JP2015218323A - ペレット、ペレットの製造方法、樹脂成形品、および、メッキ層付樹脂成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂とモース硬度が5.0以上のレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤と無機繊維を含むペレットであって、前記ペレットの30重量%以上が、前記ペレットの平均長さの90%以上の繊維長を有する無機繊維を含むペレット。
【選択図】 なし
Description
このような軽薄短小化を実現するための鍵となる技術として、表面実装技術(SMT)が普及し、多くの電気電子機器製品に使用されている。これにより電子基板の実装密度が飛躍的に向上し、従来では実現できなかったような軽薄短小化が達成されている。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<12>により上記課題は解決された。
<1>熱可塑性樹脂とモース硬度が5.0以上のレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤と無機繊維を含むペレットであって、前記ペレットの30重量%以上が、前記ペレットの平均長さの90%以上の繊維長を有する無機繊維を含むペレット。
<2>熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である、<1>に記載のペレット。
<3>無機繊維のモース硬度が5.0以上である、<1>または<2>に記載のペレット。
<4>無機繊維がガラス繊維である、<1>〜<3>のいずれかに記載のペレット。
<5>熱可塑性樹脂とモース硬度が5.0以上のレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を連続無機繊維に含浸させ、カットすることを含む、ペレットの製造方法。
<6>熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である、<5>に記載のペレットの製造方法。
<7>無機繊維のモース硬度が5.0以上である、<5>または<6>に記載のペレットの製造方法。
<8>無機繊維がガラス繊維である、<5>〜<7>のいずれかに記載のペレットの製造方法。
<9><1>〜<4>のいずれかに記載のペレットを成形してなる樹脂成形品。
<10>さらに、表面にメッキ層を有する、<9>に記載の樹脂成形品。
<11><1>〜<4>のいずれかに記載のペレットを成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
<12>前記メッキ層が銅メッキ層である、<11>に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
ここで、ペレットの長さとは、ペレットの最も長い部分の長さをいう。従って、ペレットの平均長とは、各ペレットの最も長い部分の平均の長さをいう。本発明では、平均ペレット長の90%以上の長さを有する無機繊維を含むペレットが全体の30重量%以上を占め、好ましくは40重量%以上を占め、よりさらに好ましくは70重量%以上を占める。このような構成とすることにより、機械的強度の高い樹脂成形品を提供可能になる。
従来では、熱可塑性樹脂とLDS添加剤と無機繊維をそのまま混練してペレットを作成していたため、LDS添加剤の硬度が高いと無機繊維にダメージを与え、無機繊維が折れてしまうことがあった。本発明では、熱可塑性樹脂とLDS添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を連続無機繊維に含浸させた後カットするので、このような問題が起きない。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明で用いる熱可塑性樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアセタール樹脂およびポリカーボネート樹脂から選択されることが好ましい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂が好ましい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
ポリアセタール樹脂としては、特開2003−003041号公報の段落番号0011、特開2003−220667号公報の段落番号0018〜0020の記載を参酌することができる。
また、ポリアミド樹脂は、分子量が1,000以下の成分を0.5〜5質量%含有することが好ましい。このような低分子量成分をこのような範囲で含有することにより、得られる成形品の強度や低そり性がより良好となる。5質量%以下とすることにより、低分子量成分がブリードしにくくなり、また、表面外観が向上する傾向にある。
分子量が1,000以下の成分の好ましい含有量は、0.6〜4.5質量%であり、より好ましくは0.7〜4質量%であり、さらに好ましくは0.8〜3.5質量%であり、特に好ましくは0.9〜3質量%であり、最も好ましくは1〜2.5質量%である。
