JPH10194848A - 翼形状部位を備えたセラミック部材の製造方法及びその変形矯正方法 - Google Patents

翼形状部位を備えたセラミック部材の製造方法及びその変形矯正方法

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JPH10194848A
JPH10194848A JP9017330A JP1733097A JPH10194848A JP H10194848 A JPH10194848 A JP H10194848A JP 9017330 A JP9017330 A JP 9017330A JP 1733097 A JP1733097 A JP 1733097A JP H10194848 A JPH10194848 A JP H10194848A
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wing
ceramic member
base
shaped portion
deformation
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JP9017330A
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Inventor
Yasushi Hara
康 原
Takaharu Inoue
隆治 井上
Yoshihiko Yukimura
由彦 幸村
Masamichi Yamada
正通 山田
Toru Shimamori
融 島森
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 緻密化された翼形状部位を備えたセラミック
部材でありながら、所望とする形状、寸法を備えたもの
の効率的製法、及びこのようなセラミック部材の変形の
矯正法を得る。 【解決手段】 基部102に翼形状部位104を一体的
に備えたセラミック成形体を焼成して収縮が略終了した
予備焼成体101をつくり、該予備焼成体101をさら
に焼成するにあたり、その変形を該焼成工程での軟化時
に矯正するように、その翼形状部位104の腹面104
a側と背面104b側から、予備焼成体101をその基
部102及び翼形状部位104の設計断面形状の適所が
接するように形成された矯正面33,35を備えた矯正
型31,32で加圧しながら焼成する。また、同様の矯
正型で加圧し、その下で、セラミック部材が軟化する温
度に加熱し、その際のセラミック部材の軟化によって変
形を矯正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン用の
静翼や動翼などに用いられる翼形状部位を備えたセラミ
ック部材の製造方法及びその変形矯正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図12は、ガスタービン用の静翼101
の一例を示すもので、それ自体をエンジン内に固定する
ための円柱状(軸状)の基部102に、大径部103を
介して翼形状部位104が一体的に形成されている。ま
た、図13は、動翼201の一例を示すもので、取付け
用のブロック状の基部202にフランジ部203を介し
て翼形状部位204が一体的に形成されている。このよ
うなガスタービン用の静翼101や動翼201などに用
いられる翼形状部位104,204を備えたセラミック
部材は、Si3 4 、サイアロン、SiCなどの難焼結
材がその原料とされ、セラミック粉末を主成分とする原
料粉体(粉末)を所定の形状に成形してセラミック成形
体とし、これを乾燥、脱脂処理した後で焼成(焼結)す
ることにより製造される。
【0003】このような焼成では、まず基部102,2
02と翼形状部位104,204とが一体化されたセラ
ミック成形体を略大気圧下、所定の雰囲気下で予備的に
焼成(以下、予備焼成ともいう)して焼成前の成形体よ
り10〜30%程度自由収縮させて収縮の略終了した焼
成体(以下、予備焼成体ともいう)を製造する。そし
て、この予備焼成体を要求される緻密度にするために、
さらに、HIP(熱間静水圧プレス)焼成やガス圧焼成
による焼成(以下、本焼成ともいう)をする。こうし
て、予備焼成体では無数の閉気孔(単独気孔)が存在す
るためにその緻密度が90%程度であったものが、略1
00%に近い所望とする緻密な焼成体(以下、本焼成体
ともいう)が製造されるのである。なお、本焼成におい
て、予備焼成体はさらに1〜2%程度収縮する。
【0004】ところで、こうした焼成工程においては、
