JPH10186079A - 気水分離器及び気水分離装置 - Google Patents

気水分離器及び気水分離装置

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JPH10186079A
JPH10186079A JP8344730A JP34473096A JPH10186079A JP H10186079 A JPH10186079 A JP H10186079A JP 8344730 A JP8344730 A JP 8344730A JP 34473096 A JP34473096 A JP 34473096A JP H10186079 A JPH10186079 A JP H10186079A
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steam
gas
liquid
phase flow
water
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JP8344730A
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English (en)
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Shinichi Morooka
慎一 師岡
Sunao Narabayashi
直 奈良林
Yoshiyuki Akiba
美幸 秋葉
Seiichi Yokobori
誠一 横堀
Hideki Horie
英樹 堀江
Noriyuki Shirakawa
典幸 白川
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気水分離器における冷却材気液二相流のキャ
リーオーバを低減し分離性能を高める。また気水分離器
の構造をより簡易なものとする。 【解決手段】 気液二相流を通すスタンドパイプ11の
気液二相流の出口側口径d3 を入口側口径d2 より小さ
く設定する。この縮小管路構造によって気液二相流が旋
回作用を受ける。d3 =d2 /2としたとき特に顕著な
効果が得られる。またこの他に、スタンドパイプ11と
その直上の旋回筒4aを一体構造とする、旋回手段とし
てスタンドパイプにねじり状の板を内接設置する、旋回
筒3aの内壁面にリブレットを設ける、旋回羽根の上方
にフィン(小びれ)を設ける、旋回筒3aの出口側口径
をスタンドパイプ11の口径より小さく設定するといっ
た方法がある。また気水分離ステージの段数を削減し蒸
気乾燥器と一体型とすることでより簡易な構造となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気液二相流を液体
と気体とに分離させる気水分離器及びこの気水分離器を
構成要素とする気水分離装置に関わり、特に沸騰水型原
子炉の炉心からの冷却材の気液二相流を水と蒸気に分離
する気水分離器及び気水分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般の沸騰水型原子炉においては、原子
炉圧力容器内に多数の燃料集合体を装荷した炉心を有
し、この炉心の上方に、炉心からの冷却材の気液二相流
を水と蒸気に分離する気水分離器を、またこの気水分離
器の上方に水分が除去された蒸気をさらに乾燥させター
ビンへと送る蒸気乾燥器が、それぞれ複数設置されてい
る。
【0003】図31は改良型沸騰水型原子炉(ABWR)
の概略を示す断面系統図である。原子炉圧力容器101 の
中央部よりやや下部に多数体の燃料集合体を具備する炉
心102 が配置されている。この炉心102 の下方には多数
の制御棒案内管103 が設けられ、炉心102 を形成するシ
ュラウド104 の上端開口はシュラウドヘッド105 で閉塞
されている。シュラウドヘッド105 には気水分離器91の
スタンドパイプ1が立設され、気水分離器91上には矩形
平型の蒸気乾燥器100 が配設されている。
【0004】原子炉圧力容器101 の下部には制御棒案内
管103 の内面をガイドとして炉心102 内の十字型の制御
棒を駆動する制御棒駆動機構106 が設けられている。原
子炉圧力容器101 の内側とシュラウド104 の外側との間
の底部には複数台のインターナルポンプ107 が設置され
ている。
【0005】炉心102 は多数体の燃料集合体の下部が炉
心指示板108 により、上部が上部格子板109 によりそれ
ぞれ支持され、全体がシュラウド104 により包囲されて
いる。原子炉圧力容器101 の内側とシュラウド104 の外
側との間の底部には、蒸気乾燥器100 で乾燥された蒸気
をタービンへと送る主蒸気管110 が接続している。また
給水管111 により原子炉圧力容器1内に流入した冷却材
はインターナルポンプ107 により強制循環される。
【0006】次に気水分離器について図32乃至図35を参
照して説明する。図32は一般的な気水分離器の縦断面
図、図33は図32に示す気水分離器内の冷却材の気液二相
流の流れを模式的に示す図、図34は図33におけるA−A
矢視方向の横断面図、図35は気水分離器の旋回羽根の拡
大断面図である。
【0007】図32に示すように、気水分離器91は、原子
炉炉心の直上に位置し炉心からの冷却材とボイドの気液
二相流を上方へと通すスタンドパイプ1(ライザ管とも
いう。)と、このスタンドパイプ1の上方に設けられ気
液二相流に旋回作用を与える旋回手段である旋回羽根2
と、この旋回羽根2の上方に設けられ気液二相流の気水
分離を行う気水分離手段として設けられた軸方向に通常
は3段に連なる気水分離ステージ3a,3b,3cとか
らなる。旋回羽根2は、図35に示すように、逆円錐型の
中心ハブ2aの周りに複数、例えば8枚の螺旋状の傾斜
翼2bを有するものである。また、気水分離ステージ3
a,3b,3cは、それぞれ旋回筒4a,4b,4c
と、これら旋回筒4a,4b,4cの外側に位置する外
筒5a,5b,5cと、この外筒5a,5b,5cに連
なり旋回筒4a,4b,4cの内側に位置するよう外筒
に形成された鉤型のピックオフリング6a,6b,6c
(キャッチリングともいう。)とを有するものである。
この鍵型のピックオフリング6a,6b,6cは、旋回
筒4a,4b,4cの内壁面に形成される冷却材の液膜
を捕捉し、旋回筒4a,4b,4cと外筒5a,5b,
5cの間隙に確実に導けるようになっている。また通常
これらの気水分離ステージ3a,3b,3cは、下段に
位置するものほど旋回筒及び外筒が軸方向に長く設計さ
れているが、ピックオフリング6a,6b,6cはほぼ
同じ長さである。
【0008】また図32において、現行の気水分離器91の
最下段の気水分離ステージ3aにおいては、ピックオフ
リング6aの長さxは旋回筒4aの長さLの約1/20と
なるよう設計されている。各気水分離ステージにおける
旋回筒4a、4b、4cの内径はほぼ同じ長さd1 に設
定され、かつこの旋回筒内径d1 はスタンドパイプ1の
内径d2 より大きい。
【0009】次にこの気水分離器91の作用について説明
する。沸騰水型原子炉においては、冷却材は、核***反
応の熱により沸騰し、通常水と気体の混合した気液二相
流となって、炉心上方に設けられた上部プレナム(図示
せず)内で十分に混合される。この混合された気液二相
流は、原子炉圧力容器内に複数配置された気水分離器に
流量配分されて、スタンドパイプ1内を上昇する。図33
及び図34に示すように、スタンドパイプ1内で冷却材は
環状流と呼ばれる流動状態になっている。すなわち、ス
タンドパイプ1の内壁面を液膜が覆い、この液膜の内部
は液滴と蒸気の気泡95が混合した流れになっている。
【0010】スタンドパイプ1を上昇した水と蒸気の気
液二相流は、スタンドパイプ1の直上の旋回羽根2の回
転によって強制的に遠心力を付与されて、図35において
矢印で模式的に示したように、旋回流となる。このと
き、沸騰水型原子炉の通常の運転圧力下において、冷却
材の気液の密度比はおよそ1:21であるから、旋回作用
を受ける気液二相流の気相と液相にかかる遠心力には有
為な差が生じる。
【0011】よって、図33及び図34に示すように、低密
度の蒸気は最下段の気水分離ステージ3aの中心側に位
置し、また高密度の液体はこの気水分離ステージ3aの
旋回筒4aの内壁面に沿って液膜94を形成して、ともに
旋回しながら上昇する。また旋回筒4aの軸近傍では水
滴92と蒸気93が混在している。
【0012】液膜94は気水分離ステージ3aの上部に位
置するピックオフリング6aで捕捉され、旋回筒4aと
外筒5bの間隙を通り、オリフィスとしてのブレイクダ
ウンリング9を経て、炉心の上部に位置するダウンカマ
部(図示せず)へと放出される。一方、最下段の気水分
離ステージ3aにおいて捕捉されなかった液相は、大半
がその上段の気水分離ステージ3b,3cにおいてピッ
クオフリング6b,6cにより捕捉される。
【0013】なお、この気水分離器91を通過する蒸気中
から気水分離器91によって取り除かれる湿分のうち、約
9割は最下段の気水分離ステージ3aにおいて除去され
るように設計されている。また気水分離器91の出口にお
いては、気液二相流のうち水の質量分率を10%以下に抑
えるように設計されている。
【0014】こうして、気水分離器91の最上段の気水分
離ステージ3cを通過した蒸気は、上記作用により湿分
の低いものとなっているが、この気水分離器91の上方に
設置された蒸気乾燥器100 へと導かれて、さらに湿分が
除去される。気水分離器91は通常 200本から 300本の垂
直管群として構成され、シュラウドヘッドに溶接されて
一体に懸吊されているのに対し、蒸気発生器は一体で多
