JPH10180943A

JPH10180943A - 光触媒機能を有する化粧紙

Info

Publication number: JPH10180943A
Application number: JP8347861A
Authority: JP
Inventors: Yuji Takahashi; 勇司高橋; Shingo Chokai; 臣吾鳥海
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1996-12-26
Filing date: 1996-12-26
Publication date: 1998-07-07

Abstract

(57)【要約】【課題】一般住宅、病院、ホール等の壁面や天井などに
用いられる光触媒機能（抗菌性、脱臭性）を有する化粧
紙を提供する。【解決手段】本発明の光触媒機能（抗菌性、脱臭性）を
有する化粧紙は、基材１０の片面に、発泡性樹脂層１
１、絵柄層１２、無機質層１３及び光触媒機能層１４
が、この順に積層され、光触媒機能層表面にエンボス加
工を施こしてなるものである。また、前記光触媒機能層
は、光触媒粒子の１部分が前記無機質層１３の表面に埋
設されてなることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般住宅、病院、
ホール等の壁面や天井などに用いられる光触媒機能（抗
菌性、脱臭性）を有する化粧紙に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、抗菌性や脱臭性を目的とする壁面
や天井用の化粧紙としては、例えば、基材上に、金属を
吸着体に坦持させた抗菌剤、活性炭微粒子の脱臭剤を含
有した塩化ビニル樹脂等を塗布したものや、抗菌剤、脱
臭剤を練り込んだフィルムを貼り合わせたものがある
が、それらの含有量の割に機能効果が低いことや、機能
効果が持続しない等の課題を抱えている。また、最近、
半導体に光を当てて活性酸素を発生させ、抗菌作用や悪
臭物質の分解の働きをする光触媒の技術が注目されてい
るが、その使用例として、光触媒粒子を熱可塑性樹脂フ
イルムに練り込むか、あるいは熱可塑性樹脂液などに添
加し、塗布にて光触媒機能層を設けたものがある、しか
しながら光触媒粒子表面が樹脂で被覆されており、外気
に直接、接していないために、抗菌性、脱臭性を充分に
発揮することができないばかりか、更に、光触媒粒子が
光照射を受けた際に、光触媒粒子表面を被覆している熱
可塑性樹脂が光触媒粒子によって分解、破壊されてしま
うため、熱可塑性樹脂層又は熱可塑性樹脂フイルムの脆
化や光触媒粒子の脱落を招いてしまう問題を抱えてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みなされたもので、抗菌、脱臭効果が高
く、その効果を持続させるような構造を有する、光触媒
機能を有する化粧紙を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明の光触媒機能（抗
菌性、脱臭性）を有する化粧壁紙は、基材の片面に、発
泡性樹脂層、絵柄層、無機質層及び光触媒機能層が、こ
の順に積層されてなることを特徴とするものである。ま
た、本発明は、前記最外層の光触媒機能層表面に、エン
ボス加工を施してなることを特徴とするものである。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明をその一実施例を示す図１
に基づいて説明すると、本発明の光触媒機能（抗菌性、
脱臭性）を有する化粧紙（図１）は、基材（１０）の片
面に発泡性樹脂層（１１）、絵柄層（１２）、無機質層
（１３）及び光触媒機能層（１４）が、この順に積層さ
れ、光触媒機能層表面にエンボス加工を施した構成とな
っている。

【０００６】上記基材（１０）としては、難燃紙、不燃
紙、ガラス繊維、不織布、織布、紙間強化紙、樹脂含浸
紙、及び合成樹脂フイルム（エラストマー性付与品を含
む）等を用いることができる、壁紙用としては、不燃
紙、難燃紙が好ましく使用できる。

【０００７】上記発泡性樹脂層（１１）の組成として
は、樹脂成分に発泡剤、可塑剤、安定剤、難燃剤、充填
剤、希釈剤等を配合したものである。上記発泡剤として
は、その種類は問わないが、たとえばカプセル発泡剤や
アゾジカルボンアミド系の有機発泡剤などを用いること
ができる。上記カプセル発泡剤としては、熱可塑性樹脂
の中空粒子で、中空部分に揮発性物質（たとえば、イソ
ブタン等の揮発性炭化水素）が封入されているもので、
カプセルを形成する熱可塑性樹脂には、塩化ビニリデン
−アクリロニトリル共重合体等が使用される。カプセル
の粒径としては、好ましくは５〜２０μｍのものが使用
される、かかるカプセル発泡剤は、加熱により封入され
ている揮発性物質が揮発することによって、発泡し、有
機発泡剤のようなガス化発泡はしない。