図14,15に示したように、基部102,202に穴
105,205を開けてSiC製など耐熱性のある細棒
や索体(線材)Zを通し、翼形状部位104,204を
下にして吊した状態として焼成する吊し焼きや、図1
6,17に示したように、基部102,202の端面で
Si3 4 製やSiC製などの耐熱板Tに、翼形状部位
104,204を上にして立てた状態で焼成する置き焼
きによって焼成されていた。これは、予備焼成工程での
自由収縮を妨げないようにするとともに、同焼成工程や
その後の本焼成工程において、翼形状部位104,20
4に自重を含めて極力、荷重(外力)がかからないよう
にし、その変形ないし歪み(以下、変形ともいう)の発
生を防止するためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうした手
法で焼成する場合でもこの種のセラミック部材は、その
全体自体が複雑な三次元形状をしていることや翼形状部
位自体にも厚肉部と薄肉部が共存していることなど肉厚
に大きな不同があることに起因して、自由収縮させる予
備焼成工程では、翼形状部位104,204に反りや曲
り、或いは捩じれなどの変形を起こし易かった。また、
翼形状部位104,204と基部102,202との接
続部の近傍には、極端な断面形状の相違や肉厚の不揃い
があることなどに起因して、予備焼成工程でその接続部
で折れ曲がって「へ」の字形に変形してしまうこともあ
った。
【0006】一方、自由収縮によりこのような変形があ
る焼成体を上記の置き焼きや吊るし焼きで本焼成して緻
密化させた場合には、その変形が略そのまま残存してし
まう。したがって、こうした焼成手法により緻密化され
たセラミック部材は寸法精度が低いものであった。そし
てこのような寸法の不安定性に起因し、従来、寸法の許
容範囲(指定公差)は大きめに設定していたが、それで
もその複雑形状に起因して寸法不良となるものが多いな
ど、翼形状部位を備えたセラミック部材の製造において
は歩留まりが著しく悪いといった問題があった。しかも
こうした寸法不良の解消のためには、焼成後に翼形状部
位を固定して軸部等を研磨加工する必要があり、コスト
の著しい増大を招いている。
【0007】本発明は、こうした問題点に鑑みて案出し
たものであって、緻密化された翼形状部位を備えたセラ
ミック部材でありながら、所望とする形状、寸法を備え
たものを効率的に製造することのできる方法、及びこの
ようなセラミック部材に変形があっても、それを合理的
に矯正することのできる方法を提供することをその目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、基
部に翼形状部位を一体的に備えたセラミック成形体を焼
成して収縮が略終了した予備焼成体をつくり、しかる
後、該予備焼成体をさらに焼成して基部に翼形状部位を
備えたセラミック部材を製造する方法において、該予備
焼成体をさらに焼成するにあたり、該予備焼成体の変形
を該焼成工程での軟化時に矯正するように、その翼形状
部位の腹面側と背面側から、該予備焼成体をその基部及
び翼形状部位の設計断面形状の適所が接するように形成
された矯正面を備えた矯正型で加圧しながら焼成するこ
とを特徴とする。
【0009】本発明にかかる上記製法によれば、収縮が
略終了した予備焼成体を矯正型にセットしてさらに焼成
(本焼成)する過程(工程)においては、予備焼成体は
ほとんど収縮することなく焼成されるがその際の軟化に
より、変形(形状不良)がある場合には矯正型の矯正面
によって矯正される。すなわち、本焼成が進行する過程
で、予備焼成体は緻密な焼成体となると同時に反りや曲
り等の変形が除去される。なお、本明細書において予備
焼成体とは、焼成工程における収縮が略終了した状態の
焼成体をいう。
【0010】なお、各矯正型の矯正面は、前記腹面側又
は背面側とも、設計断面形状が適所で略接するように形
成されたものであればよい。すなわち、矯正面について
は、設計断面形状が、部分的に接するように形成された
ものでも、大部分が接するように形成されたものでも、
略全体が接するように形成されたものでもよい。そし
て、加圧力の大きさは、本焼成工程で形状不良のある予
備焼成体が軟化して矯正面によって適度に矯正されるに
足る重量であればよく、セラミック部材の材質や大き
さ、或いは肉厚を考慮して適宜に設定すればよい。な
お、加圧は矯正型の自重によってもよいし、矯正型の上
に所定の重量の錘を搭載することでもよい。
【0011】本発明の変形矯正方法は、基部に翼形状部