数の波板群を格納している。
【0015】次に、この蒸気乾燥器について、図36を参
照して説明する。図36(a)は一般的な蒸気乾燥器の一
部切欠図、図36(b)は図36(a)における波板の拡大
上面図である。
【0016】従来の蒸気乾燥器100 は、鉛直方向長さが
2メートル弱の波板96が垂直に懸吊されたユニットが複
数並んで配置されたものである。これらの波板群96は多
孔板97で側面を覆われている。また図36(b)に示すよ
うに、1体の波板96には通常3段の山があり、2枚の波
型の板96a、96bと、これらの波型の板96a、96bに内
接する板96cとからなる。さらにこの板96a、96bは切
欠部96dを有し、板96a、96bと板96cとの接点付近96
eは鉤状に成形されている。この波板群の下部にはドレ
ン樋98が設置され、また除去した湿分を蒸気乾燥器100
外へ排出するドレン管99が設置されている。
【0017】次にこの蒸気乾燥器100 の作用について説
明する。気水分離器91から送られる蒸気は、微細な液滴
を含む湿分の低い霧状の蒸気となっている。この霧状蒸
気の流れを図36において波線の矢印で示した。まず蒸気
は、多孔板97の孔から波板群96へと入り込み、波板96の
間を通り抜ける。しかしこのとき、霧状蒸気中の微細な
液滴は、波板96を通り抜ける過程で波板96の流線の急激
な変化に追従できずに、波板96に設けられた鉤状の液滴
捕獲部96eに入り込み、この鉤状部96eに沿って流下
し、ドレン樋98とドレン管99を通して炉心上方のダウン
カマ部(図示せず)に流れ込む。こうして、蒸気乾燥器
100 を通過する蒸気は、さらに湿分が除去されて主蒸気
管110 を通じてタービンへ送られる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】沸騰水型原子炉では発
電のために炉心からの蒸気をタービンに直接供給する
が、この蒸気に対しての気体中の水の質量分率を一定値
以下にする、すなわち気水分離器におけるキャリーオー
バを低減する必要がある。しかし実際には、旋回羽根2
による気液二相流の旋回力は上部に行くほど弱まるの
で、図32に示す気水分離器91の気水分離手段、特に上段
の気水分離ステージ3cにおいて、液膜94の表面が波立
ち蒸気流によって液膜94が引きちぎられて、液滴92が発
生する。ここで発生した液滴92は、旋回筒4b,4cの
中央部を流れる蒸気93に混入して気水分離器91上部の蒸
気乾燥器100 へと運ばれることになり、キャリーオーバ
が増大する。
【0019】また、上述したように、気水分離器91に流
入した冷却材の液相はそのほとんどが最下段の気水分離
ステージ3aにおいて除去される。すなわち、図33に模
式的に示すように、最下段の気水分離ステージ3aの液
膜94と比べて、その上段の気水分離ステージ3b,3c
における液膜94は非常に薄くなるから、この気水分離ス
テージ3b,3cにおいて除去される液体は非常に少な
い。しかしながら、この気水分離ステージ3b,3cを
要することで、その分この気水分離器91は構成部品が多
く、製作や点検に時間や手間を多く要することになる。
また、旋回羽根2についても、中心ハブ2aを有するた
め構造が複雑であるから、製作や点検に時間や手間を多
く要する。
【0020】また、気水分離器91の旋回筒中心部を流れ
る蒸気は、ピックオフリング6a、6b、6cに捕捉さ
れずに上部へ向かうが、各気水分離ステージを通過する
際、ピックオフリング上部において渦を形成する。この
渦によって、各気水分離ステージの上部において圧力損
失が増大する。
【0021】また、気水分離器91の各気水分離ステージ
において旋回筒の内壁面に生ずる液膜94による摩擦抵抗
も、こうした圧力損失増大の主要因となる。さらに、旋
回羽根2においては、中心ハブ2aの存在により冷却材
の流路面積が減少するため、旋回羽根2を冷却材が通過
する際の圧力損失も大きい。特にこの中心ハブ2aの上
部において、旋回羽根2から流出する気液二相流の流れ
が乱れ渦が発生することにより圧力損失が増大する。実
際、気水分離器の全圧力損失のうち約3割がこの旋回羽
根2により生じている。
【0022】このような圧力損失が許容範囲を越えて増
大すると、原子炉圧力容器からタービンへと蒸気を円滑
に送り出す上での妨げとなる。特に原子炉内の冷却材を
循環させるポンプにかかる負荷が大きくなるので、原子
炉の健全な運転にはふさわしくない。また自然対流によ
る冷却材の循環流量が大きく変動することも考えられ
る。
【0023】また、従来の沸騰水型原子炉においては、
燃料交換時の機器取り外しに多くの時間を要している。
すなわち、燃料を交換する前に原子炉圧力容器内の機器
取り外しを行う際、まず蒸気乾燥器をすべて取り外した
後でシュラウドヘッドと気水分離器を取り外すという作
業工程を経るため、時間や手間を多く要する。
【0024】さらに、現行の気水分離器91の下部から蒸
気乾燥器100 の上部まではおよそ6メートルの長さを占
めるため、原子炉圧力容器101 の容積もそれに伴い大き
くせざるを得なかった。
【0025】上記課題を解決するために、本発明におい
ては、気水分離器を通過する気液二相流のうち液相を効
率よく除去し、かつ気水分離に伴い発生するキャリーオ
ーバを低減することを目的とする。
【0026】また、気水分離器において、複雑な構造を
有する旋回羽根や、3段からなる気水分離ステージの構
造を改善することで、気水分離の性能を高く維持しつつ
も、気水分離器をより簡易な構造とすることを目的とす
る。
【0027】また、気水分離器の気水分離ステージにお
いて旋回筒の内壁面に新たな工夫を加えることにより、
この内壁面に生ずる液膜による摩擦抵抗を低減し、圧力
損失を抑制することを目的とする。
【0028】さらに、気水分離器と蒸気乾燥器が独立し
て構成される従来の気水分離装置の構造を見直すこと
で、気水分離作用の性能を高く維持しつつも、気水分離
装置をより簡易な構造とすることを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、原子炉炉心からの気液二相流を通すス
タンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し気
液二相流の気水分離を行う旋回筒及びこの旋回筒の外側
に位置する外筒からなる気水分離ステージとを備えてな
る気水分離器において、スタンドパイプの気液二相流の
出口側口径が入口側口径より小さいことを特徴とする気
水分離器を提供する。
【0030】この構成により、縮小管路の中を気液二相
流が通ることで旋回作用を受け、高密度の液体が管内壁
近傍に液膜を構成し、気液が分離される。またこのスタ
ンドパイプにおける出口側口径を入口側口径の約1/2
に設定する。これにより、気液二相流が管軸方向に急峻
な速度分布をとることで、気水分離効果が高まる。
【0031】さらに、気水分離ステージのうち最下段に
位置する気水分離ステージの旋回筒をスタンドパイプと
一体構造とし、かつスタンドパイプの出口側から旋回筒
の入口側にかけての壁面を括れ構造とする。これにより
部品点数を減らすとともに、側壁を鋭角でなく流線形と
することで圧力損失をさらに低減する。
【0032】また本発明では、原子炉炉心からの気液二
相流を通すスタンドパイプと、このスタンドパイプの上
方に位置し気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、
この旋回手段の上方に位置し気液二相流の気水分離を行
う旋回筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる
気水分離ステージとを備えてなる気水分離器において、
旋回手段は矩形板の上下端のうち少なくとも一方をねじ
って成形しスタンドパイプに内接設置されたねじり状の
板であることを特徴とする気水分離器を提供する。これ
により、従来の中心ハブと傾斜翼とからなる旋回羽根と
比較して、気液二相流が旋回手段を通過する際に生じる
圧力損失を低減できる。
【0033】また本発明では、原子炉炉心からの気液二
相流を通すスタンドパイプと、このスタンドパイプの上
方に位置する旋回筒とを備えてなる気水分離器におい
て、スタンドパイプの気液二相流の出口側口径が入口側
口径より小さく、かつスタンドパイプに旋回手段として
矩形板の上下端のうち少なくとも一方をねじって成形し
スタンドパイプに内接設置したねじり状の板を内接設置
したことを特徴とする気水分離器を提供する。これによ
り、縮小管路の中を気液二相流が通ることで旋回作用を
受けて気液が分離されるとともに、従来と比較して気液
二相流が旋回手段を通過する際に生じる圧力損失を低減
できる。
【0034】また本発明では、原子炉炉心からの気液二
相流を通すスタンドパイプと、このスタンドパイプの上
方に位置し気液二相流に旋回作用を与える旋回手段とを
備えてなる気水分離器において、旋回手段は矩形板の左
右端のうち少なくとも一方をねじってこの両端を接合し
て成形され、複数の孔を有し、かつスタンドパイプに内
接設置されたねじり状の板であることを特徴とする気水
分離器を提供する。
【0035】この構成により、「メビウスの輪」状に成
形された旋回手段としてのねじり状の板により、圧力損
失を低減するとともに、気液二相流のうち分離された液
滴の流れを整えることで気液分離性能をさらに向上させ
ることができる。
【0036】さらにこのねじり状の板の表面に気液二相
流の液滴を捕獲する誘導路を設けることにより、スタン
ドパイプと外筒との間隙に液滴を確実に誘導し液滴を排
出することで気水分離性能を向上させる。
【0037】また本発明では、原子炉炉心からの気液二
