JPH10188990A - アルカリ蓄電池用正極の導電剤およびこの導電剤を用いたアルカリ蓄電池用水酸化ニッケル電極 - Google Patents

アルカリ蓄電池用正極の導電剤およびこの導電剤を用いたアルカリ蓄電池用水酸化ニッケル電極

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JPH10188990A
JPH10188990A JP8346343A JP34634396A JPH10188990A JP H10188990 A JPH10188990 A JP H10188990A JP 8346343 A JP8346343 A JP 8346343A JP 34634396 A JP34634396 A JP 34634396A JP H10188990 A JPH10188990 A JP H10188990A
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JP
Japan
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storage battery
ray diffraction
conductive agent
nickel hydroxide
electrode
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JP8346343A
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Hiroyuki Inoue
博之 井上
Masayuki Saito
雅之 斎藤
Takuya Tamagawa
卓也 玉川
Kazuaki Ozaki
和昭 尾崎
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Sanyo Electric Co Ltd
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正極活物質の含有量を減少させることなく正
極活物質間の導電性を向上させる導電剤を得る。 【解決手段】 導電剤として電解液への溶解性が高い金
属コバルト粉末、即ち、X線回析強度I(面間隔d=
1.910)をメインピークに持つ六方最密充填構造と
X線回析強度I0(面間隔d=2.0467)をメイン
ピークに持つ立方最密充填構造との混合体からなり、こ
の混合体のピークX線回析強度比I/I0を0.7以上
とした金属コバルト粉末を用いる。ピークX線回析強度
比I/I0を0.7以上とした金属コバルト粉末を用い
る図1に示すように電極内の導電性が良好に保たれるよ
うになるため、エネルギー密度を低下させることなく活
物質粒子間の導電性を向上させることが可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル・水素蓄電
池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・亜鉛蓄電
池などのアルカリ蓄電池の正極を構成する水酸化ニッケ
ル電極の導電剤の改良に係わり、特に、その導電剤とし
て用いる金属コバルト粉末およびこの金属コバルト粉末
を導電剤として用いた水酸化ニッケル電極に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ蓄電池に使用される正極
活物質としては水酸化ニッケルが知られている。水酸化
ニッケルを正極活物質とするニッケル電極は、ニッケル
・カドミウム蓄電池を中心にして、ニッケル・水素蓄電
池、ニッケル・亜鉛蓄電池などに広く採用されている。
このニッケル電極としては、パンチングメタル等の芯体
にニッケル粉末を焼結して形成した多孔性基板に水酸化
ニッケルよりなる活物質を含浸させる、いわゆる焼結式
ニッケル電極が知られている。
【0003】しかしながら、上記した焼結式ニッケル電
極は、多孔性基板(焼結基板)を高多孔度とした場合に
は機械的強度が弱くなるため、実用的には80%の多孔
度とするのが限界であるとともにパンチングメタル等の
芯体を必要とすることから、活物質の充填密度が低く、
高エネルギー密度のニッケル電極を実現する上で問題が
ある。また、焼結基板の細孔は10μm以下であるの
で、活物質の充填工程を何度も繰り返す必要がある溶液
含浸法や電着含浸法に限定されるため、充填工程が煩雑
