JPH10189344A - チップインダクタ - Google Patents

チップインダクタ

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JPH10189344A
JPH10189344A JP8345241A JP34524196A JPH10189344A JP H10189344 A JPH10189344 A JP H10189344A JP 8345241 A JP8345241 A JP 8345241A JP 34524196 A JP34524196 A JP 34524196A JP H10189344 A JPH10189344 A JP H10189344A
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Insulating Of Coils (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、Q値、自己共振周波数が高
く、基板実装時に外部磁界の影響を受けにくく、耐熱温
度の高いチップインダクタを提供するものである。 【解決手段】樹脂系誘電体と帯状導体コイルと外部端子
電極とを有するチップインダクタであって、前記樹脂系
誘電体は、単量体として少なくともフマル酸ジエステル
を含む単量体組成物を重合して得られた高分子材料から
成ることを特徴とするチップインダクタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高周波帯域で使用
されるようなインダクタ、詳しくは携帯電話等の移動体
通信機器に用いられる表面実装型チップインダクタに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機で代表されるような無
線機器の高周波化及び小型化が強力に推し進められる中
で、小型で高周波領域まで動作し、高いQ値を持ち、表
面実装が可能なチップインダクタへの要求が一層強まっ
ている。
【0003】この目的のために、図11に示すような積
層型チップインダクタや図12に示すような巻線型チッ
プインダクタが使用される。
【0004】積層型チップインダクタは、Ni−Cu−
Znフェライト等の磁性体6とAg等からなる内部電極
7と外部端子電極8からなる。そして、これは低温焼結
性の磁性体ペースト61と導体ペースト71とを図13
に示すような方法で反復印刷し、900℃程度で焼成し
て製造されている。
【0005】前述の方法で製造された積層型チップイン
ダクタは非常に小型で、インダクタンスも大きな値が得
られ、耐熱性にも優れている。
【0006】一方、巻線型チップインダクタは、磁性体
又は誘電体のコア9にφ0.1mm以下の金属線10を
巻き、樹脂11で外装し端子12を付けたものであり、
大きなインダクタンスが得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記積
層型チップインダクタは、Q値が低く自己共振周波数も
低いので、携帯電話機のように使用周波数の高い無線機
器内のインダクタとしては不適当であった。この素子の
Q値が低くなるのは、導体を焼結法で形成するためバル
ク金属より導電率が低くなるために、導体のQ値が低く
なるからである。また、自己共振周波数が低くなるの
は、導体を支持するセラミックスの比誘電率が大きいた
め(比誘電率は4〜5程度以上)巻線間の浮遊容量が大
きくなるからである。
【0008】一方、巻線型チップインダクタは、大きな
インダクタンスが得られるが、外装に使用する樹脂の軟
化温度が180〜200℃程度であるために、リフロー
ハンダ付け法により基板に実装する(通常230℃程度
まで昇温する)場合、部品の外装が軟化している時間を
生じることになり、そのときの取り扱いに慎重を期する
必要がある。また、耐熱温度が240℃程度であり、融
点の高いハンダは使用することができない。
【0009】そこで、本発明はQ値、自己共振周波数が
高く、実装時に外部磁界の影響を受けにくく、耐熱温度
の高いチップインダクタを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は下記
(1)〜(5)の構成により達成できる。
【0011】(1)樹脂系誘電体と帯状導体コイルと外
部端子電極とを備えたチップインダクタであって、前記
樹脂系誘電体は、単量体として少なくともフマル酸ジエ
ステルを含む単量体組成物を重合して得られた高分子材
料から成ることを特徴とするチップインダクタ。
