JPH10194679A - タワークレーンの安全装置 - Google Patents

タワークレーンの安全装置

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JPH10194679A
JPH10194679A JP421697A JP421697A JPH10194679A JP H10194679 A JPH10194679 A JP H10194679A JP 421697 A JP421697 A JP 421697A JP 421697 A JP421697 A JP 421697A JP H10194679 A JPH10194679 A JP H10194679A
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JP
Japan
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tower
jib
tension
rope
angle
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JP421697A
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Inventor
Itaru Miyazaki
格 宮崎
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タワークレーンの安全装置において、タワー
ブームやジブの姿勢に応じて、適切にロープ張力を設定
して、ロープの巻き取り過ぎによるクレーン構造物の損
傷を防止する。 【解決手段】 タワー角度検出器21およびジブ角度検
出器22によりタワーブーム2およびジブ3の角度を検
出し、この検出結果に基づいて、起伏ロープ7,12の
基準となる設定張力を設定する。起伏ロープ張力検出器
23,24による検出結果と設定張力とを比較して、警
報を発したり、エンジンを停止したりなどの動作を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タワーブームとジ
ブとを備えるタワークレーンの安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】タワー起伏ウインチ、ジブ起伏ウインチ
あるいは巻上ウインチの巻き取り過ぎに起因した構造物
の損傷を回避するため、例えば特開平7−215679
号公報には、タワークレーンの安全装置としてロープ張
力を検出し、そのロープ張力を予め設定される乱巻発生
限界張力や破損限界張力と比較して、ロープ張力がそれ
ら限界張力に達したときには、ウインチを停止してロー
プ乱巻きの発生やタワーアタッチメントの破損を防止す
るものが開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−215
679号公報に記載されたタワークレーンの安全装置に
おいては、一義的に定められた張力制限値と、ロープ張
力検出器によって検出されるロープ張力との比較によっ
てロープの巻上、巻下操作を停止するものである。しか
しながら、クレーンにおける作業には作業前の準備段階
の段取作業と、荷物を吊る荷役作業とがあり、作業内容
に応じてクレーンの作業姿勢も大きく異なる。そして、
その作業姿勢に応じてクレーンの破損対象部位や破損限
界張力も異なるため、上記特開平7−215679号公
報に記載されたタワークレーンの安全装置では、特定の
姿勢以外の作業姿勢においてはその適用が困難であり、
作業姿勢に応じて安全装置を解除するなどの措置を取る
必要がある。
【0004】本発明の目的は、タワーブームやジブなど
の俯仰動作時における種々の姿勢を検出して、その姿勢
に応じて適切にロープ張力を設定して作業を行うことが
できるとともに、起伏ウインチの巻き取り過ぎによる構
造物の損傷防止を自動的に行うことができるタワークレ
ーンの安全装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】一実施の形態を示す図1
〜2に対応づけて説明すると、請求項1記載の発明は、
本体1と、本体1に起伏動可能に取り付けられるタワー
ブーム2およびタワーブーム2の先端部に起伏動可能に
取り付けられるジブ3とからなるタワーフロント2,3
と、タワーフロント2,3を起伏動するウインチ装置
