JPH10198425A - 無人搬送車の走行制御方法 - Google Patents

無人搬送車の走行制御方法

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JPH10198425A
JPH10198425A JP9005165A JP516597A JPH10198425A JP H10198425 A JPH10198425 A JP H10198425A JP 9005165 A JP9005165 A JP 9005165A JP 516597 A JP516597 A JP 516597A JP H10198425 A JPH10198425 A JP H10198425A
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line
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sensor
wheel
virtual
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JP9005165A
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Takahiro Yokomae
高広 横前
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】誘導ラインに沿って前進および後進する無人搬
送車を、誘導センサの数を増やすことなく、誘導ライン
の非直線区間の通過後に短時間で且つ短い走行距離で誘
導ラインに沿った姿勢に復帰させるようする。 【解決手段】追従輪10に対してこれの誘導センサ12
とは反対側の位置に仮想の誘導センサ34を想定する。
追従輪10の操舵角θと、追従側の誘導センサ12と誘
導ライン33とのずれ量Dとに基づいて、誘導ライン3
3を表わす直線の式と仮想の誘導センサ34の中心点C
の位置とを算出する。仮想の誘導センサ34の中心点C
の位置から仮想の誘導センサ34を表わす直線の式を算
出し、さらに、仮想の誘導センサ34と誘導ライン33
との交点Qを求める。交点Qと仮想の誘導センサ34の
中心点Cの位置から仮想の誘導センサ34の誘導ライン
33に対するずれ量Aを推測する。追従輪9の操舵角θ
をずれ量Aが0になる値に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導ラインを誘導
センサで検出しながら誘導ラインに沿って前進または後
進する無人搬送車の二次元の位置または進路を制御する
ための走行制御方法に関するもので、特に、誘導センサ
が水平面回りに一体的に動くように設けられた操舵輪を
車体の走行方向の前後両側にそれぞれ備えた無人搬送車
の走行制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動化および省力化を目的とした
無人搬送システムに用いられている無人搬送車の走行制
御には、コスト的および技術的に有利な無軌道の固定経
路による誘導方式が一般的に採用されており、無人搬送
車は、電磁気的または光学的な方式により無人倉庫や工
場などの床面に設定された誘導ラインに沿って自動走行
する。このような無人搬送車を誘導ラインに沿わせるた
めの走行制御方法として、車体の進行方向側に設けられ
た誘導センサで誘導ラインを検出し、その検出した誘導
ラインの中心と誘導センサの中心とのずれ量が0になる
ように操舵輪の向き、つまり操舵角を可変することが知
られている。
【0003】また、無人搬送車の車体を誘導ラインへ追
従させるための走行制御を容易に実現する機構として、
図11(a)〜(c)に示すように、操舵輪2に対し車
体1の進行方向(矢印方向)側の位置に誘導センサ3を
配置するとともに、誘導センサ3を操舵輪2と一体に水
平面回りに回動するよう連結して取り付ける機構が公知
である。図11には、無人搬送車として、車体1の進行
方向の前側に設けた操舵輪2が駆動輪を兼用し、車体1
の進行方向の後側左右にキャスタ4,7を設けた三輪車
タイプのものを例示してある。また、誘導ライン8は、
便宜上、その中心線のみを図示してある。
【0004】図11(a)は、車体1の進行方向に沿っ
た中心線1aが誘導ライン8の中心線に対し進行方向に
向かって右側にずれた状態を示してあり、このずれ量
は、誘導センサ3の中心点3aと誘導ライン8の中心線
とのずれ量として誘導センサ3により検出される。つぎ
に、車体1の中心線1aと操舵輪2の向きとがなす操舵
角φを上記の検出したずれ量が0になる値に演算し、同
図(b)に示すように、その算出した操舵角φになるよ
う操舵輪2を誘導ライン8の中心線に向けて操舵する。
このとき、操舵輪2および誘導センサ3は、操舵輪2の
回転中心点2aを支点として水平面回りに一体に回動す
る。この操舵により、同図(c)に示すように、誘導セ
ンサ3の中心点3aが誘導ライン8の中心線上に常に位
置するよう走行制御され、車体1は誘導ライン8に沿っ
て自動走行する。
【0005】一方、誘導ライン8に沿って前進および後
進するようになった無人搬送車では、図12(a)〜
(c)に示すように、誘導センサ11,12が一体的に
水平面回りに回動するよう連結された操舵輪9,10
を、車体1における走行方向に沿った中心線1aの両側
にそれぞれ設けている。図示の矢印方向へ前進する場合
には、前側の誘導センサ11で誘導ライン8を検出しな
がら操舵輪9の向き、つまり操舵角を制御し、図示の反
矢印方向へ後進する場合には、後側の誘導センサ12で
誘導ライン8を検出しながら操舵輪10の操舵角を制御
するようにしている。ところが、進行方向に対し後側と
なる操舵輪(以下、追従輪という)9または10の操舵
は、進行方向に対し前側の操舵輪(以下、先導輪とい
う)10または9の操舵と同様に行うことができない。
