JPH10202293A - 窒素含有排水の生物学的硝化方法およびその装置 - Google Patents

窒素含有排水の生物学的硝化方法およびその装置

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JPH10202293A
JPH10202293A JP742297A JP742297A JPH10202293A JP H10202293 A JPH10202293 A JP H10202293A JP 742297 A JP742297 A JP 742297A JP 742297 A JP742297 A JP 742297A JP H10202293 A JPH10202293 A JP H10202293A
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wastewater
nitrification
nitrogen
tank
treatment
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Minoru Tomita
実 冨田
Masahiro Kawabata
雅博 川端
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  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品製造におけるウェット処理プロセス
から排出される窒素含有排水の硝化処理を効率的に行
う。 【解決手段】 原水槽1に流入された窒素含有排水につ
いて、pH中和槽2、還元槽3で、中和還元処理した
後、凝集分離槽4で、凝集処理する。この凝集処理によ
って、排水中に含まれている硝化阻害物質が除去され
る。そして、この凝集処理によって硝化阻害物質を除去
した処理水を硝化槽5に導入し、ここで硝化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IC、LSI、超
LSIなどの集積回路の製造工程や、液晶表示装置の製
造工程などの電子部品の製造におけるウェット処理プロ
セス、すなわち、半導体ウェハー等の電子部品の表面を
硫酸、過酸化水素、塩酸、アンモニア水等の各種薬液や
超純水を用いて処理するプロセスから排出される排水、
より具体的には洗浄工程、エッチング工程、現像工程、
更には剥離工程等から排出される排水を含むものであっ
て、特にアンモニア性窒素を含む排水の硝化処理方法お
よびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】IC、LSI、超LSIなどの半導体集
積回路や液晶表示装置は、シリコンウェハー等の基板上
の所定の領域に不純物を導入したり、絶縁物を堆積した
り、配線を形成したりする工程を繰り返すことによって
製造される。そして、このような所定の領域についての
各種処理を行うためにフォトリソグラフィー技術が広く
採用されている。すなわち、フォトリソグラフィー技術
では、基板上にフォトレジストを塗布し、ステッパーな
どにより所望のパターンの露光を行い、その後、現像、
剥離、エッチング、洗浄などのいわゆるウェット処理を
行うことによって、所定の領域のみを露出させ、ここに
予め定められた処理を行う。
【0003】ここで、フォトリソグラフィーに利用する
フォトレジストには、露光によって照射部分が不溶化す
るネガ型レジストと、照射部分が可溶化するポジ型レジ
ストがある。そして、ポジ型フォトレジストの代表的な
ものとして、o−ジアゾナフトキノン等の感光剤を含有
したノボラック樹脂が知られており、広く利用されてい
る。
【0004】また、上記の現像、剥離、エッチング、洗
浄などの各工程には、超純水や、硫酸、過酸化水素、塩
酸、アンモニア水、発煙硝酸等が用いられ、これらの組
み合わせによる薬液洗浄やエッチング、剥離等が行われ
ている。そして、このような薬液や超純水等の液体を用
いて電子部品の表面を処理するプロセスを、一般にウェ
ット処理プロセスと称している。ここで、これら薬液洗
浄やエッチング、剥離等の操作は、通常薬液を貯留する
タンクに電子部品をどぶづけすることによって行われ、
一定期間使用後に新しい薬液に更新される。そこで、こ
の薬液の更新時には、使用済みの薬液が排出されること
になる。この使用済みの薬液は、その含有物質に応じて
中和処理、希釈処理、その他の処理が行われて放出され
るが、放流水の規制などに応じて各種の処理が必要にな
る。
【0005】例えば、湖沼や湾等の閉鎖性水域における
富栄養化防止の観点から、排水中の窒素・りんの排出規
制が一部地域で実施されている。そこで、上述のような
ウェット処理プロセスからの排水に含まれる窒素を除去
する必要がある。
【0006】排水中の窒素の除去方法には、(i)微生
物の硝化脱窒作用を利用する微生物法、(ii)アンモ
ニアと塩素の反応を利用する不連続点塩素処理法、(i
ii)高pHでのアンモニアの水中からの放出を利用す
るアンモニアストリッピング法、(iv)イオン交換樹
