JPH10191933A - 亜鉛高含有乳清ミネラル - Google Patents

亜鉛高含有乳清ミネラル

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JPH10191933A
JPH10191933A JP9313252A JP31325297A JPH10191933A JP H10191933 A JPH10191933 A JP H10191933A JP 9313252 A JP9313252 A JP 9313252A JP 31325297 A JP31325297 A JP 31325297A JP H10191933 A JPH10191933 A JP H10191933A
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zinc
whey
whey mineral
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calcium
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JP9313252A
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Ayako Muromachi
綾子 室町
Motoichi Nakayama
素一 中山
Iwao Sato
巌 佐藤
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風味が良好であり飲食品などに幅広く添加で
きる亜鉛高含有乳清ミネラルを提供する。 【解決手段】 本発明により、亜鉛を0.8g/kg以
上含有する乳清ミネラル(以下、亜鉛高含有乳清ミネラ
ルという)、乳清ミネラル溶液をpH3.0〜6.0に
調整し、生成した不溶物を採取することを特徴とする亜
鉛高含有乳清ミネラルの製造法、亜鉛高含有乳清ミネラ
ルを含有してなる飲食品および亜鉛高含有乳清ミネラル
剤を提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状栄養組成物、
医療用食品、栄養強化食品、機能性食品、調味料等に有
用である亜鉛高含有乳清ミネラルに関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛は、炭酸脱水素酵素、カルボキシペ
プチダーゼ、アルカリホスファターゼなど多くの酵素の
活性発現や構造維持にとって重要な役割を果たしてお
り、生体の機能性や恒常性維持のために必須な微量元素
である。亜鉛は生体内では合成されず、また生体内の亜
鉛は尿や便あるいは汗などで失われていくので、毎日食
事から摂取することが非常に重要となる。この亜鉛摂取
量が低下すると味覚障害、食欲不振、創傷治癒の遅延、
発育不全、皮膚疾患、手足の壊疽、爪の変化、脱毛、免
疫能低下などの亜鉛欠乏症を引き起こすことが知られて
いる。
【0003】しかし、グルコン酸亜鉛や硫酸亜鉛といっ
た亜鉛塩類は、母乳代替食品だけにしか使用することは
できない。液状栄養組成物や医療用食品、その他加工食
品へ亜鉛を添加するには、亜鉛を多く含む飲食品を使用
するしかない。飲食品由来の亜鉛供給源として、牡蠣肉
を用いる方法が知られている(特公平4−63672号
公報、特開平8−19385号公報)が、牡蠣肉は特有
の臭いが強く、栄養成分が季節的に変動するため、食品
加工適性が低く、汎用性に乏しい。また、海藻粉末、鳥
獣類の肝臓、小麦ふすまや米糠の抽出物を用いる方法が
知られている(特開平4−88964号公報)が、風味
の点から使用できる食品に限りがある。
【0004】一方、乳清ミネラル溶液をpH6.0〜
8.0に中和し、生成した不溶物を採取することを特徴
とする乳清カルシウムの製造方法が知られている(食品
開発用素材便覧、光琳、第553〜558頁、特公平2
−60303号公報)。しかし、乳清カルシウムは亜鉛
を約0.002〜0.45g/kgしか含有していな
い。
【0005】このため、風味が良好で食品加工に高い適
性をもち、かつ亜鉛を高濃度含有する亜鉛供給源が求め
られている。また、乳清カルシウムのカルシウム含有量
は亜鉛含有量の400〜500倍以上もあるが、カルシ
ウムおよび亜鉛の成人一日当りの所要量は、それぞれ約
600mgおよび約8mgであるので、カルシウム含有
量が亜鉛含有量の75倍以下である乳清ミネラルが望ま
れる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、風味
が良好であり飲食品などに幅広く添加できる亜鉛高含有
乳清ミネラルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、亜鉛を0.8