4,13とを備えたタワークレーンの安全装置に適用さ
れ、タワーフロント2,3の姿勢を検出する姿勢検出手
段21,22と、姿勢検出手段21,22により検出さ
れるタワーフロント2,3の姿勢に基づいて、ウインチ
装置4,13におけるロープ7,12に必要な設定ロー
プ張力を演算する演算手段60と、ロープ7,12の張
力を検出して検出ロープ張力を得るロープ張力検出手段
23,24と、設定ロープ張力と検出ロープ張力とを比
較し、比較結果に基づく比較信号を出力する比較出力手
段60とをさらに備えたことにより上記目的を達成す
る。
【0006】請求項2の発明は、比較出力手段60は、
検出ロープ張力が設定ロープ張力よりも大きい場合に比
較信号を出力する。請求項3の発明は、比較出力手段6
0による比較結果に基づいて、ウインチ装置4,13の
動作を停止する停止手段60をさらに備える。請求項4
の発明は、比較出力手段60による比較結果に基づい
て、警報を発する警報手段62をさらに備える。請求項
5の発明は、設定ロープ張力は、クレーン作業可能かつ
タワーフロントの破損限界値より小さい値である。
【0007】なお、本発明の構成を説明する上記課題を
解決するための手段の項では、本発明を分かり易くする
ために発明の実施の形態の図を用いたが、これにより本
発明が実施の形態に限定されるものではない。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態
に係る安全装置を備えたによるタワークレーンの構成を
示す側面図である。図1に示すように、タワークレーン
は、クレーン本体1と、クレーン本体1に回動可能に軸
支されるタワーブーム2と、タワーブーム2の先端部に
回動可能に軸支されるジブ3とからなる。なお、本実施
の形態においては、タワーブーム2とジブ3とをあわせ
てタワーフロントとする。クレーン本体1にはタワーブ
ーム起伏ウインチドラム4が搭載され、タワーブーム2
の先端部には第1のペンダントロープ5が連結され、第
1のペンダントロープ5の他端は第1のブライドル装置
6に取り付けられる。タワーブーム起伏ウインチドラム
4にはタワー起伏ロープ7が巻き取られ、このタワー起
伏ロープ7は、第1のブライドル装置6とAフレームハ
ンガ装置6Aとの間に複数回掛け回される。タワーブー
ム2はタワーブーム起伏ウインチドラム4の駆動によっ
て俯仰動する。
【0009】タワーブーム2の先端部にはスイングレバ
ー8が回動可能に軸支されている。このスイングレバー
8の一の頂角は第2のペンダントロープ9を介してジブ
3の先端部に連結され、他の頂角には第3のペンダント
ロープ10の一端が取り付けられている。第3のペンダ
ントロープ10の他端は第2のブライドル装置11に連
結されている。ジブ起伏ロープ12はクレーン本体1に
搭載されるジブ起伏ウインチドラム13に巻き取られ、
第2のブライドル装置11とハンガ装置11Aとの間に
複数回掛け回される。ジブ起伏ウインチドラム13によ
りスイングレバー8を時計回り、反時計回りに回動させ
てジブ3が俯仰動する。
【0010】タワーブーム2の先端部背面側にはガイド
ローラ2aが突設されている。スイングレバー8が図1
の状態から時計回り方向に一定角以上回転すると第3の
ペンダントロープ10がタワーブーム2に接近し、第3
のペンダントロープ10がガイドローラ2aに接触す
る。この状態で第3のペンダントロープ10の繰り出
し、繰り込みが行われると、ガイドローラ2aが回転し
つつ第3のペンダントロープ10を支持する。
【0011】ジブ3の先端にはフック14が吊り下げら
れ、本体に搭載される主ウインチ(不図示)でのロープ
14aの繰り出し、繰り込みによりフック14が上下動
する。ジブ3の背面部にはバックストップ15が突設さ
れ、ジブ3が所定の角度を越えて後方に仰動しないよう
に、タワーブーム2先端部の当て板(不図示)に当てて
ジブ3の仰角を制限する。タワーブーム2の背面部とク
レーン本体1との間にはバックストップ17が介装され
ており、タワーブーム2が所定の角度を越えて後方に仰
動するのを阻止する。タワーブーム2には、図1におい
て時計回り方向に回動(俯動)して折り畳まれたジブ3
をタワーブーム2に連結するジブ連結装置18が取り付
けられている。
【0012】タワーブーム2には、タワーブーム2の角
度を検出するタワー角度検出器21が、ジブ3には、ジ
ブ3の角度を検出するジブ角度検出器22が取り付けら
れている。タワー角度検出器21およびジブ角度検出器
