JPH102040A - 管貫通部の延焼防止治具およびその延焼防止治具を用いた延焼防止構造 - Google Patents

管貫通部の延焼防止治具およびその延焼防止治具を用いた延焼防止構造

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JPH102040A
JPH102040A JP8152692A JP15269296A JPH102040A JP H102040 A JPH102040 A JP H102040A JP 8152692 A JP8152692 A JP 8152692A JP 15269296 A JP15269296 A JP 15269296A JP H102040 A JPH102040 A JP H102040A
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pipe
fire
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pipes
fire spread
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JP8152692A
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Nobuo Toya
允夫 戸屋
Ryoji Shibuya
亮二 渋谷
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工性および延焼防止効果を向上させる。 【解決手段】 断熱材により被覆された配管10A,1
0Bには延焼防止治具50が装着され、この治具50は
隔壁100の管貫通部101に設けられ、配管10A,
10Bの管貫通部101内の両端に当たる位置に着脱自
在である筒体20,30を有し、筒体20,30は、配
管10A,10Bに挟着自在に開閉する上殻21,31
と下殻22,32よりなり、筒体20,30は、ピン2
3により連結されている。筒体20,30内には配管と
の間に、難燃性材料からなる熱膨張性充填材料41,4
2が設けられている。配管10A〜10Dの断熱材は可
燃性であるため、その火災は、断熱材1A〜1Dを通じ
て管貫通部101に向かって延焼する。熱膨張性充填材
41,42は膨張し、筒体20,30の内面との間や、
断熱材1A〜1Dとの間に空気通路が形成されず、延焼
が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床、壁等の構造部
材の管貫通部に貫通された配管に装着される延焼防止治
具およびその延焼防止治具を用いた管貫通部の延焼防止
構造に係わり、特に、施工が容易でかつ延焼防止効果の
高い延焼防止治具およびその延焼防止治具を用いた管貫
通部の延焼防止構造に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の床、壁等の構造部材には、給水
管、配電管、空気調整器の冷媒管等の配管が貫通する管
貫通部が形成されている。この管貫通部には、火災時
に、その管貫通部を通じて延焼が生じないように建築基
準法等に基づく延焼防止構造(耐火構造)が施されてい
る。ところで、最近、その配管には、銅管等の金属管に
発泡ポリエチレン等の断熱材を被覆したものが用いられ
るようになっており、この断熱材は、可燃性である。そ
のため、そのような配管の管貫通部では、その断熱材を
通じて延焼することがないように様々の工夫が施されて
いる。
【0003】従来の管貫通部の延焼防止構造としては、
例えば、図6に示すように、隔壁100の管貫通部10
1に配管10を貫通させて設け、その配管10の断熱材
1を、管貫通部101から両側に1m以上除去して金属
管2を剥き出しとし、管貫通部101の内壁面101a
と、配管10の金属管2との間をモルタル等の不燃材料
102で埋めたものがある。この延焼防止構造によれ
ば、管貫通部101から両側に1m以上、可燃性の断熱
材1を除去したので、断熱材1を通じての延焼を防止す
ることができる。
【0004】また、図7は、図6の管貫通部の延焼防止
構造において、管貫通部101から両側に剥き出しにさ
れたままであった金属管2にロックウール、グラスウー
ル等の不燃材料103を被覆したものである。
【0005】しかし、図6、図7に示すような管貫通部
の延焼防止構造では、断熱材1を剥がさなければならな
