JPH10200793A - ファインダー装置及びそれを備えたカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】ファインダー画像の任意の部分で合焦確認を可
能とするファインダー装置及びこれを備えたカメラを提
供する。 【解決手段】ファインダースクリーン上の画像を撮像す
る光電変換素子が面状に配置されたエリアイメージセン
サを備えたファインダー１と、エリアイメージセンサに
より撮像された画像を表示する表示手段７と、表示手段
に表示された画像の任意の位置を中心に画像を拡大表示
するための画像処理手段４とを備えたことを特徴とする
ファインダー装置及びこれを備えたカメラである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、撮像レンズからの
撮像光の画像を確認するためのファインダー装置及びそ
れを備えたカメラに関する。

【０００２】

【従来の技術】いわゆるフィルムカメラにおいて、撮像
対象物を撮像する時には、光学式ファインダーを用いて
撮像対象物の合焦状態や撮像範囲などを確認する。この
光学式ファインダーを用いて画像の確認を行なうため
に、一眼レフカメラにあっては、カメラ本体内のファイ
ンダー光学系に光路を導く反射機構が設けられ、この反
射機構によって導かれた画像光は、一旦、カメラ本体内
に設けられた焦点板則ちファインダースクリーン上に結
像する。

【０００３】さらに、このファインダースクリーンに結
像された画像光は光学式ファインダー内の光路によっ
て、接眼レンズに導かれ、撮影者によって、画像が確認
される。そして、確認後、フィルムに画像光が照射され
撮影される。後に、フィルムが現像され、プリントされ
て撮影像が観察可能となる。

【０００４】このとき、撮影者によって確認される画像
は、通常、ファインダースクリーンの中央付近の画像部
分に対して合焦が行われる。

【０００５】さらに、ファインダースクリーン上の被写
体像を拡大し、さらに正確な合焦を行いたい場合は、拡
大鏡（マグニファイヤー）が、ファインダー後方に取り
付けられる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、撮像範
囲において、合焦を確認したい被写体が中央付近にある
とは限られず、目的の被写体が撮像範囲中央から外れる
場合には、撮像前に目的の被写体を撮像範囲中央に移動
させて、合焦を行うなどの操作が必要であった。

【０００７】また、上記のマグニファイヤーが取り付け
られた場合であっても、撮像範囲の中央部付近が拡大さ
れるため、上述同様に目的の被写体が撮像範囲中央から
外れる場合には、撮影前に目的の被写体を撮影範囲中央
に移動する必要があり、操作が煩雑となる。

【０００８】そこで、本発明の目的は、撮影範囲の中央
から外れた被写体の合焦を行う際、この被写体を撮像範
囲の中央に移動させることなく、容易に合焦を行えるフ
ァインダー装置を提供することである。

【０００９】さらに、本発明の目的は、画像の任意の部
分で合焦確認を可能とするファインダー装置及びこれを
備えたカメラを提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するためのファインダー装置の第一の構成は、ファイン
ダースクリーン上の画像を撮像する光電変換素子が面状
に配置されたエリアイメージセンサを備えたファインダ
ーと、前記エリアイメージセンサにより撮像された画像
を表示する表示手段と、該表示手段に表示された画像の
任意の位置を中心に前記画像を拡大表示するための画像
処理手段とを備えている。

【００１１】さらに、上記本発明の目的を達成するため
のファインダー装置の第二の構成は、前記第一の構成の
ファインダー装置において、前記エリアイメージセンサ
により撮像された画像を画素データとして記憶するメモ
リを備えており、前記第一の構成における前記画像処理
手段は、前記画像の任意の位置を指示する指示手段と、
前記画像の任意の拡大率を入力する入力手段と、該入力
手段により入力された拡大率及び前記指示手段により指
示された位置に基づいて、前記メモリから読み出す前記
画素データの範囲を求めるための演算手段と、該演算手
段により求められた該範囲の前記画素データを前記メモ
リから出力させるメモリ制御手段とを備えている。

【００１２】また、上記本発明の目的を達成するための
カメラは、上記第一及び第二の構成のファインダー装置
と、フィルム装填機構又は光電変換素子が線状に配置さ
れたリニアイメージセンサを備えたカメラ本体と、該カ
メラ本体に取り付けられる撮像レンズと、前記撮像レン
ズからの撮像光を前記ファインダー又はフィルム面のい
ずれか、或いは前記ファインダー又は前記リニアイメー
ジセンサのいずれかへの光路に切り替える切替手段とを
備えており、前記表示手段に表示された画像に基づいて
該画像の合焦が行われる。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲がこの
実施の形態に限定されるものではない。