本発明におけるLDS添加剤は、熱可塑性樹脂(例えば、後述する実施例で合成しているポリアミド樹脂)100重量部に対し、LDS添加剤と考えられる添加剤を10重量部添加し、波長1064nmのYAGレーザーを用い、出力13W、周波数20kHz、スキャン速度2m/sにて照射し、その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製MIDCopper100XB Strikeのメッキ槽にて実施し、該レーザー照射面に金属を適用したときに、メッキを形成できる化合物をいう。本発明で用いるLDS添加剤は、合成品であってもよいし、市販品を用いてもよい。また、市販品は、LDS添加剤として市販されているものの他、本発明におけるLDS添加剤の要件を満たす限り、他の用途として販売されている物質であってもよい。LDS添加剤は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
第一の実施形態のLDS添加剤の好ましい一例は、銅クロム酸化物以外の金属酸化物の含有量が10質量%以下であるLDS添加剤である。
本発明における導電性酸化物の抵抗率は、通常、粉末抵抗率をいい、導電性酸化物の微粉末10gを、内面にテフロン加工を施した内径25mmの円筒内へ装入して100kg/cm2に加圧し(充填率20%)、横河電機製の「3223型」テスターで測定することができる。
第三の実施形態で用いるLDS添加剤は、LDS添加剤中における、周期表のn族(nは3〜16の整数)の金属の含有量とn+1族の金属の含有量の合計を100モル%としたとき、一方の金属の含有量が15モル%以下であることが好ましく、12モル%以下であることがさらに好ましく、10モル%以下であることが特に好ましい。下限については特に制限はないが、0.0001モル%以上である。2種類以上の金属の含有量をこのような範囲とすることで、メッキ性を向上させることができる。本発明では特に、n+1族の金属がドープされたn族の金属酸化物が好ましい。
さらに、第三の実施形態で用いるLDS添加剤は、LDS添加剤中に含まれる金属成分の98重量%以上が、上記周期表のn族の金属の含有量とn+1族の金属で構成されることが好ましい。
なお、第三の実施形態で用いるLDS添加剤は、L値を向上させる観点から、アンチモンの含有量は、LDS添加剤に対して3重量%以下であることが好ましく、1重量%以下であることがより好ましく、0.01重量%以下であることがさらに好ましく、実質的に含まないことが特に好ましい。実質的に含まないとは、本発明の効果に影響を与える範囲内で含まないことを意味する。
本発明では、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で他のLDS添加剤を含んでいても良い。具体的には、EP2291290号公報の段落番号0034〜0037に記載のLDS添加剤、WO2013/141157号パンフレットの段落番号0025〜0033に記載のLDS添加剤であってモース硬度が5.0未満のものが例示される。
しかしながら、本発明では、モース硬度5.0未満のLDS添加剤を全LDS添加剤の10重量%以下とすることもできる。
本発明のペレットはアルカリを含んでいてもよい。本発明において、アルカリは、通常、熱可塑性樹脂組成物に配合され、本発明のペレットに組み込まれる。本発明で用いるLDS添加剤が酸性物質(例えば、pH6以下)の場合に、組み合わせによって自身が還元することで色目がまだら模様となるケースがあるが、アルカリを添加することにより、得られる樹脂成形品の色あいをより均一にすることができる。アルカリの種類は特に定めるものではなく、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等を用いることができる。アルカリは、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。例えば、上述の銅を含むLDS添加剤(Cu3(PO4)2Cu(OH)2)が酸性物質のLDS添加剤に該当する。
本発明のペレットにおける、アルカリの配合量は、LDS添加剤の種類及びアルカリの種類にもよるが、LDS添加剤の配合量の、好ましくは0.01〜3重量%であり、より好ましくは0.05〜1重量%である。
本発明のペレットは無機顔料を含んでいてもよい。本発明において、無機顔料は、通常、熱可塑性樹脂組成物に配合され、本発明のペレットに組み込まれる。本発明では、無機顔料を添加することにより、樹脂成形品を着色することが可能になる。無機顔料は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。無機顔料としては、CIELabにおけるL*値が80以上、かつ、モース硬度が5.0以下の無機顔料が好ましい。L*値は、50〜100がより好ましい。無機顔料のモース硬度は、2〜5がより好ましく、2.5〜4.5がさらに好ましい。