いという煩雑さがあり、そのため、施工に手間がかかる
という問題を有していた。そこで、最近、容易かつ迅速
に施工を行なうことができる管貫通部の延焼防止構造が
提案されている。
【0006】その管貫通部の延焼防止構造は、図8に示
すように、配管10A,10B,10C,10Dを束ね
て、その配管10A〜10Dの束に、金属材料よりなる
耐火スリーブ111を通し、管貫通部101に耐火スリ
ーブ111が嵌着する筒状のウォールプレート112を
嵌め、配管10A〜10Dを、管貫通部101に挿通す
ると共に耐火スリーブ111をウォールプレート112
に嵌着させ、耐火スリーブ111と配管10A〜10D
の隙間に、耐火シール材113を充填したものである。
これによれば、配管10A〜10Dの断熱材をはがさな
いので、その施工を容易かつ迅速に行なうことができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、そのような管
貫通部の延焼防止構造においても、以下のような未解決
の問題を有している。 イ)、可燃性の断熱材と耐火スリーブ111の間に、隙
間なく耐火シール材等の断熱材料を充填する作業に手間
がかかる。 ロ)、金属材料よりなる耐火スリーブ111を通じて、
管貫通部101内を熱が伝わり、また、耐火シール材と
配管、および耐火シール材と耐火スリーブとの間に隙間
ができて、空気(酸素)の通路が形成されるので、耐火
性が低減し、延焼防止効果が低い。
【0008】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みてなされたものであり、施工性および延焼防止効果
を向上させることができる延焼防止治具およびその延焼
防止治具を用いた管貫通部の延焼防止構造を提供するこ
とを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の延焼防止治具は、断熱材により被覆された配
管に装着され、構造部材の管貫通部に設けられる延焼防
止治具であって、前記配管の前記管貫通部内の両端に当
たる位置に着脱自在であり、かつ耐火材料よりなる筒体
を有し、前記筒体は、前記配管に挟着、離脱自在に開閉
する二部材よりなり、かつ前記双方の筒体は、熱伝導性
の低い連結部材により連結され、各筒体内には前記配管
との間に、難燃性材料あるいは不燃性材料からなる熱膨
張性充填材料が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0010】また、本発明の延焼防止構造は、本発明の
延焼防止治具を用いた管貫通部の延焼防止構造であっ
て、前記構造部材の管貫通部には、断熱材により被覆さ
れた配管が貫通され、前記配管には、前記延焼防止治具
が、その筒体を該管貫通部の両端に配するように装着さ
れ、前記管貫通部には耐熱性充填材が設けられているこ
とを特徴とするものである。
【0011】以下、本発明の作用について説明する。請
求項1に記載の延焼防止治具によれば、先ず、開いた状
態の筒体の二部材の間に配管を設け、その筒体の二部材
を閉じることにより容易かつ迅速に配管に延焼防止治具
を装着することができる。次に、その配管とともに、延
焼防止治具を管貫通部に挿入して、その延焼防止治具を
管貫通部内に配置する。その際、延焼防止治具の筒体
は、管貫通部の両端に配する。そこで、管貫通部に耐熱
性充填材料を充填する。これにより、火災時には、耐火
材料からなる筒体が、管貫通部の両端で配管の断熱材を
通じた延焼を遮断する。よって、その配管は、断熱材を
はがさずとも施工することができる。また、筒体は、熱
伝導性の低い連結部材により連結されているので、延焼
防止治具を通じて伝わる熱を低減することができる。筒
体と配管との間に、難燃性材料あるいは不燃性材料から
なる熱膨張性充填材料が設けられているので、火災の際
に、熱膨張性充填材料が膨張して、熱膨張性充填材料と
筒体、および熱膨張性充填材料と配管との間に隙間が形
成されず、空気(酸素)の流通が阻止されるとともに、
筒体から配管に伝わる熱を低減することができる。請求
項2に記載の発明においては、上記同様の作用を有す
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態例を図
面に基づき説明する。なお、図6、図7、図8に示す従
来の管貫通部の延焼防止治具と同一部材については同一
符号を付す。
【0013】図1、図3(a)に示すように、隔壁10
0の管貫通部101には、給水管、配電管、空気調整器
