JPH10195311A - 熱可塑性樹脂成形品、および成形品用材料、成形品の製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形品、および成形品用材料、成形品の製造方法

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JPH10195311A
JPH10195311A JP31365097A JP31365097A JPH10195311A JP H10195311 A JPH10195311 A JP H10195311A JP 31365097 A JP31365097 A JP 31365097A JP 31365097 A JP31365097 A JP 31365097A JP H10195311 A JPH10195311 A JP H10195311A
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glass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度に優れ、導電性を有する熱可塑性
樹脂成形品、該成形品を得るのに適した成形品用材料お
よび前記成形品の製造方法の提供。 【解決手段】 ガラス繊維と導電性材料と熱可塑性樹脂
を含有する熱可塑性樹脂成形品であって、該成形品中
に、長さ0.4mm 以上のガラス繊維を5〜60重量%、ガラ
ス繊維を合計量で5〜75重量%、導電性材料を3〜60重
量%含有する熱可塑性樹脂成形品、および、ガラス繊維
の重量平均繊維長が1mm以上で、かつガラス繊維束が熱
可塑性樹脂で含浸された熱可塑性樹脂ペレットを含み、
さらには該熱可塑性樹脂ペレット中または全体の成形品
用材料中に導電性材料を含む、熱可塑性樹脂成形品用材
料、および該成形品用材料を成形する前記成形品の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性を有し、し
かも耐熱性、機械的諸物性のいずれにも優れたガラス長
繊維強化導電性樹脂成形品、当該成形品の製造に用いる
ガラス長繊維強化導電性樹脂成形品用材料およびガラス
長繊維強化導電性樹脂成形品の製造方法に関する。
【0002】本発明のガラス長繊維強化導電性樹脂成形
品は、特に、静電気散逸材や電磁波シールド材として好
ましく用いられる。
【0003】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は導電性材料との複合化に
より、導電性が付与され、静電気散逸用途、電磁波遮蔽
用途などに幅広く利用されている。導電性材料を含有す
る熱可塑性樹脂は、射出成形法、射出圧縮成形法などに
よって、様々な形状に成形可能であり、しかも安価な成
形加工費用で大量生産できるため、静電気散逸用途、電
磁波遮蔽用途に使用されている金属加工品、または導電
塗料塗布材料や金属めっき品などの表面導電性加工品に
比べ、コスト的に安価であり、工業的価値が高い。
【0004】しかしその反面、導電性材料を含有する熱
可塑性樹脂を用いた成形品は、機械的強度が不十分であ
り、検討の余地が残されていた。このため、従来は、ガ
ラス繊維など繊維状の補強材添加による、強度向上の検
討が行われている。強度向上には、成形品中の繊維長の
影響が顕著であり、成形品用材料として、例えば1mm以
上の長繊維を使用しても、成形加工工程中に繊維が折損
を受け、大部分の長繊維は0.2 mm以下になってしまい、
顕著な補強効果は見られなかった。
【0005】以下に、具体例を、従来技術に基づき説明
する。特開昭63−90564 号公報においては、熱可塑性樹
脂、ステンレス繊維、ガラス繊維からなる樹脂組成物が
提案されている。上記技術においては、繊維直径5〜50
μm、アスペクト比50〜500 のガラス繊維が使用されて
おり、換算すると、該ガラス繊維のガラス繊維長は0.25
〜25mmに相当する。
【0006】しかし、このような繊維長のガラス繊維を
使用しても、上記の組成物を押出機により溶融混練し、
射出成形用のペレットを得たのでは、溶融混練工程時に
ガラス繊維が折損し、短化してしまう。特開昭59−2359
5 号公報、特公昭62−36069 号公報、特開昭60−88064
号公報、特公平4−68348 号公報、特開昭63−132959号
公報、特公平5−55961 号公報においても、ガラス繊維
が添加された導電性樹脂組成物が開示されているが、こ
れらは2軸あるいは1軸の押出機により溶融混練され、
ペレット化されており、ガラス繊維は短化してしまう。
【0007】このように、従来技術では、樹脂成形品中
での均一分散性を考慮して、導電性材料、熱可塑性樹脂
およびガラス繊維を押出機により溶融混練し、ペレット
化しているため、ガラス繊維は短化し、機械的強度は不
十分であった。また、特開昭63−90564 号公報において
は、収束剤で収束されたガラス繊維束をペレット化し、
そのまま射出成形に供する方法が開示されている。
【0008】特開昭60−18315 号公報には、繊維状導電
性材料と無機繊維(ガラス繊維)を束ねた表面に樹脂層
を形成させたペレット状導電性成形用材料が開示されて
いる。しかし、ガラス繊維束の表面のみを、収束剤ある
いは熱可塑性樹脂でコーティングした成形品用材料は、
ガラス繊維束内に樹脂が含浸されていないため、これを
射出成形した場合、溶融混練時に、ガラス繊維同士の擦
れ合いや未溶融樹脂、スクリューなどによる剪断のた
め、ガラス繊維は短化してしまう。
【0009】以上のように、従来技術では、強度向上の
ために添加したガラス繊維が成形加工時に短化してしま
い、得られる成形品の強度が不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、機械的強度に優れ、導電性を
有する熱可塑性樹脂成形品、該成形品を得るのに適した
成形品用材料および前記成形品の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、成形品中の
ガラス繊維を長繊維化することによって、ガラス繊維と
導電性材料を含有する熱可塑性樹脂成形品の高強度化を
達成できると考え、鋭意検討した。成形加工工程中にお
けるガラス繊維の折損をできるだけ抑制し、成形品中の
ガラス繊維長を長くするためには、成形加工装置や成形
加工条件の検討が考えられる。
【0012】例えば、射出成形法の場合、スクリューの
デザインを変え、深溝タイプとすると共に圧縮比を下げ
るといった成形加工装置の工夫が挙げられる。また、ガ
ラス繊維長を長く保つ成形加工条件として、スクリュー
回転数を落とし、剪断力を下げる方法、背圧を下げる方
法などが挙げられる。このような方法を組み合わせる
と、繊維長は長く保持される方向に向かうが、その反
面、ガラス繊維と導電性材料の均一分散性が低下し、成
形品の強度、導電性が不均一になる。
【0013】このため本発明者は、材料、特にガラス繊
維含有ペレットの樹脂含浸に着目した。前記したよう
に、従来技術においては、ガラス繊維束を収束剤や熱可
塑性樹脂でコーティングしたものが用いられている。し
かし、上記したペレットは、基本的に、ガラス繊維束内
に樹脂が含浸されておらず、加工成形時に、ガラス同士
が擦れ合い、短化する。
【0014】本発明者は、ガラス繊維束内に十分に樹脂
が含浸した、すなわちガラス繊維が十分に樹脂で濡れた
ガラス繊維を含有する樹脂ペレットを用いることによっ
て、ガラス繊維が長い繊維長を有した状態で、成形品中
に残存し、導電性材料を含有する熱可塑性樹脂成形品の
高強度化が達成可能であることを見い出した。これは、
