JPH1018130A - 紡績用リング - Google Patents

紡績用リング

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JPH1018130A
JPH1018130A JP8174519A JP17451996A JPH1018130A JP H1018130 A JPH1018130 A JP H1018130A JP 8174519 A JP8174519 A JP 8174519A JP 17451996 A JP17451996 A JP 17451996A JP H1018130 A JPH1018130 A JP H1018130A
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JP
Japan
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ring
cylinder
bobbin
spinning
brake
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JP8174519A
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English (en)
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Yutaka Tanaka
豊 田中
Hiroshi Enomoto
博史 榎本
Hideyuki Goto
英之 後藤
Yasushi Iwama
泰志 岩間
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Nippo Ltd
Howa Machinery Ltd
Nippo Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Nippo Ltd
Howa Machinery Ltd
Nippo Sangyo Co Ltd
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Publication date
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Priority to BR9703858A priority patent/BR9703858A/pt
Priority to EP97111358A priority patent/EP0816541A1/en
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Publication of JPH1018130A publication Critical patent/JPH1018130A/ja
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01HSPINNING OR TWISTING
    • D01H7/00Spinning or twisting arrangements
    • D01H7/02Spinning or twisting arrangements for imparting permanent twist
    • D01H7/52Ring-and-traveller arrangements
    • D01H7/56Ring-and-traveller arrangements with freely-rotatable rings; with braked or dragged rings ; Lubricating arrangements therefor

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転筒が減速されるべき際には適切に減速さ
れるようにする。 【解決手段】 粗糸ボビンから導かれる糸Tをボビン8
2に巻き取るための紡績用リング10であって、固定筒
20と、その内側において回転可能に設けられた回転筒
30と、回転筒30に対してその周方向に回転可能に設
けられたトラベラ50と、回転筒30に設けられその半
径方向に延びる多数のフィン68Aを有するブレーキリ
ング60とを有し、ブレーキリング60には、ボビン8
0の回転によって生じる旋回気流による風圧を遮断する
風圧遮断壁64Aが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、糸供給部から導
かれる糸をボビンに巻き取るための紡績用リングに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】この種の紡績用リングが使用される精紡
機全体と、従来の紡績用リングをあわせて説明する。図
1に示すように、この精紡機の上方には、粗糸ボビン7