相流を通すスタンドパイプと、このスタンドパイプの上
方に位置し気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、
この旋回手段の上方に位置し気液二相流の気水分離を行
う旋回筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる
気水分離ステージとを備えてなる気水分離器において、
スタンドパイプまたは気水分離ステージのうち少なくと
も最下段の気水分離ステージの旋回筒の内壁表面に、気
液二相流の流れ方向に沿った細い溝を複数段並設してな
るリブレットを形成したことを特徴とする気水分離器を
提供する。これにより、旋回筒の内壁面に形成される液
膜から生じる摩擦抵抗をさらに低減できる。
【0038】さらに、このリブレットの溝幅及び溝の深
さを、少なくとも気液二相流の流速を用いて決定する。
こうして決定した最適リブレット溝幅を採用することに
より、旋回筒の内壁面に生ずる液膜による摩擦抵抗をさ
らに低減することができる。
【0039】また本発明では、原子炉炉心からの気液二
相流を通すスタンドパイプと、このスタンドパイプの上
方に位置し気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、
この旋回手段の上方に位置し気液二相流の気水分離を行
う旋回筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる
気水分離ステージとを備えてなる気水分離器において、
旋回手段の上方にフィンを具備することを特徴とする気
水分離器を提供する。これにより、従来旋回手段の上部
で生じていた渦による気液二相流の流れの乱れを防止
し、圧力損失を低減する。
【0040】また本発明では、原子炉炉心からの気液二
相流を通すスタンドパイプと、このスタンドパイプの上
方に位置し気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、
この旋回手段の上方に位置し気液二相流の気水分離を行
う旋回筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる
気水分離ステージとを備えてなる気水分離器において、
気水分離ステージのうち最下段に位置する気水分離ステ
ージの旋回筒の内径の大きさは実質的にスタンドパイプ
の内径の大きさ以下であることを特徴とする気水分離器
を提供する。こうした先細の縮小管路の中を気液二相流
が流れると、旋回作用を受けて気水分離の性能が向上す
る。
【0041】また本発明では、原子炉炉心からの気液二
相流を通すスタンドパイプ及びこのスタンドパイプの上
方に位置し前記気液二相流の気水分離を行う気水分離ス
テージを備えた気水分離器と、この気水分離器の上方に
位置し気水分離器を通過した蒸気に含まれる液滴を分離
する蒸気乾燥器とからなる気水分離装置において、蒸気
乾燥器は、気水分離器の気水分離ステージと一体化して
設けられ、側壁に複数の縦型スリットを有する内筒と、
この内筒を内包する外筒とからなることを特徴とする気
水分離装置を提供する。これにより、従来の気水分離装
置に比べて構成部品数が減ってより簡易な構造となる。
【0042】さらにこの気水分離ステージと一体化した
蒸気乾燥器は、内筒と外筒との間の空間が複数個に仕切
られ、これらの仕切られた空間それぞれに複数の波板部
材を有し、さらに外筒の上部に蒸気排出用の穴を有する
上蓋を具備するものとする。これにより、気水分離の性
能を従来同様高く維持しつつも、気水分離装置の構造を
より簡易なものにすることができる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につき
図面を参照して説明する。なお、上記従来の技術と同じ
構成部分については同一符号を付して詳細な説明を省略
する。図1は本発明の第1の実施形態に係る気水分離器
の縦断面図である。本実施形態に係る気水分離器21で
は、図32に示した従来の気水分離器91における旋回羽根
2を削除し、かつスタンドパイプ11を上方へいくほど口
径が細くなるよう設定したものである。すなわち、スタ
ンドパイプ11は気液二相流の出口側口径d3 が入口側口
径d2 より小さい先細管となっている。このスタンドパ
イプの上方には、従来の気水分離器91と同様に複数段の
気水分離ステージ3a,3b,3cが設置されている。
【0044】このように入口側口径よりも出口側口径の
方が小さい縮小管路に流体を流すと、先細構造によって
流体に旋回作用が施されて流体が旋回流をなすことが知
られている。これは例えば、堀井清之「スパイラルフロ
ーとその応用」、ターボ機械・第22巻第4号第57頁 に
開示されている。こうして得られる旋回流はスパイラル
フローと呼ばれ、軸方向では管軸近傍に速い流れをも
ち、かつ時間に伴う流れの変動の非常に小さい安定した
流れである。こうした縮小管路構造を利用した技術は、
光ケーブルの管路への送通等にも利用されており、工業
的応用の価値の高いものである。
【0045】以下本実施形態の作用について説明する。
原子炉炉心から上昇する冷却材は、高温高圧下で気液二
相流となりスタンドパイプ11の入口より気水分離器21に
流入する。スタンドパイプ11の縮小管路構造によりこの
気液二相流はスタンドパイプ11の管軸近傍に速い流れを
もつ旋回流となる。旋回作用に伴い気液二相流は同時に
遠心分離作用を受けてスタンドパイプ11からその直上に
位置する気水分離ステージ3aの旋回筒4aへ送られ
る。すなわち、高速流の集中する旋回筒4aの軸近傍に
は低密度の蒸気が、また旋回筒の壁面近傍には高密度の
液体が液膜を形成して、ともに旋回しながら上昇する。
以下の気水分離に係る作用は上記従来の技術で述べたも
のと同様である。
【0046】図2は本実施形態における気液二相流の軸
方向の速度分布を模式的に示したグラフである。グラフ
の縦軸は軸方向の速度をスタンドパイプ11の管軸におけ
る速度を1として相対値として示した。また横軸にはス
タンドパイプ11の管軸からの距離を管口半径を1として
相対値として示した。このグラフでは、解析の結果最も
効果が大きいと思われる場合として、図1においてd3
=d2 /2、すなわちスタンドパイプ11における出口側
口径d3 を入口側口径d2 の1/2とした場合の速度分
布を符号12を付した実線で示した。また比較のために、
3 =d2 とした場合、すなわち従来のようにスタンド
パイプが口径一定の円管である場合の速度分布を符号13
を付した破線で併せて示した。
【0047】このグラフによれば、先細の縮小管路構造
とした場合には、軸方向に速い流れをもち管軸から少し
離れると速度が急激に小さくなっており、口径一定の場
合と比較して急峻な速度分布となることがわかる。
【0048】よって先細のスタンドパイプ11を採用した
ことにより、気液二相流旋回流に対し大きな気水分離効
果が得られることがわかる。これにより、従来の気水分
離器に用いられる旋回羽根を用いずとも十分な気水分離
効果が得られると同時に、従来主に旋回羽根において生
じていた圧力損失を本実施形態では大幅に低減すること
ができる。
【0049】本実施形態の変形例として図3に示した気
水分離器が挙げられる。いずれも気水分離器のスタンド
パイプ11の先細の縮小管路構造を変更したものでありそ
れ以外の部分は上述の本実施形態と同じ構造であるから
図示を省略した。図3(a)に示したスタンドパイプ14
はスタンドパイプ11同様先細の縮小管路構造であるがパ
イプの出口が旋回筒4a内部に突出している。また図3
(b)に示したスタンドパイプ15はパイプ下部は同一口
径の円管状に成型され、パイプ上部は先細の縮小管路構
造となっている。また図3(c)に示したスタンドパイ
プ16は図3(b)のスタンドパイプ15と同様にパイプ下
部は円管状でパイプ上部が先細構造になっており、かつ
パイプの出口が旋回筒4a内部に突出している。これら
のスタンドパイプ14,15,16を用いた場合でも本実施形
態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0050】本実施形態及びその変形例において述べた
スタンドパイプ11,14,15,16については、旋回筒4a
との接触部分を溶接することにより旋回筒4aに接続固
着する。また、スタンドパイプ14,16に関しては、スタ
ンドパイプ外壁面のうち旋回筒4aとの接触部分の近傍
にねじ溝構造を施し、また旋回筒4aにもそれに対応す
るねじ構造を施すことにより、スタンドパイプ14,16を
旋回筒4aにねじ込んで接続固着する、あるいはこうし
てねじ込んだ後で当該接触部分を溶接し固着する方法が
考えられる。こうしたねじ込みによる固着によればさら
に気水分離器の加工が容易となる。
【0051】以下本発明の第2の実施形態について説明
する。図4は本実施形態に係る気水分離器の縦断面図で
ある。本実施形態に係る気水分離器22は、図32に示した
従来の気水分離器91における旋回羽根2を削除し、かつ
従来のスタンドパイプ1と最下段の気水分離ステージ3
aの旋回筒4aとを一体構造としたものである。すなわ
ち本実施形態では、最下段の気水分離ステージ3aの外
筒5aの内側には括れを有する長旋回筒17が位置してお
り、この長旋回筒17は、筒の一部に形成された括れ17c
を介して、原子炉炉心からの気液二相流を最下段の気水
分離ステージ3aへ通す長旋回筒下部17bと、括れを通
過して上昇する気液二相流を分離する長旋回筒上部17a
とからなる。この最下段の気水分離ステージ3aの上方
には、図32の従来の気水分離器91と同様に気水分離ステ
ージ3b,3cが設置されている。
【0052】この構成により、第1の実施形態において
