JPH10183240A - 表面処理用原板および表面処理原板用熱延鋼板、ならびにこれらの製造方法 - Google Patents

表面処理用原板および表面処理原板用熱延鋼板、ならびにこれらの製造方法

Info

Publication number
JPH10183240A
JPH10183240A JP34106096A JP34106096A JPH10183240A JP H10183240 A JPH10183240 A JP H10183240A JP 34106096 A JP34106096 A JP 34106096A JP 34106096 A JP34106096 A JP 34106096A JP H10183240 A JPH10183240 A JP H10183240A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
hot
rolling
steel sheet
rolled steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP34106096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3690023B2 (ja
Inventor
Kaneharu Okuda
金晴 奥田
Masatoshi Araya
昌利 荒谷
Akio Tosaka
章男 登坂
Takashi Sakata
坂田  敬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Steel Corp filed Critical Kawasaki Steel Corp
Priority to JP34106096A priority Critical patent/JP3690023B2/ja
Publication of JPH10183240A publication Critical patent/JPH10183240A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3690023B2 publication Critical patent/JP3690023B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 厳しい条件下での加工に耐えうる良好な加工
性と耐肌荒れ性とを具え、缶用鋼板としての使用特性を
満足するとともに、低温での連続焼鈍が可能な、表面処
理用原板、およびこの表面処理用原板の製造に用いて好
適な表面処理原板用熱延鋼板、ならびにこれらの製造方
法を提供する。 【解決手段】 C:0.0005〜0.030 wt%、Si:0.20wt%
以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下を含
み、必要に応じてNb:0.003 〜0.020 wt%、Ti:0.003
〜0.020 wt%およびB:0.0002〜0.0020wt%のうちのい
ずれか1種以上を含有する、鋼スラブを1150℃以下
に加熱し、粗圧延後、950℃以上の温度域で圧下率7
0%以上、かつ950℃〜Ar3の温度域で圧下率55%
以上で仕上げ圧延して、950〜(Ar3−50℃)の温
度域で熱間圧延を終了し、750〜550℃で巻き取
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面処理を施した
のち、缶のほか自動車などのプレス加工製品に用いて好
適な表面処理用原板、およびこの表面処理用原板の製造
に適用される表面処理原板用熱延鋼板に関し、特にプレ
ス加工後の表面性状(耐肌荒れ性)と経済性に優れる、
表面処理用原板および表面処理原板用熱延鋼板、ならび
にこれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】飲料缶、18リットル缶およびペール缶な
どの容器缶は、その製造工程から2ピース缶と3ピース
缶に大別できる。2ピース缶は、熱間圧延−冷間圧延−
焼鈍の工程を経て製造された表面処理用原板に、すずめ
っき、クロムめっき、化成処理、塗油などの処理を施し
て表面処理鋼板とし、これに、浅絞り加工、DWI(Dra
wing and Wall Ironing )加工、DRD(Drawn and Re
drawn )加工などの加工を施して、缶底と缶胴を一体成
形し、これに蓋を取り付けた2部品からなる缶である。
また、3ピース缶は、表面処理鋼板を円筒状または角筒
状に曲げて端部同士を接合して、缶胴を成形したのち、
これに天蓋と底蓋を取り付けた3部品からなる缶であ
る。
【0003】これらの缶は、いずれも缶コストに占める
素材コストの割合が高いため、素材鋼板に対するコスト
低減への要求が強い。このため、缶用鋼板の製造を、非
効率的で材料の歩留りや表面品質が劣る箱焼鈍で行うの
ではなく、生産効率が高く、しかも歩留りや表面品質に
優れた連続焼鈍で行うことが望まれる。このような缶用
鋼板の焼鈍において、再結晶完了温度を低下させること
ができれば、焼鈍時の熱量原単位の低下、炉寿命の向上
が可能になり、一層のコストダウンを図ることができ
る。なお、缶用鋼板においては、焼鈍素材の厚みが一般
に0.3 mm以下と薄いので、高温焼鈍を行うとヒートバ
ックルなどのトラブルを生じ、歩止り低下を招く要因と
もなる。この傾向は缶用素材の厚みが、缶コストの低減
の上から、今後ますます薄くなれば、一層顕著になると
考えられる。一方、缶用素材には、絞り缶など加工の厳
しい用途への適用には、優れた加工性が要求され、炭素
量を低減した鋼板の開発も行われている。しかしなが
ら、極低炭素鋼板の場合、Nb、Tiなどの炭素や窒素を固
着させる元素を添加するために、再結晶完了温度が高く
なるという問題があった。
【0004】ところで、一般の加工用鋼板の分野ではあ
るが、C等の添加元素量を低減した高純度鋼や超極低炭
素鋼において、再結晶完了温度を低減する方法が幾つか
提案されている。例えば、特開平2−285058号公報に
は、C,Al,N添加量を制御することにより、500 〜65
0 ℃の焼鈍において加工性を確保する技術が提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この技術を缶
用鋼板に適用しても、鋼板の結晶粒成長性が著しく大で
あり、焼鈍温度により粗大粒を抑制するのは実際には困
難で、缶用鋼板における致命的な表面欠陥である肌荒れ
を防ぐことができないという問題が残っていた。このた