【０００８】上記樹脂成分としては、塩化ビニル、アク
リル酸、アクリル酸エステル、または、メタクリル酸エ
ステルを主成分とする重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ニトロセル
ロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルブチラー
ル、ポリプロピレンの塩素化物等が挙げられる。

【０００９】なお、発泡性樹脂層（１１）を水性エマル
ジョンタイプ組成とするときは、紙基材等に発泡性樹脂
層（１１）を設ける場合に、その下層に水分の紙基材等
へのしみこみ防止や波打ち防止としてアクリル樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、ニトロセルロースなどのセルロース誘導体、
ポリビニルブチラール、ポリプロピレンの塩素化物等の
樹脂コート層を設けておくことが望ましい。

【００１０】上記絵柄層（１２）を構成するインキの樹
脂バインダーとしては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ニトロセルロー
ス、セルロースアセトブチレート、セルロースアセテー
トプロピオネート、ポリビニルブチラール、ポリプロピ
レンの塩素化物、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル系樹脂等、また、これらに、イソシアネート化
合物を添加したもの等が使用できる。

【００１１】上記無機質層（１３）としては、水ガラ
ス、アルミノケイ酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、そして
リン酸塩などを結合材とした水溶液、また、コロイダル
シリカ、コロイダルアルミナ等の分散液をコーテイング
剤として用いることができ、１００〜２００℃で製膜で
きるものが望ましく、硬化剤としては酸化マグネシウム
（ＭｇＯ），酸化亜鉛（ＺｎＯ），酸化アルミニウム
（Ａｌ₂Ｏ₃）等の金属酸化物、水酸化物、ケイ酸マグ
ネシウム、チタン酸ストロンチューム、ホウ酸塩化合物
などが使用できる。塗布の厚さとしては０．３〜１０μ
が望ましく、１０μ以上になるとクラックや剥離現象が
生じたり、透明性が下がったりといつた問題が起こり易
くなり、０．３μ以下では無機質の塗膜性が不充分とな
る。

【００１２】無機質層（１３）の形成方法としては、コ
ーティング法、印刷法の他に、ケイ素酸化物（ＳｉＯ_x
ｘ＝１〜２）、酸窒化ケイ素（ＳｉＯ_xＮ_y、ｘ＝０．
６〜０．８、ｙ＝０．７〜０．９）、酸化マグネシウム
（ＭｇＯ）、アルミニウム酸化物（Ａｌ₂Ｏ₃) 等の無
機酸化物や金属酸化物の無機材料を、真空蒸着法やスパ
ツタリング、イオンプレーティングまたは、プラズマ活
性化化学反応蒸着法等を用いて形成することができる。

【００１３】上記抗菌性、脱臭性を有する光触媒機能層
（１４）の光触媒粒子としては、酸化チタン（Ｔｉ
Ｏ₂），酸化亜鉛（ＺｎＯ），酸化鉄（Ｆｅ₂Ｏ₃）、
酸化インジューム（Ｉｎ₂Ｏ₃），酸化スズ（Ｓｎ
Ｏ₂）等が使用できるが、原料コストや機能効果の点で
酸化チタン（ＴｉＯ₂）、酸化亜鉛（ＺｎＯ），酸化鉄
（Ｆｅ ₂Ｏ₃）が好ましく使用できる。そして、光触媒
機能層（１４）を形成する方法として、１つには光触媒
粒子を、無機質層（１３）を形成する際に用いた水ガラ
ス、アルミノケイ酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、そして
リン酸塩などを結合材とした水溶液、また、コロイダル
シリカ、コロイダルアルミナ等の分散液に、添加し、コ
ーティングして無機質層（１３）上に形成する。また、
もう１つの方法として、無機質層（１３）が、塗布直後
で、発泡性樹脂層（１１）を加熱発泡する前の未硬化で
柔軟性、粘着性を充分に有している間に、光触媒粒子を
粉体の状態で未硬化無機質層表面に吹き付け、あるい
は、振りかけ、その後、加熱発泡させて、次に熱圧エン
ボスロールを調節して、凹凸模様（１５）を付与すると
同時に光触媒粒子の１部分が無機質層（１３）中に埋設
されるように固定する。