であるとともに製造コストも高くなるという問題があ
る。
【0004】一方、これらの欠点を改良するために、芯
体を有さない多孔性の発泡ニッケル(例えば、その多孔
度は95%程度である)等の高多孔度基板に正極活物質
となる水酸化ニッケル粉末を直接充填した、いわゆる非
焼結式ニッケル電極が提案されている。この高多孔度基
板を用いた非焼結式ニッケル電極においては、高多孔度
基板の孔径が大きいために、充填された正極活物質の一
部は高多孔度基板に直接接触できないこととなる。
【0005】つまり、高多孔度基板を用いた非焼結式ニ
ッケル電極は、焼結式電極に比べて高密度に正極活物質
が充填可能であるので、高エネルギー密度化や正極活物
質の充填作業性の向上の面で有利である反面、活物質と
高多孔度基板との相対的な接触面積が小さくなるため、
電極反応に寄与できない正極活物質の割合が増加して、
活物質利用率が減少するという欠点がある。
【0006】この欠点を克服するために、例えば、特開
昭53−41449号公報においては、正極活物質に導
電性粉末やコバルト化合物粉末を添加することが提案さ
れ、特開昭59−18572号公報においては、金属ニ
ッケル粉末(導電性粉末)の表面に金属コバルト層を形
成させることが提案され、特開平1−107453号公
報においては、金属ニッケル粉末(導電性粉末)の表面
にコバルトとニッケルからなる酸化物層を形成すること
が提案された。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各公報にて提案された水酸化ニッケル電極において
は、正極活物質粒子間の導電性が高まるため、活物質利
用率が向上する反面、十分に活物質利用率を高めるため
には正極活物質となる水酸化ニッケルに対してかなりの
量の導電性粉末を添加する必要がある。ところで、導電
性粉末の添加量を増やすと、添加量を増やした分だけ電
極反応に寄与する正極活物質となる水酸化ニッケルの含
有量を減少させる必要があるため、正極活物質のエネル
ギー密度が十分に増加しないという問題を生じる。そこ
で、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、
正極活物質の含有量を減少させることなく正極活物質間
の導電性を向上させる導電剤を得るとともに活物質利用
率が向上した水酸化ニッケル正極を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明はアルカリ蓄電池の正極活物質中に添加する導電剤
であって、上記課題を解決するために、請求項1に記載
の発明においては、導電剤として電解液への溶解性が高
い金属コバルト粉末を用いたことにある。電解液への溶
解性が高い金属コバルト粉末を導電剤として用いると、
金属コバルト粉末は電池内でアルカリ電解液に溶解し、
活物質粒子間を接続する。この状態で充電することによ
り、オキシ水酸化コバルト(CoOOH)が活物質粒子
の表面に析出して導電性ネットワークが形成される。活
物質粒子の表面に析出するオキシ水酸化コバルト(Co
OOH)は高い導電度を有するとともに、ほとんど還元
されないため、充放電を繰り返しても高い導電度を保持
している。したがって、導電剤として電解液への溶解性
が高い金属コバルト粉末を用いると、電極内の導電性が
良好に保たれるようになるため、エネルギー密度を低下
させることなく活物質粒子間の導電性を向上させること
が可能になる。
【0009】請求項2に記載の発明においては、電解液
への溶解性が高い金属コバルト粉末はX線回析強度I
(面間隔d=1.910)をメインピークに持つ六方最
密充填構造とX線回析強度I0(面間隔d=2.046
7)をメインピークに持つ立方最密充填構造との混合体
からなり、かつ、この混合体のピークX線回析強度比I
/I0を0.7以上としたことにある。
【0010】このような六方最密充填構造と立方最密充
填構造との混合体のピークX線回析強度比I/I0
0.7以上の金属コバルト粉末はアルカリ電解液への溶
解性が高いため、正極活物質粒子の表面に析出して導電
性ネットワークが形成される。したがって、このような
金属コバルト粉末を導電剤として用いると、電極内の導
電性が良好に保たれ、エネルギー密度を低下させること
なく活物質粒子間の導電性を向上させることが可能にな
る。
【0011】また、本発明は正極活物質中に導電剤とし
て金属コバルト粉末を添加したアルカリ蓄電池用水酸化