g/kg以上含有する乳清ミネラル(以下、亜鉛高含有
乳清ミネラルという)、乳清ミネラル溶液をpH3.0
〜6.0に調整し、生成した不溶物を採取することを特
徴とする亜鉛高含有乳清ミネラルの製造法、亜鉛高含有
乳清ミネラルを含有してなる飲食品および亜鉛高含有乳
清ミネラル剤に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の亜鉛高含有乳清ミネラル
は、乳清ミネラル溶液を、塩酸、硫酸等の無機酸、酢
酸、クエン酸等の有機酸、または水酸化ナトリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等のアルカリなどに
より、pH3.0〜6.0、好ましくはpH3.5〜
5.5、さらに好ましくはpH4.0〜5.0に調整
し、生じた不溶物を遠心分離、濾過等により回収するこ
とにより製造することができる。
【0009】更に該亜鉛高含有乳清ミネラルを、水に再
度溶解し、pHを上記のとおり調整し、生じた不溶物を
回収することにより、亜鉛含有量が高められた亜鉛高含
有乳清ミネラルを得ることもできる。再度溶解するとき
の灰分の濃度は、1〜100g/kg、好ましくは5〜
50g/kgである。本発明の亜鉛高含有乳清ミネラル
としては、上記回収物としてそのまま用いてもよいが、
熱風乾燥や噴霧乾燥等で乾燥させた後、固形物、粉末等
として用いてもよい。
【0010】乳清ミネラル溶液とは、乳清から乳清蛋白
質を低減または除去し、好ましくは乳糖を低減または除
去して得られる溶液、または乳清カルシウムを水に溶解
して得られる溶液をいい、該乳清ミネラル溶液における
灰分の濃度は、1〜100g/kgが好ましく、5〜5
0g/kgがさらに好ましい。ここでの灰分は、有機質
を550℃、12時間灰化して残った無機質をいう。
【0011】乳清とは、脱脂乳からカゼインを除去して
得られる、カゼインおよび乳脂肪を含まない溶液、また
は該溶液を噴霧乾燥して得られる乳清パウダーを水に溶
解したものをいう。乳清としては、酸ホエイおよびチー
ズホエイがあげられるが、酸ホエイが好適に用いられ
る。
【0012】酸ホエイは、脱脂乳に10〜70℃、好ま
しくは約20〜50℃で硫酸、塩酸等の酸を加えて、p
H3.0〜6.0、好ましくはpH4.0〜4.8、さ
らに好ましくはカゼインの等電点であるpH4.6とす
るか、または脱脂乳に乳酸菌スターターを0.1〜0.
5%加え、22〜26℃で14〜16時間保持し、不溶
化したカゼインを遠心分離等により除去することによ
り、上清として得られる。
【0013】脱脂乳としては、乳をクリームセパレータ
ー(遠心分離)にて分離して得られる脱脂乳を用いても
よいし、市販されているものを用いてもよい。 また、脱
脂粉乳を水に溶解し、得られる溶液を脱脂乳として用い
てもよい。乳酸菌スターターとしては、ストレプトコッ
カス・クレモリス(Streptococcus cremoris)など市販
されている乳酸菌が用いられる。
【0014】乳としては、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ラク
ダ、トナカイ、ヤク、ウマ、ロバ等から選ばれる動物か
ら搾乳された乳があげられるが、このうちウシから搾乳
された乳が好適に用いられる。乳清蛋白質としては、カ
ゼイン以外の乳由来の可溶性蛋白質、例えばアルブミン
等の可溶性蛋白質等があげられる。
【0015】乳清ミネラル溶液から乳清蛋白質を低減ま
たは除去する方法としては、膜処理による方法、加熱に
より凝固させてこれを除去する方法等があげられる。こ
れらの方法により得られる溶液中の乳清蛋白質の含有量
は20%以下である。乳清ミネラル溶液から乳糖を低減
または除去する方法としては、膜処理による方法、濃縮
・加温して析出してくる乳糖を結晶化させる方法等があ
げられる。これらの方法により得られる溶液中の乳糖の
含有量は40%以下である。
【0016】本発明において乳清カルシウムとは、酸ホ
エイから乳清蛋白質を低減または除去し、好ましくは乳
糖を低減または除去して得られる乳清ミネラル溶液をp
H6.0から8.0に調整し、生成した不溶物を遠心分
離、濾過等により回収して得られるものをいう。本発明
の乳清カルシウムとしては、上記工程により調製したも
のを用いてもよいが、市販されている乳清カルシウムを
用いてもよい。
【0017】上述の方法により製造することのできる本
発明の亜鉛高含有乳清ミネラルとして、下記条件下で測
定したとき、蛋白質を10〜500g/kg、好ましく
は10〜300g/kgおよび、灰分を500〜990
g/kg、好ましくは500〜900g/kg含有して
なる乳清ミネラルであって、亜鉛を0.8g/kg、好
ましくは2.4g/kg、さらに好ましくは3.6g/
kg以上含有する乳清ミネラルをあげることができる。
