JPH10206743A - 蛍光顕微鏡 - Google Patents

蛍光顕微鏡

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JPH10206743A
JPH10206743A JP9010521A JP1052197A JPH10206743A JP H10206743 A JPH10206743 A JP H10206743A JP 9010521 A JP9010521 A JP 9010521A JP 1052197 A JP1052197 A JP 1052197A JP H10206743 A JPH10206743 A JP H10206743A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、有害な紫外線を確実に排除でき、し
かもケージド試薬解除用光源による照明範囲を精度よく
設定できる蛍光顕微鏡を提供する。 【解決手段】標本8のケージド試薬を解除するケージド
試薬解除用光源装置20の紫外線フラッシュ光専用光源
16による標本8上の照明範囲を確認するため、フラッ
シュ光照明範囲確認用光源装置37の照明用光源34に
より視野絞り19を照明する際、可倒式全反射ミラー3
3により紫外線フラッシュ光専用光源16の照明光をし
ゃ断し、この照明光をしゃ断した状態で、視野絞り19
で設定された照明用光源34による紫外線フラッシュ光
専用光源16の標本8上の照明範囲と透過照明用光源1
3の照明により得られた標本8の透過像を重ね合わせて
観察可能にしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケージド試薬解除
用光源装置を有する蛍光顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、生体機能を調査するためのケージ
ドカルシウム、ケージドATPに代表されるケージド試
薬の解除用光源装置を有する顕微鏡が知られている。と
ころで、生体反応に関する物質を添加しその作用機能を
調査するには、拡散の影響を無視できるように細胞や組
織の任意の場所にケージド試薬を加えることが行われて
いる。
【0003】このようなケージド試薬は、紫外線を照射
することにより活性化され、本来の性質を示す物質で、
例えばケージドカルシウムにおいては、カルシウムイオ
ンがケージド基に囲われていて、可視領域の光を当てて
も変化しないが、紫外域の光を当てるとケージド基が外
れてカルシウムイオンを遊離し、これにより細胞または
組織内の特定の場所のカルシウムイオンの濃度を上昇さ
せることによって、カルシウムイオンのみの変化によっ
て引き起こされる生体の反応を調査することなどに使わ
れる。
【0004】このようにして、生体の特定の機能を断定
するのにケージド試薬は有効な手段として多く用いられ
ている。しかして、従来、ケージド試薬解除用光源装置
を有する蛍光顕微鏡として図12に示すように構成した
ものがある。
【0005】この場合、落射観察・測光光源装置1の落
射照明用光源2から出射された光を、集光レンズ3を通
して干渉フィルタ4により励起光として波長を制限し、
さらに視野絞り5を通したのち、レンズ51を介してダ
イクロイックミラー6で反射させて、対物レンズ7より
標本8面を照射し、この標本8からの反射光または蛍光
をダイクロイックミラー6を透過させ全反射ミラー9で
光路を変え、接眼レンズ10に結像するようにして、標
本8の観察像を接眼部11で確認可能にしている。一
方、透過観察用光源装置12の透過照明用光源13から
出射された光を標本8面を照射することで、標本8の透
過像を接眼部11に結像できるようにもしている。そし
て、ケージド試薬の解除、つまりケージド試薬に対し集
中してエネルギーを与え、カルシウムイオンを遊離させ
るための光源として、標本8に斜め上方にファイバー1
4を配置していて、このファイバー14より導光された
紫外線フラッシュ光を標本8面に照射するようにしてい
る。
【0006】なお、15は、ケージド試薬解除にともな
うカルシウムイオンの変化量を蛍光強度から測定するた
めのフォトディテクタやビデオカメラなどの光電変換装
置である。
【0007】ところが、このようにファイバー14から
の紫外線フラッシュ光を、いきなり標本8面に照射する
構成では、標本8面上のフラッシュ光の照射したい範囲
を設定できないばかりか、照明範囲の確認も困難であ
り、このため、フラッシュ光の照明範囲を微小な範囲に
絞り込むことは難しかった。
【0008】そこで、従来、この種の蛍光顕微鏡の他の
例として、特開平6−160724号公報に開示された
構成のものが考えられている。この蛍光顕微鏡は、図1
2と同一部分には同符号を付した図13に示すように、
落射観察・測光光源装置1とともに、さらに紫外線フラ
ッシュ光専用光源16、集光レンズ17、バンドパスフ
ィルタ18、フラッシュ光照射範囲を規定する視野絞り
19および視野絞り照明用光源20を有するケージド試
薬解除用光源装置21を有し、これらケージド試薬解除
用光源装置21のフラッシュ光専用光源16と視野絞り
照明用光源20からのそれぞれの光が、ダイクロイック
ミラー22により落射観察・測光光源装置1の落射照明
用光源2と同軸になるように構成している。
【0009】このような構成によれば、視野絞り19の
視野絞りによる視野内に、紫外線フラッシュ光専用光源
16からのフラッシュ光の照明範囲を設定でき、この視
野絞りを照明する光源20が、紫外線フラッシュ光専用
光源16の光路上に配置されることで、標本8面上にフ
ラッシュ光照明範囲を結像して接眼部11で確認できる
ようになる。また、視野絞り19を任意の位置に移動す
ることで、フラッシュ光の照射位置を任意に設定できる
ようにもなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように構成したも
のは、紫外線フラッシュ光を標本8面に照射する場合、
まずフラッシュ光の照明範囲と位置を決定しなければな
らないが、この照明範囲と位置は、視野絞り19の視野
絞りにより行われる。このため、照明用光源20を点灯
して視野絞り19を照明し、標本8上に投影された視野
絞り像を接眼部11で観察しながら、視野絞り19によ
る視野絞り像の位置と大きさを設定するが、この時、紫
外線フラッシュ光のみを透過させるバンドパスフィルタ
18を光路から外しておく必要がある。
【0011】ところが、ケージド試薬解除用光源装置2
1では、照明用光源20とフラッシュ光専用光源16と
が同一光路上に配置されているため、視野絞りの設定中
に誤ってフラッシュ光専用光源16が発光されると、目
に有害な紫外線光が標本8上に照射される。この時、標
本8と接眼レンズ10との間には、ダイクロイックミラ
ー6が配置されるため、紫外線は除去できるが、波長特
性の異なるダイクロイックミラーもしくはハーフミラー
が誤って挿入されていると、紫外線が完全に除去できな
いという問題があった。
【0012】また、照明用光源20と視野絞り19との
間に紫外線フラッシュ光専用光源16が存在するため、
照明用光源20からの光は紫外線フラッシュ光専用光源
16に遮られ、視野絞り19を十分に照明できず、さら
に、この視野絞り19による視野絞り像は、ダイクロイ
ックミラー6で反射させて、標本8面に投影し、この標
本8からの反射光を接眼部11で確認するようになる
が、この時、ダイクロイックミラー6でのロスは大きな
ものになるため、標本8面に投影される紫外線フラッシ
ュ光の視野絞り像が暗くなり確認が困難になるという問
題もあった。
【0013】さらに、標本8は、落射観察・測光光源装
置1により視野全体を照明され、標本8上のフラッシュ
光照明範囲は照明用光源20および視野絞り19により
照明される。この場合、光源2からの照明は、干渉フィ
ルタ4を通した特定の波長光からなるため、標本8は、
蛍光観察と同じ状態で照明されることになる。ところ
で、ケージド試薬の使用目的が、細胞や組織の特定の位
置の状態を観察することから考えると、視野絞り19で
の範囲や位置の設定は、視野全体を観察しながら行うこ
とが必要である。ところが、視野絞り19の調整のため
長時間視野全体を照明するような蛍光観察では、時間と
ともに蛍光が褪色するという問題があり、このため、視
野絞り19での位置設定中に蛍光の褪色が進むと、位置
設定そのものが困難になり、また、視野絞り19での位
置設定ができたとしても、その後の観察や測光ができな
くなるという問題があった。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、有害な紫外線を確実に排除でき、しかもケージド試
薬解除用光源による照明範囲を精度よく設定できる蛍光
顕微鏡を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
標本のケージド試薬を解除するためのケージド試薬解除
用光源と、このケージド試薬解除用光源による前記標本
上の照明範囲を確認するための照明用光源と、前記ケー
ジド試薬解除用光源または前記照明用光源により照明さ
れ前記標本面上の前記ケージド試薬解除用光源の照明範
囲を設定する絞り手段と、前記照明用光源による前記絞
り手段の照明中に前記ケージド試薬解除用光源の照明光
をしゃ断する光しゃ断手段とを具備し、前記光しゃ断手
段により前記ケージド試薬解除用光源の照明光をしゃ断
した状態で、前記絞り手段を介して設定された前記照明
用光源による前記ケージド試薬解除用光源の前記標本上
の照明範囲を観察可能にしている。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載にお
いて、さらに、透過照明用光源を有し、この透過照明用
光源により照明される前記標本の透過像と、前記絞り手
段を介して設定された前記照明用光源による前記ケージ
ド試薬解除用光源の前記標本上の照明範囲を重ね合わせ
て観察可能にしている。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載において、さらに観察照明用光源、この観察照明用
光源からの光が入射され且つ出射側を環状に形成された
ファイバ、このファイバより出射した光を集光して標本
面を照明する光学系を有し、前記絞り手段を通った前記
ケージド試薬解除用光源または前記照明用光源からの光
を、前記ファイバを通る前記観察照明用光源からの光と
同軸的に導光するようにしている。
【0018】この結果、請求項1記載の発明によれば、
絞り手段を介して設定された照明用光源によるケージド
試薬解除用光源の標本上の照明範囲を観察している状態
では、光しゃ断手段によりケージド試薬解除用光源の照
明光をしゃ断することができるので、絞り手段の調整中
などに誤ってケージド試薬解除用光源が発光することが
あっても、目に有害となる紫外線が観察者の目に届くよ
うなことを皆無にできる。また、照明用光源と絞り手段
の間には、他の光源が位置されるようなこともないの
で、照明用光源により絞り手段を効率よく照明できる。
【0019】また、請求項2記載の発明によれば、標本
の透過像と、絞り手段を介して設定された照明用光源に
よるケージド試薬解除用光源の標本上の照明範囲とを重
ね合わせて観察できるので、標本像を確認しながら標本
上でのケージド試薬解除用光源の照明範囲を精度よく設
定することができる。
【0020】また、請求項3記載の発明によれば、観察
照明用光源の光によりファイバを通して標本面を照明で
