JPH10196674A - 摩擦部材及びそれを用いたクラッチディスク組立体 - Google Patents

摩擦部材及びそれを用いたクラッチディスク組立体

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JPH10196674A
JPH10196674A JP35797A JP35797A JPH10196674A JP H10196674 A JPH10196674 A JP H10196674A JP 35797 A JP35797 A JP 35797A JP 35797 A JP35797 A JP 35797A JP H10196674 A JPH10196674 A JP H10196674A
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plate
driven
flywheel
peripheral portion
pressure plate
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JP35797A
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English (en)
Inventor
Hideo Kagawa
英雄 香川
Yoshinaga Fukuda
佳修 福田
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メタリックフェーシングを備えたクラッチデ
ィスクにクッション機能を具備させる。 【解決手段】 クラッチディスク組立体1のクラッチデ
ィスク3は、第1〜第3ドリブンプレート21,22,
23とメタリックフェーシングのパッド24,25とを
備えており、本体部2のクラッチプレート5に固定され
る。パッド24,25は、金属粉末が混合された複合材
であって、第1ドリブンプレート21のフライホイール
50側の面及び第2ドリブンプレート22のプレッシャ
ープレート61側の面に装着される。第1及び第2ドリ
ブンプレート21,22は、径方向内側から径方向外側
に傾斜する第1及び第2傾斜部21b,22bを有し内
周部と外周部との軸方向の位置が異なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メタリックフェー
シングを備えた摩擦部材及びそれを用いたクラッチディ
スク組立体に関する。
【0002】
【従来の技術】クラッチディスク(摩擦部材)を有する
クラッチディスク組立体は、エンジン側のフライホイー
ルとこれに固定されているクラッチカバー組立体のプレ
ッシャープレートとの間にクラッチディスクが配置さ
れ、クラッチディスクがプレッシャープレートによりフ
ライホイールに圧接させられることでエンジン側からの
トルクを出力側に伝達するものである。
【0003】一般に、クラッチディスクには耐熱性が要
求される。特に、高出力のスポーツ車ではこの要求が大
きい。このため、スポーツ車等のクラッチディスクのフ
ェーシング材には耐熱性に優れるメタリックフェーシン
グ(金属粉末が混合された金属複合フェーシング)が採
用されることが多い。一方、最近では高出力のスポーツ
車が市販されるようになってきている。したがって、微
妙なクラッチ合わせのテクニックを持たない一般のユー
ザーが運転しても、発進時のエンストやジャダーの発生
などを抑えられるクラッチディスクを提供することが望
まれている。
【0004】しかし、メタリックフェーシングを採用す
る従来のクラッチディスクでは、1枚のドリブンプレー
トの両側にメタリックフェーシングのパットを焼結させ
ており、クッション機能を有していない。これに対しク
ッション機能を具備させるために、ドリブンプレートと
しての波形形状のクッショニングプレートの両側面に円
環状に成形されたメタリックフェーシングを薄板を介し
て装着することが考えられるが、寸法上の制約からクッ
ショニングプレートの板厚が制限されるため、このよう
な構造ではクッショニングプレートの内周部分の強度が
不足する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、メタ
リックフェーシングを備えたクラッチディスク(摩擦部
材)にクッション機能を具備させて、半クラッチ性を向
