JP3762598B2 - 気水分離器及び沸騰水型原子炉 - Google Patents

気水分離器及び沸騰水型原子炉 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉で発生した蒸気を冷却水から分離する気水分離器と、原子炉圧力容器の内部に複数の気水分離器を配置した沸騰水型原子炉に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電プラントでは、蒸気タービンの健全性を維持するため、原子炉の加熱で発生した蒸気を冷却水から分離する気水分離器と、分離された蒸気に含まれる液滴を除去する蒸気乾燥器とで構成される気水分離システムが使用されており、蒸気に含まれる液滴量を一定値以下にして蒸気タービンに供給する。
【0003】
ここで従来の気水分離器は一般的に特開平10−197678号公報に示すような構成を有し、原子炉で発生した蒸気と冷却水の混合流体は気水分離器の下端に位置するスタンドパイプに流入し、次いでスタンドパイプの上端に接続されるディフューザ内部で軸中心に位置するハブとその周囲に固定設置する旋回羽根とで構成したスワラーを通過することにより遠心力が付与されて旋回流となる。
【0004】
さらに、ディフューザと同じ径にある第1段内筒と、第1段内筒の外側に設置する第1段外筒と、それらの上方に同軸で設置される第1段ピックオフリングと第1段環状板とで構成する第1段気水分離部をディフューザの上端に接続しており、旋回流の気液混合流が第1段内筒の内部に流入する。そして第1段内筒内で比較的密度の高い冷却水が外周側に液膜となり、中心側の液滴を含む蒸気とに分離される。分離された蒸気は第1段内筒の上方に位置する第1段ピックオフリングの内側を通過し、その他の液膜の大部分は第1環状板と第1段外筒により誘導されて外部に排水される。
【0005】
第1段ピックオフリングを通過した蒸気はまだ遠心力を有していくらかの液滴を含んでいる状態にあり、さらに第1段気水分離部と同じ構成にあって第1段ピックオフリングの上方に設置する第2段気水分離部の内部(第2段内筒の内部)に流入して遠心力により蒸気から液滴が分離され外部に排水される。
【0006】
このように従来の気水分離器は、遠心力の付与の小さい起動時においても必要な気水分離性能が確保できるように気水分離部を多段で設置する構成となっている。また、特開平10−197678号公報の図面にはスワラーのハブの形状を逆円錐型にしたものが示されている。
【0007】
一方、近年においては電気料金の低減を目的として、炉心における熱出力と発電量の増加を可能にできるよう、冷却水の再循環経路中における気水分離器の圧力損失の低減が要望されている。
【0008】
そこで気水分離器の圧力損失を低減する公知技術として、特開平4−301796号公報に記載のものがある。この公知技術は、第1段気水分離部を縮小管とピックオフリングで構成し、スワラーに相当する旋回装置を第2段気水分離部と第3段気水分離部に配置し、水平断面流路の中央の一部分にのみ旋回装置を配置することにより圧力損失を低減するものである。
【0009】
また、加圧型原子炉の蒸気発生器における気水分離器の圧力損失を低減する公知技術として、実開平8−1361号公報に記載のものがある。この公知技術は、スタンドパイプと第1段内筒との間にディフーサがなく、流速が相対的に低い第1段内筒にスワラーを設置することにより圧力損失を低減するものである。
【0010】
一方、気水分離器の気水分離性能を向上する公知技術として、特開平6−273571号公報に記載のものがある。この公知技術は、第2段内筒を第1段ピックオフリングより小さくして第2段内筒での遠心力を増加することにより気水分離性能を向上するものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
まず従来の一般的な気水分離器では高い気水分離性能が得られる。ここで、従来は高い気水分離性能を得るために特開平10−197678号公報の図面に示されるようにスワラーのハブ形状を逆円錐型にすることが必要であると考えられていた。つまり、スワラー中の旋回羽根のハブ側とディフューザ側の出口角度を比較した場合、ディフューザ側よりハブ側の方が羽根を周方向に展開した場合の羽根長さが短くなっているため、必然的に出口角度もハブ側が小さくなる。このように出口角度が小さくなると一般的には、流出する流体に対して与えられる遠心力も小さくなる。気水分離器の場合、遠心力が小さくなると気水分離性能が低下する。これを解消するため、ハブ形状を逆円錐型とすることで、冷却水を外周側に押し出す構成となっている。
【0012】
しかし、このような従来技術によるハブの構成は気水分離性能を向上させる反面、通過する気液混合流の圧力を損失させる要因となり、従って上述した炉心における熱出力と発電量の増加を妨げていた。
【0013】
また、特開平4−301796号公報の技術においては、第1段気水分離部にスワラーが設置されていないため、圧力損失を低減できるが気水分離性能が低下する。また、スワラーに相当する旋回装置を第2段気水分離部と第3段気水分離部に配置し、水平断面流路の中央の一部分にのみ旋回装置を配置することにより圧力損失を低減できるが、気水分離性能が低下する。一般に、圧力損失を低減すると気水分離性能が低下する相反事象となる。
【0014】
また、実開平8−1361号公報の技術においては、加圧水型原子炉の蒸気発生器の気水分離器を対象としており、ディフューザや直径の細いスタンドパイプ(後述)を備えて構成していないことから沸騰水型原子炉および改良型沸騰水型原子炉には適用できないものにある。
【0015】
一方、特開平6−273571号公報の技術においては、遠心力を増加することにより気水分離性能を向上することができるが、圧力損失の低減は考慮されていない。
【0016】
従って本発明の第1の目的は、高い気水分離性能を維持しつつ圧力損失の低減を可能とする気水分離器を提供することにある。
また本発明の第2の目的は、気水分離器の圧力損失を低減するとともに高い気水分離性能を維持することにより、炉心の出力を増加して経済性を向上した沸騰水型原子炉を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、円筒状の第1段内筒と、第1段内筒の上方に配置した第1段ピックオフリングおよび第1段環状板と、第1段内筒の外部を取り囲むように配置した第1段外筒とで第1段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に第1段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、第1段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて第1段ピックオフリング、第1段環状板、第1段外筒により液膜を排水し、さらに第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、第1段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、スワラーをディフューザの内部に配置し、ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、複数の旋回羽根をハブの本体部に設置し、ハブの本体部の直径をd、第 1 段内筒の直径をDとしたとき、dとDの比を 0.13 ≦d/D≦ 0.25 の範囲に設定したものとする。
【0018】