ガラス繊維束内に樹脂を含浸することによって、溶融
混練時におけるガラス同士の擦れ合いを低減できるこ
と、剪断力が働いた場合、ガラス繊維間に存在する樹
脂がずれて、剪断エネルギーを吸収することによって、
ガラス繊維の折損が抑制されるためと考えられる。
【0015】また、上記した本発明に係わる樹脂ペレッ
トから得られた成形品について鋭意分析したところ、成
形品中のガラス繊維のうち、残存繊維長として0.4mm 以
上の繊維が強度に対する寄与が大きく、0.4mm 以上のガ
ラス繊維を、成形品中に5〜60重量%存在せしめること
で、強度特性に優れた成形品が得られることが分かっ
た。
【0016】すなわち、本発明は、以下の通りである。
第1の発明は、ガラス繊維と導電性材料と熱可塑性樹脂
を含有する熱可塑性樹脂成形品であって、該成形品中
に、長さ0.4mm 以上のガラス繊維を5〜60重量%、ガラ
ス繊維を合計量で5〜75重量%、導電性材料を3〜60重
量%含有することを特徴とするガラス長繊維で強化され
た導電性を有する熱可塑性樹脂成形品である。
【0017】前記した第1の発明においては、前記導電
性材料が、カーボンブラック、炭素繊維、ステンレス繊
維、銅繊維および黄銅繊維の内から選ばれる一種以上で
あることが好ましい。また、前記した第1の発明におい
ては、前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびABS系樹
脂の内から選ばれる一種以上であることが好ましい。
【0018】さらに、前記した第1の発明においては、
前記ガラス繊維がカップリング剤で処理されていること
が好ましい。第2の発明は、ガラス繊維束および導電性
材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットを含む熱可塑性樹
脂成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中
のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記
熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂
で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラ
ス繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有量が
3〜60重量%であることを特徴とするガラス長繊維で強
化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料であ
る。
【0019】第3の発明は、ガラス繊維束および導電性
材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットと、熱可塑性樹脂
を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑
性樹脂ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm
以上で、かつ前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維
束が熱可塑性樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品
用材料中の全ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電
性材料の含有量が3〜60重量%であることを特徴とする
ガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂
成形品用材料である。
【0020】第4の発明は、ガラス繊維束を含有する熱
可塑性樹脂ペレットと、導電性材料を含む熱可塑性樹脂
成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中の
ガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記熱
可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂で
含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラス
繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有量が3
〜60重量%であることを特徴とするガラス長繊維で強化
された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料であ
る。
【0021】第5の発明は、ガラス繊維束を含有する熱
可塑性樹脂ペレットと、導電性材料と、熱可塑性樹脂と
を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑
性樹脂ペレット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm
以上で、かつ前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維
束が熱可塑性樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品
用材料中の全ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電
性材料の含有量が3〜60重量%であることを特徴とする
ガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂
成形品用材料である。
【0022】前記した第2の発明〜第5の発明において
は、前記熱可塑性樹脂ペレットの平均長さが1〜150mm
であり、該ペレット中のガラス繊維がペレットの長さ方
向に整列し、かつ、ガラス繊維が該ペレットと実質的に
同一長さを有することが好ましい。第6の発明は、導電
性材料を含有するガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス
繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可
塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、か
つ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、
当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜
90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレット
であることを特徴とするガラス長繊維で強化された導電
性を有する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0023】第7の発明は、導電性材料を含有するガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットと、熱可塑性樹脂を含
む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維
強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性
樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガ
ラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊
維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量
%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットである
ことを特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有
する熱可塑性樹脂成形品用材料である。
【0024】第8の発明は、ガラス繊維強化熱可塑性樹
脂ペレットと、導電性材料を含む熱可塑性樹脂成形品用
材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレッ
トが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して
得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレ
ットと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、
ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さ
が1〜150 mmのペレットであることを特徴とするガラス
長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性樹脂成形品
用材料である。
【0025】第9の発明は、ガラス繊維強化熱可塑性樹
脂ペレットと、導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレ
ットを含む熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガ
ラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に
熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペレットで、
かつ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一長さを有
し、当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が
10〜90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレ
ットであることを特徴とする熱可塑性樹脂成形品用材料
である。
【0026】第10の発明は、ガラス繊維強化熱可塑性樹
脂ペレットと、導電性材料と、熱可塑性樹脂を含む熱可
塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱
可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を
含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊
維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士
が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊
維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットであることを
特徴とするガラス長繊維で強化された導電性を有する熱
可塑性樹脂成形品用材料である。
【0027】前記した第2の発明〜第10の発明において
は、前記導電性材料が、カーボンブラック、炭素繊維、
ステンレス繊維、銅繊維および黄銅繊維の内から選ばれ
る一種以上であることが好ましい。また、前記した第2
の発明〜第10の発明においては、前記熱可塑性樹脂が、
ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレ
ン系樹脂およびABS系樹脂の内から選ばれる一種以上
であることが好ましい。
【0028】また、前記した第2の発明〜第10の発明に
おいては、前記ガラス繊維束が、カップリング剤で処理
されたガラス繊維束であることが好ましい。第11の発明
は、前記した第2の発明〜第10の発明の内、少なくとも
いずれかの発明のガラス長繊維で強化された導電性を有
する熱可塑性樹脂成形品用材料を成形することを特徴と
するガラス長繊維で強化された導電性を有する熱可塑性
樹脂成形品の製造方法である。
【0029】前記した第11の発明においては、前記熱可
塑性樹脂成形品用材料の成形法として射出成形法を用い
ることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者は、前記した従来技術の問題点を解決す
るために鋭意検討した結果、少なくとも、ガラス繊維束
中に熱可塑性樹脂が含浸されたガラス繊維強化熱可塑性
樹脂ペレットと、導電性カーボンブラック、導電性繊維
などの導電性材料を含む成形品用材料を用い、成形品中
の0.4mm 以上のガラス繊維の含有量が特定の範囲となる
ように成形することによって、導電性を有し、かつ、耐
熱性、および、耐衝撃性、引張強度、引張弾性率、曲げ
強度および曲げ弾性率などの機械的諸物性のいずれにも
優れた繊維強化熱可塑性樹脂成形品が得られることを見
出した。
【0031】本発明のガラス長繊維で強化された導電性
を有する熱可塑性樹脂成形品は、最終的な熱可塑性樹脂
成形品中に、繊維長が0.4mm 以上のガラス長繊維と、導
電性材料が特定量含有されていればよく、いかなる製造
方法、成形方法を用いても良い。しかしながら、成形品
の特性の均一性、経済性の観点からは、以下のような方
法で製造するのが好ましい。
【0032】すなわち、ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂
が含浸され、かつ導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペ
レットを成形品用材料として、低圧射出成形、射出圧縮
成形などの射出成形法により成形し、成形品を得ること
が好ましい。また、ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂が含
浸された熱可塑性樹脂ペレットと、導電性材料を含有し
た熱可塑性樹脂ペレットをそれぞれ製造し、両ペレット
を混合した成形品用材料を、低圧射出成形、射出圧縮成
形などの射出成形法により成形し、成形品を得ることが
好ましい。
【0033】以下、本発明の成形品用材料、成形品、お
よびそれらの原料、製造方法について述べる。 (ガラス繊維:)本発明で用いるガラス繊維の種類は、
一般的に用いられるガラス繊維でよい。例えば、E−ガ
ラス、AR−ガラス、T−ガラス、D−ガラスやS−ガ
ラス、C−ガラス、R−ガラスなどが例示される。
【0034】本発明に用いるガラス繊維の形態として
は、引抜き法で使用可能な連続したガラス繊維束が好ま
しく、例えば、数千〜数万本のガラスフィラメントを集
めた束をコイル状に巻き取った、所謂ガラスロービング
が例示される。ガラス繊維の直径は、5〜35μmのもの
が適している。ガラス繊維の直径が5μm未満の場合、
同一ガラス含有量にする場合、相対的にガラス繊維数が
増加するため樹脂のガラス繊維束への含浸が困難とな
り、逆に35μmを超えると成形品の表面外観が著しく悪
化する。
【0035】最適なガラス繊維の直径は9〜20μmであ
