JPH10204044A - アミノエーテルカルボン酸又はその塩の製造法 - Google Patents
アミノエーテルカルボン酸又はその塩の製造法Info
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- JPH10204044A JPH10204044A JP9010974A JP1097497A JPH10204044A JP H10204044 A JPH10204044 A JP H10204044A JP 9010974 A JP9010974 A JP 9010974A JP 1097497 A JP1097497 A JP 1097497A JP H10204044 A JPH10204044 A JP H10204044A
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Abstract
酸又はその塩を高純度、高収率で、しかも経済的に安価
に製造する方法の提供。 【解決手段】 アミノエーテルアルコール(I)をアル
カリ金属の水酸化物、水、及び銅含有触媒の存在下、酸
化脱水素反応させて、アミノエーテルカルボン酸又はそ
の塩(II)を得る。 【化1】 【化2】 〔式中、m 及びn は0〜5の数、M はH,アルカリ金属等
を示す。但しm 及びn は同時に0ではない。〕
Description
ボン酸又はその塩の製造法に関し、詳しくは洗浄剤用ビ
ルダーとして有用なアミノエーテルカルボン酸又はその
塩を高純度、高収率で得ることができる製造法に関する
ものである。
に用いられているビルダーは、水中のカルシウムイオン
やマグネシウムイオンを捕捉し軟水化する作用によっ
て、界面活性剤や石鹸の洗浄効果を向上させることがで
きる。従来洗浄剤用のビルダーとしてトリポリリン酸ナ
トリウムが主に使用されてきた。トリポリリン酸ナトリ
ウムはキレート性能など洗浄剤用ビルダーとして非常に
優れた性能を有するが、リンを有するためこれを含んだ
洗浄後の廃水がそのまま放流されることによって河川や
湖沼の富栄養化現象の一因となる。そのためトリポリリ
ン酸ナトリウム以外のビルダーの開発が行われてきた。
ナトリウムであるゼオライトを用いることにより無リン
化は達成され、種々に工夫された配合組成により、従来
の有リン型の洗剤に匹敵する性能を得るに至っている。
しかしながら、ゼオライトは水不溶性であるため、固液
界面の点から考えると硬度低下のためのイオン交換能と
しては、水溶性のキレート剤と比べて不利である。水溶
性キレート剤としては、有機ポリカルボン酸又はその塩
がすでに知られているが、性能、経済性、生物分解性に
おいて不十分なものであり、水中のマグネシウムや、遷
移金属に不向きなゼオライトの補助剤として配合されて
いるにすぎない。
モニウム又は塩基性アミノ酸基を示し、複数個のM は同
一でも異なっていてもよい。 m, n:同一又は異なって、0〜5の数を示す。但し、m
及びn が同時に0となることはない。〕で表される、水
溶性が高くキレート性能に優れたアミノエーテルカルボ
ン酸又はその塩からなる無リン系のキレート剤が洗浄剤
用のビルダーとして有用であることが開示されている
(USP2,316,636 号及びWO96/22964 号)。
ルカルボン酸又はその塩の製造方法としては、以下の反
応式(1)及び(2)に示す2つの製造方法が知られて
いる。
味を示し、X はハロゲン原子、p−トルエンスルホネー
ト等の脱離基を示し、Y は保護基を示す。) 反応式(1)に示す方法は、USP2,316,636 号及び特
開平7−120894号に記載された方法であり、いわゆるWi
lliamsonのエーテル合成法であるが、この方法では、一
般に収率が低いこと、及び例えばモノクロロ酢酸ナトリ
ウムを使用した場合、食塩が生成したり、未反応のモノ
クロロ酢酸ナトリウム及びその分解物であるグリコール
酸ナトリウムなどが混入しているため、一般式(II)で
表されるアミノエーテルカルボン酸又はその塩の純度は
低く、そのまま洗浄剤組成物として使用することは困難
である。
4 号に記載された方法であるが、この方法では、上記反
応式(1)に示す方法に比べ食塩等の不純物は少なく、
また、触媒的な酸化反応であるため、経済的にも有利で
ある。しかし、保護基Y の脱着工程が含まれるため、工
程が煩雑となり、製造設備の負荷が大きくなってしまう
という問題点が残されている。
ーテルカルボン酸又はその塩を選択的に高収率で得る方
法が望まれていた。そこで、本発明の目的は、キレート
能に優れた一般式(II)で表されるアミノエーテルカル
ボン酸又はその塩を、高純度、高収率で、しかも経済的
に安価に製造する方法を提供することにある。
解決すべく鋭意研究の結果、本発明を完成するに到っ
た。即ち、本発明は、一般式(I)
で表されるアミノエーテルアルコールをアルカリ金属の
水酸化物、水、及び銅含有触媒の存在下、酸化脱水素反
応させることを特徴とする、上記一般式(II)で表され
るアミノエーテルカルボン酸又はその塩の製造法を提供
するものである。
に説明する。
るアミノエーテルアルコールの具体的な例を以下に示
す。
物として使用できる。これらの一般式(I)で表される
アミノエーテルアルコールとしては、m が1〜2、n が
0〜2の数であるものが好ましい。
ルコールは工業的に容易に、かつ安価に製造できるもの
である。例えばトリエタノールアミンと酸化エチレンと
の反応、また2−(2−アミノエトキシ)エタノールと
酸化エチレンとの反応などにより製造することができ
る。
物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、水酸化ルビジウム等が挙げられるが、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化
