JPH10186558A - ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料

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JPH10186558A
JPH10186558A JP33954396A JP33954396A JPH10186558A JP H10186558 A JPH10186558 A JP H10186558A JP 33954396 A JP33954396 A JP 33954396A JP 33954396 A JP33954396 A JP 33954396A JP H10186558 A JPH10186558 A JP H10186558A
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silver halide
emulsion
solution
mol
present
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JP33954396A
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Inventor
Shuji Murakami
修二 村上
Shigeo Tanaka
重雄 田中
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度かつ露光時の湿度に依存せず安定な性
能が得られ、かつ露光から発色現像処理までの時間によ
る変動が少ないハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真
感光材料の提供。 【解決手段】 1.マイクロ波光伝導度測定の励起吸収
における光伝導度シグナル強度の減衰時間が2倍以上異
なる領域をハロゲン化銀粒子内部に有することを特徴と
するハロゲン化銀乳剤。 2.ハロゲン化銀粒子内の特定の領域におけるマイクロ
波光伝導度測定の励起吸収における光伝導度シグナル強
度の減衰時間が、この特定の領域よりさらに粒子表面に
近い領域の該光伝導シグナル強度の減衰時間より2倍以
上大きいハロゲン化銀粒子を有することを特徴とするハ
ロゲン化銀乳剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高感度、硬調で、
露光時の湿度に依存する感度の変動が少なく、潜増安定
性に優れたハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光
材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日のカラー印画紙は、迅速現像処理技
術の進歩、及び特別な水処理設備を必要としない小スペ
ースに設置可能な露光現像処理機の発達により、写真店
をとわずスーパー、百貨店等の様々な他業種の店舗で露
光現像処理が行われるようになってきている。このよう
に様々な場所で露光現像処理がおこなわれるということ
は、それだけ露光、現像処理の環境が様々に変わること
を意味している。この環境の変化がカラーペーパーの品
質のばらつきを大きくして問題である。特に露光時での
湿度変動、露光から発色現像処理までの時間変動(潜増
の変動)に伴うカラープリント画質の変動の抑制は、カ
ラー印画紙の性能安定化の大きな課題であった。
【0003】特開平5−45758号には、マイクロ波
光伝導度測定における励起吸収においてピーク強度、長
寿命成分が特定の値以上であるハロゲン化銀写真感光材
料によって高照度不軌特性に優れ、製造後の経時による
カブリ増加の小さいハロゲン化銀写真感光材料が得られ
ることを開示している。しかし本発明のようにピーク強
度に特徴のあるハロゲン化銀乳剤粒子については、触れ
られていない。
【0004】米国特許第2,432,964号明細書に
は銀−フェニルメルカプトテトラゾール塩について、感
度、汚染の排除についての記載があり、同4,912,
026号には、添加剤と金増感との併用効果を記した特
許が出願されているが、未だ満足がいくものでない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高感
度かつ露光時の湿度に依存せず安定な性能が得られ、か
つ露光から発色現像処理までの時間による変動が少ない
写真用ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は以下
の構成により達成される。
【0007】1.マイクロ波光伝導度測定の励起吸収に
おける光伝導度シグナル強度の減衰時間が2倍以上異な
る領域をハロゲン化銀粒子内部に有することを特徴とす
るハロゲン化銀乳剤。
【0008】2.ハロゲン化銀粒子内の特定の領域にお
けるマイクロ波光伝導度測定の励起吸収における光伝導
度シグナル強度の減衰時間が、この特定の領域よりさら
に粒子表面に近い領域の該光伝導シグナル強度の減衰時
間より2倍以上大きいハロゲン化銀粒子を有することを
特徴とするハロゲン化銀乳剤。
【0009】3.銀塩と錯形成する含窒素複素環化合物
を含有していることを特徴とする前記1及び2のハロゲ
ン化銀乳剤。
【0010】4.前記1〜3の何れか1項に記載のハロ
ゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀
写真感光材料。
【0011】本発明者らは、露光時の湿度及び露光から
発色現像までの時間変動に対して安定して良好な画像を
得ることを目的に様々の検討を行ったところ、上記の構
成によって本発明の目的が達成されることを見出し、本
発明を完成するには塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩
ヨウ臭化銀の任意の組成のものを用いることができるが
塩化銀90%以上が好ましい。
【0012】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0013】一般にハロゲン化銀写真感光材料(以下、
単に感光材料ともいう)には臭化銀を主体とした乳剤
と、塩化銀を主体とした乳剤が用いられるが、塩化銀を
90モル%以上含む乳剤の特性は臭化銀を主体とする乳
剤とは大きく異なっており特異な挙動を示す。迅速な処
理を達成するという目的に対しては塩化銀含有量は95
モル%以上であることが好ましい。迅速処理性、処理安
定性からは、好ましくは97モル%以上、より好ましく
は98〜99.8モル%の塩化銀を含有するハロゲン化
銀乳剤が好ましい。
【0014】本発明においてハロゲン化銀粒子のマイク
ロ波光伝導の励起吸収におけるシグナル強度の減衰時間
の制御方法に特に制限はないが、特定の金属化合物を用
いたり、有機化合物を用いることができる。