【0012】ここで、樹脂系誘電体とは、少なくとも外
装部分、場合によってはコア部分も含めたものをさす。
【0013】(2)前記樹脂系誘電体は、比誘電率3以
下、耐熱温度270℃以上であることを特徴とする
(1)に記載のチップインダクタ。
【0014】ここで、耐熱温度とは、加熱し常温に冷却
した場合に電気的、機械的特性等が著しく劣化しはじめ
る温度のことをいう。換言すれば樹脂が非可逆的に変質
する温度である。
【0015】(3)前記帯状導体コイルは、銅を主成分
とする金属導体材料により形成されていることを特徴と
する(1)又は(2)に記載のチップインダクタ。
【0016】(4)前記帯状導体コイルの幅方向がコイ
ルの径方向と一致するように巻き回されていることを特
徴とする(1)〜(3)に記載のチップインダクタ。
【0017】(5)コイルの中心軸が外部端子電極面と
直交していることを特徴とする(1)〜(4)に記載の
チップインダクタ。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係るチップインダクタ
は、前記のように、樹脂系誘電体と帯状導体コイルと外
部端子電極とを有するチップインダクタであって、前記
樹脂系誘電体は、単量体として少なくともフマル酸ジエ
ステルを含む単量体組成物を重合して得られたものであ
り、フマル酸ジエステルから誘導される繰り返し単位を
有するフマレート系重合体(フマレート系樹脂)であ
る。
【0019】このフマレート系樹脂は、特願平8−42
073号(未公開)の明細書中に記載したものであり、
これは主に基板用材料として用いられるものであり、比
誘電率、誘電正接が低く耐熱温度が高い特徴がある。本
発明はこの樹脂をインダクタの外装用樹脂やコアとして
使用し、かつ、帯状導体コイルを用いることを特徴とし
ている。そして、このインダクタは、高いQ値を持ち、
数GHzの高周波まで使用が可能となる。
【0020】ここで、前記フマレート樹脂は、比誘電率
が3以下、好ましくは1〜3で、耐熱温度が270℃以
上、好ましくは270℃〜350℃である。前記誘電率
を持つことにより自己共振周波数を高くすることがで
き、高周波領域での使用が可能となる。また、上記耐熱
温度とすることにより、リフローハンダ付け法により基
板へ装着する場合、外装が軟化することなく、また比較
的融点の高いハンダ(近年は環境問題等から融点を低く
する効果のあるPbを含有しないハンダの使用が必要と
される)も使用することができる。
【0021】具体的には、例えば、ジ−シクロヘキシル
フマレートモノ重合体、ジ−イソプロピルフマレート/
ジ−シクロヘキシルフマレート共重合体、ジ−シクロヘ
キシルフマレート/ジ−sec−ブチルフマレート共重
合体、ジ−イソプロピルフマレート/ジ−sec−ブチ
ルフマレート共重合体、ジ−シクロヘキシルフマレート
/tert−ブチルビニルベンゾエート等が挙げられ
る。
【0022】この樹脂は注型性能も優れており、常温で
注型出来るので製造が容易であると共に、積層型チップ
インダクタのように高熱処理をする必要が無く、コイル
を形成する帯状導体線に抵抗値の低いバルクの金属を使
用することができる。
【0023】ここで、コイルを形成する導体線には帯状
のものを用いるが、これは、同一材質、同一断面積の丸
線と比べれば、その抵抗率を下げることなく、単位長さ
当たりの巻数を多くすることができより大きなインダク
タンスを得ることができる、更に高周波で使用する場
合、表皮効果により、同一断面積の丸線と比べて単位長
さ当たりの表面積が大きい帯状の方が抵抗が少なくなる
ためである。
【0024】帯状導体線の材質は、通常のコイル用の材
質を用いれば良く、例えばCu、Au、Ag、Fe、P
t、Sn、Ni、Pb、Al、Coまたはそれらの合金
等を用いることがでる。その中でも、導電率やコストの
面を考えると、Cuを主成分とする合金が好ましく、特
にCuを使用することが好ましい。これは、リフロー炉
の処理温度は通常Cuの焼鈍温度以上であり、巻線時の
機械加工によるストレスで硬銅化したCuがリフロー炉
による加熱で軟銅化し(軟銅化温度210℃)、導体抵
抗が低下して一層Q値が上昇することも期待できるため
である。これは、導体にバルクの金属を用いたときの特
徴で、この様な効果は焼結金属によるチップインダクタ
では期待しがたい。
【0025】本発明に係るチップインダクタの製造方法
を図1を参照しながら詳細に説明する。
【0026】第一工程(図1(a))として、フマレー
ト系樹脂からなる丸棒(コア)1に帯状導体線2を所定
の巻数を巻く。