その理由を図12を参照しながら以下に説明する。
【0006】図12において、(a)のような場合に
は、図示の状態から車体が進行すると、先導輪9が誘導
ライン8の中心線に対し進行方向に向かって右側にずれ
るので、誘導センサ11の中心点11aと誘導ライン8
の中心線とのずれ量を無くすために、先導輪9がその回
転中心点9aを支点として図における反時計方向回りに
操舵される。これに対し、追従輪10を、先導輪9の操
舵と同様に回転中心点10aを支点に反時計方向回りに
操舵すると、追従輪10が誘導ライン8からさらに離れ
る方向に向かって走行することになる。したがって、こ
の場合には、追従輪10の操舵を先導輪9とは反対に時
計方向回りに操舵する必要がある。一方、(b)のよう
な場合、追従輪10の誘導センサ12は、その中心点1
2aが誘導ライン8の中心線に対し進行方向に向かって
右側にずれていると検出し、この誘導センサ12の検出
値は(a)の場合と同様である。ところが、追従輪10
は、誘導ライン8の中心線に対し(a)の場合とは逆に
進行方向に向かって右側にずれているため、(a)の場
合の先導輪9の操舵と同様に反時計方向回りに操舵しな
ければならない。
【0007】すなわち、(a)と(b)との比較から明
らかなように、追従輪10では、その誘導センサ12の
中心点12aの誘導ライン8に対するずれ量が同じであ
っても、追従輪10を誘導ライン8に沿わせるための操
舵の向きが反対になることがある。一方、(c)は、
(a)の状態から追従輪10の誘導センサ12の中心点
12aを誘導ライン8の中心線と一致させるために、追
従輪10を先導輪9の操舵とは逆に時計方向回りに操舵
した状態を示すが、この操舵により、誘導センサ12が
追従輪10の回転中心点10aを支点に追従輪10と一
体に回動されるので、誘導センサ12の中心点12aと
誘導ライン8の中心線とのずれ量がさらに大きくなって
しまう。ここで、追従輪10の操舵を先導輪9と同様に
行う場合には、上記の大きなずれ量に応じて追従輪10
がさらに大きな操舵角で時計方向回りに操舵されてしま
い、遂には誘導センサ12が誘導ライン8から完全に外
れてしまう結果となる。したがって、追従輪10の操舵
においては、追従側誘導センサ12が検出する中心点1
2aと誘導ライン8の中心線とのずれ量に基づいて単に
操舵角に設定することができない。
【0008】そこで、従来では、誘導ラインに沿って前
進および後進する無人搬送車の走行制御を、先導側誘導
センサの検出値に基づいて先導輪のみを操舵して、追従
輪の向きを車体の進行方向に沿った中心線に一致または
平行状態に固定する走行制御手段、或いは、先導輪と追
従輪とを同一の操舵角で、且つ互いに反対方向回りへ操
舵するように機械的に連結する走行制御手段(特開平3-
160508号公報参照) が一般に用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、無人搬送車
は、主として、物品を車体上に積載して搬送し、その物
品を移載ステーションなどとの間で受け渡しする作業を
行うものであり、上記の移載ステーションは、無人搬送
車の向きが誘導ラインに沿っていると見做して、誘導ラ
インに対し平行に設置されている。したがって、無人搬
送車には、誘導ラインに沿った向きで移載ステーション
に対して平行に対向する姿勢となることが要求される。
【0010】また、誘導ライン8によって設定される無
人搬送車の走行経路には、通常、図13に実線で示すよ
うなコーナー区間が存在する。無人搬送車がコーナー区
間を走行するとき、先導輪の走行軌跡は誘導ライン8に
ほぼ一致するよう制御される。しかし、追従輪の移動軌
跡は、追従輪の向きを車体の進行方向に沿った中心線に
一致させて固定した場合に図13の1点鎖線で示すよう
になり、追従輪の操舵角を先導輪に対し逆相で同一角に
設定した場合に図13の破線で示すようになり、何れの
場合にも、追従輪は、コーナー区間を通過した後に一定
距離を走行しないと誘導ライン8上に沿った向きになら
ない。したがって、コーナー区間の付近には移載ステー
ションを設置することができず、これが面積効率の向上
を図ったコンパクトな搬送経路のレイアウトの実現を妨
げる要因になっている。
【0011】そこで、走行方向の両側にそれぞれ配設す
る2個の誘導輪の各々に、走行方向に対し両側位置に誘
導センサを対称に配置し、且つ誘導輪と一対の誘導セン
サとを一体に回動するよう連結して、先導輪および追従
輪を、各々に対応して2個設けられたうちの進行方向側
の誘導センサによる誘導ラインの検出値に基づいて操舵
するようにした走行制御手段(特開平4-173004号公報参
照)が提案されている。しかしながら、この走行制御手
段では、単一の車体に対して合計四つの誘導センサが必
要になって機構が複雑化する上に、それら誘導センサの
制御手段も複雑化し、コスト高になる欠点がある。
【0012】そこで、本発明は、誘導ラインを誘導セン
サで検出しながら誘導ラインに沿って前進および後進す
る無人搬送車を、誘導センサの数を増やすことなく、誘
導ラインのコーナー区間などの非直線区間の通過後に短
時間で且つ短い走行距離で誘導ラインに沿った姿勢に復
帰させるように走行制御できる方法を提供することを目
的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、床面に敷設された誘導ラインを検出する
ための誘導センサが、操舵輪の回転中心点を支点に水平
面回りに一体に回動するよう前記操舵輪に連結され、二
つの前記操舵輪が、車体の走行方向の前部と後部の各位
置に前記誘導センサを前記車体に対しその中心線上の外
方側に配して個別に操舵可能に設けられ、前記車体の進
行方向に沿った中心線と進行方向側の前記操舵輪である
先導輪の向きとがなす操舵角を、進行方向側の前記誘導
センサが検出する前記誘導ラインに対するずれ量が0に
なるように操舵して、前記車体を前記誘導ラインに沿っ