る。なお、ガラス繊維の断面形状が円形でない場合は、
その断面積と等しい面積の円の直径である面積相当直径
が好ましくは5〜35μm、さらには面積相当直径が9〜
20μmのガラス繊維を用いることが好ましい。本発明に
用いるガラス繊維は、カップリング剤を含む表面処理剤
で表面処理されていると好ましい。
【0036】ガラス繊維をカップリング剤で表面処理す
ると、ガラス繊維束中への樹脂の含浸が良好になり、さ
らにはガラス繊維と樹脂との接着が良好になり、成形品
の強度も向上する。カップリング剤としては、アミノシ
ラン、エポキシシラン、アミドシラン、アジドシラン、
アクリルシランのようなシランカップリング剤、チタネ
ート系カップリング剤またはこれらの混合物が利用でき
る。
【0037】これらのうち、アミノシランとエポキシシ
ランが好ましく、特にアミノシランカップリング剤が好
ましい。表面処理剤にはカップリング剤以外に、界面活
性剤、帯電防止剤などが含まれていてもよい。 (導電性材料:)導電性材料としては、好ましくは、カ
ーボンブラック、炭素繊維、ステンレス繊維、黄銅繊
維、銅繊維などが例示される。
【0038】これらは単独で用いてもよく、2種以上を
用いてもよい。カーボンブラックとしては、ファーネス
ブラック、アセチレンブラックなどが例示される。ファ
ーネスブラック、アセチレンブラックなどの導電性カー
ボンブラックは、100 〜102 Ωcm程度の高い体積抵抗率
を有し、導電性材料としてこれらを用いた本発明の成形
品はICチップトレーの用途に用いた場合、静電気散逸
の面で優れた性能を発揮する。
【0039】ファーネスブラックは原油をファーネス式
不完全燃焼法により燃焼することにより製造され、例え
ばバルカンXC−72、ケッチェンブラックEC(いず
れも商品名)などを用いることができる。本発明におい
ては、カーボンブラックを、本発明の成形品用材料、成
形品中に3〜60重量%、好ましくは5〜40重量%、より
好ましくは5〜25重量%含有せしめることにより、良好
な導電性を有する成形品を得ることができる。
【0040】炭素繊維は、PAN系、ピッチ系の2種類
に大別されるが、いずれも導電性に優れ、10-4〜10-3Ω
・cmの体積抵抗率を有する。本発明にはいかなる炭素繊
維も利用することができ、黒鉛化炭素繊維も好ましく用
いられる。また、ニッケルなど金属をメッキした炭素繊
維も使用でき、これは上記のPAN系、ピッチ系の炭素
繊維にメッキ処理を行うことにより得られる。
【0041】ニッケルをメッキした炭素繊維は体積抵抗
率が小さいため、電磁波シールド性向け用途として有用
である。ステンレス繊維、黄銅繊維、銅繊維は、引抜き
法やビビリ法により製造される。炭素繊維、ステンレス
繊維、銅繊維、黄銅繊維、ニッケルなど金属をメッキし
た炭素繊維などの導電性繊維を含有した樹脂複合材は、
これら導電性材料の少量の添加で非常に高い導電性を付
与することが可能であることから、電磁波シールド材料
としての低電気抵抗樹脂複合材に欠かせない導電性材料
である。
【0042】上記した繊維状の導電性材料は、成形品中
での均一な分散を達成するため、予め樹脂と複合化させ
たペレットとして用いることが好ましい。炭素繊維、ス
テンレス繊維、銅繊維、黄銅繊維、ニッケルなど金属を
メッキした炭素繊維などの導電性繊維の含有率は、本発
明の成形品用材料、成形品において、3〜60重量%、好
ましくは3〜50重量%、さらには3〜30重量%であるこ
とがより好ましい。
【0043】電磁波シールド性(EMIシールド性)を
得るためには、上記成形品において、ステンレス繊維の
場合、含有率を7重量%以上、炭素繊維の場合、含有率
を10重量%以上とすることがより好ましい。また、ビビ
リ法により得られた金属繊維の場合には、EMIシール
ド性を得るためには、上記成形品において、含有率を15
重量%以上とすることがより好ましい。
【0044】(熱可塑性樹脂:)本発明に用いる熱可塑
性樹脂の種類は、特に制限されるものではない。ただ
し、ポリオレフィン系樹脂やシンジオタクチックポリス
チレン、6−ナイロン、6、6−ナイロンなどのポリア
ミド樹脂など結晶性樹脂を用いた場合、長繊維との複合
化により、加重たわみ温度(HDT)に代表される熱的
特性が向上するため、有利である。
【0045】特に、ポリオレフィン系樹脂は、安価であ
り、リサイクルなどの観点から工業的、経済的にも優れ
ているため、特に好ましい。以下、ポリオレフィン系樹
脂について詳細に記載する。本発明で用いるポリオレフ
ィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブテン、
4−メチルペンテンなどの単独重合体が例示され、さら
にはこれらのモノマーと酢酸ビニル、アクリル酸、アク
リル酸エステル、無水マレイン酸などの極性モノマーと
のランダム、交互、ブロック、またはグラフト共重合体
も含まれる。
【0046】また、これらの重合体にエチレン−α−オ
レフィン系共重合体ゴム、イソプレンゴム、イソブチレ
ンゴムなどの合成ゴムを50重量%未満添加した組成物も
含まれる。具体的には、高圧法エチレン単独重合体、高
圧法エチレン−プロピレン共重合体、低圧法エチレン単
独重合体、低圧法エチレン−プロピレン共重合体、低圧
法エチレン−1−ブテン共重合体、低圧法エチレン−1
−ヘキセン共重合体、中圧法エチレン共重合体、高圧法
エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−エチレン
のランダムまたはブロック共重合体などが例示される。
【0047】また、上記したポリオレフィン系樹脂の中
でも結晶性プロピレン系重合体、特にポリプロピレンが
好ましい。ポリプロピレンとしては、プロピレンの単独
重合体のほか、プロピレンを主体としてエチレン成分を
含む共重合体、例えばプロピレン−エチレンブロック共
重合体、プロピレンとエチレン−プロピレンゴムとのブ
ロック共重合体などであってもよい。
【0048】また、本発明においては、熱可塑性樹脂と
して、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂
(ABS樹脂)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リサルフォン(PSU)、ポリフェニレンスルフィド
(PPS)、ポリエーテルサルフォン(PES)などの
非結晶性樹脂を用いた場合でも、ガラス長繊維との複合
化をはかることにより、衝撃強度、引張強度、曲げ強
度、曲げ弾性率などの機械的強度が向上する。
【0049】特にアイゾット衝撃強度などについては大
幅に向上するため、ハウジングや電子回路の筺体など耐
衝撃性の要求される用途に好ましく用いることができ
る。 (ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペレット、ガラ
ス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット:)本発明に用いるガ
ラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペレット(:第2の
発明〜第5の発明)もしくはガラス繊維強化熱可塑性樹
脂ペレット(:第6の発明〜第10の発明)は、ガラス繊
維束中に熱可塑性樹脂が含浸され、かつガラス繊維の重
量平均繊維長が1mm以上であればいかなる方法で製造し
てもよい。
【0050】ガラス繊維束中に熱可塑性樹脂を含浸した
後、所望の長さに切断することによって本発明に係わる
ペレットが得られる。熱可塑性樹脂をガラス繊維束に含