きるので、標本の観察像に一様な明るさが得られ、精度
の高い標本観察を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従い説明する。 (第1の実施の形態)図1および図2は、本発明が適用
されるケージド試薬解除用光源装置を有する顕微鏡の概
略構成を示すもので、図12と同一部分には、同符号を
付している。
【0022】この場合、落射観察・測光光源装置1は、
図12に示す視野絞り5に代えてシャッタ30を設け、
このシャッタ30を通した照明光をファイバ束31の入
射端に入射するようにしている。
【0023】ここで、ファイバ束31は、図3に示すよ
うに入射側が棒状で、各ファイバの出射端を環状に配置
して環状出射面とし、さらに出射側端部の側面に穴部3
11を形成し、この穴部311から環状出射面の中心軸
を通る紫外線フラッシュ光専用光源16からの光と、フ
ァイバ束31を通る照明用光源2からの光が同軸的に導
光されるようにしている。
【0024】そして、このようなファイバ束31の環状
出射端面より出射した光は、リング状レンズ32で集光
し、ダイクロイックミラー6で反射して、対物レンズ7
により標本8面を均一照明できるようにしている。
【0025】また、ケージド試薬解除用光源装置21
は、バンドパスフィルタ18と視野絞り19の間に紫外
線フラッシュ光専用光源16からのフラッシュ光を遮光
する機能を有する可倒式全反射ミラー33を挿入可能に
し、さらに、照明用光源34、バンドパスフィルタ3
5、集光レンズ36を有するフラッシュ光照明範囲確認
用光源装置37を有していて、このフラッシュ光照明範
囲確認用光源装置37の照明用光源34からの照明光を
可倒式全反射ミラー33での全反射により視野絞り19
側に照射できるようにしている。
【0026】この場合、フラッシュ光照明範囲確認用光
源装置37に用いられる照明用光源34は、ハロゲン灯
などの可視光光源、もしくはLEDなどとし、人体に有
害な紫外光を発しないものとする。また、バンドパスフ
ィルタ18と視野絞り19の間の光路に可倒式全反射ミ
ラー33が挿入されない図1に示す場合は、光路上にダ
イクロイックミラー6が配置され、可倒式全反射ミラー
33が光路中から退避された図2に示す場合は、ダイク
ロイックミラー6に代わってハーフミラー38が選択配
置されるようになっている。
【0027】なお、上述の標本8に用いられるケージド
カルシウム(Nitr5)のようなケージド試薬は、紫外光に
反応し活性化する物質であるので、通常の蛍光観察の際
に紫外光を照射してしまうと、ケージド基が解除してし
まい、正確な観察、測定ができなくなるおそれがある。
そこで、可視光で励起でき、蛍光観察を行える試薬とし
て、例えば、細胞にカルシウム指示薬fluo-3を導入して
観察、測定を行うようにしている。
【0028】しかして、このような構成において、ま
ず、標本8の観察を行う。この場合、図1において、落
射観察・測光光源装置1の落射照明用光源2を点灯する
と、この光源2から発せられた光は、集光レンズ3を透
過し、干渉フィルタ4により励起光として波長を限定さ
れ、シャッタ30を通ってファイバ束31入射端に入射
される。
【0029】そして、このファイバ束31の環状出射面
より出射された光は、リング状レンズ32により集光さ
れ、ダイクロイックミラー6で反射され、対物レンズ7
により標本8面を照射する。
【0030】標本8面を均一に照明するためには、リン
グ状のレンズ32を最適に設定することによって可能と
なる。標本8面に照射された光は、この標本8面で反射
され、もしくは標本8からの蛍光がダイクロイックミラ
ー6を透過して全反射ミラー9に与えられ、ここで光路
を変えられ、接眼レンズ10を通して接眼部11に結像
される。これにより、落射観察・測光光源装置1により
照明された標本8の観察像が接眼部11で確認できるこ
とになる。
【0031】この場合、具体的には、落射観察・測光光
源装置1の干渉フィルタ4を490nm付近に、ダイクロイ
ックミラー6を505nm 付近に設定して照明すると、標本
9の細胞内に遊離しているカルシウムイオンにfluo-3が
結合しているため、fluo-3の蛍光波長530nm 付近である
ので、この蛍光像は、ダイクロイックミラー6を透過し
て接眼部11で確認することができる。
【0032】なお、透過観察用光源装置12の透過照明
用光源13より発せられる光を標本8面に照射し、ここ
での透過光を対物レンズ7を介して接眼レンズ10で結
像させることで、この時の透過光による位相差、微分干
渉などにより細胞の位置確認もできる。
【0033】次に、細胞内のケージド試薬の解除範囲を
決定するためのフラッシュ光照明範囲を確認する。この
場合、図2に示すように、ケージド試薬解除用光源装置
21のバンドパスフィルタ18と視野絞り19の間の光
路中に可倒式全反射ミラー33を挿入する。
【0034】この状態で、フラッシュ光照明範囲確認用
光源装置37の照明用光源34を点灯すると、この照明
用光源34から発せられた光は、バンドパスフィルタ3
5、集光レンズ36を通り、可倒式全反射ミラー33に
送られ、ここでの全反射により、光路を変えて、視野絞
り19に照射される。
【0035】そして、この視野絞り19を通過した光
は、ファイバ束31の中心軸に沿ってダイクロイックミ
ラー6に代わって選択配置されたハーフミラー38に入
射され、ここで標本8と反対側に偏向され、さらに全反
射ミラー9で光路が偏向され、接眼レンズ10で結像さ
れる。
【0036】また、これと同時に、透過観察用光源装置
12の透過照明用光源13より光が発せられ、この透過
照明用光源13の光は、標本8面を照明するとともに、
この標本8を透過され、この透過像がハーフミラー38