0(糸供給部)が、紙面に直角の方向に多数配設されて
いる。これに対応して、高さ方向のほぼ中央の左右両側
にはドラフト装置72が各々設けられており、下方の左
右両側には、紙面に直角の方向に伸びるリングレール7
4が各々設けられている(図4参照)。リングレール7
4は、鉛直方向に伸びる昇降可能なリフチングピラー7
8に支持され、モータ(図示省略)の駆動力によって昇
降可能である。図4に示すように、リングレール74に
は、図1の紙面と直角の方向に多数の取付孔75が形成
されている。この取付孔75に、紡績用リング110が
嵌合して取り付けられる。図1に戻り、リングレール7
4の上方には、各紡績用リング110に対応してガイド
部材76が昇降可能な別のリフチングピラー79に設け
られており、ガイド部材76には貫通孔77が形成され
ている。各紡績用リング110間には、仕切部材である
セパレータ95が設けられている(図7参照)。各紡績
用リング110の中心軸線部分には、スピンドル80
が、モータ(図示省略)によって回転可能に配設されて
いる。スピンドル80には、ボビン(精紡糸ボビン)8
2(図1中は図示省略)が、相対回転が不可能な状態で
嵌合される。
【0003】そして、従来の紡績用リングとしては、例
えば、国際公開番号WO96/08592に開示されて
いるものがある。図14に示すように、その紡績用リン
グ110では、固定筒20の内側に回転筒30が回転可
能に設けられており、回転筒30の上部に形成されたフ
ランジ部32に対して、トラベラ50がその周方向に回
転可能に設けられている。回転筒30の下部にはブレー
キリング160が設けられている。ブレーキリング16
0の下部には、半径方向に延びる縦板状のフィン168
が多数設けられている(図15参照)。粗糸ボビン70
に巻き取られている糸T(粗糸T1)は、ドラフト装置
72を経て、ガイド部材76の貫通孔77を通り、紡績
用リング110のトラベラ50を通して、ボビン82に
導かれる。
【0004】そして、リングレール74が往復昇降して
紡績用リング110が往復昇降しつつボビン82(スピ
ンドル80)が回転することによってトラベラ50や回
転筒30が回転し、糸供給部から導かれる糸Tに撚りが
かけられつつ、糸Tがボビン82に対して巻き取られて
いく。その際、トラベラ50は遠心力によって回転筒3
0に対して強く接触するため、原則として(回転始動時
等以外において)、トラベラ50と回転筒30は一体的
に回転する。また、ブレーキリング160によって、回
転筒30の回転に適度なブレーキ力が与えられ、回転筒
30が慣性により高速回転しすぎることが防止されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、糸Tの巻取
速度は、ボビン82の周速度(巻き取られている糸Tを
含む周面の回転速度)からトラベラ50の回転速度を減
じたものである。また、糸供給部からは糸Tは一定の送
出速度で送り出されている。そして、糸Tの巻取速度と
送出速度は同じ値である必要がある。しかしながら、図
5,図6に示すように、紡績用リング110がAの高さ
とBの高さとの間を往復昇降しつつボビン82に糸Tが
巻き取られる際には、Bの高さでは糸Tがすでに多く巻
き取られているために糸Tの巻取径d2 が大きく、Aの
高さでは糸Tがほとんど巻き取られていないために巻取
径d1 が小さい。そして、ボビン82(スピンドル8
0)の角速度ω0 は一定であるために、Aの高さにおけ
る周速度v1 =d1 ω0 /2よりも、Bの高さにおける
周速度v2=d2 ω0 /2の方が大きい。このため、紡
績用リング110の昇降によって変化するボビン82の
周速度に追従して、トラベラ50(回転筒30)の回転
速度は変化する必要がある。その理想速度が図6中実線
で表されている。
【0006】しかしながら、上記従来の紡績用リング1
10では、Bの高さから上昇する際に、図6中2点鎖線
で示すように、トラベラ50(回転筒30)の回転速度
の減速が遅れて、所定の間、理想速度よりも実際の回転
速度が速いものとなる。すると、その際には、図7中2
点鎖線で示すように、糸Tがガイド部材76の貫通孔7
7とトラベラ50との間において側方へ拡がる現象(バ
ルーニング)が顕著となって、糸Tがセパレータ95へ
接触して切れてしまうこともある(バルーニング崩壊現
象)。
【0007】上記のように紡績用リング110がBの高
さから上昇する際にトラベラ50(回転筒30)の回転
速度の減速が遅れる理由としては、種々の紡出試験の結
果、ボビン82等の回転に伴ってボビン82と回転筒3
0との間の隙間に旋回気流が生じ、その旋回気流がブレ
ーキリング160のフィン168に強く作用し、回転筒
30が減速しようとしてもその旋回気流によってブレー
キリング160が回転する方向へ維持されてしまうもの
と考えられる。
【0008】そこで、本発明は、回転筒が減速されるべ
き際には適切に減速されて、バルーニング崩壊現象の発