ニッケル電極であって、上記課題を解決するために、請
求項3に記載の発明においては、水酸化ニッケルを主成
分とする粉末に電解液への溶解性が高い金属コバルト粉
末を添加混合したペーストを活物質保持体に担持させた
ことにある。
【0012】このように、電解液への溶解性が高い金属
コバルト粉末を水酸化ニッケルを主成分とする粉末に添
加すると、金属コバルト粉末は電池内でアルカリ電解液
に溶解して活物質の水酸化ニッケル粒子間を接続する。
この状態で充電することにより、オキシ水酸化コバルト
(CoOOH)が活物質の水酸化ニッケル粒子の表面に
析出して導電性ネットワークが形成される。水酸化ニッ
ケル粒子の表面に析出するオキシ水酸化コバルト(Co
OOH)は高い導電度を有するとともに、ほとんど還元
されないため、充放電を繰り返しても高い導電度を保持
している。したがって、導電剤として電解液への溶解性
が高い金属コバルト粉末を用いると、電極内の導電性が
良好に保たれ、活物質利用率を増大させる作用を奏する
ため、活物質利用率がより向上した水酸化ニッケル電極
が容易に得られるようになる。
【0013】請求項4に記載の発明においては、電解液
への溶解性が高い金属コバルト粉末はX線回析強度I
(面間隔d=1.910)をメインピークに持つ六方最
密充填構造とX線回析強度I0(面間隔d=2.046
7)をメインピークに持つ立方最密充填構造との混合体
からなり、かつ、この混合体のピークX線回析強度比I
/I0を0.7以上としたことにある。
【0014】このような六方最密充填構造と立方最密充
填構造との混合体のピークX線回析強度比I/I0
0.7以上の金属コバルト粉末はアルカリ電解液への溶
解性が高いため、正極活物質の水酸化ニッケル粒子の表
面に析出して導電性ネットワークが形成される。したが
って、このような金属コバルト粉末を導電剤として用い
ると、電極内の導電性が良好に保たれ、活物質利用率を
増大させることとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
a.金属コバルト粉末の選択 対陰極としてCuKαを用い、30KVの管電圧を印加
して12.5mAの管電流を流すX線回析条件にて、X
線回析強度I(面間隔d=1.910)をメインピーク
に持つ六方最密充填構造とX線回析強度I0(面間隔d
=2.0467)をメインピークに持つ立方最密充填構
造との混合体からなる金属コバルト粉末のX線回析測定
を行い、ピークX線回析強度比I/I0を求めて実施例
1、実施例2、実施例3および比較例1、比較例2の金
属コバルト粉末とする。
【0016】実施例1 上記したX線回析条件にて測定したピークX線回析強度
比I(d=1.910)/I0(d=2.0467)が
0.7の金属コバルト粉末を実施例1の金属コバルト粉
末とする。
【0017】実施例2 上記したX線回析条件にて測定したピークX線回析強度
比I(d=1.910)/I0(d=2.0467)が
1.0の金属コバルト粉末を実施例2の金属コバルト粉
末とする。
【0018】実施例3 上記したX線回析条件にて測定したピークX線回析強度
比I(d=1.910)/I0(d=2.0467)が
1.5の金属コバルト粉末を実施例3の金属コバルト粉
末とする。
【0019】比較例1 上記したX線回析条件にて測定したピークX線回析強度
比I(d=1.910)/I0(d=2.0467)が
0.3の金属コバルト粉末を比較例1の金属コバルト粉
末とする。
【0020】比較例2 上記したX線回析条件にて測定したピークX線回析強度
比I(d=1.910)/I0(d=2.0467)が
0.5の金属コバルト粉末を比較例2の金属コバルト粉
末とする。
【0021】なお、通常の金属コバルト粉末はピークX
線回析強度比I(d=1.910)/I0(d=2.0
467)が0.3〜0.5程度であり、比較例1,2の
金属コバルト粉末は通常に用いられる金属コバルト粉末
である。
【0022】b.水酸化ニッケル活物質の作製 水酸化ナトリウム水溶液とアンモニア水との第1混合溶
液に硝酸ニッケル水溶液を加えて撹拌、混合して第2混
合溶液とする。この後、得られた第2混合溶液を濾過し
た後、水洗し、乾燥を行って、水酸化ニッケルを得る。
この場合、第2混合溶液全体のpHが11となるように
硝酸ニッケル水溶液、水酸化ナトリウム水溶液およびア
ンモニア水の添加量を調整する必要がある。