示した先細の縮小管路とほぼ同様の構造を得ることがで
きる。すなわち、長旋回筒下部17bの入口側口径d2
りも括れ部分17cの口径d3 の方が小さいから、長旋回
筒下部17bを通過する気液二相流は上記第1の実施形態
と同様の作用により旋回作用を受ける。よって、長旋回
筒上部17aにおいては管軸近傍に気相が、また管壁面近
傍に液相が集中し、それぞれ旋回しながら上昇する。以
下の気水分離作用については第1の実施形態と同様であ
る。
【0053】また本実施形態では特に、長旋回筒17の括
れ部分17cの口径の最小値d3 を、長旋回筒下部17bの
入口側口径d2 の1/2と設定すると、第1の実施形態
において図2で説明したように急峻な速度分布が得ら
れ、大きな気水分離効果を得ることができる。
【0054】従って、本実施形態では第1の実施形態と
ほぼ同様の効果を得ることができる。さらに、この括れ
構造を有する長旋回筒17は、直円管に対してダイスによ
り括れ17cを形成する等の方法で製造できるから、溶接
等によるスタンドパイプと旋回筒の接続が不要となって
信頼性が向上するとともに製造に要する費用を低減でき
る。また、本実施形態の長旋回筒17には上下端を除いて
側壁が鋭角になったところがなく流線状であるから、第
1の実施形態と比較して圧力損失をさらに低減すること
もできる。
【0055】以下本発明の第3の実施形態について説明
する。図5は本実施形態に係る気水分離器の縦断面図で
ある。本実施形態に係る気水分離器23は、図32に示した
従来の気水分離器91における旋回羽根2を削除し、かつ
従来のスタンドパイプ1と最下段の気水分離ステージ3
aの旋回筒4aとを一体構造としたものである。すなわ
ち本実施形態では、最下段の気水分離ステージ3aの旋
回筒4aと一体となり接続されるスタンドパイプ18は、
気液二相流入口開口部を含むスタンドパイプ下部18bと
出口開口部を含むスタンドパイプ上部18aとからなり、
スタンドパイプの上部18aと下部18bとは異なる口径の
円管であり、上部円管18aの口径d3 は下部円管18bの
口径d2 より小さく、かつこの2つの円管18a,18bの
接合部18cは鋭角でなく流線形に成形されている。図に
示すように接合部18cの断面は円弧または楕円弧となっ
ている。また、スタンドパイプ下部18bの入口開口部と
炉心シュラウドヘッド105 との接合部18dもまた鋭角で
なく流線形に成形する。
【0056】これにより、スタンドパイプ18もまた入口
側口径より出口側口径の方が小さい先細の縮小管路であ
るから、第2の実施形態と同様の作用効果を有する。さ
らに、接合部18c及び18dを流線形としたことで、気液
二相流がスタンドパイプ18に流入する際及びスタンドパ
イプ下部18bから上部18cへ移行する際の圧力損失を低
減することができる。
【0057】さらに、このような断面円弧状または楕円
弧上の入口での気液二相流の吸込みは、洗面所の流しの
ドレンのように、旋回作用を強めるため、気液二相流の
旋回作用すなわち気水分離効果が一層向上する。
【0058】以下本発明の第4の実施形態について説明
する。図6は本実施形態に係る気水分離器の縦断面図で
ある。本実施形態に係る気水分離器24は、図32に示した
気水分離器91における旋回羽根2に代わる旋回手段とし
て、ねじり羽根31を設置したものである。
【0059】このねじり羽根31は、矩形板の上下端のう
ち少なくとも一方をねじって成形され、側面からは砂時
計形状にみえる旋回手段であり、乱流促進作用を有する
ものである。このねじり羽根31の側面外周部がスタンド
パイプ1の上部に内接している。従って、通常運転時に
は旋回羽根2の場合と同様に、回転しながら上昇してく
る気液二相流に旋回作用を加えることで、気液二相流の
うち蒸気は主に旋回筒4aの中心側に、液滴は旋回筒4
aの内壁にそれぞれ移動し、このねじり羽根31の上方
に位置する気水分離ステージ3a,3b,3cにおいて
液相が効率的に取り出される。
【0060】従来の旋回羽根2では中心ハブ2aの存在
により旋回羽根2を通る気液二相流の流路面積が減少
し、大きな圧力損失が生じていたが、本実施形態におい
ては、ねじり羽根31における流路面積の減少はねじり
羽根31の板厚分のみであるから、流路面積の減少によ
る圧力損失の増大をかなり低く抑えることができる。さ
らに従来の旋回羽根2と比べて構造が非常に簡単なた
め、補修点検が容易であり、製作に要する時間や費用も
低減できる。
【0061】本実施形態の変形例として図7に示した気
水分離器が挙げられる。これらの変形例はスタンドパイ
プ内の構造を一部変更したものでありそれ以外の部分は
上述の本実施形態と同じ構造であるから図示を省略し
た。
【0062】図7(a),(b),(c),(d)は、
いづれの場合も上記第1乃至第3の実施形態に係る気水
分離器のスタンドパイプに本実施形態に係るねじり羽根
31を設けたものである。特に図7(d)は第3の実施形
態に係る気水分離器23のスタンドパイプ18に2個のねじ
り羽根31を設けたものである。また図7(e)に示した
気水分離器は、ねじり羽根31の位置をスタンドパイプ1
の上方としたものである。すなわち、スタンドパイプ1
の上端とねじり羽根31の下端を溶接等の方法で接続し、
ねじり羽根31を最下段の気水分離ステージ3の旋回筒3
aの内部に包含させたものである。これらの構成によっ
ても、上述の本実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0063】以下本発明の第5の実施形態について説明
する。図8は本実施形態に係る気水分離器の断面図、図
9はこの気水分離器の旋回手段の部分斜視図である。本
実施形態に係る気水分離器25は、図32に示した気水分離
器91における旋回羽根2に代わる旋回手段として、スタ
ンドパイプ1の上方にねじり羽根32を内接設置したもの
である。このねじり羽根32は、矩形板の左右端のうち少
なくとも一方をねじってこの両端を接合しメビウスの輪
状に成形したものであり、乱流促進作用を有するもので
あるとともに、後述するようにねじり羽根32自体が気水
分離作用を有するものである。なおねじり羽根32の原型
の板の形状は矩形に限定されず、板の左右端が接合可能
であればよい。
【0064】また図9に示すように、ねじり羽根32の曲
面とスタンドパイプ1との接触面には複数の排水孔33が
設けられており、この排水孔33を通して液滴を最下段の
気水分離ステージ3aの外筒5aとスタンドパイプ1と
の空隙に導く。なお図9においては説明のため、スタン
ドパイプ1及び外筒5aを透明として示した。
【0065】図10は図9に示したねじり羽根32のB−B
矢視方向断面図である。ねじり羽根32を固定しかつ排水
孔34を作製する方法の一例として、図に示すように、固
定用のボルト孔またはリベット孔を設けたねじり羽根32
をボルトまたはリベット34で固定し、両者の接触面を数
箇所溶接した後、ドリルにより排水孔33を搾孔する方法
がある。
【0066】この構成による作用について説明する。原
子炉炉心からスタンドパイプ1内へ流入する気液二相流
は、ねじれ羽根32の表面にあたり上昇を妨げられる。気
液二相流のうち液滴はねじり羽根32によって発生する遠
心力の作用を受けてねじり羽根32の曲面表面に沿って上
昇し、ねじり羽根32の排水孔33を通してスタンドパイプ
1と外筒5aとの空隙に導かれ、スタンドパイプ1下方
の炉心シュラウドヘッド(図示せず)へと排出される。
【0067】この構成によれば、従来の旋回羽根2では
中心ハブ2aの存在により旋回羽根2を通る気液二相流
の流路面積が減少し、大きな圧力損失が生じていたが、
本実施形態においてはねじり羽根32における流路面積の
減少はねじり羽根32の板厚分のみであるから、流路面積
の減少による圧力損失の増大を低く抑えることができ
る。さらに従来の旋回羽根2及び複数段の気水分離ステ
ージを有する気水分離器と比べて構造が簡単なため、補
修点検が容易であり、製作に要する時間や費用も低減で
きる。
【0068】また本実施形態においては、スタンドパイ
プ1に内接設置するねじり羽根32を複数設けた気水分離
器も考えられる。2個のねじり羽根32a,32bを設けた
気水分離器の部分斜視図を図11に示した。図に示すよう
に、下側のねじり羽根32bをスタンドパイプ1の管軸に
対して180 度回転させた状態のねじり羽根22aをその上
方に設置している。複数のねじり羽根を設置する際、そ
れぞれのねじり羽根を管軸に対して回転させた状態のね
じり羽根をその上方に設置することにより、スタンドパ
イプ1内の気液二相流の流れが分散することを防止する
とともに、下方のねじり羽根により気水分離され湿分の
低くなった気液二相流の蒸気に対し、さらに上方のねじ
り羽根によって気水分離作用を施すことで、気水分離の
効果をさらに高めることができる。
【0069】またこの場合ねじり羽根による気水分離作
用が大きければ、従来3段設けられる気水分離ステージ
の段数を減らす、あるいは気水分離ステージを設けずに
このねじり羽根の直上に蒸気乾燥器を設けることも可能
である。あるいは、図12に斜視図で示すようにこのねじ
り羽根を有する気水分離器を複数束ねてなる気水分離装
置を、シュラウドヘッド(図示せず)の上方に設置する
こともできる。
【0070】さらに、図13に斜視図で示すように、本実
施形態に係る気水分離器のねじり羽根32の表面に、気液
二相流の流れ方向に沿って溝または突起で成形された誘
導路35を設け、またねじり羽根32の上方端部の一部にひ
さし36を設けることも考えられる。誘導路35の一例を図
14に拡大断面図として示した。図14(a)に示したV字
型の形状の誘導路の他に、図14(b)に示したU字型形