生を防止することができる紡績用リングを提供すること
を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、糸供給部から導かれる糸を
ボビンに巻き取るための紡績用リングであって、固定的
に設けられる固定筒と、その固定筒の内側においてその
固定筒と同心的にかつその中心軸線を中心に回転可能に
設けられ、かつその内側に前記ボビンが同心的にかつそ
の中心軸線を中心に回転可能に配設される回転筒と、そ
の回転筒に対してその周方向に回転可能に設けられ、前
記糸供給部から導かれる糸を前記ボビンに対してガイド
するトラベラと、前記回転筒に設けられ、多数の凹凸部
を有してその空気抵抗により当該回転筒にブレーキ力を
付与するブレーキ部材とを有し、そのブレーキ部材に
は、前記ボビンの回転によって生じる旋回気流による風
圧を遮断する風圧遮断壁が形成されていることを特徴と
する。
【0010】この発明では、ボビンの回転によって糸供
給部から供給される糸がトラベラを経てボビンにガイド
されつつその糸によってトラベラが回転し、それに伴っ
て回転筒も回転する。その際に、ブレーキ部材によって
回転筒にブレーキ力が付与されて回転筒の回転しすぎが
防止される。
【0011】そして、この発明では、ブレーキリングに
風圧遮断壁が形成されているために、ボビンの回転によ
って生じる旋回気流によって逆にブレーキ部材(ひいて
は回転筒)の回転が維持される、ということが防止され
る。このため、この紡績用リングが昇降することによっ
てボビンへの糸の巻取径が減少してボビンの周速度(巻
き取られている糸を含む周面の回転速度)が減速する際
には、回転筒もそれに追従して減速しやすくなる。この
ために、糸のバルーニング崩壊が防止されて、円滑な紡
績が行われる。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、前記ブレーキ部材が、前記回転筒と同心的
なリングであるブレーキリングであり、そのブレーキリ
ングが、前記多数の凹凸部として前記回転筒の半径方向
成分を含む方向に延びる多数のフィンを有し、前記風圧
遮断壁が、前記ブレーキリングの前記多数のフィンの少
なくとも一部を前記ボビンの側から遮断するものである
ことを特徴とする。ここで、「風圧遮断壁」は、各フィ
ンのすべての部分をボビンの側から遮断するものはもち
ろん、各フィンの一部をボビンの側から遮断するものも
含まれるものとする。また、「半径方向成分を含む方向
に延びる」とは、半径方向に延びるものはもちろん、半
径方向成分を含む方向の延びるものはすべて含まれるも
のとする。そして、この発明では、請求項1に係る発明
の作用効果がより具体的に得られることになる。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項2に係る発
明であって、前記フィンが当該紡績用リングの上部の外
側において露出しているものではないことを特徴とす
る。
【0014】この発明では、フィンが紡績用リングの上
部の外側において露出してはいないために、その周囲の
作業員にとって安全である。
【0015】請求項4に係る発明は、請求項2に係る発
明であって、前記ブレーキリングのフィンが、外部の空
気とほぼ遮断されていることを特徴とする。
【0016】この発明では、回転筒の回転に伴うブレー
キリングの回転の際に、フィンによって空気が切られる
ような空気との摩擦があまり生じないために、ブレーキ
リングの回転速度の増大に伴ってそのブレーキ力が加速
度的に増大することが防止され、必要以上のブレーキ力
の発生が防止される。このためにボビンを回転させよう
とする負荷が過大なものとはならず、省エネルギーが図
られる。
【0017】請求項5に係る発明は、請求項2に係る発
明であって、前記ブレーキリングの多数のフィンが前記
回転筒の下側に設けられており、その多数のフィンの下
部が下側遮断壁によって遮断されており、当該多数のフ
ィンの外側端が前記固定筒と近接していることを特徴と
する。ここで、「下側遮断壁」は、多数のフィンの下部
に取り付けられていてフィンとともい回転するものでも
よいし、多数のフィンの下側において固定的に設けられ
ていてもよい。
【0018】この発明では、回転筒の下側に設けられて
いる多数のフィンの下部が下側遮断壁によって遮断さ
れ、ボビンの側が風圧遮断壁によって遮断され(前
述)、フィンの外側が固定筒と近接して外部の空気とほ
ぼ遮断されているために、請求項4に係る発明の作用効
果がより具体的に得られる。
【0019】請求項6に係る発明は、請求項5に係る発
明であって、前記回転筒が回転する際に摺動する部分と
連通する隙間が、前記固定筒と前記ブレーキリングとの
間を経て遠心方向に開口していることを特徴とする。
【0020】この発明では、隙間が遠心方向に開口して
いるために、回転筒の回転に伴うブレーキリングの回転
によって生じる遠心力によって外側空間へ向かう気流が