上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の摩擦部
材は、フライホイールとクラッチカバー組立体のプレッ
シャープレートとの間に配置され、クラッチディスク本
体の外周部に固定されているクラッチディスク組立体の
摩擦部材であって、複数のドリブンプレートと、金属複
合フェーシングとを備えている。各ドリブンプレート
は、クラッチディスク本体の入力部に固定される。金属
複合フェーシングは、金属粉末が混合された複合材であ
って、フライホイール側に位置するドリブンプレートの
フライホイール側の面及びプレッシャープレート側に位
置するドリブンプレートのプレッシャープレート側の面
に装着される。複数のドリブンプレートのうち少なくと
も1枚のドリブンプレートは、径方向内側から径方向外
側に傾斜する部分を有し内周部と外周部との軸方向の位
置が異なっている。
【0007】ここでは、ドリブンプレートを複数枚採用
し、そのうち1枚は傾斜を有し内周部と外周部との軸方
向の位置がずれている。したがって、クラッチの連結操
作により摩擦部材がフライホイールとプレッシャープレ
ートとの間に挟持されるときに、傾斜を有するドリブン
プレートは、傾斜がなくなる、すなわち内周部と外周部
の軸方向の位置のずれが少なくなるような弾性変形をす
る。この弾性変形は、クラッチの連結時にクッション機
能としての役割を果たす。一方、本請求項の摩擦部材
は、複数枚のドリブンプレートを採用しクラッチディス
ク本体の入力部に固定しており、この固定部分において
ドリブンプレートに作用する応力が各ドリブンプレート
に分散されるため、クッション機能を達成するような剛
性に対応する板厚に設計されても各ドリブンプレートの
強度は満足される。このように、本請求項に記載の摩擦
部材は金属複合フェーシングを備えかつクッション機能
を発揮することのできる部材であり、クラッチディスク
組立体を含むクラッチの半クラッチ性が向上する。
【0008】請求項2に記載の摩擦部材は、請求項1に
記載の摩擦部材であって、第1ドリブンプレートと、第
2ドリブンプレートと、第3ドリブンプレートとを有し
ている。第1ドリブンプレートは、径方向内側から径方
向外側にフライホイール側に傾斜する部分を有し外周部
が内周部よりもフライホイール側にある。第2ドリブン
プレートは、径方向内側から径方向外側にプレッシャー
プレート側に傾斜する部分を有し外周部が内周部よりも
プレッシャープレート側にある。第3ドリブンプレート
は、第1付勢部と第2付勢部とを有しており、第1ドリ
ブンプレートと第2ドリブンプレートとの間に配置され
る。第1付勢部は、第1ドリブンプレートをフライホイ
ール側に付勢する。第2付勢部は、第2ドリブンプレー
トをプレッシャープレート側に付勢する。
【0009】ここでは、3枚のドリブンプレートを採用
している。そして、傾斜する部分を有する第1及び第2
ドリブンプレートの弾性変形と第3ドリブンプレートの
第1及び第2付勢部の付勢力とが、クラッチの連結時に
クッション機能としての役割を果たす。請求項3に記載
の摩擦部材は、請求項2に記載の摩擦部材であって、第
1ドリブンプレートは、第1固定部と第1傾斜部とから
構成されている。第1固定部はクラッチディスク本体の
入力部に固定される。第1傾斜部は、第1固定部の外周
端から径方向外側に向かってフライホイール側に傾斜し
ており、フライホイール側の側面に金属複合フェーシン
グが装着される。第2ドリブンプレートは、第2固定部
と第2傾斜部とから構成されている。第2固定部はクラ
ッチディスク本体の入力部に固定される。第2傾斜部
は、第2固定部の外周端から径方向外側に向かってプレ
ッシャープレート側に傾斜しており、プレッシャープレ
ート側の側面に金属複合フェーシングが装着される。第
3ドリブンプレートは、第3固定部と、ストレート部
と、第1付勢部と、第2付勢部とを有している。第3固
定部はクラッチディスク本体の入力部に固定される。ス
トレート部は、第3固定部から径方向外側に延びてお
り、内周部と外周部との軸方向の位置が等しい。第1付
勢部は、ストレート部の円周方向一端部から円周方向に
延びており、フライホイール側に傾斜している。第2付
勢部は、ストレート部の円周方向他端部から円周方向に
延びており、プレッシャープレート側に傾斜している。
【0010】ここでは、第1傾斜部及び第2傾斜部の弾
性変形と第1付勢部及び第2付勢部の弾性変形によっ