状の誘導路や、図14(c)に示した突起により形成され
る誘導路が考えられる。またひさし36は帽子の鍔状に成
形され、ねじり羽根32の表面に沿って上昇してくる液相
を確実に捕捉し、ねじり羽根32表面の外に液滴が逃げる
のを防ぐ。この構成により、ねじり羽根32の排水孔33へ
液滴を確実に誘導することで、気水分離効果がさらに高
められる。
【0071】なお、本実施形態の構造を第1乃至第3の
実施形態に係る気水分離器に組み入れることで、上記作
用効果が得られると同時に、第2または第3の実施形態
における効果を併せて得ることができる。すなわち、第
2または第3の実施形態において説明した図1、図3ま
たは図4に示した気水分離器においてスタンドパイプ1
に旋回手段として上述のねじり羽根32を設ける。これに
より、ねじり羽根32を通過し液滴排出により湿分の低く
なった気液二相流は再下段の気水分離ステージ3aへと
導かれるが、ねじり羽根32によって旋回作用が加わるこ
とで、気液二相流のうち蒸気は主に旋回筒4aの中心側
に液滴は旋回筒4aの内壁にそれぞれ移動する。こうし
てねじり羽根32の上方に位置する気水分離ステージ3
a,…においてさらに液相が効率的に取り出されるた
め、気液分離性能がより一層向上する。
【0072】以下本発明の第6の実施形態を、図15及び
図32を用いて説明する。図15は本実施形態に係る気水分
離器のスタンドパイプまたは最下段の気水分離ステージ
の旋回筒の断面図である。この図15は、図32に示す気水
分離器の縦断面図のA−A矢視方向の断面図に相当す
る。本実施形態に係る気水分離器は、図32におけるスタ
ンドパイプ1及び最下段の気水分離ステージ3aの旋回
筒4aの内壁表面にリブレット37を形成したものであ
る。
【0073】リブレット37は、流体の流れに沿った縦溝
群により構成され、乱流境界層の粘性底層近傍の構造を
変化させることによって摩擦抵抗を低減させる役割を果
たすデバイスであり、船舶のスクリュー等に応用されて
いる。従って、気水分離器のスタンドパイプ1及び最下
段の気水分離ステージ3aの旋回筒4aにおいて、内壁
側面上にリブレット37を設けることにより、リブレット
がない従来のものと比べて、摩擦抵抗の低減が図れる。
【0074】図16は、スタンドパイプ1及び最下段の気
水分離ステージ3の旋回筒3aの内壁表面に設けられる
リブレット37の形状の一例を表した拡大断面図である。
本実施形態において設けられるリブレット37は、図16
(a)に示すようなV字型の形状のものである。この図
においてhはリブレットの高さを、またdはリブレット
の間隔を示す。
【0075】スタンドパイプ1を上昇する気液二相流
は、旋回羽根2により旋回作用を受け、気液二相流の液
相のうち大半が最下段の気水分離ステージ3aにおいて
ピックオフリング6aに捕捉される。よって特にスタン
ドパイプ1及び最下段の気液分離ステージ3aの旋回筒
6aにおいて、筒内壁面上の液膜流の摩擦による圧力損
失が大きい。従って、この部分にリブレット51aを設け
ることにより、気水分離器の全圧力損失を大きく低減す
ることができる。
【0076】ここで、リブレット37の高さh及び間隔d
は、乱流の粘性底層の厚さδ1 と等しいものを採用した
ときが、壁面上の液膜流の摩擦低減に最適である。この
ときの粘性底層の厚さδ1 を最適リブレット溝幅とい
い、すなわちδ1 =h(リブレット高さ)=d(間隔)
である。この最適リブレット溝幅δ1 は、気液二相流の
旋回流の流速及び粘性係数によって決定されるものであ
り、次式で与えられる。
【0077】 δ1 = 123・δ/(uD/ν)^(7/8) u:乱流の流速 D:スタンドパイプ1または旋回筒3aの直径 ν:粘性係数 δ:スタンドパイプ1または旋回筒3aの半径 この式における uD/ν のことをレイノルズ数とい
う。レイノルズ数は乱流と層流を区分する場合のよう
な、流れを特徴づける物理量として重要なものである。
このレイノルズ数、すなわち気液二相流の流速等から、
摩擦抵抗低減の効果が最大となる最適リブレット溝幅δ
1 を決定する。
【0078】またここで用いられるリブレット37は図16
(a)に示したV字型の形状のものに限らず、図16
(b)に示したU字型形状のもの、あるいは図16(c)
に示した半円型形状のものを用いることも考えられる。
いづれの場合も、図に示したリブレットの高さh及び間
隔dは上述した最適リブレット溝幅δ1 を採用したも
のが最適である。
【0079】また、図16(b),(c)に示したリブレ
ットの構成によれば、V字型形状のリブレットと同様の
作用効果が得られると同時に、V字型リブレットでは長
期使用に伴いリブレットの鋭角先端部が高速の冷却材流
によって摩耗することも考えられるのに対し、U字型あ
るいは半円型のリブレットには鋭角部分がないから摩耗
の度合の低減が期待できる。
【0080】また本実施形態においては、最下段の気水
分離ステージ3aの旋回筒4aには原子炉通常運転中の
気液二相流の旋回流の方向に沿った螺旋状の縦溝からな
るリブレット37を設けるとよい。図17はこの場合の旋回
筒4aの斜視図である。この図では説明のために、この
旋回筒4aの下部に位置する旋回羽根によって旋回作用
を受けた気液二相流の流れの方向を矢印で示した。なお
このリブレット37としては、図17に示したV字型、U字
型あるいは半円型のいずれかを採用する。
【0081】もしこの旋回筒4aのリブレット37を旋回
筒4aの軸方向に平行に形成した場合、旋回流がリブレ
ットと角度を持って衝突し、リブレットが一種の表面荒
さのように働くので、摩擦損失の低減の効果が小さくな
ることが考えられる。しかし、リブレット37を旋回羽根
で生ずる旋回角度に沿って形成されることより、上述の
ような摩擦損失を抑制し、またさらなる圧力損失の低減
を図ることができる。
【0082】以下本発明の第7の実施形態を、図18を参
照して説明する。図18は本実施形態に係る気水分離器に
おける旋回羽根の拡大断面図である。本実施形態に係る
気水分離器は、図32に示した従来の気水分離器91の旋回
羽根2の中心ハブ2a上部にフィン(小びれ)38を設け
たものである。これ以外の部分の構成は従来の気水分離
器91と同様とする。
【0083】このフィン38は船のスクリュー等に用いら
れている小型の羽根である。船のスクリューを回す際に
スクリューの軸の後端に渦が発生するが、軸後端にフィ
ン(小びれ)を取りつけることによりこの渦が打ち消さ
れて発生しなくなる。これにより船の燃料が節約でき
る。
【0084】本実施形態の作用について説明する。スタ
ンドパイプ1から流入する気液二相流は旋回羽根2によ
って旋回作用を受け、旋回筒4a内へと上昇するが、こ
のとき旋回羽根2の傾斜翼2b間から流出し上昇する気
液二相流の旋回流は、中心ハブ2a上部に設置されたフ
ィン38によって渦を作ることなく上昇する。これにより
圧力損失が減少される。
【0085】また、フィン38の角度を旋回羽根2の傾斜
翼2bの角度と等しくすることにより、上述の圧力損失
減少効果がさらに高められる。また本実施形態を第4ま
たは第5の実施形態について適用することもできる。す
なわち、ねじり羽根31または32の上方にフィン38を設置
することにより、圧力損失をさらに低減することができ
る。
【0086】以下本発明の第8の実施形態について説明
する。図19は本実施形態に係る気水分離器の縦断面図、
図20は図19における冷却材の流れを模式的に示した図で
ある。
【0087】図19に示す気水分離器26において、最下段
の気水分離ステージ3aのピックオフリング6aの長さ
xは、中段及び最上段の気水分離ステージのピックオフ
リング6b,6cの長さよりも長くなっている。
【0088】すなわち、気水分離ステージ3aでは、大
半の湿分を除去するような構成となっているが、この湿
分除去の効率を高めるためには最下段の気水分離ステー
ジ3aで発生する液膜の捕獲量を増やすことが重要であ
る。そこで、液膜を捕獲する最下段の気水分離ステージ
3aにおけるピックオフリング6aの長さを中段及び上
段の気水分離ステージ3b,3cにおけるピックオフリ
ング6b,6cよりも長くすることにより、最下段気水
分離ステージ3aでの液膜捕獲を確実にし、湿分除去の
効率を高めることができる。
【0089】以下この気水分離器26の作用について図20
を参照して詳述する。冷却材の気液二相流はスタンドパ
イプ1を通り、旋回羽根2の回転によって旋回作用を受
け、最下段の気水分離ステージ3aへと通される。この
ときスタンドパイプ1及び最下段の気水分離ステージ3
aの下部においては、液相中の流れの中に多くの気泡95
が認められる。一方、最下段の気水分離ステージ3a上
部では蒸気93中に液滴92が存在する。
【0090】旋回羽根2によって旋回作用を受けた気液
二相流のうち、最下段の気水分離ステージ3aの液膜9
4は、旋回力の弱まる気水分離ステージ3aの上部にお
いても、液滴となって再び気相に混入することなく、長
いピックオフリング6aによって確実に捕捉される。こ
の捕捉された液膜94の一部は、気水分離ステージ3a上
部において、旋回羽根2から受ける旋回力が減衰するた
めに、蒸気93の流れによって表面が引きちぎられるが、
ピックオフリング6aを長くすることにより、これに遮
られ、旋回筒3aの中心を流れる蒸気に混入することが
ない。
【0091】ピックオフリング6aで捕捉された液膜94
は、旋回筒4aと外筒5aの間隙を通り、オリフィスと
してのブレイクダウンリング9を経て、炉心の上部に位
置するダウンカマ部(図示せず)へと放出される。
【0092】このように、最下段の気水分離ステージ3
aのピックオフリング6aを中段及び上段気水分離ステ
ージ3b.3cのピックオフリング6b,6cよりも長