生じ、その気流によって、前記回転筒が回転する際に摺
動する部分において生じる熱が効率的に放熱される。こ
のため、回転筒がその熱によって膨張してその回転が阻
害されるようなことが防止されて、回転筒は円滑に回転
し、円滑な紡績が行われる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、本発明の各実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、これら各実施形態である紡
績用リング(10)が用いられる精紡機全体について
は、前述したとおりである。
【0022】<第1実施形態>図2に示すように、この
紡績用リング10は、固定筒20,回転筒30,トラベ
ラ50,ブレーキリング60Aを有している。
【0023】固定筒20は合成樹脂から形成されてお
り、その外周側部分には、円筒面状の嵌合部22と、円
環面状の載置部24が形成されている。また、嵌合部2
2には、ストップリング取付溝26が形成されている。
そして、この紡績用リング10は、固定筒20の嵌合部
22においてリングレール74の取付孔75に対して嵌
合され、載置部24において取付孔75の周囲部分に載
置され、セットリング取付溝26にゴム製のセットリン
グ90が嵌められることによって、リングレール74に
取り付けられる。
【0024】回転筒30は、固定筒20の内側におい
て、固定筒20と同心的に、かつその中心軸線を中心に
回転可能に設けられている。固定筒20と回転筒30と
の間には、摺接リング40が介装されており、回転筒3
0が固定筒20に対して円滑に回転するようにされてい
る。なお、固定筒20にはライナーカバー42が嵌合固
定されており、摺接リング40の抜け止めがなされてい
る。回転筒30のやや上部には防塵カバー44が取り付
けられており、固定筒20と回転筒30との隙間部分の
防塵がなされている。
【0025】トラベラ50は、回転筒30のフランジ部
32に対して、そのフランジ部32の周方向に回転可能
に設けられている。
【0026】ブレーキリング60Aは、回転リング10
の下部に設けられている。図2,図3に示すように、ブ
レーキリング60Aの上部には、円筒状の嵌合部61が
形成されている。嵌合部61の下部には、外方へ張り出
す円環状の当接部62が形成されいる。そして、ブレー
キリング60Aは、嵌合部61において回転筒30の被
嵌合部34に対して嵌合され、当接部62が回転筒30
の下端部に当接することによって、回転筒30に取り付
けられている。
【0027】ブレーキリング60Aの当接部62の下部
には、多数のフィン68Aが設けられている。各フィン
68Aは、均等な角度間隔で半径方向に延びる縦板片状
をしている。各フィン68Aの外側端は、固定筒20に
近接している。
【0028】各フィン68Aの内側(ボビン82の側)
には、風圧遮断壁64Aが形成されている。風圧遮断壁
64Aは、嵌合部61と連続する円筒状をなしている。
これによって、各フィン68Aがボビン82の側から遮
断されている。
【0029】各フィン68Aの下側には、下側遮断壁6
6Aが形成されている。下側遮断壁66Aは、円環状を
なし、風圧遮断壁64Aの下部から固定筒20の下部に
対応する部分まで張り出している。
【0030】以上のようにして、各フィン68Aは、当
接部62,風圧遮断壁64A,下側遮断壁66A及び固
定筒20に囲まれており、外部の空気とほぼ遮断されて
いる。
【0031】下側遮断壁66Aが固定筒20の下部に対
応する部分まで張り出しているために、摺接リング40
に連通する隙間48Aは、回転筒30・固定筒20間,
ブレーキリング60A・固定筒20間を経て、遠心方向
に開口している。
【0032】この紡績用リング10の固定筒20,回転
筒30,トラベラ50の相互の関係は、ボビン82の回
転が10000〜15000回転/分等の定常状態とな
った際には(定常状態になった直後以降である必要はな
い)、トラベラ50及び回転筒30が固定筒20に対し
てほぼ同速度で一体的に回転するように、回転筒30の
摺接リング40に対する摩擦抵抗と、ブレーキリング6
0Aの周囲の空気に対する回転抵抗の合力が設定されて
いる。
【0033】次に、この紡績用リング10の作用効果を
説明する。そして、図1に基づいて前述したように、リ
ングレール74が往復昇降して紡績用リング10が往復
昇降しつつボビン82(スピンドル80)が回転するこ
とによって、トラベラ50や回転筒30が回転する。ド
ラフト装置72によってドラフトされて所定の送出速度
で送り出される糸Tは、ガイド部材76の貫通孔77を
通り、紡績用リング10のトラベラ50によってガイド
されかつ撚りをかけられつつ、ボビン82に対して巻き
取られていく。
【0034】その際、スピンドル80及びボビン82の
回転開始によってトラベラ50が回転し始め、トラベラ
50と回転筒30との間の摩擦抵抗によって回転筒30