【0015】以下に金属化合物の例を挙げるがこれに限
らない。
【0016】(1)K4[Fe(CN)6] (2)K4[Ru(CN)6] (3)K4[Os(CN)6] (4)K2IrCl6 (5)K[IrCl5(NO)] (6)K[IrBr5(NO)] (7)K3IrCl6 (8)K2IrBr6 (9)K3[Ir(NO36] (10)IrCl4 (11)K2[IrBr5(OH2)] (12)K2[IrCl5(OH2)] (13)IrBr3 (14)(NH42[IrCl6] (15)Na3[IrBr6] (16)Na2[IrBr6] (17)Na3[IrCl6] (18)[IrCl(NH35]Cl2 (19)cis−[IrCl2(C2822]Cl (20)H2IrCl6 (21)(NH42[IrBr6] (22)[Ir4(CO)12] (23)H2[Ir4Cl8(CO)8] 前記金属化合物は、ハロゲン化銀1モル当り1×10-9
モル以上、1×10-2モル以下の量で含有させるのが好
ましく、特に1×10-8モル以上5×10-5モル以下が
好ましい。
【0017】マイクロ波光伝導の励起吸収におけるシグ
ナル強度の減衰時間を適度に調整することによりおこる
現象の理由については未だ理論的な解釈はなされていな
いが、このような電子的な条件を調整することによっ
て、潜像の形成のされ方や分布に影響を与え、ひいては
現像時の潜像漂白の受け方等に影響を与える結果であ
る。
【0018】マイクロ波光伝導度測定は当業界において
はよく知られた銀塩写真乳剤の物理的特性の評価方法で
あり、例えば、L.M.Kellog著、フォトグラフ
ィックサイエンス・アンド・エンジニアリング、18
巻、378ページ(1974)に記載の方法を参考にし
て測定を行う事が出来る。本発明で行ったマイクロ波光
伝導度測定の詳細な条件については特開平5−4575
8号の記載に準じた。
【0019】また、本発明においてマイクロ波光伝導度
測定における光伝導度シグナル強度の減衰時間は、ピー
ク強度の1/2の強度にまで減衰するのに要する時間を
もって定義する。
【0020】マイクロ波光伝導度測定の励起吸収におけ
る光伝導度シグナル強度の測定用試料の作成方法とより
詳細な測定方法を以下に示す。
【0021】厚さ120μmのトリアセチルセルロース
フィルム上に、測定乳剤をゼラチン水溶液と混合して
(ゼラチン/銀)=0.60となるよう塗布液を調製す
る。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)を添加
し、表面張力を調整する。この塗布液を用い、銀として
の塗布量が1.2g/m2になるように塗布を行いマイ
クロ波光伝導度測定用試料を調製する。塗布試料を特開
平5−45758号2〜3頁に記載された方法(光源に
UVD−33Sフィルター(東芝硝子(株)製)をか
け、紫外光で励起した)でマイクロ波光伝導度を測定
し、励起吸収における光伝導度シグナル強度の減衰時間
を求める。
【0022】本発明の請求項1でいうマイクロ波光伝導
度測定の励起吸収における光伝導度シグナル強度の減衰
時間が2倍以上異なる領域をハロゲン化銀粒子内部に有
するハロゲン化銀乳剤とは、以下の式(1)を満たして
いる条件が存在していることで本発明乳剤であることを
定義した。例えば乳剤Aが本発明乳剤であることを判定
する例を以下に示す。
【0023】乳剤Aの物理熟成時において、その熟成途
中の乳剤をBとした時、乳剤Bの光伝導シグナル強度の
減衰時間をd1とする。また乳剤Aの物理熟成時におい
て乳剤Bからさらに熟成した途中の乳剤をCとし、光伝
導シグナル強度の減衰時間をd2とする。この時、乳剤
B及び乳剤Cは、乳剤Aの特定部分の領域のみを示す乳
剤となる。なお乳剤C、乳剤Aと同一でもよい。
【0024】また乳剤Aの表面をハロゲン化銀粒子溶解
剤でエッチングしてハロゲン化銀粒子の内部の特定の領
域を残した乳剤を乳剤C、さらにエッチングしたハロゲ
ン化銀乳剤を乳剤Bとしてもよい。この時、乳剤Cは乳
剤Aと同一でもよい。
【0025】 2 ≦dまたはd≦1/2 式(1)、 ただしd=d3/d1、 d3=d2×(乳剤Bのハロゲン化銀1粒子の平均体積
/乳剤Cのハロゲン化銀1粒子の平均体積)、 次に本発明で好ましく用いられる銀と錯形成する含窒素
複素環化合物について詳細を記述する。
【0026】含窒素複素環化合物は、例えばテトラゾー
ル、イミダゾール、チアジアゾール、ベンゾチアゾー
ル、トリアゾール、オキサジアゾール等の誘導体が挙げ
られる。好ましいのは、フェニルメルカプトテトラゾー
ル。
【0027】以下に含窒素複素環化合物の具体例を挙げ
るがこれに限られるものではない。本発明では、これら
化合物と銀で錯化合物を形成後、乳剤に添加すると本発
明の効果がより好ましく得られる。
【0028】(1)1−フェニル−5−メルカプトテト
ラゾール (2)4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7
−テトラゾール (3)4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,3,3a,
7−テトラザインデン (4)5−ヒドロキシ−7−メチル−1,2,3,4,
6−ペンタザインデン (5)4−ヒドロキシ−6−フェニル−1,2,3a,
7−テトラザインデン (6)2,5,6−トリメチル−4−ヒドロキシ−1,
3,3a,7−テトラザインデン (7)7−ヒドロキシ−5−メチル−2−フェニル−
1,2,3,4,6−ペンタザインデン (8)4−ヒドロキシ−6−メチル−1,2,3a,7
−テトラザインデン (9)4−ヒドロキシ−1,2,3a,7−テトラザイ
ンデン (10)2−メチル−4−ヒドロキシ−6−フェニル−
1,3,3a,7−テトラザインデン (11)4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン (12)2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ−5−エチ
ル−1,3,3a,7テトラザインデン (13)1−フェニル−5−メルカプト−1,2,3,
4−テトラゾール (14)2,5−ジメチル−7−ヒドロキシ−1,4,
7a−トリアザインデン これら銀との錯形成化合物の調製は、硝酸銀水溶液に含
窒素複素環化合物を溶解したアルカリ水溶液及びメタノ
ールを混合することでできる。
【0029】本発明のハロゲン化銀粒子の粒径には特に
制限はないが、迅速処理性及び感度や他の写真性能等を
考慮すると、好ましくは0.25〜1.2μmの範囲で
ある。尚上記粒子は当業用技術分野において一般に用い
られる各種の方法によって測定することができる。
【0030】代表的な方法としては、ラブランドの「粒
子径分析法」(A.S.T.Mシンポジウム・オン・ラ