て、摩擦部材にクッション機能を具備させている。な
お、第1傾斜部,第2傾斜部,第1付勢部,及び第2付
勢部は、第1固定部,第2固定部,あるいはストレート
部との境に応力が集中しないように、徐々に傾斜させる
のが望ましい。これにより、各部の弾性変形の支持のポ
イントが弾性変形に応じて移動し、高い応力の作用する
ポイントが拡散される。すなわち、各部の疲労強度が向
上することが期待できる。
【0011】請求項4に記載の摩擦部材は、請求項1に
記載の摩擦部材であって、第1ドリブンプレートと第2
ドリブンプレートとを有している。第1ドリブンプレー
トは、径方向内側から径方向外側にフライホイール側に
傾斜する部分を有し外周部が内周部よりもフライホイー
ル側にある。第2ドリブンプレートは、径方向内側から
径方向外側にプレッシャープレート側に傾斜する部分を
有し外周部が内周部よりもプレッシャープレート側にあ
る。
【0012】ここでは、2枚のドリブンプレートを採用
している。そして、傾斜する部分を有する第1及び第2
ドリブンプレートの弾性変形が、クラッチの連結時にク
ッション機能としての役割を果たす。請求項5に記載の
摩擦部材は、請求項1に記載の摩擦部材であって、第1
ドリブンプレートと、第2ドリブンプレートとを有して
いる。第1ドリブンプレートは、内周部と外周部との軸
方向の位置が等しい。第2ドリブンプレートは、径方向
内側から径方向外側にプレッシャープレート側に傾斜す
る部分を有し外周部が内周部よりもプレッシャープレー
ト側にある。
【0013】ここでは、2枚のドリブンプレートを採用
している。そして、傾斜する部分を有する第2ドリブン
プレートの弾性変形が、クラッチの連結時にクッション
機能としての役割を果たす。通常、クラッチの連結時に
は、フライホイールに対してプレッシャープレートが接
近するため、まず摩擦部材とプレッシャープレートとが
当接し、次に摩擦部材とフライホイールとが当接する。
したがって、摩擦部材のプレッシャープレート側のフェ
ーシングのほうがフライホイール側のフェーシングより
も摩耗が激しくなる傾向にある。しかし、ここではプレ
ッシャープレート側のフェーシングを固定している第2
ドリブンプレートがクッション機能を有しているため、
第2ドリブンプレートとプレッシャープレートとのクラ
ッチエンゲージが滑らかになり、第2ドリブンプレート
に装着される金属複合フェーシングの摩耗が抑えられ
る。この結果、第1ドリブンプレートに装着される金属
複合フェーシングの磨耗量に対して第2ドリブンプレー
トに装着される金属複合フェーシングの磨耗量が多くな
る現象を緩和することができる。
【0014】請求項6に記載のクラッチディスク組立体
は、摩擦部材と、入力側プレートと、出力側部材と、ダ
ンパー部とを備えている。摩擦部材は、請求項1から5
のいずれかに記載の摩擦部材である。入力側部材は、外
周部に摩擦部材が固定されている。出力側部材は、入力
側プレートに所定の角度範囲内で相対回転自在に設けら
れている。ダンパー部は、入力側プレートと出力側部材
とを円周方向に弾性的に連結する。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]図1及び図2に示す本発明の一実施形
態を採用するクラッチディスク組立体1は、エンジン側
からのトルクをトランスミッション側に伝達するもので
あり、エンジン側のフライホイール50とこれに固定さ
れているクラッチカバー組立体60のプレッシャープレ
ート61との間に配置されている。このクラッチディス
ク組立体1は、本体部2とクラッチディスク(摩擦部
材)3とを備えている。
【0016】本体部2の中心には、トランスミッション
の軸(図示せず)に連結されるスプラインハブ4が配置
されている。スプラインハブ4は、ボス部4aと、ボス
部4aから外周側に延びるフランジ部4bとを有してい
る。フランジ部4bの両側方には、入力側プレートとし
てのクラッチプレート5及びリティニングプレート6が
配置されている。両プレート5,6は、概ね円板状の部
材であり、ボス部4aの外周に回転自在に係合してい
る。フランジ部4bには、半径方向中間部に円周方向に
延びる複数の窓孔4cが形成されており、この窓孔4c
にトーションスプリング8が配置されている。このトー
ションスプリング8によって、クラッチプレート5及び
リティニングプレート6とスプラインハブ4とが円周方