脂を利用したイオン交換法、等が知られている。ここ
で、(ii)、(iii)はアンモニウム塩のみが対象
であり、また(iv)アンモニウム塩、硝酸塩、亜硝酸
塩が対象になる。一方、(i)の微生物法は、アンモニ
ウム塩の他、有機態窒素、硝酸塩、亜硝酸塩が除去可能
であり、かつ二次汚染の心配のない窒素ガスとして排水
中の窒素を除去でき、さらにランニングコストが比較的
安いというメリットもある。そこで、各種の窒素含有排
水からの窒素の除去方法として、広く採用されている。
【0007】ここで、この微生物法による窒素除去につ
いて、簡単に説明する。この微生物法は、排水中のアン
モニア態窒素および有機態窒素を一旦硝酸または亜硝酸
にまで酸化する硝化工程と、硝酸または亜硝酸を窒素ガ
スに還元する脱窒工程からなっている。そして、硝化工
程、脱窒工程では、次のような反応が進行する。
【0008】 (硝化工程) NH4 ++1.5O2→No2 -+H20+2H+ (1) NO2 -+0.5O2→NO3 - (2) (脱窒工程) 2NO2 -+6H+(水素供与体)→N2+2H2O+2OH- (3) 2NO3 -+10H+(水素供与体)→N2+4H2O+2OH- (4) ここで、上述の硝化工程における(1)(2)の反応
は、好気的条件下において進行する反応であり、(1)
(2)の反応に関与する代表的な細菌として、Nitrosom
onas、Nitrobacterがそれぞれあげられる。
【0009】一方、脱窒工程における(3)(4)の反
応は、嫌気的条件下において進行する反応であり、この
反応は通性嫌気性細菌であるPseudomonas、Micrococcu
s、Hyphomicrobium、Thiobacillus等によるといわれて
いる。
【0010】ここで、(1)(2)の硝化反応に関与す
る上述の細菌は自栄養性の細菌であり、有機炭素源がな
くても生育する。また、排水中に有機炭素源が存在する
場合には、通常好気性の細菌によって、有機炭素源は酸
化分解される。一方、(3)(4)脱窒反応において
は、硝酸、亜硝酸の還元を行うために水素供与体(有機
炭素源)が必要となる。この水素供与体の供給方法とし
ては、排水中の有機物を利用する方法、メタノールなど
の薬品を添加する方法、微生物の内生呼吸を利用する方
法などが知られている。
【0011】このような微生物を利用する窒素除去方法
は、上述のように他の除去方法に比べ各種の点で優れて
いるため、IC、LSI、超LSI等の半導体集積回路
や液晶表示装置の製造におけるウェット処理プロセスに
おいて排出される窒素を含有する排水に対しても、従来
より採用されている。なお、これら排水は、pHが非常
に低かったり、過酸化水素などの酸化性物質を含む場合
も多いため、中和、酸化性物質還元などの前処理をおこ
なった後、微生物を利用する処理に供されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、微生物
を利用する窒素除去方法は各種のメリットがあるが、本
発明の処理対象である電子部品製造におけるウェット処
理プロセスから排出される排水の処理においてはその効
率が十分高くないことが明らかになった。すなわち、本
発明者らの研究により、硝化工程における硝化速度が、
例えば下水中のアンモニア性窒素の硝化速度に比べ、著
しく低いことがわかった。近年、排出規制などの強化に
応じより高効率の窒素除去が求められるようになってき
ており、排水中の窒素をより効率的かつ安定して除去し
たいという課題がある。
【0013】本発明者らは、この点について、各種実験
を行い、その結果、前記のような電子部品のウェット処
理プロセスから排出される窒素含有排水、特にアンモニ
アを用いた洗浄工程の排水と、硫酸と過酸化水素を混合
した薬液を用いた洗浄工程の排水とを含む排水を処理し
た場合に、pHの中和、過酸化水素の還元処理を行って
もアンモニア性窒素の硝化が阻害されることが明らかに
なった。すなわち、このようなウェット処理プロセスか
ら排出される排水中には、硝化反応を阻害する物質が含
まれており、このために硝化の効率が低下していること
がわかった。
【0014】本発明は、上記認識に基づいてなされたも
のであり、電子部品製造におけるウェット処理プロセス
から排出される窒素含有排水について効果的な硝化処理
が行える窒素含有排水の生物学的硝化方法およびその装
置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、電子部品製造
におけるウェット処理プロセスから排出される窒素含有
排水の生物学的硝化方法であって、排水に凝集剤を添加
混合しその後固形物を分離する凝集分離処理を行い、排
水中に含まれる硝化阻害物質を除去した後、生物的な硝
化処理を行うことを特徴とする。このように、排水に対
し凝集分離処理を施すことにより、排水中に含まれる硝
化阻害物質が効果的に分離除去される。従って、その後
に行われる硝化処理における硝化速度を十分高いものに
でき、効果的な硝化処理を安定して行うことができる。