イト・マイクロスコピー,1955年,94〜122
項)又は「写真プロセスの理論」(ミース及びジェーム
ス共著,第3版,マクミラン社発行(1966年)の第
2章に記載されている。
【0031】ハロゲン化銀粒子の粒径分布は多分散であ
ってもよいし、単分散でもよい。好ましくは、粒径分布
の変動係数が0.20以下、更に好ましくは0.15以
下の単分散ハロゲン化銀である。ここで変動係数は粒径
分布の広さを示す係数であり、下記によって定義され
る。
【0032】変動係数=S/R(S:粒径分布の標準偏
差、R:平均粒径を表す。) ここでいう粒径とは、球状のハロゲン化銀粒子の場合は
その直径、又、立方体や球状以外の形状の粒子の場合
は、その投影像を同面積の円像に換算した時の直径を表
す。
【0033】ハロゲン化銀乳剤の調製装置・方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0034】本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、酸性
法、中性法、アンモニア法の何れで調製されたものでも
よい。該乳剤は粒子を一時に成長させたものであっても
よいし、種粒子を形成した後これを成長させ得ることが
できる。この場合、種粒子を作る方法と成長させる方法
は同じであっても異なってもよい。又、可溶性銀塩と可
溶性ハロゲン化物塩を反応させる形式としては、順混合
法、逆混合法、同時混合法、それらの組合せなど何れで
もよいが、同時混合法が好ましい。更に同時混合法の一
形式として特開昭54−48521号等に記載されてい
るpAgコントロールド・ダブルジェット法を用いるこ
ともできる。
【0035】又、特開昭57−92523号、同57−
92524号等に記載の反応母液中に配置された添加装
置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供
給する装置、ドイツ公開特許2,921,164号等に
記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物水溶液を
連続的に濃度変化して添加する装置を用いてもよい。
【0036】更に必要であればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。又、メルカプト基を有する
化合物、含窒素複素環化合物又は増感色素のような化合
物をハロゲン化銀粒子の形成時、又は粒子形成終了後に
添加してもよい。
【0037】脱塩法には、米国特許4,334,012
号、特公昭56−501776号等に記載の反応器外に
反応母液を取り出す限外濾過法と米国特許2,618,
556号、同2,735,841号等に記載の沈澱剤を
用いて脱塩する沈澱法があるが、限外濾過法で得られた
ものが性能変動が小さく、特に好ましい。
【0038】本発明のハロゲン化銀粒子の形状に制限は
ないが、本発明のハロゲン化銀乳剤の調製の容易さでは
立方晶がより好ましい。
【0039】本発明のハロゲン化銀乳剤は、金化合物を
用いる増感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を用い
ることが出来る。
【0040】本発明のハロゲン化銀乳剤に適用するカル
コゲン増感剤としては、イオウ増感剤、セレン増感剤、
テルル増感剤などを用いることが出来るが、イオウ増感
剤が好ましい。イオウ増感剤としてはチオ硫酸塩、アリ
ルチオカルバミドチオ尿素、アリルイソチアシアネー
ト、シスチン、p−トルエンチオスルホン酸塩、ローダ
ニン、無機イオウ等が挙げられる。
【0041】本発明に用いられるイオウ増感剤の添加量
としては、適用されるハロゲン化銀乳剤の種類や期待す
る効果の大きさなどにより変える事が好ましいが、ハロ
ゲン化銀1モル当たり5×10-10〜5×10-5モルの
範囲、好ましくは5×10-8〜3×10-5モルの範囲が
好ましい。
【0042】本発明に用いられる金増感剤としては、塩
化金酸、硫化金等の他各種の金錯体として添加すること
ができる。用いられる配位子化合物としては、ジメチル
ローダニン、チオシアン酸、メルカプトテトラゾール、
メルカプトトリアゾール等を挙げることができる。金化
合物の使用量は、ハロゲン化銀乳剤の種類、使用する化
合物の種類、熟成条件などによって一様ではないが、通
常はハロゲン化銀1モル当たり1×10-4モル〜1×1
-8モルであることが好ましい。更に好ましくは1×1
-5モル〜1×10-8モルである。
【0043】本発明のハロゲン化銀乳剤の化学増感法と
しては、還元増感法を用いてもよい。好ましい還元増感
剤としては二酸化チオ尿素、アミンボラン、亜硫酸ナト
リウム等を用いる事ができる。
【0044】本発明のハロゲン化銀乳剤には、ハロゲン
化銀写真感光材料の調製工程中に生じるカブリを防止し
たり、保存中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じ
るカブリを防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤
を用いることが出来る。こうした目的に用いることので
きる好ましい化合物の例として、特開平2−14603
6号7ページ下欄に記載された一般式(II)で表される
化合物を挙げることができ、さらに好ましい具体的な化
合物としては、同公報の8ページに記載の(IIa−1)
〜(IIa−8)、(IIb−1)〜(IIb−7)の化合物
や、1−(3−メトキシフェニル)−5−メルカプトテ
トラゾール、1−(4−エトキシフェニル)−5−メル
カプトテトラゾール等の化合物を挙げることができる。
【0045】これらの化合物は、その目的に応じて、ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増
感停止工程、塗布液調製工程などの工程で添加される。
これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合には、ハ
ロゲン化銀1モル当り1×10-5モル〜5×10-4モル
程度の量で好ましく用いられる。化学増感停止工程で添
加する場合には、ハロゲン化銀1モル当り1×10-6
ル〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5
ル〜5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程に
おいて、ハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロ
ゲン化銀1モル当り1×10-6モル〜1×10-1モル程
度の量が好ましく、1×10-5モル〜1×10-2モルが
より好ましい。