22は、一般には、タワーブーム2が水平となったとき
を基準角度(0度)としたときの基準角度に対するタワ
ーブーム2の仰角(タワー角度:θt)およびジブ3の
仰角(ジブ角度:θj)をそれぞれ検出する。本実施の
形態では説明上、タワー角度θtは水平を基準角度(0
度)とし、ジブ角度θjはタワーブーム2に対する相対
角度とする。
【0013】タワーブーム起伏ウインチドラム4の近傍
には、タワー起伏ロープ7の張力(Tt)を検出するタ
ワー起伏ロープ張力検出器23が、ジブ起伏ウインチド
ラム13の近傍には、ジブ起伏ロープ12の張力(T
j)を検出するジブ起伏ロープ張力検出器24が取り付
けられている。
【0014】図2は本実施の形態に係るタワークレーン
安全装置の油圧回路図である。図2に示すように、油圧
モータ31と油圧ポンプ32とが、方向制御弁33、カ
ウンタバランス弁35およびクロスオーバーロードリリ
ーフ弁36を介して管路により接続され、油圧ポンプ3
2からの吐出油は油圧モータ31を回転させてタンク3
7に排出される。また、油圧モータ40と油圧ポンプ3
2とが、方向制御弁41、カウンタバランス弁43およ
びオーバーロードリリーフ弁44を介して管路により接
続され、油圧ポンプ32からの吐出油は油圧モータ40
を回転させてタンク44に排出される。
【0015】タワーブーム起伏ウインチドラム4は油圧
モータ31の駆動軸と接続されており、油圧モータ31
の回転に伴ってタワー起伏ロープ7の繰り出し、繰り込
みが行われる。また、上述のジブ起伏ウインチドラム1
3は油圧モータ40の駆動軸と接続されており、油圧モ
ータ40の回転に伴ってジブ起伏ロープ12の繰り出
し、繰り込みが行われる。
【0016】方向制御弁33は、操作用パイロット弁5
1および電磁弁52,53を介して油圧ポンプ50と接
続され、操作用パイロット弁51の操作により方向制御
弁33が作動される。方向制御弁41は、操作用パイロ
ット弁54および電磁弁55,56を介して油圧ポンプ
50と接続され、操作用パイロット弁54の操作により
方向制御弁41が作動される。ここで、電磁弁52,5
3,55,56は、通常は図2に示すb位置に切り換え
られ、励磁されるとa位置に切り換えられる。
【0017】図3は、本実施の形態に係るクレーン安全
装置の制御回路図である。図3に示すように、タワー角
度検出器21、ジブ角度検出器22、タワー起伏ロープ
張力検出器23およびジブ起伏ロープ張力検出器24が
制御装置60に接続されている。また、上述した電磁弁
52,53,55,56も制御装置60に接続されてい
る。さらに、制御装置60には、クレーンのエンジンを
停止するためのエンジン停止リレー61、警報装置6
2、フック14の巻上、巻下げを停止するフック巻上下
停止用電磁弁63および後述する張力の異常を点灯する
インジケータ64と接続されている。
【0018】図4は図3に示す制御装置の詳細な構成を
示すブロック図である。図4に示すように、制御装置6
0は、A/D変換器70、CPU71、メモリ72およ
びD/A変換器73からなり、上述のタワー角度検出器
21、ジブ角度検出器22、タワー起伏ロープ張力検出
器23およびジブ起伏ロープ張力検出器24からの信号
は、A/D変換器70を介してCPU71に入力され
る。また、信号を受けたCPU70はD/A変換器73
を介して制御信号を出力し、制御信号は上述した電磁弁
52,53,55,56、エンジン停止リレー61、警
報装置62、フック巻上下停止用電磁弁63およびイン
ジケータ64に選択的に入力され、これらの動作を制御
する。
【0019】メモリ72には、タワー角度θtおよびジ
ブ角度θjの値、すなわちタワーフロントの姿勢に対応
したタワー起伏ロープ7の張力およびジブ起伏ロープ1
2の張力と、作業前に入力(例えばモーメントリミッタ
のブーム長、ジブ長設定ボタンから入力)したタワーブ
ームの長さLtおよびジブ長さLjと、タワー角度θt
およびジブ角度θjの各条件下における制御信号データ
とが記憶されている。
【0020】CPU71にタワー角度θt、ジブ角度θ
j、タワー起伏ロープ張力Ttおよびジブ起伏ロープ張
力TjがA/D変換器70を介して入力されると、タワ
ー角度θtおよびジブ角度θjに応じた設定張力がメモ
リ72から読み出される。CPU71においては、読み
出された設定張力と、タワー起伏ロープ張力Ttおよび
ジブ起伏ロープ張力Tjとの比較が行われ、その比較結