を透過し、全反射ミラー9で偏向され接眼レンズ10で
結像される。
【0037】これにより、接眼部11において、標本8
の透過像に対して視野絞り19の開口像がフラッシュ光
照明範囲として重ね表示されるようになり、実際に標本
8にフラッシュ光を照明する際の範囲を確認することが
できるようになる。つまり、細胞内のケージド試薬の解
除範囲を決定するのに、光路中に可倒式全反射ミラー3
3が挿入されると、フラッシュ光照明範囲確認用光源装
置37とハーフミラー38により視野絞り19の開口像
が接眼部11に投影され、また、これと同時に透過観察
用光源装置12によって、細胞の透過像が接眼部11に
投影されているので、これらを重ね合わせたものが確認
できるようになる。また、視野絞り19は、その平面方
向に可動であり、大きさも可変であるので、接眼部11
を覗きながら細胞の任意の部位に視野絞り19の像を合
わせることができる。
【0038】なお、このようにフラッシュ光照明範囲確
認のために可倒式全反射ミラー33が光路に挿入される
と、これと同時に、落射観察・測光光源装置1でのシャ
ッタ30が閉じ、落射照明用光源2からの光を遮蔽する
ようになる。また、可倒式全反射ミラー33は、光源1
6から発せられる光を完全に遮断するようにシャッタの
機能も兼ねている。勿論、別途にシャッタを設けてもよ
い。また、これらの動作が完了しないと、ダイクロイッ
クミラー6からハーフミラー38に切り替えることがで
きないようなロック機能も有している。逆に、ハーフミ
ラー38からダイクロイックミラー6に切り替える作業
が終了しないと落射観察用光源装置1のシャッタ30は
開かず、また、可倒式全反射ミラー33はケージド試薬
解除用光源装置21の光路から退避しない。
【0039】このようにして、ケージド試薬解除用光源
装置21の紫外線フラッシュ光専用光源16から発せら
れる紫外光が直接接眼部11に届かないような配慮とし
ている。
【0040】また、ダイクロイックミラー6とハーフミ
ラー38との相対位置関係は、これらの厚さを考慮する
と、切り替えたときに図4に示すような関係になってい
れば、フラッシュ光照射時と観察時とで標本に対するフ
ラッシュ光照明範囲の位置ずれは生じない。すなわち、
フラッシュ光照射時においては、視野絞り19を通過し
たフラッシュ光は、光路401を通り、ダイクロイック
ミラー6によって標本8の方向に反射し、光路402を
通って標本8面に照射される。そして、標本8からの反
射光、もしくは蛍光は、再び光路402を通ってダイク
ロイックミラー6に達し、これを透過し、光路403b
を通って接眼部11へ導かれる。
【0041】一方、フラッシュ光照明範囲確認時におい
ては、フラッシュ光照明範囲確認用光源装置37の照明
用光源34の光が、同様に視野絞り19を通過して光路
401を通り、今度はハーフミラー38に与えられ、光
路403aを通って接眼部11に導かれる。この時、透
過観察用光源装置12の透過照明用光源13より発せら
れ、標本8面を透過した光は、光路402を通ってハー
フミラー38を透過したのち、光路403aを通るの
で、標本像と視野絞り19の開口像は完全に重なって確
認できる。
【0042】なお、ダイクロイックミラー6とハーフミ
ラー38とを切り替えると、接眼部11における像は、
光路403aと光路403bのようなずれを生じるが、
標本8面を透過した標本像とフラッシュ光照明範囲確認
のための視野絞り像との相対的なずれは生じない。ま
た、視野絞り19を光路軸の外に移動させて視野絞り開
口像を視野中心から外したような場合でも、ダイクロイ
ックミラー6とハーフミラー38の厚さを十分に薄いも
のと考えると、ほとんどずれは生じない。
【0043】これにより、フラッシュ光照明範囲確認時
に視野内の標本8の所望部位に視野絞り19の開口像を
合わせれば、フラッシュ光照射時において、所望の部位
にフラッシュ光を照射することができる。
【0044】このようにして細胞に対するフラッシュ光
の照明範囲が決定したらば、再びハーフミラー38から
ダイクロイックミラー6に切り替える。そして、ケージ
ド試薬解除用光源装置21の紫外線フラッシュ光専用光
源16を点灯する。すると、光源16から発せられたフ
ラッシュ光は、集光レンズ17を透過され、バンドパス
フィルタ18によって励起光として波長を限定され、視
野絞り19に照射される。そして、この視野絞り19を
通過した光は、レンズ51を透過し、ダイクロイックミ
ラ6で反射され対物レンズ7によって標本8面上に視野
絞り19の開口像として結像される。
【0045】そして、標本8面上でのカルシウムイオン
の変化量は、蛍光強度として、フォトディテクタやビデ
オカメラなどを用いた光電変換装置15により測定され
る。この場合、ケージド試薬解除用光源装置21のバン
ドパスフィルタ18として、360nm 付近の波長を有する
ものを用い、標本8上の特定された細胞位置にフラッシ
ュ光が照射されると、この照射された範囲内のケージド
カルシウムが解除され、カルシウムイオンが遊離して、
この部位でのみのカルシウムイオン濃度が上昇する。
【0046】すると、この遊離したカルシウムイオン
は、fluo-3と結合し、特定の波長を持つ励起光を照射す
ると、蛍光を発することから、この蛍光強度が光電変換
装置15によって測定される。つまり、細胞の特定部位
のカルシウムイオンの上昇から、例えば細胞が伝達物質
を放出するなどの機能を調査することによって、カルシ
ウムイオン濃度との相関を調べることなどが可能にな
る。
【0047】なお、視野絞り19は、可動式で、平面方
向への移動、絞り形状の可変を可能であるから、標本8
面上には、任意の位置および範囲に視野絞り像を形成で
きる。すなわち、標本8面上の任意の位置および範囲