カリウムが反応活性が高く好ましい。これらはフレーク
状、粉末状又は水溶液として用いることができるが、水
溶液として用いるのが取り扱いやすく好ましい。アルカ
リ金属の水酸化物の使用量は、一般式(I)で表される
アミノエーテルアルコールの水酸基に対して0.9 〜2.0
当量倍の範囲が好ましく、1.0 〜1.5 当量倍が更に好ま
しい。
用することにより、一般式(I)で表されるアミノエー
テルアルコールとアルカリ金属水酸化物とが均一な状態
で反応することができ、収率が向上する。本発明で用い
られる水の量は、一般式(I)で表されるアミノエーテ
ルアルコールに対して、50重量%以上、好ましくは50〜
400 重量%の範囲である。
須成分として含有しているもので、原料としては、金属
銅、硝酸銅、硫酸銅、炭酸銅、酸化銅、塩化銅、水酸化
銅、蟻酸銅、酢酸銅等いずれも使用できる。触媒の形態
は特に限定されず、例えば、金属銅表面を酸化後、水素
により還元して得られる触媒、ラネー銅合金をアルカリ
水溶液で展開して得られる展開ラネー銅触媒、あるいは
珪藻土、ゼオライト、シリカゲル、アルミナ、酸化ジル
コニウムなどに共沈法、含浸法などで担持後、水素によ
り還元して得られる担持触媒等が使用できる。反応の活
性及び回収活性の点から展開ラネー銅触媒又は酸化ジル
コニウムに担持した銅触媒が好ましい。
属も含有させることができる。これらの他の金属として
は、例えば、バナジウム、ビスマス、スズ、アンチモ
ン、鉛、及びゲルマニウム等が挙げられ、バナジウムが
特に好ましい。これらの他の金属より選ばれた少なくと
も1種を銅含有触媒に含有させることにより、反応活性
が増し、回収活性の低下も抑えることができる。これら
の他の金属の含有量は、特に制限されないが、触媒に含
有されている銅に対し、50ppm 〜1重量%で反応活性向
上の効果が見られる。これ以上加えても、効果は大きく
ならず経済的に好ましくない。本発明において銅含有触
媒の使用量は、一般式(I)で表されるアミノエーテル
アルコールに対し、1〜50重量%、好ましくは5〜30重
量%である。
は、通常 150〜260 ℃、好ましくは180〜250 ℃、更に
好ましくは180 〜230 ℃である。また反応圧力は、この
反応が脱水素反応であることより、低い方が好ましい。
反応に水を使用しているため、水の量、反応温度にもよ
るが、通常8〜30kg/cm2Gに保つように生成する水素を
除去する。
連続式のいずれでも行うことができる。反応後の混合物
より触媒を除去する方法としては、濾過法、遠心分離
法、沈降法などの方法が挙げられる。分離された触媒は
そのまま、あるいは再生処理を行い再使用することがで
きる。
で表されるアミノエーテルカルボン酸又はその塩を含む
水溶液は必要に応じて精製し高品質のアミノエーテルカ
ルボン酸又はその塩を製品として得ることができる。ま
た精製せずにそのまま、洗剤等へ配合することもでき
る。
れるアミノエーテルカルボン酸又はその塩は、洗浄剤の
ビルダーとして有用であり、洗浄剤組成物中に適量配合
することにより、洗浄性及び生物分解性に優れた洗浄剤
組成物を得ることができる。一般式(II)で表されるア
ミノエーテルカルボン酸又はその塩の洗浄剤組成物中へ
の配合量は、0.5 〜40重量%が好ましく、1〜30重量%
が更に好ましい。この配合量を 0.5重量%以上にするこ
とによりビルダーの効果を十分に得ることができ、優れ
た洗浄力が得られる。また、40重量%以下にすることよ
り界面活性剤等の他の成分を適度に配合することがで
き、十分な洗浄性能が得られる。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、例中の%は特記しない限り重量基準であ
る。
キシエトキシ)エチル}−N,N−ジエタノールアミン
(以下アミノエーテルアルコールAと略記)193g、水酸
化ナトリウム 130g、水 400g及び展開ラネー銅触媒1
9.3gを仕込み、水素ガスで内部を置換した。 220℃に
昇温し、反応圧力を22kg/cm2Gに保った。8時間後水素
の発生が無くなり、更に、1時間同条件で攪拌後冷却し
た。反応液を取り出し、濾過後分析を行った。その結
果、下記式(III) で表される5−アミノ−3−オキサ−
ペンタン酸−N,N−ジ酢酸トリナトリウム塩の収率は
85%であり、固形分中の純度は81%であった。
圧力及び時間を表1に示すように変えた以外は実施例1
と同様に反応を行い、上記式(III) で表される5−アミ
ノ−3−オキサ−ペンタン酸−N,N−ジ酢酸トリナト
リウム塩を得た。その収率及び純度を表1に示す。
倍添加 *2:原料のアミノエーテルアルコールAに対し、10重量
%添加 *3:原料のアミノエーテルアルコールAの転化率 *4:固形分中の5−アミノ−3−オキサ−ペンタン酸−
N,N−ジ酢酸トリナトリウム塩の重量% *5:酸化ジルコニウム 100gに硝酸銅42gを含む水溶液
を含浸させ、乾燥後、空気中 500℃、3時間焼成し、水
素気流中 230℃、6時間還元処理したもの *6:バナジウム元素を銅に対し、75ppm 含有した展開ラ
ネー銅触媒。
ム 390g、水 560g、モノエタノールアミン68g、そし
て炭酸ナトリウム 210gを添加し、室温で4時間攪拌し
た。その後、加温し85〜95℃で5時間攪拌し、上記式(I
II) で表される5−アミノ−3−オキサ−ペンタン酸−
N,N−ジ酢酸トリナトリウム塩を10%含む水溶液1080
gを得た。収率は36%、固形分中の純度は19%であっ
た。
{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル}−N−エタ