位を一体的に備えたセラミック成形体を焼成して収縮が
略終了した予備焼成体をつくり、しかる後、該予備焼成
体をさらに焼成して基部に翼形状部位を備えたセラミッ
ク部材を製造し、該セラミック部材をその翼形状部位の
腹面側と背面側から、該セラミック部材の基部及び翼形
状部位の設計断面形状の適所が接するように形成された
矯正面を備えた矯正型で加圧し、その下で、該セラミッ
ク部材が軟化する温度に加熱(再焼成)し、その際のセ
ラミック部材の軟化によって変形を矯正することを特徴
とする。
【0012】本発明にかかる変形矯正方法によれば、そ
のセラミック部材を両矯正型の各矯正面の間にセットし
て加熱すると該セラミック部材は軟化するが、それに変
形があればその加圧力によって次第に設計寸法、形状に
沿って矯正され、反りや曲り等の変形や歪みが除去され
る。ここに、セラミック部材が軟化する温度とは、本焼
成時の温度範囲(領域)と同じであり、セラミックの材
質により適宜に設定すればよい。
【0013】上記の製法及び変形矯正方法に用いる腹面
側矯正型および背面側矯正型は、カーボン、窒化けい
素、サイアロン、又は炭化けい素で形成するとよい。耐
熱性が高く、熱による軟化ないし変形が発生しにくいた
めである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る製法の実施形態につ
いて図を参照して詳細に説明する。ただし、本形態例で
は図12に示した静翼101を製造する場合で説明する
が、その静翼(以下、本焼成前のものを予備焼成体10
1という)は、Si3 4 粉末(平均粒径0.7μm、
α率95%)、AlN粉末、Al2 3 粉末をβ−サイ
アロン(Si6 -z Alz Oz N8 -z)において、z =
0.25になるように秤量し、燃焼助剤として、Y2
3 又はYb2 3 粉末を加えて混合した後、熱可塑性樹
脂を混合、混煉し、静翼形状に成形圧1ton で射出成形
してセラミック成形体とし、乾燥、脱脂後、N2 ガス
中、1atm(気圧)で理論密度90%以上の緻密度と
なるように、1720℃(±30℃)で4時間、予備焼
成したものである。ただし、本例ではこの焼成は上記し
た従来の置き焼きとし(図16参照)、自由収縮が約2
0%の予備焼成体としてなるものである。
【0015】一方、図1〜4中、1は、こうして得られ
た予備焼成体101を本焼成するために用いる矯正型を
示すものであって、本例では断面U字形に形成された枠
体(型枠)2と、その内側にて予備焼成体101を上下
で挟みつける次記するブロック状の矯正型とからなり、
そのブロック状の矯正型が枠体2に対し上下にスライド
自在に嵌め込まれるように形成されている。ただし、本
例では枠体2の内側の対向する側壁3,4内面にスライ
ド用の案内溝5,6,7,8が上下に設けられており、
本例では予備焼成体101の翼形状部位104と基部1
02とをそれぞれ別個に加圧するように形成されてい
る。すなわち、ブロック状の矯正型は、基部102を翼
形状部位104の腹面104a側から加圧するための腹
面側矯正型(以下、基部下型ともいう)21と、基部1
02を翼形状部位104の背面側104bから加圧する
ための背面側矯正型(以下、基部上型ともいう)22、
さらに翼形状部位104自体を腹面104a側から加圧
するための腹面側矯正型(以下、翼部位下型ともいう)
31と、その背面104b側から加圧するための背面側
矯正型(以下、翼部位上型ともいう)32とからなって
おり、詳しくは次のように形成されている。
【0016】すなわち、基部102を加圧する基部下型
21は、図3に示したように、その矯正面23が予備焼
成体101の設計断面形状のうち、円柱状の基部102
の腹面側の設計断面形状が側面視2点で接するようにV
溝状に形成されており、全体としてはVブロック断面形
状を呈している。そしてこのV溝部を上にして、枠体2
の案内溝5,6にその両端部を案内させて上下にスライ
ド自在にセットされるように形成されている。一方、基
部上型22も、その矯正面24が予備焼成体101の設
計断面形状のうち、円柱状の基部102の背面側の設計
断面形状が2点で接するようにV溝状に形成されてお
り、基部下型21と同様にVブロック断面形状を呈して
いる。そしてこのV溝部を下にして、枠体2の案内溝
5,6にその両端部を案内させて上下にスライド自在に
セットされるように形成されている。なお、本例では、
基部下型21を枠体2にセットし、その上に基部上型2
2をセットし、両型の合せ面が当接した際に、基部10
2の設計断面形状に接するように両型の矯正面(各V溝