向に弾性的に連結されている。
【0017】またフランジ部4bの外周部には、円周方
向に等間隔で所定の幅の切欠き4dが形成されている。
そして、この切欠き4dをストップピン9が軸方向に貫
通しており、このストップピン9と内周側のスタッドピ
ン10とによってクラッチプレート5とリティニングプ
レート6とが互いに軸方向及び円周方向に移動を規制し
ている状態となっている。また、ストップピン9と切欠
き4dとの間には隙間が形成されており、これにより、
ストップピン9と切欠き4dの縁部とが当接するまで、
所定の角度範囲でクラッチプレート5及びリティニング
プレート6とスプラインハブ4とは相対回転可能であ
る。
【0018】フランジ部4bの内周部とクラッチプレー
ト5及びリティニングプレート6のそれぞれとの間に
は、ヒステリシストルクを発生するためのヒステリシス
トルク発生機構11が設けられている。ヒステリシスト
ルク発生機構11は、リング状のフリクションワッシ
ャ、フリクションプレート及びコーンスプリングにより
構成されている。
【0019】クラッチプレート5及びリティニングプレ
ート6は、それぞれフランジ部4bの窓孔4cに対応し
た位置に、軸方向外方に切り起こされた切起し部5a,
6aを有しており、この切起し部5a,6aによって窓
孔4c内のトーションスプリング8が支持されている。
クラッチディスク3は、クラッチプレート5の外周側に
設けられており、図2〜図4に示すように、第1ドリブ
ンプレート21と、第2ドリブンプレート22と、第3
ドリブンプレート23と、第1及び第2ドリブンプレー
ト21,22に固定されるオルガニック系メタル材のパ
ッド24,25とを有している。第1ドリブンプレート
21は、第1固定部21aと第1傾斜部21bとから構
成されている。第1傾斜部21bは、第1固定部21a
の外周端から径方向外側に向かって延びフライホイール
50側に傾斜している。この第1傾斜部21bのフライ
ホイール50側の側面には、パッド24が焼結により装
着されている。第2ドリブンプレート22は、第2固定
部22aと第2傾斜部22bとから構成されている。第
2傾斜部22bは、第2固定部22aの外周端から径方
向外側に向かって延びプレッシャープレート61側に傾
斜している。この第2傾斜部22bのプレッシャープレ
ート61側の側面には、パッド25が焼結により装着さ
れている。第3ドリブンプレート23は、第3固定部2
3aと、ストレート部23bと、第1付勢部23cと、
第2付勢部23dとを有している。ストレート部23b
は、第3固定部23aの外周端から傾斜せずに径方向外
側に延びている。第3固定部23aとストレート部23
bとの軸方向の位置は等しい。第1付勢部23cは、ス
トレート部23bの円周方向一端部から円周方向に延び
ており、フライホイール50側に傾斜している。第2付
勢部23dは、ストレート部23bの円周方向他端部か
ら円周方向に延びており、プレッシャープレート61側
に傾斜している。第1固定部21a,第2固定部22
a,及び第3固定部23aは、リベット19によってク
ラッチプレート5の外周部に固定されている。ここで
は、後述するクッション機能を担う各ドリブンプレート
21〜23の板厚は所定の剛性になるように比較的薄く
設定されるが、パッド24,25に入力されるトルクが
本体部2に伝わるときにクラッチディスク3の内周部に
作用する力は各ドリブンプレート21〜23に分散され
る。このため、各ドリブンプレート21〜23の板厚が
薄い場合でも、トルク伝達に必要な強度は確保される。
なお、ここではフェーシングとしてパッド24,25を
採用しているが、環状のフェーシングを第1及び第2ド
リブンプレート21,22の第1及び第2傾斜部21
b,22bに装着させることもできる。
【0020】次に、クラッチディスク組立体1のクラッ
チディスク3が有するクッション機能について説明す
る。クラッチエンゲージ操作がなされ、プレッシャープ
レート61がフライホイール50側に移動すると、クラ
ッチディスク3がフライホイール50とプレッシャープ
レート61との間に挟持され、フライホイール50の回
転トルクがクラッチディスク3及び本体部2を介してス
プラインハブ4に連結されたトランスミッションの軸に
伝達される。ここで、プレッシャープレート61及びフ
ライホイール50にクラッチディスク3のパッド24,
25が当接してからクラッチディスク3がフライホイー
