JPH10192991A - 鉄筋自動曲機および鉄筋自動曲機に於ける曲機と逆曲機の位置決め方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 棒状の鉄筋の両端部を同じ向きに屈曲する鉄
筋自動曲機を利用し、鉄筋の一方の端部付近を他方の端
部付近と逆向きに簡単な工程で屈曲可能とする。 【解決手段】 クランプ機２を中央にして、その両側に
棒状の鉄筋５の端部付近を同じ向きに屈曲する曲機３、
３’をレール１に沿って横移動可能に設置する。一方の
側の曲機３’のクランプ機２と反対寄りの側に、曲機３
と逆向きに鉄筋５を屈曲する逆曲機６を設ける。逆曲機
６は横方向および前後方向に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は鉄筋の両端部付近を
自動で同じ向きに屈曲できると共に、鉄筋の一方の端部
付近と他方の端部付近を逆向きに屈曲することが可能な
鉄筋自動曲機および鉄筋の一方の端部付近と他方の端部
付近を逆向きに屈曲する場合の鉄筋自動曲機に於ける曲
機と逆曲機の位置決め方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の鉄筋自動曲機はクランプ機を中央
にしてその両側に曲機をレールに沿って横移動可能に設
置したものである。そして曲機は両方とも上向きに鉄筋
の端部付近を屈曲するものであった。又、曲機のセット
位置は鉄筋の両屈曲部間の長さを基準として自動でセッ
トされクランプ機の両側に等しい距離に配置されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の鉄筋自動曲機で
棒状の鉄筋の一方の端部付近を他方の端部付近と逆方向
に屈曲する場合は、図９乃至図１３に示すように鉄筋の
両屈曲部間の長さを基準として自動でセットされた曲機
Ａ、Ａ’は、クランプ機Ｂを中央にしてその両側に所定
の位置まで等距離移動するから、移動した後、鉄筋Ｃを
曲機Ａ、Ａ’間にセットする（図９）。次に鉄筋Ｃをク
ランプ機Ｂでクランプし、一方の曲機Ａの主軸Ａ１が突
出し、ベンディングローラーＡ２が主軸Ａ１の回りを回
動し、鉄筋Ｃの一方の端部付近を上方へ屈曲する（図１
０）。尚、屈曲が終了すると主軸Ａ１が後退しクランプ
Ｂが解除する。

【０００４】次に、鉄筋Ｃの屈曲した方を下向きにし、
鉄筋Ｃをゲージ板Ｄまでずらす（図１１）。尚、ゲージ
板Ｄは曲機Ａ’との距離が鉄筋Ｃの予め決められた両屈
曲部間の距離となる位置に固定されている。次に、鉄筋
Ｃをクランプ機Ｂでクランプし、他方の曲機Ａ’の主軸
Ａ１’が突出し、ベンディングローラーＡ２’が主軸Ａ
１’の回りを回動し、鉄筋Ｃの他方の端部付近を上方へ
屈曲する（図１２）。尚、屈曲が終了すると主軸Ａ１’
が後退しクランプＢが解除し後退するから鉄筋Ｃを上方
から取り出していた（図１３）。

【０００５】このように、従来は鉄筋の一方の端部付近
を他方の端部付近と逆方向に屈曲する場合、一方の端部
付近を上方へ屈曲した後、鉄筋を逆さにし、鉄筋をゲー
ジ板までずらし、他方の端部付近を上方へ屈曲しなけれ
ばならず、非常に複雑な工程を経なければならなかっ
た。

【０００６】上記点より本発明は、棒状の鉄筋の両端部
を同じ向きに屈曲する鉄筋自動曲機を利用し、鉄筋の両
端部を同じ向きに屈曲できることは勿論、鉄筋の一方の
端部付近を他方の端部付近と逆向きに簡単な工程で屈曲
可能とした鉄筋自動曲機、および逆向きに屈曲する場
合、鉄筋の一方の端部付近を屈曲する曲機と、鉄筋の他
方の端部付近を前記曲機と逆向きに屈曲する逆曲機との
位置決めを容易に行うことが可能な鉄筋自動曲機に於け
る曲機と逆曲機の位置決め方法を提供しようとするもの
である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明鉄筋自動曲機は、クランプ機を中央にしてその両
側に、棒状の鉄筋の端部付近を同じ向きに屈曲する曲機
がレールに沿って横移動可能に設置された鉄筋自動曲機
に於いて、一方の側の曲機のクランプ機と反対寄りの側
に、曲機と逆向きに鉄筋を屈曲する逆曲機が設けられて
いることを特徴とするものである。