部)が形成されている。
【0017】また、翼形状部位104を挟み付ける翼部
位下型31及び翼部位上型32は、略直方体のブロック
形状をベースとして、それぞれ次のように形成されてい
る。翼部位下型31は、図2に示したように、その矯正
面33が予備焼成体101の設計断面形状のうち、翼形
状部位104の腹面104a側の前縁寄り部位と後縁寄
り部位及び略中央の設計断面形状が3点で接するよう
に、中央部が「へ」字形にやや***した凸部34を備え
た断面形状をなしており、この凸部34を上にして、枠
体2の案内溝7,8にその両端部を案内させて上下にス
ライド自在にセットされるように形成されている。
【0018】そして、翼形状部位104を挟み付ける翼
部位上型32は、その矯正面35が予備焼成体101の
設計断面形状のうち、翼形状部位104の背面側の前縁
寄り部位と後縁寄り部位の設計断面形状が2点で接する
ように中央部略全体が「へ」字形に凹設された凹部36
を備えた断面形状をなしており、この凹部36を下にし
て、枠体2の案内溝7,8にその両端部を案内させて上
下にスライド自在にセットされるように形成されてい
る。なお、本例では、翼部位下型31を枠体2にセット
し、その上に翼部位上型32をセットし、両型の合せ面
が当接した際に、翼形状部位104の設計断面形状に接
するように両型の矯正面33,35が形成されている。
【0019】また本例では、翼部位下型31と基部下型
21を枠体2にセットし、設計形状通りの予備焼成体1
01をこの上にセットする際、基部102の大径部10
3の基部寄り側端面103aを、基部下型21のV溝部
の側端面21aに当接させることで、予備焼成体101
を翼部位下型31と基部下型21に正しく位置決めする
ように設計されている。すなわち、基部102の大径部
103の基部寄り側端面103aを、基部下型21の側
端面21aに当接させることで、設計上の予備焼成体1
01がちょうど収まるように設計されている。
【0020】上記したように本例では、翼形状部位10
4と基部102とを別個に挟み付けるよう、腹面側矯正
型として翼部位下型31と基部下型21の2体で別個に
形成されており、また、背面側矯正型として翼部位上型
32と基部上型22の2体で別個に形成されている。そ
して、本例では基部102を挟み付ける上下の矯正型、
すなわち基部下型21の一側面に、基部102の大径部
103の端面103aを当接させて基部102の軸方向
の位置決めをするとともに、その上下の矯正型で挟み付
けることによりセットされるように設定されている。そ
して、翼形状部位104を挟み付ける翼部位下型31及
び上型32は、翼形状部位104の先端寄り部位を加圧
するように形成されている。なお、基部102を挟み付
ける基部下型21及び上型22は、その略全長を加圧す
るように形成されている。
【0021】しかして、本例では枠体2の両側壁面の各
案内溝5,6,7,8に沿って、翼部位下型31及び基
部下型21をスライド状にしてセットする。そして、そ
の上に予備焼成体101をその翼形状部位104の腹面
104a側を下にして載置状にセットする。この際、基
部102の大径部103を基部下型21の側端面21a
に当接して軸方向の位置決めをする。そして、その予備
焼成体101の上に、翼部位上型32および基部上型2
2を枠体2の各案内溝5〜8に沿ってスライド状にセッ
トし、予備焼成体101を両上型でもってその自重で挟
み付ける。なお、本例では両上型はともにカーボン製
で、それぞれ重量0.5kg〜1kgである。この下
で、焼成炉内で例えば所定圧力のN2 ガス中で、所定温
度下で所定時間、焼成する。すると、その焼成工程で、
予備焼成体101内の極小の閉気孔が潰され緻密な本焼
成体(静翼)となる。
【0022】同時にその焼成工程で予備焼成体101は
軟化するが、その際には、両上型22,32の自重によ
って、翼形状部位104の腹面104a側の曲率半径が
設計値より小さく湾曲していれば、それを大きくするよ
うに矯正され、逆に曲率半径が設計値より大きく湾曲し
ていれば小さくなるように矯正される。また、翼形状部
位104と基部102との接続部をなす大径部103若
しくはその近傍で「へ」の字形状に折れ曲がっていれ
ば、真っすぐになるように矯正される。
【0023】しかして本製法によれば、本焼成工程で予
備焼成体101が軟化する際に、形状不良がある場合に
はそれぞれの矯正面によって、設計寸法、形状に沿って
矯正され、反りや曲り等の変形や歪みが除去される。な
お、前記では予備焼成体101を本焼成する場合で説明