【0046】またハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加す
る場合には、塗布被膜中の量が、1m2当り1×10-9
モル〜1×10-3モル程度の量が好ましい。
【0047】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
イラジエーション防止やハレーション防止の目的で種々
の波長域に吸収を有する染料を用いることができる。
【0048】この目的で、公知の化合物をいずれも用い
ることが出来るが、特に、可視域に吸収を有する染料と
しては、特開平3−251840号308ページに記載
のAI−1〜11の染料および特開平6−3770号記
載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料として
は、特開平1−280750号の2ページ左下欄に記載
の一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が
好ましい分光特性を有し、ハロゲン化銀写真乳剤の写真
特性への影響もなく、また残色による汚染もなく好まし
い。
【0049】好ましい化合物の具体例として、同公報3
ページ左下欄〜5ページ左下欄に挙げられた例示化合物
(1)〜(45)を挙げることができる。
【0050】これらの染料を添加する量として、鮮鋭性
を改良する目的には感光材料の未処理試料の680nm
における分光反射濃度が0.7以上にする量が好まし
く、さらには0.8以上にする事がより好ましい。
【0051】本発明の感光材料中に、蛍光増白剤を添加
する事が白地性を改良でき好ましい。好ましく用いられ
る化合物としては、特開平2−232652号記載の一
般式IIで示される化合物が挙げられる。
【0052】本発明のハロゲン化銀写真感光材料をカラ
ー写真感光材料として用いる場合には、イエローカプラ
ー、マゼンタカプラー、シアンカプラーに組み合わせて
400〜900nmの波長域の特定領域に分光増感され
たハロゲン化銀乳剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀
乳剤は一種または、二種以上の増感色素を組み合わせて
含有する。
【0053】本発明のハロゲン化銀乳剤に用いる分光増
感色素としては、公知の化合物をいずれも用いることが
できるが、青感光性増感色素としては、特開平3−25
1840号公報28ページに記載のBS−1〜8を単独
でまたは組み合わせて好ましく用いることができる。緑
感光性増感色素としては、同公報28ページに記載のG
S−1〜5が好ましく用いられる。赤感光性増感色素と
しては同公報29ページに記載のRS−1〜8が好まし
く用いられる。また、半導体レーザーを用いるなどして
赤外光により画像露光を行う場合には、赤外感光性増感
色素を用いる必要があるが、赤外感光性増感色素として
は、特開平4−285950号公報6〜8ページに記載
のIRS−1〜11の色素が好ましく用いられる。ま
た、これらの赤外、赤、緑、青感光性増感色素に特開平
4−285950号公報8〜9ページに記載の強色増感
剤SS−1〜SS−9や特開平5−66515号公報1
5〜17ページに記載の化合物S−1〜S−17を組み
合わせて用いるのが好ましい。
【0054】本発明に用いられる増感色素は、増感色素
の種類、適用されるハロゲン化銀乳剤のハロゲン組成、
粒径等によって異なるが、ハロゲン化銀1モル当たり好
ましくは5×10-5〜2×10-3モル、更に好ましくは
1×10-4〜7×10-4モルの範囲で用いられる。
【0055】これらの増感色素の添加時期としては、ハ
ロゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期
でよい。
【0056】増感色素の分散方法としては、高速撹拌型
分散機を用いて水系中に機械的に1μm以下の微粒子に
粉砕・分散する方法以外に、特開昭58−105141
号に記載のようにpH6〜8、60〜80℃の条件下で
水系中において機械的に1μm以下の微粒子に粉砕・分
散する方法、特公昭60−6496号に記載の表面張力
を38dyne/cm以下に抑える界面活性剤の存在下
に分散する方法等を用いることができる。
【0057】分散液を調製するのに用いることのできる
分散装置としては、例えば、特開平4−125631号
公報第1図に記載の高速撹拌型分散機の他、ボールミ
ル、サンドミル、超音波分散機等を挙げることができ
る。
【0058】また、これらの分散装置を用いるに当たっ
て、特開平4−125632号に記載のように、あらか
じめ乾式粉砕などの前処理を施した後、湿式分散を行う
等の方法をとってもよい。
【0059】増感色素は、本発明の効果を損なわない範
囲において複数の増感色素を組み合わせて用いることが
できる。この場合、二つの増感色素は別々に添加して
も、予め混合した後これを添加してもよい。
【0060】本発明の写真感光材料に用いられるカプラ
ーとしては、発色現像主薬の酸化体とカップリング反応
して340nmより長波長域に分光吸収極大波長を有す
るカップリング生成物を形成し得るいかなる化合物をも
用いることが出来るが、特に代表的な物としては、波長
域350〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエ
ロー色素形成カプラー、波長域500〜600nmに分
光吸収極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波
長域600〜750nmに分光吸収極大波長を有するシ
アン色素形成カプラーとして知られているものが代表的
である。
【0061】本発明の感光材料に好ましく用いることの
できるシアンカプラーとしては、特開平4−11415
4号5ページ左下欄に記載の一般式(C−I)、(C−
II)で表されるカプラーを挙げることができる。
【0062】本発明の感光材料に好ましく用いることの
できるマゼンタカプラーとしては、特開平4−1141
54号4ページ右上欄に記載の一般式(M−I)、(M
−II)であり、上記マゼンタカプラーのうちより好ま
しいのは、同公報4ページ右上欄に記載の一般式(M−
I)で表されるカプラーであり、そのうち、上記一般式
(M−I)のRMが3級アルキル基であるカプラーが耐
光性に優れ特に好ましい。同公報5ページ上欄に記載さ
れているMC−8〜MC−11は青から紫、赤に到る色
の再現に優れ、さらにディテールの描写力にも優れてお
り好ましい。
【0063】本発明の感光材料に好ましく用いることの
できるイエローカプラーとしては、特開平4−1141
54号3ページ右上欄に記載の一般式(Y−I)で表さ
れるカプラーを挙げることができる。具体的な化合物
は、同公報3ページ左下欄以降にYC−1〜YC−9と
して記載されているものを挙げることができる。中でも