ル50とプレッシャープレート61との間に完全に挟持
されるまでの間に、第1及び第2傾斜部21b,22b
の傾斜と第1及び第2付勢部23c,23dの傾斜が弾
性変形により減少する。この弾性変形がクラッチの急激
なエンゲージを抑えクラッチのつながりを滑らかにす
る。このように、クラッチディスク3では、第1ドリブ
ンプレート21の第1傾斜部21b,第2ドリブンプレ
ート22の第2傾斜部22b,及び第3ドリブンプレー
ト23の第1,第2付勢部23c,23dが弾性変形す
ることによりクッション機能が発生する。
【0021】また、第1及び第2傾斜部21b,22b
は、図3に示すように、径方向外側にゆくに従って徐々
に傾斜している。このため、第1及び第2傾斜部21
b,22bの弾性変形の支持のポイントが弾性変形に応
じて径方向外側に移動し、高い応力のかかるポイントが
拡散される。これにより、弾性変形を繰り返す第1及び
第2ドリブンプレート21,22の疲労強度が向上す
る。
【0022】[第2実施形態]第1実施形態で採用した
クラッチディスク3の代わりに、図5に示すクラッチデ
ィスク30を採用することもできる。クラッチディスク
30は、クラッチプレート5の外周側に設けられてお
り、図5に示すように、第1ドリブンプレート31と第
2ドリブンプレート32と、第1及び第2ドリブンプレ
ート31,32に固定されるパッド24,25とを有し
ている。第1ドリブンプレート31は、第1固定部31
aと第1傾斜部31bとから構成されている。第1傾斜
部31bは、第1固定部31aの外周端から径方向外側
に向かって延びフライホイール50側に傾斜している。
この第1傾斜部31bのフライホイール50側の側面に
は、パッド24が装着されている。第2ドリブンプレー
ト32は、第2固定部32aと第2傾斜部32bとから
構成されている。第2傾斜部32bは、第2固定部32
aの外周端から径方向外側に向かって延びプレッシャー
プレート61側に傾斜している。この第2傾斜部32b
のプレッシャープレート61側の側面には、パッド25
が装着されている。このクラッチディスク30は、第1
実施形態のクラッチディスク3の第3ドリブンプレート
23に相当する部材が存在しないため、クラッチディス
ク3に較べて構造が簡易となっている。
【0023】他の構成については、前記第1実施形態と
同様である。次に、クラッチディスク30のクッション
機能について説明する。クラッチエンゲージ時におい
て、プレッシャープレート61及びフライホイール50
にクラッチディスク30のパッド24,25が当接して
からクラッチディスク30がフライホイール50とプレ
ッシャープレート61との間に完全に挟持されるまでの
間に、第1及び第2傾斜部31b,32bの傾斜が弾性
変形により減少する。この弾性変形がクラッチの急激な
エンゲージを抑えクラッチのつながりを滑らかにする。
このように、クラッチディスク30では、第1ドリブン
プレート31の第1傾斜部31b及び第2ドリブンプレ
ート32の第2傾斜部32bが弾性変形することにより
クッション機能が発生する。
【0024】また、第1及び第2傾斜部31b,32b
は、図5に示すように、径方向外側にゆくに従って徐々
に傾斜している。このため、第1及び第2傾斜部31
b,32bの弾性変形の支持のポイントが弾性変形に応
じて径方向外側に移動し、高い応力のかかるポイントが
拡散される。これにより、弾性変形を繰り返す第1及び
第2ドリブンプレート31,32の疲労強度が向上す
る。
【0025】[第3実施形態]第1実施形態で採用した
クラッチディスク3の代わりに、図6に示すクラッチデ
ィスク40を採用することもできる。クラッチディスク
40は、クラッチプレート5の外周側に設けられてお
り、図6に示すように、第1ドリブンプレート41と第
2ドリブンプレート42と、第1及び第2ドリブンプレ
ート41,42に固定されるパッド24,25とを有し
ている。第1ドリブンプレート41は、第1固定部41
aと第1ストレート部41bとから構成されている。第
1ストレート41bは、第1固定部41aの外周端から
径方向外側に向かって延びている。この第1ストレート
部41bのフライホイール50側の側面には、パッド2
4が装着されている。第2ドリブンプレート42は、第
2固定部42aと第2傾斜部42bとから構成されてい
る。第2傾斜部42bは、第2固定部42aの外周端か
ら径方向外側に向かって延びプレッシャープレート61