て走行させる無人搬送車の走行制御方法において、進行
方向に対し後方部の前記操舵輪である追従輪に対してこ
れの前記誘導センサとは反対側の位置に仮想の誘導セン
サを想定し、前記中心線と前記追従輪の向きとがなす操
舵角と、前記追従輪の前記誘導センサが検出する前記誘
導ラインに対するずれ量とに基づいて、前記誘導ライン
を表わす直線の式と前記仮想の誘導センサの中心点の位
置とを算出し、前記仮想の誘導センサの中心点の位置か
ら前記仮想の誘導センサを表わす直線の式を算出し、前
記誘導ラインを表わす直線の式と前記仮想の誘導センサ
を表わす直線の式とに基づいて前記仮想の誘導センサと
前記誘導ラインとの交点を求め、この求めた交点と前記
仮想の誘導センサの中心点の位置から前記仮想の誘導セ
ンサの前記誘導ラインに対するずれ量を推測し、前記追
従輪の操舵角を前記推測したずれ量が0になる値に設定
するようにした。
【0014】上記発明の無人搬送車の走行制御方法で
は、追従輪に対し進行方向側に仮想の誘導センサが存在
するものと想定して、追従輪の操舵を、仮想の誘導セン
サと誘導ラインとのずれ量を0にする操舵角になるよう
制御するので、誘導ラインが直線である場合には、追従
輪を先導輪の操舵と同様に操舵することになり、追従輪
を常に正確に誘導ラインに沿って走行するよう制御する
ことができる。したがって、誘導ラインの非直線区間で
は、追従輪が誘導ラインに沿って走行しない事態が生じ
ても、追従輪が非直線区間を通過して直線区間に進入す
ると同時に、追従輪が先導輪の操舵と同様に操舵される
から、追従輪が即座に誘導ラインに沿って走行し、車体
が誘導ラインに沿った姿勢に復帰する。それにより、誘
導ラインの非直線区間の近辺にも移載ステーションを設
置することが可能となり、コンパクトな搬送レイアウト
の実現が可能になる。
【0015】しかも、仮想の誘導ラインは実際に設置さ
れるものでなく、追従輪の操舵角と、追従側の誘導セン
サが検出した誘導ラインに対するずれ量とに基づいて、
仮想の誘導センサが検出するであろう誘導センサに対す
るずれ量を推測により求めているから、構造が複雑化し
てコスト高になることがない。
【0016】また、上記発明において、誘導ラインを表
わす直線の式と仮想の誘導センサの中心点の位置とを、
追従輪の操舵角と、前記追従輪の誘導センサが検出する
前記誘導ラインに対するずれ量と、先導輪の操舵角とに
基づいて算出することが好ましい。
【0017】それにより、処理数が増えるが、誘導ライ
ンを表わす直線の式と仮想の誘導センサの中心点の位置
とをより正確に算出できる利点がある。
【0018】また、上記発明において、前記誘導ライン
を表わす直線の式と仮想の誘導センサの中心点の位置と
を、追従輪の操舵角と、前記追従輪の誘導センサが検出
する前記誘導ラインに対するずれ量と、先導輪の操舵角
と、前記先導輪の誘導センサが検出する前記誘導ライン
に対するずれ量とに基づいて算出することがより好まし
い。
【0019】それにより、処理数が増えるが、誘導ライ
ンを表す式を一層確実に且つ正確に求めることができ、
仮想の誘導センサの中心点の位置をより一層正確に算出
できる利点がある。
【0020】さらに、上記発明において、誘導ラインの
形状データをメモリに予め記憶させておき、先導輪また
は追従輪の走行距離から追従輪が前記誘導ラインにおけ
る非直線区間を通過中であることを判別し、走行距離に
対応した前記形状データをメモリから読み出し、この読
み出した形状データに基づいて仮想の誘導センサの中心
と、誘導ラインとのずれ量を算出することができる。
【0021】それにより、演算処理が増えるが、追従輪
は、先導輪とほぼ同様に誘導ラインの非直線区間に沿っ
て走行するよう操舵されるから、車体は、誘導ラインの
非直線区間を通過した直後に確実に誘導ラインに沿った
姿勢に復帰する。
【0022】さらにまた、上記発明において、追従輪の
誘導センサが誘導ラインを検出できないと判別したとき
に、前記追従輪の前記誘導センサが前記誘導ラインを検
出するまでの間、先導輪の操舵角に基づいて仮想の誘導
センサを表わす直線の式を算出することができる。
【0023】それにより、追従側の誘導センサが誘導ラ
インを検出できない事態が生じた場合にも、先導輪の操
舵角から誘導ラインを表す直線の式を取り合えず算出し
て、追従側の誘導センサが誘導ラインを可及的に速く検
出できるようにすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明
により走行制御する無人搬送車の概略構成を示すブロッ
ク構成図、図2はその要部の配置を示す概略平面図であ
る。図2において、車体1における走行方向に沿った中
心線1a上の前後箇所には、駆動輪を兼用する第1およ
び第2の操舵輪9,10が設けられている。これら操舵
輪9,10には、それぞれ第1および第2の誘導センサ
11,12が、操舵輪9,10に対し車体1における外
方側に位置するとともに、取付部材21,22により一
体に水平面回りに回動するよう連結状態に配設されてい
る。
【0025】図1において、操舵輪9,10は、第1お
よび第2の走行用モータ13,14により個別に回転駆
動され、無人搬送車の本体である車体1は、回転駆動さ
れる両操舵輪9,10と車体1の中央部両側に設けられ
た一対の従動車輪17,18とにより走行する。この車
輪1の走行方向は、第1および第2の操舵用モータ1
9,20により水平面回りに個別に回動される操舵輪
9,10の向きにより制御される。各操舵輪9,10
は、各々の回転中心点9a,10aを車体1の中心線1
a上に位置して取り付けられており、回転中心点9a,
10aを支点として水平面回りに回動する。
【0026】第1および第2の操舵用モータ19,20
の回転は、それぞれエンコーダなどからなる第1および
第2の操舵角検出用回転量センサ23,24により個別
に検出され、第1および第2の走行用モータ13,14
の回転は、それぞれエンコーダなどからなる第1および