同公報の一般式[Y−1]のRY1がアルコキシ基であ
るカプラーまたは特開平6−67388号記載の一般式
[I]で示されるカプラーは好ましい色調の黄色を再現
でき好ましい。
【0064】カプラーやその他の有機化合物を添加する
のに水中油滴型乳化分散法を用いる場合には、通常、沸
点150℃以上の水不溶性高沸点有機溶媒に、必要に応
じて低沸点及び/または水溶性有機溶媒を併用して溶解
し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に界面活
性剤を用いて乳化分散する。分散手段としては、撹拌
機、ホモジナイザー、コロイドミル、フロージェットミ
キサー、超音波分散機等を用いることができる。分散
後、または、分散と同時に低沸点有機溶媒を除去する工
程を入れてもよい。
【0065】また、高沸点有機溶媒を用いる方法に代え
て、または高沸点有機溶媒と併用して、水不溶性かつ有
機溶媒可溶性のポリマー化合物を、必要に応じて低沸点
及び/または水溶性有機溶媒に溶解し、ゼラチン水溶液
などの親水性バインダー中に界面活性剤を用いて種々の
分散手段により乳化分散する方法をとることもできる。
この時用いられる水不溶性で有機溶媒可溶性のポリマー
としては、ポリ(N−t−ブチルアクリルアミド)等を
挙げることができる。
【0066】写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力調
整のため用いられる界面活性剤として好ましい化合物と
しては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とスルホ
ン酸基またはその塩を含有するものが挙げられる。具体
的には特開昭64−26854号記載のA−1〜A−1
1が挙げられる。またアルキル基に弗素原子を置換した
界面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は通
常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、
分散後塗布液に添加されるまでの時間、および塗布液に
添加後塗布までの時間は短いほうがよく各々10時間以
内が好ましく、3時間以内、20分以内がより好まし
い。
【0067】上記各カプラーには、形成された色素画像
の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤
を併用することが好ましい。
【0068】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4−114154号9ページ左下欄に記載の
化合物(d−11)、同公報10ページ左下欄に記載の
化合物(A’−1)等の化合物を用いることができる。
また、これ以外にも米国特許4,774,187号に記
載の蛍光色素放出化合物を用いることも出来る。
【0069】本発明の感光材料には、現像主薬酸化体と
反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加して色
濁りを防止したり、またハロゲン化銀乳剤層に添加して
カブリ等を改良する事が好ましい。
【0070】本発明の感光材料には、紫外線吸収剤を添
加してスタチックカブリを防止したり色素画像の耐光性
を改良する事が好ましい。好ましい紫外線吸収剤として
はベンゾトリアゾール類が挙げられ、特に好ましい化合
物としては特開平1−250944号記載の一般式II
I−3で示される化合物、特開昭64−66646号記
載の一般式IIIで示される化合物、特開昭63−187
240号記載のUV−1L〜UV−27L、特開平4−
1633号記載の一般式Iで示される化合物、特開平5
−165144号記載の一般式(I)、(II)で示され
る化合物が挙げられる。
【0071】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
バインダーとしてゼラチンを用いることが有利である
が、必要に応じて他のゼラチン、ゼラチン誘導体、ゼラ
チンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラチン以外の
タンパク質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一あるい
は共重合体のごとき合成親水性高分子物質等の親水性コ
ロイドも用いることができる。
【0072】これらバインダーの硬膜剤としてはビニル
スルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独ま
たは併用して使用する事が好ましい。特開昭61−24
9054号、同61−245153号記載の化合物を使
用する事が好ましい。また写真性能や画像保存性に悪影
響するカビや細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開
平3−157646号記載のような防腐剤および抗カビ
剤を添加する事が好ましい。また感光材料または処理後
の試料の表面の物性を改良するため保護層に特開平6−
118543号や特開平2−73250号記載の滑り剤
やマット剤を添加する事が好ましい。
【0073】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
る支持体としては、どのような材質を用いてもよく、ポ
リエチレンやポリエチレンテレフタレートで被覆した
紙、天然パルプや合成パルプからなる紙支持体、塩化ビ
ニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロピレ
ン、ポリエチレンテレフタレート支持体、バライタ紙な
どを用いることができる。なかでも、原紙の両面に耐水
性樹脂被覆層を有する支持体が好ましい。耐水性樹脂と
してはポリエチレンやポリエチレンテレフタレートまた
はそれらのコポリマーが好ましい。
【0074】支持体に用いられる白色顔料としては、無
機及び/または有機の白色顔料を用いることができ、好
ましくは無機の白色顔料が用いられる。
【0075】支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有され
る白色顔料の量は、鮮鋭性を改良するうえで13重量%
以上が好ましく、さらには15重量%が好ましい。
【0076】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、必
要に応じて支持体表面にコロナ放電、紫外線照射、火炎
処理等を施した後、直接または下塗層(支持体表面の接
着性、帯電防止性、寸度安定性、耐摩擦性、硬さ、ハレ
ーション防止性、摩擦特性及び/またはその他の特性を
向上するための1または2以上の下塗層)を介して塗布