果に応じた制御信号データをメモリ72から読み出す。
そしてこの制御信号データに基づいて、D/A変換器7
3を介して制御信号を出力する。
【0021】ここで、制御信号データとは、検出された
タワー起伏ロープ張力Ttおよびジブ起伏ロープ張力T
jが設定張力よりも大きい場合に、そのときの条件に応
じて、どのウインチが自動停止しかつどのような警報を
発するのかを決定するためのデータであり、メモリ72
には図5に示すようなテーブルとして記憶されている。
図5においては、現在のタワーフロントの状況および張
力の比較結果に応じて行われる制御の状況を○印を付し
て表している。
【0022】次いで、タワー角度検出器21およびジブ
角度検出器22によって検出されるタワー角度θtおよ
びジブ角度θjに基づいた設定張力の例を図6〜図12
を用いて説明する。図6の姿勢は、ジブ3を連結装置1
8によりタワーブーム2に固定し、タワーブーム2を地
面に着地した状態、例えば作業前姿勢を示す。この姿勢
においてはタワー角度検出器21およびジブ角度検出器
22はそれぞれタワー角度θt=0度、ジブ角度θj=
0度を検出している。すなわち、タワー角度θtおよび
ジブ角度θjがともに0度の場合は、ジブ3をタワーブ
ーム2に抱き込み、連結装置18により連結してタワー
ブーム2を地面に着地した姿勢である。
【0023】この姿勢でジブ起伏ウインチドラム13に
よりジブ起伏ロープ12を巻き込むと、ペンダントロー
プ10の張力によってガイドローラ2aに圧縮力が発生
するため、ジブ起伏ロープ12を巻き取り過ぎるとガイ
ドローラ2aが破損するおそれがある。したがって、こ
の姿勢においてのジブ起伏ロープ12の設定張力は、ガ
イドローラ2aが破損しないような値とする。
【0024】図7の姿勢では、タワー角度検出器21お
よびジブ角度検出器22はそれぞれタワー角度θt=3
0度、ジブ角度θj=0度を検出している。この状態
は、ジブ3を連結装置18によりタワーブーム2に連結
してタワーブーム2を引き起こした状態であり、例えば
図6の状態から作業姿勢に入る途中の姿勢である。図8
の姿勢では、タワー角度検出器21およびジブ角度検出
器22はそれぞれタワー角度θt=60度、ジブ角度θ
j=0度を検出している。この状態は、ジブ3を連結装
置18によりタワーブーム2に連結してタワーブーム2
を図7の状態からさらに引き起こした状態である。
【0025】図7および図8に示す姿勢において、タワ
ーブーム2の引き起こし作業時には、タワーブーム2の
起伏に伴うジブ起伏ロープ12のたるみを防止するため
に、タワー起伏ロープ7の巻上と同時にジブ起伏ロープ
12の巻き込みを行う必要がある。この際、上述したよ
うにジブ起伏ロープ12を巻き込み過ぎるとガイドロー
ラ2aを破損するおそれがあるため、図7および図8に
示す姿勢においても、ジブ起伏ロープ12の設定張力は
ガイドローラ2aが破損しないような値とする。
【0026】図9の姿勢では、タワー角度検出器21お
よびジブ角度検出器22はそれぞれタワー角度θt=9
0度、ジブ角度θj=0度を検出している。この状態
は、ジブ3を連結装置18によりタワーブーム2に連結
してタワーブーム2が直立した状態である。なお、本実
施の形態においては説明上タワー角度θt=90度とし
ているが、実際には安全を考慮してそれより若干小さい
角度となっている。
【0027】図9に示す状態からジブ3を起こした作業
姿勢にするためにジブ起伏ロープ12を巻き上げた場
合、連結装置18を外し忘れるとジブ起伏ロープ12の
張力が増加し、前述と同様にガイドローラ2aを破損す
るおそれがある。このため、図9に示す場合のジブ起伏
ロープ12の設定張力は、ガイドローラ2aが破損しな
いような値とする。また、この場合において、タワー起
伏ロープ7を巻き取り過ぎた場合には、タワーブーム2
の後傾を阻止するパックストップ17またはその取付部
が破損するおそれがある。この場合のタワー起伏ロープ
7の設定張力は、バックストップ17およびその取付部
を破損しないような値とする。
【0028】図10の姿勢では、タワー角度検出器21
およびジブ角度検出器22はそれぞれタワー角度θt=
90度、ジブ角度θj=45度を、図11の姿勢ではタ
ワー角度θt=90度、ジブ角度θj=110度を、図
12の姿勢ではタワー角度θt=90度、ジブ角度θj
=150度をそれぞれ検出している。これらの状態は、
連結装置18を解除し、タワーフロントを所定の作業状