の冷媒管等の1本または複数の束ねられた配管10A,
10B,10C,10Dが貫通しており、図3(a)に
示すように、各配管10A,10B,10C,10D
は、銅管等の金属管2A,2B,2C,2Dに発泡ポリ
エチレン等の断熱材1A,1B,1C,1Dを被覆した
ものである。
【0014】束ねられた複数の配管10A〜10Dに
は、図1に示すように、延焼防止治具50が装着されて
おり、延焼防止治具50は、配管10A〜10Dの管貫
通部101内の両端(図1左右端)に当たる位置に着脱
自在でありかつ金属等の耐火材料よりなる第1および第
2の筒体20,30を有している。
【0015】第1および第2の筒体20,30は合同な
円筒形であり、第1および第2の筒体20,30は管貫
通部101の両端(図1左右端)方向に貫通している。
また、第1および第2の筒体20,30の管貫通部10
1の外方側の端部開口部には、ドーナツ円盤状の遮炎板
20a,30aが一体的に設けられており、遮炎板20
a,30aの貫通孔の内周面20b,30bは、束ねら
れた複数の配管10A〜10Dに圧着されている。な
お、遮炎板20a,30aは必ずしも設ける必要はな
い。
【0016】第1および第2の筒体20,30は、束ね
られた配管10A〜10Dに挟着、離脱自在な上殻2
1,31および下殻22,32に分離されており、上殻
21,31および下殻22,32は、図1において、第
1および第2の筒体20,30を水平な面により、均等
に二分割した形を成している。
【0017】図2は延焼防止治具50の展開図であり、
図2に示すように、上殻21,31および下殻22,3
2の両側面には、ピン受筒21a,21b,22a,2
2b,31a,31b,32a,32bが、それぞれの
ピン孔を配管10A〜10Dと同一方向に向けて形成さ
れている。また、第1の筒体20の上殻21と下殻22
の一方の側面のピン受筒21a,22aは、そのピン孔
を連通させており、そのピン受筒21a,22aのピン
孔には、ハンダまたはプラスチック等の火災時の熱によ
り溶ける材料により形成されたピン23の一端が貫通し
ている。これにより、第1の筒体20の上殻21と下殻
22とは、ピン23を中心として回転自在即ち開閉自在
である。
【0018】また、第1の筒体20の上殻21と下殻2
2の他方の側面のピン受筒21b,22bは、上殻21
と下殻22とがピン23を中心として回転して閉じたと
きに、それぞれのピン孔が連通する位置に配置されてお
り、さらに下殻22のピン受筒22bが第2の筒体30
側に位置している。その下殻22のピン受筒22bに
は、ピン23同様のピン24がその一端を挿入して締着
固定されており、ピン24の他端は、第2の筒体30側
に延在している。ピン24の一端は、ピン受筒22bを
貫通して僅かに突出しており、その突出部24aは、上
殻21と下殻22とが閉じたときに、上殻21のピン受
筒21bのピン孔に挿入して係止する。
【0019】また、第2の筒体30の上殻31と下殻3
2の一方(ピン24側)の側面のピン受筒31a,32
aは、そのピン孔を連通させており、そのピン受筒31
a,32aのピン孔には、ピン24の他端が貫通してい
る。これにより、第2の筒体30の上殻31と下殻32
とは、ピン24を中心として回転自在すなわち開閉自在
である。
【0020】第2の筒体30の上殻31と下殻32の他
方の側面のピン受筒31b,32bは、上殻31と下殻
32とがピン24を中心として回転して閉じたときに、
それぞれのピン孔が連通する位置に配置されており、さ
らに下殻32のピン受筒32bが第1の筒体30側に位
置している。その下殻32のピン受筒32bには、ピン
23の他端が挿入して締着固定されており、ピン23の
他端は、ピン受筒32bを貫通して僅かに突出してお
り、その突出部23aは、上殻31と下殻32とが閉じ
たときに、上殻31のピン受筒31bのピン孔に挿入し
て係止する。
【0021】また、上述のことから、ピン23は、第1
の筒体20の下殻22のピン受筒22aと第2の筒体3
0の下殻32のピン受筒32b間を連結しており、ピン
24は、第1の筒体20の下殻22のピン受筒22bと
第2の筒体30の下殻32のピン受筒32a間を連結し
ているので、ピン23,24は、第1の筒体20と第2
の筒体30の連結部材を兼ねていることとなる。
【0022】第1の筒体20と配管10A〜10Dとの
間には、難燃性材料からなる熱膨張性充填材料41が充
填されており、第2の筒体30と配管10A〜10Dと