されていてもよい。
【0077】本発明の感光材料の塗布に際して、塗布性
を向上させるために増粘剤を用いてもよい。塗布法とし
ては2種以上の層を同時に塗布することの出来るエクス
トルージョンコーティング及びカーテンコーティングが
特に有用である。
【0078】本発明のハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲ
ン化銀写真感光材料を用いて、写真画像を形成するに
は、ネガ上に記録された画像を、プリントしようとする
ハロゲン化銀写真感光材料上に光学的に結像させて焼き
付けてもよいし、画像を一旦デジタル情報に変換した後
その画像をCRT(陰極線管)上に結像させ、この像を
プリントしようとするハロゲン化銀写真感光材料上に結
像させて焼き付けてもよいし、デジタル情報に基づいて
レーザー光の強度を変化させて走査することによって焼
き付けてもよい。
【0079】本発明は、特に直接鑑賞用の画像を形成す
る感光材料に適用する事が好ましい。例えばカラーペー
パー、カラー反転ペーパー、ポジ画像を形成する感光材
料、ディスプレイ用感光材料、カラープルーフ用感光材
料をあげる事ができる。特に反射支持体を有する感光材
料に適用する事が好ましい。
【0080】本発明において用いられる芳香族一級アミ
ン現像主薬としては、公知の化合物を用いることができ
る。
【0081】本発明においては、上記発色現像液を任意
のpH域で使用できるが、迅速処理の観点からpH9.
5〜13.0であることが好ましく、より好ましくはp
H9.8〜12.0の範囲で用いられる。
【0082】本発明に用いられる発色現像の処理温度
は、35℃以上、70℃以下が好ましい。温度が高いほ
ど短時間の処理が可能であり好ましいが、処理液の安定
性からはあまり高くない方が好ましく、37℃以上60
℃以下で処理することが好ましい。
【0083】発色現像時間は、従来一般には3分30秒
程度で行われているが、本発明では40秒以内が好まし
く、さらに25秒以内の範囲で行うことがさらに好まし
い。
【0084】発色現像液には、前記の発色現像主薬に加
えて、既知の現像液成分化合物を添加することが出来
る。通常、pH緩衝作用を有するアルカリ剤、塩化物イ
オン、ベンゾトリアゾール類等の現像抑制剤、保恒剤、
キレート剤などが用いられる。
【0085】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、発
色現像後、漂白処理及び定着処理を施される。漂白処理
は定着処理と同時に行なってもよい。定着処理の後は、
通常は水洗処理が行なわれる。また、水洗処理の代替と
して、安定化処理を行なってもよい。本発明のハロゲン
化銀写真感光材料の現像処理に用いる現像処理装置とし
ては、処理槽に配置されたローラーに感光材料をはさん
で搬送するローラートランスポートタイプであっても、
ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト
方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成し
て、この処理槽に処理液を供給するとともに感光材料を
搬送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処
理液を含浸させた担体との接触によるウエッブ方式、粘
性処理液による方式なども用いることができる。
【0086】大量に処理する場合には、自動現像機を用
いてランニング処理されるのが、通常だがこの際、補充
液の補充量は少ない程好ましく、環境適性等より最も好
ましい処理形態は、補充方法として錠剤の形態で処理剤
を添加することであり、公開技報94−16935に記
載の方法が最も好ましい。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0088】坪量180g/m2の紙パルプの両面に高
密度ポリエチレンをラミネートし、紙支持体を作製し
た。但し、乳剤層を塗布する側には、表面処理を施した
アナターゼ型酸化チタンを15重量%の含有量で分散し
て含む溶融ポリエチレンをラミネートし、反射支持体を
作製した。この反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼ
ラチン下塗層を設け、さらに以下に示す構成の各層を塗
設し、ハロゲン化銀写真感光材料を作製した。塗布液は
下記のごとく調製した。
【0089】第1層塗布液 マゼンタカプラー(M−1)12.14g、添加剤(S
T−3)12.14g、(ST−4)12.14g、
(ST−5)12.14g、および高沸点有機溶媒(D
IDP)7.9g、(DBP)7.9gに酢酸エチル6
0mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤(S
U−1)12mlを含有する10%ゼラチン水溶液22
0mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させて
マゼンタカプラー分散液を作製した。この分散液を下記
条件にて作製したハロゲン化銀乳剤(銀8.5g含有)
と混合し、第1層塗布液を調製した。
【0090】また、第2層塗布液としてゼラチン水溶液
を調製し、硬膜剤として(H−1)、(H−2)を添加
した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−2)、
(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。また各層
にF−1を全量が0.04g/m2となるように添加し
た。層構成を下記表1に示す。
【0091】
【表1】
【0092】SU−1:トリ−i−プロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム SU−2:スルホコハク酸ジ(2−エチルヘキシル)・
ナトリウム塩 SU−3:スルホコハク酸ジ(2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩 DIDP:ジ−i−デシルフタレート DBP:ジブチルフタレート H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム F−1:2−メチル−5−クロル−4−イソチアゾリン
−3−オン 〈緑感性乳剤EMG−A1の調製(比較乳剤)〉40℃
に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に下記(A
液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0に制
御しつつ同時添加し、更に下記(C1液)及び(D1
液)、続いて(C2液)と(D2液)をpAg=8.