くすることにより、最下段の気水分離ステージ3aにお
いて液膜94を確実に捕捉することができるから、従来よ
り気液二相流の湿分をより多く除去し、気水分離器のキ
ャリーオーバ量を低減することができる。
【0093】次に、ピックオフリング6aの長さの最適
化について考察する。ピックオフリング6aはある程度
長い方が、キャリーオーバ量を低減できると考えられる
が、逆にピックオフリングの長さが長すぎると、キャリ
ーオーバ量が増大する。これはピックオフリングの長さ
が長すぎると、液膜が完全に形成される前の気液混合状
態にある冷却材をピックオフリングが捕捉したり、ある
いは気液が十分に分離されずに旋回筒中央部を流れる蒸
気に多量の液滴が混入し、キャリーオーバ量が増大する
ためである。
【0094】かかる考察から、キャリーオーバ量を十分
に低減させるためには、ピックオフリング6aの長さは
旋回筒長さの約3/8から1/2であれば好適であるこ
とが検証されたといえる。
【0095】図21にピックオフリング6aの長さとキャ
リーオーバ量の相関を表す試験結果のグラフの一例を示
す。尚、この試験では実機の1/3縮尺の試験機を用い
たものである。グラフの縦軸はこの試験機でのキャリー
オーバ量を示し、横軸は試験機のピックオフリングの長
さを旋回筒長さを1として相対値として示したものであ
る。
【0096】図21に示すように、試験機においてピック
オフリング長さを旋回筒長さの約3/8(=0.375 )か
ら約1/2(=0.5 )とした場合の試験結果は、旋回筒
長さの約1/15(=0.067 )から約1/8(=0.125 )
とした場合の試験結果と比較して、キャリーオーバ量が
およそ4割以下に低減されることがわかる。
【0097】従って、以上の試験結果及び実験精度、実
機との差などを総合すれば、ピックオフリング長さが旋
回筒長さの約3/8から約1/2であればキャリーオー
バ低減の効果が十分に大きいことがわかる。
【0098】以下本発明の第9の実施形態を、図22を参
照して説明する。ここでは冷却材の流れを模式的に示し
ている。本実施形態に係る気水分離器27は、気水分離ス
テージを1体のみ有するものであり、この気水分離ステ
ージのピックオフリングの長さは、旋回筒長さの約3/
8から1/2となっている。
【0099】この構成によれば、気水分離器27は、好適
な長さのピックオフリング6aを有するために気水分離
の効率が高く、気水分離ステージを1体としても十分な
気水分離が可能であり、気水分離ステージを3段から1
段に削減することができる。このように気水分離ステー
ジを削減することにより気水分離ステージ内の圧力損失
を低減できる。すなわち、気水分離ステージを複数有す
る、例えば図19に示す気水分離器26においては、旋回羽
根2によって遠心分離作用を浮けた液膜94はほとんどが
最下段の気水分離ステージ3aのピックオフリング6a
で捕捉されるが、一方旋回筒4aの中心部を上昇する蒸
気93は旋回筒4a上部で渦を発生して圧力損失が増大
する要因となっている。
【0100】従って、本実施形態に係る気水分離器27の
ように気水分離ステージの段数を従来の3段から1段に
削減すると、蒸気93の渦から生じる圧力損失のうち、第
1の実施形態で中段及び上段の気水分離ステージ3b,
3cにおいて生じる圧力損失の分だけ、圧力損失を低減
することができる。また、気水分離ステージを2段削減
したので、削除した2段の気水分離ステージの分だけ部
品点数が削減されてより簡易な構成となるため、製造や
点検に要するコストや時間を低減することができる。
【0101】また本実施形態の変形例として、図19に示
した気水分離器26において上段の気水分離ステージ5を
削除して、気水分離ステージの段数を従来の3段から2
段に削減し、さらに最下段の気水分離ステージのピック
オフリングの長さを、旋回筒長さの約3/8から約1/
2としたものがある。これによれば、気液二相流の蒸気
の渦から生じる圧力損失を低減することができると同時
に部品点数が削減されるとともに、本実施形態と比べ
て、気水分離ステージが2段あることにより気水分離効
率を高く保つことが期待できる。
【0102】以下本発明の第10の実施形態を、図23を参
照して説明する。図23は本実施形態に係る気水分離器28
の断面図である。図32に示した従来の気水分離器91にお
いては、旋回羽根2の中心ハブ2aが逆円錐型であるた
め、旋回羽根部において上部に行くほど径方向が広がっ
た構造となり、スタンドパイプ1の内径d2 よりも旋回
筒4a、4b、4cの内径d1 の方が大きかった。それ
に対し、本実施形態に係る気水分離器28は、旋回羽根39
の中心ハブを円柱型形状とし、旋回羽根部における径方
向の広がりをなくすことで、旋回筒4a、4b、4cの
内径d1 を従来のスタンドパイプの内径d2 と略等しく
したものである。これ以外の部分の構成は従来の気水分
離器91と同様である。
【0103】この結果、気水分離器28はスタンドパイプ
1から気水分離器出口までを同一口径d1 のストレート
管としたことで、気水分離器自体が従来より細くなって
いる。スタンドパイプ1から流入する気液二相流は旋回
羽根39によって旋回作用を受け、スタンドパイプ1と内
径の略等しい旋回筒4aにおいて遠心分離される。
【0104】こうして従来の気水分離器と比べて流路面
積を減少させることなく、気水分離器単体の径を小さく
することができるから、単位面積あたりの気水分離器の
設置本数を大きくすることができる。よって、それだけ
気水分離器1本あたりが処理する気液二相流の流量が減
少し、それに伴い気水分離器28内部を流れる気液二相流
の流速が減少する。圧力損失は流速の2乗に比例するか
ら、この構成により気水分離器による圧力損失の低減を
図ることができる。
【0105】以下本発明の第11の実施形態を、図24を参
照して説明する。図24は本実施形態に係る気水分離器29
の断面図である。図32に示した従来の気水分離器91につ
いては、3段の気水分離ステージ3a、3b、3cにお
ける旋回筒4a、4b、4cの内径は軸方向位置によら
ずほぼ等しい値d1 をとっていた。それに対し、本実施
形態に係る気水分離器29は、図24に示すように、旋回
筒4a、4b、4cの上端部の内径を下端部の内径より
小さくしたことに特徴がある。すなわち、最上段の気水
分離ステージ3cの旋回筒4cの上端部の内径をd4
最下段の気水分離ステージ3aの旋回筒4aの下端部の
内径をd5 とするとき、d5 >d4 である。これ以外の
部分の構成は従来の気水分離器91と同様とする。
【0106】一般に、入口側口径よりも出口側口径の方
が小さい先細の縮小管路の中を流体が流れると、旋回流
が発生することが知られている。このことを考慮にいれ
て、以下本実施形態の作用について説明する。
【0107】スタンドパイプ1から流入する気液二相流
は旋回羽根2によって旋回作用を受け、旋回筒4a内へ
と上昇する。旋回作用を受けた気液二相流のうち低密度
の蒸気は気水分離ステージ3aの中心側に位置し、高密
度の液体は旋回筒4aの内壁面に液膜を形成し、ともに
旋回しながら上昇する。この際、旋回筒4aは下流ほど
内径が小さくなる構造であるから、旋回力が増加して、
図中矢印で示す径方向外向きの力が作用する。これによ
り旋回筒4a内壁面の液膜が旋回筒4a中心を流れる蒸
気によって引きちぎられることを防止できるから、キャ
リーオーバが減少する。なお、この上方に位置する気水
分離ステージ3b、3cにおいても同様の作用がある。
【0108】本実施形態においては最下段の気水分離ス
テージ3aの旋回筒4aにおける気液分離効果が最も大
きいから、この旋回筒4aのみを下流ほど内径の小さい
管とし、その他の旋回筒4b、4cは従来同様の内径一
定の管とすることも考えられる。また本実施形態では、
旋回羽根2を第10の実施形態に係る気水分離器28の旋回
羽根39で置き換えることも考えられる。
【0109】以下本発明の第12の実施形態を、図25を参
照して説明する。図25は本実施形態に係る気水分離器30
の断面図である。本実施形態に係る気水分離器30は、第
11の実施形態に係る気水分離器29におけるピックオフリ
ング6a、6b、6cを削除したものである。すなわ
ち、最下段及び中段の気水分離ステージ3a、3bの外
筒5a、5bは、上部が旋回筒4a、4b側に曲折して
おり、この曲折部10a、10bの端部がそれぞれその上方
に位置する旋回筒4b、4cの下端と接している。ま
た、第11の実施形態と同様に、旋回筒4a、4b、4c
の上端部の内径を下端部の内径より小さく設定し、先細
の縮小管路構造としている。
【0110】この構成により、第11の実施形態と同様の
作用効果が得られる。また、旋回筒4aは下流ほど内径
が小さくなる構造であるから、旋回力が増加して径方向
外向きの力が作用することにより、旋回筒4a内壁面の
液膜が旋回筒4a中心を流れる蒸気によって引きちぎら
れることを防止できる。ピックオフリングは旋回筒内壁
面の液膜を捕捉するためのものであるが、本実施形態で
は上記径方向外向きの力が働くため、この捕捉手段とし
てのピックオフリングを削除しても、液膜は効率良く外
筒5aの曲折部10aと旋回筒4aとがなす間隙を通して
気水分離器30の外部へ排出される。なお、この上方に位
置する気水分離ステージ3bにおいても同様の作用が期
待できる。従って、気水分離性能及び圧力損失低減効果
を低下させることなく、気水分離器の部品点数を削減す
ることができる。
【0111】以下本発明の第13の実施形態について、図
を参照して説明する。図26は本実施形態に係る気水分離
装置41の断面図、図27は図26の上面図、図28(a)は図
26におけるC−C矢視方向断面図、図28(b)は図28
(a)の部分拡大図である。