側に傾斜している。この第2傾斜部42bのプレッシャ
ープレート61側の側面には、パッド25が装着されて
いる。このクラッチディスク40は、第1実施形態のク
ラッチディスク3の第3ドリブンプレート23に相当す
る部材が存在せず、また第1ドリブンプレート41が傾
斜を有していないため、クラッチディスク3に較べて構
造が簡易となっている。
【0026】他の構成については、前記第1実施形態と
同様である。次に、クラッチディスク40のクッション
機能について説明する。クラッチエンゲージ時におい
て、プレッシャープレート61及びフライホイール50
にクラッチディスク40のパッド24,25が当接して
からクラッチディスク40がフライホイール50とプレ
ッシャープレート61との間に完全に挟持されるまでの
間に、第2傾斜部42bの傾斜が弾性変形により減少す
る。この弾性変形がクラッチの急激なエンゲージを抑え
クラッチのつながりを滑らかにする。このように、クラ
ッチディスク40では、第2ドリブンプレート42の第
2傾斜部42bが弾性変形することによりクッション機
能が発生する。
【0027】このクラッチエンゲージ時には、フライホ
イール50に対してプレッシャープレート61が接近す
るため、まずパッド25とプレッシャープレート61と
が当接し、次にパッド24とフライホイール50とが当
接する。したがって、第2ドリブンプレート42が第2
傾斜部42bすなわちクッション機能を有していなけれ
ば、パッド25のほうがパッド24よりも摩耗が激しく
なる。しかし、ここではパッド25を固定している第2
ドリブンプレート42がクッション機能を有しているた
め、第2ドリブンプレート42とプレッシャープレート
61とのクラッチエンゲージが滑らかになり、パッド2
5の摩耗が抑えられる。この結果、パッド24の磨耗量
に対してパッド25の磨耗量が多くなる現象が緩和され
る。
【0028】また、第2傾斜部42bは、図6に示すよ
うに、径方向外側にゆくに従って徐々に傾斜している。
このため、第2傾斜部42bの弾性変形の支持のポイン
トが弾性変形に応じて径方向外側に移動し、高い応力の
かかるポイントが拡散される。これにより、弾性変形を
繰り返す第2ドリブンプレート42の疲労強度が向上す
る。
【0029】
【発明の効果】本発明では、傾斜を有する少なくとも1
枚を含む複数のドリブンプレートを採用しクラッチディ
スク本体の入力部に固定するため、メタリックフェーシ
ングを備えたクラッチディスクにクッション機能を具備
させることができ、クラッチの半クラッチ性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が採用されたクラッチディ
スク組立体の断面図。
【図2】クラッチディスク組立体の平面図。
【図3】図2のIII−III矢視断面図。
【図4】図2のIV−IV矢視断面図。
【図5】第2実施形態のクラッチディスクの断面図。
【図6】第3実施形態のクラッチディスクの断面図。
【符号の説明】
1 クラッチディスク組立体 2 本体部(クラッチディスク本体) 3,30,40 クラッチディスク(摩擦部材) 4 スプラインハブ(出力側部材) 5 クラッチプレート(入力側プレー
ト) 8 トーションスプリング(ダンパー
部) 21 第1ドリブンプレート 21a 第1固定部 21b 第1傾斜部 22 第2ドリブンプレート 22a 第2固定部 22b 第2傾斜部 23 第3ドリブンプレート 23a 第3固定部 23b ストレート部 23c 第1付勢部 23d 第2付勢部 24、25 パッド(金属複合フェーシング) 31 第1ドリブンプレート 31a 第1固定部 31b 第1傾斜部 32 第2ドリブンプレート 32a 第2固定部 32b 第2傾斜部 41 第1ドリブンプレート 41a 第1固定部 41b 第1ストレート部 42 第2ドリブンプレート 42a 第2固定部 42b 第2傾斜部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フライホイールとクラッチカバー組立体の
    プレッシャープレートとの間に配置され、クラッチディ
    スク本体の外周部に固定されているクラッチディスク組
    立体の摩擦部材であって、 前記クラッチディスク本体の入力部に固定される複数の
    ドリブンプレートと、 前記フライホイール側に位置する前記ドリブンプレート