【００１４】前記２つの方法のうち、前者は、無機質層
（１３）中に光触媒粒子が混ぜ込まれているので、外気
に直接、接していないために、抗菌性、脱臭性を充分に
は発揮することができない。一方、後者は、光触媒粒子
の１部分が無機質層表面に埋設されてはいるものの、大
部分は外気に直接、接しているために抗菌性、脱臭性を
充分に発揮することができる。

【００１５】なお、銀、亜鉛、銅のいずれかをイオン結
合させた、抗菌性ゼオライト、抗菌性アパタイト、抗菌
性ジルコニアなどの無機系や、ジンクピリジオン、チア
ゾリル−ベンゾイミダゾール、フルオロジクロロメチル
チオ−フタルイミド、ジメチル−フエノール−スルフア
ミド、オキシビスフエノキサルジンなど有機系など抗菌
剤を上記光触媒粒子に混合し、併用すれば、光が当たら
ない時でも抗菌性効果を発揮することができる。

【００１６】

【実施例】坪量約１２０ｇ／ｍ²の難燃紙（特種製紙
（株）製：ＴＴー１２０ＴＷ）の片面に、配合１主体か
らなる発泡性の水性アクリル系樹脂エマルジョンをコー
ターにて、固形分１２０ｇ／ｍ²となるように塗布し、
発泡性樹脂層を形成した、次に、該発泡性樹脂層上にア
クリル−エチレン−酢酸ビニル共重合体インキ（東洋イ
ンキ製造（株）製：ＶＣＡ）により絵柄をグラビア印刷
にて印刷し、その上に、ケイ酸ナトリウムの水溶液をコ
ーターにて、２μ厚さに塗布し、無機質層を形成し、加
熱する前の未硬化の段階で、２酸化チタンの微粉末（２
０μ以下：アナターゼ型）を無機質層の全表面に吹き付
け、その後、乾燥炉で１８０℃で２０秒間、加熱発泡さ
せた。その後２酸化チタンの微粉末が無機質層に埋設し
ないようにエンポスロールを用いて、無機質層側にエン
ボスを施し、本発明に係る化粧紙を得た。配合１（エマルジョンタイプ）・ＬＸＳ−１３４１００重量部アクリル樹脂
（クラレ社製）・Ｂー７０３１００重量部水酸化アルミ
（日本軽金属社製）・エクスパンセル０５４１０重量部カプセル発泡剤
（日本フェライト社製）

【００１７】＜実施例の結果＞実施例１での光触媒機能
（抗菌性、脱臭性）を有する化粧紙の抗菌性能につい
て、紫外線照射量、８μＷ／１ｃｍ²で２時間の光照射
試験を行った処、以下、抗菌性で良好な結果が得られ
た。スタート当該シートブランクシート大腸菌３×１０⁵ ＜１４．２×１０⁵ ミュータンス菌２．６×１０⁵ ＜１１．８×１０⁵ ＜１検出限界以下

【００１８】

【発明の効果】本発明の光触媒機能を有する化粧紙は、
家庭用蛍光灯でも、長時間照射すれば、大腸菌等に対す
る抗菌性と、アンモニア、アセトアルデヒド等に対する
脱臭性の両方の効果を発揮することができる。また、本
発明の化粧紙は、無機質層中に光触媒粒子の一部が脱落
することなく強固に保持され、大部分が外気に接してい
るような状態で光触媒機能層が形成されているので、抗
菌、脱臭効果を持続して、かつ良好に発揮することがで
きる。

【００１９】

【図面の簡単な説明】

【図１】光触媒機能を有する化粧紙の断面図である。

【符号の説明】

１０…基材１１…発泡性樹脂層１２…絵柄層１３…無機質層１４…光触媒機能層１５…エンボス模様

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】基材の片面に、発泡性樹脂層、絵柄層、無
機質層及び光触媒機能層が、この順に積層されてなるこ
とを特徴とする光触媒機能を有する化粧紙。
【請求項２】前記最外層の光触媒機能層表面に、エンボ
ス加工を施してなることを特徴とする請求項１に記載の
光触媒機能を有する化粧紙。