これにより、従来技術では半球状の下端部と逆円錐状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を逆円錐状の本体部に設置しているためハブの上部直径が大きくなり旋回羽根の出口での流路面積が小さくなるのに対し、半球状の下端部と概略円柱状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を概略円柱状の本体部に設置することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大することができ、従来技術と同じ周方向流速にして高い気水分離性能を維持しつつ、従来技術より低い軸方向流速にすることができるため、流速の二乗に比例する圧力損失を大幅に低減することができる。また、従来技術ではハブの本体部の直径dと第 1 段内筒の直径Dとの比が 0.35 ≦d/D≦ 0.60 の範囲であるのに対し、ハブの本体部の直径dと第 1 段内筒の直径Dとの比を 0.13 ≦d/D≦ 0.25 の範囲に設定することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大して軸方向流速を低下することができ、高い気水分離性能を維持しつつ、流速の二乗に比例する圧力損失を確実に低減することができる。
【0019】
(2)また、上記第1の目的を達成するために、本発明は、円筒状の第1段内筒と、第1段内筒の上方に配置した第1段ピックオフリングおよび第1段環状板と、第1段内筒の外部を取り囲むように配置した第1段外筒とで第1段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に第1段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、第1段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて第1段ピックオフリング、第1段環状板、第1段外筒により液膜を排水し、さらに第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、第1段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、スワラーをディフューザの内部に配置し、ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、複数の旋回羽根をハブの本体部に設置し、旋回羽根の回転数をφ、枚数をNとしたとき、φとNを 0.92 ≦φN 0.85 1.25 の範囲に設定したものとする。
【0020】
これにより、従来技術では半球状の下端部と逆円錐状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を逆円錐状の本体部に設置しているためハブの上部直径が大きくなり旋回羽根の出口での流路面積が小さくなるのに対し、半球状の下端部と概略円柱状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を概略円柱状の本体部に設置することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大することができ、従来技術と同じ周方向流速にして高い気水分離性能を維持しつつ、従来技術より低い軸方向流速にすることができるため、流速の二乗に比例する圧力損失を大幅に低減することができる。また、旋回羽根の回転数φと枚数Nを 0.92 ≦φN 0.85 1.25 の範囲に設定することにより、流体を旋回羽根の変化に追従させることができ、圧力損失を低減しつつ高い気水分離性能を実現することができる。
【0021】
(3)上記第 1 の目的を達成するために、本発明は、円筒状の第 1 段内筒と、第 1 段内筒の上方に配置した第 1 段ピックオフリングおよび第 1 段環状板と、第 1 段内筒の外部を取り囲むように配置した第 1 段外筒とで第 1 段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に第 1 段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、第 1 段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて第 1 段ピックオフリング、第 1 段環状板、第 1 段外筒により液膜を排水し、さらに第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、第 1 段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、スワラーを第 1 段内筒の下部に配置し、ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、複数の旋回羽根をハブの本体部に設置し、ハブの本体部の直径をd、第 1 段内筒の直径をDとしたとき、dとDの比を 0.13 ≦d/D≦ 0.25 の範囲に設定したものとする。
【0022】
これにより、上記(1)及び(2)の気水分離器と同様に半球状の下端部と概略円柱状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を概略円柱状の本体部に設置することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大することができるため高い気水分離性能を維持しつつ圧力損失を大幅に低減することができ、さらに、圧力損失の大部分を占めるスワラーを流速が低い第 1 段内筒の下部に設置することにより流速の二乗に比例する圧力損失を一層低減することができる。また、従来技術ではハブの本体部の直径dと第 1 段内筒の直径Dとの比が 0.35 ≦d/D≦ 0.60 の範囲であるのに対し、ハブの本体部の直径dと第 1 段内筒の直径Dとの比を 0.13 ≦d/D≦ 0.25 の範囲に設定することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大して軸方向流速を低下することができ、高い気水分離性能を維持しつつ、流速の二乗に比例する圧力損失を確実に低減することができる。
【0023】
(4)また、上記第 1 の目的を達成するために、本発明は、円筒状の第 1 段内筒と、第 1 段内筒の上方に配置した第 1 段ピックオフリングおよび第 1 段環状板と、第 1 段内筒の外部を取り囲むように配置した第 1 段外筒とで第 1 段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に第 1 段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、第 1 段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて第 1 段ピックオフリング、第 1 段環状板、第 1 段外筒により液膜を排水し、さらに第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、第 1 段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、スワラーを第 1 段内筒の下部に配置し、ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、複数の旋回羽根をハブの本体部に設置し、旋回羽根の回転数をφ、枚数をNとしたとき、φとNを 0.92 ≦φN 0.85 1.25 の範囲に設定したものとする
【0024】