態とするまでの姿勢を示している。この状態において、
図12の姿勢を越えてジブ起伏ロープ12を巻き取り過
ぎた場合には、バックストップ15がタワーブーム2先
端部の当て板(不図示)に当接してジブ3の仰動を阻止
するが、さらにジプ起伏ロープ12を巻き取り、ジブ3
を後傾させようとする力が作用すると、バックストップ
15が破損するおそれがある。このため、図11〜図1
2の姿勢において、ジブ起伏ロープ12の設定張力はジ
ブ起伏作業が可能な張力かつバックストップ15が破損
しない値とする。
【0029】同様に、ラッフィングのようにタワーブー
ム2の起伏も含めた吊荷作業を行う場合においても、タ
ワー起伏ロープ7およびジブ起伏ロープ12の設定張力
はタワーブーム起伏作業可能な張力で、かつバックスト
ップ17が破損しないような値とする。
【0030】ここで、ジブ起伏作業可能、ラッフィング
可能であり、かつバックストップ15,17の破損を防
止する張力とは、クレーンに予め設けられる吊荷の荷重
と作業半径とに基づく公知の定格荷重表の値を満足した
ときの張力であり、かつバックストップの破損を防止し
うる値である。すなわち、図13および図14に示すよ
うに、タワーフロントが破損する張力は一定であるが、
作業に必要なロープの張力はタワー角度θtおよびジブ
角度θjによって変化する。したがって、タワー起伏ロ
ープ7およびジブ起伏ロープ12の設定張力を作業に必
要な張力より大きく、かつタワーフロントが破損する張
力より小さい値とする必要がある。
【0031】図13はタワー起伏ロープ張力がジブ角度
に依存せず、タワー角度が大きいほど小さく、タワー角
度が小さいほど大きくなることを表している。図14
は、ジブ起伏ロープ張力が、ジブ角度が大きいほど小さ
くジブ角度が小さいほど大きくなり、かつタワー角度が
小さいほど大きくタワー角度が大きいほど小さくなるこ
とを示している。これらの図13,14のデータがメモ
リ72に予め格納されている。なお、上述したこれらの
設定張力は、ガイドローラ2a、パックストップ15,
17の強度などを勘案して設計上決定される値である。
【0032】次いで、本実施の形態の動作について説明
する。図15は本実施の形態の動作を示すフローチャー
トである。まずステップS1では、タワー角度検出器2
1およびジブ角度検出器22の出力信号(タワー角度θ
t、ジブ角度θj)と、タワー起伏ロープ張力検出器2
3およびジブ起伏ロープ張力検出器24の出力信号(タ
ワー起伏ロープ張力Tt、ジブ起伏ロープ張力Tj)と
をCPU71に読み込む。次のステップS2では、作業
前に予めメモリ72に記憶されているタワーブームの長
さLtとジブの長さLjとをCPU71に読み込む。そ
してステップS3において、ステップS1およびS2に
おいて得られた情報に基づいて、メモリ72からタワー
フロントの姿勢ごとに図13,14に示すように設定さ
れたタワー起伏ロープ7およびジブ起伏ロープ12の設
定張力を読み込む。
【0033】次のステップS4においては、ステップS
3において読み込まれた設定張力と、ステップS1にお
いて読み込まれたタワー起伏ロープ張力Ttおよびジブ
起伏ロープ張力Tjとの比較を行う。そして、タワー起
伏ロープ張力Ttおよびジブ起伏ロープ張力Tjが設定
張力よりも小さいときは処理を終了する。タワー起伏ロ
ープ張力Ttあるいはジブ起伏ロープ張力Tjが設定張
力よりも大きい場合はステップS5に進み、ステップS
5においてステップS4の比較結果に基づいて、メモリ
72から図5に示すテーブルを参照して制御信号データ
を読み込む。そしてステップS6においては、メモリ7
2から読み込まれた制御信号データを用いて制御信号を
出力する。そしてステップS7において、作業が終了し
たか否かが判断され、ステップS7が否定されるとステ
ップS1に戻りステップS1〜ステップS7の処理を繰
り返す。一方、ステップS7が肯定されると処理を終了
する。
【0034】このように、作業が終了するまでは、ステ
ップS1〜ステップS7の処理が繰り返されるため、タ
ワー角度θtおよびジブ角度θjに基づくタワーフロン
トの姿勢の変化に追従して処理が行われる。
【0035】そして、ステップS6において出力された
制御信号は、上述した電磁弁52,53,55,56、
エンジン停止リレー61、警報装置62、フック巻上下
停止用電磁弁63およびインジケータ64に選択的に入
力され、これらの動作を制御する。