【0016】また、上記排水は、アンモニア性窒素を含
むことを特徴とする。
【0017】また、上記排水には前記のような電子部品
を硫酸と過酸化水素を含む溶液で処理した排水が含まれ
ることを特徴とする。さらに、上記排水には、チオフェ
ン構造の物質が含まれることを特徴とする。
【0018】すなわち、前記したフォトリソグラフィー
工程においてノボラック樹脂をフォトレジストとして利
用してウェハー上に回路パターンを作製し、その後この
ウェハーを硫酸と過酸化水素を含む洗浄液で洗浄するこ
とは広く利用されている洗浄方法である。この方法によ
る排水には、ウェハー上に極く少量残留しているノボラ
ック樹脂に由来すると思われるチオフェン構造の物質が
含まれる場合が多く、本発明者等の研究によればこのチ
オフェン構造の物質が硝化阻害物質となっていることが
推定された。そこで、このような排水について凝集分離
処理を予め行うことにより、その後に行われる硝化処理
を効率的で安定したものにできることがわかった。
【0019】また、本発明は、排水に添加混合する凝集
剤は、鉄またはアルミニウム系の凝集剤であることを特
徴とする。このような無機凝集剤を利用した凝集処理に
よって、硝化阻害物質が効果的に除去されることが実験
的に確認されている。
【0020】また、本発明は、電子部品製造におけるウ
ェット処理プロセスから排出される窒素含有排水の生物
学的硝化装置であって、排水に凝集剤を添加混合し、そ
の後固形物を分離することによって硝化阻害物質を除去
する凝集分離手段と、この凝集分離手段により固形物が
分離された液体分を好気性雰囲気で硝化処理する硝化処
理手段と、を含むことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に好適な実施の形態
(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明
する。
【0022】図1は、実施形態の構成を示すブロック図
である。LSIや液晶表示装置の製造工場のウェット処
理プロセスから排出されるアンモニア含有の洗浄排水
と、硫酸および過酸化水素を含有する洗浄排水とを含む
原水は、原水槽1に導入貯留される。通常、この排水中
には、フォトリソグラフィー工程において使用されたノ
ボラック樹脂に由来すると思われるチオフェン構造を持
つ物質が含まれている。なお、排水は更に他の排水と混
合されたものでもよい。
【0023】原水槽1内の排水は、通常酸性を呈してい
るのでこの酸性の排水を原水ポンプ等により、pH中和
槽2に導入し、まず中和処理を行う。すなわち、このp
H中和槽2には、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液が
供給されており、これによって排水のpHを中性付近に
調整する。pH中和槽2において中和された排水は、次
に還元槽3に導入される。この還元槽3には、還元剤
(例えば亜硫酸ナトリウムや、重亜硫酸ナトリウム)が
供給されており、これによって排水中の過酸化水素等の
酸化性物質が還元される。なお、還元槽3として、活性
炭槽を採用し、活性炭によって酸化性物質を除去しても
よい。
【0024】そして、このような中和、還元処理が行わ
れた排水は、凝集分離槽4に導入され、ここで凝集分離
処理が行われる。本実施形態では、PAC(ポリ塩化ア
ルミニウム)が凝集剤として添加されて凝集フロックが
形成され、その後、形成されたフロックが例えば沈殿分
離される。なお、凝集沈殿に限らず、凝集浮上分離や、
凝集ろ過等も採用できる。また、凝集剤としては、塩化
第2鉄等の鉄塩や硫酸アルミニウム等のアルミニウム塩
が好適に採用される。さらに、高分子凝集剤を添加し、
凝集反応を強化することも好適である。
【0025】凝集分離槽4において、フロックが凝集分
離された処理水は、硝化槽5に導入される。この硝化槽
5は曝気槽、沈殿分離槽、沈殿汚泥の返送ラインから構
成され、上述した好気性細菌等によるアンモニア性窒素
の酸化処理(硝化処理)が行われる。なお、浸漬ろ床や
回転円板等の固定床により硝化反応槽を形成し、返送ラ
インを省略することも好適である。
【0026】硝化槽5の処理水は、脱窒槽6に導入され
る。この脱窒槽6は、メタノールが水素供与体として添
加混合される攪拌槽、沈殿槽、沈殿汚泥の返送ラインか
ら構成されており、メタノールを酸化して、硝酸を窒素
ガスに還元する。なお、脱窒槽6を覆蓋し、大気との接
触を少なくすることも好適である。さらに、脱窒槽6に
充填材を充填し、ここに微生物を生育させる固定床とす
ることも好適である。これによって、返送ラインが不要
となる。さらに、メタノールの添加に代え、細菌の内生
呼吸や排水中の有機物を利用してもよい。
【0027】このように、本実施形態では、硝化槽5の
前段に凝集分離槽4を配置した。そこで、この凝集分離
槽4において、排水中に含まれる硝化阻害物質が除去さ
れる。従って、硝化槽5に流入される排水中に硝化阻害
物質が存在せず、効率的な硝化処理が行える。なお、硝
化阻害物質の凝集の機構については明らかではないが、