浸する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂のエマル
ジョンをガラス繊維束に含浸し、被覆付着後、乾燥させ
る方法、熱可塑性樹脂の粉末懸濁液をガラス繊維束に
付着させ、乾燥後加熱溶融含浸させる方法、ガラス繊
維束を帯電させて、熱可塑性樹脂粉末を付着させた後、
加熱溶融含浸させる方法、溶媒に溶解した熱可塑性樹
脂をガラス繊維束に含浸後、溶媒を除去する方法、熱
可塑性樹脂の連続繊維とガラスの連続繊維の混合繊維を
加熱し、溶融した樹脂をガラス繊維束に含浸させる方
法、および加熱溶融した熱可塑性樹脂をバー、ロー
ル、ダイス上でガラス繊維束を開繊させながら含浸させ
る方法などのいずれの方法でもよい。
【0051】本発明においては、これらの方法の内、装
置およびプロセスの簡便さから、加熱溶融した熱可塑性
樹脂をバー、ロール、ダイス上でガラス繊維束を開繊さ
せながら含浸させる方法(引き抜き法)が好ましい。ま
た、樹脂含浸時に、導電性材料や酸化防止剤、耐光安定
剤、難燃剤などの添加剤や、マイカ、タルク、チタン酸
ウイスカー、ウオラストナイト、ガラスフレーク、ガラ
スビーズなどの補強材を添加してもよい。
【0052】これらの添加方法は、特には制限されない
が、例えば樹脂と上記各種添加剤とを混合、溶融させ、
バー、ロール、ダイス上でガラス繊維束中に含浸させる
方法(引き抜き法)などが例示される。樹脂を含浸した
ガラス繊維束は、乾燥または冷却し、所望の長さに切断
する。切断後のペレットの長さは、繊維方向の平均長さ
で1〜150mm であることが好ましく、より好ましくは2
〜150mm 、さらに好ましくは2〜100mm 、さらに好まし
くは6〜15mmである。
【0053】ここで重要なことは、ペレット中のガラス
繊維の重量平均繊維長を1mm以上とすることである。ペ
レット中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm未満の場
合、得られる成形品中の長さが0.4mm 以上のガラス繊維
の量が少なくなり、機械的強度が不十分となる。
【0054】このため、繊維方向のペレットの平均長さ
は1mm以上必要である。また、逆に、ペレットの平均長
さが150mm を超えると、成形機のホッパ内で詰まりが生
じやすい。なお、本発明における上記したペレットの平
均長さは、ペレットの重量平均長さで定義される。
【0055】さらに、上記したガラス長繊維強化熱可塑
性樹脂ペレットとしては、当該繊維強化熱可塑性樹脂ペ
レット中において、ガラス繊維が実質的にペレットと同
一長さでかつ繊維がペレットの長さ方向に整列するのが
好ましい。本発明においては、ガラス繊維含有率が10〜
90重量%、さらに好ましくは30〜70重量%であるガラス
長繊維強化熱可塑性樹脂ペレットを用いることが好まし
い。
【0056】(成形品用材料:)本発明の成形品用材料
は、下記構成とすることが好ましい。 (1) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペ
レット中に導電性材料を含有させたもの。 (2) (a) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹
脂ペレット中に導電性材料を含有させたものと、(b) 熱
可塑性樹脂とを混合したもの。
【0057】なお、この場合、上記(a) と(b) を均一に
混合するため、上記(b) としてはペレット状のものを用
いることが好ましい。 (3) (a) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹
脂ペレットと、(b) 導電性材料とを混合したもの。 (4) (a) 前記したガラス長繊維で強化された熱可塑性樹
脂ペレットと、(b) 導電性材料と、(c) 熱可塑性樹脂と
を混合したもの。
【0058】なお、上記(4) の場合、導電性材料を均一
に混合するために、予め、導電性材料と熱可塑性樹脂を
押出機あるいはニーダーなどの混練機を用いて混合し、
成形して製造した導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペ
レット(d) を前記した(b) 導電性材料として用いるのが
好ましい。上記した(1) 〜(4) の成形品用材料中の全ガ
ラス繊維の含有量は、好ましくは、成形品用材料中にお
いて5〜75重量%、さらに好ましくは成形品用材料中に
おいて10〜60重量%である。
【0059】ガラス繊維の含有量が5重量%未満の場
合、成形品の強度が十分ではなく、逆に75重量%を超え
ると、成形が困難となり、さらには得られた成形品の外
観も不良になる。前記した(1) 〜(4) の成形品用材料中
の導電性材料の含有量は、好ましくは、成形品用材料中
において3〜60重量%、さらに好ましくは成形品用材料
中において5〜50重量%である。
【0060】導電性材料の含有量が3重量%未満の場
合、得られる成形品の導電性が不十分で電磁波シールド
材料などの用途に用いることができず、逆に導電性材料
の含有量が60重量%を超えると、成形が困難になる。な
お、前記した(2) の成形品用材料における(a) ガラス長
繊維で強化され導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレ
ットと(b) 熱可塑性樹脂の好ましい配合割合は、(a) ガ
ラス長繊維で強化され導電性材料を含有する熱可塑性樹
脂ペレット100 重量部に対して、(b) 熱可塑性樹脂3〜
300 重量部である。
【0061】また、前記した(3) の成形品用材料におけ
る(a) ガラス長繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット
と(b) 導電性材料の好ましい配合割合は、(a) ガラス長
繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット100 重量部に対
して、(b) 導電性材料3〜150 重量部である。また、前
記した(4) の成形品用材料における(a) ガラス長繊維で
強化された熱可塑性樹脂ペレットと(b) 導電性材料と
(c) 熱可塑性樹脂の好ましい配合割合は、(a) ガラス長
繊維で強化された熱可塑性樹脂ペレット100 重量部に対
して、(b) 導電性材料3〜150 重量部、(c) 熱可塑性樹
脂1〜100 重量部である。
【0062】さらに前記した(4) において、導電性材料
を含有する熱可塑性樹脂ペレット(d) を用いた場合、好
ましい配合割合は、(a) ガラス長繊維で強化された熱可
塑性樹脂ペレット100 重量部に対して、(d) 導電性材料
を含有する熱可塑性樹脂ペレット5〜300 重量部であ
る。本発明の成形品用材料中には、先に述べた酸化防止
剤、耐光安定剤、難燃剤などの添加剤や、マイカ、タル
ク、チタン酸ウイスカー、ウオラストナイト、ガラスフ
レーク、ガラスビーズなどの補強材が含まれていてもよ
い。
【0063】(成形方法:)本発明における成形方法と
しては、射出成形、ブロー成形、押出し成形など、樹脂
を成形するいかなる方法も使用することができるが、ガ
ラス繊維の切断を防止するために射出成形法を用いるこ
とが好ましく、射出圧縮成形法、低圧射出成形法が、射
出時のガラス繊維の切断が少ないため適している。
【0064】すなわち、本発明の成形品用材料を成形機
に供給し、成形機内で溶融混練する。本発明の成形品用
材料を用いて成形すると、成形品中のガラス繊維と導
電性材料の配合率を所望の範囲に調整することが容易と
なり、ガラス繊維が破断し難く、成形品中のガラス繊