【0027】ここで、帯状導体線を用いた場合、コイル
を巻く方法には、帯状導体線の広い面と丸棒(コア)の
側面とを接するように巻く方法(図示しない)と、帯状
導体線の狭い面と丸棒(コア)1の側面とを接するよう
に巻く方法、(図1(a))即ち、コイルの幅方向がコ
イルの径方向と一致するように巻く方法(これをエッジ
ワイズに巻くとする)の二通りあるが、特に、後者の巻
き方、即ち、エッジワイズに巻くことが好ましい。これ
は、単位長さ当たりの巻数が最も多くなり、小型で大き
なインダクタンスの素子を得ることができるからであ
る。エッジワイズに巻く場合、帯状導体線を前記のごと
く巻いてもよいし、通常の丸線をらせん状に巻いたもの
を押しつぶして帯状にしてもよい。
【0028】また、導電線の表面には、フマレート系樹
脂、好ましくは、誘電体として使用する樹脂と同じ樹脂
を塗布して互いに接触しないように絶縁処理してある。
【0029】第二工程(図1(b))として、線端をコ
イルの巻方向に折り曲げてリード部分21を設けて、所
定の長さになるように丸棒(コア)1を切断し、巻線し
たコイル3を作成する。
【0030】第三工程(図1(c))として、巻線した
コイル3を注型に入れて、液状のフマレート系樹脂を注
ぎ、乾燥することにより外装樹脂4を硬化させる。ここ
で、使用するフマレート系樹脂は、丸棒(コア)1と同
じものでもよいし異なるものでもよい。
【0031】液状のフマレート系樹脂は、前記フマレー
ト系樹脂を溶剤に溶解させたポリマー溶液である。ここ
で、使用することのできる溶剤としては、例えば、ベン
ゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、テトラ
ヒドロフラン(THF)、クロロホルム、酢酸エチル等
の溶剤から適宜選択し溶解することにより得ることがで
きる。
【0032】この濃度は特に制限はないが、作業性を考
慮するとフマレート系樹脂が、5〜30重量%の範囲で
含まれるのが好ましい。
【0033】乾燥温度は使用する溶剤により適宜選択さ
れ、室温(15〜30℃程度)又は40〜60℃程度と
してもよい。
【0034】第四工程(図1(d))として、端子側の
面を研磨してリード部21の線端を露出させ、両端に外
部端子電極5を付ける。
【0035】両端に付ける外部端子電極5は、金属導体
膜を接着してもよいし、真空蒸着法、無電解メッキ等に
より形成してもよい。
【0036】端子電極の材質は、Cuを主成分とするも
の等が挙げられる。また、外部端子電極にはハンダ耐熱
性やハンダ濡れ性を考慮してNi、Sn等のメッキによ
り形成してもよい。
【0037】以上、製造工程の一例を記述したが、これ
に限定することはなく、例えば、前記のようなフマレー
ト系樹脂の丸棒(コア)を使用せずに、フォーミングに
よりエッジワイズのコイル部分を成形し、又は、コイル
の導体材料となる金属板を順送型等によりエッジワイズ
のコイル部分及び端子部分をも含めて成形し、注型に入
れてフマレート系樹脂を注ぎ固める製造方法も可能であ
る。
【0038】なお、図1(c)に示すように、コイルの
中心軸3aが外部端子電極面5aを貫通する構造とする
ことで基板実装時の自由度を与えることが好ましい。こ
れは、以下の理由からによる。積層型チップインダクタ
等のように、コイルの中心軸が端子間を貫通する軸と直
交するものは、高周波回路用基板に実装した場合、基板
実装時にコイルの中心軸が基板面に対して垂直となるの
で、基板上に形成された配線パターン等によっては、こ
れより発生する磁界により相互に影響を受けることとな
り、実装方向によりインダクタンスが変化することとな
る。しかし、コイルの中心軸が外部端子電極面を貫通す
る構造とすることで、高周波回路用基板に実装した場
合、基板上に形成された配線パターン等により発生する
磁界により影響を受けにくく、実装方向によるインダク
タンスが変化を少なくことができるからである。
【0039】また、図2に示すように、コイルの中心軸
3bと外部端子電極面5bが平行となるような構造も可
能なのは自明である。前記のように磁界の影響を受けや
すくなるが、このような構造を採れば高さ寸法を1mm
以下に設計することも容易である。
【0040】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例を示す。
【0041】チップインダクタの樹脂系誘電体の材料と
してフマレート系樹脂は、ジ−シクロヘキシルフマレー
トモノ重合体、ジ−イソプロピルフマレート/ジ−シク
ロヘキシルフマレート共重合体、ジ−シクロヘキシルフ