ノールアミン(以下アミノエーテルアルコールBと略
記)、N−〔2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エ
トキシ}エチル〕−N,N−ジエタノールアミン(以下
アミノエーテルアルコールCと略記)、又はアミノエー
テルアルコールAとBとCとの60/20/20(重量比)の
混合物を用い、反応温度、圧力及び時間を表2に示すよ
うに変えた以外は実施例1と同様に反応を行い、表2に
示すアミノエーテルカルボン酸塩を得た。その収率及び
純度を表2に示す。
ハイスピードミキサーにて破砕造粒することにより粉末
状の洗浄剤組成物を製造した。得られた洗浄剤組成物に
ついて、人口汚染布に対する洗浄性能を下記方法で評価
した。結果を表3に示す。
gを均一に塗布して皮脂汚れ汚染布を作成した。 ・モデル皮脂汚れ組成 綿実油 60% コレステロール 10% オレイン酸 10% パルミチン酸 10% 液体及び固体パラフィン 10% (2) 泥汚れ汚染布(人口汚染布)の作成 鹿沼園芸用赤玉土を 120℃±5℃で4時間乾燥後粉砕
し、150 メッシュ(100μm)パスのものを 120℃±5℃
で2時間乾燥後、約 150gを1リットルのパークレンに
分散させ、金巾#2023布をこの液に接触させ、ブラッシ
ングし、分散液を除去し、過剰付着汚れを脱落させて、
泥汚れ汚染布を作成した。
×10cmの綿の皮脂汚れ汚染布又は泥汚れ汚染布を5枚入
れ、ターゴトメーターにて100rpmで洗浄した。洗浄条件
は次の通りである。 ・洗浄条件 洗浄時間 10分 洗浄剤濃度 0.083% 水の硬度 4°DH 水温 20℃ すすぎ 水道水にて5分間 洗浄力は汚染前の原布及び洗浄前後の汚染布の 460nmに
おける反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定
し、次式によって洗浄率(%)を求め、5枚の測定平均
値を洗浄力として示した。
(アルキル基の炭素数12〜13) *2 AS :アルキル硫酸ソーダ (アルキル基の炭素数
12〜14) *3 実施例及び比較例で得られたアミノエーテルカルボ
ン酸塩を含む固形分の重量%で示す。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、m 及び nは同一又は異なって、0〜5の数を示
す。但し、m 及びn が同時に0となることはない。)で
表されるアミノエーテルアルコールをアルカリ金属の水
酸化物、水、及び銅含有触媒の存在下、酸化脱水素反応
させることを特徴とする一般式(II)で表されるアミノ
エーテルカルボン酸又はその塩の製造法。 【化2】 (式中、m 及びn は前記の意味を示し、M は水素原子、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム又は塩
基性アミノ酸基を示し、複数個のM は同一でも異なって
いてもよい。) - 【請求項2】 銅含有触媒が展開ラネー銅触媒、又は酸
化ジルコニウムに担持した銅触媒である請求項1記載の
製造法。 - 【請求項3】 銅含有触媒がバナジウムを含有する請求
項1又は2記載の製造法。 - 【請求項4】 アルカリ金属の水酸化物が水酸化カリウ
ムである請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9010974A JPH10204044A (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | アミノエーテルカルボン酸又はその塩の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9010974A JPH10204044A (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | アミノエーテルカルボン酸又はその塩の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10204044A true JPH10204044A (ja) | 1998-08-04 |
Family
ID=11765139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9010974A Pending JPH10204044A (ja) | 1997-01-24 | 1997-01-24 | アミノエーテルカルボン酸又はその塩の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10204044A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013522269A (ja) * | 2010-03-18 | 2013-06-13 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 副生成物が少ないアミノカルボキシレートを製造するための方法 |
-
1997
- 1997-01-24 JP JP9010974A patent/JPH10204044A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013522269A (ja) * | 2010-03-18 | 2013-06-13 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 副生成物が少ないアミノカルボキシレートを製造するための方法 |
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