0、pH=5.5に制御しつつ同時添加した。その後
(E液)及び(F液)をPAg=8.0、PH=5.5
に制御しつつ同時添加した。この時、pAgの制御は特
開昭59−45437号記載の方法により行い、pHの
制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用いて行っ
た。
【0093】 (A液) 塩化ナトリウム 0.99g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 1×10-9モル 臭化カリウム 0.008g 水を加えて 58ml (B液) 硝酸銀 2.9g 水を加えて 58ml (C1液) 塩化ナトリウム 3.26g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 1×10-9モル 臭化カリウム 0.006g 水を加えて 19.0ml (D1液) 硝酸銀 9.5g 水を加えて 19.0ml (C2液) 塩化ナトリウム 13.6g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 1×10-9モル 臭化カリウム 0.02g 水を加えて 79.2ml (D2液) 硝酸銀 39.6g 水を加えて 79.2ml (E液) 塩化ナトリウム 5.49g ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム 1×10-9モル 臭化カリウム 0.01g 水を加えて 32.1ml (F液) 硝酸銀 16.0g 水を加えて 32.1ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.40μ
m、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.
9モル%の単分散立方体乳剤EM−A1を得た。
【0094】EM−A1に対して、下記化合物を用いて
65℃で最適増感を行ない緑感性ハロゲン化銀乳剤EM
G−A1を得た。
【0095】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾール STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール
【0096】
【化1】
【0097】〈緑感性乳剤EMG−A2の調製(比較乳
剤)〉EM−A1の調製において(A液)、(C1
液)、(C2液)及び(E液)に添加したヘキサクロロ
イリジウム(IV)酸カリウムを除いて代わりに等モルの
2[RuCl5(NO)]を添加した以外は、EM−A
1と同様にしてEM−A2を調製した。EMG−A1の
調製においてEM−A1に代えてEM−A2を用いた以
外同様にしてEMG−A2を調製した。
【0098】〈緑感性乳剤EMG−A3の調製(比較乳
剤)〉次にEM−A1作成時の(A液)、(C1液)、
(C2液)及び(E液)に添加したヘキサクロロイリジ
ウム(IV)酸カリウムを除いた代わりにK4[Fe(C
N)6]をそれぞれ1×10-5モル添加した以外は、E
M−A1と同様にしてEM−A3を調製した。EMG−
A1の調製においてEM−A1に代えてEM−A3を用
いた以外同様にしてEMG−A3を調製した。
【0099】〈緑感性乳剤EMG−A4の調製(本発明
乳剤)〉次にEM−A3作成時の(A液)及び(C1
液)に添加したK4[Fe(CN)6]を除いた以外は、
EM−A3と同様にしてEM−A4を調製した。EMG
−A1の調製においてEM−A1に代えてEM−A4を
用いた以外同様にしてEMG−A4を調製した。
【0100】〈緑感性乳剤EMG−A5の調製(本発明
乳剤)〉EM−A3の調製において(C2液)及び(E
液)に添加したK4[Fe(CN)6]を除いた以外は、
EM−A3と同様にしてEM−A5を調製した。EMG
−A1の調製においてEM−A1に代えてEM−A5を
用いた以外同様にしてEMG−A5を調製した。
【0101】〈緑感性乳剤EMG−A6の調製(本発明
乳剤)〉EM−A5の調製において(C2液)及び(E
液)にK2[RuCl5(NO)]を1×10-9モル添加
した以外は、EM−A5と同様にしてEM−A6を調製
した。EMG−A1の調製においてEM−A1に代えて
EM−A5を用いた以外同様にしてEMG−A6を調製
した。
【0102】〈緑感性乳剤EMG−A7の調製(比較乳
剤)〉EM−A1の調製において(C2液)及び(E
液)に添加しているヘキサクロロイリジウム(IV)酸
カリウムを除いた以外は、EM−A1と同様にしてEM
−A7を調製した。EMG−A1の調製においてEM−
A1に代えてEM−A7を用いた以外同様にしてEMG
−A7を調製した。
【0103】こうして作成した表1の塗布試料を下記の
ようにして評価を行った。
【0104】〈緑感性乳剤EMG−A8の調製(本発明
乳剤)〉EM−A6の化学増感時に化合物(Z)をST
AB−1の代わりに同量添加したのみ異なる以外、EM
G−A6と同様に調製した乳剤EMG−A8を調製し
た。
【0105】上記調製した各緑感性乳剤を表1に示す第
1塗布層に添加して塗布試料を作成した。塗布試料につ
いて表2に示す。表2の塗布試料について以下の各評価
をおこなった。
【0106】〈感度評価〉常法により試料を露光時間
0.5秒で光楔露光した後、下記の処理方法で現像処理
した。作成した処理済み試料の反射濃度でカブリ濃度よ
り0.3高い濃度を与えるに必要な露光量の逆数で、感
度を計算した。塗布試料No.101の感度を100と
して、他の試料の感度を相対評価した。
【0107】〈露光時の湿度依存性評価〉感度評価時と
同様に露光現像する方法において露光時に湿度30%R
Hで露光現像処理した試料の感度を100として、露光
時に湿度80%RHで露光現像処理した試料の感度を相
対値で表し評価した。
【0108】〈潜像安定性評価〉感度評価時と同様に露
光現像する方法において露光後2秒して現像処理した感
度を100として、露光後5分で現像処理した感度を相
対値で表した。
【0109】現像処理工程を下記に示す。