【0018】本発明の亜鉛高含有乳清ミネラルの亜鉛含
有量は、乳清ミネラル溶液の灰分の濃度、pH等を調整
することにより、また乳清ミネラルの水性媒体への溶
解、不溶化を繰り返すことにより、選択的に高めること
ができるため、上限値に特に限定はなく、亜鉛を20g
/kg以上含有する乳清ミネラルを得ることも可能であ
る。
【0019】本発明の亜鉛高含有乳清ミネラルは、カル
シウム含有量が亜鉛含有量の75倍以下の、好ましくは
60倍以下の、さらに好ましくは50倍以下である亜鉛
高含有乳清ミネラルであることが望ましい。本発明の亜
鉛高含有乳清ミネラルにおいて、蛋白質とはカゼインま
たは乳清蛋白質をいう。
【0020】亜鉛含有量は、亜鉛量、乾燥前の乳清ミネ
ラル重量および乾燥後(105℃で4時間乾燥した後)
の乳清ミネラル重量から、下式を用いて算出する。 亜鉛含有量(g/kg)=亜鉛量(g/kg)×(乾燥
前の乳清ミネラル重量/乾燥後の乳清ミネラル重量) カルシウム含有量も亜鉛含有量の測定方法と同様な方法
を用いて算出する。
【0021】蛋白質含有量は、亜鉛量を蛋白質量に代え
る以外は、亜鉛含有量と同じ式を用いて算出する。蛋白
質量は、ケルダール法に従って試料中の窒素含量を測定
し、その値に窒素・蛋白質係数(窒素係数)6.38を
乗じて算出する[衛生試験法・注解 日本薬学会編 金
原出版社、第272頁(1990)]。
【0022】灰分含有量は、亜鉛量を灰分量に代える以
外は、亜鉛含有量と同じ式を用いて算出する。灰分量
は、衛生試験法・注解 日本薬学会編 金原出版社、第
271頁(1990)に記載されている方法に従い、乳
清ミネラルを550℃、12時間灰化後の重量として測
定する。
【0023】本発明の飲食品は、本発明の亜鉛高含有乳
清ミネラルを、飲食品原料に0.1〜4.0%、好まし
くは0.5〜3.5%含有するように添加し、一般的な
飲食品の製造方法を用いることにより、加工、製造する
ことができる。本発明の飲食品には、さらに蛋白質、糖
類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料等を配
合してもよい。
【0024】亜鉛高含有乳清ミネラルを添加する飲食品
としては、清涼飲料水、茶類、乳酸菌飲料、冷菓、乳、
乳製品(バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂乳
等)、畜肉、畜肉製品(ハム、ソーセージ、ハンバーグ
等)、魚肉、魚肉製品(蒲鉾、竹輪、さつま揚げ、ソー
セージ等)、卵、卵製品(だし巻き、卵豆腐等)、菓子
類(クッキー、ゼリー、スナック菓子等)、パン類、麺
類、漬物類、燻製品、干物、佃煮、塩蔵品、スープ類、
調味料等、いずれの飲食品であってもよい。
【0025】本発明の飲食品の形態としては、通常の飲
食品の形態(栄養強化飲食品)の他、液状栄養組成物、
自然流動食、半消化態栄養食、成分栄養食、ドリンク栄
養食等、いずれの形態であってもよい。本発明の飲食品
は、成人の亜鉛摂取量として8〜16mg/日となるよ
うに摂取することが好ましい。
【0026】本発明の亜鉛高含有乳清ミネラル剤は、錠
剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、
腸溶剤、トローチ剤、ドリンク剤等いずれの剤形のもの
でもよい。本発明の剤の投与形態は特に限定されない
が、経口投与が好ましい。経口投与の場合は、本発明の
亜鉛高含有乳清ミネラルを、そのまま剤として投与して
もよいが、食品または医薬として許容できる賦形剤とと
もに、一般的な製剤方法を用いて製剤化したものを投与
してもよい。
【0027】賦形剤としては、ソルビトール、ラクトー
ス、グルコース、乳糖等の糖類、デキストリン、澱粉、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物、結晶セル
ロース、蒸留水、ゴマ油、トウモロコシ油、オリーブ
油、綿実油等、一般に使用されているものであれば、い
ずれも用いることができる。製剤化する際には、結合
剤、滑沢剤、分散剤、懸濁剤、乳化剤、希釈剤、緩衝
剤、抗酸化剤、細菌抑制剤等の添加剤を用いることがで
きる。
【0028】投与量は、年齢、性別、疾患の程度、投与
形態、投与回数、剤形等により異なるが、成人を対象と
する経口投与の場合、亜鉛摂取量として8〜16mg/
日となるように1〜4回に分けて投与するのが適当であ
る。また、必要に応じて上記制限外の投与量を用いるこ
ともできる。以下に、実施例を示す。
【実施例】
【0029】実施例1 乳清カルシウム(ALAMIN995、New Zea
land DairyBoard製)を脱イオン水10
0mlにそれぞれ0.1%、1%、4%および10%に
なるように添加し、マグネティックスターラーで攪拌し
ながら、20%塩酸にてpHを3.0、3.5、4.