【0036】例えば、図5に示すテーブルに従い、作業
中において、タワー起伏ロープ張力Ttが設定張力より
も大きかった場合は、CPU71から電磁弁52に制御
信号が出力されて、電磁弁52はb位置からa位置に切
り換えられる。これにより、ポンプ50から方向制御弁
33のパイロットポートへの圧油の供給が遮断され、方
向制御弁33が中立位置に切り換えられる。これによ
り、ポンプ32から油圧モータ31への圧油の供給が遮
断されて油圧モータ31が停止し、タワーブーム起伏ウ
インチドラム4が停止する。従って、タワーブーム2の
上げ動作が停止する。また、これとともに、CPU71
からエンジン停止リレー61、インジケータ64および
警報装置62に制御信号が入力され、エンジンが停止
し、インジケータ64が点滅するとともに、警報が発せ
られる。
【0037】また、タワー起こし中において、ジブ起伏
ロープ張力Tjが設定張力よりも大きかった場合には、
電磁弁53および電磁弁55にCPU71から制御信号
が入力され、電磁弁53,55はb位置からa位置に切
り換えられ、これにより、油圧モータ31および油圧モ
ータ40の動作が停止する。従って、タワーブーム起伏
ウインチドラム4およびジブ起伏ウインチドラム13が
停止し、タワーブーム2の下げ動作およびジブの上げ動
作が停止する。これとともに、CPU71からは警報装
置62、フック巻上下停止用電磁弁63およびインジケ
ータ64に制御信号が入力されて警報が発せられ、イン
ジケータ64が点滅するとともに、フックの巻上動作が
停止される。なお、タワー起こし作業において、タワー
起伏ロープを緩める場合があり、ジブ起伏ロープをその
ままにしてタワーを倒していくとジブ起伏ロープに不所
望な張力が発生するため、上述のような制御が行われ
る。
【0038】このように、本実施の形態においては、タ
ワーフロントの姿勢に応じて、タワー起伏ロープ7およ
びジブ起伏ロープ12についての張力を設定し、この設
定張力と実際のロープ張力Tt,Tjとを比較してロー
プの移動を停止し、あるいはエンジンを停止したり警報
を発するなどの動作を行うようにしたため、ロープの巻
上、巻下げの停止などを行うための制限値を、タワーフ
ロントの姿勢に応じて適切に定めることができる。した
がって、タワーフロントの姿勢に応じて必要な張力を維
持しつつ、ロープの巻き取り過ぎなどによる構造物の損
傷を防止することができる。
【0039】また、本実施の形態においては、タワー角
度検出器21、ジブ角度検出器22、タワー起伏ロープ
張力検出器23およびジブ起伏ロープ張力検出器24の
ように、既存の装置を使用することができるため、特別
な装置を必要とせず、装置の構成を簡易なものとするこ
とができかつ故障に対する信頼性が高くできる。
【0040】なお、上記実施の形態においては、メモリ
72に図5に示すようなテーブルを記憶し、このテーブ
ルに基づいて制御信号データを設定しているが、メモリ
72に構造物の寸法や座標などのデータのみを記憶し、
タワー角度θtおよびジブ角度θjを逐次検出して、メ
モリ72に記憶されたデータに基づいて、設定張力を逐
次演算してもよい。また、上記実施の形態においては、
図2に示すように電磁弁52〜56をCPU71からの
信号によりb位置からa位置に切り換えるようにしてい
るが、電磁弁52〜56に常時信号を出力し、ロープ張
力が設定張力よりも大きかった場合に信号を遮断するよ
うにCPU71を構成するとともに、電磁弁52〜56
を、励磁された状態においてはポンプ50からの圧油を
方向制御弁33,41のパイロットポートに供給し、励
磁されていない状態においてはポンプ50から方向制御
弁33,41のパイロットポートへの圧油の供給を遮断
するように構成してもよい。
【0041】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、タワーフロントの姿勢に応じて、ウインチ装置の
ロープに必要な設定ロープ張力を演算し、この設定ロー
プ張力と実際に検出した検出ロープ張力とを比較し、こ
の比較結果に基づいて起伏ウインチ装置を停止したり、
あるいはエンジンを停止したり警報を発するなどの動作
を行うようにしたため、ロープの巻上、巻下げの停止な
どを行うための制限値を、タワーフロントの姿勢に応じ
て適切に定めることができる。したがって、タワーフロ
ントの姿勢に応じて必要なロープ張力を維持しつつ、ロ