これにより、上記(1)及び(2)の気水分離器と同様に半球状の下端部と概略円柱状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を概略円柱状の本体部に設置することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大することができるため高い気水分離性能を維持しつつ圧力損失を大幅に低減することができ、さらに、圧力損失の大部分を占めるスワラーを流速が低い第 1 段内筒の下部に設置することにより流速の二乗に比例する圧力損失を一層低減することができる。また、旋回羽根の回転数φと枚数Nを 0.92 ≦φN 0.85 1.25 の範囲に設定することにより、流体を旋回羽根の変化に追従させることができ、圧力損失を低減しつつ高い気水分離性能を実現することができる。
【0025】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つの気水分離器において、好ましくは、ハブの上部に円錐と半球とで構成される上端部を接続したものとする。
【0026】
これにより、上記(1)から(4)のいずれか1つの気水分離器において、ハブの上部に円錐と半球とで構成される上端部を接続することによりハブ上方での後流渦の発生を防止することができ、圧力損失をなお一層低減することができる。
【0027】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つの気水分離器において、好ましくは、第1段内筒と第1段外筒との間に複数の仕切板を設け、仕切板の上端を旋回羽根の回転方向と逆方向に傾斜させたものとする。
【0028】
これにより、上記(1)から(5)のいずれか1つの気水分離器において、第1段内筒と第1段外筒との間に複数の仕切板を設けて仕切板の上端を旋回羽根の回転方向と逆方向に傾斜させることにより、第1段気水分離部での排水性能を向上し、圧力損失を低減しつつ気水分離性能を向上することができる。この気水分離性能の向上を旋回羽根の出口角度の変更などによる圧力損失の一層の低減に反映することができる。
【0029】
(7)上記(1)から(5)のいずれか1つの気水分離器において、好ましくは、第1段ピックオフリングの内径と第2段気水分離部の内筒の内径を等しくしたものとする。
【0030】
これにより、遠心力が半径に逆比例することから、上記(1)から(5)までのいずれか1つの気水分離器において、第1段ピックオフリングの内径と第2段内筒の内径を等しくすることにより、従来技術での直径の増大による遠心力の低下を防止して気水分離性能を向上することができる。この気水分離性能の向上を旋回羽根の出口角度の変更などによる圧力損失の一層の低減に反映することができる。
【0031】
(8)上記第2の目的を達成するために、本発明は、原子炉圧力容器の内部に複数の気水分離器を配置した沸騰水型原子炉において、気水分離器が上記(1)から(7)までのいずれか1つの気水分離器であるものとする。
【0032】
これにより、上記(1)から(7)までのいずれか1つの気水分離器を使用することにより高い気水分離性能を維持しつつ圧力損失を大幅に低減することができ、炉心の流量と出力を増加して経済性を向上した沸騰水型原子炉を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
まず、本発明による気水分離器を用いた改良型沸騰水型原子炉の構成及び作動の概略を図1を用いて説明する。
【0034】
原子炉圧力容器1内のシュラウド3内に炉心2が設置され、炉心2で発生した蒸気は冷却水と混合状態で上部プレナム8を経由してシュラウドヘッド4に多数設置された本発明の気水分離器120に流入して液滴を含む蒸気と冷却水に分離される。分離された冷却水は、給水管10からの給水と混合してダウンカマ5を通り、インターナルポンプ6で駆動され、下部プレナム7を経由して炉心2に再循環される。一方、液滴を含む蒸気は、蒸気乾燥器50で液滴を除去した後、主蒸気管9を経由して蒸気タービンに供給される。蒸気タービンと発電機を駆動した蒸気は、復水器で凝縮され、給水加熱器で加熱された後、給水管10から原子炉圧力容器1に供給される。
【0035】
次に、本発明の第1実施形態による気水分離器を図2を用いて説明する。
まず図2は本発明の第1実施形態にある気水分離器120の縦断面図であり、気水分離器120はシュラウドヘッド4に接続して上方に立設したスタンドパイプ121と、スタンドパイプ121の上端に接続されたディフューザ122と、ディフューザ122の上方に接続された第1段気水分離部101と第2段気水分離部102と第3段気水分離部103からなる多段構成の気水分離部と、ディフューザ内部に設置されたスワラー123とを備え、スワラー123はその軸中心に位置するハブ124とその周囲に設置された8枚の旋回羽根125とで構成されている。
【0036】
第1段気水分離部101はディフューザ122の上端に接続された第1段内筒126を有し、第1段内筒126の外周には、その外径より大きい径にある第1段外筒129が同軸で設置されている。第1段外筒129の上端は第1段内筒126の上端より高い位置にあり、第1段内筒126の内径より小さい径の丸穴が開口した第1段環状板128が第1段外筒129の上端を密閉しており、さらに第1段環状板128の丸穴には同じ径の第1段ピックオフリング127が下方の第1段内筒126の内部に向けて同軸に設置されている。
【0037】
第2段気水分離部102は第1段環状板128上に以上と同じように組み立てられた第2段内筒130、第2段外筒133、第2段環状板132、第2段ピックオフリング131を有し、第3段気水分離部103はさらに第2段環状板132上に、同じように組み立てられた第3段内筒135、第3段外筒138、第3段環状板137、第3段ピックオフリング136を有し、これらは全て同軸で設置されている。また本実施形態の気水分離器120においては各段気水分離部の内筒126、130、135同士、外筒129、133、138同士、環状板128、132、137同士、ピックオフリング127、131、136同士はそれぞれ同じ径にある。
【0038】
第1段環状板128と第2段外筒133との間、及び第2段環状板132と第3段外筒138との間はそれぞれ第2段排水口134、第3段排水口139として隙間を設けており、また第1段内筒126と第1段外筒129の間に周方向等間隔で複数の仕切板140が設けられている。
【0039】
次に以上のように構成した本実施形態の気水分離器120の作動の概略を以下に説明する。
蒸気と冷却水との混合流体が、上部プレナム8からシュラウドヘッド4に接続したスタンドパイプ121に流入し、ディフューザ122内部に設置されハブ124と複数の旋回羽根125とで構成されるスワラー123で遠心力を付与され、それによって第1段内筒126内で比較的密度の高い冷却水が外周側に液膜となり、中心側の液滴を含む蒸気と分離される。分離された液膜の80〜90%以上は、第1段ピックオフリング127と第1段環状板128で分離され、重力により第1段内筒126と第1段外筒129の間を流下し排水される。第1段ピックオフリング127を通過した液膜は、第2段内筒130に流入し、第2段ピックオフリング131と第2段環状板132で分離され、重力により第2段内筒130と第2段外筒133の間を流下して第2段排水口134から排出され、第1段外筒129の外面に沿って流下する。この時、排水とともに第2段排水口134から流出した蒸気は気水分離器120の外部を上昇する。蒸気に含まれる液滴は、第2段ピックオフリング131を通過して第3段内筒135に流入するが、遠心力によって第3段内筒135の内壁に付着し、第3段ピックオフリング136と第3段環状板137で分離され、重力により第3段内筒135と第3段外筒138の間を流下して第3段排水口139から排出され、第2段外筒133の外面に沿って流下する。この時、排水とともに第3段排水口139から流出した蒸気は気水分離器120の外部を上昇する。
【0040】