も固定筒20に対して回転し始め、スピンドル80及び
ボビン82の回転が10000〜15000回転/分等
の高速で定常状態(角速度ω0 で一定)となった際に
は、トラベラ50に加わる強い遠心力によってトラベラ
50は回転筒30に対して強く接触するため、トラベラ
50と回転筒30がほぼ同速度でほぼ一体的に回転す
る。
【0035】図5,図6に基づいて前述したように、紡
績用リング10がAの高さとBの高さを往復する際に
は、Bの高さでは糸Tがすでに多く巻き取られているた
めに糸Tの巻取径d2 が大きく、Aの高さではそうでは
ないために巻取径d1 が小さい。そして、ボビン82
(スピンドル80)の角速度ω0 は一定であるために、
ボビン82の周面における回転速度である周速度につい
ては、Aの高さにおける周速度v1 =d1 ω0 /2より
も、Bの高さにおける周速度v2 =d2 ω0 /2の方が
大きい。このため、紡績用リング10の高さ位置に応じ
て変化するボビン82の周速度に追従して、トラベラ5
0(回転筒30)の回転速度は変化する必要がある。そ
の理想速度が図6中実線で表されている。
【0036】この紡績用リング10では、ブレーキリン
グ60Aの内側(ボビン82の側)の部分に風圧遮断壁
64Aが設けられている。このため、ボビン82(すで
に巻き取られた糸Tを含む)等の回転によって発生した
旋回気流をブレーキリング60A(フィン68A)が受
けることが防止され、その旋回気流によってブレーキリ
ング60Aが回転する方向へ維持される、ということが
防止される。このため、紡績用リング10がBの高さか
ら上昇し始めてボビン82の周速度が減速し始めると、
ブレーキリング60Aのブレーキ力によって、回転筒3
0及びトラベラ50の回転速度が理想速度(図6中の実
線)のように減速する。このために、回転筒30及びト
ラベラ50の減速が遅れることが防止され、バルーニン
グ崩壊現象の発生が防止されて(図7中の1点鎖線参
照)、円滑に紡績が行われる。
【0037】また、ブレーキリング60Aの下部には下
側遮断壁66Aが設けられているために、次の作用効果
がある。ブレーキリング60Aの各フィン68Aは当接
部62,風圧遮断壁64A,下側遮断壁66A及び固定
筒20に囲まれて外部の空気とほぼ遮断されているため
に、回転筒30の回転に伴うブレーキリング60Aの回
転の際に、各フィン68Aによって空気が切られるよう
な現象が生じないために、過度のブレーキ力が生じるこ
とがない。すなわち、各フィン68Aが風圧遮断壁64
A等に囲まれていない場合には、ブレーキリング60A
の回転速度が増加するのに応じてブレーキ力が加速度的
に急激に増大していくが、このブレーキリング60Aで
は、必要なブレーキ力は得られるとともに、必要以上に
大きなブレーキ力が生じることがない。このため、スピ
ンドル80の回転負荷が過大なものとはならず、スピン
ドル80を回転させるための電気エネルギーが節約さ
れ、省エネルギーが図られる。
【0038】また、摺接リング40(その下部)に接触
する隙間48Aは、回転筒30・固定筒20間,ブレー
キリング60A・固定筒20間を経て、紡績用リング1
0の遠心方向に開口しているために、次の作用効果があ
る。すなわち、回転筒30の回転による摩擦力によっ
て、摺接リング40は高温となろうとする。摺接リング
40が高温となると摺接リング40が膨張して摩擦抵抗
が高くなり、回転筒30の回転が阻害されてしまう。し
かしながら、この摺接リング40に接触する隙間48A
は外部空間に対しては遠心方向に開口しているために、
その隙間48A内の空気は、回転筒30等の回転に伴う
遠心力によって外部空間へ流れようとして、隙間48A
内から外部空間へと向かう気流が生じる。このため、摺
接リング40の熱が円滑に放熱されて、円滑に回転筒3
0が回転することが担保され、円滑に紡績が行われる。
【0039】<第2実施形態>次に、本発明の第2実施
形態について、第1実施形態との相違点を中心に、図8
に基づいて説明する。この紡績用リングでは、ブレーキ
リング60Bの風圧遮断壁64Bが、嵌合部61の延長
線上にはなく、やや外側に設けられている。このため、
各フィン68Bは、風圧遮断壁64Bによって、外側部
分64Baと内側部分64Bbとに仕切られている。下
側遮断壁66Bは、風圧遮断壁64Bの下端部から外方
へ延びている。
【0040】この紡績用リングでは、各フィン68Bの
内側部分64Bbにおいて、前述した旋回気流の影響を
受けるが、フィン68のうちの一部であるために、その
影響はそれほど大きいわけではなく、バルーニング崩壊
現象の発生を防止することができる。
【0041】<第3実施形態>次に、本発明の第3実施
形態について、第1実施形態との相違点を中心に、図9
に基づいて説明する。この紡績用リングでは、ブレーキ
リング60Cの下側遮断壁66Cが、各フィン68Cの
外側端部(当接部62の外側端部)までしか及んでいな
い。また、下側遮断壁66Cは、固定筒20の下端部と
