JPH10205552A - 車両用自動クラッチの制御装置 - Google Patents

車両用自動クラッチの制御装置

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JPH10205552A
JPH10205552A JP9006877A JP687797A JPH10205552A JP H10205552 A JPH10205552 A JP H10205552A JP 9006877 A JP9006877 A JP 9006877A JP 687797 A JP687797 A JP 687797A JP H10205552 A JPH10205552 A JP H10205552A
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JP
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clutch
vehicle
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automatic clutch
time
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Hiroshi Tanaka
中 浩 田
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Subaru Corp
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Fuji Heavy Industries Ltd
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Publication date
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両が発進不能な時には即座に電磁クラッチ
を保護し、発進可能な時には発進駆動力を確保できる車
両用自動クラッチの制御装置を提供する。 【解決手段】 連続ストール判断手段40は、シフトポ
ジション、エンジン回転数、スロットル開度、車速に関
する特定の条件が所定時間以上継続して満たされると連
続ストール状態と判断する。すると、クラッチ保護手段
50は、車両が発進する際の車速の高低によって車両が
発進可能か発進不能かを判断し、発進不能時にはクラッ
チ保護制御の開始を早めてクラッチを保護するととも
に、発進可能時にはクラッチ保護制御の開始を遅らせて
エンジン回転数を高めに維持し、発進駆動力を確保す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両のエンジンが
発生する駆動力を変速機に伝達するとともに、その係合
状態を電気的に制御可能な車両用自動クラッチの制御装
置に関し、より詳しくは車両が発進する際のスリップに
よって自動クラッチが発熱し、その機能が低下しないよ
うに自動クラッチを保護する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のエンジンが発生する駆動力
を変速機に対して伝達するために種々のクラッチが用い
られているが、これらのクラッチのなかにはその係合状
態を電気的に制御できる自動クラッチがある。この自動
クラッチの一つに電磁クラッチがあるが、この電磁クラ
ッチは、通電するクラッチ電流の大小によってその係合
状態を正確に制御できるという優れた特性を有し、エン
ジンとベルト式無段変速機式とを接続するクラッチとし
て好適に用いられている。
【0003】ところで、車両が発進する際には、車両が
滑らかに発進できるように電磁クラッチを半係合状態と
してスリップさせるとともに、車速が所定の値に到達し
た後に電磁クラッチを完全係合状態とする発進制御が行
われる。しかしながら、車両が急な坂道で発進する際や
段差を乗り越えながら発進する際等には、エンジン回転
数がストール回転数に達した状態で電磁クラッチがスリ
ップする高負荷状態となる。そして、この高負荷状態が
長く継続すると電磁クラッチは次第に発熱して伝達可能
トルクが低下するので、発進時の動力性能が低下した
り、最悪の場合にはクラッチ電流を通電するコイルが焼
損したりするおそれがある。
【0004】そこで、高負荷状態におけるクラッチの焼
