リットルの塩酸アニリ
ン、0.5規定の過塩素酸溶液中で、500μA/cm
2の電流密度で電解重合を行い、重合面積70cm2、厚
さ約3000オングストロ−ムのポリアニリン膜を得
た。対向電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、電解重合で得られ
た表面積73m2/gのポリピロール粉末を、実施例1
と同様な導電性接着剤を用いて横縞状に接着した。この
際、線間隔1cm、線幅0.5mm、ポリピロール粉末
の使用量は0.65mg/cmとした。次に、ポリピロ
ール層の上にポリエステルフィルムを接着して、絶縁層
を設け対向電極とした。イオン伝導性ゲル前駆体の調整 メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート10
g、γ−ブチロラクトン40g、過塩素酸リチウム4g
を混合し、遮光下で、光重合開始剤ダロキュアー117
3(チバガイギー製)0.2gを添加した。調光体の作製 実施例8と同様に、イオン伝導性ゲル前駆体を真空中入
し、調光体を作製した。着消色試験 実施例1と同様の条件で、着消色試験を行ったところ、
青色に均一に着色し、着色時の光学密度は0.65であ
った。続いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極
となるように1Vの電圧を60秒間印加したところ、す
みやかに着色は消滅し、この際の光学密度は0.20で
あった。この際着色時と消色時の光学密度差は、0.4
5であった。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下、光学密度差
の低下等はほとんどみられず、きわめて安定したサイク
ル特性であった。
【0038】比較例1発色材電極の作製 10×10cmのITOガラス上に、実施例1と同様にW
3を蒸着し、発色材電極を作製した。対向電極の作製 実施例2と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を作製
した。調光体の作製 実施例1と同様に、電解液を真空中入し、調光体を作製
した。着消色試験 次に、発色材電極側が負極、対向電極側が正極となるよ
うに1Vの電圧を120秒間印加したところ、青色に均
一に着色し、着色時の光学密度は1.08であった。続
いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極となるよ
うに1Vの電圧を60秒間印加したところ、すみやかに
着色は消滅し、この際の光学密度は0.20であった。
この際着色時と消色時の光学密度差は、0.88であっ
た。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下が観察され、
光学密度差は、0.25に減少した。
【0039】比較例2無機紫外線吸収層の作製 抵抗10Ω/cm2のITO付き透明導電ガラス基板の導
電膜とは反対側面にZnO超微粒子分散塗料(レジノカ
ラー工業社製、UV−S−400)をディップコートに
より塗布し、200℃で20分加熱硬化させることによ
って、厚さ約2μmの紫外線吸収層を作製した。この透
明導電基板の分光透過率を図12に示した。発色材電極の作製 実施例1と同様にWO3を蒸着し、発色材電極を作製し
た。対向電極の作製 実施例2と同様に活性炭繊維を配置し、対向電極を作製
した。調光体の作製 実施例8と同様に、イオン伝導性ゲル前駆体を真空中入
し、調光体を作製した。着消色試験 実施例1と同様の条件で、着消色試験を行ったところ、
青色に均一に着色し、着色時の光学密度は1.15であ
った。続いて、発色材電極側が正極、対向電極側が負極
となるように1Vの電圧を60秒間印加したところ、す
みやかに着色は消滅し、この際の光学密度は0.25で
あった。この際着色時と消色時の光学密度差は、0.9
0であった。紫外線照射下でのサイクル試験 前記着色試験と消色試験をサンテスター内で1200回
行ったが、着色の消え残り、応答性の低下が観察され、
光学密度差は、0.65まで減少した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレクトロクロミック素子の構造説明
図である。
【図2】本発明の他のエレクトロクロミック素子の構造
説明図である。
【図3】本発明の他のエレクトロクロミック素子の構造
説明図である。
【図4】本発明の他のエレクトロクロミック素子の構造
説明図である。
【図5】本発明の他のエレクトロクロミック素子の構造
説明図である。
【図6】実施例1で作製した透明導電基板の分光透過率
を各々表すグラフである。
【図7】実施例3で作製した透明導電基板の分光透過率
を各々表すグラフである。
【図8】実施例4で作製した透明導電基板の分光透過率
を各々表すグラフである。
【図9】実施例5で作製した透明導電基板の分光透過率
を各々表すグラフである。
【図10】実施例6で作製した透明導電基板の分光透過
率を各々表すグラフである。
【図11】実施例7で作製した透明導電基板の分光透過
率を各々表すグラフである。
【図12】比較例2で作製した透明導電基板の分光透過
率を各々表すグラフである。
【符号の説明】
1a,1b 透明基板 2a,2b 透明電極 3 紫外線吸収層 4 エレクトロクロミック層 5 シール剤 6 イオン伝導性物質 7 中間層 8 オーバーコート層 9 不透明基板 10 不透明電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 錦谷 禎範 横浜市中区千鳥町8番地 日本石油株式会 社中央技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも内側面に電極を有する一対の
    対向導電基板と対向導電基板の間に挟持して設けたイオ
    ン伝導物質と、導電基板の内側面の電極およびイオン伝
    導性物質の間の少なくとも一方に設けたエレクトロクロ
    ミック性物質を含む層とを備えたエレクトロクロミック
    素子であって、 前記対向導電基板の少なくとも一方が透明導電基板であ
    り、この透明導電基板が透明基板、透明電極、および透
    明電極とは反対側の透明基板面に紫外線吸収層を有し、
    該紫外線吸収層が、少なくとも、 (a)一般式(1)に示されるアミノシラン化合物また
    はその誘導体と、 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜10のアルキレン基、または
    一般式−(CH2m−NH−[mは1≦m≦4の整数]
    で表される2価の基を示し、各々のR2は同一若しくは
    異なる基であって、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、
    炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアル
    コキシ基を示す。但し全てのR2のうち少なくとも一つ
    はアルコキシ基若しくは水酸基を示す。nはn≧0の整
    数を示す。) (b)分子内にカルボキシル基を有する紫外線吸収剤
    と、を反応させ、前記アミノシラン化合物又はその誘導
    体に由来するアミド結合が生成した成分を、前記透明基
    板の上に塗布、硬化することによって作製されているこ
    とを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 【請求項2】 前記紫外線吸収層上にオーバーコート層
    を設けた請求項1記載のエレクトロクロミック素子。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003107263A (ja) * 2001-09-26 2003-04-09 Sumitomo Bakelite Co Ltd 光導波路の製造方法
JP2009042578A (ja) * 2007-08-09 2009-02-26 Andes Denki Kk 光制御多層膜構造体および調光構造体

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