0、4.5、5.0、5.5および6.0にそれぞれ調
整して乳清ミネラル溶液を得た。各pHに調整した乳清
ミネラル溶液を20℃、18時間静置した後、遠心分離
により不溶物を回収し、得られた不溶物を熱風で乾燥さ
せて、亜鉛高含有乳清ミネラルを得た。亜鉛高含有乳清
ミネラルの亜鉛含有量およびカルシウム含有量を測定し
た。
【0030】亜鉛量は、衛生試験法・注解、第271頁
(1990)に記載されている方法に従い、亜鉛高含有
乳清ミネラルを550℃、12時間灰化後、原子吸光分
光光度法にて分析した。亜鉛含有量は、亜鉛量、乾燥前
の乳清ミネラル重量および乾燥後(ここでは、105℃
で4時間乾燥した後)の乳清ミネラル重量から、下式を
用いて算出した。 亜鉛含有量(g/kg)=亜鉛量(g/kg)×(乾燥
前の乳清ミネラル重量/乾燥後の乳清ミネラル重量) カルシウム含有量も亜鉛含有量の測定方法と同様な方法
を用いて算出した。
【0031】結果を図1に示す。
【0032】実施例2 乳清カルシウム(ALAMIN995、New Zea
land DairyBoard製)を脱イオン水10
0mlに2%になるように添加し、マグネティックスタ
ーラーで攪拌しながら、20%塩酸にてpHを3.5、
3.8、4.0、4.5、5.0および5.5にそれぞ
れ調整して乳清ミネラル溶液を得た。各pHに調整した
乳清ミネラル溶液を20℃、18時間静置した後、遠心
分離により不溶物を回収し、得られた不溶物を熱風で乾
燥させて、亜鉛高含有乳清ミネラルを得た。亜鉛高含有
乳清ミネラルの亜鉛含有量、カルシウム含有量およびカ
ルシウム/亜鉛比を第1表に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例3 乳清カルシウム(ALAMIN995、New Zea
land DairyBoard製)3gを脱イオン水
300mlに添加し、室温、30、40、50および6
0℃にした後、マグネティックスターラーで攪拌しなが
ら、20%塩酸にてpHを4.2に調整して乳清ミネラ
ル溶液を得た。乳清ミネラル溶液を各温度で一晩放置し
た後、遠心分離により不溶物を回収し、得られた不溶物
を熱風で乾燥させて、亜鉛高含有乳清ミネラルを得た。
亜鉛高含有乳清ミネラルの乳清カルシウムに対する回収
率、ならびに亜鉛含有量、カルシウム含有量およびカル
シウム/亜鉛比を第2表に示す。
【0035】
【表2】
【0036】実施例4 乳清カルシウム(ALAMIN995、New Zea
land DairyBoard製)10gを脱イオン
水1Lに添加し、マグネティックスターラーで攪拌しな
がら、20%塩酸にてpHを4.35に調整した。20
℃、18時間静置した後、遠心分離により回収した不溶
物を熱風により乾燥して、亜鉛高含有乳清ミネラルを得
た(以下、乳清ミネラルAと呼ぶ)。
【0037】乳清ミネラルAを脱イオン水に1%になる
ように添加し、pHを4.05に調整して乳清ミネラル
溶液を得た。乳清ミネラル溶液を20℃、18時間静置
した後、遠心分離により不溶物を回収し、得られた不溶
物を熱風で乾燥させて、亜鉛高含有乳清ミネラルを得た
(以下、乳清ミネラルBと呼ぶ)。乳清ミネラルBを脱
イオン水に1%になるように添加し、pHを3.95に
調整して乳清ミネラル溶液を得た。乳清ミネラル溶液を
20℃、18時間静置した後、遠心分離により不溶物を
回収し、得られた不溶物を熱風で乾燥させて、亜鉛高含
有乳清ミネラルを得た(以下、乳清ミネラルCと呼
ぶ)。
【0038】乳清ミネラルA、BおよびCの乳清カルシ
ウムに対する回収率、亜鉛含有量、カルシウム含有量お
よびカルシウム/亜鉛比をそれぞれ第3表に示す。
【0039】
【表3】
【0040】実施例5 乳清カルシウム(ALAMIN995、New Zea
land DairyBoard製)100gを脱イオ
ン水9.8Lに添加し、攪拌しながら20%塩酸でpH