【０００８】又、本発明は、逆曲機は横方向および前後
方向に移動することを特徴とするものである。

【０００９】又、本発明方法は、前記鉄筋自動曲機の、
鉄筋の一方の端部付近を屈曲する曲機と、鉄筋の他方の
端部付近を屈曲する逆曲機をクランプ機を挾んで両側に
配置するに際し、鉄筋の両側の屈曲部間の長さより、逆
曲機側の曲機と逆曲機が連結した時の、逆曲機側の曲機
の主軸と逆曲機の主軸間の長さを差し引いた長さを基準
として、クランプ機の両側の曲機をクランプ機を挾んで
両側に等しい長さとなるよう自動でセットし、その後逆
曲機を逆曲機側の曲機に手動で横移動し連結することを
特徴とするものである。

【００１０】上記構成を有する本発明鉄筋自動曲機は、
クランプ機を中央にして、その両側に設置されている曲
機の内、一方の側の曲機のクランプ機と反対寄りの側に
曲機と逆向きに鉄筋を屈曲する逆曲機が設けられている
ため、鉄筋は一方の端部付近と他方の端部付近が逆向き
に屈曲される。この屈曲に際しては、従来の様に途中で
鉄筋を逆さにする必要もなく、又鉄筋をゲージ板までず
らす必要もなく、自動で屈曲作業が行われる。

【００１１】又、逆曲機は横方向および前後方向に移動
するから、不使用時は曲機から横方向へずらした後、後
退すれば、クランプ機の両側は従来の曲機のみが配置さ
れていることになり、鉄筋の両端付近を同じ向きに屈曲
することが可能である。

【００１２】次に、逆曲機を使用する場合、逆曲機を前
進して曲機と横一列に配置した後、隣接する曲機に横方
向に移動し連結するのであるが、その際、逆曲機は手動
であるため、本来ならば、鉄筋の両屈曲部間の長さを基
準としてクランプ機を挾んで鉄筋の一方の端部付近を屈
曲する曲機とクランプ機間の距離、および鉄筋の他方の
端部付近を前記曲機と逆向きに屈曲する逆曲機とクラン
プ機間の距離をスケールで測定して双方の位置決めをし
なければならないのであるが、本発明は鉄筋の両屈曲部
間の長さより、逆曲機側の曲機と逆曲機が連結した時
の、逆曲機側の曲機の主軸と、逆曲機の主軸間の長さを
差し引いた長さを基準として両曲機を自動でセットし
て、一旦両曲機を従来の様にクランプ機を挾んで両側に
等しい距離に配置するため、逆曲機の配置は逆曲機と隣
接する側の曲機に手動で横移動し、連結するだけでよ
く、クランプ機からの距離の測定の必要がない。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づき説明する。図１は本発明鉄筋自動曲機の一実
施の形態を示す正面図、図２は同上の曲機の正面図、図
３は同上の曲機の断面図、図４は同上の逆曲機の正面
図、図５は同上の逆曲機の側面図、図６乃至図８は同上
の屈曲工程を示す構成図、図９乃至図１３は従来の鉄筋
自動曲機の屈曲工程を示す構成図である。

【００１４】本発明鉄筋自動曲機は、断面Ｈ型のレール
１の中央部にクランプ機２、およびクランプ機２の両側
に曲機３、３’が設置され、曲機３、３’はレール１に
沿って鉄筋５の両側の屈曲部間の長さを基準としてクラ
ンプ機２の両側に等しい距離だけチェーン４の駆動によ
り横移動可能に制御されている。

【００１５】一方の曲機３は鉄筋５の一方の端部付近を
上方に屈曲するためのもので、他方の曲機３’は鉄筋５
の他方の端部付近を同じく上方に屈曲するためのもので
あり曲機３と対称となっている。

【００１６】又、曲機３、３’の内、一方の側の曲機
３’のクランプ機２と反対寄りの側（曲機３’の外側）
に、曲機３、３’と逆に鉄筋５の端部付近を下方に屈曲
する逆曲機６が設けられている。逆曲機６はレール１上
を走行する台車７上に載置されている。台車７は台車７
の側面下部に設けたローラー８の前部の一方のローラー
軸９に設けた歯車１０と、この歯車１０に噛合する歯車
１１が台車７の側部に設けたハンドル軸１２に設けられ
ていることにより、ハンドル１３の回動でローラー８が
回動し横移動可能とされている。