め、良好な加工性とともに、缶成形後に肌あれなどの問
題を生じることのない缶用鋼板(表面処理原板)の開発
が望まれていた。そこで、本発明の目的は、厳しい条件
下での加工に耐えうる良好な加工性と耐肌荒れ性とを具
え、缶用鋼板としての使用特性を満足するとともに、低
温での連続焼鈍が可能な、表面処理用原板、およびこの
表面処理用原板の製造に用いて好適な表面処理原板用熱
延鋼板、ならびにこれらの製造方法を提供することにあ
る。また、本発明における鋼板具体的な目標としては、
700℃未満、好ましくは650℃未満の低温度域で再
結晶を完了させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の目的
を達成すべく、特に連続焼鈍における再結晶完了温度に
ついて着目して、鋼組成および製造条件などの面からの
冶金的な検討を行った。その結果、再結晶完了温度は、
従来よりいわれている結晶粒径、冷延圧下率のほかに、
熱延鋼板の集合組織の影響が大きく、次いで析出物のサ
イズの影響も大きいことを見いだした。すなわち、缶用
に供せられる表面処理原板は、熱延における仕上板厚が
薄いため、仕上温度が低温になる傾向がある。発明者ら
の調査によれば、最近の低炭素化による変態温度の上昇
のため、熱延後の変態が不十分となっており、かなりの
板面(200)集合組織が残り、しかもその大部分はコ
ロニー状に, すなわちほぼ同じ方位 (本発明では差が15
°以内と定義する) の結晶粒が一かたまりとなった状態
で存在している。この現象を避けようとして高温加熱を
採用すれば、均熱性の悪化による歩留低下を避けるこが
できなくなる。発明者らは、この熱延板の板面(20
0)方位, すなわち板面垂直方向に〈200〉方位を15
°以内で有する集合組織の存在が冷延後の焼鈍の際に、
再結晶を著しく抑制すること、したがってこの(20
0)集合組織、とくに(200)方位コロニーの制御が
重要であることを見出した。
【0007】一方、再結晶の核となるサイトを増やすた
めには、結晶粒径を細かくすること、冷延圧下率を高く
して不均一な歪を導入させることが重要である。そし
て、その核が成長し、鋼板全体にわたって再結晶粒を存
在させるためには、核の成長がある程度は容易である必
要がある。その際に、鋼中の析出物はピン止め効果を有
するので、そのサイズが小さいほど、また分布密度が高
いほど、核の成長を抑制することになる。
【0008】発明者らの調査では、一概に析出物といっ
ても、その成分系により鋼中の存在の仕方が異なり、制
御の考え方を変えなければならないことがわかった。例
えば、低炭素鋼板では制御すべき析出物はMnS,AlNで
あり、Ti,Nb添加鋼では、それらに加えてTiS,TiC,
NbC, TiN、そしてこれら析出物が複合して存在する場
合 (Ti4C2S2 など) もある。また、これらのサイズは生
成する温度などによりかなり変化する。一方、再結晶完
了温度は、それぞれの成分系において、もっとも粒径が
小さく、分散密度が大きな析出物に支配されてしまう。
そして、調査の結果、低炭素鋼板においてはAlNが再結
晶完了温度を支配し、Ti,Nb添加鋼においてはそれらの
炭窒化物が主に支配することがわかった。さらに、Nb単
独添加鋼ではNbCが単独で、しかも低温で析出するの
で、このことを加味して考慮する必要があることもわか
った。
【0009】本発明は、上述した基本的知見をもとに、
完成したものであり、その要旨構成は下記のとおりであ
る。 1)C:0.0005〜0.030 wt%、Si:0.20wt%以下、Mn:0.
05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.02wt%以下、
Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下を含有し残部Feお
よび不可避的不純物からなる成分組成を有し、圧下率8
0%以上の冷間圧延後の連続焼鈍において650℃未満
の温度で再結晶を完了する組織を具えることを特徴とす
る、表面処理原板用熱延鋼板。
【0010】2)C:0.0005〜0.015 wt%、Si:0.20wt%
以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下、N
b:0.003 〜0.020 wt%を含有し残部Feおよび不可避的
不純物からなる成分組成を有し、圧下率80%以上の冷
間圧延後の連続焼鈍において700℃未満の温度で再結
晶を完了する組織を具えることを特徴とする、表面処理
原板用熱延鋼板。
【0011】3)C:0.0005〜0.015 wt%、Si:0.20wt%
以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下、T
i:0.003 〜0.020 wt%を含有し残部Feおよび不可避的
不純物からなる成分組成を有し、圧下率80%以上の冷
間圧延後の連続焼鈍において650℃未満の温度で再結
晶を完了する組織を具えることを特徴とする、表面処理
原板用熱延鋼板。
【0012】4)C:0.0005〜0.015 wt%、Si:0.20wt%
以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下、N
b:0.003 〜0.020 wt%、Ti:0.003 〜0.020 wt%を含
有し残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有
し、圧下率80%以上の冷間圧延後の連続焼鈍において
650℃未満の温度で再結晶を完了する組織を具えるこ
とを特徴とする、表面処理原板用熱延鋼板。
【0013】5)板面(200)方位粒が面積率20%以
下、かつ板面 (200) 方位コロニーの平均コロニー径
が100μm以下である組織を有することを特徴とす
る、上記1)〜4)のいずれか1つに記載の表面処理原板用
熱延鋼板。
【0014】6)板面(200)方位粒が面積率20%以
下、かつ板面 (200) 方位コロニーの平均コロニー径
が100μm以下であり、さらに析出AlNが、平均寸法
0.030 μm以上である組織を有することを特徴とする、
上記1)に記載の表面処理原板用熱延鋼板。
【0015】7)板面(200)方位粒が面積率20%以
下、かつ板面(200)方位コロニーの平均コロニー径
が100μm以下であり、さらに析出NbCの平均寸法
が、0.010μm以上である組織を有することを特徴とす
る、上記2)に記載の表面処理原板用熱延鋼板。
【0016】8)板面(200)方位粒が面積率20%以
下、かつ板面(200)方位コロニーの平均コロニー径