け防止を目的とした自動車用クラッチの制御方法が、特
開平6−117458号公報に記載されている。この従
来技術においては、( 1) ブレーキが踏まれず、( 2)
アクセルペダルは踏まれており、( 3) 車両は停止状態
にあり、(4)電磁クラッチがスリップ状態にある、と
いう4つの条件が満たされると、電磁クラッチの係合状
態を制御する励磁電流を増加させて電磁クラッチを完全
係合状態とし、スリップを防止して電磁クラッチを保護
するようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術においては、坂道発進時に車両の後退を防止
するべく運転者が左足でブレーキペダルを踏むと、電磁
クラッチを完全係合状態とする制御が行われず、高負荷
状態が継続することになる。また、上述した従来技術に
おいては、車両が発進不能な場合と発進可能な場合とを
区別しておらず、前記4条件が成立すると即座に電磁ク
ラッチが完全係合状態となるので、エンジン回転数が低
下して発進駆動力が不足したり、発進ショックが発生し
たりする。
【0006】そこで、本発明の目的は、上述した従来技
術が有する問題点を解消し、車両が発進不能な時には即
座に電磁クラッチを保護する制御を開始できるととも
に、車両が発進可能な時には発進駆動力を確保すること
ができる車両用自動クラッチの制御装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の車両用自動クラ
ッチの制御装置は、車両発進時に自動クラッチが高負荷
状態にあるか否かを判断する判断手段と、この判断手段
によって自動クラッチが高負荷状態にあると判断された
ときにクラッチ電流を制御して自動クラッチを完全係合
状態とするクラッチ保護手段とを備える。そして、前記
クラッチ保護手段は、車両が発進を開始した時点から自
動クラッチを完全係合とする時点までの時間の長短を、
車両の発進時の車速に基づいて制御する。好ましくは、
前記クラッチ保護手段は、車両発進時の車速がゼロであ
る場合の前記時間の長さを、それ以外の場合の前記時間
の長さより短縮する。また、前記判断手段は、エンジン
の出力が所定の出力以上であるとともにエンジンの回転
数が所定の回転数以上であり、かつ車速が所定の速度以
下である状態が所定時間以上継続したときに、自動クラ
ッチが高負荷状態にあると判断する。
【0008】すなわち、本発明によれば、車両が発進す
る際の車速が例えばゼロである場合には、クラッチ保護
手段は車両が発進不能状態にあると判断し、早めにクラ
ッチを完全係合状態としてクラッチを保護する。これに
対して、車速がゼロでない場合には車両が発進可能であ
ると判断し、クラッチを半係合状態に維持してエンジン
回転数を高めに保ち、発進駆動力を確保する。
【0009】また、本発明によれば、特定の条件が所定
時間以上継続したときに、判断手段が自動クラッチは高
負荷状態にあると判断するので、車両が発進する際の状
態の変化に追従した高度なクラッチ制御が可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明による車両用自動ク
ラッチの制御装置の一実施形態を、図1乃至図5を参照
して詳細に説明する。ここで、図1は本発明を適用した
車両の駆動系を模式的に示した図、図2は図1中に示し
た変速機電子制御ユニットのブロック図、図3は図2中
に示した連続ストール判断手段の作動を説明するフロー
チャート図、図4は図2中に示したクラッチ保護制御手
段の作動を説明するフローチャート図、図5は本発明の
車両用自動クラッチ制御装置によって制御されるクラッ
チ電流と車速およびエンジン回転数の関係を模式的に示
したグラフ図である。
【0011】本実施形態の車両用自動クラッチの制御装
置は、エンジンとベルト式無段変速機との間に介装され
る電磁粉式クラッチを制御するものである。すなわち、
図1に示したように、エンジン1が発生する駆動力は、
電磁粉式クラッチ2を介してベルト式無段変速機3に伝
達される。この電磁粉式クラッチ2は公知のもので、電
磁コイル2aに通電するクラッチ電流の大きさを制御す
ることによって、クラッチの係合度合いを制御できるよ
うにされている。前記ベルト式無段変速機3もまた公知
のもので、前後進切換用の歯車機構4と、プライマリプ
ーリ5とセカンダリプーリ6、およびこれらのプーリ
5,6間に巻き回された無端状ベルト7とを有してい