【００１７】又、前記レール１上の長手方向にガイド部
材１４が設けられ、このガイド部材１４の両側を台車７
の下面に水平方向に回動するガイドローラー１５が挾持
し台車７の走行を安定させると共に、レール１の下面か
らも台車７の前部および後部に設けた左右のガイドロー
ラー１６が当着し台車７の走行を安定させている。

【００１８】又、台車７の下面にレール１を挾んでその
前部および後部にクランプレバー１７の上端が枢着１８
され、前部のクランプレバー１７の下端にシリンダー１
９が枢着２０されると共に、後部のクランプレバー１７
の下端にシリンダーロッド２１の先端が枢着２２されて
いる。そして、シリンダーロッド２１の伸長によりクラ
ンプレバー１７に設けたクランププレート２３がレール
１の前・後面に圧接しブレーキ作用が働く。

【００１９】又、台車７上に載置された逆曲機６はその
両側下部にローラー２４が設けられ台車７上を前後方向
に移動可能となっている。逆曲機６の移動は、逆曲機６
本体の後部に先端が枢着２５されると共に、後方へ延長
したレバー２６の下方へ屈曲した後端にシリンダー２７
が前方へ向け枢着２８され、このシリンダーロッド２９
の先端が台車７の下部に枢着３０されていることによ
り、シリンダーロッド２９の伸縮で台車７上を逆曲機６
が前後方向に移動可能となっている。又、台車７の両側
に前後方向に側壁３１Ａおよび天板３１Ｂより成るガイ
ド部３１が設けられ、このガイド部３１により前記ロー
ラー２４が上方および側方を規制され移動する。

【００２０】そして、逆曲機６の主軸３２の上方にベン
ディングローラー３３が配置され、逆曲機６のモーター
３４によりベンディングローラー３３は主軸３２の周囲
を上方より下方に向け回動し、主軸３２上の鉄筋５を下
方へ屈曲する。屈曲を終えるとシリンダーロッド２９が
伸長し逆曲機６を後退する。

【００２１】次に曲機３、３’は対称のため一方の曲機
３について説明し、他方の曲機３’の説明は省略する。
曲機３はレール１上をレール１の長手方向に移動するフ
レームベース３５上に載置されている。フレームベース
３５はフレームベース３５の下面に設けたローラー３６
により横移動可能となっている。

【００２２】又、フレームベース３５の下面に水平方向
に回動するガイドローラー３７が設けられ、前記ガイド
部材１４の両側を挾持しフレームベース３５の走行を安
定させると共に、レール１の下面からもフレームベース
３５の前部および後部に設けた左右のガイドローラー３
８が当着しフレームベース３５の走行を安定させてい
る。

【００２３】又、フレームベース３５の下面にレール１
を挾んでその前部および後部にクランプレバー３９の上
端が枢着４０され、前部のクランプレバー３９の下端に
シリンダー４１が枢着４２されると共に、後部のクラン
プレバー３９の下端にシリンダーロッド４３の先端が枢
着４４されている。そして、シリンダーロッド４３の伸
長によりクランプレバー３９に設けたクランププレート
４５がレール１の前後面に圧接しブレーキ作用が働く。

【００２４】又、フレームベース３５上の後部にシリン
ダー４６がブラケット４７により前方に向け取り付けら
れ、このシリンダー４６のシリンダーロッド４８の先端
に曲機３本体の主軸４９の後端が連結されている。そし
て、シリンダーロッド４８の伸縮により主軸４９は進退
可能となっている。

【００２５】又、曲機３の主軸４９の下方にベンディン
グローラー５０が配置され、曲機３のモーター５１によ
りベンディングローラー５０は主軸４９の周囲を下方よ
り上方に向け回動し、鉄筋受けプレート５２上の鉄筋５
を上方へ屈曲する。屈曲を終えるとシリンダーロッド４
８が後退し、主軸４９も共に後退する。

【００２６】尚、前記クランプ機２はクランプ部２Ａが
シリンダー（図示せず）で進退可能となっていることは
従来通りである。図中５３はフットスイッチである。

【００２７】以上の構成を有する本発明鉄筋自動曲機で
鉄筋の一方の端部付近を他方の端部付近と逆方向に屈曲
する場合は、フットスイッチを踏むと図６乃至図８に示
すように曲機３、３’はクランプ機２を中央にして両側
に等距離横移動する。この移動距離は予め鉄筋５の両側
の屈曲部間の長さＬより、逆曲機６側の曲機３’と逆曲
機６が連結した時の、逆曲機６側の曲機３’の主軸４
９’と逆曲機６の主軸３２間の長さａを差し引いた長さ
を基準としてセットされている。