マレート/ジ−sec−ブチルフマレート共重合体の4
種類を使用した。表1にそれぞれの比誘電率、静電正
接、軟化温度及び耐熱温度を示す。
【0042】ここで、比誘電率、静電正接は前記樹脂を
12cm×2.0mm×2.0mmの基板状にして、摂
動法により測定した。軟化温度は、JISK7126に
準拠したTMA100(セイコー電子工業(株)製)を
用いて測定した。耐熱温度は、所定の温度に設定したハ
ンダ槽に浸漬し外観、変形、膨れ、クラック、溶融の目
視及びデバイスの電気的、機械的特性の測定により、劣
化が見られたときの温度とした。
【0043】
【表1】
【0044】(実施例1)本発明による第一実施例のチ
ップインダクタについて説明する。
【0045】製造方法の詳細を図1を用いて説明する。
【0046】a)フマレート系樹脂(ジ−シクロヘキシ
ルフマレートモノ重合体)の直径1.0mmの丸棒(コ
ア)1に幅0.2mm、厚さ35μmの銅からなる帯状
導体線2をエッジワイズに8回巻く(図は見やすくする
ため5回巻いてある)。なお、銅からなる帯状導体線2
の表面にはフマレート系樹脂(ジ−シクロヘキシルフマ
レートモノ重合体)を厚さ約100μm塗布して互いに
接触しないように絶縁処理してある。このとき、樹脂濃
度は15〜30重量%程度にして樹脂に柔軟性を与えた
状態でスパイラル状にコイルを巻く。
【0047】b)線端をコイルの巻方向に折り曲げリー
ド部21を設け、丸棒(コア)1を長さ2.5mmに切
断し巻線したコイル3を作成する。
【0048】c)巻線したコイル3を注型に入れて、フ
マレート系樹脂(ジ−シクロヘキシルフマレートモノ重
合体)の溶液を注ぎ、室温中で乾燥し、硬化した樹脂を
型より取りだす。ここで、ポリマー溶液の溶剤はトルエ
ン使用し、樹脂濃度を15重量%程度とした。
【0049】d)端子側の面を研磨してリード端子部2
1の線端を露出させ、両端に銅箔からなる外部端子電極
4を付ける。
【0050】この様にして製造された略直方体(縦、
横、高さ2.5×2.0×1.8mm)の本発明に係る
チップインダクタのインピーダンス周波数特性(図3)
及び自己共振周波数(図5)を測定した。また、比較の
ために従来のチップインダクタとして、前記本発明に係
るチップインダクタと同一インダクタンス(33nH
(100MHz))で同様の形状寸法であり、比誘電率
4〜5程度で軟化温度が180℃〜200℃であるジア
リルフタレート系樹脂を用いたものについてもインピー
ダンス周波数特性(図4)及び自己共振周波数(図6)
を測定した。
【0051】素子定数測定の結果、本発明に係るチップ
インダクタのQ値(100MHz)は32であり、本発
明に係るチップインダクタと同じインダクタンス、同形
状寸法である従来のインダクタのQ値(100MHz)
24より33%高い値であった。
【0052】また、本発明によるチップインダクタの自
己共振周波数は、3.0GHz以上であり、本発明に係
るチップインダクタと同じインダクタンス、同形状寸法
である従来のインダクタの自己共振周波数1.8GHz
より60%以上高い値を示した。
【0053】(実施例2)次に本発明による第二実施例
のチップインダクタについて説明する。
【0054】第二のチップインダクタは、コイルの巻数
を四回巻きとした以外は実施例1と同様の製造方法、寸
法等により作成した。比較例としても、第二実施例のチ
ップインダクタと同一インダクタンス(12nH(10
0MHz))で同様の形状寸法であり、比誘電率4〜5
程度で軟化温度が180℃〜200℃であるジアリルフ
タレート系樹脂を用いたものについても測定した。
【0055】また、評価についても実施例1と同様に第
二実施例のチップインダクタについてのインピーダンス
周波数特性(図7)及び自己共振周波数(図9)を測定
し、比較例についてもインピーダンス周波数特性(図
8)及び自己共振周波数(図10)を測定した。
【0056】素子定数測定の結果、本発明に係るチップ
インダクタのQ値(100MHz)は33であり、本発
明に係るチップインダクタと同じインダクタンス、同形
状寸法である従来のインダクタのQ値(100MHz)
19より70%高い値であった。
【0057】また、本発明によるチップインダクタの自
己共振周波数は、6.7GHz以上であり、本発明に係
るチップインダクタと同じインダクタンス、同形状寸法
である従来のインダクタの自己共振周波数3.2GHz
より2倍以上と遙かに高い値を示した。
【0058】これは従来のチップインダクタでは層間や
線間の間隔が構造的に決まっており、同構造のチップイ
ンダクタで求められる定数が小さい場合でも層間や線間