で、フラッシュ光の照明が可能になる。また、紫外線フ
ラッシュ光専用光源16としては、通常セキノンフラッ
シュ、パルスレーザなどが用いられるが、例えば、図5
に示すように紫外線フラッシュ光専用光源16として、
水銀灯やセキノン灯などを用い、この光源16の前面光
路に電磁シャッタ39を配置するようにしてもよい。ま
た、視野絞り19は、上述の可変式に限らず、交換式の
ものを採用することもできる。
【0048】従って、このようにすれば、落射観察・測
光光源装置1の照明用光源2からの光を、出射側を環状
に形成したファイバ束31に入射し、このファイバ束3
1より出射した光をリング状レンズ32で集光し、ダイ
クロイックミラー6で反射させて、対物レンズ7により
標本8面を照明できるようにしたので、標本の観察像に
一様な明るさに得られ、常に正確な観察像の確認を行う
ことができる。
【0049】また、透過観察用光源装置12の透過照明
用光源13より発せられる光を標本8面に照射し、ここ
での透過光をダイクロイックミラー6に代わって配置さ
れたハーフミラー38を透過し、接眼レンズ10で結像
させると同時に、光路中に挿入された可倒式全反射ミラ
ー33で反射されたフラッシュ光照明範囲確認用光源装
置37の照明用光源34からの光を視野絞り19を通
し、さらにハーフミラー38により標本8と反対側に反
射させ接眼レンズ10に結像させ、これら標本8の透過
像と、フラッシュ光照明範囲となる視野絞り19の開口
像を接眼部11で重ね合わせ観察できるようにしたの
で、仮に標本の形状や厚さにバラツキがあっても、フラ
ッシュ光照明範囲の確認を正確に行うことができる。
【0050】また、従来のダイクロイックミラーを使用
しないでよいので、かかるミラーでのロスも回避でき
る。さらに、かかるフラッシュ光照明範囲の確認では、
照明範囲確認用光源装置37の照明用光源34からの光
が標本8に照射されることがないので、確認動作の段階
から蛍光試薬の退色が始まるのを阻止して、本来の測定
に支障をきたすような問題も防止できる。
【0051】さらに、全反射ミラー33が光路中に挿入
され、フラッシュ光照明範囲の確認動作に移行すると、
観察・測光光源装置1およびケージド試薬解除用光源装
置21のそれぞれの光源2、16からの光を遮断できる
ので、これら光源2、16から発せられる紫外光が直接
接眼部11に届くようなことも防止できる。 (第2の実施の形態)第1の実施の形態では、落射観察
・測光光源装置1からの光と、ケージド試薬解除用光源
装置21からの光をファイバ束31を介して同軸的に導
光するようにしたが、この第2の実施の形態では、ファ
イバ束31を用いることなくダイクロイックミラーとハ
ーフミラーの組み合わせを用いている。
【0052】図6は、本発明の第2の実施の形態の概略
構成を示すもので、図1と同一部分には、同符号を付し
ている。また、ケージド試薬解除用光源装置21は、バ
ンドパスフィルタ18と視野絞り19の間に可倒式全反
射ミラー33を挿入可能にし、さらに、照明用光源3
4、バンドパスフィルタ35、集光レンズ36を有する
フラッシュ光照明範囲確認用光源装置37を有してい
て、このフラッシュ光照明範囲確認用光源装置37の照
明用光源34からの照明光を可倒式全反射ミラー33で
の全反射により視野絞り19側に照射できるようにして
いる。
【0053】ここで、可倒式全反射ミラー33は、非同
軸になっている光源16と照明用光源34からの光をダ
イクロイックミラー22に対して同軸入射させるように
している。また、バンドパスフィルタ18と視野絞り1
9の間の光路中に可倒式全反射ミラー33が挿入される
図7(a)に示す状態では、光路上にハーフミラー38
が配置され、可倒式全反射ミラー33が光路から退避さ
れる図7(b)に示す状態では、ハーフミラー38に代
わってダイクロイックミラー6が配置されるようになっ
ている。
【0054】ダイクロイックミラー6(ハーフミラー3
8)と接眼レンズ10との間に配置される全反射ミラー
9は、光路に対して挿脱可能にしていて、光路に挿入さ
れた状態で、ダイクロイックミラー6(ハーフミラー3
8)からの光を接眼レンズ10側に偏向し、光路に挿入
されない状態で、ダイクロイックミラー6(ハーフミラ
ー38)からの光を光電変換装置15に導入するように
している。
【0055】なお、431はダイクロイックミラー6
(ハーフミラー38)と全反射ミラー9との間に挿入さ
れるフィルタである。しかして、このような構成におい
て、まず、ケージド試薬解除用光源装置21の光源16
からの紫外線フラッシュ光の照明範囲と位置を設定する
場合を説明する。この場合、可倒式全反射ミラー33を
光路に挿入するとともに、ハーフミラー38をダイクロ
イックミラー6に代わって光路中に挿入する。また、フ
ィルタ431は光路から外される。
【0056】図7(a)は、この時のフラッシュ光照明
範囲確認用光源装置37の照明用光源34から出射され
る光の経路を示すもので、照明用光源34から出た光
は、バンドパスフィルタ35、集光レンズ36を通って
可倒式全反射ミラー33で反射され、視野絞り19を照
明する。ここで、バンドパスフィルタ35は、落射観察
・測光光源装置1のシャッタ30と区別するために照明
用光源34から発する光のうち特定の波長を通過させる
ようにしている。また、集光レンズ36は、照明用光源
34のピント出しのため光軸方向に移動可能にしてい
る。
【0057】視野絞り19を通過した光は、ダイクロイ
ックミラー22、ハーフミラー38で反射され、観察、
測光側に導入される。この時、ミラー9が光路内に挿入
されていれば、接眼レンズ10により観察ができる。勿
論、ミラー9が光路から外されていれば、光電変換装置
15により測光ができる。
【0058】一方、透過観察用光源装置12の透過照明