【００２８】曲機３、３’の移動後、逆曲機６を手動で
横移動し曲機３’に連結し鉄筋５をセットする（図
６）。次にフットスイッチを踏むとクランプ機２が鉄筋
５をクランプし、曲機３の主軸４９と逆曲機６が前進
し、曲機３のベンディングローラー５０は鉄筋５の一方
の端部付近を上方へ屈曲し、逆曲機６のベンディングロ
ーラー３３は鉄筋５の他方の端部付近を下方へ屈曲す
る。この時、曲機３’の主軸４９’は後退している（図
７）。屈曲が終わると曲機３の主軸４９と逆曲機６が後
退し、クランプ機２のクランプが解除し鉄筋５を取り出
す（図８）。

【００２９】

【発明の効果】本発明に依れば、鉄筋の一方の端部付近
は曲機により屈曲され、鉄筋の他方の端部付近は逆曲機
により曲機と反対方向に屈曲されるから、従来の鉄筋自
動曲機で屈曲するように、途中で鉄筋を逆さにする必要
もなく、又鉄筋をゲージ板までずらす必要もなく、自動
で容易に屈曲作業が行われる。又、逆曲機は横方向およ
び前後方向に移動するから不使用時は連結する曲機から
横方向へずらした後、後退すれば、クランプ機の両側は
曲機のみとなり従来通りの鉄筋の両端付近を同じ向きに
屈曲することもできる。又、逆曲機の配置は鉄筋の両屈
曲部間の長さより、逆曲機側の曲機と逆曲機が連結した
時の、逆曲機側の曲機の主軸と逆曲機の主軸間の長さを
差し引いた長さを基準として両曲機を自動で一旦セット
して両曲機をクランプ機を挾んで両側に等しい距離に配
置するため、逆曲機をこれに隣接する側の曲機に手動で
横移動し連結するだけでよいから、クランプ機から曲機
と逆曲機の距離を測定する必要がなく簡単に逆曲機をセ
ットできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明鉄筋自動曲機の一実施の形態を示す正面
図である。

【図２】本発明鉄筋自動曲機の曲機の一実施の形態を示
す正面図である。

【図３】本発明鉄筋自動曲機の曲機の一実施の形態を示
す断面図である。

【図４】本発明鉄筋自動曲機の逆曲機の一実施の形態を
示す正面図である。

【図５】本発明鉄筋自動曲機の逆曲機の一実施の形態を
示す側面図である。

【図６】本発明の屈曲工程を示す構成図である。

【図７】本発明の屈曲工程を示す構成図である。

【図８】本発明の屈曲工程を示す構成図である。

【図９】従来の鉄筋自動曲機による屈曲工程を示す構成
図である。

【図１０】従来の鉄筋自動曲機による屈曲工程を示す構
成図である。

【図１１】従来の鉄筋自動曲機による屈曲工程を示す構
成図である。

【図１２】従来の鉄筋自動曲機による屈曲工程を示す構
成図である。

【図１３】従来の鉄筋自動曲機による屈曲工程を示す構
成図である。

【符号の説明】

１ レール ２ クランプ機 ３ 曲機 ３’ 曲機 ５ 鉄筋 ６ 逆曲機

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クランプ機を中央にしてその両側に、棒
   状の鉄筋の端部付近を同じ向きに屈曲する曲機がレール
   に沿って横移動可能に設置された鉄筋自動曲機に於い
   て、一方の側の曲機のクランプ機と反対寄りの側に、曲
   機と逆向きに鉄筋を屈曲する逆曲機が設けられているこ
   とを特徴とする鉄筋自動曲機。
2. 【請求項２】 逆曲機は横方向および前後方向に移動す
   ることを特徴とする請求項１記載の鉄筋自動曲機。
3. 【請求項３】 前記鉄筋自動曲機の、鉄筋の一方の端部
   付近を屈曲する曲機と、鉄筋の他方の端部付近を屈曲す
   る逆曲機をクランプ機を挾んで両側に配置するに際し、
   鉄筋の両側の屈曲部間の長さより、逆曲機側の曲機と逆
   曲機が連結した時の、逆曲機側の曲機の主軸と逆曲機の
   主軸間の長さを差し引いた長さを基準として、クランプ
   機の両側の曲機をクランプ機を挾んで両側に等しい長さ
   となるよう自動でセットし、その後逆曲機を逆曲機側の
   曲機に手動で横移動し連結することを特徴とする鉄筋自
   動曲機に於ける曲機と逆曲機の位置決め方法。