の間にも、同様な熱膨張性充填材42が充填されてい
る。熱膨張性充填材料41,42とは、火災時に加熱さ
れると、化学変化を起こして膨張しこれを維持できるよ
うな材料であり、所期の延焼防止という目的から、難燃
性材料あるいは不燃性材料のいずれも使用可能である。
なお、耐火物は1500℃の高温下でも化学的に安定で
あるので、熱膨張性充填材料として利用できない。本実
施形態例では、熱膨張性充填材料41,42の一例とし
て、フラマデュアーA153(製造者:AIK ISOLIER
UND KUNSTSTOFF GMBH.F.R. Germany)を用い、その
組成としては、アクリル/イソブチレン共重合体(重量
比47%)、アンモニウムポリリン酸エステル(重量比
35%)、メラミン(重量比12%)、白色の顔料とし
ての二酸化チタン(重量比6%)である。なお、それぞ
れの組成の重量比の品質管理値(許容誤差)としては、
±2、±2、±2、±1%である。 この熱膨張性充填
材料41,42は難燃性材料であり、約180℃程度に
おいて、化学反応を起こして分解し、ガスを発生させる
とともに、膜が形成されてこのガスを逃がさないように
している。結果的に、40倍程度に膨張しこれを保持で
きる。
【0023】図1に示すように、管貫通部101には、
延焼防止治具50および配管10A〜10Dを埋設する
ように、耐熱性充填材102が充填されている。耐熱性
充填材102としては、一般的なモルタルを用いたり、
あるいはフラマデュアーE473(製造者:AIK ISOLI
ER UND KUNSTSTOFF GMBH.F.R.Germany)を用いる。
フラマデュアーE473の組成としては、普通ポルトラ
ンドセメント(重量比35%)、雲母(重量比20
%)、ロックウール(重量比5%)、石膏(重量比40
%)を用いられている。なお、それぞれの組成の重量比
の品質管理値としては、±2、±1、±0.5、±2%
である。なお、フラマデュアーE473は、所定の水と
混合して使用し、フラマデュアーE473と水との混合
重量比は100対60(±5)程度である。
【0024】延焼防止治具50は以上のような構成を有
するので、隔壁100の管貫通部101への配管10A
〜10Dの施工を以下のように簡便に行なうことができ
る。
【0025】先ず、図2に示すように、複数の配管10
A〜10Dを束ねて、延焼防止治具50の第1および第
2の筒体20,30を装着する位置に、熱膨張性充填材
料41,42を所定の厚みだけ貼り付けておく。本実施
形態例では、図3(b)に示すように、熱膨張性充填材
料41,42としては、熱膨張性材料としてのフラマデ
ュアーA153(符号3a,3cで示す)と、ガラスマ
ット(符号3b,3dで示す)を交互に積層したものを
用い、ガラスマット(符号3b,3dで示す)が外周側
に位置するように配管に巻いたものもである。なお、熱
膨張性充填材料41,42としては、本例のシート状の
ものに限らず、耐熱性粘土を用いてもよい。
【0026】次に、開いた状態の第1および第2の筒体
20,30の下殻22,32に、配管10A〜10Dの
熱膨張性充填材料41,42が巻回された部分を嵌着
し、第1および第2の筒体20,30の上殻21,31
を閉じる。すると、第1の筒体20においては上殻21
のピン受筒21bにピン24の突出部24aが挿入係止
して、その状態を保持し、第2の筒体30においては上
殻31のピン受筒31bにピン23の突出部23aが挿
入係止してその状態を保持する。よって、上記実施形態
例の延焼防止治具50では、第1および第2の筒体2
0,30の上殻21,31を閉じるだけで、配管10A
〜10Dへの延焼防止治具50の装着を行なうことがで
きるので、従来に比して、その装着を容易かつ迅速に行
なうことができる。
【0027】そして、この装着では、筒体20,30と
配管10A〜10Dとの間に、熱膨張性充填材料41,
42が設けられることとなるので、火災の際に、熱膨張
性充填材料41,42が膨張して、熱膨張性充填材料4
1,42と筒体20,30、および熱膨張性充填材料4
1,42と配管との間に隙間が形成されず、空気(酸
素)の流通が阻止されるとともに、その熱膨張性充填材
料41,42により筒体20,30から配管10A〜1
0Dへの熱伝導を遮断することができる。
【0028】また、この装着では、図1に示すように、
第1および第2の筒体20,30の遮炎板20a,30
aの内周面20b,30bにより配管10A〜10Dの