本発明による気水分離器120は、従来技術による沸騰水型原子炉及び改良型沸騰水型原子炉にそのまま適用可能であり、例えば(図1を用いて)説明したように、液滴の大部分を除去された蒸気は、蒸気乾燥器50に流入する。
【0041】
本実施形態の気水分離器120におけるスワラー123の詳細を図3に示す。スワラー123は、軸中心に位置するハブ124とその周囲に設置する複数の旋回羽根125で構成され、ディフューザ122の内部に設置されている。図3に示す旋回羽根は8枚であるがこの枚数に限定する必要はなく、単に6枚から8枚程度にするのが望ましい。ハブ124は、半球状の下端部124aと円柱状の本体部124bと半球状の上端部124cで構成され、複数の旋回羽根125は円柱状の本体部124bの外周上とディフューザ122の内周上の間を渡すように設置されている。ここで本体部124bは正確な円柱状になくとも、例えばわずかにテーパーのついた逆円錐状にあってもよく、また半球状の上端部124cについてはなくてもよいし、後述するように円錐と半球で構成される流線形にしてもよい。
【0042】
図4は第1段気水分離部101と仕切板140の詳細図であり、この図において、第1段内筒126と第1段外筒129の間の環状排水路に複数の仕切板140が円周方向に等しい間隔で設置されており、第1段内筒126の内壁を旋回しながら上昇し第1段ピックオフリング127で分離された液膜が環状排水路を流下する際に旋回方向が逆向きになるため、旋回流が仕切板140に衝突する際の圧力損失を低減するよう仕切板140の上端は旋回羽根125と逆方向に傾斜させてある。図示する仕切板140の枚数は1例であり、4枚に限定する必要はない。
【0043】
本実施形態の特徴は、スワラー123がディフューザ122の内部に設置されていること、ハブ124が少なくとも半球状の下端部124aと円柱状の本体部124bとで構成されて複数の旋回羽根125は円柱状の本体部124bに設置されていること、仕切板140の上端が旋回羽根125と逆方向に傾斜していることである。
【0044】
以下に従来技術と対比して本実施形態の特徴と機能について説明する。まず、従来技術による気水分離器の詳細について説明する。
まず図5は従来技術による気水分離器20の縦断面図である。この図において、蒸気と冷却水との混合流体は、上部プレナム8からシュラウドヘッド4に接続したスタンドパイプ21に流入し、その途中位置に形成されたディフューザ22内にハブ24と複数の旋回羽根25を固定設置して構成するスワラー23を通過することで混合流体に遠心力が付与され、それによって第1段内筒26内で比較的密度の高い冷却水が外周側に液膜となり、中心側の液滴を含む蒸気と分離される。分離された液膜の大部分は、第1段ピックオフリング27、第1段環状板28及び第1段外筒29で除去・排水される。第1段ピックオフリング27を通過した液膜は、第2段内筒30に流入し、さらに残る遠心力により第2段ピックオフリング31、第2段環状板32及び第2段外筒33で除去・排水され、第2段排水口34から排出され、第1段外筒29の外壁に沿って流下する。液滴を含む蒸気は、第2段ピックオフリング31を通過するが、遠心力により液滴を第3段内筒35に付着させ、第3段ピックオフリング36、第3段環状板37及び第3段外筒38で除去・排水され、第3段排水口39から排出され、第2段外筒34の外壁に沿って流下する。このようにして、気水分離器20に流入した冷却水の約99%以上が分離・排水される。1%弱の冷却水は、液滴として蒸気に含まれて蒸気乾燥器50に流入する。従来技術による気水分離器20の気水分離性能は極めて高いが、圧力損失、特にスワラー23の圧力損失が大きい。
【0045】
ここで従来技術による改良型沸騰水型原子炉の構成と特徴は、従来技術による気水分離器を用いる以外は、基本的に図1に示した本発明による改良型沸騰水型原子炉と同様である。気水分離器20から流出する蒸気に含まれる液滴は蒸気乾燥器50で除去し、図1の蒸気乾燥器スカート11と原子炉圧力容器1との間に排水される。蒸気乾燥器50で液滴を除去した蒸気は主蒸気管9を経由して蒸気タービンに供給される。このようにして、蒸気乾燥器50に流入した液滴の約99%が除去される。つまり、気水分離器20に流入した冷却水は、気水分離器20で約百分の1に、蒸気乾燥器50で約1万分の1まで低減される。主蒸気管9での湿分(蒸気に含まれる液滴の質量流量の割合)の制限値0.1%以下に対し、約0.01%と極めて良好な気水分離性能が実現されている。原子炉の炉心2で発生した蒸気を蒸気タービンに供給する沸騰水型原子炉においては、冷却水(液滴)に含まれる放射性物質を低減し、蒸気タービン系統の放射線レベルを低減するためにも、良好な気水分離性能の維持は極めて重要である。現在の蒸気乾燥器50の液滴除去性能は極めて高いが、入口での液滴量に制限があり、気水分離器20からの液滴量が大幅に増大すると対応できなくなる。
【0046】
一方、電気料金の低減が強く求められており、燃料費が安く建設費が高い原子力発電プラントにおいては建設単価(建設費÷発電量)の大幅な低減が求められている。建設単価を低減する最も有効な手段は、炉心2の熱出力と発電量を増加することである。この場合、炉心2を冷却するために冷却水流量を増加する必要があり、熱出力増加により炉心2での蒸気発生量も増加する。従って、炉心2、上部プレナム8、気水分離器20、ダウンカマ5、インターナルポンプ6、下部プレナム7の冷却水再循環経路の圧力損失が増加するため、再循環経路の全圧力損失の約20%を占める気水分離器20の圧力損失の低減が重要となる。炉心2の圧力損失が最も大きいが、炉心の圧力損失を低減すると冷却性能が低下するため、気水分離器20の圧力損失を低減して炉心2の冷却水流量を増加し、冷却性能を向上して熱出力と発電量を増加する方が経済的に有利になる。
【0047】
以上の従来技術における課題を以下で具体的に説明する。
まず改良型沸騰水型原子炉において、万一、再循環ポンプ(もしくはインターナルポンプ6)が停止しても、炉心2、上部プレナム8、気水分離器20、ダウンカマ5、インターナルポンプ6、下部プレナム7を経由する冷却水の自然循環により炉心2の冷却が維持される。また、給水管10から原子炉圧力容器1への給水が停止した場合には、補助給水系により冷却水が供給されるが、補助給水系が運転されるまで原子炉圧力容器1内の冷却水により炉心2の冷却が維持される。さらに、配管の破断などによる冷却材喪失事故を想定した場合でも、安全系による給水が開始されるまで原子炉圧力容器1内の冷却水により炉心2の冷却が維持される。すなわち、冷却水の自然循環と原子炉圧力容器1内の冷却水とが沸騰水型原子炉及び改良型沸騰水型原子炉の高い安全性を維持している。
【0048】
原子炉圧力容器1内に必要な冷却水量を確保するために、図5に示した気水分離器20のスタンドパイプ21の径を細くし、ディフューザ22によって流路面積を拡大している。スタンドパイプ21の外部は蒸気を含まない冷却水のみに浸水している状態にあるが、スタンドパイプ21の内部容積の約70%が蒸気であり、冷却水の容積は約30%しかない。従って、スタンドパイプ21の径を太くすると事故時に原子炉圧力容器1内に貯留する冷却水量の減少が早くなり安全性が低下するか、もしくは同じ冷却水量を維持するには原子炉圧力容器1自体を大きくする必要があり経済性が悪化することになる。つまり、気水分離器20のスタンドパイプ21の径が細くディフューザ22で流路面積を拡大することは、沸騰水型原子炉及び改良型沸騰水型原子炉の高い安全性と経済性を維持するための必須要件である。
【0049】