このような無機顔料としては、ZnS(L*値:(87〜95)、モース硬度:3〜3.5)、ZnO(L*値:(88〜96)、モース硬度:4〜5)が例示され、ZnSがより好ましい。
本発明のペレットにおいて、LDS添加剤として銅を含むものを用いる場合、特に、モース硬度が5.0以下のものを用いることが好ましい。このような無機顔料を用いることにより、本発明の効果がより効果的に発揮される傾向にある。
本発明のペレットにおける無機顔料の配合量は、ペレット100重量部に対し、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.3〜15重量部であることがより好ましく、0.5〜12重量部であることがさらに好ましい。
本発明のペレットはタルクを含んでいてもよい。本発明では、タルクを配合することにより、レーザーを照射した部分のメッキ性能が向上する傾向にある。
本発明において、タルクは、通常、熱可塑性樹脂組成物に配合され、本発明のペレットに組み込まれる。
本発明のペレットがタルクを含む場合、該タルクの配合量は、熱可塑性樹脂組成物100重量部に対し、0.5〜20重量部であることが好ましく、1〜15重量部であることがより好ましい。
本発明のペレットは、離型剤を含んでいてもよい。本発明において、離型剤は、通常、熱可塑性樹脂組成物に配合され、本発明のペレットに組み込まれる。離型剤は、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸エステル、および数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましい。中でも、脂肪族カルボン酸、および脂肪族カルボン酸エステルから選ばれる少なくとも1種の化合物がより好ましく用いられる。
本発明のペレットは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、光安定剤、熱安定剤、エラストマー、顔料、アルカリ、紫外線吸収剤、難燃剤、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、防菌剤などが挙げられる。これらは2種以上を併用してもよい。本発明においては、これらの成分も、通常、熱可塑性樹脂組成物に配合され、本発明のペレットに組み込まれる。
これらの記載は、国際公開WO2012/128219号パンフレットの段落番号0027、0028、0038〜0054、特開2007−314766号公報、特開2008−127485号公報および特開2009−51989号公報、特開2012−72338号公報等の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
また、本発明のペレットは、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、短繊維を含んでいても良い。短繊維としてはガラス繊維が挙げられる。
本発明に用いる連続無機繊維としては、炭素繊維および/またはガラス繊維が好ましく、ガラス繊維がより好ましい。
本発明における連続無機繊維とは、10cm以上の長さを有する繊維であり、工業的には1m以上の長さを有する、いわゆる、ロービング状の繊維である。
熱可塑性樹脂と反応性を有する官能基を有する連続無機繊維の例として、表面処理剤または収束剤で表面処理したものが好ましく挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、アミノプロピルトリエトキシシラン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、グリシジルプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のトリアルコキシまたはトリアリロキシシラン化合物、ウレイドシラン、スルフィドシラン、ビニルシラン、イミダゾールシラン等が挙げられる。
また、本発明のペレットは、その構成成分の80重量%以上が、熱可塑性樹脂と無機繊維からなることが好ましい。
本発明のペレットは、熱可塑性樹脂とモース硬度が5.0以上のレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を連続無機繊維に含浸させ、カットすることによって製造される。
カット長を調整することによって、ペレットの長さを調整できる。平均ペレット長としては、1〜30mmが好ましく、3〜15mmがより好ましい。
さらに、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる熱可塑性樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度残りの成分と混合し、溶融混練することもできる。
含浸の際の温度は、熱可塑性樹脂組成物のガラス転移点+100℃以上の温度から熱分解温度−5℃の温度範囲が好ましい。また、融点を有する熱可塑性樹脂組成物の場合は、融点+30℃以上が好ましく、より好ましくは融点+50℃以上である。上限については、熱可塑性樹脂組成物の熱分解温度−5℃の温度範囲が好ましい。