【0023】c.水酸化ニッケル電極の作製 実施例1 上述したように作製した水酸化ニッケル90重量部と実
施例1の金属コバルト粉末10重量部と純水を混合、混
練してペーストを作製する。このようにして作製したペ
ーストをニッケルメッキした発泡メタルからなる導電性
多孔体に充填し、乾燥して実施例1の水酸化ニッケル電
極を作製する。
【0024】実施例2 上述したように作製した水酸化ニッケル90重量部と実
施例2の金属コバルト粉末10重量部と純水を混合、混
練してペーストを作製する。このようにして作製したペ
ーストをニッケルメッキした発泡メタルからなる導電性
多孔体に充填し、乾燥して実施例2の水酸化ニッケル電
極を作製する。
【0025】実施例3 上述したように作製した水酸化ニッケル90重量部と実
施例3の金属コバルト粉末10重量部と純水を混合、混
練してペーストを作製する。このようにして作製したペ
ーストをニッケルメッキした発泡メタルからなる導電性
多孔体に充填し、乾燥して実施例3の水酸化ニッケル電
極を作製する。
【0026】比較例1 上述したように作製した水酸化ニッケル90重量部と比
較例1の金属コバルト粉末10重量部と純水を混合、混
練してペーストを作製する。このようにして作製したペ
ーストをニッケルメッキした発泡メタルからなる導電性
多孔体に充填し、乾燥して比較例1の水酸化ニッケル電
極を作製する。
【0027】比較例2 上述したように作製した水酸化ニッケル90重量部と比
較例2の金属コバルト粉末10重量部と純水を混合、混
練してペーストを作製する。このようにして作製したペ
ーストをニッケルメッキした発泡メタルからなる導電性
多孔体に充填し、乾燥して比較例2の水酸化ニッケル電
極を作製する。
【0028】d.ニッケル・カドミウム蓄電池の作成 実施例1 このようにして作成した実施例1の水酸化ニッケル電極
と、公知の非焼結式カドミウム電極とをナイロン製セパ
レータを介して渦巻状に巻回して電池缶に挿入し、比重
1.23の水酸化カリウム水溶液を注液してAサイズの
実施例1のニッケル・カドミウム蓄電池を作製する。
【0029】実施例2 このようにして作成した実施例2の水酸化ニッケル電極
と、公知の非焼結式カドミウム電極とをナイロン製セパ
レータを介して渦巻状に巻回して電池缶に挿入し、比重
1.23の水酸化カリウム水溶液を注液してAサイズの
実施例2のニッケル・カドミウム蓄電池を作製する。
【0030】実施例3 このようにして作成した実施例3の水酸化ニッケル電極
と、公知の非焼結式カドミウム電極とをナイロン製セパ
レータを介して渦巻状に巻回して電池缶に挿入し、比重
1.23の水酸化カリウム水溶液を注液してAサイズの
実施例3のニッケル・カドミウム蓄電池を作製する。
【0031】比較例1 このようにして作成した比較例1の水酸化ニッケル電極
と、公知の非焼結式カドミウム電極とをナイロン製セパ
レータを介して渦巻状に巻回して電池缶に挿入し、比重
1.23の水酸化カリウム水溶液を注液してAサイズの
比較例1のニッケル・カドミウム蓄電池を作製する。
【0032】比較例2 このようにして作成した比較例2の水酸化ニッケル電極
と、公知の非焼結式カドミウム電極とをナイロン製セパ
レータを介して渦巻状に巻回して電池缶に挿入し、比重
1.23の水酸化カリウム水溶液を注液してAサイズの
比較例2のニッケル・カドミウム蓄電池を作製する。
【0033】e.電池試験 これらの実施例1〜3および比較例1〜2のニッケル・
カドミウム蓄電池を電極の理論容量に対し0.1Cの電
流で16時間充電し、1時間休止した後、0.2Cの電
流で放電させて、終止電圧が0.6Vになるまでの時間
を測定して各ニッケル・カドミウム蓄電池の放電容量を
求める。このようにして求めた放電容量から以下の数1
の算出式に基づいて各ニッケル・カドミウム蓄電池のエ
ネルギー密度を算出すると以下の表1に示すような結果
となった。
【0034】
【数1】エネルギー密度(mAh/g)=放電容量(m
Ah)/活物質重量(g) なお、表1においては、数1に基づいて算出した比較例
1のニッケル・カドミウム蓄電池を100とし、他のニ
ッケル・カドミウム蓄電池は比較例1のニッケル・カド
ミウム蓄電池に対するエネルギー密度比(%)として求
めた。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1の結果をグラフに示すと図1に示
すようになる。図1より明らかなように、金属コバルト
のピークX線回析強度比I/I0が0.7以上になると