一方、図6に示すように、気水分離器20のスタンドパイプ21とディフューザ22のような(a)拡大管の他に、(b)直管や(c)縮小管の構成が考えられ、実開平8−1361号公報では(b)直管、特開平4−301796号公報では(c)縮小管が使用されている。気体容積比が約70%と大きい場合には、図7に示すように、液体が壁面に集まり直管では壁面側で液体流量が大きくなることが知られている。また、蒸気より密度が大きい冷却水は流れ方向が変化しにくいため、縮小管では壁面側で液体流量が一層大きくなり、拡大管では壁面側で液体流量が低下する。図5に示した遠心分離型の気水分離器では、遠心力により密度と運動量が大きい冷却水を壁面側に集めて分離することから、縮小管が最も有利であり、拡大管が不利であることは明らかである。ディフューザ22の上方に(b)直管を延長しても図7の直管の流量分布にするにはその延長部分が直径の約5倍以上の長さが必要であり、第1段内筒26と気水分離器20の高さが高くなってしまい、ひいては原子炉圧力容器1の高さが高くなり経済性が悪化する。また、ディフューザ22を設置する構成自体は気水分離器20中の圧力損失の低減を目的としているものでもあるため、ディフューザ22の上方に(c)縮小管を接続すると、その圧力損失低減効果が減少してディフューザ22を設置する意味がなくなる。そこで、従来技術による気水分離器20では、以下のような工夫がなされている。
【0050】
従来技術によるスワラー23の部分詳細図を図8に示す。ハブ24は半球状の下端部24aと逆円錐状の本体部24bとで構成され、ハブ24上端の直径が大きく、ディフューザ22の傾斜角θdよりハブ24の傾斜角θhの方が大きくなるよう形成することで、中央に集まりやすい冷却水を外周側に押し出す構成となっている。また、旋回羽根25の形状の変化を図9に示す。横軸はハブ24側の縁とデフューザ22側の縁を展開した周方向位置を示し、縦軸は高さ方向位置を示す。まず図中の実線C1i、C1oで示す従来技術の旋回羽根25の形状について、ディフューザ22より直径が小さいハブ24側では展開した周方向位置が小さくなるため、旋回羽根25の出口角度θ1iは外周側θ1oより小さくなることは明らかである。そこで、ハブ24上端の直径を大きくして、ハブ24側の出口角度θ1iと外周側の角度θ1oとの差を小さくし、冷却水が集まるハブ24側においても十分な周方向流速と遠心力を付与できるようにしている。また、内筒26、30、35、ピックオフリング27、31、36、外筒29、33、38を3段構成にすることで、気液混合流の運動エネルギーが比較的低い(付与できる遠心力が小さい)原子炉の起動時から、運動エネルギーの高い原子炉の通常運転までの広い流体条件範囲において、常に高い気水分離性能を維持できるようにしている。
【0051】
従来技術による気水分離器20の気水分離性能を図10に示す。横軸は気水分離器20の入口に流入する蒸気流量の相対値であり、縦軸は気水分離器20出口、即ち蒸気乾燥器50入口での蒸気に含まれる液滴流量の相対値である。そして図中の曲線LSは従来技術の蒸気乾燥器50に対して流入できる蒸気流量と液滴流量の制限関係を示す曲線であり、曲線L1は上記説明した通常の構成にある従来技術の気水分離器20において流入する蒸気流量と流出される液滴流量の関係からその気水分離性能を示す曲線である。
【0052】
この図において、曲線LSが示すように蒸気流量が増加すると蒸気乾燥器50に流入できる液滴流量の制限値が低くなり、この値を超えて蒸気乾燥器50に液滴流量が流入すると蒸気乾燥器50出口での液滴流量の要求値と蒸気タービンの健全性の維持が困難になる。
【0053】
従来技術の気水分離器20では、このような蒸気乾燥器50の制限値に対しさらに安全率を掛けて余裕を持たせた上で最も効率良く運転できるよう設定した点を設計条件(図中の座標(1.0、1)の白点PC)とし、この条件に対応する流入蒸気流量と流出液滴流量を基準値として満たすよう設計されるものとなっている。
【0054】
しかし、従来技術の気水分離器20の気水分離性能は極めて高く、実際の運転条件が設計条件に対して大きく余裕がある(図中で曲線L1上にある黒点POの運転条件が白点PCの設計条件よりも大きく下方に離れている)ため、基準の運転条件における蒸気流量(図中横軸の1.0)よりもその1.2倍まで増加させた蒸気流量での運転が可能であり、即ち炉心2の熱出力を増加させることができる。
【0055】
一方、現在のニーズは気水分離器20の圧力損失の低減である。気水分離性能は設計条件に対して大きく余裕があることから、気水分離器20の圧力損失を低減させるためにスワラー23を長くし、図9中の破線C2i、C2oで示すように旋回羽根25の出口角度θ2i、θ2oとして減少し、周方向流速と遠心力を低下して圧力損失を低減させるよう構成する方法が考えられる。
【0056】
しかしこの場合、図10に示す気水分離性能は、同じく破線L2で示すように設計条件に近づく(図中では曲線L1が全体的に上方に移って設計条件と重なっている)ことになる。この場合、全蒸気流量範囲において液滴流量が増加することになり、この場合に設計条件と一致している運転条件から少しでも蒸気流量を増加すると蒸気乾燥器50の制限を容易に越えることになるため、炉心2の出力増加には使用できないことになる。従って、上記原子力発電プラントの建設単価低減を目的として、気水分離器20の圧力損失を低減させ、且つ炉心2の出力を増加させたい場合には、高い気水分離性能の維持、即ち気水分離器20出口の液滴流量を低く維持させたまま、なお且つ圧力損失を低減させるといった相反する2つの要求を両立させるよう気水分離器20を構成する必要がある。
【0057】
本実施形態の気水分離器120は以上の課題を解決するものである。
まず始めに上部プレナム8内における気液混合蒸気には殆ど速度がなく、その保有するエネルギーはほとんどが高圧の圧力エネルギーとして蓄えられている。そして細管にあるスタンドパイプ21に流入した時点で蒸気は気液混合流として加速され、さらにスワラー23を通過して速度エネルギーが増加することにより、その分だけ圧力エネルギーが損失するものとなる。つまり従来技術による圧力損失の大部分は、スタンドパイプ21とスワラー23での加速損失であり、加速損失ΔPaは次式で表せる。
ΔPa = 0.5ρm [V2-Vin 2] ≒ 0.5ρmV2 (式1)
ρmは流体の密度、Vはスワラー23出口の平均流速、Vinは上部プレナム8内の流速であり、VinはVと比較して十分小さく無視できる。
【0058】
図11は従来技術によるスワラー23(a1、a2)と本発明によるスワラー123(b1、b2)を比較して説明する図である。この図において、スワラー23、123出口の平均流速Vは、軸方向流速VZと周方向流速Vθとを直交成分として構成され、次式の関係が成立する。
2=VZ 2+Vθ 2 (式2)
(式1)と(式2)より、次式が成立する。
ΔPa ≒ 0.5ρm (VZ 2+Vθ 2) (式3)
加速損失ΔPaは、ディフューザ22、122によって徐々に流路面積を拡大すれば圧力損失が小さくなり、その大部分を回復できる(つまり速度エネルギーを圧力エネルギーに再変換できる)ことは公知である。
【0059】
従って、気水分離器の圧力損失の大部分を占めるスワラー出口での加速損失ΔPaを低減する方法として、以下の方法がある。
低減策1:ハブに流線形の上端部を設けて加速損失の一部を回復する。
低減策2:旋回羽根の出口角度θを小さくして周方向流速Vθを小さくする。
低減策3:ハブの直径を小さくして軸方向流速VZを小さくする。
上記の圧力損失の低減策にはいずれも以下の課題があり、従来技術には採用されていない。
【0060】
低減策1:ハブ上端での後流渦の発生を防止して加速損失の一部を回復するには、図8において、逆円錐状にあるハブ24の上部に同じ径の円筒状部品と円錐状部品と半球状部品で構成される流線形の上端部を接続し、円錐状部品の狭まり角度を小さくする必要がある。このように構成した場合、ハブの重量が3倍以上になる。従来技術によるハブ24は軽量化するために中空構造にしてある。これは、図1に示すような改良型沸騰水型原子炉において、燃料交換時にはシュラウドヘッド4と気水分離器20を取外し、燃料交換後に再設置を行う必要があるところ、上記ハブを含んだ気水分離器20全体の重量が増加すると、シュラウドヘッド4が変形してしまい再設置が困難になるためである。従って、低減策1の実現には軽量化が必須条件になる。