【0112】図26に示した本実施形態に係る気水分離装
置31では、従来の気水分離器に相当する部分として、ス
タンドパイプ1と、旋回羽根2と、その上方に2段に重
なる気水分離ステージ3a,3bが設けられている。
尚、ここでは気水分離ステージを2段としたが、従来通
り3段としたものも考えられる。また、上段の気水分離
ステージ3bの上部に2重円筒状の蒸気乾燥器7を設け
る。この蒸気乾燥器7と気水分離ステージ3bは一体化
した構成となっており、気水分離装置41は蒸気乾燥器7
と従来の気水分離器に相当する機能とを併せもった構造
となっている。またこの気水分離装置41の蒸気乾燥器7
の外筒7aは気水分離ステージ3a,3bとほぼ同じ外
径である。
【0113】この蒸気乾燥器7は、図28(a)に示すよ
うに、外筒7a及び内筒7cと、これらに挟まれた空間
を複数個に仕切る仕切板7bとから構成されている。こ
こでは6つの空間に仕切った場合を示すが、仕切板の個
数はこれに限られるものではない。そして、内筒7cに
は複数箇所にわたって軸方向にスリット7dが設けられ
ている。このスリット7dは仕切られた空間1つに対し
て1箇所、内筒7cと仕切板7bの接する部分に、仕切
られた各空間からみて同一の側に設けられている。さら
に図27に示すように、内筒7cの上端は上蓋7eによっ
て閉塞されており、またこの上蓋7eには、仕切り7b
の数に応じて、仕切られた空間の上部に蒸気排出用の扇
状孔7fが設けられている。
【0114】また図28(b)に示すように、仕切られた
各空間には波板8が数枚、ほぼ同心円状に設けられてい
る。またこの波板はスリット7dのついていない側の仕
切り7cに内接している。この図では波板8を同心円状
3段とした場合を示したが、波板8の枚数はこれに限定
されない。ここでの波板8は図36(b)に示した従来の
蒸気乾燥器100 における波板96と同様の形状のものであ
り、鉤状に成形された液滴捕獲部8eを有する。
【0115】以上の構成による気水分離装置41の作用に
ついて説明する。冷却材の気液二相流がスタンドパイプ
1から旋回羽根2によって旋回作用を受け、上段の気水
分離ステージ4へと送られるまでは、従来と同様であ
る。上段の気水分離ステージ4を上昇する蒸気にはまだ
微量の水分が含まれる。この蒸気は内筒7cから蒸気乾
燥器7へと入り込み上昇するが、内筒7cの上部には上
蓋7eがあるため、蒸気はスリット7cを通って仕切ら
れた空間へと入り込み、同心円状に設けられた波板8に
沿って、自ら波板8の間隙を縫って円周向きに流れる。
この波板8を通過する間に、蒸気中の液滴は波板8の流
線の急激な変化に追従できずに波板8に付着して、鉤状
の液滴捕獲部8eに捕獲され流下し、外筒7aの下方の
空隙から気水分離器外へ放出される。一方、波板を通過
した蒸気はより湿分の低い乾燥した蒸気となり、上蓋7
eの扇状孔7fを通って図示しない原子炉圧力容器の上
部空間へと導かれ、主蒸気配管から圧力容器外のタービ
ン建屋へと送られる。
【0116】従って、従来と同様波板を用いて蒸気を乾
燥させることにより、従来の気水分離器と蒸気乾燥器が
独立した構造によって得られるものと同等の湿分の低い
蒸気を得ることができる。また本実施形態は気水分離器
と蒸気乾燥器が一体となったコンパクトな構成であるか
ら、図36(a)に示すような蒸気乾燥器が不要となった
分だけ、原子炉圧力容器の容積や重量を小さくすること
ができると同時に、総部品点数が削減されるから製造に
要する時間や費用を削減することができる。
【0117】また例えば燃料交換時には従来は蒸気乾燥
器を取り外す必要があったが、本実施形態ではその必要
がないから、定期検査に要する時間や費用を削減するこ
とができる。
【0118】また従来の原子炉圧力容器の容積を維持し
つつ本実施形態を採用すれば、従来より圧力容器内の気
相部が占める容積が大きくなるため、圧力容器内に熱的
な変化が起きた場合でも、容積が大きい分圧力容器内の
圧力変化を緩和し、圧力が急に上昇することを防ぐこと
ができる。
【0119】なお本実施形態と第1乃至第12の実施形態
とを組み合わせることで、上記作用のもとで上記効果が
得られると同時に、第1乃至第12の実施形態における効
果を併せて得ることができる。特に、第11の実施形態に
係る最下段のピックオフリングを長くした気水分離器と
本実施形態とを併用することは気水分離性能の向上に極
めて有効である。
【0120】本実施形態の変形例として、図26に示した
気水分離装置41の蒸気乾燥器7の内筒の構造と波板8及
びスリットの配置を変形したものについて以下説明す
る。図29(a)は図26に示した気水分離装置41の蒸気乾
燥器7における内筒7cを内筒7gに置き換えた本変形
例に係る気水分離装置のC−C矢視方向断面図、図29
(b)は図29(a)の部分拡大図である。
【0121】ここに示すように、蒸気乾燥器7の外筒7
aと内筒7gに挟まれる空間は仕切り7bによって複数
の空間に仕切られており、これらの各空間において数枚
の波板8が外筒7aに内接して放射状に設置されてい
る。また各仕切り7bと内筒7gとが接する部分の中間
において、内筒7gに軸方向にスリット7hが設けられ
ている。この図では波板8を放射状4段とした場合を示
したが、波板8の枚数はこれに限定されない。この構成
によれば、上段の気水分離ステージ3bから蒸気乾燥器
7の内筒7gに流入する蒸気は放射状に設けられた波板
8に沿って、自ら波板8の間隙を縫って放射状に外向き
に流れる。この波板8を通過する間に、蒸気中の液滴は
波板8の流線の急激な変化に追従できずに波板8に付着
して、鉤状の液滴捕獲部8eに捕獲され流下し、外筒7
aの下方の空隙から外部へ放出される。よってこの構成
により本実施形態と同様の効果が得られる。
【0122】また本実施形態の別の変形例として、図30
に示す気水分離装置42のように、気水分離装置41の2段
の気水分離ステージを1段にしたものである。1段にし
た分だけ若干気水分離性能は落ちる。また若干蒸気乾燥
器8にかかる負荷は大きくなるものの、気水分離装置41
と比べてよりコンパクトな構成とすることができる。す
なわち、本変形例を採用しなおかつ原子炉圧力容器のサ
イズを従来通りのものとしたときには、気水分離装置の
構成がコンパクトになった分、原子炉圧力容器内で蒸気
が占める容積が増大するから、原子炉圧力容器内で熱的
な変化が起きても圧力容器内の圧力増大幅を緩和し、原
子炉の安定的運転に寄与することができる。
【0123】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、気水
分離器または気水分離装置の気水分離機能を従来と同等
あるいはそれ以上の水準に保ちつつ、構成部品数を削減
し従来に比べて構造を簡素なものとしたため、製作や点
検に要する時間や手間を減少させることが可能である。
さらに、気水分離ステージにおいて気液二相流のうち液
相を効率よく除去しキャリーオーバ量を低減させること
や、冷却材の気液二相流により生じる圧力損失増大幅を
縮小し、タービンやポンプにかかる負荷を低減させるこ
とが可能であるから、原子炉の健全性を維持することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る気水分離器の縦
断面図である。
【図2】図1に示した気水分離器の軸方向の気液二相流
の速度分布を模式的に示したグラフである。
【図3】(a),(b),(c),(d),(e)とも
に本発明の第1の実施形態の変形例に係る気水分離器の
部分縦断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る気水分離器の縦
断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る気水分離器の縦
断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態に係る気水分離器の縦
断面図である。
【図7】(a),(b),(c),(d),(e)とも
に本発明の第4の実施形態の変形例に係る気水分離器の
部分縦断面図である。
【図8】本発明の第5の実施形態に係る気水分離器の縦
断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る気水分離器の部
分斜視図である。
【図10】図9に示す気水分離器のA−A矢視方向断面
図である。
【図11】本発明の第5の実施形態の変形例としてねじ
り状の板を複数設置した気水分離器の部分斜視図であ
る。
【図12】本発明の第5の実施形態の気水分離器を複数
束ねてなる気水分離装置の部分斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施形態の変形例として誘導
路及びひさしを設けた気水分離器のねじり状の板の部分
斜視図である。
【図14】(a),(b),(c)ともに図13に示す気
水分離器の誘導路の一例を示す拡大断面図である。
【図15】本発明の第6の実施形態に係る気水分離器の
スタンドパイプまたは最下段の気水分離ステージの旋回
筒の部分斜視図である。
【図16】(a),(b),(c)ともに図15に示す気
水分離器のリブレットの一例を示す拡大断面図である。
【図17】本発明の第6の実施形態に係る気水分離器の
最下段の気水分離ステージの旋回筒の部分斜視図であ
る。
【図18】本発明の第7の実施形態に係る気水分離器の
部分断面図である。
【図19】本発明の第8の実施形態に係る気水分離器の
縦断面図である。
【図20】図19に示す気水分離器における冷却材の流れ
を模式的に示した断面図である。
【図21】本発明の第7の実施形態に係る気水分離器に
おけるピックオフリングの長さとキャリーオーバ量との