第2の走行距離検出用回転量センサ27,28により個
別に検出される。
【0027】車体1に搭載された制御装置29は、上記
の第1および第2の誘導センサ11,12、第1および
第2の操舵角検出用回転量センサ23,24、第1およ
び第2の走行距離検出用回転量センサ27,28に対し
その検出信号を入力されるよう接続されており、車体1
の二次元の位置および進路を制御する。すなわち、制御
装置29の中央処理装置30は、上記の各検出信号の入
力によりROM31に記憶の制御プログラムを実行し
て、RAM32から所要のデータを読み出して所要の演
算を行い、その演算により算出したデータに基づき操舵
用モータ19,20や必要に応じて走行用モータ13,
14を制御する。
【0028】また、無人倉庫などの床面には、誘導セン
サ11,12により検出されて無人搬送車を誘導するた
めの、例えば誘導テープからなる誘導ライン33が貼着
されて敷設されている。誘導センサ11,12は、各々
の中心点11a,12aと誘導ラインの中心線33aと
のずれ量を検出する。この無人搬送車は、誘導センサ1
1,12が検出する誘導センサ11,12の中心点11
a,12aと誘導ライン33の中心線33aとのずれ量
が0になるよう操舵輪9,10を操舵して、誘導ライン
33に沿って走行するよう制御される。
【0029】本発明の無人搬送車の走行制御方法の着眼
点は、図2に示すように、追従輪となる操舵輪10(図
2の反矢印方向へ進行する場合には操舵輪9)に対し誘
導センサ12とは反対側箇所に仮想の誘導センサ34を
想定して、この仮想の誘導センサ34の中心点34aと
誘導ライン33の中心線33aとのずれ量を0にするよ
う制御することにより、誘導センサの数を増やすさず
に、追従輪を先導輪と同様の操舵により適正に制御しよ
うとするものである。
【0030】図3は、本発明の第1の実施の形態に係る
無人搬送車の走行制御方法の説明図を示し、図4はその
走行制御方法のフローチャートである。いま、無人搬送
車が誘導ライン33の中心線33aに沿って図3の矢印
方向に進行しているものとする。したがって、第1の操
舵輪9が先導輪となり、第2の操舵輪10が追従輪とな
る。この種の無人搬送車では、先導側の誘導センサ11
が誘導ライン33を検出しながら誘導センサ11の中心
点11aと誘導ライン33の中心線33aとのずれ量が
0になるよう先導輪9を操舵して、誘導ライン33に沿
って走行する。そのため、無人搬送車が誘導ライン33
に沿って走行しているときには、以下の(条件1)が成
立する。
【0031】(条件1 先導輪9の回転中心点9aは誘
導ライン33の中心線33a上にある。) 第1の実施の形態の無人搬送車の走行制御方法は、上記
の(条件1)に基づいて行われる。図3では、説明を簡
略化して理解を容易にするために、先導輪9の回転中心
点9aを原点におき、車体1の走行方向に沿った中心線
1aをx軸と一致させて図示してある。いま、追従輪1
0の向きと車体1の中心線(x軸)1aとがなす追従輪
10の操舵角を−θ(θ≧0)、追従側の誘導センサ1
2の検出値である誘導ライン3の中心線33aと誘導セ
ンサ12の中心点12aとのずれ量をD(D≧0)、先
導輪9の回転中心点9aと追従輪10の回転中心点10
aとの距離(ホィールベース)をL(L>0)、追従輪
10の回転中心点10aと追従側の誘導センサ12の中
心点12aとの距離をdS(dS>0)、追従輪10の
回転中心点10aと仮想の誘導センサ34の中心点34
aとの距離をdV(dV>0)とする。なお、距離L、
距離dSおよび距離dVは、既知のデータとしてRAM
32に予め記憶されている。
【0032】図4において、制御装置29の中央処理装
置30は、追従側の誘導センサ12からの検出値Dつま
り誘導ライン3の中心線33aと誘導センサ12の中心
点12aとのずれ量Dを取り込んでRAM32に一時記
憶させ(ステップS1)、続いて、第2の操舵角検出用
回転量センサ24から追従輪10のこの時点での操舵角
−θを取り込んでRAM32に一時記憶させる。つぎ
に、中央処理装置30は、ずれ量D、操舵角−θ、距離
Lおよび距離dSをRAM32から読み出して、追従側
の誘導センサ12の中心点12aと誘導ライン33の中
心線との交点Pの座標(Px,Py)を演算する(ステ
ップS3)。すなわち、式(1)を演算する。
【0033】 Px=L+dS・cosθ+D・sinθ Py=−dS・sinθ+D・cosθ ………(1) つぎに、中央処理装置30は、第1の走行距離検出用回
転量センサ27から距離データを取り込んで、ホームス
テーションからの車体1の走行距離を演算し(ステップ
S4)、この演算により算出した走行距離とRAM32
から読み出した距離Lおよび誘導ライン33の形状デー
タとに基づいて、追従輪10が誘導ライン33における
一定半径の円弧状のコーナー区間や交差地点などの非直
線区間を通過しているか否かを判別する(ステップS
5)。本発明の目的は追従輪10における誘導ライン3
3の非直線区間を通過した後の直線区間への追従性の向
上を目的としているので、いま、誘導ライン33の直線
区間を通過中であるとして説明を続ける。
【0034】誘導ライン33の中心線33aは、先導輪
9の回転中心点9a、つまり原点を通ることから、中央
処理装置30は、上記の座標(Px,Py)を用いて誘
導ライン33の中心線33aを表す直線の式を、下記の
式(2)の演算により算出する(ステップS6)。
【0035】y=(Py/Px)・x ………(2) つぎに、中央処理装置30は仮想の誘導センサ34の中
心点34aと誘導ライン33の中心線33aとの交点Q
の座標(Qx,Qy)を演算する(ステップS7〜S
9)。上記交点Qの座標(Qx,Qy)は、仮想の誘導
センサ34の中心線を表す直線と上記の演算した誘導ラ
イン33の中心線33aを表す直線との交点を求めるこ
とで得られ、さらに、仮想の誘導センサ34の中心線を