【0061】
低減策2:図9で説明したように、旋回羽根の出口角度θを小さくして周方向流速Vθを小さくすると、気水分離性能が大幅に低下する。
【0062】
低減策3:図9で説明したように、ハブの直径を小さくすると、幾何的にはハブ側の出口角度θ1iが必然的に小さくなり、図7の拡大管に示したようにディフューザを持ち中心部に冷却水が集まりやすい気水分離器ではハブ側(中心部付近)での周方向流速と気水分離性能が低下する。従って、ハブ側での周方向流速と気水分離性能の確保が不可欠になる。
【0063】
本発明では、気水分離性能を維持しつつ圧力損失を低減することを目的としていることから、低減策2は採用せず、低減策3を主案として低減策1を補助的に使用する方針としている。
【0064】
ここで、図11に示す流速ベクトル図を、ある旋回羽根の半径方向において平均的な値にある断面上のものとして、ハブ124の直径を小さくすることにより、周方向流速Vθを維持しつつ、軸方向流速をVZ1<VZ0として流速V1<V0とし、圧力損失を低減できるよう旋回羽根を形成することは理論上明らかに可能である。しかし、このように圧力損失の低減を目的とした旋回羽根の構成を、従来技術にあるような半球状の下端部24aと逆円錐状の本体部24bとで構成したハブ24に適用しようとすると、ハブ24下部の直径が過小であるため、厚みのある旋回羽根25を物理的に設置できなくなるといったことの他、運動量の大きい冷却水は上方に直進しやすいため逆円錐状の本体部24bに沿う流れと上方に直進する流れが合流することにより流体の流れが旋回羽根25に追従するのを阻害する。従って、ハブの直径を小さくする場合には、本発明のように半球状の下端部124aと円柱状の本体部124bでハブを構成し、旋回羽根125を本体部124bに設置することが必須条件になる。
【0065】
図3に示したハブ124の直径dと第1段内筒126の直径Dとの比が圧力損失に及ぼす影響を図12に示す。ハブ124に流線形の上端部を設けて加速損失の一部を回復する低減策1の効果(曲線LU)とハブの直径dを小さくして軸方向流速VZを小さくする低減策3の効果(曲線Ld)を分離して示している。図12から明らかなように、ハブの直径dが小さくなるほど低減策1の効果が減少し、低減策3の効果が増大する。これは、ハブの直径dを小さくすると、ハブの上方に後流渦が発生しても渦が小さくなり圧力損失が小さくなるためである。d/Dを0.25以下にすると、ハブの上方に発生する後流渦による圧力損失が無視できるようになり、流線形の上端部を設ける必要が無くなるため、ハブを中空にしなくても従来技術以下の重量にすることができる。従って、本発明においては、直径の比d/Dを0.25以下にする。
d/D≦0.25 (式4)
一方、ハブの直径dを小さくし過ぎると、旋回羽根を設置できなくなる他、図9で説明したようにハブ側の出口角度θ1iと周方向流速が小さくなり、気水分離性能を維持できなくなる。ここで図13はハブ側の周方向流速を示す説明図であり、従来技術に基づいて気水分離性能を維持するために必要な周方向流速を評価すると図中の破線LMに示すようになる。ハブ側の出口角度θ1iはハブの直径dに比例し、周方向流速は出口角度θ1iにほぼ比例するため、気水分離に必要な周方向流速を得るには直径の比d/Dを0.33以上にする必要があり、(式4)との共通範囲がなくなる。従って、従来技術では、気水分離性能を維持するために直径の比d/Dを大きくしていた。
【0066】
そこで従来までは、気液混合流の流れが非常に複雑であるためにスワラー23内部の流動の様子を解析することが非常に困難であったところ、近年の計算機の著しい発達により大規模な三次元解析が可能となり、詳細な流動状態を評価した結果、従来予想されていたより逆円錐状の本体部24b(図11a2参照)により流体を外周方向に押し出す効果が小さいこと、出口角度が小さいハブ側では流動抵抗が小さいため流速が大きくなること、及び旋回羽根25の内部での流体混合が大きいことから、図13に実線LEで示すように実際にはハブ側でも大きな周方向流速が得られることが明らかになった。
【0067】
この結果から、最低限必要とされる気水分離性能を得るための周方向流速の値を1.0として同図中の縦軸に取り、本発明では実線LEがこの1.0から上方にある範囲に対応するとして、つまり少なくとも必要最低限の気水分離性能が得られる範囲として、直径の比d/Dを0.13以上にする。
d/D≧0.13 (式5)
(式4)と(式5)より、本発明においては、ハブ124の直径dと第1段内筒126の直径Dの比d/Dを以下の範囲にする。
0.13≦d/D≦0.25 (式6)
図14に旋回羽根125の回転数φを、図15に旋回羽根125の回転指標と周方向流速Vθとの関係を示す。図14には旋回羽根を2枚のみ示してあるが、流体が旋回羽根125に沿って流出するようにするには一定以上の回転数φ(即ち、各旋回羽根の設置旋回角度)が必要であり、これは旋回羽根125の枚数Nにも依存する。流体を回転流出させるこれらの因子を1つの数値指標としてもとめたものを回転指標(φN0.85)とし、図15はこういった旋回羽根125の回転指標を横軸にとったものである。縦軸は周方向流速の断面平均値Vθを示し、Vθ=1は半径方向における断面平均量から計算した値である。実際には複雑な流速分布になるため、流速分布を積分平均した値は断面平均量から計算した値Vθ=1とは異なり、回転数(即ち回転指標)が小さいと流体が旋回羽根125に追従せず1未満となり、適正な範囲では流体混合の効果により1以上となり、大きい範囲では壁面摩擦の影響により壁面で流速が低下するため1以下に低下する。十分な周方向流速を実現して気水分離性能を維持するには実際の周方向流速は期待値(Vθ=1)以上とする必要があるが、回転指標を大きくすると旋回羽根125の物量が増加するため周方向流速の極大点(図中の曲線LRの極大点)が上限となる。従って、本発明においては、回転指標φN0.85を以下の範囲とする。
0.92≦φN0.85≦1.25 (式7)
上述したように、気水分離性能には、ハブ124の直径dと本体部124bの形状及び上端部124cの形状、旋回羽根125の枚数Nと回転数φ、旋回羽根125の出口角度θ(平均値)とハブ側の出口角度θ1iなど多くの影響因子があり、これらの組合せを実験的に最適化することは極めて困難である。従来では気液混合流の三次元現象を詳細に解析することは計算機容量と数値安定性の観点から容易ではなかったが、近年これが可能となって詳細な挙動を評価できたことにより、合理的で適正な気水分離器の構造と仕様の範囲を特定できたものである。
【0068】
図16は直径の比d/Dが0.25で、回転指標が0.95程度にある本実施形態の気水分離器120の気水分離性能を実線L3で示したものである。破線L1で示す従来技術の気水分離器より、広い蒸気流量の範囲でより少ない液滴流量を実現できることが明らかに分かる。従って、本発明によれば、このように気水分離性能を維持・向上しつつ、図12に示すように圧力損失を大幅に低減可能とした気水分離器として構成されるものとなる。
【0069】