通常の有機物や重金属の除去機構と同様であると考えら
れる。また、硝化阻害物質は、ノボラック樹脂が硫酸/
過酸化水素を利用した洗浄工程において化学変化を起こ
し生成されたものであり、チオフェン構造を有する物質
であると推定される。
【0028】「その他の構成」半導体集積回路や液晶表
示装置などの製造工程では、上述のような窒素含有排水
(窒素系排水)の他にフッ素系の排水が生じる。これは
エッチング処理などにフッ化水素がよく使用されるから
である。そして、フッ素の除去には、通常カルシウムイ
オンを利用した凝集処理が採用される。
【0029】フッ素系排水とアンモニアを含む窒素系排
水は、別の工程から生じるが、これを混合した混合排水
として処理することも考えられる。しかし、カルシウム
イオンによるフッ素の処理は、フッ素をフッ化カルシウ
ムを晶析して除去するものである。このため、排水中の
フッ素濃度が高濃度であった方が処理効率がよい。
【0030】そこで、電子部品の製造におけるウェット
処理プロセスから生じる排水は、フッ素系排水と、窒素
系排水を混合して排水中のフッ素濃度を希釈により低下
させてからフッ素除去を行うよりも、両排水をそれぞれ
別々に回収し、フッ素系排水についてのみカルシウムイ
オンによる晶析処理を行うことが好ましい。
【0031】すなわち、図2に示すように、フッ素系排
水のみを原水槽11を介し、晶析槽12に導入し、ここ
でフッ素をフッ化カルシウムとして除去する。そして、
この処理水を例えば窒素系排水の凝集分離槽4に導入
し、その後一緒に処理する。このような処理によって、
フッ素系排水および窒素系排水の両方を効果的に処理す
ることができる。
【0032】また、排水中に比較的多量の有機物が含ま
れている場合は、凝集処理後の排水に対して有機物除去
のための好気性生物処理を行い、しかる後に硝化処理を
行うようにするとよい。
【0033】
【実施例】
「実施例1」以下の通りの水質のLSI製造工場の洗浄
工程から排出される排水を用い、回分試験による硝化実
験を行った。
【0034】 pH:1.5 NH4−N:50mg/L NO3−N:50mg/L TOC:1mg/L H22:3000mg/L H2SO4:6000mg/L この排水をpH7に調整し、重亜硫酸ナトリウムによっ
て還元処理を行った後、pH緩衝剤としてNaHC
3:2000mg/Lを添加し、硝化処理実験の試料
とした。
【0035】(凝集なし)の硝化処理には、この試料を
直接用い、(凝集あり)の硝化処理には、以下の条件で
凝集処理した後の上澄み液を用いた。
【0036】 10%PAC溶液添加量:200mg/L 凝集pH:7 急速攪拌時間:5分 高分子凝集剤(オルフロックAP−1(オルガノ株式会
社商品名))添加量:4mg/L 緩速攪拌時間:15分 静置時間:30分 このようにして得た(凝集なし)(凝集あり)の試料5
00mLをビーカーにとり、これに下水を処理している
硝化槽からの汚泥を投入して200mgSS/Lとなる
ように植種した。そして、これを曝気し、時間毎にアン
モニア性窒素濃度を測定し、アンモニア性窒素の減少速
度から単位SS(浮遊固形物=微生物)当たりの時間当
たりの硝化速度を求め、その最大値を表1に示す。
【0037】
【表1】 最大硝化速度(mg−N/g−ss/h) 凝集なし 0.97 凝集あり 9.3 これより、凝集処理を行うことによって、硝化処理にお
ける硝化速度をほぼ10倍にできることがわかる。
【0038】なお、排水をPACによって凝集処理した
際に分離したフロックについて赤外吸光分析を行ったと
ころ、このフロック中にはチオフェン構造の物質が含有
されていることが確認された。
【0039】「実施例2」有効容積0.3m3の固定床
型硝化リアクターを用いて、LSI製造工場の洗浄工程
から排出される排水の生物学的硝化実験を行った。な
お、充填材には、特開平8−164400号公報に記載
されている平板状の不織布上に波板状の不織布を貼り付
けた形のものを開口が垂直方向になるように充填したも
のを用いた。また、原水および曝気空気は、リアクター
の下部から供給し、曝気空気量は、50NL(ノルマル
リットル)/minとした。
【0040】排水の水質は、以下の通りであった。
【0041】 pH:0.5〜1.5 NH4−N:平均約50mg/L NO3−N:平均約50mg/L TOC:0.5〜2.0mg/L H22:30〜5000mg/L H2SO4:1500〜6000mg/L この排水を予めpH中和を行い、活性炭層にSV(空間
速度)5h-1で通水し、H22が除去されたことを確認
した。また、pHはリアクター出口の処理水が7付近に
なるように調整した。Run1には、活性炭層通水後の
排水を直接用い、Run2には、活性炭層通水後の排水
を以下の条件で凝集した後、その上澄み液を用いた。
【0042】 10%PAC溶液添加量:200mg/L 凝集pH:7 急速攪拌時間:5分 高分子凝集剤(オルフロックAP−1(オルガノ株式会
社商品名))添加量:4mg/L 緩速攪拌時間:15分 静置時間:30分 通水量を次第に増加させていき、処理水のアンモニア性