    の前記フライホイール側の面及び前記プレッシャープレ
    ート側に位置する前記ドリブンプレートの前記プレッシ
    ャープレート側の面に装着される、金属粉末が混合され
    た金属複合フェーシングと、を備え、 少なくとも1枚の前記ドリブンプレートは、径方向内側
    から径方向外側に傾斜する部分を有し内周部と外周部と
    の軸方向の位置が異なっている摩擦部材。
  2. 【請求項2】径方向内側から径方向外側に前記フライホ
    イール側に傾斜する部分を有し外周部が内周部よりも前
    記フライホイール側にある第1ドリブンプレートと、 径方向内側から径方向外側に前記プレッシャープレート
    側に傾斜する部分を有し外周部が内周部よりも前記プレ
    ッシャープレート側にある第2ドリブンプレートと、 前記第1ドリブンプレートを前記フライホイール側に付
    勢する第1付勢部と前記第2ドリブンプレートを前記プ
    レッシャープレート側に付勢する第2付勢部とを有して
    おり、前記第1ドリブンプレートと前記第2ドリブンプ
    レートとの間に配置される第3ドリブンプレートと、を
    有する請求項1に記載の摩擦部材。
  3. 【請求項3】前記第1ドリブンプレートは、前記クラッ
    チディスク本体の入力部に固定される第1固定部と、前
    記第1固定部の外周端から径方向外側に向かって前記フ
    ライホイール側に傾斜し前記フライホイール側の側面に
    前記金属複合フェーシングが装着される第1傾斜部とか
    ら構成され、 前記第2ドリブンプレートは、前記クラッチディスク本
    体の入力部に固定される第2固定部と、前記第2固定部
    の外周端から径方向外側に向かって前記プレッシャープ
    レート側に傾斜し前記プレッシャープレート側の側面に
    前記金属複合フェーシングが装着される第2傾斜部とか
    ら構成され、 前記第3ドリブンプレートは、前記クラッチディスク本
    体の入力部に固定される第3固定部と、前記第3固定部
    から径方向外側に延び内周部と外周部との軸方向の位置
    が等しいストレート部と、前記ストレート部の円周方向
    一端部から円周方向に延び前記フライホイール側に傾斜
    する第1付勢部と、前記ストレート部の円周方向他端部
    から円周方向に延び前記プレッシャープレート側に傾斜
    する第2付勢部とを有している、請求項2に記載の摩擦
    部材。
  4. 【請求項4】径方向内側から径方向外側に前記フライホ
    イール側に傾斜する部分を有し外周部が内周部よりも前
    記フライホイール側にある第1ドリブンプレートと、 径方向内側から径方向外側に前記プレッシャープレート
    側に傾斜する部分を有し外周部が内周部よりも前記プレ
    ッシャープレート側にある第2ドリブンプレートと、を
    有する請求項1に記載の摩擦部材。
  5. 【請求項5】内周部と外周部との軸方向の位置が等しい
    第1ドリブンプレートと、 径方向内側から径方向外側に前記プレッシャープレート
    側に傾斜する部分を有し外周部が内周部よりも前記プレ
    ッシャープレート側にある第2ドリブンプレートと、を
    有する請求項1に記載の摩擦部材。
  6. 【請求項6】請求項1から5のいずれかに記載の摩擦部
    材と、 前記摩擦部材が外周部に固定された入力側プレートと、 前記入力側プレートに所定の角度範囲内で相対回転自在
    に設けられた出力側部材と、 前記入力側プレートと前記出力側部材とを円周方向に弾
    性的に連結するダンパー部と、を備えたクラッチディス
    ク組立体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170026596A (ko) * 2014-07-03 2017-03-08 섀플러 테크놀로지스 아게 운트 코. 카게 클러치 디스크

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KR20170026596A (ko) * 2014-07-03 2017-03-08 섀플러 테크놀로지스 아게 운트 코. 카게 클러치 디스크

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