る。そして、プライマリプーリ5およびセカンダリプー
リ6の有効径を油圧制御によって変化させることによ
り、変速比を変える構成とされている。そして、前記ベ
ルト式無段変速機3によって変速された駆動力は、ディ
ファレンシャルギヤ8を介して、左右一対の駆動輪9に
伝達される。
【0012】一方、前記エンジン1の作動を制御するた
めにエンジン電子制御ユニット10が設けられている。
このエンジン電子制御ユニット10は、エンジン1のス
ロットル開度や燃料噴射量、若しくは点火時期等を制御
することにより、エンジン1が発生する駆動トルクの大
きさを変化できるようになっている。
【0013】また、前記ベルト式無段変速機3の作動を
制御するために、変速機電子制御ユニット20が設けら
れている。そして、この変速機電子制御ユニット20に
よって制御される変速機油圧制御機構21からプライマ
リプーリ5およびセカンダリプーリ6に制御油圧を供給
し、これらのプーリ5,6の有効径を変化させてベルト
式無段変速機3の変速比を変える構成とされている。ま
た、変速機電子制御ユニット20には、エンジン1に取
り付けられたエンジン回転数センサ22およびスロット
ル開度センサ23、さらにセカンダリプーリ6の回転数
を検出するセカンダリプーリ回転数センサ24と、アク
セルペダルAが踏込まれているか開放されているかを検
出するアクセルペダルスイッチ25、およびシフトレバ
ーSのシフト位置を検出するシフトポジションセンサ2
6がそれぞれ接続されている。
【0014】また、前記変速機電子制御ユニット20
は、図2に示したように、電磁粉式クラッチ2の作動を
制御する際の制御モードを判定する制御モード判断手段
31を有している。この制御モード判断手段31は、前
述した各センサから得られるエンジン回転数、セカンダ
リプーリ回転数(車速)、アクセルペダルAの作動状態
(踏込または開放)、シフトポジションの各信号と、図
示されない制御マップとに基づいて、逆励磁モード、発
進モード、ドラッグモード、直結モード、開放モードの
いずれかの制御モードの一つを選択する。
【0015】さらに、変速機電子制御ユニット20は、
前記制御モード判断手段31によって選択された制御モ
ードに応じて、電磁式クラッチ2に通電するクラッチ電
流の特性を設定する、逆励磁モード電流設定手段32、
発進モード電流設定手段33、ドラッグモード電流設定
手段34、直結モード電流設定手段35、開放モード電
流設定手段36を有している。そして、これらの電流設
定手段によって特性が設定されたクラッチ電流は、クラ
ッチ電流制御手段37、クラッチ電流補正手段38を介
して電磁粉式クラッチ2に通電される。なお、各制御モ
ードの内容と、前記制御モード判断手段31、前記各電
流設定手段32,33,34,35,36、およびクラ
ッチ電流制御手段37の動作については、本願出願人の
先願である特開平3−140635号公報等に詳述され
ているので、ここでは説明を省略する。
【0016】次に、本実施形態の特徴部分について説明
すると、前記変速機電子制御ユニット20は、車両が発
進する際にエンジン1の回転数がストール回転数に保た
れるとともに電磁粉式クラッチ3がスリップ状態に保た
れる、いわゆるストール状態が連続していることを判断
する連続ストール判断手段40と、連続ストールと判断
されたときに電磁粉式クラッチ2に通電するクラッチ電
流を増加させて電磁粉式クラッチ2を完全係合状態と
し、電磁粉式クラッチ2を保護するクラッチ保護手段5
0とを備えている。
【0017】前記連続ストール判断手段40は、前述し
たエンジン回転数センサ22から得られるエンジン回転
数と、スロットル開度センサ23から得られるスロット
ル開度と、セカンダリプーリ回転数センサ24から得ら
れる車速と、シフトポジションセンサ26から得られる
シフトポジション情報とに基づいて、連続ストール状態
にあるか否かを判断する。この判断の手順を図3に示し
たフローチャート図を参照して説明する。連続ストール
判断手段40は、車両が停止した後に前記アクセルペダ
ルスイッチ25が再びオンとなり、ドライバーが車両を
発進させようとしていることが確認されると、まずステ
ップ(以下Sと表す)1においてシフトポジションが走
行レンジ、すなわちニュートラルおよびパーキング以外
のポジションにあるか否かを判定する。そして判定結果
がYESの場合にはS2に進み、エンジン回転数が所定
回転数以上、すなわちストール回転数に達しているか否