【００１４】図１は、本発明の実施の形態の使用状態を
示す概略斜視図である。図１によれば、三脚５に固定さ
れたカメラ本体２には、ＣＣＤエリアイメージセンサを
内蔵したファインダー１が取り付けられている。そし
て、フィルムによる撮影前に、ピント調整のために、フ
ァインダー１による撮像対象物３ａの撮像が行われる。
撮像された画像のビデオ信号は、ケーブル６ａを通し
て、後述するコントロールボックス４に送られ、そこで
の制御によりケーブル６ｂを介して液晶モニタ７に画像
３ｂとして表示される。

【００１５】図２は、カメラ本体２とそれに取り付けら
れた本発明のファインダー装置のファインダー１の断面
図である。図２によれば、撮像レンズ１３から入射した
画像光は、位置Ａにあるミラー１２によって光路が切り
替えられ、ファインダースクリーン１１に結像する。そ
して、ファインダースクリーン１１上の画像は、レンズ
鏡筒８を備えた結像光学系９を通して、ＣＣＤエリアイ
メージセンサ１４（以下ＣＣＤセンサという）によって
撮像され、ビデオ信号に変換される。

【００１６】再度図１に戻ると、液晶モニタ７には、撮
像対象物３ａ全体の画像３ｂが表示される。そして、画
像３ｂ上のピント調整を行いたい任意の位置をカーソル
１５によって指示する。そうすると、その任意の位置を
中心にした所定範囲の画像領域を所定倍率に拡大した拡
大画像３ｃが液晶モニタ７に表示される。

【００１７】このように、ファインダースクリーン１１
上の任意の位置を指示し、その領域をモニタに拡大表示
することにより、カメラ本体２を動かすことなくモニタ
７を見ながら、ファインダースクリーン１１上の任意の
位置のピント調整を容易に行うことができる。

【００１８】以下、本発明に従うファインダー装置を実
現するための中心となるコントロールボックス４につい
て、図３を用いて説明する。ファインダー１からの画像
信号は、ＣＣＤセンサ１４によりコンポジットビデオ信
号として生成され、ケーブル６ａによりコントロールボ
ックス４に入力される。コントロールボックス４に入力
されたコンポジットビデオ信号はＹ／Ｃ分離回路３５に
より、輝度信号（Ｙ）及びクロマ信号（Ｃ）に分離さ
れ、２系統に分離される。一方は、同期分離回路２１に
より、以下に述べる制御に必要な制御信号及び同期信号
に分離され、他方は、ＮＴＳＣデコーダ３６内の図示し
ないマトリックス回路によって３原色（赤（Ｒ）、緑
（Ｇ）、青（Ｂ））の信号（以下、ＲＧＢ信号という）
に変換される。

【００１９】各ＲＧＢ信号は、それぞれ、不要な周波数
を除去するためのフィルタ回路２２、クランプ回路２
３、サンプル＆ホールド回路２４によってＡ／Ｄ変換に
必要なサンプル化信号処理が行われ、Ａ／Ｄ変換回路２
５によりデジタル信号に変換される。デジタル信号に変
換された各ＲＧＢ信号は、画像の画素データとしてそれ
ぞれメモリ１９に例えば一画面分が記憶される。

【００２０】クランプ回路２３は、水平帰線期間内の電
位を一定に保つために設けられ、そのために、上記同期
分離回路２１によって分離された水平帰線消去信号
（Ｈ．ＢＮＫ）がタイミング信号として用いられる。

【００２１】さらに、サンプル＆ホールド回路２４は、
所定のサンプリング周波数で入力信号をサンプリング
し、その振幅値電圧を保持する。保持された振幅電圧は
Ａ／Ｄ変換回路２５に入力される。サンプリング周波数
として、色副搬送波（ｓｃ）の４倍の周波数が用いら
れ、この周波数を有するクロック信号（４ｆｓｃ）が上
記同期分離回路２１から出力される。

【００２２】また、このクロック信号（４ｆｓｃ）は、
基準クロックとしてＡ／Ｄ変換回路２５、後述するメモ
リコントローラ２０及びＤ／Ａ変換回路２６に入力され
る。

【００２３】表示コントローラ１８内のスイッチコント
ローラ３１は、コントロールボックス４の表面部に設け
られたスイッチ３４の状態を監視し、押下されたスイッ
チ３４に応じて、カーソル表示コントローラ３３又は拡
大表示演算回路３２へスイッチ入力信号を送る。