維が長くなり、強度が大きな成形品が得られ、さらに
は、成形品中のガラス繊維および導電性材料の分散が
均一となり、強度、導電性においてさらに優れた特性が
得られる。
【0065】(成形品:)本発明の成形品は、成形品中
に導電性材料を3〜60重量%含有する。導電性材料の含
有量が3重量%未満の場合、導電性が不十分で、電磁波
シールド材料などの用途に用いることができず、逆に導
電性材料の含有量が60重量%を超えると、成形品表面へ
の導電性材料の浮き出しが多くなり、外観不良になる。
【0066】本発明の成形品中の全ガラス繊維の含有率
は、5〜75重量%である。全ガラス繊維の含有率が5重
量%未満の場合、機械的強度や耐熱性の向上が少なく、
ガラス長繊維による優れた効果が得られない。逆に、75
重量%超えの場合は、溶融時の流動性が低く、成形加工
が困難なうえ、成形品の外観が不良になる。
【0067】特に本発明で重要なことは、繊維長が0.4m
m 以上のガラス繊維を、成形品中に5〜60重量%、より
好ましくは10〜50重量%残存させることである。繊維長
が0.4mm 未満のガラス繊維は、長繊維としての補強効果
が少ない。また、成形品中の0.4mm 以上のガラス繊維の
含有量が5重量%未満の場合、補強効果が少なく、逆に
60重量%を超えると成形加工が困難なうえ、成形品の外
観が不良になる。
【0068】次に、本発明の成形品の好適な用途につい
て述べるが、本発明の成形品の用途は下記の例に限定さ
れるものではない。本発明の成形品は、その表面抵抗率
により帯電防止材用、静電気散逸材用、電磁波シールド
材用に分けられる。帯電防止材用は表面抵抗率が1×10
9 〜1×1013Ω/cm2であり、静電気散逸材用は表面抵抗
率が1×102 〜1×109 Ω/cm2であり、電磁波シールド
材用は表面抵抗率が1×10-3〜1×102 Ω/cm2である。
【0069】表面抵抗率は、カーボンブラック、炭素繊
維、ニッケルメッキなど金属メッキされた炭素繊維、ス
テンレス繊維、黄銅繊維、銅繊維などを単独または2種
以上を添加することにより、調整できる。さらに本発明
の成形品の用途を具体的に説明する。導電性材料として
カーボンブラックを用いた本発明の樹脂複合材は、静電
気散逸性を有する材料として有用である。
【0070】静電気散逸性を有する成形品の用途として
は、ICチップトレイが例示される。ICチップトレイ
は、従来、導電性カーボンブラックを含有したポリスチ
レン、ポリプロピレンなどが用いられていた。しかし、
ポリプロピレンの場合、ガラス短繊維やマイカ、各種ミ
ネラルを配合しても、耐熱性の指標である熱変形温度
(HDT)は、後述の比較例に示すように、高々104 〜
110 ℃であり、高温での使用が困難であった。
【0071】また、要求されるHDTが150 ℃付近のI
Cチップトレイ材としては、従来、ベース樹脂として、
耐熱性を有する変性PPO(ポリフェニレンオキシ
ド)、PSU(ポリサルフォン)、PCアロイ(ポリカ
ーボネートのアロイ)など、高価な樹脂が使用されてい
る。本発明に係わるカーボンブラック含有ガラス長繊維
ポリプロピレンの成形品は、ガラス長繊維により高度に
樹脂複合材が補強されるため、そのHDTは150 ℃以上
を示す。
【0072】したがって、カーボンブラック含有ガラス
長繊維ポリプロピレンの成形品は耐熱性ICチップトレ
イに使用でき、上記の高価な樹脂を用いた場合に比べ、
コストダウンを図れ、工業的、経済的な意味は大きい。
また、携帯電話、パソコンの急速な普及に伴い、電磁波
からの遮蔽、電磁波の漏洩防止などの電磁波シールド性
(EMIシールド性)に関する注目は、益々高まってい
る。
【0073】電磁波障害を無くすためには、電磁波を発
生させる機器類の筺体をEMIシールド材とし、また、
外部からの電磁波により誤動作する場合には電磁波を遮
断するために筺体やハウジングをEMIシールド材とす
ることが要求される。この場合、従来品であるステンレ
スファイバーなど金属繊維のみが添加された樹脂複合材
は、強度が不足する上、耐衝撃性が極端に低いため、E
MIシールド用のハウジングの要求特性に応えるために
は、不十分である。
【0074】これに対して、本発明に係わる炭素繊維、
ニッケルメッキなど金属メッキされた炭素繊維、ステン
レス繊維、黄銅繊維、銅繊維などを含有したガラス長繊
維強化熱可塑性樹脂成形品は、150 ℃以上の熱変形温度
を有し、さらには、ガラス長繊維で補強されているた
め、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、耐衝撃性のいず
れにも優れている。
【0075】さらに、上記した本発明の成形品は、EM
Iシールド性を有することから、EMIシールド用のハ
ウジングや筺体など強度を要求される部材にも好ましく
適用できる。
【0076】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。本実施例、比較例では、ガラス長繊維を含有した
熱可塑性樹脂ペレット(以下LGFと記す)、ガラス繊
維(:ガラス長繊維)と導電性材料を含有した熱可塑性
樹脂ペレット(以下LDGFと記す)、ガラス短繊維を
含有した熱可塑性樹脂ペレット(以下SGFと記す)、
および導電性材料を含有した熱可塑性樹脂ペレット(以
下DPと記す)の4種類のペレットを、それぞれ下記の
方法で製造し、それらのペレットを混合して用いるかま
たは単独で用いた熱可塑性樹脂成形品用材料を、射出成
形により成形し、試験片を得た。
【0077】〔ガラス長繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
(LGF)の製造方法:〕加熱溶融した熱可塑性樹脂を
ダイス上でガラス繊維束(:ガラス繊維モノフィラメン
トφ13μmをアミノシランカップリング剤で処理したガ
ラス繊維束)を開繊させながら含浸し、冷却後、切断
し、長さが9mmのペレットを得た(引抜き法)。
【0078】使用した熱可塑性樹脂の種類、得られたペ
レット中のガラス繊維含有率およびガラス繊維長を表1
−1に示す。得られたペレットを軟X線により観察した
結果、ペレット中において、ガラス繊維は相互に平行に
整列し、ガラス繊維の長さはペレットと実質的に同じ長
さであった。
【0079】また、ペレットの断面を観察すると、ガラ
ス繊維束中は樹脂で含浸されていた。 〔ガラス繊維(:ガラス長繊維)強化導電性熱可塑性樹
脂ペレット(LDGF)の製造方法:〕溶融混練した熱
可塑性樹脂と導電性材料をダイス上でガラス繊維束(:
ガラス繊維モノフィラメントφ13μmをアミノシランカ
ップリング剤で処理したガラス繊維束)を開繊させなが
ら含浸し、冷却後、任意の長さに切断しペレットを得た
(引抜き法)。
【0080】使用したポリプロピレンはホモタイプ、メ
ルトフローレイト40g/10min のポリプロピレンで、導電
性材料としては、カーボンブラック(ケッチェンブラッ
クEC)を用いた。得られたペレットを軟X線により観
察した結果、ペレット中において、ガラス繊維は相互に
平行に整列し、ガラス繊維の長さはペレットと実質的に
同じ長さであった。
【0081】また、ペレットの断面を観察すると、ガラ
ス繊維束中は樹脂で含浸されていた。ペレット中の、導
電性材料の含有量、ガラス繊維長、含有量を表1−2に
示す。 〔ガラス短繊維強化熱可塑性樹脂ペレット(SGF)の
製造方法:〕熱可塑性樹脂ペレットとチョップ状のガラ
ス繊維(ガラス繊維モノフィラメントφ16μm、長さ15
mmをアミノシランカップリング剤で処理したチョップ状
のガラス繊維)を2軸押し出し機( TEX30X, L/D=42 、
日本製鋼(株)社製)を用い溶融混練、押出して、長さ