表す直線の式は、仮想の誘導センサ34の中心点Cを通
り、傾きが1/tan(−θ)の直線として表される。
そこで先ず、上記の中心点Cの座標(Cx,Cy)を下
記の式(3)により演算する(ステップS7)。
【0036】Cx=L−dV・cosθ Cy=dV・sinθ ………(3) つぎに、下記の式(4)の演算により仮想の誘導センサ
34の中心線を表す直線の式を算出する(ステップS
8) y−dV・sinθ=−1/tanθ・〔x−(L−dV・cosθ)〕…(4) 上記の式(2)と式(4)とに基づいて得られる下記の
式(5)により、交点Qの座標(Qx,Qy)を演算す
る(ステップS9)。
【0037】 Qx={dV・sin θ+(L−dV・cos θ) / tanθ}/(Py /Px+1 /tan θ) Qy=Py/Px・Qx ………(5) 上記の交点Qが仮想の誘導センサ34の中心線と誘導ラ
イン33の中心線33aとの交点である。つぎに、交点
Qと仮想の誘導センサ34の中心点Cの距離、つまり仮
想の誘導センサ34の中心点Cの誘導ライン33の中心
線33aに対するずれ量Aを演算する(ステップS1
0)。このずれ量Aは、式(3)の仮想の誘導センサ3
4の中心点Cの座標(Cx,Cy)と式(5)の交点Q
の座標(Qx,Qy)とから容易に求められる。
【0038】中央処理装置30は、上記により算出した
ずれ量Aが0であるか否かを判別する(ステップS1
1)。いま、図3に示すようにずれ量Aが0でないか
ら、つぎに、ずれ量Aを0にするための追従輪10の操
舵角θを演算して(ステップS12)、追従輪10の操
舵角θが上記の算出した操舵角になるよう第2の操舵用
モータ20を回転制御する。この操舵は、第2の操舵角
検出用回転量センサ24からの検出信号に基づいてフィ
ードバック制御することにより正確に行われる。
【0039】上記の追従輪10の操舵は、追従輪10に
対し進行方向側に仮想の誘導センサ34が存在すると想
定して、この仮想の誘導センサ34の中心点Cと誘導ラ
イン33の中心線33aとのずれ量Aを0にするように
行うので、誘導ライン33が直線である場合には、追従
輪10を先導輪9の操舵と同様に操舵することになり、
追従輪10を常に正確に誘導ライン33に沿って走行す
るよう制御することができる。したがって、誘導ライン
33の非直線区間では、仮想の誘導センサ34の中心点
Cと誘導ライン33の中心線33aとのずれ量Aの推測
が不確実となることから、追従輪10が誘導ライン33
に沿って走行しない事態が生じても、追従輪10が非直
線区間を通過して直線区間に進入すると同時に、上述の
ように追従輪10が先導輪9の操舵と同様に操舵される
から、追従輪10が迅速に誘導ライン33に沿うように
修正され、車体1が誘導ライン33に沿った姿勢に復帰
する。しかも、後述するが、この実施の形態では、誘導
ライン33の形状データをRAM32に予め記憶させて
おくことにより、追従輪10を誘導ライン33の非直線
区間に沿って走行させることができる。
【0040】また、追従輪10の操舵角θと、追従側の
誘導センサ12が検出した誘導ライン33の中心線33
aに対するずれ量Dとに基づいて、仮想の誘導センサ3
4が検出するであろう誘導ライン33の中心線33aに
対するずれ量Aを推測により求めており、仮想の誘導セ
ンサ34は実際に設置されるものでないから、誘導セン
サの増加による構造の複雑化を回避でき、コスト高にな
ることがない。
【0041】なお、図3の反矢印方向へ進行する場合に
は、操舵輪9が追従輪となり、この追従輪となる操舵輪
9に対し誘導センサ11とは反対側箇所に仮想の誘導セ
ンサ34を想定して、上述と同様の処理により、仮想の
誘導センサ34の中心点34aと誘導ライン33の中心
線33aとのずれ量Aが0になるよう追従輪9の操舵を
行える。また、誘導ライン33が直線のみの形状に敷設
された場合には、図4における後述のステップS4,
5,14の処理は不要となる。
【0042】一方、誘導ライン33が非直線区間を含む
形状である場合、その非直線区間の形状は誘導ライン3
3の設置時に既知であるから、誘導ライン33の形状デ
ータをRAM32に予め記憶させておくことができる。
そして、第1または第2の走行距離検出用回転量センサ
27または28から先導輪9または10のホームステー
ションからの走行距離のデータを取り込むことにより
(ステップS4)、RAM32の誘導ライン33の形状
データと距離Lとに基づいて追従輪10または9が非直
線区間を通過中であるか否かを判別できる(ステップS
5)。
【0043】追従輪10または9が非直線区間を通過中
である場合には、誘導ライン33における車体1の走行
距離に対応した形状データをRAM32から読み出し
(ステップS14)、二次元平面上の直線と曲線の交
点、或いは直線と直線との交点を求める演算を行うこと
により、演算処理が増えるが、仮想の誘導センサ34の
誘導ライン33の非直線区間に対するずれ量Aをほぼ正
確に推測することができる(ステップS7〜10)。し
たがって、追従輪10または9は、先導輪9または10
とほぼ同様に誘導ライン33の非直線区間に沿って走行
するよう操舵されるから、車体1は、誘導ライン33の
非直線区間を通過した直後に確実に誘導ラインに沿った
姿勢に復帰する。
【0044】また、追従輪10または9の回転中心点1
0aまたは9aと仮想の誘導センサ34の中心線との距
離dVは、任意の値に設定することが可能であり、この
距離dVを変えることで追従輪10または9の操舵の振
れ具合や誘導ライン33への追従性を調整できる。距離
dVを短く設定すれば、追従輪10または9の誘導ライ
ン33への追従が速くなるが、操舵の振れが大きくな
る。逆に、距離dVを長く設定すれば、操舵の振れが小
さくなるが、追従輪10または9の誘導ライン33への
追従が遅くなる。距離dVを距離dSと同一に設定すれ
ば、追従輪10または9は、先導輪9または10と同じ