このような条件で加熱や加圧することで、本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物の連続無機繊維への含浸がより良好に行われる。なお、本発明で用いる熱可塑性樹脂組成物が融点を2つ以上有する場合、ここでいう融点とは、高温側の吸熱ピークのピークトップの温度である。
本発明のペレットは、樹脂成形品に加工される。樹脂成形品の製造方法は、特に限定されず、ペレットを用いた成形法を任意に採用できる。その例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法、ブロー成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。
次に、本発明の樹脂成形品の表面にメッキを設ける工程を図1に従って説明する。図1は、レーザーダイレクトストラクチャリング技術によって、樹脂成形品1の表面にメッキを形成する工程を示す概略図である。図1では、樹脂成形品1は、平坦な基板となっているが、必ずしも平坦な基板である必要はなく、一部または全部が曲面している樹脂成形品であってもよい。
本発明のメッキ層の形成方法では、樹脂成形品1にレーザー2を照射する。ここでのレーザーとは、特に定めるものではなく、YAGレーザー、エキシマレーザー、電磁線等の公知のレーザーから適宜選択することができ、YAGレーザーが好ましい。また、レーザーの波長も特に定めるものではない。好ましい波長範囲は、200nm〜1200nmである。特に好ましくは800〜1200nmである。
レーザーが照射されると、レーザーが照射された部分3のみ、樹脂成形品1が活性化される。この活性化された状態で、樹脂成形品1をメッキ液4に適用する。メッキ液4としては、特に定めるものではなく、公知のメッキ液を広く採用することができ、金属成分として銅、ニッケル、金、銀、パラジウムが混合されているものが好ましく、銅がより好ましい。
樹脂成形品1をメッキ液4に適用する方法についても、特に定めるものではないが、例えば、メッキ液を配合した液中に投入する方法が挙げられる。メッキ液を適用後の樹脂成形品は、レーザー照射した部分のみ、メッキ層5が形成される。
本発明の方法では、1mm以下、さらには、150μm以下の幅の回路間隔(下限値は特に定めるものではないが、例えば、30μm以上)を形成することができる。かかる回路は携帯電子機器部品のアンテナとして好ましく用いられる。すなわち、本発明の樹脂成形品の好ましい実施形態の一例として、携帯電子機器部品の表面に設けられたメッキ層が、アンテナとしての性能を保有する樹脂成形品が挙げられる。
(ポリアミド(PAMP10)の合成)
セバシン酸を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)のモル比が3:7の混合ジアミンを、加圧(0.35Mpa)下でジアミンとセバシン酸とのモル比が約1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を235℃まで上昇させた。滴下終了後、60分間反応継続し、分子量1000以下の成分量を調整した。反応終了後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミドを得た。以下、「PAMP10」という。
アジピン酸を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)のモル比が3:7の混合ジアミンを、加圧(0.35Mpa)下でジアミンとアジピン酸(ローディア社製)とのモル比が約1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を270℃まで上昇させた。滴下終了後、0.06MPaまで減圧し10分間反応を続け分子量1,000以下の成分量を調整した。その後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミドを得た。以下、「PAMP6」という。
Black1G:銅クロム酸化物(CuCr2O4)(シェファードジャパン製)、モース硬度5.5〜6
T1−20L:アンチモンドープ錫(三菱マテリアル製)、モース硬度5.5〜6
<無機繊維>
T−423:連続ガラス繊維、日本電気硝子製、モース硬度6.5、繊維径:17μm、線密度:2400TEX
03T−296GH:ガラス繊維(日本電気硝子製)、モース硬度6.5、繊維径:10μm
<タルク>
ミクロンホワイト5000S(林化成製)
<離型剤>
CS8CP(日東化成工業製)
後述する表に示す組成となるように、ガラス繊維を除いた各成分をそれぞれ秤量し、タンブラーにてブレンドし、含浸ポッドを先端に取り付けた二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した樹脂組成物を含浸ポッドに供給し、ロービング状のガラス繊維を開繊して引きながら、含浸ポッド中で樹脂の溶融物に含浸させた。その後、賦形ダイを通してストランドとして引取り、ガラス長繊維ペレットを作成した。押出機バレルの温度設定は280℃、回転数は250回転、含浸ポッドの設定温度は310℃、ロービングの引き取り速度は15m/minにて実施した。