が100μm以下であり、さらに析出炭窒化物の平均寸
法が、0.030 μm以上である組織を有することを特徴と
する、上記3)または4)に記載の表面処理原板用熱延鋼
板。
【0017】9)上記1)〜8)のいずれか1つにおいて、鋼
成分としてさらにB:0.0002〜0.0020wt%を含む成分組
成からなることを特徴とする表面処理原板用熱延鋼板。
【0018】10)C:0.0005〜0.030 wt%、Si:0.20wt
%以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:
0.02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下を
含み、かつ必要に応じてNb:0.003 〜0.020 wt%、Ti:
0.003 〜0.020 wt%およびB:0.0002〜0.0020wt%のう
ちのいずれか1種以上を含有し残部Feおよび不可避的不
純物からなる、鋼スラブを1150℃以下に加熱し、粗
圧延後、950℃以上の温度域で圧下率70%以上、か
つ950℃〜Ar3の温度域で圧下率55%以上で仕上げ
圧延して、950〜(Ar3−50℃)の温度域で熱間圧
延を終了し、750〜550℃で巻き取ることを特徴と
する、表面処理原板用熱延鋼板の製造方法。
【0019】11)全圧下率80%以上、かつ最終パス圧
下率20%以上で、粗圧延を行う、上記10) に記載の表
面処理原板用熱延鋼板の製造方法。
【0020】12)上記1)〜9)のいずれか1つに記載の熱
延鋼板を、圧下率80%以上で冷間圧延することによ
り、製缶時に肌荒れが生じない組織を有することを特徴
とする、表面処理用原板。
【0021】13)上記1)〜9)のいずれか1つに記載の熱
延鋼板を、圧下率80%以上で冷間圧延し、再結晶完了
温度以上、再結晶完了温度+100 ℃以下で連続焼鈍する
ことを特徴とする表面処理用原板。
【0022】14)C:0.0005〜0.030 wt%、Si:0.20wt
%以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:
0.02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下を
含み、かつ必要に応じてNb:0.003 〜0.020 wt%、Ti:
0.003 〜0.020 wt%およびB:0.0002〜0.0020wt%のう
ちのいずれか1種以上を含有する鋼スラブを、1150
℃以下に加熱し、粗圧延後、950℃以上の温度域で圧
下率70%以上、かつ950℃〜Ar3の温度域で圧下率
55%以上で仕上げ圧延して、950〜(Ar3−50
℃)の温度域で熱間圧延を終了し、750〜550℃で
巻き取り、さらに圧下率80%以上で冷間圧延し、再結
晶完了温度以上、再結晶完了温度+100 ℃以下で連続焼
鈍することを特徴とする表面処理用原板の製造方法。
【0023】15)全圧下率80%以上、かつ最終パス圧
下率20%以上で、粗圧延を行う、上記14) に記載の表
面処理用原板の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】前述したように、冷延後の焼鈍に
おける鋼板の再結晶完了温度は、従来から知られている
結晶粒径、冷延圧下率のほかに、熱延鋼板の集合組織や
析出物のサイズも影響する。熱延鋼板の板面における集
合組織のうち、(200)は、(111)などに比べと
くに再結晶を抑制する作用が大きい。この面の集積をな
くす条件で熱間圧延を行う必要があり、(200)を抑
制するためにはAr3変態点を大幅に下回るα域での圧延
は避けるべきである。また、再結晶の核となるサイトを
増やすためには、結晶粒径を細かくすること、冷延圧下
率を高くして歪を導入し、さらに、その発生核が成長し
やすいように析出物のサイズを大きくする必要がある。
この場合、核成長の抑制を支配する析出物は、その成分
系においてサイズが小さく、分散密度の高いものであ
る。この点から、再結晶過程に影響を及ぼす析出物は、
低炭素鋼板ではAlNであり、Ti,Nb添加鋼では、それら
の炭窒化物である。ただし、Nb単独添加鋼ではNbCが単
独で、しかも低温で析出する。これらの析出物のサイズ
は、析出温度は異なるため、成分系により変化せざるを
えない。
【0025】以下に、本発明において集合組織、鋼中析
出物、成分組成および製造条件等を上記要旨構成のとお
りに限定した理由について説明する。 (1)板面(200)方位粒について (a) 板面(200)方位粒の分率(面積率) 熱延板の板面(200)方位粒は、他の方位粒に比べて
再結晶するのが遅いために、その絶対量を少なくする必
要がある。ただし、熱延鋼板ではせいぜいランダムな組
織にするのが可能な程度であり、板面(200)方位粒
を皆無にすることは不可能である。そして、ある程度存
在しても、他の再結晶性が早い粒の侵食により再結晶を
全体的に早く終了させることは可能である。図2に、表
1におけるNb単独添加(Ti無添加)鋼(鋼8)につい
て、熱延鋼板の板面における板面(200)方位粒の分
率と冷延(圧下率:86%)後の焼鈍における再結晶完了
温度との関係を示す。なお、再結晶温度はアルミナ流動
層炉で種々の温度に10秒間加熱した後の硬さの変化によ
り測定した。すなわち、図4は、硬さと温度の関係をプ
ロットしたものである。図のように、接線の交点を再結
晶開始および完了温度とした。図2から、板面(20
0)方位粒の増加とともに再結晶完了温度が高くなって
いくことが、また、この鋼で再結晶完了温度を700 ℃未
満にするためには、板面(200)方位粒の面積率で20
%以下とする必要があることがわかる。また、Nbを添加
しない鋼、Nbと共にTiを添加した鋼についても同様な実
験を行ったところ、これらの場合には上記Nb単独添加の
場合より低い温度で再結晶を完了することを確認した。
これらの成分系の場合には、板面(200)方位粒の面
積分率で20%以下とすることにより、再結晶完了温度を
650℃未満に低下させることができた。以上のことか
ら、熱延板の板面(200)方位粒は、面積率で20%
以下とする。
【0026】(b) 板面(200)方位コロニーのコロニ
ー径 先に述べたように、板面(200)方位をなす粒の大部
分は、ほぼ同じ方位の粒で集まりコロニーを形成する。
すなわち鋳造、スラブ加熱、粗圧延後の空走時間等に成
長する粗大γ粒がその方位を保ったままα粒に変態した
結果である。この板面(200)方位粒の絶対量が低減
できればもちろん有効であるが、前述したように熱延鋼