図3に示す断熱材1A〜10Dは締め付けられる。
【0029】次に、図1に示すように、その配管10A
〜10Dとともに延焼防止治具50を管貫通部101に
挿入して、その延焼防止治具50を管貫通部101内に
配置する。その際、延焼防止治具50の第1、第2の筒
体21,31を、管貫通部101の両端(図1左右端)
に配する。そこで、管貫通部101に耐熱性充填材10
2を打設充填する。すると、延焼防止治具50は、第1
および第2の筒体20,30の遮炎板20a,30aを
露出して埋設され、配管10A〜10Dは、遮炎板20
a,30aの貫通孔を形成する内周面20b,30bか
ら突出した部分のみが露出することとなる。
【0030】以上のようにして隔壁100の管貫通部1
01への配管10A〜10Dの施工が行なわれる。従っ
て、配管10A〜10Dの断熱材1A〜1Dをはがさず
とも管貫通部101へのその配管10A〜10Dの施工
を行なうことができ、さらに、従来に比して、延焼防止
治具50の装着を容易かつ迅速に行なうことができるの
で、その管貫通部101への配管10A〜10Dの施工
性を高めることができる。
【0031】次に、火災時の延焼性について、隔壁10
0の一方側で火災が発生した場合を想定して説明する。
【0032】その際には、配管10A〜10Dの図3の
断熱材1A〜1Dが可燃性であるため、その火災は、断
熱材1A〜1Dを通じて管貫通部101に向かって延焼
する。ところが、断熱材1A〜1Dは、第1および第2
の筒体20,30の遮炎板20a,30aの貫通孔の内
周面20b,30bにより締め付けられており、また、
その断熱材1A〜1Dは、加熱されると膨張するので、
その締め付けは、さらにきつくなる。よって、断熱材1
A〜1Dのその締め付け位置において内部への酸素供給
が遮断される。また、遮炎板20a,30aは、管貫通
部101内に向かう炎を遮断するので、断熱材1A〜1
Dを通じての管貫通部101への延焼を阻止することが
できる。また、管貫通部101には耐熱性充填材102
が充填されているので、配管10A〜10Dを伝わる以
外の延焼はその耐熱性充填材102により阻止される。
【0033】また、従来は、延焼防止治具50が加熱す
ることにより管貫通部101を通じて延焼が生じる場合
を考慮しなければならなかったが、上記実施形態例で
は、露出している第1および第2の筒体20,30は、
熱伝導性の低いピン23,24により連結されており、
さらに、そのピン23,24は、ハンダまたはプラスチ
ック等の高温になると溶ける材料により形成されている
ので、火災時には、第1および第2の筒体20,30は
分離されることとなる。よって、延焼防止治具50を通
じては熱が伝わらないようにすることができるので、管
貫通部101の延焼性を向上することができる。
【0034】さらに、上記実施形態例では、第1および
第2の筒体20,30と配管10A〜10Dとの間に、
熱膨張性充填材料41,42が設けられているので、火
災時に、膨張し、筒体の内面との間や、断熱材1A〜1
Dとの間に隙間が形成されず、空気(酸素)の供給通路
がないので、延焼防止効果は高い。また、筒体20,3
0から配管10A〜10Dに熱が伝わって、管貫通部1
01内部の配管10A〜10Dの断熱材1A〜1Dが発
火することのないようにすることができる。よって、管
貫通部101の延焼性をさらに向上することができる。
【0035】なお、上記実施形態例においては、筒体2
0,30を、1本または1束の配管10A〜10Dを装
着するように円筒状に設けたが、図4、図5に示すよう
に、2本又は2束の配管10A〜10D、10E〜10
Hを同時に装着できるように断面瓢箪状に形成してもよ
い。また、上記実施形態例においては、ピン23、24
を熱で溶ける材料により形成するとしたが、必ずしも、
溶ける必要はない。さらに、本実施形態例では、隔壁1
00の管貫通孔101を例にして説明したが、床等の他
の構造部材であってもよいことはもちろんである。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおりに構成さ
れているので、以下に記載するような効果を奏する。請
求項1に記載の延焼防止治具によれば、配管の断熱材を
はがさずともその配管の構造部材の管貫通部への施工を
行なうことができ、さらに、従来に比して、耐火治具の
装着を容易かつ迅速に行なうことができるので、構造部
材の管貫通部への配管の施工性を高めることができる。