したが、本焼成されたセラミック部材をそれが軟化する
温度に加熱(再焼成)する場合でも全く同様であり、そ
の加熱工程でセラミック部材101は軟化し、形状不良
がある場合には矯正面によって、設計寸法、形状に近付
くように矯正され、反りや曲り等の変形や歪みが除去さ
れる。
【0024】さて次に図13に示したタービンの動翼2
01を製造する場合について図5〜8を参照して説明す
る。ただし、この場合には、静翼101の場合と予備焼
成体の形状が相違すること、及びそれにともない矯正型
の形状、構造が異なる点を除けば基本的に共通するの
で、その相違点を中心に説明し、同一の部位には同一の
符号を付すに止める。すなわち、動翼(以下、本焼成前
のものを予備焼成体という)をなす予備焼成体201
は、ブロック状を成す基部202に、フランジ部203
を介して一体で翼形状に形成された翼形状部位204を
備えてなるもので、静翼と同様にしてセラミック成形体
を予備焼成してなるものである。
【0025】また、矯正型61をなす枠体62は、一端
が閉塞されたU字溝形をなし、その閉塞部側の壁60内
面に、動翼201の基部202の端面202aを当接さ
せて矯正型61へのセット時における予備焼成体201
の位置決めをするように構成されている。そして、翼形
状部位204を挟み付ける矯正型のうち、翼部位上型3
2はその矯正面35がその背面204b側に静翼101
の場合と同様の接触状態となるようにへ字形に凹設され
ているが、翼部位下型31はその矯正面33が腹面20
4a側の前縁寄り部位と後縁寄り部位のみに接触するよ
うにへ字形に凸設されている(図6参照)。また、基部
202を挟み付ける基部下型21及び基部上型22は直
方体形状をなしており、それぞれ上面23、下面24が
矯正面をなすように形成され、端面視略長方形をなす基
部202を挟み付けるよう形成されている(図4参
照)。
【0026】しかして、静翼101をセットする場合と
同様にして矯正型61にセットし、同様にして本焼成す
る。するとその焼成工程で予備焼成体201内の極小の
閉気孔が潰され緻密な本焼成体(動翼)となる。そし
て、その焼成工程で予備焼成体201は軟化し、それに
よって変形や歪みは、翼部位上型32と基部上型22の
自重によって設計形状に近い形状寸法に矯正される。な
お、本焼成されたセラミック部材をそれが軟化する温度
に加熱(再焼成)して矯正する方法は、この製法と全く
同様にして実施できる。
【0027】
【実施例】
実施例1 前記実施形態例の製法によって図12に示した静翼(試
料)101を10個つくり、従来の置き焼き、或いは吊
し焼きにより製造した静翼(試料各10個)と寸法精度
を比較した。すなわち、それぞれ得られた焼成体の基部
102を基準に三次元形状測定機により、翼形状部位1
04の先端寄り部位における図9に示す翼前端側M又は
翼後端側Uの設計値に対する最大変位(ズレ)量S又は
S′を測定し、その平均値を比較した。結果は、表1に
示した通りである。なお、本例の試料は、図10中に示
したように翼形状部位104の長さHが30mm、最大
幅Wが40mm、基部104の径Dが10mm、大径部
103を含む基部102の長さLが30mmである。そ
して、使用した矯正型はすべてカーボン製で、それぞれ
重量0.5kg〜1kgである。焼成条件は、焼成炉内
で、N2 ガス中、75atmで、1750℃(±30
℃)で2時間焼成した。
【0028】
【表1】
【0029】表1に示されるように、本例の焼成手法に
よるものにあっては、設計値からの最大ズレは、平均で
0.2mm以下であったのに対し、置き焼きしたもので
は1.0mm、吊し焼きしたものでは、0.5mmであ
った。この結果から実証されるように、本例では極めて
高精度のセラミック部材を得ることができる。
【0030】実施例2 次に、図13に示したタービンの動翼201を静翼の場
合と同様に製造し、その基部202を基準に、三次元形
状測定機により前記と同様の測定をして比較した。なお
本例の試料の大きさは、図11中に示したように翼形状
部位の長さHが30mm、最大幅W1が20mm、基部
(ディスクへの取付け部)の厚さTが30mm、基端側
の幅W2が10mm、フランジ部203を含む基部の長
さLが30mmである。結果は、表2に示した通りであ
る。
【0031】
【表2】
【0032】表2に示されるように、動翼についても本
例の焼成法によるものにあっては、設計値からの最大ズ
レは、0.2mm以下であったのに対し、置き焼き、或
いは吊し焼きしたものでは、いずれも0.5mmであっ
た。この結果からも実証されるが、本発明によれば動翼