板の集合組織は十分にランダムではないために、板面
(200)方位粒を完全になくすことは不可能に近い。
このため再結晶を完了させるためには、再結晶が早い他
の粒からの侵食を待つしかない。この際に、板面(20
0)方位コロニーのコロニー径が小さくないと最後まで
未再結晶領域が残る(再結晶が完了しない)ことにな
る。図3に、鋼8について、板面(200)方位コロニ
ーの平均コロニー径(直径)と再結晶完了温度との関係
を示す。図3のように、板面(200)方位コロニーの
平均コロニー径が増大するとともに再結晶完了温度が上
昇すること、再結晶完了温度を700 ℃未満にするために
はこの平均コロニー径を100 μm以下にする必要がある
ことがわかる。Nbを添加しない鋼、Nbと共にTiを添加し
た鋼についても同様な実験を行い、上記板面(200)
方位コロニーの平均コロニー径を100 μm以下にすれ
ば、再結晶完了温度を 650℃未満に低下することを確認
した。以上のことから、熱延板の板面(200)方位コ
ロニーの平均コロニー径は、100 μm以下とする。な
お、板面 (200) 方位粒・コロニーとも、断面におけ
る面積およびコロニー径とする。熱延板は厚み方向で組
織の変化 (方位, 粒径等) が大きいため、板面または板
面平行に測っても鋼板全体の評価が困難なためである。
【0027】(2)鋼中析出物について (a) Nb、Ti無添加鋼の場合 Nb、Ti無添加鋼の析出物は、MnSとAlNであり、析出温
度の低いAlNが再結晶完了温度を律速する。十分に大き
ければ析出物による再結晶粒のピン止め作用が小さく、
再結晶完了温度への影響は小さいが、本発明で目標とす
る650 ℃未満にするためには、この平均寸法を0.030 μ
m以上とする必要がある。このサイズに満たないと、再
結晶粒の成長が遅れ、とくに連続焼鈍などの高速加熱プ
ロセスでは、再結晶完了温度が高くなり、生焼けとよば
れる未再結晶組織による材質(伸び)の低下を招くので
好ましくない。
【0028】(b) Nb単独添加鋼の場合 Nb添加鋼の場合には、NbCが最も析出温度が低いので、
再結晶完了温度を決める析出物となる。また、NbCはTi
S, TiC, AlN, MnS等に比べて低温で析出するため、
他のケースのように析出物寸法を0.030 μmとすること
も、またそれによって再結晶完了温度 650℃未満を達成
するのも困難であるが、700 ℃以下にすることは可能で
ある。図1に、表1の鋼8について、NbC析出物の平均
寸法と再結晶完了温度の関係を示す。図1から、析出物
の寸法の低下とともに再結晶完了温度が高くなり、再結
晶完了温度を700 ℃以下とするためには、この析出物の
平均寸法を0.010 μm以上にする必要かあることがわか
る。なお、NbC析出物の寸法の制御を行うためには、後
述する巻き取り温度の調整が特に重要となる。
【0029】(c) Nb、Tiの複合添加鋼の場合 Nb、Ti複合添加鋼の場合には、TiSやTiCの複合析出物
が再結晶完了温度を決める析出物となる。再結晶温度を
650 ℃未満とするためには、析出物の平均寸法を0.030
μm以上とする必要がある。これら析出物の析出温度は
NbCよりもが高いので、析出物の寸法の制御をする上
で、巻き取り温度よりもむしろスラブ加熱温度が特に重
要な因子となる。ただし、十分な大きさの寸法にするた
めには、その後の工程にも留意する必要ある。
【0030】(3)鋼成分について C:0.0005〜0.030 wt%、0.0005〜0.0150wt% Cは、その含有量が高いと結晶粒径が細かくなり、調質
度の高いものが得られるが、0.030 wt%を超えると、加
工性が低下し、冷間圧延性が低下する。また、時効劣化
の面からも、C量は0.030 wt%以下にする必要がある。
一方、成形性に優れた表面処理原板を得るためにはC量
を低くすることが望ましいが、過度に低減すると、結晶
粒径が粗大になり肌荒れが問題になること、また現在の
精錬技術レベルを考慮して、C量の下限を0.0005wt%、
好ましくは0.0012wt%にする。また、TiやNbを添加した
鋼の場合には、固溶炭素量の低減により、加工性のさら
なる向上を目指しているので、C量が多いと、効率的で
ないばかりか、炭素を全て固着させてもその析出物によ
り再結晶が抑制されてしまう。したがって、Ti、Nb添加
鋼の場合のC量の上限は0.0150wt%とする。
【0031】Si:0.20wt%以下 Siは、多量に含むと、表面処理鋼板の表面性状を劣化さ
せるばかりでなく、鋼を硬化させ、熱間圧延を困難に
し、最終製品としての表面処理原板を硬化させる。これ
らの点よりSi量は、0.20wt%以下、特に高度な表面性状
が必要な用途では0,050 wt%以下とすることが望まし
い。
【0032】Mn:0.05〜0.6 wt% Mnは、Sによる熱延中の熱間脆性を防止するために必要
な元素であり、低S量の場合でも、少なくとも0.05wt%
のMn量を添加しないと表面割れなどの問題を生じる危険
がある。一方、0.6 wt%超えて添加すると、変態点が低
下し過ぎて、好ましい熱延鋼板を得ることが困難とな
る。したがって、Mn含有量は0.05〜0.6 wt%の範囲とす
る。
【0033】P:0.02wt%以下 Pは、耐食性に悪影響を及ぼすので減少させることが望
ましい。しかし、P量の過度の低減は、製造コストの増
加につながるので、これらの兼ね合いから、P含有量を
0.02wt%以下とする。なお、加工性を改善するために
は、0.010 wt%以下に制限するのが好ましい。
【0034】S:0.02wt%以下 Sは、MnS等の介在物を増加させ、伸びフランジ性に代
表される局部延性を低下させる原因となり、全伸びを低
下させる。この影響は0.02wt%を超えると顕著になるの
で、S量は0.02wt%以下に制限する必要がある。なお、
加工性を改善するためには、0.010 wt%以下にすること
が好ましい。
【0035】Al:0.15wt%以下 Alは、脱酸に必要な元素であるが、0.15wt%を超えると
脱酸効果が飽和するだけでなく、介在物起因による成形
性の低下を招く。このため、Al(sol Al)含有量は0.15wt
%以下とする。なお、安定した製造条件を確保するため
には、0.030 〜0.10wt%の範囲にすることが好ましい。
【0036】N:0.01wt%以下 Nは、析出物を形成し伸びを低下させるが、固溶状態で
残存すると、鋼を適度に硬質化させ、強度と加工性のバ
ランスを向上させる元素である。しかし、0.01wt%を超
えると、伸びを著しく低下させること、またスラブ割れ
を招くことから、0.01wt%以下とする。なお、強度より