後述する表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、ガラス繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した後で、ガラス繊維を押出機の下流からサイドフィードして樹脂ペレットを作成した。押出機の温度設定は280℃、回転数は350回転にて実施した。
得られたペレット100粒を、デジタルノギスを用い、ペレットの長さを測定し平均値を算出した。単位は、mmで表した。
ペレットから約5gのサンプルを切り出し、温度600℃の電気炉で2時間灰化後、残った強化繊維に対して行った。得られた強化繊維を折損しないように中性表面活性剤水溶液中に分散させ、その分散水溶液を、ピペットを用いてスライドグラス上に移し、顕微鏡で写真撮影を行った。その写真画像に対して、画像解析ソフトを用い、1000〜2000本の強化繊維について測定を行った。
長繊維ペレットと短繊維ペレットの総和のうち、長繊維ペレットが占める割合を重量比率で算出した。ここで、長繊維ペレットとは、ペレットの平均長さの90%以上の長さの繊維を含むペレットをいい、長繊維ペレット以外のペレットであって繊維を含むペレットを短繊維ペレットという。
上記で得られたペレットを80℃で5時間乾燥させた後、ファナック社製射出成形機(100T)を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度130℃の条件で、ISO引張り試験片(厚さ4.0mm)を射出成形した。その後、ISO引張り試験片の両端を切削し衝撃強度測定用試験片を得た。
射出速度:ISO引張試験片中央部の断面積から樹脂流速を計算して300mm/sとなるように設定した。約95%充填時にVP切替となるように保圧に切り替えた。保圧はバリの出ない範囲で高めに500kgf/cm2を25秒とした。
上述の方法で得られたISO引張試験片(厚さ4.0mm)を用い、ISO179−1またはISO179−2に準拠し、23℃の条件で、ノッチ付きシャルピー衝撃強度を測定した。単位は、kJ/m2とした。結果を下記表1に示す。
上記ISO試験片を用い、得られたプレート試験片の5×5mmの範囲に、SUNX(株)製LP−Z SERIESのレーザー照射装置(波長1064nmのYAGレーザー最大出力13W)を用い、出力80%、パルス周期20μs(マイクロ秒)、速度4m/sにて照射した。その後のメッキ工程は無電解のMacDermid社製、MIDCopper100XB Strikeを用い、60℃のメッキ槽にて実施した。メッキ性能は30分間にメッキされた銅の厚みを目視にて判断した。
以下の通り評価した。結果を下記表に示す。
A:良好な外観(銅の色も濃くメッキが厚く乗っている様子が確認された)
B:メッキが形成されたが、Aよりは劣るレベル(実用レベル)
C:メッキがほとんど確認されない様子であった
Claims (12)
- 熱可塑性樹脂とモース硬度が5.0以上のレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤と無機繊維を含むペレットであって、前記ペレットの30重量%以上が、前記ペレットの平均長さの90%以上の繊維長を有する無機繊維を含むペレット。
- 熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である、請求項1に記載のペレット。
- 無機繊維のモース硬度が5.0以上である、請求項1または2に記載のペレット。
- 無機繊維がガラス繊維である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペレット。
- 熱可塑性樹脂とモース硬度が5.0以上のレーザーダイレクトストラクチャリング添加剤を含む熱可塑性樹脂組成物を連続無機繊維に含浸させ、カットすることを含む、ペレットの製造方法。
- 熱可塑性樹脂が、ポリアミド樹脂である、請求項5に記載のペレットの製造方法。
- 無機繊維のモース硬度が5.0以上である、請求項5または6に記載のペレットの製造方法。
- 無機繊維がガラス繊維である、請求項5〜7のいずれか1項に記載のペレットの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペレットを成形してなる樹脂成形品。
- さらに、表面にメッキ層を有する、請求項9に記載の樹脂成形品。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のペレットを成形してなる樹脂成形品の表面に、レーザーを照射後、金属を適用して、メッキ層を形成することを含む、メッキ層付樹脂成形品の製造方法。
- 前記メッキ層が銅メッキ層である、請求項11に記載のメッキ層付樹脂成形品の製造方法。
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