相関を示すグラフである。
【図22】本発明の第9の実施形態に係る気水分離器の
縦断面図である。
【図23】本発明の第10の実施形態に係る気水分離器の
縦断面図である。
【図24】本発明の第11の実施形態に係る気水分離器の
縦断面図である。
【図25】本発明の第12の実施形態に係る気水分離器の
縦断面図である。
【図26】本発明の第13の実施形態に係る気水分離装置
の縦断面図である。
【図27】図26に示す気水分離装置の上面図である。
【図28】(a)は図26に示す気水分離装置のA−A矢
視方向断面図、(b)は(a)の部分拡大図である。
【図29】(a)は本発明の第13の実施形態の変形例に
係る気水分離装置に関する、図26におけるA−A矢視方
向の断面図、(b)は(a)の部分拡大図である。
【図30】本発明の第13の実施形態の変形例として気水
分離ステージを1段削除した気水分離装置の縦断面図で
ある。
【図31】従来の一般的な改良型沸騰水型原子炉(AB
WR)の概略を示す断面系統図である。
【図32】一般的な従来の気水分離器の縦断面図であ
る。
【図33】図32に示す気水分離器における冷却材の流れ
を模式的に示した断面図である。
【図34】図33に示す気水分離器のA−A矢視方向横断
面図である。
【図35】一般的な従来の気水分離器の旋回羽根の斜視
図である。
【図36】(a)は一般的な従来の蒸気乾燥器の斜視
図、(b)は(a)の上面図である。
【符号の説明】
1 スタンドパイプ 2 旋回羽根 3a,3b,3c 気水分離ステージ 4a,4b,4c 旋回筒 6,6a,6b,6c ピックオフリング 7,100 蒸気乾燥器 7d,7h スリット 8,96 波板 8e 鉤状液滴捕獲部 9 ブレイクダウンリング 11,14,15,16,18 スタンドパイプ 17 長旋回筒 21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,91 気水分
離器 31,32 ねじり羽根 37 リブレット 38 フィン 41,42 気水分離装置 101 原子炉圧力容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横堀 誠一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 堀江 英樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 白川 典幸 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉炉心からの気液二相流を通すスタ
    ンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し前記
    気液二相流の気水分離を行う旋回筒及びこの旋回筒の外
    側に位置する外筒からなる気水分離ステージとを備えて
    なる気水分離器において、前記スタンドパイプの気液二
    相流の出口側口径が入口側口径より小さいことを特徴と
    する気水分離器。
  2. 【請求項2】 前記スタンドパイプにおける前記出口側
    口径を前記入口側口径の約1/2とすることを特徴とす
    る請求項1記載の気水分離器。
  3. 【請求項3】 前記気水分離ステージのうち最下段に位
    置する気水分離ステージの前記旋回筒は前記スタンドパ
    イプと一体構造となっており、前記スタンドパイプの出
    口側から前記旋回筒の入口側にかけての壁面を括れ構造
    とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の
    気水分離器。
  4. 【請求項4】 原子炉炉心からの気液二相流を通すスタ
    ンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し前記
    気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、この旋回手
    段の上方に位置し前記気液二相流の気水分離を行う旋回
    筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる気水分
    離ステージとを備えてなる気水分離器において、前記旋
    回手段は矩形板の上下端のうち少なくとも一方をねじっ
    て成形し前記スタンドパイプに内接設置されたねじり状
    の板であることを特徴とする気水分離器。
  5. 【請求項5】 原子炉炉心からの気液二相流を通すスタ
    ンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し前記
    気液二相流の気水分離を行う旋回筒及びこの旋回筒の外
    側に位置する外筒からなる気水分離ステージとを備えて
    なる気水分離器において、前記スタンドパイプの気液二
    相流の出口側口径が入口側口径より小さく、かつ前記ス
    タンドパイプに旋回手段として矩形板の上下端のうち少
    なくとも一方をねじって成形し前記スタンドパイプに内
    接設置したねじり状の板を内接設置したことを特徴とす
    る気水分離器。
  6. 【請求項6】 原子炉炉心からの気液二相流を通すスタ
    ンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し前記
    気液二相流に旋回作用を与える旋回手段とを備えてなる
    気水分離器において、前記旋回手段は矩形板の左右端の
    うち少なくとも一方をねじってこの両端を接合して成形
    され、複数の孔を有し、かつ前記スタンドパイプに内接
    設置されたねじり状の板であることを特徴とする気水分
    離器。
  7. 【請求項7】 前記ねじり状の板の表面に気液二相流の
    液滴を捕獲する誘導路を設けたことを特徴とする請求項
    6記載の気水分離器。
  8. 【請求項8】 原子炉炉心からの気液二相流を通すスタ
    ンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し前記
    気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、この旋回手
    段の上方に位置し前記気液二相流の気水分離を行う旋回
    筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる気水分
    離ステージとを備えてなる気水分離器において、前記ス
    タンドパイプまたは前記気水分離ステージのうち少なく
    とも最下段の気水分離ステージの前記旋回筒の内壁表面
    に、前記気液二相流の流れ方向に沿った細い溝を複数段
    並設してなるリブレットを形成したことを特徴とする気
    水分離器。
  9. 【請求項9】 前記スタンドパイプ及び最下段の気水分
    離ステージの旋回筒の内壁表面に形成されるリブレット
    の溝幅及び溝の深さを、少なくとも前記気液二相流の流
    速を用いて決定することを特徴とする請求項8記載の気
    水分離器。
  10. 【請求項10】 原子炉炉心からの気液二相流を通すス
    タンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し前
    記気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、この旋回
    手段の上方に位置し前記気液二相流の気水分離を行う旋
    回筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる気水
    分離ステージとを備えてなる気水分離器において、前記
    旋回手段の上方にフィンを具備することを特徴とする気
    水分離器。
  11. 【請求項11】 原子炉炉心からの気液二相流を通すス
    タンドパイプと、このスタンドパイプの上方に位置し前
    記気液二相流に旋回作用を与える旋回手段と、この旋回
    手段の上方に位置し前記気液二相流の気水分離を行う旋
    回筒及びこの旋回筒の外側に位置する外筒からなる気水
    分離ステージとを備えてなる気水分離器において、前記
    気水分離ステージのうち最下段に位置する気水分離ステ
    ージの前記旋回筒の内径の大きさは実質的に前記スタン
    ドパイプの内径の大きさ以下であることを特徴とする気
    水分離器。
  12. 【請求項12】 原子炉炉心からの気液二相流を通すス
    タンドパイプ及びこのスタンドパイプの上方に位置し前
    記気液二相流の気水分離を行う気水分離ステージを備え
    た気水分離器と、この気水分離器の上方に位置し前記気
    水分離器を通過した蒸気に含まれる液滴を分離する蒸気
    乾燥器とからなる気水分離装置において、前記蒸気乾燥
    器は、前記気水分離器の気水分離ステージと一体化して
    設けられ、側壁に複数の縦型スリットを有する内筒と、
    この内筒を内包する外筒とからなることを特徴とする気
    水分離装置。
  13. 【請求項13】 前記蒸気乾燥器は、前記内筒と前記外
    筒との間の空間が複数個に仕切られ、これらの仕切られ
    た空間それぞれに複数の波板部材を有し、さらに前記外
    筒の上部に蒸気排出用の穴を有する上蓋を具備すること
    を特徴とする請求項12記載の気水分離装置。
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