でも極めて高精度のセラミック部材を得ることができる
ことがわかる。
【0033】なお、焼成の条件、加熱温度、時間、圧
力、雰囲気は、セラミックの材質により適宜に設定すれ
ばよい。なお、Si3 4 、SiC、AlN、TiNな
どのセラミックは、N2 、Arなどの不活性ガス中で焼
成されるが、Ai2 3 などの酸化物系セラミックは大
気中で焼成してもよい。ただし、大気中で焼成する場合
には、治具は炭化けい素など酸化の影響の少ないものを
その材質とするのが好ましい。因みに静翼、動翼とも、
実施例1と2で焼成の条件を、N2 ガス中、1000a
tm、1650℃(±30℃)で2時間焼成としたもの
についても同様の比較をしたが、略同様の結果が得られ
た。
【0034】また、従来の吊し焼き又は置き焼きで、上
記と同じセラミック成形体を焼成して収縮が略終了した
予備焼成体を焼成し、これらをさらに吊し焼き又は置き
焼きで焼成して翼形状部位を備えたセラミック部材を製
造し、そのもののうち、反りや曲がり等の変形のあるも
のを、上記とまったく同様にして、矯正型にセットして
セラミック部材が軟化する温度に、すなわち上記の製法
における焼成温度(1650℃)に加熱して所定時間保
持することでそれらは軟化され、その加熱前の変形が矯
正される。なお、上記もしたが、ここに軟化する温度と
は、焼成と同じ温度領域であり、セラミックの材質によ
り異なる。また、加熱時間は成形体の形状や大きさ或い
は厚さによっても相違するが、通常は、1〜4時間の範
囲が適切である。
【0035】矯正型については、加熱温度で変形や変質
しない十分な耐熱性を有し、かつある程度の重量がある
ものとするとよい。この重量は、その軟化時において反
りや曲り等の変形を矯正できるに足る加圧力(締付け
力)を発生させる重さとすれば良く、成形体の大きさや
厚さによって設定することになるが、0.5kg程度以
上とするのが適切である。なお、加圧力は、矯正型の自
重に依存してもよいが、別途、耐熱性のある錘を矯正型
の上に載せることでもよい。
【0036】また、本例では、腹面側と背面側の各型を
それぞれ、2体に分割したがそれぞれを一体としたもの
(総型)でもよいし、逆に3以上に分割されていても良
い。さらに、前記においては矯正面を数箇所が点又は線
で当接するものとしたが、翼形状部位(及び基部)の腹
面側と背面側の設計断面形状にぴったり嵌まる断面形状
の矯正面としておいてもよい。この様にしておけば、腹
面側と背面側の両面の略全面を押さえることができるの
で、より精度の向上が期待される。さらに、本発明の製
法及び矯正法は、上記形態例に示されたセラミック部材
に限られるものでなく広く適用できる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の製造方法によれば、略収縮の終了した予備焼成体を矯
正型にセットして加圧し(挟みつけ)ながら本焼成する
ものであることから、その焼成工程で予備焼成体が軟化
する際に、形状不良がある場合には矯正面によって、設
計寸法、形状に沿って矯正され、反りや曲り等の変形や
歪みが除去される。かくして、寸法や形状精度の高い、
所望とする翼形状部位を備えたセラミック部材を得るこ
とができ、不良率の低減とともに歩留まりの向上が図ら
れる。この結果、翼形状部位を固定して軸部等を研磨加
工する際にも、その芯振れも生じにくい。したがって、
その研磨加工代を小さくできるので、低コストで寸法精
度の高い、翼形状部位を備えたセラミック部材を得るこ
とができる。
【0038】また本発明の変形矯正方法によれば、予備
焼成体が本焼成されてなるセラミック部材を矯正型にセ
ットして加圧しながら軟化する温度まで加熱(再焼成)
することによって、変形等を矯正するものであり、した
がって、その加熱工程でセラミック部材は軟化し、形状
不良がある場合には矯正面によって、設計寸法、形状に
沿って矯正され、反りや曲り等の変形や歪みが除去され
る。すなわち、本発明によれば、予備焼成体が本焼成さ
れてなるセラミック部材に変形があっても、その変形を
具合よく矯正できるので、寸法精度の高い翼形状部位を
備えたセラミック部材を得ることができ、製品歩留まり
の向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製法に用いられる静翼矯正用の矯
正型の中央縦断正面図。
【図2】図1の左側面図。
【図3】図1の右側面図。
【図4】図1の平面図。
【図5】本発明に係る製法に用いられる動翼矯正用の矯
正型の中央縦断正面図。
【図6】図5の左側面図。