の間隔は同じで巻き数のみが少なくなっている場合が多
いが、本実施例に於いては同じ形状で巻き数が少ない場
合層間の間隔を容易に広げることができるため単位巻き
数当たりの線間容量を小さくすることが可能であり、自
己共振周波数を飛躍的に高くすることができるためであ
る。
【0059】なお、実施例にはジ−シクロヘキシルフマ
レートモノ重合体を用いてインダクタ素子を作成した場
合のみの諸特性について示したが、ジ−イソプロピルフ
マレート/ジ−シクロヘキシルフマレート共重合体、ジ
−シクロヘキシルフマレート/ジ−sec−ブチルフマ
レート共重合体を用いた場合も同様に高いQ値及び高い
自己共振周波数を示した。
【0060】
【発明の効果】本発明に係るチップインダクタは、誘電
体材料にフマレート系樹脂を用いるために、自己共振周
波数が高くなり、高周波までの使用が可能となる。樹脂
の耐熱温度も従来の樹脂に比べ高く、比較的融点の高い
ハンダを使用したリフロー炉処理に対応できる。この樹
脂は注型性能も優れており、常温で注型出来るので製造
が容易であると共に、積層型チップインダクタのように
高熱処理をする必要が無く、コイルを形成する内部導体
に抵抗値の低いバルクの金属を使用することができるの
でQ値が高い。同時に、樹脂モールド成形によれば、セ
ラミック焼結型素子ではよくみられる素体の歪みや剥が
れなどが殆ど発生しない。
【0061】また、エッジワイズにコイルを巻くことに
より単位長さ当たりの巻数を大きくすることができるた
め、小型で大きなインダクタンスを持つインダクタを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る製造工程を示す図である。
【図2】本発明に係るチップインダクタの透過斜視図で
ある。
【図3】第一実施例に係るチップインダクタのインピー
ダンス周波数特性を示す図である。
【図4】第一実施例に対する比較例(33nH)のイン
ピーダンス周波数特性を示す図である。
【図5】第一実施例に係るチップインダクタの自己共振
周波数を示す図である。
【図6】第一実施例に対する比較例(33nH)の自己
共振周波数を示す図である。
【図7】第二実施例に係るチップインダクタのインピー
ダンス周波数特性を示す図である。
【図8】第二実施例に対する比較例(12nH)のイン
ピーダンス周波数特性を示す図である。
【図9】第二実施例に係るチップインダクタの自己共振
周波数を示す図である。
【図10】第二実施例に対する比較例(12nH)の自
己共振周波数を示す図である。
【図11】積層チップインダクタの透過斜視図である。
【図12】巻線型インダクタの透過斜視図である。
【図13】積層チップインダクタの積層工程を示す図で
ある。
【符号の説明】
1;丸棒(コア) 2;帯状導体線 3;巻線したコイル 3a、3b;コイルの中心軸 4、11;外装樹脂 5、8、12;外部端子電極 5a、5b;外部端子電極面 6;磁性体 61;磁性体ペースト 7;内部電極 71;導体ペースト 9;コア 10;金属線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安川 芳行 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティー ディーケイ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂系誘電体と帯状導体コイルと外部端子
    電極とを有するチップインダクタであって、前記樹脂系
    誘電体は、単量体として少なくともフマル酸ジエステル
    を含む単量体組成物を重合して得られた高分子材料から
    成ることを特徴とするチップインダクタ。
  2. 【請求項2】前記樹脂系誘電体は、比誘電率3以下、耐
    熱温度270℃以上であることを特徴とする請求項1に
    記載のチップインダクタ。
  3. 【請求項3】前記帯状導体コイルは、銅を主成分とする
    金属導体材料により形成されていることを特徴とする請
    求項1又は2に記載のチップインダクタ。
  4. 【請求項4】前記帯状導体コイルの幅方向がコイルの径
    方向と一致するように巻き回されていることを特徴とす
    る請求項1〜3に記載のチップインダクタ。
  5. 【請求項5】コイルの中心軸が外部端子電極面と直交し
    ていることを特徴とする請求項1〜4に記載のチップイ
    ンダクタ。
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