急激にエネルギー密度比が上昇することが分かる。
【0037】この理由は次のように考えることができ
る。即ち、金属コバルト粉末の結晶形態のうち、X線回
析強度I(面間隔d=1.910)をメインピークに持
つ六方最密充填構造の割合が増大するとアルカリ電解液
中への溶解性が向上するためと考えられる。金属コバル
ト粉末が電池内でアルカリ電解液に溶解すると、活物質
の水酸化ニッケル粒子間を接続する。この状態で充電す
ることにより、オキシ水酸化コバルト(CoOOH)が
活物質の水酸化ニッケル粒子の表面に析出して導電性ネ
ットワークが形成される。水酸化ニッケル粒子の表面に
析出するオキシ水酸化コバルト(CoOOH)は高い導
電度を有するとともに、ほとんど還元されないため、充
放電を繰り返しても高い導電度を保持している。
【0038】したがって、導電剤としてX線回析強度I
(面間隔d=1.910)をメインピークに持つ六方最
密充填構造の割合が増大した金属コバルト粉末を用いる
と、この金属コバルト粉末はアルカリ電解液への溶解性
が高いため、水酸化ニッケル粒子間に導電性ネットワー
クが形成されて電極内の導電性が良好に保たれ、活物質
利用率を増大させる作用を奏することとなる。その結
果、このような金属コバルト粉末をアルカリ蓄電池用水
酸化ニッケル電極の導電剤として用いることにより、高
容量の水酸化ニッケル電極が得られ、高容量のアルカリ
蓄電池を提供できるようになる。
【0039】また、本発明の金属コバルト粉末をアルカ
リ蓄電池用水酸化ニッケル電極の導電剤として用いる
と、より導電性が高い導電性ネットワークが形成される
ため、導電剤となる金属コバルト粉末の添加量を減少さ
せることが可能となり、その分活物質の水酸化ニッケル
の充填量を増大させることが可能となるので高容量化に
も有利となる。しかも、大幅な工程の変更なしに高容量
の水酸化ニッケル電極を製造できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属コバルト粉末のピークX線回析強度比と
エネルギー密度比の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 和昭 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三 洋電機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ蓄電池の正極活物質中に添加す
    る導電剤であって、 前記導電剤は電解液への溶解性が高い金属コバルト粉末
    であることを特徴とするアルカリ蓄電池用正極の導電
    剤。
  2. 【請求項2】 前記電解液への溶解性が高い金属コバル
    ト粉末はX線回析強度I(面間隔d=1.910)をメ
    インピークに持つ六方最密充填構造とX線回析強度I0
    (面間隔d=2.0467)をメインピークに持つ立方
    最密充填構造との混合体からなり、 かつ、この混合体のピークX線回析強度比I/I0
    0.7以上としたことを特徴とする請求項1に記載のア
    ルカリ蓄電池用正極の導電剤。
  3. 【請求項3】 正極活物質中に導電剤として金属コバル
    ト粉末を添加したアルカリ蓄電池用水酸化ニッケル電極
    であって、 水酸化ニッケルを主成分とする粉末に電解液への溶解性
    が高い金属コバルト粉末を添加混合したペーストを活物
    質保持体に担持させたことを特徴とするアルカリ蓄電池
    用水酸化ニッケル電極。
  4. 【請求項4】 前記電解液への溶解性が高い金属コバル
    ト粉末はX線回析強度I(面間隔d=1.910)をメ
    インピークに持つ六方最密充填構造とX線回析強度I0
    (面間隔d=2.0467)をメインピークに持つ立方
    最密充填構造との混合体からなり、かつこの混合体のピ
    ークX線回析強度比I/I0を0.7以上としたことを
    特徴とする請求項3に記載のアルカリ蓄電池用水酸化ニ
    ッケル電極。
JP8346343A 1996-12-25 1996-12-25 アルカリ蓄電池用正極の導電剤およびこの導電剤を用いたアルカリ蓄電池用水酸化ニッケル電極 Pending JPH10188990A (ja)

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