【００２４】カーソル表示コントローラ３３では、スイ
ッチコントローラ３１からのスイッチ入力信号により、
モニタ画面に表示されるカーソル１５の表示位置の制御
を行い、カーソル１５の表示される画面上の位置を特定
するデータをメモリコントローラ２０へ送る。

【００２５】一方、拡大表示演算回路３２では、カーソ
ル１５の表示位置を中心とし、スイッチ３４によって入
力された拡大率データに応じて画像を拡大するために、
拡大表示される領域の演算を行う。さらに、演算された
表示領域がモニタ画面全体に表示されるように、メモリ
１９からのデジタルビデオ信号の読み出し開始位置、読
み出し終了位置を求める演算、また必要により補間処理
などの演算を行う。そして、その演算されたデータをメ
モリコントローラ２０へ送る。

【００２６】具体例として、カーソル１５によって指定
された表示画像上の特定位置を中心に４倍（水平方向及
び垂直方向の寸法をそれぞれ２倍とする）に拡大表示す
る場合を考える。まず、メモリ１９からの読み出し開始
位置及び読み出し終了位置を演算する。読み出し開始位
置及び読み出し終了位置は、図４（ａ）に示すように、
カーソル１５で指定された位置Ｐの座標（Ｘ、Ｙ）を中
心に、モニタ画面の水平方向及び垂直方向の全画素数
（例えば、それぞれ８００画素及び６００画素）のそれ
ぞれ二分の一の画素数（それぞれ４００画素及び３００
画素）の領域（点線部分）の座標即ちメモリ１９のアド
レスである。本実施の形態においては、左上の座標Ａ
（Ｘ−２００、Ｙ−１５０）が読み出し開始位置とな
り、また、右下の座標Ｂ（Ｘ＋２００、Ｙ＋１５０）が
読み出し終了位置となる。

【００２７】このようにして求められた領域に対応する
メモリ１９上の画素データを読み出し、水平方向及び垂
直方向にそれぞれ２倍ずつ拡大した範囲、即ち、図４
（ｂ）に示すように、モニタ画面全体に上記読み出し領
域の画素データが表示される。このとき、拡大する場合
に必要な上記読み出し領域の画素データ間を補間すべき
データは、例えば、読み出された画素データが必要な画
素数分メモリコントローラ２０によって繰り返し使われ
る。これによって、読み出される画素データと画素デー
タとの中間的なデータを作り出さずに、拡大表示が可能
となる。なお、上記読み出した画素のデータの中間値を
補間データとして作り出す補間データ生成回路を備えて
いてもよい。

【００２８】メモリコントローラ２０では、カーソル表
示コントローラ３３及び拡大表示演算回路３２から送ら
れた制御信号に基づいて、メモリ１９に記憶された画素
データの読み出し制御を行う。上述の例においては、読
み出される画素データは、読み出しアドレスから２回ず
つ読み出され、１走査ラインを形成する。これによっ
て、水平方向に２倍に拡大される。さらに、次の走査ラ
インにも上記の走査ラインと同じ画素データが出力され
ることにより垂直方向に２倍に拡大される。このように
してメモリ１９から出力されるＲＧＢ信号は、Ｄ／Ａ変
換回路２６によりアナログ信号に変換される。

【００２９】アナログ信号に変換されたＲＧＢ信号は、
それぞれのフィルタ回路２７により不要な周波数が除去
される。ＲＧＢエンコーダ２８では、ＲＧＢ信号を合成
し、同期信号（Ｃ．ＳＹＮＣ）の付加を行い、コンポジ
ットビデオ信号に変換する。ここで、付加される同期信
号（Ｃ．ＳＹＮＣ）は、ディレー（ＤＬ）回路３０によ
って遅延されている。これは、画像信号がＮＴＳＣデコ
ード回路３６、Ａ／Ｄ変換部１６、メモリ１９、Ｄ／Ａ
変換部１７を通過するのに時間を要し、同期分離回路２
１で分離された同期信号（Ｃ．ＳＹＮＣ）との間に時間
差が生じてしまうからである。