も加工性を重視する場合には、0.005 wt%以下にするこ
とが好ましい。
【0037】Nb:0.003 〜0.020 wt% Nbは、炭素を固着して、時効性の低減、鋼の軟質化に有
用な元素である。さらに、熱間圧延時のγ領域にて、再
結晶を適度に抑制し、微細な組織をうることを可能にす
る。これらの効果を得るには、少なくとも0.003 wt%の
添加が必要であるが、0.020 wt%を超えて添加すると、
熱延鋼板に不均一な組織をもたらすばかりでなく、熱延
時の負荷を大きくする。このため、Nbの含有量は0.003
〜0.020wt%の範囲とする。なお、加工性を重視する場
合には、0.003 〜0.015 wt%の範囲にすることが望まし
い。
【0038】Ti:0.003 〜0.020 wt% Tiは、Nbと同様の効果をもたらし、またNbとの複合添加
により、成形性を向上させる元素である。これらの効果
は、0.003 wt%以上の添加で得られる。しかし、0.020
wt%超えて添加しても、その効果は飽和し、コスト的に
不利となる。このため、Tiの含有量は0.003 〜0.020 wt
%の範囲とする。
【0039】B:0.0002〜0.0020wt% Bは、熱延鋼板の組織の微細化のために有用な元素であ
る。さらに、2次加工脆性を防止させる役目も果たす。
しかし、過剰に添加すると、熱間圧延時にオーステナイ
トの再結晶を遅らせ、圧延時の負荷が大きくなり過ぎ、
また、焼鈍後の材質、特に伸びを劣化させる。このた
め、B添加量は、0.0002〜0.0020wt%の範囲とする。
【0040】(4)製造条件について (a) スラブ加熱温度 スラブ加熱温度が高過ぎると、析出物が細かくなり、再
結晶完了温度を上昇させる原因となるため好ましくな
い。そのため、スラブ加熱温度は1100℃以下の範囲とし
て、析出物を十分に粗大化させることが望ましい。ま
た、加熱温度が高過ぎると、結晶粒の粒成長により、最
終的な熱延鋼板の粒径を大きくし、再結晶完了温度に悪
影響を及ぼすので、この観点からもも1100℃以下とする
べきである。なお、加熱温度の下限は、圧延終了温度を
確保するため 950℃とするのが望ましい。
【0041】(b) 熱間圧延 ・圧延終了温度 上記加熱の後、粗圧延及び仕上げ圧延よりなる熱間圧延
を行なう。熱延の終了温度は、熱延鋼板の組織、粒径を
均一微細にするために、950 ℃以下、(Ar3−50℃)以
上となるように終了する必要がある。圧延終了温度が
(Ar3−50℃)未満では、板面(200)の集積が高く
なり、再結晶完了温度に悪影響を与えるからである。ま
た、巻き取り温度によっては、加工組織が残存して、冷
間圧延性を悪化させ、加工性に悪影響を及ぼす再結晶集
合組織を形成するので望ましくない。一方、圧延終了温
度が950 ℃を超えると、結晶粒径が大きくなるほか、析
出物、とくに再結晶完了温度に影響を及ぼす低温生成物
の析出を、加工により促進させる働きが低下するので好
ましくない。
【0042】・圧下率配分 熱間圧延における圧下率配分を制御することにより、均
一で微細な組織と好ましい集合組織が可能となる。すな
わち、粗圧延の工程では、全圧下率80%以上、その内、
最終パスで20%以上の圧延を行う。これに続く仕上げ圧
延では、950 ℃以上の領域で圧下率70%以上の圧下を行
い、さらに950 ℃〜Ar3の領域で圧下率55%以上の圧延
を行うことが望ましい。これらのうち、特に仕上げ圧延
における圧下率配分が重要である。以下に、それそれに
ついての作用、限定理由を述べる。
【0043】粗圧延では、全圧下率80%以上、その内、
最終パスで20%以上の圧下を行う。仕上げ圧延に入るま
でに、ある程度粒径を揃えておくために、粗圧延での加
工歪み量と、再結晶をを伴うある程度の加工歪み量が必
要である。また、缶用鋼板としての表面処理原板は、自
動車、家電製品への用途の場合と比較して薄いために、
ある程度粗圧延の段階で薄くしておかないと、仕上げ圧
延機の容量を上回ってしまう危険性がある。これらの事
情を考慮して、全圧下率の下限を80%とする。また、粗
圧延の最終パスを20%以上とするのは、20%未満では、
仕上げ圧延機に入る段階で十分に整粒にならない(表層
から中心部にいたる組織の不均一)からである。
【0044】仕上げ圧延では、950 ℃以上の領域で圧下
率70%以上の圧下とする。この温度域は、γ域でしか
も、圧延歪により十分再結晶させうる領域であり、圧延
歪→再結晶→圧延歪→再結晶を繰り返し、粒径が微細化
する温度域である。しかし、圧下率が70%未満では、1)
この細粒化が十分に進まないこと、2)圧延歪の不足のた
め、均一に再結晶せず、部分的に粒径が大きい領域が存
在することとなり、これが変態後、大きな(200)方
位粒増加の原因となるので好ましくない。
【0045】引き続いて、950 ℃以下、Ar3以上の温度
域で圧下率55%以上の圧延を行う。この温度域も、同様
にγ域ではあるが、1)温度低下による、元素の拡散現象
の遅延、2)析出物によるピン止め効果、3)固溶元素によ
る再結晶抑制効果、が重なって、再結晶は十分に行えな
い領域である。従来の製造技術では、この領域を他の温
度域、とくに上記の再結晶γ域と区別せずに製造してい
た。このために、成分によっては、加工性に望ましくな
い集合組織となったり、混粒となり、均一な組織に制御
することが極めて困難であった。以上の事柄を考慮した
場合、この温度域の圧下率が55%未満であると、再結晶
しにくいため、まったく再結晶しないで加工性に悪影響
およぼす集合組織が残ったり、一部で再結晶を生じて混
粒になって、(200)方位粒の形成を防ぐことが困難
となる。また、Nbなどを含有して再結晶が遅れた場合で
も、55%以上にすれば、歪により、変態の核が均一微細
に析出可能である。これらのことから、950 ℃〜Ar3
温度域では、圧下率55%以上の圧下を行う必要がある。
【0046】(c) 巻取温度 熱間圧延後の巻き取りは750 〜550 ℃の温度範囲で行
う。この巻き取り温度が、750 ℃超になるとスケール厚
みが顕著に増大し、酸洗時の脱スケール性が低下する。
また、550 ℃未満の温度で巻き取ると、析出物が十分に
析出せず、再結晶完了温度の上昇をまねく。このため、
巻き取り温度は750 〜550 ℃の温度範囲とする。この温
度は、特に、析出温度が低い析出物には有効であり、本
発明におけるNbCがこれに相当する。
【0047】(d) 冷間圧延 以上の熱間圧延を終えたあとに、必要に応じて酸洗を行
ない、80%以上の圧下率で冷間圧延を行う。80%以上の
圧下率で冷間圧延しないと再結晶の駆動力が少なく、再