【0110】 処理工程 処理温度 時 間 補充量 発色現像 38.0±0.3℃ 45秒 80ml 漂白定着 35.0±0.5℃ 45秒 120ml 安 定 化 30〜34℃ 60秒 150ml 乾 燥 60〜80℃ 30秒 現像処理液の組成を下記に示す。
【0111】 発色現像液タンク液及び補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエチレンジアミン 2g 3g ジエチレングリコール 10g 10g 臭化カリウム 0.01g − 塩化カリウム 3.5g − 亜硫酸カリウム 0.25g 0.5g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル) −3−メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 6.0g 10.0g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 6.8g 6.0g トリエタノールアミン 10.0g 10.0g ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム塩 2.0g 2.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベン ジスルホン酸誘導体) 2.0g 2.5g 炭酸カリウム 30g 30g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpH=1
0.10に、補充液はpH=10.60に調整する。
【0112】 漂白定着液タンク液及び補充液 ジエチレントリアミン五酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 65g ジエチレントリアミン五酢酸 3g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール 2.0g 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でpH=5.0に調整する。
【0113】 安定化液タンク液及び補充液 o−フェニルフェノール 1.0g 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g 2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.02g ジエチレングリコール 1.0g 蛍光増白剤(チノパールSFP) 2.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.8g 塩化ビスマス(45%水溶液) 0.65g 硫酸マグネシウム・7水塩 0.2g PVP(ポリビニルピロリドン) 1.0g アンモニア水(水酸化アンモニウム25%水溶液) 2.5g ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又はアンモニア
水でpH=7.5に調整する。
【0114】結果を表2にまとめた。
【0115】〈マイクロ波光伝導度測定の励起吸収にお
ける光伝導度シグナル強度の減衰時間評価〉EM−A1
〜A8の各乳剤調製途中において(C1液)(D1液)
添加後の乳剤を使用した測定塗布試料についてマイクロ
波光伝導度測定の励起吸収における光伝導度シグナル強
度の減衰時間評価をおこない、この時の減衰時間をd1
とした。次にEM−A1〜A8の各乳剤について減衰時
間を測定した値をd2とした。これからdを求めた。
【0116】
【表2】
【0117】本発明試料104〜106及び108のよ
うにd値が0.5以下あるいは2以上である乳剤を使用
した塗布試料は、高感度と露光時の湿度依存安定性が高
いことがわかった。さらに潜像安定性においても高感度
と両立できることがわかった。d値がより高い乳剤を使
用した塗布試料105、106は、特に好ましい結果が
得られ、d値が2以上の高い乳剤を使用した塗布試料1
06は、本発明の効果が特に高いことがわかった。
【0118】また、塗布試料108においては、潜像安
定性と露光時依存安定性がより高まる結果を得た。
【0119】
【発明の効果】本発明によるハロゲン化銀乳剤及びハロ
ゲン化銀写真感光材料は、高感度かつ露光時の湿度に依
存せず安定な性能が得られ、かつ露光から発色現像処理
までの時間による変動が少ない優れた効果を有する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロ波光伝導度測定の励起吸収にお
    ける光伝導度シグナル強度の減衰時間が2倍以上異なる
    領域をハロゲン化銀粒子内部に有することを特徴とする
    ハロゲン化銀乳剤。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀粒子内の特定の領域におけ
    るマイクロ波光伝導度測定の励起吸収における光伝導度
    シグナル強度の減衰時間が、この特定の領域よりさらに
    粒子表面に近い領域の該光伝導シグナル強度の減衰時間
    より2倍以上大きいハロゲン化銀粒子を有することを特
    徴とするハロゲン化銀乳剤。
  3. 【請求項3】 銀塩と錯形成する含窒素複素環化合物を
    含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ハロゲン化銀乳剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れか1項に記載のハロ
    ゲン化銀乳剤を含有することを特徴とするハロゲン化銀
    写真感光材料。
JP33954396A 1996-12-19 1996-12-19 ハロゲン化銀乳剤及びハロゲン化銀写真感光材料 Pending JPH10186558A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2283502A (en) * 1993-04-06 1995-05-10 Citizen Watch Co Ltd Knitting parts of a knitting machine

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