次に、図4に示した仕切板140の効果について説明する。第1段ピックオフリング127により分離された液膜は、第1段環状板の誘導により仕切板140の上方まできた時点でもまだ大きな周方向流速を有しており、仕切板140がない場合には摩擦損失により周方向流速が徐々に低下するため周方向流速を有効に利用できないが、仕切板140を設けた場合には仕切板140により周方向流速が下方の排水方向に偏向されるため排水が促進される。しかし、このような効果も仕切板140の上端に傾斜がない場合には、流れが仕切板140に衝突することでエネルギーを損失するためあまり期待できないところ、仕切板140の上端を傾斜させて形成することで損失を最小限にして排水を促進でき、気水分離性能を向上させることができる。気水分離性能の向上分を旋回羽根125の出口角度θの減少に反映すれば、気水分離性能を維持して一層の圧力損失の低減が可能になる。
【0070】
本発明による気水分離器120は沸騰水型原子炉及び改良型沸騰水型原子炉(図1参照)にそのまま適用でき、炉心2の出力を増加して経済性を向上することができる。運転中の原子炉においても、シュラウドヘッド4と気水分離器20を一体で交換すれば、炉心2の出力を増加して経済性を向上することができる。
【0071】
次に、図17及び図18を用いて本発明による第2実施形態の気水分離器を説明する。図17は第2実施形態の気水分離器220の縦断面図、図18はスワラー部223の詳細図である。第1実施形態と第2実施形態の主な相違点としては、第1実施形態においてスワラー123をデイフューザ122内部に設けているのに対し、第2実施形態においてはスワラー223を第1段内筒226の下部に設けている点があり、その他にもハブ224の上部に円錐と半球とで流線形に構成された上端部224cを設けている点、及び第1段ピックオフリング227の直径と第2段内筒230の直径を等しくしている点がある。
【0072】
本実施形態の特徴は、ハブ224と複数の旋回羽根225で構成されるスワラー223を第1段内筒226の下部に設けていること、ハブ224に円錐と半球とで構成される流線形の上端部224cを設けていること、旋回羽根225の出口角度θを小さくしていること、及び第1段ピックオフリング227の直径と第2段内筒230の直径を等しくしていることである。
【0073】
ハブ224の直径dと第1段内筒226の直径Dの比は第1実施形態と同様に0.13≦d/D≦0.25の範囲であり、旋回羽根225の回転数φと枚数Nの関数である回転指標は第1実施形態と同様に0.92≦φN0.85≦1.25の範囲にしている。従って、第1実施形態と同等の効果を得ることができ、気水分離性能を維持しつつ圧力損失を大幅に低減することができる。ハブ224の直径dを小さくしているため、ハブ224の上端部224cを流線形とした効果は小さいが、図12に示したように圧力損失を数%低減することができる。
【0074】
また前述したように、加速損失ΔPaはディフューザ222によって徐々に流路面積を拡大すれば圧力損失が小さくなりその大部分を回復できることは公知であり、そのためディフューザ222通過後の流速が低い第1段内筒226の下部に圧力損失の大部分を占めるスワラー223を設置することで、流速の二乗に比例する圧力損失を一層低減することができる。
【0075】
また遠心力は半径に逆比例することから、図5の従来技術や図2に示す第1実施形態のように第2段内筒130の直径を第1段ピックオフリング127の直径より大きくすると遠心力が低下して第2段気水分離部での気水分離性能が相対的に低下する。本実施形態においては、第2段内筒230の直径を第1段ピックオフリング227の直径と等しくすることにより遠心力の低下を防止し、第2段気水分離部での気水分離性能を向上している。したがって、旋回羽根225の出口角度θを小さくして第1段気水分離部での気水分離性能を低下しても第3段気水分離部までの気水分離性能を維持することができ、出口角度θの減少により圧力損失の一層の低減を実現することができる。第3段内筒235の直径を第2段ピックオフリング231の直径と等しくすることにより遠心力の低下を防止して第3段気水分離部での気水分離性能を向上することができるが、図17から容易に推定できるように第3段ピックオフリング236の直径が過小となり、圧力損失が増加する。また、図5の従来技術や図2の第1実施形態と比較して、第2段内筒230と第2段外筒233及び第3段内筒235と第3段外筒238が小さくなり、気水分離器220の全体の重量を軽量化することができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、沸騰水型原子炉に配置する気水分離器において、従来技術では半球状の下端部と逆円錐状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を逆円錐状の本体部に設置しているためハブの上部直径が大きくなり旋回羽根の出口での流路面積が小さくなるのに対し、半球状の下端部と円柱状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を円柱状の本体部に設置することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大することができ、従来技術と同じ周方向流速にして高い気水分離性能を維持しつつ、従来技術より低い軸方向流速にすることができるため、流速の二乗に比例する圧力損失を大幅に低減することができる。
【0077】
また本発明によれば、沸騰水型原子炉に配置する気水分離器において、同様に半球状の下端部と円柱状の本体部とでハブを構成して複数の旋回羽根を円柱状の本体部に設置することにより旋回羽根の出口での流路面積を拡大することができるため高い気水分離性能を維持しつつ圧力損失を大幅に低減することができ、さらに、圧力損失の大部分を占めるスワラーを流速が低い第1段内筒の下部に設置することにより流速の二乗に比例する圧力損失を一層低減することができる。
【0078】
また本発明によれば、気水分離器を配置する沸騰水型原子炉において、上記いづれかの気水分離器を使用することにより高い気水分離性能を維持しつつ圧力損失を大幅に低減することができ、炉心の流量と出力を増加して経済性を向上した沸騰水型原子炉を実現することができる。また、運転中の原子炉の気水分離器を交換することにより炉心の出力を増加して経済性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】改良型沸騰水型原子炉の縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態による気水分離器の縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるスワラー部の上面図(図3a)と詳細縦断面図(図3b)である。
【図4】本発明の第1実施形態による第1段気水分離部の横断面図(図4a)と縦断面図(図4b、図4c)である。
【図5】従来技術による気水分離器の縦断面である。
【図6】気水分離器の基本タイプを示す説明図である。
【図7】各基本タイプにおける液体流量の分布を示す説明図である。
【図8】従来技術によるスワラー部の詳細縦断面図である。
【図9】スワラー部の旋回羽根を周方向に展開した説明図である。
【図10】従来技術による気水分離器の気水分離性能の説明図である。
【図11】従来技術(図11a1、a2)と本発明の第1実施形態(図11b1、b2)によるスワラー部の比較説明図である。
【図12】ハブの直径と圧力損失の関係を示す説明図である。
【図13】ハブの直径とハブ側の周方向流速の関係を示す説明図である。
【図14】本発明の第1実施形態による旋回羽根の回転数を示す説明図である。
【図15】旋回羽根の回転指標と周方向流速の平均値の関係を示す説明図である。
【図16】本発明の第1実施形態による気水分離器の気水分離性能を示す説明図である。
【図17】本発明の第2実施形態による気水分離器の縦断面図である。
【図18】本発明の第2実施形態によるスワラー部の詳細縦断面図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器
2 炉心