を4.2に調整し、乳清ミネラル溶液を得た。乳清ミネ
ラル溶液を20℃、18時間静置した後、遠心分離によ
り不溶物を回収し、得られた不溶物を熱風で乾燥させ
て、亜鉛高含有乳清ミネラル15.2gを得た。
【0041】亜鉛高含有乳清ミネラルおよび乳清カルシ
ウムについて、成分分析を行った。灰分量は、衛生試験
法・注解 日本薬学会編 金原出版社、第271頁(1
990)に記載されている方法に従い、乳清ミネラルを
550℃、12時間灰化後の重量として測定した。灰分
含有量は、亜鉛量を灰分量に代える以外は、亜鉛含有量
と同じ式を用いて算出した。
【0042】蛋白質量は、ケルダール法に従って試料中
の窒素含量を測定し、その値に窒素・蛋白質係数(窒素
係数)6.38を乗じて算出した[衛生試験法・注解
日本薬学会編 金原出版社、第272頁(199
0)]。蛋白質含有量は、亜鉛量を蛋白質量に代える以
外は、亜鉛含有量と同じ式を用いて算出した。
【0043】脂質量は、試料を塩酸溶液にて分解した後
エーテル及び石油エーテルにて脂肪の抽出を行い、全抽
出液を合わせて溶剤を除去した後、約100℃で乾燥さ
せた後の重量とした[衛生試験法・注解 日本薬学会編
金原出版社、第323頁(1990)]。脂質含有量
は、亜鉛量を脂質質量に代える以外は、亜鉛含有量と同
じ式を用いて算出した。
【0044】結果を第4表に示す。
【0045】
【表4】
【0046】実施例6 1500ml(1500kcal)当りの亜鉛含有量が
2.5mgである液状栄養組成物に、実施例5で調製し
た亜鉛高含有乳清ミネラル、カキニクエキス(亜鉛含量
2g/kg)、海藻粉末(亜鉛含量31g/kg)をそ
れぞれ添加して、1500ml当りの亜鉛含有量が8m
gである液状栄養組成物を調製した。なお、亜鉛を添加
しない液状栄養組成物を無添加区とした。
【0047】添加区の製法は以下のとおりである。40
℃の温水8.4kgにカゼインナトリウム0.4kg、
デキストリン1.5kg、脂肪酸モノグリセリド0.0
1kg、亜鉛を含まないミネラル混合物(ナトリウム
15g、カリウム10g、マグネシウム2g、リン4
g、鉄90mg、カルシウムは各試験区ともに1500
mlあたり600mgになるように調整した)0.09
kg、ビタミン混合物(ビタミンA 15000IU、
ビタミンB1 10mg、ビタミンB2 10mg、ビ
タミンB6 20mg、ビタミンB12 20μg、ビ
タミンC 400mg、ビタミンD3 1000IU、
ビタミンE 150mg、ナイアシン 100mg、パ
ントテン酸 100mg、葉酸 50μg)0.01k
gを溶解し、さらに実施例5で調製した亜鉛高含有乳清
ミネラル8.3g、カキニクエキス18gおよび海藻粉
末1.2gをそれぞれ溶解した。各溶解液に菜種油0.
14kg、コーン油0.09kgを加え、TKホモミキ
サーで予備乳化を行い、次いで高圧ホモジナイザー(4
00Kg/cm2)により均質化を行い、1kcal/
mlの液状栄養組成物10Lを調製した。
【0048】各試験区の液状栄養組成物について、12
1℃で10分間滅菌した後、専門パネラー5名による官
能検査を実施した。なお、官能評価は1点から5点まで
の5段階評価で行い、数字が大きくなるほど良好なこと
を示す。結果を第5表に示す。
【0049】
【表5】 亜鉛高含有乳清ミネラル添加区は無添加区と同様に良好
な風味を示した。
【0050】実施例7 酸性カルシウム飲料に、実施例5で調製した亜鉛高含有
乳清ミネラル、カキニクエキス(亜鉛含量2g/k
g)、海藻粉末(亜鉛含量31g/kg)を、それぞれ
酸性カルシウム飲料100ml当たり3mgとなるよう
に添加した。なお、亜鉛を添加しない酸性カルシウム飲
料を無添加区とした。
【0051】添加区の製法は以下のとおりである。水に
ショ糖12g、クエン酸0.6g、アスコルビン酸0.