用光源13より発せられる光は、標本8をケーラー照明
する。そして、標本8を透過した光は、対物レンズ7、
ハーフミラー38を透過するが、この標本8からの光
は、視野絞り19を通過した照明範囲確認照明光と一緒
になり、観察者は、接眼レンズ10を通して標本8の像
と視野絞り19の開口像を同時に観察することができ
る。なお、透過照明による観察は、位相差観察やノマル
スキー観察などの検鏡法による観察が可能であるため、
これらの観察を利用すれば、さらに良好な標本観察がで
きる。
【0059】この場合、視野絞り19の位置と大きさの
調整中は、可倒式全反射ミラー33が紫外線フラッシュ
光専用光源16の光路を塞ぐように配置されるので、こ
の状態で、誤って光源16が発光しても、目に有害とな
る紫外線は可倒式全反射ミラー33で遮断され、観察者
の目に届くようなことはない。また、フラッシュ光照明
範囲確認用光源装置37の照明用光源34と視野絞り1
9との間に他の光源などの遮光物体が存在しないため、
視野絞り19を効率よく照明することができる。さら
に、観察・測光光源装置1の照明用光源2からの光が標
本8に照射されることがないので、標本8の褪色を防止
できる。
【0060】次に、ケージド試薬解除用光源装置21の
紫外線フラッシュ光専用光源16による紫外線フラッシ
ュ光の照射の様子を説明する。この場合、可倒式全反射
ミラー33を移動して光路から外すとともに、ハーフミ
ラー38に代わってダイクロイックミラー6を光路中に
挿入する。この場合、フィルタ431は光路中に挿入さ
れる。
【0061】図7(b)は、この時の紫外線フラッシュ
光専用光源16からの光の経路を示すもので、光源16
から出た光は、集光レンズ17、バンドパスフィルタ1
8を通過して視野絞り19を照明する。
【0062】視野絞り19を通過した光は、ダイクロイ
ックミラー22、ダイクロイックミラー6でそれぞれ反
射され、対物レンズ7を通って標本8を照射する。する
と、標本8内のケージド試薬は、照射された紫外線によ
りケージド基が外され、内部の物質が標本8内に拡散し
ていく、この拡散の様子は、落射観察・測光光源装置1
の落射照明用光源2からの蛍光照明により観察、測光が
行われる。この場合、照明用光源2から出た光のうち観
察、測光のために必要な波長のものが干渉フィルタ4を
通過される。干渉フィルタ4を通過した励起光は、ダイ
クロイックミラー22を通過し、ダイクロイックミラー
6で反射され、対物レンズ7を通って標本8を照射され
る。
【0063】そして、標本8から発生した蛍光と、標本
8(この場合はカバーガラスなど)や対物レンズ7から
反射した紫外線や励起光は、対物レンズ7を通過してダ
イクロイックミラー6に入射する。すると、ダイクロイ
ックミラー6では、これら紫外線や励起光を反射し、蛍
光のみを通過する。これによりダイクロイックミラー6
を通過された蛍光は、フィルタ431を通って接眼レン
ズ10による観察または光電変換装置15による測光が
可能になる。
【0064】従って、このようにしても上述したと同様
な効果が得られ、さらに、特殊な形状をしたファイバ束
を用いることなくダイクロイックミラー6、22および
ハーフミラー38の組み合わせにより実現できるので、
コスト的に安価にできる。 (第3の実施の形態)第2の実施の形態では、可倒式全
反射ミラー33を光路に対し出し入れするようにした
が、この第3の実施の形態では、可倒式全反射ミラー3
3に代わってフラッシュ光照明範囲確認用光源装置37
の照明用光源34をスライドして光路に出し入れできる
ようにしている。
【0065】図8および図9は、本発明の第3の実施の
形態の概略構成を示すもので、図6と同一部分には、同
符号を付している。図10(a)(b)に示すように、
フラッシュ光照明範囲確認用光源装置37の照明用光源
34、ケージド試薬解除用光源装置21のバンドパスフ
ィルタ18、ダイクロイックミラー6およびハーフミラ
ー38を同一の光路切り換えユニット42に搭載し、こ
の光路切り換えユニット42をスライド操作することに
より、視野絞り19を通る光路上に、照明用光源34と
ハーフミラー38を結ぶ光路または紫外線フラッシュ光
専用光源16、バンドパスフィルタ18およびダイクロ
イックミラー6を結ぶ光路を選択的に位置させることが
できるようになっている。
【0066】さらに、プリズム43、反射鏡44、切り
換えミラー45、測光絞り46および照明用光源47、
接眼シャッタ48を有する観測、測光光学系を設けてい
る。しかして、このような構成において、まず、紫外線
フラッシュ光専用光源16からの紫外線フラッシュ光の
照明範囲と位置を設定する場合を図9により説明する。
【0067】この場合、図示しない透過光源装置12よ
り発せられる光が、標本8を下から照明する。標本8を
透過した光は、対物レンズ7、ダイクロイックミラー2
2、ダイクロイックミラー6(この時点では、光路切り
換えユニット42をスライド操作されておらず、光路中
には、ダイクロイックミラー6が挿入されている。)を
透過し、プリズム43で反射され、接眼レンズ10によ
り標本像として観察される。この場合、標本8の褪色防
止のため、落射観察・測光光源装置1の照明用光源2か
らの励起光が標本8に照射しないように、シャッタ41
を閉じておく。
【0068】次に、図10(a)に示すようにフラッシ
ュ光照明範囲確認用光源装置37の照明用光源34とハ
ーフミラー38を結ぶ光路が視野絞り19を通る光路上
に位置するように、光路切り換えユニット42をスライ
ド操作する。この状態で、光源34から発せられる光
は、視野絞り19によって照明範囲を限定され、ハーフ
ミラー38、プリズム43で反射され、接眼レンズ10
に入射され、この接眼レンズ10により標本8の像に視