また、筒体と熱膨張性充填材料との間、および熱膨張性
充填材料および配管との間に隙間ができないので、空気
(酸素)の通路が完全に遮断される。また、延焼防止治
具を通じて伝わる熱を低減することができるので、構造
部材の管貫通部の耐火性を向上することができる。筒体
から配管に伝わる熱を低減することができるので、構造
部材の管貫通部の耐火性を更に向上することができる。
請求項2に記載の延焼防止構造は、上記効果と同様の効
果を奏する建築物の延焼防止構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管貫通部の延焼防止構造の一実施例を
示す側面断面図である。
【図2】本発明の延焼防止治具の一実施例を示す展開図
である。
【図3】(a)は図2の延焼防止治具の正面図、(b)
は熱膨張性充填材料の一例の拡大断面図である。
【図4】本発明の延焼防止治具の別の実施例を示す展開
図である。
【図5】図4の延焼防止治具の正面図である。
【図6】従来の管貫通部の延焼防止構造(耐火構造)の
第1の例を示す図である。
【図7】従来の管貫通部の延焼防止構造の第2の例を示
す図である。
【図8】従来の管貫通部の延焼防止構造の第3の例を示
す図である。
【符号の説明】
1A〜1D 断熱材 10A〜10H 配管 20 第1の筒体 21 上殻(二部材) 22 下殻(二部材) 23 ピン(連結部材) 24 ピン(連結部材) 30 第2の筒体 31 上殻(二部材) 32 下殻(二部材) 41,42 熱膨張性充填材料 50 延焼防止治具 100 隔壁(構造部材) 101 管貫通部 102 耐熱性充填材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱材により被覆された配管に装着さ
    れ、構造部材の管貫通部に設けられる延焼防止治具であ
    って、 前記配管の前記管貫通部内の両端に当たる位置に着脱自
    在であり、かつ耐火材料よりなる筒体を有し、 前記筒体は、前記配管に挟着、離脱自在に開閉する二部
    材よりなり、かつ前記双方の筒体は、熱伝導性の低い連
    結部材により連結され、 各筒体内には前記配管との間に、難燃性材料あるいは不
    燃性材料からなる熱膨張性充填材料が設けられているこ
    とを特徴とする、管貫通部の延焼防止治具。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の延焼防止治具を用いた
    管貫通部の延焼防止構造であって、 前記構造部材の管貫通部には、断熱材により被覆された
    配管が貫通され、 前記配管には、前記延焼防止治具が、その筒体を該管貫
    通部の両端に配するように装着され、 前記管貫通部には耐熱性充填材が設けられていることを
    特徴とする、延焼防止治具を用いた延焼防止構造。
JP8152692A 1996-06-13 1996-06-13 管貫通部の延焼防止治具およびその延焼防止治具を用いた延焼防止構造 Withdrawn JPH102040A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE19852927A1 (de) * 1998-11-17 2000-05-25 Lampertz Fab Org Sicherheitsraum für informationstechnische Einrichtungen

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DE19852927A1 (de) * 1998-11-17 2000-05-25 Lampertz Fab Org Sicherheitsraum für informationstechnische Einrichtungen
DE19852927B4 (de) * 1998-11-17 2004-05-27 Otto Lampertz Gmbh & Co. Kg Sicherheitsraum für informationstechnische Einrichtungen
US6789363B1 (en) 1998-11-17 2004-09-14 Otto Lampertz Gmbh & Co. Kg Security room for information technology facilities

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