5g、乳酸カルシウム1.2g、香料を溶解して100
mlとした。得られた溶液に、実施例5で調製した亜鉛
高含有乳清ミネラル0.7g、カキニクエキス1.5g
および海藻粉末0.1gをそれぞれ溶解して酸性カルシ
ウム飲料を調製した。なお、亜鉛高含有乳清ミネラル添
加区のカルシウム含有量は、乳酸カルシウムの添加量を
調整することで他の試験区のものにあわせた。
【0052】各試験区の酸性カルシウム飲料について、
90℃で10分間加熱殺菌した後、専門パネラー5名に
よる官能評価を実施した。結果を第6表に示す。
【0053】
【表6】 亜鉛高含有乳清ミネラル添加区は無添加区と同様に良好
な風味を示した。
【0054】実施例8 クッキーに実施例5で調製した亜鉛高含有乳清ミネラ
ル、カキニクエキス(亜鉛含量2g/kg)、海藻粉末
(亜鉛含量31g/kg)をそれぞれ添加して、5枚当
り亜鉛添加量が5mgであるクッキーを調製した。な
お、亜鉛を添加しないクッキーを無添加区とした。
【0055】添加区の製法は以下のとおりである。無塩
バター90gをクリーム状に練りグラニュー糖55g、
牛乳5mlを添加しさらに混合して、混合物を得た。薄
力粉130g、ベーキングパウダー0.6g、亜鉛高含
有乳清ミネラル3.4g(カキニクエキス7.5g、海
藻粉末0.48g)を合わせて篩った後、混合物に加え
て軽く混合し、5℃で30分放置後、20cm×25c
mにめん棒で伸ばし、7cm×5cmの生地15枚を調
製した。生地は170℃のオーブンで15分間焼成して
クッキーを調製した。
【0056】各試験区のクッキーにつき、専門パネラー
5名による官能評価を実施した。結果を第7表に示す。
【0057】
【表7】 亜鉛高含有乳清ミネラル添加区は無添加区と同様に良好
な風味を示した。 実施例9 実施例5で調製した亜鉛高含有乳清ミネラル50gに、
乳糖47gおよび滑沢剤3gを加えて混合した後に打錠
し、錠剤を調製する。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、風味が良好であり飲食
品などに幅広く添加できる亜鉛高含有乳清ミネラルを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 乳清ミネラル溶液の濃度およびpHが、亜鉛
高含有乳清ミネラルの亜鉛含有量に及ぼす影響を示す図
である。
【符号の説明】
−●− 0.1% 乳清カルシウム −■− 1% 乳清カルシウム −△− 4% 乳清カルシウム −×− 10% 乳清カルシウム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 2/38 A61K 33/30 ADD // A61K 33/30 ADD A23L 2/00 F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛を0.8g/kg以上含有する乳清
    ミネラル。
  2. 【請求項2】 蛋白質を10〜500g/kgおよび灰
    分を500〜990g/kg含有してなる、請求項1記
    載の乳清ミネラル。
  3. 【請求項3】 カルシウム含有量が亜鉛含有量の75倍
    以下である、請求項1または2記載の乳清ミネラル。
  4. 【請求項4】 乳清ミネラル溶液をpH3.0〜6.0
    に調整し、生成した不溶物を採取することを特徴とす
    る、亜鉛を0.8g/kg以上含有する乳清ミネラルの
    製造法。
  5. 【請求項5】 乳清ミネラル溶液が酸ホエイ由来の乳清
    ミネラル溶液である、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 カルシウム含有量が亜鉛含有量の75倍
    以下である、請求項4または5記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳
    清ミネラルを含有してなる飲食品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の乳
    清ミネラルを含有してなる亜鉛高含有乳清ミネラル剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006114840A1 (ja) * 2005-04-08 2006-11-02 Snow Brand Milk Products Co., Ltd. 乳蛋白質を含有する鉄組成物
JP2009284848A (ja) * 2008-05-30 2009-12-10 Q P Corp ナトリウム高含有流動食
JP2012239392A (ja) * 2011-05-16 2012-12-10 Japan Organo Co Ltd 食肉加工用の塩漬剤製剤及び塩漬用液

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