操舵の振れ具合で操舵され、誘導ライン33へ追従も先
導輪9または10と同程度となる。したがって、距離d
Vは、車体1の形状や車体に積載する物品の重量などの
条件に応じて適切に設定できる。
【0045】図5は本発明の第2の実施の形態に係る無
人搬送車の走行制御方法の説明図を示し、図6はその走
行制御方法の一部のフローチャートである。この実施の
形態では、誘導ライン33を表す直線の式を求めるとき
に、先導輪9(図5の矢印方向へ進行する場合)の操舵
角φをも考慮し、第1の実施の形態の(条件1)をつぎ
の(条件2)に変更する。 (条件2 先導側の誘導センサ11の中心点11aが誘
導ライン33の中心線33a上にある。)この実施の形
態のフローチャートは、図6のI点とJ点を図4の同点
に接続したもの、つまり、図4のステップS6を図6と
入れ換えたものとなる。したがって、中央演算処理装置
30は、追従側の誘導センサ12の中心点12aと誘導
ライン33の中心線33aとの交点Pの座標(Px,P
y)を演算したのちに、第1の操舵角検出用回転量セン
サ23から先導輪9の操舵角φを取り込んでRAM32
に一時記憶する(ステップS15)。続いて、中央処理
装置30は、先導側の誘導センサ11の中心点11aが
誘導ライン33の中心線33aを検出している点Sの座
標を演算する(ステップS16)のであるが、上記の検
出点Sの座標(Sx,Sy)は、(条件2)から先導側
の誘導センサ11の中心点11aの座標と同じであるか
ら、下記の式(6)の演算を行う。
【0046】Sx=−dS・cosφ Sy=−dS・sinφ ………(6) つぎに中央処理装置30は、上記の検出点Sの座標(S
x,Sy)と式(1)で演算した追従側の誘導センサ1
2の中心点12aと誘導ライン33の中心線33aとの
交点Pの座標(Px,Py)とを通る直線の式を演算し
て誘導ライン33を表す直線の式を算出する(ステップ
S17)。そののちに、第1の実施の形態と同様の演算
により仮想の誘導センサ34を表す直線の式を算出し
(ステップS7〜S8)、この仮想の誘導センサ34を
表す直線の式と上記の誘導ライン33を表す直線の式と
に基づいて、仮想の誘導センサ34の中心点Cと誘導ラ
イン33の中心線33aとの交点Qの座標を演算し(ス
テップS9)、仮想の誘導センサ34の中心点Cと誘導
ライン33の中心線33aとのずれ量Aを算出する(ス
テップS10)。図5にはずれ量Aが0である場合を示
してある。
【0047】この実施の形態では、第1の実施の形態よ
りも処理数が増えるが、追従輪10の操舵角θと、追従
側の誘導センサ12による誘導ライン33の中心線33
aの検出値と、先導輪9の操舵角φとに基づいて誘導ラ
イン33の中心線33aを表わす直線の式と仮想の誘導
センサ34の中心点Cの位置とをより正確に算出できる
利点がある。
【0048】図7は本発明の第3の実施の形態に係る無
人搬送車の走行制御方法の説明図を示し、図8はその走
行制御方法の一部のフローチャートである。この実施の
形態では、誘導ライン33を表す直線の式を上述の(条
件1)および(条件2)を前提とせずに求めるものであ
る。この実施の形態のフローチャートは、図8のI点と
J点を図4の同点に接続したもの、つまり、図4のステ
ップS6を図8と入れ換えたものとなる。
【0049】したがって、中央演算処理装置30は、追
従側の誘導センサ12の中心点12aと誘導ライン33
の中心線33aとの交点Pの座標(Px,Py)を演算
したのちに、先導側の誘導センサ11からこの誘導セン
サ11の中心点11aと誘導ライン33の中心線33a
とのずれ量Eを取り込んでRAM32に一時記憶させる
(ステップS18)、続いて、第1の操舵角検出用回転
量センサ23から先導輪9の操舵角φを取り込んでRA
M32に一時記憶する(ステップS19)。つぎに、中
央処理装置30は、上記のずれ量Eと操舵角φとに基づ
く下記の式(7)を演算して、誘導センサ11の中心線
と誘導ライン33の中心線33aとの交点Sの座標(S
x,Sy)を演算する(ステップS20)。
【0050】 Sx=−dS・cosφ−E・sinφ Sy=−dS・sinφ+E・cosφ ………(7) さらに、中央処理装置30は、上記の検出点Sの座標
(Sx,Sy)と式(1)で演算した追従側の誘導セン
サ12の中心点12aと誘導ライン33の中心線との交
点Pの座標(Px,Py)とを通る直線の式を演算して
誘導ライン33を表す直線の式を算出する(ステップS
21)。そののちに、第1の実施の形態と同様の演算に
より仮想の誘導センサ34を表す直線の式を算出し(ス
テップS7〜S8)、この仮想の誘導センサ34を表す
直線の式と上記の誘導ライン33を表す直線の式とに基
づいて、仮想の誘導センサ34の中心点Cと誘導ライン
33の中心線33aとの交点Qの座標を演算し(ステッ
プS9)、仮想の誘導センサ34の中心点Cと誘導ライ
ン33の中心線33aとのずれ量Aを算出する(ステッ
プS10)。
【0051】この実施の形態では、第1および第2の実
施の形態よりも演算の処理数が増えるが、上述の(条件
1)および(条件2)を前提としないことから誘導ライ
ン33の中心線33aを一層確実に且つ正確に求めるこ
とができる利点がある。
【0052】図9は本発明の第4の実施の形態に係る無
人搬送車の走行制御方法の説明図を示し、図10はその
走行制御方法の一部のフローチャートである。この実施
の形態のフローチャートは、図10のK点、H点および
J点を図4の同点にそれぞれ接続したものとなる。上述
の第1ないし第3の実施の形態では、何れも追従側の誘
導センサが誘導ライン33を検出していることが前提条
件になっているため、図9に示すように、同図の矢印方
向へ進行する場合に追従側となる誘導センサ12が誘導
ライン33を全く検出できない事態が生じた場合には、
上記の追従側の誘導センサ12の中心線と誘導ライン3
3の中心線33aとの交点Pの座標を求められないこと
から、誘導ライン33の中心線33aを表す直線の式を