が3mmのペレットを得た。
【0082】使用した熱可塑性樹脂の種類、得られたペ
レット中のガラス繊維含有率およびガラス繊維長を表1
−1に示す。押出機のシリンダー温度は、使用樹脂がポ
リプロピレンの場合は210 ℃、ポリスチレンの場合180
℃、6、6−ナイロンの場合は300 ℃、6−ナイロンの
場合250 ℃であった。
【0083】ポリプロピレンは、ホモタイプ、メルトフ
ローレイト40g/10min のポリプロピレンを用いた。ま
た、6、6−ナイロンはザイデル101 (商品名、デュポ
ン社製)を用いた。 〔導電性ペレット(DP)の製造方法:〕熱可塑性樹脂
ペレットと導電性材料を2軸押出機( TEX30X, L/D=42
、日本製鋼(株)社製)を用い溶融混練、押出して、
長さが3mmのペレットを得た。
【0084】使用した熱可塑性樹脂および導電性材料の
種類、得られたペレット中の導電性材料の含有率を表1
−1に示す。押出機のシリンダー温度は、使用樹脂がポ
リプロピレンの場合は210 ℃、6、6−ナイロンの場合
は300 ℃であった。ポリプロピレンは、ホモタイプ、メ
ルトフローレイト40g/10min のポリプロピレンを用い
た。
【0085】また、6、6−ナイロンはザイデル101
(商品名、デュポン社製)を用いた。 (実施例1〜16、比較例1〜15:)前記方法で製造した
各種ペレットを、表2−1、表3−1、表4−1、表5
−1に示す割合で乾式混合し、射出成形(型締め力50
t)を行い、ASTM準拠の引張り、曲げ、アイゾット
(ノッチ付)の試験片を得た。
【0086】なお、本実施例、比較例における熱可塑性
樹脂成形品用材料は下記の通りである。 実施例1〜10、実施例14〜16:ガラス長繊維強化熱可塑
性樹脂ペレットと導電性ペレットとの混合物。 比較例1〜10、比較例13〜15:ガラス短繊維強化熱可塑
性樹脂ペレットと導電性ペレットとの混合物。
【0087】実施例11〜13、比較例11、12:ガラス繊維
強化導電性熱可塑性樹脂ペレットのみ。 射出成形温度は、使用樹脂がポリプロピレンの場合240
℃、ポリスチレンの場合200 ℃、6−ナイロンの場合25
0 ℃、6、6−ナイロンの場合280 ℃であり、金型温度
はポリプロピレンの場合60℃、ポリスチレンの場合70
℃、6−ナイロンと6、6−ナイロンの場合100 ℃とし
た。
【0088】機械的強度、熱変形温度、表面抵抗率はA
STMに準じて測定した。またペレット成形品を600 ℃
で焼成後、拡大鏡を用いて重量平均ガラス繊維長を測定
した。なお、重量平均ガラス繊維長lw は、lw =Σ
(wi ×li )/Σwi 、(w i :ガラス繊維の重量、
i :ガラス繊維長)により算出した。
【0089】得られた性能試験結果を、表2−2、表3
−2、表4−2および表5−2に示す。表2−2、表3
−2、表4−2および表5−2に示されるように、本発
明の成形品は、導電性を有し、しかも、引張強度、曲げ
強度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃値で示される機械的
強度のいずれにも優れ、さらには熱変形温度が高く耐熱
性に優れていることが分かる。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】
【表4】
【0094】
【表5】
【0095】
【表6】
【0096】
【表7】
【0097】
【表8】
【0098】
【表9】
【0099】
【表10】
【0100】
【発明の効果】本発明の成形品は、従来品に比べ、機械
的強度、耐熱性が優れ、しかも導電性を有する。このた
め、本発明の成形品は、機械的強度、耐熱性が必要なハ
ウジングや電子回路の筺体などの電磁波シールド材やI
Cチップトレイなどの用途に最適である。
【0101】さらに、本発明の成形品用材料、成形品の
製造方法によれば、ガラス繊維の切断を防止し、しか
も、成形品中のガラス繊維および導電性材料の分散が均
一となり、上記した優れた特性を有する成形品を製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 9/08 C08K 9/08 H01B 1/20 H01B 1/20 Z H05K 9/00 H05K 9/00 M

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス繊維と導電性材料と熱可塑性樹脂
    を含有する熱可塑性樹脂成形品であって、該成形品中
    に、長さ0.4mm 以上のガラス繊維を5〜60重量%、ガラ
    ス繊維を合計量で5〜75重量%、導電性材料を3〜60重
    量%含有することを特徴とする熱可塑性樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 前記導電性材料が、カーボンブラック、
    炭素繊維、ステンレス繊維、銅繊維および黄銅繊維の内
    から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求項1
    記載の熱可塑性樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系
    樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびA
    BS系樹脂の内から選ばれる一種以上であることを特徴
    とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 前記ガラス繊維がカップリング剤で処理
    されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記
    載の熱可塑性樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 ガラス繊維束および導電性材料を含有す
    る熱可塑性樹脂ペレットを含む熱可塑性樹脂成形品用材
    料であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維
    の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記熱可塑性樹脂
    ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂で含浸され、
    前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラス繊維の含有
    量が5〜75重量%、導電性材料の含有量が3〜60重量%
    であることを特徴とする熱可塑性樹脂成形品用材料。
  6. 【請求項6】 ガラス繊維束および導電性材料を含有す
    る熱可塑性樹脂ペレットと、熱可塑性樹脂を含む熱可塑
    性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレッ
    ト中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ
    前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性
    樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全
    ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有