【００３０】コンポジットビデオ信号は、アンプ回路２
９によって増幅され、コントロールボックス４から出力
され、ケーブル６ｂを介して、液晶モニタ７に入力され
る。そして、図１に示すように、ファインダースクリー
ン１１上の全体像３ｂ又は任意の位置を中心とした拡大
画像３ｃが表示される。

【００３１】図５は、本実施の形態のフローチャートで
ある。まず、ファインダー１による撮像対象物の撮像を
行い（ステップＳ１）、その全体像を液晶モニタ７に表
示する（ステップＳ２）。

【００３２】次に、この全体像においてピント調整を行
いたい任意の位置を、画面上に表示されるカーソル１５
で指定し、さらに、その位置を中心に拡大表示するため
の拡大率をコントロールボックス４に入力する（ステッ
プＳ３）。カーソル１５の位置の指定及び拡大率の入力
は、コントロールボックス４上に配置されているスイッ
チ３４によって行われる。

【００３３】カーソル１５の位置の指定及び拡大率の入
力が行われると、上述したようなコントロールボックス
４の制御によって、撮像された画像の指定位置を中心と
した拡大画像が、液晶モニタ７に表示される（ステップ
Ｓ４）。

【００３４】撮影者は、この拡大画像３ｃに基づいてマ
ニュアルによって、ピント調整を行い（ステップＳ
５）、さらには、画像３ａのフィルム撮影を行う。撮影
は図２におけるミラー１２を位置Ｂに移動させ、撮像レ
ンズ１３からの入射光をフィルム面１０に導く。なお、
カメラ本体２は、フィルムに代わって、ＣＣＤリニアイ
メージセンサを備えていてもよい。

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ファインダースクリーン上の画像の任意の位置を指示
し、その指示位置を中心に拡大表示することにより、一
旦決定した構図内の任意の位置のピント合わせのため
に、その位置をファインダースクリーン中心部に移動す
ることなく、ピント調整を容易に行うことが可能とな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の使用状態を示す概略斜視
図である。

【図２】カメラ本体２に取り付けられたファインダー１
の断面図である。

【図３】コントロールボックス４の構成ブロック図であ
る。

【図４】画素データの読み出し領域を説明するための図
である。

【図５】本実施の形態のフローチャートである。

【符号の説明】

１ ファインダー ２ カメラ本体 ４ コントロールボックス ７ 液晶モニタ １１ ファインダースクリーン １２ ミラー １３ 撮像レンズ １４ ＣＣＤエリアイメージセンサ １５ カーソル

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ファインダースクリーン上の画像を撮像す
   る光電変換素子が面状に配置されたエリアイメージセン
   サを備えたファインダーと、 前記エリアイメージセンサにより撮像された画像を表示
   する表示手段と、 該表示手段に表示された画像の任意の位置を中心に前記
   画像を拡大表示するための画像処理手段とを備えたこと
   を特徴とするファインダー装置。
2. 【請求項２】さらに、前記エリアイメージセンサにより
   撮像された画像を画素データとして記憶するメモリを備
   え、 前記画像処理手段は、前記画像の任意の位置を指示する
   指示手段と、 前記画像の任意の拡大率を入力する入力手段と、 該入力手段により入力された拡大率及び前記指示手段に
   より指示された位置に基づいて、前記メモリから読み出
   す前記画素データの範囲を求めるための演算手段と、 該演算手段により求められた該範囲の前記画素データを
   前記メモリから出力させるメモリ制御手段とを備えてい
   ることを特徴とする請求項１に記載のファインダー装
   置。
3. 【請求項３】フィルム装填機構を有するカメラ本体と、 該カメラ本体に取り付けられる撮像レンズと、 前記撮像レンズからの撮像光を前記ファインダー又はフ
   ィルム面のいずれかへの光路に切り替える切替手段とを
   備え、 前記表示手段に表示された画像に基づいて該画像の合焦
   が行われることを特徴とする請求項１又は２に記載のフ
   ァインダー装置を備えたカメラ。
4. 【請求項４】光電変換素子が線状に配置されたリニアイ
   メージセンサを備えたカメラ本体と、 該カメラ本体に取り付けられる撮像レンズと、 前記撮像レンズからの撮像光を前記ファインダー又は前
   記リニアイメージセンサのいずれかへの光路に切り替え
   る切替手段とを備え、 前記表示手段に表示された画像に基づいて該画像の合焦
   が行われることを特徴とする請求項１又は２に記載のフ
   ァインダー装置を備えたカメラ。