かを判定する。次いで、判定結果がYESの場合にはS
3に進み、スロットル開度が所定の開度以上、すなわち
ドライバーが車両を発進させようとしているか否かを判
定する。さらに判定結果がYESの場合にはS4に進
み、車速が所定値以下であるか否かを判定する。
【0018】S1からS4までの各ステップにおける判
定結果がすべてYESである場合にはS5に進み、変数
TIMERのカウント値を一つ減じた後、連続ストール
判断ルーチンを終了する。これに対して、S1からS4
までの各ステップのいずれかにおいてNOの判定結果が
得られた場合には、S6に進んで前記変数TIMER
に、後述する特定aT2より大きい特定値T1を代入
し、連続ストール判断ルーチンを終了する。そして、こ
の連続ストール判断ルーチンを所定の時間間隔ごとに繰
り返して行い、前記変数TIMERのカウント値が後述
する特定値T2より小さくなった時に、連続ストール状
態が一定時間以上継続していると判断する。
【0019】すなわち、本実施形態における連続ストー
ルの判断手法は、前述した従来技術と異なり、ブレーキ
ペダルが踏まれているか否かを判断条件から取り除いて
いるので、坂道発進時にドライバーが左足でブレーキペ
ダルを踏んだ状態でも連続ストール状態を判断すること
ができる。また、車速を判断条件に取り込んでいるの
で、車両が発進不能であるか発進可能であるかの区別を
反映させた、より高度なクラッチ制御を行うことができ
る。さらに、連続ストール状態が所定時間継続している
ことを判断条件に取り込んでいるので、車両が発進する
際の状態の変化に追従するより高度なクラッチ制御が可
能となる。
【0020】次に、前記クラッチ保護手段50の動作に
ついて、図4に示したフローチャート図を参照して説明
する。前記クラッチ保護手段50は、まずS11におい
て車速がゼロであるか否かを判定する。判定結果がYE
Sの場合、すなわち車速がゼロである場合には車両が発
進不能状態にあるとみなしてS12に進み、前記変数T
IMERのカウント値が特定値T2より小さいか否かを
判定する。判定結果がYESの場合は所定時間連続スト
ールが継続している場合であるから、S14に進みFL
AGをセットする。
【0021】これに対して、前記S11において車速が
ゼロではなく、たとえ微速であっても車両が前進してい
ることが確認された場合には発進可能状態にあるとみな
してS14に進み、変数TIMERのカウント値がゼロ
であるか否かを判定する。判定結果がYESの場合は所
定時間連続ストールが継続している場合であるから、S
13に進んでFLAGをセットする。しかしながら、判
定結果がNOである場合にはS13をバイパスしてS1
5に進み、FLAGをセットしない。
【0022】続いて、S15においてスロットルが全閉
とされているか否かを、またS16において車速が所定
値以下であるか否かを、さらにS17においてシフトポ
ジションが走行レンジにあるか否かをそれぞれ判定す
る。S15においてスロットルが全閉と判定される場
合、およびS17においてシフトポジションが走行レン
ジにないことが確認された場合は、車両のドライバーが
発進を中止した場合であるからS18に進んでFLAG
をリセットする。また、S16において車速が所定値以
下でない場合は、車両が発進に成功した場合であるか
ら、やはりS18に進んでFLAGをリセットする。な
お、ドライバーが車両を発進させようとしているのか否
かを判別できるならば、スロットル開度に代えて、吸入
管負圧やアクセルペダルの踏み込み量、若しくは燃料噴
射量等を用いることができる。
【0023】そして、S19においてFLAGがセット
されていることが確認されると、S20に進んでクラッ
チ保護制御が開始される。これに対して、FLAGがセ
ットされていない場合にはS21に進み、通常制御が継
続される。
【0024】次に、前記クラッチ保護制御手段50が行
うクラッチ保護制御について、図5に示したグラフを参
照して説明する。図5は横軸に時間の経過を、縦軸にク
ラッチ電流、車速、エンジン回転数の変化をそれぞれ表
したグラフである。まず、時刻T0までは車両はアイド
リング状態にあり、変速機電子制御ユニット20は電磁
粉式クラッチ2にアイドリング時電流Iiを給電し、エ
ンジン電子制御ユニット10はエンジン回転数をアイド
リング回転数Niに保つ。そして、時刻T0において車
両のドライバーがアクセルペダルを踏み込み、アクセル