    量が3〜60重量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂
    成形品用材料。
  7. 【請求項7】 ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペ
    レットと、導電性材料を含む熱可塑性樹脂成形品用材料
    であって、前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維の
    重量平均繊維長が1mm以上で、かつ前記熱可塑性樹脂ペ
    レット中のガラス繊維束が熱可塑性樹脂で含浸され、前
    記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全ガラス繊維の含有量
    が5〜75重量%、導電性材料の含有量が3〜60重量%で
    あることを特徴とする熱可塑性樹脂成形品用材料。
  8. 【請求項8】 ガラス繊維束を含有する熱可塑性樹脂ペ
    レットと、導電性材料と、熱可塑性樹脂とを含む熱可塑
    性樹脂成形品用材料であって、前記熱可塑性樹脂ペレッ
    ト中のガラス繊維の重量平均繊維長が1mm以上で、かつ
    前記熱可塑性樹脂ペレット中のガラス繊維束が熱可塑性
    樹脂で含浸され、前記熱可塑性樹脂成形品用材料中の全
    ガラス繊維の含有量が5〜75重量%、導電性材料の含有
    量が3〜60重量%であることを特徴とする熱可塑性樹脂
    成形品用材料。
  9. 【請求項9】 前記熱可塑性樹脂ペレットの平均長さが
    1〜150mm であり、該ペレット中のガラス繊維がペレッ
    トの長さ方向に整列し、かつ、ガラス繊維が該ペレット
    と実質的に同一長さを有することを特徴とする請求項5
    〜8いずれかに記載の熱可塑性樹脂成形品用材料。
  10. 【請求項10】 導電性材料を含有するガラス繊維強化
    熱可塑性樹脂ペレットを含む熱可塑性樹脂成形品用材料
    であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
    が、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得
    られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレッ
    トと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、ガ
    ラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さが
    1〜150mmのペレットであることを特徴とする熱可塑性
    樹脂成形品用材料。
  11. 【請求項11】 導電性材料を含有するガラス繊維強化
    熱可塑性樹脂ペレットと、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性
    樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑
    性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸
    し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が
    実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士が平
    行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方
    向の平均長さが1〜150 mmのペレットであることを特徴
    とする熱可塑性樹脂成形品用材料。
  12. 【請求項12】 ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
    と、導電性材料を含む熱可塑性樹脂成形品用材料であっ
    て、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラ
    ス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切断して得られるペ
    レットで、かつ、ガラス繊維が実質的にペレットと同一
    長さを有し、当該繊維同士が平行に整列し、ガラス繊維
    含有率が10〜90重量%、繊維方向の平均長さが1〜150
    mmのペレットであることを特徴とする熱可塑性樹脂成形
    品用材料。
  13. 【請求項13】 ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
    と、導電性材料を含有する熱可塑性樹脂ペレットを含む
    熱可塑性樹脂成形品用材料であって、前記ガラス繊維強
    化熱可塑性樹脂ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹
    脂を含浸し、切断して得られるペレットで、かつ、ガラ
    ス繊維が実質的にペレットと同一長さを有し、当該繊維
    同士が平行に整列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量
    %、繊維方向の平均長さが1〜150 mmのペレットである
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂成形品用材料。
  14. 【請求項14】 ガラス繊維強化熱可塑性樹脂ペレット
    と、導電性材料と、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂成
    形品用材料であって、前記ガラス繊維強化熱可塑性樹脂
    ペレットが、ガラス繊維束に熱可塑性樹脂を含浸し、切
    断して得られるペレットで、かつ、ガラス繊維が実質的
    にペレットと同一長さを有し、当該繊維同士が平行に整
    列し、ガラス繊維含有率が10〜90重量%、繊維方向の平
    均長さが1〜150 mmのペレットであることを特徴とする
    熱可塑性樹脂成形品用材料。
  15. 【請求項15】 前記導電性材料が、カーボンブラッ
    ク、炭素繊維、ステンレス繊維、銅繊維および黄銅繊維
    の内から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求
    項5〜14いずれかに記載の熱可塑性樹脂成形品用材料。
  16. 【請求項16】 前記熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン
    系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン系樹脂および
    ABS系樹脂の内から選ばれる一種以上であることを特
    徴とする請求項5〜15いずれかに記載の熱可塑性樹脂成
    形品用材料。
  17. 【請求項17】 前記ガラス繊維束が、カップリング剤
    で処理されたガラス繊維束であることを特徴とする請求
    項5〜16いずれかに記載の熱可塑性樹脂成形品用材料。
  18. 【請求項18】 前記請求項5〜17いずれかに記載の熱
    可塑性樹脂成形品用材料を成形することを特徴とする熱
    可塑性樹脂成形品の製造方法。
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