野絞り19の開口像が重なったものが観察できる。この
場合、照明用光源34から発せられる光は、標本8を照
射せず直接接眼レンズ10に入るため、、視野絞り19
の開口像を確認できる程度のLEDや光量を調整できる
可視光を使用できる。
【0069】また、光電変換装置15により標本8上の
測光される位置は、次のようにして確認される。この場
合、照明用光源47から発せられた光は、可倒式の切り
換えミラー45で反射され、測光絞り46によって範囲
を限定され、プリズム43、反射鏡44で反射され、再
びプリズム43に入射され、接眼レンズ10により測光
絞り46の像を結ぶ。
【0070】これにより、接眼レンズ10によって、標
本8の像に視野絞り19の開口像を加え、さらに測光位
置を示す測光絞り46の開口像を同時に重ね合わせ、確
認することができる。ここで、視野絞り19の開口像と
測光絞り46の開口像が同時に表示されるので、これら
を区別するため、それぞれの光源の色を変えられるよう
に、LEDの色を変えたり、色ガラスを設定するような
工夫もなされている。
【0071】また、この場合、紫外線フラッシュ光専用
光源16の手前に光路切り換えユニット42が挿入され
ているので、この紫外線フラッシュ光専用光源16のシ
ャッタの役目を光路切り換えユニット42に持たせるよ
うにすれば、この状態で、誤って、光源16が発光して
も、目に有害となる紫外線は、光路切り換えユニット4
2により遮断され、観察者の目に届くようなことはな
い。また、照明用光源34と視野絞り19との間に他の
光源が存在しないため、視野絞り19を効率よく照明す
ることができる。さらに、観察・測光光源装置1の照明
用光源2からの光が標本8に照射されることがないの
で、標本8の褪色を防止できる。
【0072】次に、紫外線フラッシュ光専用光源16に
よる紫外線フラッシュ光の照射の様子を図9により説明
する。この場合、図10(b)に示すように紫外線フラ
ッシュ光専用光源16、バンドパスフィルタ18および
ダイクロイックミラー6を結ぶ光路が視野絞り19を通
る光路上に位置するように、光路切り換えユニット42
をスライド操作する。
【0073】この状態から、落射観察・測光光源装置1
の照明用光源2を発光させると、この照明用光源2の光
は、集光レンズ3を透過し、励起フィルタ4により励起
光として波長が限定され、ダイクロイックミラー22で
反射され、対物レンズ7を通って標本8を照射される。
そして、標本8から発せられる蛍光は、ダイクロイック
ミラー22、ダイクロイックミラー6を透過してプリズ
ム43により分光され、反射光は接眼レンズ10により
観察され、また、プリズム43を透過された光は、測光
絞り46で測光が限定され、この測光絞り46を通った
蛍光量のみを光電変換装置15により測定し記録する。
この場合の測光時には、接眼レンズ10から入ってくる
迷光を防止するため接眼シャッタ48を閉じることがで
きる。
【0074】一方、紫外線フラッシュ光専用光源16か
ら出た光は、集光レンズ17、バンドパスフィルタ18
を通過して視野絞り19を照明する。そして、視野絞り
19で照明範囲を限定された光は、ダイクロイックミラ
ー6で反射され、ダイクロイックミラー6を透過され、
対物レンズ7を通って標本8を照射する。この場合、視
野絞り19を、その平面方向に移動調整することで、標
本8上の任意の位置に紫外線フラッシュ光を照明でき
る。また、測光絞り46についても、その平面方向に移
動調整することで、標本8上の任意の位置を測光するこ
とができる。
【0075】この場合、標本8内のケージド試薬は、こ
の紫外線フラッシュ光によりケージド基が外され、内部
の物質が標本8内に拡散するようになるが、この状態が
ダイクロイックミラー22、ダイクロイックミラー6よ
り紫外線や励起光が除去された蛍光量として、接眼レン
ズ10により観察または光電変換装置15により測光さ
れる。
【0076】ここで、さらに具体例を挙げて説明する
と、この場合、標本8として予めケージドカルシウム
(Nitr5)およびカルシウム指示薬fluo-3を導入した細胞
を用いるものとする。また、バンドパスフィルタ18と
して360nm付近の波長を持つ干渉フィルタを用い、
図11に示すように、ダイクロイックミラー6として、
400nm付近以上の波長を透過する特性を有するもの
を用い、さらにダイクロイックミラー22として、36
0nm付近の波長と500nm付近以上の波長を透過す
る2重透過特性を有するものを用いると、水銀やキセノ
ンなどの紫外線域を有する光源16から発光される紫外
線フラッシュ光は、バンドパスフィルタ18により36
0nmの波長に限定され、ダイクロイックミラー6で反
射され、ダイクロイックミラー22を透過し、対物レン
ズ7を通って標本8に照射される。すると、標本8の紫
外線フラッシュ光が照射された範囲のケージドカルシウ
ム(Nitr-5)のケージ基が解除され、カルシウムイオンが
遊離し、この遊離カルシウムイオンにカルシウム指示薬
fluo-3が結合するようになる。
【0077】この状態から、落射観察・測光光源装置1
の照明用光源2からの発光が、図11に示す490nm
付近の透過特性を有する励起フィルタ4を通って波長が
限定された励起光として、標本8の細胞面に照明される
と、細胞面からは530nm付近の蛍光が発せられ、こ
の蛍光を図11に示す530nm付近の透過特性を有す
るフィルタ431を通し、530nm付近のみの蛍光を
測定するように限定し、光電変換装置15により遊離カ
ルシウムイオンの変化量を測定、記録するようになる。
【0078】なお、このことを利用して、細胞の特定部
位のカルシウムイオンの上昇によって、例えば細胞が伝
達物質を放出するなどの機能を調査することによって、
カルシウムイオン濃度との相関も調べることができる。