結晶完了温度が高くなりやすく、本発明で狙いとしてい
る再結晶完了温度の低下が達成できない。また、低圧下
率出は再結晶したとしても粒径が粗大となり、肌荒れの
発生原因となる。
【0048】(e) 連続焼鈍 冷間圧延後の焼鈍は、生産性の面から連続焼鈍とし、焼
鈍温度は、成分組成に応じ、再結晶完了温度以上、再結
晶完了温度+100 ℃以下で行うものとする。すなわち、
再結晶完了温度以上にしないと、加工組織が残り、伸び
の低下やγ値の低下をまねいてしまう。また、再結晶完
了温度+100 ℃程度までは、材質 (伸び, γ値, TS)
が安定するが、それ以上になると粒成長により缶用鋼板
で重要な硬さの調整ができなくなること、さらに加工後
肌荒れが生じよくない。以上より、焼鈍温度は、それぞ
れの成分について再結晶完了温度〜 (再結晶完了温度+
100 ℃) の範囲とするのが好ましい。
【0049】その後、目的の調質度に調整するととも
に、ストレッチャーストレインを防止するために、スキ
ンパス圧延または2次圧延を施す必要がある。これら圧
延の圧下率は、その目標特性を考慮して30%以下の範囲
で行う。圧下率が30%を超えると、高強度になり過ぎ
て、加工性と強度のバランスが維持できなくなること、
面内異方性が悪化してしまうなどのためである。
【0050】
【実施例】表1に示す化学成分の鋼を、表2に示す条件
で、厚み2mmまで熱間圧延し、巻取り、酸洗したのち、
冷間圧延を行い厚み0.28mm (No.15 0.6mm) の冷延鋼帯
とした。続いて、連続焼鈍を行った。なお、再結晶完了
温度は、同じ冷延鋼帯から、図2と同じ方法で別途測定
した。また、上記熱間圧延を行ったあとの熱延鋼板につ
いては、鋼中析出物の種類と平均粒径、(200)方位
粒の面積率と (200) 方位コロニーの平均コロニー径
を調査するとともに、上記連続焼鈍後の表面処理用原板
については、r値を測定するとともに、ビニール潤滑し
てポンチ径33φ, 絞り比2のカップにプレス成形したあ
との肌荒れ状況を観察した。ここに、熱延鋼板におけ
る、析出物の種類の同定は、抽出レプリカ法により、ま
た平均寸法は、少なくとも10視野以上の電子顕微鏡観察
より円形換算した寸法の平均を画像処理により算出し
た。 また、(200)方位粒の面積率は、EBSP測
定を行い、板面に垂直方向の結晶配向性を測定し、(2
00)方向に対し15°以内にある粒を(200)方位
粒として画像処理により求めた。また、 (200) 方向
に対し15°以内にある粒が2つ以上離接しているものを
(200)方位コロニーとし、その平均コロニー径を円
形換算により求めた。またr値は、次式により求めた。 r値=(r0 +r90+2r45)/4 ただし、 r0 :圧延方向のr値 r90:圧延方向と90度の傾きをなす方向のr値 r45:圧延方向と45度の傾きをなす方向のr値
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】表1および表2から、熱延後の鋼中の析出
物および(200)方位粒を制御した本発明例は、優れ
た加工性、耐肌荒れ性を有しながら、従来にない低い再
結晶完了温度をそなえていることがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
厳しい条件下での加工に耐えうる良好な加工性と耐肌荒
れ性とを具えたうえ、低温での連続焼鈍が可能になるの
で、熱量原単位の低減、焼鈍設備の保守の容易化などの
面で大きく寄与するとともに、表面処理用原板および表
面処理原板用熱延鋼板の低コスト化にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】NbCの平均寸法と再結晶完了温度との関係を示
すグラフである。
【図2】(200)方位粒の面積率と再結晶完了温度と
の関係を示すグラフである。
【図3】(200)面コロニーの平均コロニー径と再結
晶完了温度との関係を示すグラフである。
【図4】再結晶開始温度および再結晶完了温度の定義を
説明するための図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 登坂 章男 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 坂田 敬 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.0005〜0.030 wt%、Si:0.20wt%
    以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
    02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下を含
    有し残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有
    し、圧下率80%以上の冷間圧延後の連続焼鈍において
    650℃未満の温度で再結晶を完了する組織を具えるこ
    とを特徴とする、表面処理原板用熱延鋼板。
  2. 【請求項2】 C:0.0005〜0.015 wt%、Si:0.20wt%
    以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
    02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下、N
    b:0.003 〜0.020 wt%を含有し残部Feおよび不可避的
    不純物からなる成分組成を有し、圧下率80%以上の冷
    間圧延後の連続焼鈍において700℃未満の温度で再結
    晶を完了する組織を具えることを特徴とする、表面処理
    原板用熱延鋼板。
  3. 【請求項3】 C:0.0005〜0.015 wt%、Si:0.20wt%
    以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
    02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下、T
    i:0.003 〜0.020 wt%を含有し残部Feおよび不可避的
    不純物からなる成分組成を有し、圧下率80%以上の冷
    間圧延後の連続焼鈍において650℃未満の温度で再結
    晶を完了する組織を具えることを特徴とする、表面処理
    原板用熱延鋼板。
  4. 【請求項4】 C:0.0005〜0.015 wt%、Si:0.20wt%