【図7】図5の右側面図。
【図8】図5の平面図。
【図9】変位の測定箇所を説明する図。
【図10】静翼の寸法関係を説明する図。
【図11】動翼の寸法関係を説明する図。
【図12】静翼を示す斜視図。
【図13】動翼を示す斜視図。
【図14】静翼の吊し焼き状態を示す図。
【図15】動翼の吊し焼き状態を示す図。
【図16】静翼の置き焼き状態を示す図。
【図17】動翼の置き焼き状態を示す図。
【符号の説明】
1,61 矯正型 21 基部の腹面側矯正型(基部下型) 22 基部の背面側矯正型(基部上型) 23,24 矯正型の矯正面 31 翼形状部位の腹面側矯正型(翼部位下型) 32 翼形状部位の背面側矯正型(翼部位上型) 33,35 矯正型の矯正面 101 静翼(予備焼成体) 102 静翼の基部 104 静翼の翼形状部位 104a 静翼の翼形状部位の腹面 104b 静翼の翼形状部位の背面 201 動翼(予備焼成体) 202 動翼の基部 204 動翼の翼形状部位 204a 静翼の翼形状部位の腹面 204b 静翼の翼形状部位の背面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 正通 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 島森 融 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基部に翼形状部位を一体的に備えたセラ
    ミック成形体を焼成して収縮が略終了した予備焼成体を
    つくり、しかる後、該予備焼成体をさらに焼成して基部
    に翼形状部位を備えたセラミック部材を製造する方法に
    おいて、該予備焼成体をさらに焼成するにあたり、該予
    備焼成体の変形を該焼成工程での軟化時に矯正するよう
    に、その翼形状部位の腹面側と背面側から、該予備焼成
    体をその基部及び翼形状部位の設計断面形状の適所が接
    するように形成された矯正面を備えた矯正型で加圧しな
    がら焼成することを特徴とする、翼形状部位を備えたセ
    ラミック部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 腹面側矯正型と背面側矯正型を、カーボ
    ン、窒化けい素、サイアロン又は炭化けい素で形成した
    請求項1記載の翼形状部位を備えたセラミック部材の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 基部に翼形状部位を一体的に備えたセラ
    ミック成形体を焼成して収縮が略終了した予備焼成体を
    つくり、しかる後、該予備焼成体をさらに焼成して基部
    に翼形状部位を備えたセラミック部材を製造し、該セラ
    ミック部材をその翼形状部位の腹面側と背面側から、該
    セラミック部材の基部及び翼形状部位の設計断面形状の
    適所が接するように形成された矯正面を備えた矯正型で
    加圧し、その下で、該セラミック部材が軟化する温度に
    加熱し、その際のセラミック部材の軟化によって変形を
    矯正することを特徴とする、翼形状部位を備えたセラミ
    ック部材の変形矯正方法。
  4. 【請求項4】 腹面側矯正型と背面側矯正型を、カーボ
    ン、窒化けい素、サイアロン又は炭化けい素で形成した
    請求項3記載の翼形状部位を備えたセラミック部材の変
    形矯正方法。
JP9017330A 1997-01-13 1997-01-13 翼形状部位を備えたセラミック部材の製造方法及びその変形矯正方法 Pending JPH10194848A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006169056A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Pentax Corp 焼結体の形状修正方法

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JP2006169056A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Pentax Corp 焼結体の形状修正方法
JP4570454B2 (ja) * 2004-12-16 2010-10-27 Hoya株式会社 焼結体の形状修正方法

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