ペダルスイッチ25がオンとなると、電磁粉式クラッチ
2に給電されるクラッチ電流はクラッチを半係合状態と
する電流値Isに、またエンジン回転数は発進時ストー
ル回転数Nsにそれぞれ増加する。
【0025】一方、時刻T0にスタートした連続ストー
ル判断ルーチンによって電磁粉式クラッチ2が連続スト
ール状態にあると判断されると、クラッチ保護制御ルー
チンがスタートする。そして、S20におけるクラッチ
保護制御が時刻T1から開始されると、図5に示したよ
うに電磁粉式クラッチ2に給電されるクラッチ電流はI
sからIcに増加して電磁粉式クラッチ2は完全係合状
態とされる。また、これに伴って発進抵抗が負荷された
エンジンの回転数はストール回転数NsからNcに低下
する。これにより、電磁粉式クラッチ2のスリップ状態
が解消されて電磁粉式クラッチの発熱が抑制されるの
で、過熱による電磁粉式クラッチ2の機能低下や電磁コ
イル2aの焼損等の不具合を確実に防止できる。
【0026】そして、アクセルペダルが踏み込まれた時
刻T0からクラッチ保護制御が開始される時刻T1に至
るまでの時間、すなわち制御開始時間はセカンダリプー
リ回転数センサ24から得られる車速の高低によって制
御される。すなわち、車速が所定の値より低くて車両が
発進不能状態にあると判断される場合には、クラッチ保
護制御ルーチンのS12において参照されるT2の値は
大きめにセットされ、早い時点でS20におけるクラッ
チ保護制御が開始される。これに対して、車速が所定の
値より高くて車両が発進可能状態にあると判断される場
合には、S12において参照されるT2の値が小さめに
セットされてクラッチ保護制御の開始が遅らされ、エン
ジン回転数が高めに維持されて発進駆動力が確保され
る。
【0027】すなわち、本実施形態における車両用自動
クラッチの制御装置は、車両が発進する際の車速の高低
によって車両が発進可能か発進不能かを判断し、発進不
能時にはクラッチ保護制御の開始を早めてクラッチを保
護するとともに、発進可能時にはクラッチ保護制御の開
始を遅らせてエンジン回転数を高めに維持し、発進駆動
力を確保することができる。
【0028】以上、本発明による一実施形態の車両用自
動クラッチの制御装置について詳しく説明したが、本発
明は上述した実施形態によって限定されるものではな
く、種々の変更が可能であることは言うまでもない。例
えば、車両が発進する際における前記ベルト式無段変速
機変速機3の減速比は最も大きい値となっているから、
車速すなわちセカンダリプーリ6の回転数と減速比とか
ら、プライマリプーリ5の回転数を知ることができる。
そして、得られたプライマリプーリ5の回転数とエンジ
ン1の回転数とから電磁粉式クラッチ2のスリップ率を
算出し、このスリップ率の値が所定値以上となっている
ことを連続ストール状態の判断条件とすれば、電磁粉式
クラッチ2の発熱量が大きい時にのみクラッチ保護制御
を行うことができる。
【0029】さらに、図2中に点線で描いたようにプラ
イマリプーリ5の回転数を検出するプライマリプーリ回
転数センサ27を追加すれば、プライマリプーリ5の回
転数とエンジン回転数とから電磁粉式クラッチ2のスリ
ップ量をより正確に求めることができ、連続ストールの
判断精度をさらに向上させることができる。
【0030】なお、上述した実施形態においては、車両
用自動クラッチの一例として電磁粉式クラッチを取り上
げているが、これを電磁アクチュエータによって作動さ
せられる乾式単板クラッチ、あるいは電磁バルブによっ
てデューティ制御される油圧ピストンを備えた湿式多板
クラッチ等、他の形式の自動クラッチにも適用すること
ができることはいうまでもない。
【0031】また、エンジンと変速機との間に介装され
るクラッチに限らず、車両の駆動系に介装されるクラッ
チとして、例えばFF走行と4WD走行とを切り換える
クラッチや、ディファレンシャルギヤの差動制限に用い
るクラッチに適用することもできる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の車両用自動クラッチの制御装置は、車両が発進する際
の車速の高低によって車両が発進可能か発進不能かを判
断するので、発進不能時にはクラッチ保護制御の開始を
早めてクラッチを保護するとともに、発進可能時にはク
ラッチ保護制御の開始を遅らせてエンジン回転数を高め
に維持し、発進駆動力を確保することができる。また、