    以下、Mn:0.05〜0.6 wt%、P:0.02wt%以下、S:0.
    02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下、N
    b:0.003 〜0.020 wt%、Ti:0.003 〜0.020 wt%を含
    有し残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有
    し、圧下率80%以上の冷間圧延後の連続焼鈍において
    650℃未満の温度で再結晶を完了する組織を具えるこ
    とを特徴とする、表面処理原板用熱延鋼板。
  5. 【請求項5】 板面(200)方位粒が面積率20%以
    下、かつ板面(200)方位コロニーの平均コロニー径
    が100μm以下である組織を有することを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面処理原板
    用熱延鋼板。
  6. 【請求項6】 板面(200)方位粒が面積率20%以
    下、かつ板面(200)方位コロニーの平均コロニー径
    が100μm以下であり、さらに析出AlNが、平均寸法
    0.030 μm以上である組織を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の表面処理原板用熱延鋼板。
  7. 【請求項7】 板面(200)方位粒が面積率20%以
    下、かつ板面(200)方位コロニーの平均コロニー径
    が100μm以下であり、さらに析出NbCの平均寸法
    が、0.010 μm以上である組織を有することを特徴とす
    る、請求項2に記載の表面処理原板用熱延鋼板。
  8. 【請求項8】 板面(200)方位粒が面積率20%以
    下、かつ板面(200)方位コロニーの平均コロニー径
    が100μm以下であり、さらに析出炭窒化物の平均寸
    法が、0.030 μm以上である組織を有することを特徴と
    する、請求項3または4に記載の表面処理原板用熱延鋼
    板。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項において、
    鋼成分としてさらにB:0.0002〜0.0020wt%を含む成分
    組成からなることを特徴とする表面処理原板用熱延鋼
    板。
  10. 【請求項10】 C:0.0005〜0.030 wt%、Si:0.20wt
    %以下、Mn:0.05〜0.6wt%、P:0.02wt%以下、S:
    0.02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下を
    含み、かつ必要に応じてNb:0.003 〜0.020 wt%、Ti:
    0.003 〜0.020 wt%およびB:0.0002〜0.0020wt%のう
    ちのいずれか1種以上を含有する、鋼スラブを1150
    ℃以下に加熱し、粗圧延後、950℃以上の温度域で圧
    下率70%以上、かつ950℃〜Ar3の温度域で圧下率
    55%以上で仕上げ圧延して、950〜(Ar3−50
    ℃)の温度域で熱間圧延を終了し、750〜550℃で
    巻き取ることを特徴とする、表面処理原板用熱延鋼板の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 全圧下率80%以上、かつ最終パス圧
    下率20%以上で、粗圧延を行う、請求項10に記載の表
    面処理原板用熱延鋼板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    熱延鋼板を、圧下率80%以上で冷間圧延することを特
    徴とする、表面処理用原板。
  13. 【請求項13】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    熱延鋼板を、圧下率80%以上で冷間圧延し、再結晶完
    了温度以上、再結晶完了温度+100 ℃以下で連続焼鈍す
    ることを特徴とする表面処理用原板。
  14. 【請求項14】 C:0.0005〜0.030 wt%、Si:0.20wt
    %以下、Mn:0.05〜0.6wt%、P:0.02wt%以下、S:
    0.02wt%以下、Al:0.15wt%以下、N:0.01wt%以下を
    含み、かつ必要に応じてNb:0.003 〜0.020 wt%、Ti:
    0.003 〜0.020 wt%およびB:0.0002〜0.0020wt%のう
    ちのいずれか1種以上を含有する鋼スラブを、1150
    ℃以下に加熱し、粗圧延後、950℃以上の温度域で圧
    下率70%以上、かつ950℃〜Ar3の温度域で圧下率
    55%以上で仕上げ圧延して、950〜(Ar3−50
    ℃)の温度域で熱間圧延を終了し、750〜550℃で
    巻き取り、さらに圧下率80%以上で冷間圧延し、再結
    晶完了温度以上、再結晶完了温度+100 ℃以下で連続焼
    鈍することを特徴とする表面処理用原板の製造方法。
  15. 【請求項15】 全圧下率80%以上、かつ最終パス圧
    下率20%以上で、粗圧延を行う、請求項14に記載の
    表面処理用原板の製造方法。
JP34106096A 1996-12-20 1996-12-20 表面処理冷延鋼板用原板およびそれに用いる熱延鋼板、ならびにそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP3690023B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34106096A JP3690023B2 (ja) 1996-12-20 1996-12-20 表面処理冷延鋼板用原板およびそれに用いる熱延鋼板、ならびにそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34106096A JP3690023B2 (ja) 1996-12-20 1996-12-20 表面処理冷延鋼板用原板およびそれに用いる熱延鋼板、ならびにそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10183240A true JPH10183240A (ja) 1998-07-14
JP3690023B2 JP3690023B2 (ja) 2005-08-31