ープの巻き取り過ぎによる構造物の損傷を防止すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるタワークレーン安全装置を備えた
タワークレーンの構成を示す側面図
【図2】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置の
油圧回路図
【図3】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置の
制御回路図
【図4】制御装置の構成を示すブロック図
【図5】制御信号データのテーブルを示す図
【図6】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置の
タワーフロントの姿勢を説明する状態説明図
【図7】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置の
タワーフロントの姿勢を説明する状態説明図
【図8】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置の
タワーフロントの姿勢を説明する状態説明図
【図9】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置の
タワーフロントの姿勢を説明する状態説明図
【図10】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置
のタワーフロントの姿勢を説明する状態説明図
【図11】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置
のタワーフロントの姿勢を説明する状態説明図
【図12】本実施の形態に係るタワークレーン安全装置
のタワーフロントの姿勢を説明する状態説明図
【図13】タワー角度とタワー起伏ロープ張力との関係
を示すグラフ
【図14】ジブ角度とジブ起伏ロープ張力との関係を示
すグラフ
【図15】本実施の形態において行われる処理を示すフ
ローチャート
【符号の説明】
2 タワーブーム 3 ジブ 21 タワー角度検出器 22 ジブ角度検出器 23 タワー起伏ロープ張力検出器 24 ジブ起伏ロープ張力検出器 60 制御装置 61 エンジン停止リレー 62 警報装置 63 フック巻上下停止用電磁弁 64 インジケータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体と、 本体に俯仰動可能に取り付けられるタワーブームおよび
    タワーブームの先端部に起伏動可能に取り付けられるジ
    ブとからなるタワーフロントと、 ロープにより前記タワーフロントを起伏動させるウイン
    チ装置とを備えたタワークレーンの安全装置において、 前記タワーフロントの姿勢を検出する姿勢検出手段と、 該姿勢検出手段により検出される前記タワーフロントの
    姿勢に基づいて、前記ウインチ装置におけるロープに必
    要な設定ロープ張力を設定する設定手段と、 前記ロープの張力を検出して検出ロープ張力を得るロー
    プ張力検出手段と、 前記設定ロープ張力と前記検出ロープ張力とを比較し、
    該比較結果に基づく比較信号を出力する比較出力手段と
    をさらに備えたことを特徴とするタワークレーンの安全
    装置。
  2. 【請求項2】 前記比較出力手段は、前記検出ロープ張
    力が前記設定ロープ張力よりも大きい場合に前記比較信
    号を出力することを特徴とする請求項1記載のタワーク
    レーンの安全装置。
  3. 【請求項3】 前記比較出力手段による比較結果に基づ
    いて、前記ウインチ装置の動作を停止する停止手段をさ
    らに備えたことを特徴とする請求項1または2記載のタ
    ワークレーンの安全装置。
  4. 【請求項4】 前記比較出力手段による比較結果に基づ
    いて、警報を発する警報手段をさらに備えたことを特徴
    とする請求項1、2または3記載のタワークレーンの安
    全装置。
  5. 【請求項5】 前記設定ロープ張力は、クレーン作業可
    能かつタワーフロントの破損限界値より小さい値である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のタ
    ワークレーンの安全装置。
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