【0079】従って、このようにしても上述したと同様
な効果が得られ、さらに光路切り換えユニット42をス
ライド操作により照明用光源34、ダイクロイックミラ
ー6およびハーフミラー38を光路に対し出し入れでき
るので、取扱い操作を簡単なものにできる。
【0080】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、絞り
手段を介して設定された照明用光源によるケージド試薬
解除用光源の標本上の照明範囲を観察している状態で
は、光しゃ断手段によりケージド試薬解除用光源の照明
光をしゃ断することができるので、絞り手段の調整中な
どに誤ってケージド試薬解除用光源が発光することがあ
っても、目に有害となる紫外線が観察者の目に届くよう
なことを皆無にできる。また、照明用光源と絞り手段の
間には、他の光源か位置されるようなこともないので、
照明用光源により絞り手段を効率よく照明できる。
【0081】また、標本の透過像と、絞り手段を介して
設定された照明用光源によるケージド試薬解除用光源の
標本上の照明範囲とを重ね合わせて観察できるので、標
本像を確認しながら標本上でのケージド試薬解除用光源
の照明範囲を精度よく設定することができる。
【0082】さらに、観察照明用光源からの光をファイ
バに通し標本面を照明できるので、標本の観察像に一様
な明るさに得られ、精度の高い標本観察を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の概略構成を示す
図。
【図2】第1の実施の形態の概略構成を示す図。
【図3】第1の実施の形態に用いられるファイバの概略
構成を示す図。
【図4】第1の実施の形態に用いられるダイクロイック
ミラーとハーフミラーとの相対位置関係を説明するため
の図。
【図5】第1の実施の形態に用いられるフラッシュ光照
明系の他例の概略構成を示す図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の概略構成を示す
図。
【図7】第2の実施の形態の動作を説明するための図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の概略構成を示す
図。
【図9】第3の実施の形態の概略構成を示す図。
【図10】第3の実施の形態に用いられる光路切り換え
ユニットの動作を説明するための図。
【図11】第3の実施の形態に用いられるダイクロイッ
クミラー、フィルタなどの透過特性図。
【図12】従来のケージド試薬解除用光源装置を有する
蛍光顕微鏡の一例を示す概略構成図。
【図13】従来のケージド試薬解除用光源装置を有する
蛍光顕微鏡の他例を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…落射観察・測光光源装置、 2…落射照明用光源、 3…集光レンズ、 4…干渉フィルタ、 5…視野絞り、 6…ダイクロイックミラー、 7…対物レンズ、 8…標本、 9…全反射ミラー、 10…接眼レンズ、 11…接眼部、 12…透過観察用光源装置、 13…透過照明用光源、 14…ファイバー、 15…光電変換装置、 16…紫外線フラッシュ光専用光源、 17…集光レンズ、 18…バンドパスフィルタ、 19…視野絞り、 20…視野絞り照明用光源、 21…ケージド試薬解除用光源装置、 22…ダイクロイックミラー、 30…シャッタ、 31…ファイバ束、 32…リング状レンズ、 33…可倒式全反射ミラー、 34…照明用光源、 35…バンドパスフィルタ、 36…集光レンズ、 37…フラッシュ光照明範囲確認用光源装置、 38…ハーフミラー、 39…電磁シャッタ、 41…シャッタ、 42…光路切り換えユニット、 43…プリズム、 44…反射鏡、 45…切り換えミラー、 46…測光絞り、 47…照明用光源。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標本のケージド試薬を解除するためのケ
    ージド試薬解除用光源と、 このケージド試薬解除用光源による前記標本上の照明範
    囲を確認するための照明用光源と、 前記ケージド試薬解除用光源または前記照明用光源によ
    り照明され前記標本面上の前記ケージド試薬解除用光源
    の照明範囲を設定する絞り手段と、 前記照明用光源による前記絞り手段の照明中に前記ケー
    ジド試薬解除用光源の照明光をしゃ断する光しゃ断手段
    とを具備し、 前記光しゃ断手段により前記ケージド試薬解除用光源の
    照明光をしゃ断した状態で、前記絞り手段を介して設定
    された前記照明用光源による前記ケージド試薬解除用光
    源の前記標本上の照明範囲を観察可能にしたことを特徴
    とする蛍光顕微鏡。
  2. 【請求項2】 さらに透過照明用光源を有し、 この透過照明用光源により照明される前記標本の透過像
    と、前記絞り手段を介して設定された前記照明用光源に
    よる前記ケージド試薬解除用光源の前記標本上の照明範
    囲を重ね合わせて観察可能にしたことを特徴とする請求
    項1記載の蛍光顕微鏡。
  3. 【請求項3】 さらに観察照明用光源、この観察照明用
    光源からの光が入射され且つ出射側を環状に形成された
    ファイバ、このファイバより出射した光を集光して標本
    面を照明する光学系を有し、 前記絞り手段を通った前記ケージド試薬解除用光源また
    は前記照明用光源からの光を、前記ファイバを通る前記
    観察照明用光源からの光と同軸的に導光することを特徴
    とする請求項1または2記載の蛍光顕微鏡。
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