算出できず、さらに、仮想の誘導センサ34の中心線と
誘導ライン33の中心線33aとのずれ量Aを推測でき
なくなる。
【0053】そこで、この実施の形態では、追従側の誘
導センサ12が誘導ライン33の中心線33aを検出で
きない事態が生じた場合にも先導輪9の回転中心点9a
と先導側の誘導センサ11の中心点11aとが共に誘導
ライン33の中心線33a上に位置している点に着目
し、先導輪9の操舵角φから誘導ライン33の中心線3
3aを表す直線の式を取り合えず算出して、追従側の誘
導センサ12が誘導ライン33の中心線33aを可及的
に速く検出できるようにするものである。
【0054】図10に示すように、先ず、中央処理装置
30は、追従側の誘導センサ12が誘導ライン33の中
心線33aを検出しているか否かを判別する(ステップ
S22)。検出している場合には、第1ないし第3の実
施の形態と同様に処理して仮想の誘導センサ34の中心
点Cと誘導ライン33の中心線33aとのずれ量Aを演
算により算出する。一方、図9のような状態となって追
従側の誘導センサ12が誘導ライン33の中心線33a
を検出していないと判別した場合には、中央処理装置3
0が第1の操舵角検出用回転量センサ23から先導輪9
の操舵角φを取り込んでRAM32に一時記憶させる
(ステップS23)。つぎに、中央処理装置30は操舵
角φから誘導ライン33の中心線を表す直線の式を算出
する(ステップS24)。すなわち、誘導ライン33の
中心線を表す式は、原点(先導輪9の回転中心点9a)
を通り、傾きがtanφの直線として表せる。
【0055】つぎに、中央処理装置30は、第2の操舵
角検出用回転量センサ24から追従輪10の操舵角θを
取り込んでRAM32に一時記憶させ(ステップS2
5)、続いて、仮想の誘導センサ34の中心点Cの座標
(Cx,Cy)を上記の式(3)を演算することにより
算出し(ステップS7)、さらに算出した中心点Cの座
標(Cx,Cy)から上記の式(4)を演算して仮想の
誘導センサ34の中心線を表す直線の式を算出する(ス
テップS8)。この算出した仮想の誘導センサ34の中
心線を表す直線の式から、誘導ライン33の中心線33
aと仮想の誘導センサ34の中心線との交点Qの座標
(Qx,Qy)を、下記の式(8)を演算することによ
り算出する(ステップS9)。
【0056】 Qx={dV・sin θ+(L−dV・cos θ) /tan θ}/(tanφ+1/tan θ) Qy=tan φ・Qx ………(8) つぎに、中央処理装置30は、式(8)で算出した交点
Qの座標(Qx,Qy)と、式(3)の演算により算出
した仮想の誘導センサ34の中心点Cの座標(Cx,C
y)とに基づいて、仮想の誘導センサ34の中心点Cと
誘導ライン33の中心線33aとのずれ量Aを算出し
(ステップS10)、このずれ量Aを0にするための追
従輪10の操舵角θを演算して(ステップS12)、追
従輪10の操舵角θが上記の算出した操舵角になるよう
第2の操舵用モータ20を回転制御する。
【0057】上述の処理は、追従側の誘導センサ12が
誘導ライン33の中心線33aを検出するまで続けられ
る。それにより、追従輪10が誘導ライン33の中心線
33aに向かって走行していき、追従側の誘導センサ1
2が迅速に誘導ライン33の中心線33aを検出するこ
とになる。例えば、追従輪10が誘導ライン33の形状
データに基づく操舵を行われないことにより誘導ライン
33から完全に外れたような場合にも、追従輪10を誘
導ライン33に沿って走行する状態に迅速に復帰させる
ことができる。追従側の誘導センサ12が誘導ライン3
3の中心線33aを検出したのちは、上述の第1ないし
第3の実施の形態の何れかの制御により追従輪10の操
舵が行われる。
【0058】
【発明の効果】請求項1の無人搬送車の走行制御方法に
よれば、追従輪に対し進行方向側に仮想の誘導センサが
存在するものと想定して、追従輪の操舵を、仮想の誘導
センサと誘導ラインとのずれ量を0にする操舵角になる
よう制御するので、誘導ラインが直線である場合には、
追従輪を先導輪の操舵と同様に操舵することになり、追
従輪を常に正確に誘導ラインに沿って走行するよう制御
することができる。そのため、追従輪が非直線区間を通
過して直線区間に進入すると同時に、追従輪を即座に誘
導ラインに沿って走行させて、車体を誘導ラインに沿っ
た姿勢に復帰させることができる。したがって、誘導ラ
インの非直線区間の近辺にも移載ステーションを設置す
ることが可能となり、コンパクトな搬送レイアウトの実
現が可能になる。しかも、仮想の誘導ラインは実際に設
置されるものでないから、誘導センサの数が増えること
がなく、構造が複雑化してコスト高になることがない。
【0059】請求項2の無人搬送車の走行制御方法によ
れば、追従輪の操舵角と、追従輪の誘導センサによる誘
導ラインの検出値と、先導輪の操舵角とに基づいて誘導
ラインを表わす直線の式と仮想の誘導センサの中心点の
位置とを算出するようにしたので、処理数が増えるが、
誘導ラインを表わす直線の式と仮想の誘導センサの中心
点の位置とをより正確に算出できる利点がある。
【0060】請求項3の無人搬送車の走行制御方法によ
れば、追従輪の操舵角と、追従輪の誘導センサによる誘
導ラインの検出値と、先導輪の操舵角と、先導輪の誘導
センサによる誘導ラインの検出値とに基づいて誘導ライ
ンを表わす直線の式と仮想の誘導センサの中心点の位置
とを算出するので、処理数が増えるが、誘導ラインを表
す式を一層確実に、且つ正確に求めることができ、仮想
の誘導センサの中心点の位置をより一層正確に算出でき
る利点がある。
【0061】請求項4の無人搬送車の走行制御方法によ
れば、追従輪を、先導輪とほぼ同様に誘導ラインの非直
線区間に沿って走行するよう操舵できるから、車体を、
誘導ラインの非直線区間を通過した直後に確実に誘導ラ
インに沿った姿勢に復帰させることができる。