ほぼ同一の高さとされている。このため、隙間48Cは
下方に開口している。
【0042】<第4実施形態>次に、本発明の第4実施
形態について、第3実施形態との相違点を中心に、図1
0に基づいて説明する。この紡績用リングでは、ブレー
キリング60Dの風圧遮断壁64Bが、第2実施形態と
同様に、やや外側に設けられている。また、下側遮断壁
66Cは、風圧遮断壁64Bの下端部から外方へ延びて
いる。
【0043】<第5実施形態>次に、本発明の第5実施
形態について、第1実施形態との相違点を中心に、図1
1に基づいて説明する。この紡績用リングでは、ブレー
キリング60Eに下側遮断壁(66A)が形成されてい
ない。一方、固定筒20の下部には、下側遮断部材28
Eが設けられている。下側遮断部材28Eは下側遮断壁
66Eを有し、下側遮断壁66Eは、ブレーキリング6
0の各フィン68Aの下側に近接した高さ位置におい
て、固定筒20の下端部からブレーキリング60Eの風
圧遮断壁64Aの延長線上まで内側方向へ延びている。
【0044】このようにして、各フィン68Aは、当接
部62,風圧遮断壁64A,下側遮断壁66E及び固定
筒20に囲まれて外部の空気とほぼ遮断されている。な
お、隙間48Eは、内側方向に開口している。
【0045】<第6実施形態>次に、本発明の第6実施
形態について、第5実施形態との相違点を中心に、図1
2に基づいて説明する。この紡績用リングでは、ブレー
キリング60Fの風圧遮断壁64Bが、第2実施形態と
同様に、やや外側に設けられている。また、下側遮断部
材28Fの下側遮断壁66Fは、遮断壁66Bの延長線
上まで延びている。
【0046】<第7実施形態>次に、本発明の第7実施
形態について、第1実施形態との相違点を中心に、図1
3に基づいて説明する。この紡績用リングでは、ブレー
キリング60Gに遮断壁(64A)や下側遮断壁(66
A)が形成されていない。一方、固定筒20に設けられ
た遮断部材28Gは、下側遮断壁66Gと風圧遮断壁6
4Gを有している。下側遮断壁66Gは、各フィン68
Gの下側に近接した高さ位置において、固定筒20の下
端部から各フィン68Gの内縁部よりやや内側まで及ん
でいる。風圧遮断壁64Gは各フィン68Gの内側に近
接した位置において当接部62とほぼ同一高さ位置まで
及んでいる。
【0047】このようにして、このようにして、各フィ
ン68Gは、当接部62,風圧遮断壁64G,下側遮断
壁66G及び固定筒20に囲まれて外部の空気とほぼ遮
断されている。なお、隙間48Gは上方に開口してい
る。
【0048】図9〜図13の実施形態において、ブレー
キリング60C〜60Gの半径方向外側に位置する固定
筒20や下側遮断癖66E〜66Gに、放熱のための空
気通過孔を設けてもよい。また、ブレーキリングの凹凸
部は、多数の突起物で形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である紡績用リング及び従来
の紡績用リングが用いられる精紡機全体を示す図であ
る。
【図2】本発明の第1実施形態である紡績用リングの拡
大断面図である。
【図3】図2の紡績用リング中のブレーキリングを取り
出して示す斜視図である。
【図4】図2の紡績用リングや従来の紡績用リングが図
1中のリングレール74に取り付けられる状態を示す斜
視図である。
【図5】図2の紡績用リングや従来の紡績用リングが昇
降する状態を示す正面図である。
【図6】図5に対応し、図2の紡績用リングや従来の紡
績用リングが昇降する際のトラベラ及び回転筒の回転を
示す図である。
【図7】図2の紡績用リングや従来の紡績用リングの使
用状態を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図9】本発明の第3実施形態の要部を示す断面図であ
る。
【図10】本発明の第4実施形態の要部を示す断面図で
ある。
【図11】本発明の第5実施形態の要部を示す断面図で
ある。
【図12】本発明の第6実施形態の要部を示す断面図で
ある。
【図13】本発明の第7実施形態の要部を示す断面図で
ある。
【図14】従来の紡績用リングを示す断面図である。
【図15】図14の紡績用リング中のブレーキリングを
取り出して上下反転して示す斜視図である。
【符号の説明】
10 紡績用リング 20 固定筒 30 回転筒 40 摺接リング 50 トラベラ 60A〜60G ブレーキリング 64A〜64G 風圧遮断壁 66A〜66G 下側遮断壁 68A〜68G フィン 48A 隙間 70 粗糸ボビン(糸供給部) 82 ボビン T 糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩間 泰志 愛知県岩倉市大地町蕎麦田22 日邦産業株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸供給部から導かれる糸をボビンに巻き