本発明の車両用自動クラッチの制御装置は自動クラッチ
が連続ストール状態にあるか否かを判断する際に、ブレ
ーキペダルが踏まれているか否かを判断条件から取り除
いているので、坂道発進時にドライバーが左足でブレー
キペダルを踏んだ状態でも連続ストール状態を判断する
ことができる。また、車速を判断条件に取り込んでいる
ので、車両が発進不能であるか発進可能であるかの区別
を反映させた、より高度なクラッチ制御を行うことがで
きる。さらに、連続ストール状態が所定時間継続してい
ることを判断条件に取り込んでいるので、車両が発進す
る際の状態の変化に追従するより高度なクラッチ制御が
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車両の駆動系を模式的に示し
た図。
【図2】図1中に示した車両用自動クラッチの制御装置
の作動を説明するブロック図。
【図3】図2中に示した連続ストール判断手段の作動を
説明するフローチャート図。
【図4】図2中に示したクラッチ保護制御手段の作動を
説明するフローチャート図。
【図5】本発明の車両用自動クラッチ制御装置によって
制御されるクラッチ電流と車速およびエンジン回転数の
関係を示したグラフ図。
【符号の説明】
1 エンジン 2 電磁粉式クラッチ 3 変速機 4 前後進切換機構 5 プライマリプーリ 6 セカンダリプーリ 7 ベルト 8 ディファレンシャルギヤ 9 駆動輪 10 エンジン電子制御ユニット 20 変速機電子制御ユニット 21 変速機油圧制御機構 22 エンジン回転数センサ 23 スロットル開度センサ 24 セカンダリプーリ回転数センサ 25 アクセルペダルスイッチ 26 シフトポジションセンサ 27 プライマリプーリ回転数センサ 31 制御モード判断手段 32 逆励磁モード電流設定手段 33 発進モード電流設定手段 34 ドラッグモード電流設定手段 35 直結モード電流設定手段 36 開放モード電流設定手段 37 クラッチ電流制御手段 38 クラッチ電流補正手段 40 連続ストール判断手段 50 クラッチ保護制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと変速機との間に介装され、かつ
    クラッチ電流によってその係合状態が制御される車両用
    自動クラッチの制御装置であって、 車両発進時に前記自動クラッチが高負荷状態にあるか否
    かを判断する判断手段と、この判断手段によって前記自
    動クラッチが高負荷状態にあると判断されたときに前記
    クラッチ電流を制御して前記自動クラッチを完全係合状
    態とするクラッチ保護手段とを備え、 前記クラッチ保護手段は、前記車両が発進を開始した時
    点から前記自動クラッチを完全係合とする時点までの時
    間の長短を、前記車両の発進時の車速に基づいて制御す
    ることを特徴とする車両用自動クラッチの制御装置。
  2. 【請求項2】前記クラッチ保護手段は、前記車両の発進
    時の車速がゼロである場合の前記時間の長さを、それ以
    外の場合の前記時間の長さより短縮することを特徴とす
    る請求項1に記載の車両用自動クラッチの制御装置。
  3. 【請求項3】前記判断手段は、前記エンジンの出力が所
    定の出力以上であるとともに前記エンジンの回転数が所
    定の回転数以上であり、かつ前記車速が所定の速度以下
    である状態が所定時間以上継続したときに、前記自動ク
    ラッチが高負荷状態にあると判断することを特徴とする
    請求項1または2に記載の車両用自動クラッチの制御装
    置。
JP9006877A 1997-01-17 1997-01-17 車両用自動クラッチの制御装置 Pending JPH10205552A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006166508A (ja) * 2004-12-03 2006-06-22 Toyota Motor Corp 左右一対の車輪を同時に電動駆動および制動する自動車
JP2012112280A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Ud Trucks Corp 車両の発進制御システム

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