窒素濃度の変化を測定した。この結果に基づくアンモニ
ア性窒素の容積負荷と硝化速度との関係を図2に示す。
【0043】なお、容積負荷および硝化速度は以下のよ
うにして求めた。
【0044】(容積負荷)=(原水アンモニア性窒素濃
度)× (原水供給量)÷(リアクター有効容積) (硝化速度)={(原水アンモニア性窒素濃度)−(処
理水アンモニア性窒素濃度)}× (原水供給量)÷
(リアクター有効容積) 図3において、●はRun1、○はRun2の結果であ
る。Run1ではアンモニア性窒素の硝化率が安定しな
かったことから、プロットがばらついているが、最大の
硝化速度は、0.2kg−N(窒素)/m3/d程度あ
ると判断される。一方、Run2では、0.6kg−N
/m3/d以上の高負荷でプロットがばらついている
が、それ以下では安定している。最大硝化速度は、0.
7kg−N/m3/dであると判断される。これより、
凝集処理を行うことにより、硝化速度が3.5倍程度上
昇することが確認された。
【0045】なお、Run2における凝集処理の際に分
離したフロックについて赤外吸光分析を行ったところ、
このフロックの中にはチオフェン構造の物質が含有され
ていることが確認された。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電子部品製造におけるウェット処理プロセスからの排水
に対し、凝集処理を行い硝化阻害物質を除去すること
で、その後に行う硝化処理を効率的なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の全体構成を示すブロック図であ
る。
【図2】 その他の構成を示すブロック図である。
【図3】 アンモニア性窒素の容積負荷と硝化速度の関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 原水槽、2 pH中和槽、3 還元槽、4 凝集分
離槽、5 硝化槽、6脱窒槽。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品製造におけるウェット処理プロ
    セスから排出される窒素含有排水の生物学的硝化方法で
    あって、 排水に凝集剤を添加混合しその後固形物を分離する凝集
    分離処理を行い、排水中に含まれる硝化阻害物質を除去
    した後、生物的な硝化処理を行うことを特徴とする窒素
    含有排水の生物学的硝化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法において、 上記排水には電子部品を硫酸と過酸化水素を含む溶液で
    処理した排水が含まれることを特徴とする窒素含有排水
    の生物学的硝化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の方法におい
    て、 上記排水は、窒素分としてアンモニア性窒素を含むこと
    を特徴とする窒素含有排水の生物学的硝化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方
    法において、 上記排水には、チオフェン構造の物質が含まれることを
    特徴とする窒素含有排水の生物学的硝化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1つに記載の方
    法において、 排水に添加混合する凝集剤は、鉄またはアルミニウム系
    の凝集剤であることを特徴とする窒素含有排水の生物学
    的硝化方法。
  6. 【請求項6】 電子部品製造におけるウェット処理プロ
    セスから排出される窒素含有排水の生物学的硝化装置で
    あって、 排水に凝集剤を添加混合し、その後固形物を分離するこ
    とによって硝化阻害物質を除去する凝集分離手段と、 この凝集分離手段により固形物が分離された液体分を好
    気性雰囲気で硝化処理する硝化処理手段と、 を含むことを特徴とする窒素含有排水の生物学的硝化装
    置。
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JP2001259688A (ja) * 2000-03-16 2001-09-25 Kurita Water Ind Ltd 廃液の処理方法
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JP2007160236A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Central Res Inst Of Electric Power Ind バイオリアクター
JP2012086124A (ja) * 2010-10-18 2012-05-10 Kurita Water Ind Ltd 超純水製造方法

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