    取るための紡績用リングであって、 固定的に設けられる固定筒と、 その固定筒の内側においてその固定筒と同心的にかつそ
    の中心軸線を中心に回転可能に設けられ、かつその内側
    に前記ボビンが同心的にかつその中心軸線を中心に回転
    可能に配設される回転筒と、 その回転筒に対してその周方向に回転可能に設けられ、
    前記糸供給部から導かれる糸を前記ボビンに対してガイ
    ドするトラベラと、 前記回転筒に設けられ、多数の凹凸部を有してその空気
    抵抗により当該回転筒にブレーキ力を付与するブレーキ
    部材とを有し、 そのブレーキ部材には、前記ボビンの回転によって生じ
    る旋回気流による風圧を遮断する風圧遮断壁が形成され
    ていることを特徴とする紡績用リング。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の紡績用リングであっ
    て、 前記ブレーキ部材が、前記回転筒と同心的なリングであ
    るブレーキリングであり、 そのブレーキリングが、前記多数の凹凸部として前記回
    転筒の半径方向成分を含む方向に延びる多数のフィンを
    有し、 前記風圧遮断壁が、前記ブレーキリングの前記多数のフ
    ィンの少なくとも一部を前記ボビンの側から遮断するも
    のであることを特徴とする紡績用リング。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の紡績用リングであっ
    て、 前記フィンが当該紡績用リングの上部の外側において露
    出しているものではないことを特徴とする紡績用リン
    グ。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の紡績用リングであっ
    て、 前記ブレーキリングのフィンが、外部の空気とほぼ遮断
    されていることを特徴とする紡績用リング。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の紡績用リングであっ
    て、 前記ブレーキリングの多数のフィンが前記回転筒の下側
    に設けられており、その多数のフィンの下部が下側遮断
    壁によって遮断されており、当該多数のフィンの外側端
    が前記固定筒と近接していることを特徴とする紡績用リ
    ング。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の紡績用リングであっ
    て、前記回転筒が回転する際に摺動する部分と連通する
    隙間が、前記固定筒と前記ブレーキリングとの間を経て
    遠心方向に開口していることを特徴とする紡績用リン
    グ。
JP8174519A 1996-07-04 1996-07-04 紡績用リング Pending JPH1018130A (ja)

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JP8174519A JPH1018130A (ja) 1996-07-04 1996-07-04 紡績用リング
US08/886,781 US5918454A (en) 1996-07-04 1997-07-01 Spinning ring structure with an aerodynamic brake member
BR9703858A BR9703858A (pt) 1996-07-04 1997-07-03 Estrutura analuar de fiação
EP97111358A EP0816541A1 (en) 1996-07-04 1997-07-04 Spinning ring structure
IDP972327A ID17718A (id) 1996-07-04 1997-07-04 Struktur gelang pemintal

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JPH0686688B2 (ja) * 1988-09-05 1994-11-02 博史 山口 紡績用回転リングの軸承装置
JPH0689489B2 (ja) * 1989-06-02 1994-11-09 博史 山口 紡績用回転リング
EP0730054B1 (en) * 1994-09-16 2003-05-07 Nippo Ltd. Spinning ring

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ID17718A (id) 1998-01-22
US5918454A (en) 1999-07-06
BR9703858A (pt) 1998-09-08
EP0816541A1 (en) 1998-01-07

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