3 シュラウド
4 シュラウドヘッド
5 ダウンカマ
6 インターナルポンプ
7 下部プレナム
8 上部プレナム
9 主蒸気管
10 給水管
11 スカート
20、120、220 気水分離器
21、121、221 スタンドパイプ
22、122、222 ディフューザ
23、123、223 スワラー
24、124、224 ハブ
24a、124a、224a ハブ下端部
24b、124b、224b ハブ本体部
124c ハブ上端部(半球状)
224c ハブ上端部(流線形)
25、125、225 旋回羽根
26、126、226 第1段内筒
27、127、227 第1段ピックオフリング
28、128、228 第1段環状板
29、129、229 第1段外筒
30、130、230 第2段内筒
31、131、231 第2段ピックオフリング
32、132、232 第2段環状板
33、133、233 第2段外筒
34、134、234 第2段排水口
35、135、235 第3段内筒
36、136、236 第3段ピックオフリング
37、137、237 第3段環状板
38、138、238 第3段外筒
39、139、239 第3段排水口
50 蒸気乾燥器
101 第1段気水分離部
102 第2段気水分離部
103 第3段気水分離部
140 仕切板

Claims (8)

  1. 円筒状の第1段内筒と、前記第1段内筒の上方に配置した第1段ピックオフリングおよび第1段環状板と、前記第1段内筒の外部を取り囲むように配置した第1段外筒とで第1段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に前記第1段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、前記第1段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて前記第1段ピックオフリング、前記第1段環状板、前記第1段外筒により前記液膜を排水し、さらに前記第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、前記第1段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、
    前記スワラーを前記ディフューザの内部に配置し、前記ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、前記複数の旋回羽根を前記ハブの前記本体部に設置し
    前記ハブの前記本体部の直径をd、前記第1段内筒の直径をDとしたとき、dとDの比を 0.13 ≦d/D≦ 0.25 の範囲に設定したことを特徴とする気水分離器。
  2. 円筒状の第1段内筒と、前記第1段内筒の上方に配置した第1段ピックオフリングおよび第1段環状板と、前記第1段内筒の外部を取り囲むように配置した第1段外筒とで第1段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に前記第1段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、前記第1段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて前記第1段ピックオフリング、前記第1段環状板、前記第1段外筒により前記液膜を排水し、さらに前記第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、前記第1段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、
    前記スワラーを前記ディフューザの内部に配置し、前記ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、前記複数の旋回羽根を前記ハブの前記本体部に設置し
    前記旋回羽根の回転数をφ、枚数をNとしたとき、φとNを 0.92 ≦φN 0.85 1.25 の範囲に設定したことを特徴とする気水分離器。
  3. 円筒状の第1段内筒と、前記第1段内筒の上方に配置した第1段ピックオフリングおよび第1段環状板と、前記第1段内筒の外部を取り囲むように配置した第1段外筒とで第1段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に前記第1段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、前記第1段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて前記第1段ピックオフリング、前記第1段環状板、前記第1段外筒により前記液膜を排水し、さらに前記第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、前記第1段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、
    前記スワラーを前記第1段内筒の下部に配置し、前記ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、前記複数の旋回羽根を前記ハブの前記本体部に設置し
    前記ハブの前記本体部の直径をd、前記第1段内筒の直径をDとしたとき、dとDの比を 0.13 ≦d/D≦ 0.25 の範囲に設定したことを特徴とする気水分離器。
  4. 円筒状の第1段内筒と、前記第1段内筒の上方に配置した第1段ピックオフリングおよび第1段環状板と、前記第1段内筒の外部を取り囲むように配置した第1段外筒とで第1段気水分離部を構成し、円筒状のスタンドパイプの上端に流路面積を拡大するディフューザを接続し、このディフューザの上端に前記第1段内筒を接続し、ハブと複数の旋回羽根で構成されるスワラーにより気液混合流に遠心力を与え、前記第1段内筒の内壁に遠心力で分離された液体で液膜を形成させて前記第1段ピックオフリング、前記第1段環状板、前記第1段外筒により前記液膜を排水し、さらに前記第1段気水分離部の上方に少なくとも第2段気水分離部を接続して多段構成とし、前記第1段ピックオフリングを通過した液膜や蒸気中の液滴を分離する気水分離器において、
    前記スワラーを前記第1段内筒の下部に配置し、前記ハブを半球状の下端部と概略円柱状の本体部とで構成し、前記複数の旋回羽根を前記ハブの前記本体部に設置し
    前記旋回羽根の回転数をφ、枚数をNとしたとき、φとNを 0.92 ≦φN 0.85 1.25 の範囲に設定したことを特徴とする気水分離器。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の気水分離器において、前記ハブの上部に円錐と半球とで構成される上端部を接続したことを特徴とする気水分離器。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項記載の気水分離器において、前記第1段内筒と前記第1段外筒との間に複数の仕切板を設け、前記仕切板の上端を前記旋回羽根の回転方向と逆方向に傾斜させたことを特徴とする気水分離器。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項記載の気水分離器において、前記第1段ピックオフリングの内径と前記第2段気水分離部の内筒の内径を等しくしたことを特徴とする気水分離器。
  8. 原子炉圧力容器の内部に複数の気水分離器を配置した沸騰水型原子炉において、
    前記気水分離器が請求項1乃至7のいずれか1項記載の気水分離器であることを特徴とする沸騰水型原子炉。
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