【0062】請求項5の無人搬送車の走行制御方法によ
れば、追従側の誘導センサが誘導ラインを検出できない
事態が生じた場合にも、先導輪の操舵角から誘導ライン
を表す直線の式を取り合えず算出して、追従側の誘導セ
ンサが誘導ラインを可及的に速く検出できるようにする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の走行制御に用いる無人搬送車の概略構
成を示すブロック構成図。
【図2】同上無人搬送車の要部の配置を示す概略平面
図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る無人搬送車の
走行制御方法の説明図。
【図4】同上の走行制御方法のフローチャート。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る無人搬送車の
走行制御方法の説明図。
【図6】同上の走行制御方法の一部のフローチャート。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る無人搬送車の
走行制御方法の説明図。
【図8】同上の走行制御方法の一部のフローチャート。
【図9】本発明の第4の実施の形態に係る無人搬送車の
走行制御方法の説明図。
【図10】同上の走行制御方法の一部のフローチャー
ト。
【図11】(a)〜(c)は一方向にのみ走行する無人
搬送車を誘導ラインに沿って走行させるよう制御するた
めの説明図。
【図12】(a)〜(c)は前進および後進可能な無人
搬送車における追従輪の操舵が困難であることを示す説
明図。
【図13】従来の走行制御方法により無人搬送車を誘導
ラインの非直線区間に沿って走行させた場合の追従輪の
軌跡を示す図。
【符号の説明】
1 車体 1a 車体の中心線 9,10 操舵輪 11,12 誘導センサ 23,24 操舵角検出用回転量センサ 27,28 走行距離検出用回転量センサ 29 制御装置 33 誘導ライン 33a 誘導ラインの中心線 34 仮想の誘導センサ θ 追従輪の操舵角 φ 先導輪の操舵角

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面に敷設された誘導ラインを検出する
    ための誘導センサが、操舵輪の回転中心点を支点に水平
    面回りに一体に回動するよう前記操舵輪に連結され、二
    つの前記操舵輪が、車体の走行方向の前部と後部の各位
    置に前記誘導センサを前記車体に対しその中心線上の外
    方側に配して個別に操舵可能に設けられ、前記車体の進
    行方向に沿った中心線と進行方向側の前記操舵輪である
    先導輪の向きとがなす操舵角を、進行方向側の前記誘導
    センサが検出する前記誘導ラインに対するずれ量が0に
    なるように操舵して、前記車体を前記誘導ラインに沿っ
    て走行させる無人搬送車の走行制御方法において、 進行方向に対し後方部の前記操舵輪である追従輪に対し
    てこれの前記誘導センサとは反対側の位置に仮想の誘導
    センサを想定し、 前記中心線と前記追従輪の向きとがなす操舵角と、前記
    追従輪の前記誘導センサが検出する前記誘導ラインに対
    するずれ量とに基づいて、前記誘導ラインを表わす直線
    の式と前記仮想の誘導センサの中心点の位置とを算出
    し、 前記仮想の誘導センサの中心点の位置から前記仮想の誘
    導センサを表わす直線の式を算出し、 前記誘導ラインを表わす直線の式と前記仮想の誘導セン
    サを表わす直線の式とに基づいて前記仮想の誘導センサ
    と前記誘導ラインとの交点を求め、 この求めた交点と前記仮想の誘導センサの中心点の位置
    から前記仮想の誘導センサの前記誘導ラインに対するず
    れ量を推測し、 前記追従輪の操舵角を前記推測したずれ量が0になる値
    に設定することを特徴とする無人搬送車の走行制御方
    法。
  2. 【請求項2】 誘導ラインを表わす直線の式と仮想の誘
    導センサの中心点の位置とを、追従輪の操舵角と、前記
    追従輪の誘導センサが検出する前記誘導ラインに対する
    ずれ量と、先導輪の操舵角とに基づいて算出するように
    した請求項1に記載の無人搬送車の走行制御方法。
  3. 【請求項3】誘導ラインを表わす直線の式と仮想の誘導
    センサの中心点の位置とを、追従輪の操舵角と、前記追
    従輪の誘導センサが検出する前記誘導ラインに対するず
    れ量と、先導輪の操舵角と、前記先導輪の誘導センサが
    検出する前記誘導ラインに対するずれ量とに基づいて算
    出するようにした請求項1または請求項2に記載の無人
    搬送車の走行制御方法。
  4. 【請求項4】 誘導ラインの形状データをメモリに予め
    記憶させておき、先導輪または追従輪の走行距離から追
    従輪が前記誘導ラインにおける非直線区間を通過中であ
    ることを判別し、 走行距離に対応した前記形状データをメモリから読み出
    し、 この読み出した形状データに基づいて仮想の誘導センサ
    の中心と、誘導ラインとのずれ量を算出するようにした
    請求項1ないし請求項3の何れかに記載の無人搬送車の
    走行制御方法。
  5. 【請求項5】 追従輪の誘導センサが誘導ラインを検出
    できないと判別したときに、前記追従輪の前記誘導セン
    サが前記誘導ラインを検出するまでの間、先導輪の操舵
    角に基づいて仮想の誘導センサを表わす直線の式を算出
    するようにした請求項1ないし請求項4の何れかに記載
    の無人搬送車の走行制御方法。
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Cited By (5)

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