Family

ID=18342877

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34106096A Expired - Fee Related JP3690023B2 (ja) 1996-12-20 1996-12-20 表面処理冷延鋼板用原板およびそれに用いる熱延鋼板、ならびにそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3690023B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100545086B1 (ko) * 2001-12-19 2006-01-24 주식회사 포스코 드로잉성 및 장출 성형성이 향상되는 극저탄소강과 이를이용한 고강도 냉연 또는 아연도금강판의 제조방법
KR100564885B1 (ko) * 2003-12-30 2006-03-30 주식회사 포스코 소부경화성과 상온 내시효성이 우수한 소부경화형냉연강판 및 그 제조방법
US9689052B2 (en) 2009-05-18 2017-06-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Very thin steel sheet and production method thereof

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100545086B1 (ko) * 2001-12-19 2006-01-24 주식회사 포스코 드로잉성 및 장출 성형성이 향상되는 극저탄소강과 이를이용한 고강도 냉연 또는 아연도금강판의 제조방법
KR100564885B1 (ko) * 2003-12-30 2006-03-30 주식회사 포스코 소부경화성과 상온 내시효성이 우수한 소부경화형냉연강판 및 그 제조방법
US9689052B2 (en) 2009-05-18 2017-06-27 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corporation Very thin steel sheet and production method thereof

Also Published As

Publication number Publication date
JP3690023B2 (ja) 2005-08-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108441759B (zh) 一种540MPa级热轧酸洗钢板及其制造方法
CN110317991A (zh) 一种380-500MPa级含Nb低合金高强钢及其生产方法
WO2011087108A1 (ja) 成形性と形状凍結性に優れた冷延鋼板およびその製造方法
CN112795731A (zh) 一种灯罩用冷轧钢板及其生产方法
CN113718166B (zh) 一种屈服强度320MPa级热镀铝锌钢板及其制造方法
JP2002012947A (ja) 伸びフランジ性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
CN108570603A (zh) 一种喷雾罐用电镀锡钢板及其生产方法
CN112501513B (zh) 一种成形性能和表面质量优良的低碳酸洗钢及生产方法
JP3690023B2 (ja) 表面処理冷延鋼板用原板およびそれに用いる熱延鋼板、ならびにそれらの製造方法
JP6628018B1 (ja) 熱延鋼板
TW201318820A (zh) 高張力熱軋鍍鋼板及其製造方法
JP3596037B2 (ja) 製缶用鋼板の製造方法
KR20220060883A (ko) 선영성이 우수한 고강도 아연계 도금강판 및 그 제조방법
JP3700280B2 (ja) 缶用鋼板の製造方法
JP3707260B2 (ja) 面内異方性および面内異方性のコイル内均一性に優れた2ピース缶用極薄鋼板の製造方法
JPH09316543A (ja) 良成形性缶用鋼板の製造方法
KR102484992B1 (ko) 강도, 성형성 및 표면 품질이 우수한 도금강판 및 이의 제조방법
JP3460525B2 (ja) 角筒絞り成形性に優れる薄鋼板およびその製造方法ならびにその使用方法
JPH06306536A (ja) 耐圧強度とネックドイン性に優れたdi缶用表面処理原板及び製造方法
JP3546299B2 (ja) 材質変動の小さい冷延鋼板の製造方法
KR102468036B1 (ko) 성형성이 우수한 고강도 아연계 도금강판 및 그 제조방법
CN109385569A (zh) 一种高硬度冷轧电镀锡钢板及其生产方法
JP3596036B2 (ja) 製缶用鋼板の製造方法
JPH06306535A (ja) ネックドイン性に優れたdi缶用表面処理原板及び製造方法
JPH08176673A (ja) 缶用鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040713

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041102

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050606

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080624

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120624

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130624

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140624

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees